RF28mm F2.8 STMレビュー|ポートレートの撮り方・背景ボケ・28mmの使い方を解説
RF28mm F2.8 STMは、キヤノンRFマウント用の薄型パンケーキ単焦点レンズです。フルサイズでは28mmの広角、APS-Cでは35mm判換算約45mm相当の標準域として使えます。最大径約69.2mm、収納時全長約24.7mm、質量約120gという小ささが最大の特徴で、EOS Rシリーズへ装着したまま日常的に持ち歩きやすいレンズです。
28mmという焦点距離は、85mmや135mmのように背景を圧縮して人物だけを切り取るポートレートとは方向性が異なります。人物の周囲にある街並み、部屋、自然、光、建物まで一枚の写真へ取り込み、「どこにいて、どのような空気の中にいる人物なのか」を表現しやすい焦点距離です。広角だから人物撮影に向かないという単純な話にはならず、被写体との距離、人物を置く位置、カメラの高さ、背景との関係を意識すると28mmらしいポートレートを作れます。
RF28mm F2.8 STMは6群8枚、7枚羽根、最短撮影距離0.23m、最大撮影倍率0.17倍、フィルター径55mmという構成です。レンズ内手ブレ補正はありませんが、ボディ内手振れ補正搭載機との組み合わせではカメラ側の補正を利用できます。フォーカス駆動はSTMで、フォーカスリングとコントロールリングを兼用する構造です。本記事では、28mmポートレートの考え方、人物の歪みを抑える距離、F2.8のボケ、全身・上半身・環境ポートレート、逆光、夜景、APS-Cでの使い方、RF35mm F1.8やRF50mm F1.8との違いまで詳しく解説します。
RF28mm F2.8 STMの基本性能とポートレートでの特徴
RF28mm F2.8 STMを人物撮影へ使う前に、28mmという焦点距離とレンズ自体の設計を理解しておく必要があります。このレンズの価値は単純な明るさやボケ量だけで決まらず、小型軽量と広角画角を組み合わせた撮影テンポにあります。
フルサイズでは28mmの広角単焦点として使える
フルサイズEOS Rシリーズでは、RF28mm F2.8 STMはそのまま28mmの画角になります。24mmほど広すぎず、35mmより周囲を広く取り込めるため、人物と背景を同時に見せる環境ポートレートに向いています。街角、公園、海辺、旅行先、室内など、場所そのものに意味がある撮影では28mmの広さを生かせます。
人物撮影では焦点距離だけで写真の見え方が決まるのではなく、撮影者と人物の距離が大きく影響します。28mmで人物を大きく写そうとすると撮影距離が短くなり、その距離が遠近感を強く見せます。28mm単焦点の使い方全般については、28mm単焦点の使い道を解説した記事も参考になります。
約120gのパンケーキ設計で持ち出しやすい
RF28mm F2.8 STMの質量は約120gで、収納時全長は約24.7mmです。RFレンズの中でも非常に小型で、カメラバッグへ入れるという感覚より、ボディへ付けたまま日常的に持ち歩く使い方へ向きます。ポートレート専用の大型レンズを持ち出す撮影とは異なり、散歩や旅行の途中で自然な人物写真を残しやすいことが強みです。
カメラを向けたときの威圧感も大型レンズより小さく、撮られる側が構えにくいことがあります。日常ポートレートでは機材の大きさが被写体の表情へ影響するため、小型軽量には画質以外の意味があります。RF単焦点を軽快に使う考え方は、RF単焦点レンズの特徴をまとめた記事でも確認できます。
F2.8と最短0.23mで人物以外にも寄れる
開放F値はF2.8、最短撮影距離は0.23m、最大撮影倍率は0.17倍です。28mmとしては比較的寄りやすく、人物撮影の途中で手元、アクセサリー、料理、小物、花などへ接近できます。ポートレートを一枚だけ撮るレンズとして見るより、人物と周囲のディテールを連続して記録するレンズとして使うと特徴が生きます。
近接すると広角でも背景をぼかしやすくなり、F2.8でも被写体と背景の距離を確保すればボケを作れます。撮影距離と写真の見え方の関係は、被写体との距離で写真が変わる理由の記事で詳しく整理しています。
28mmポートレートで人物を自然に写す距離
28mmポートレートで最も重要なのは撮影距離です。広角レンズの歪みは焦点距離だけで決まるものではなく、人物へ近づき過ぎることで顔や体の前後差が強調されます。適切な距離を取れば、28mmでも自然な人物写真を撮れます。
顔のアップでは近づき過ぎない
28mmで顔だけを画面いっぱいに入れると、カメラとの距離が非常に短くなります。鼻が大きく見え、耳が小さく見えるなど、顔の前後差が強調されやすくなります。これはレンズ固有の特殊な歪みだけが原因ではなく、撮影位置が人物へ近づき過ぎることによる遠近感の変化です。
顔を自然に見せたいなら、無理に顔だけを大きく切り取らず、上半身や全身まで含める方が28mmを扱いやすくなります。広角レンズで人物を撮る際の基本は、広角レンズの撮影テクニックの記事でも確認できます。
上半身は少し距離を取って背景も利用する
上半身ポートレートでは、人物へ極端に近づかず、周囲の空間を残す構図が使いやすくなります。壁、窓、木、店先、道路などを背景へ入れると、28mmらしい環境ポートレートになります。人物だけを大きく見せようとするより、背景との関係まで含めて画面を作ることが重要です。
背景が広く入る分、電柱、看板、通行人、明るい物体なども写り込みやすくなります。人物の後ろへ何を置くかを意識することで、画面が散らかりにくくなります。背景処理の考え方は、背景処理と写真表現の記事も参考になります。
全身撮影では28mmの広さが生きる
全身ポートレートはRF28mm F2.8 STMと相性の高い撮り方です。人物全体を画面へ入れながら、その周囲に道路、建物、空、木々、室内などを残せます。旅行や街歩きでは人物と場所を同時に記録できるため、後から見返したときに撮影時の状況が伝わりやすくなります。
人物を画面端へ寄せ過ぎると広角特有の引き伸ばしが目立つことがあります。顔や体を自然に見せたい撮影では中央付近から少し外す程度に置き、周辺部は背景として使うと安定します。APS-C用の広角パンケーキで人物を撮る例として、EF-S24mm F2.8 STMのポートレート記事も参考になります。
RF28mm F2.8 STMで背景ボケを作る方法
28mm F2.8は85mm F1.2のような大きな背景ボケを狙うレンズではありません。ただし、広角だから背景がぼけないわけでもありません。被写体への距離、背景までの距離、絞りの組み合わせによって、28mmでも主役を分離できます。
被写体へ近づくとF2.8でも背景をぼかせる
ボケ量は焦点距離とF値だけで決まらず、撮影距離も大きく影響します。人物の上半身、手元、顔周辺の小物などへ近づくと、F2.8でも背景が柔らかくぼけます。最短撮影距離0.23mを生かして小物を大きく写すと、広角レンズらしい背景を残しながら前後差を作れます。
人物を大きく写したい場合は、顔のアップより手元やアクセサリーなどへ近づく方が広角の遠近感を生かしやすくなります。F値とボケの関係については、F値と背景ボケを解説した記事で確認できます。
背景を人物から離すと分離しやすい
人物のすぐ後ろに壁があると、F2.8でも背景はあまりぼけません。人物と背景の距離を大きく取ると、同じF2.8でも背景がぼけやすくなります。公園なら木々を遠くへ置き、街中なら道路の奥行きや建物の距離を利用すると、28mmでも人物を背景から分離できます。
広角ポートレートでは背景を完全に消すことより、形を残したまま柔らかくする方が28mmらしい表現になります。背景まで含めた35mmポートレートの考え方は、RF35mm F1.8 MACRO IS STMのポートレート記事と比較すると分かりやすくなります。
ボケ量を求めるなら50mmとの違いが大きい
同じ人物を同程度の大きさで写す場合、50mmは28mmより離れた位置から撮影できます。背景の写る範囲が狭くなり、F1.8の明るさも加わるため、RF50mm F1.8 STMの方が背景を大きくぼかしやすくなります。
RF28mm F2.8 STMは人物と背景を見せるレンズ、RF50mm F1.8 STMは人物へ視線を集めやすいレンズとして性格が異なります。50mm側の特徴は、RF50mm F1.8 STMのポートレート記事で詳しく確認できます。
環境ポートレートで28mmを生かす構図
RF28mm F2.8 STMが最も特徴を出しやすいのが環境ポートレートです。人物だけを写すのではなく、人物がいる場所まで一つの被写体として扱います。広角画角を利用すると、写真に状況や物語を持たせやすくなります。
人物と街並みを同時に写す
街中では、人物の後ろに道路、店舗、看板、建物などを配置すると、その場所らしさを一枚へ残せます。28mmなら人物を大きく写しながら背景も十分に入るため、旅行先や日常のスナップポートレートに向きます。
背景の情報量が多い場合は、人物の後ろへ明るい看板や強い色を置かないよう構図を整理すると視線が散りにくくなります。28mm単焦点のスナップ撮影全般は、28mm単焦点の使い道の記事でも確認できます。
室内では狭い場所でも人物と空間を入れやすい
室内撮影では、50mmや85mmだと後ろへ下がれず、人物全体を入れにくいことがあります。28mmなら狭い部屋でも人物と家具、窓、壁などを同時に写しやすくなります。自宅、カフェ、スタジオ、小さな店舗などで使いやすい画角です。
ただし、画面端へ人物を置くと体が引き伸ばされて見える可能性があります。中央寄りへ人物を置き、端は室内の背景として使うと安定します。24mmから70mmまでの広角側を使った人物表現は、RF24-70mm F2.8 L IS USMのポートレート記事も比較材料になります。
前景を入れると28mmらしい奥行きを作れる
広角レンズでは、画面手前に物を置くと奥行きが強く見えます。葉、柵、テーブル、壁、道路などを前景へ少し入れ、その奥へ人物を置くと、平面的な人物写真から立体的な構図へ変えられます。
前景を大きく入れ過ぎると人物が小さくなり過ぎるため、主役が人物であることを保ちながら使うことが重要です。遠近感と撮影距離の関係は、撮影距離と写真表現の記事でも詳しく解説しています。
人物のスタイルを28mmで表現する方法
28mmは撮影位置によって体型の見え方が変わりやすい焦点距離です。この性質を欠点として避けるだけでなく、意図して利用するとファッションやストリート系の人物撮影で独特の迫力を作れます。
低い位置から撮ると脚を長く見せやすい
カメラを少し低い位置に置き、人物へ近づいて全身を撮ると、カメラに近い脚が大きく、上半身が相対的に小さく見えます。これによって脚を長く見せるような広角らしい表現を作れます。ファッション撮影やストリートポートレートでは意図的に使われる方法です。
角度を付け過ぎると不自然さも強くなるため、少しずつカメラ位置を下げて確認する方が扱いやすくなります。広角の遠近感を人物へ使う考え方は、広角レンズの撮影テクニックにも共通します。
顔は画面中央付近へ置くと形を保ちやすい
広角レンズは画面周辺ほど形が引き伸ばされて見えやすいため、顔を端へ置く構図では違和感が出る場合があります。人物の顔を中央から中間部へ置き、背景を周辺へ広げると、28mmらしい広さを残しながら人物の形を整えやすくなります。
顔の形を最優先するなら、28mmより35mmや50mmの方が撮影距離を取りやすくなります。35mmで人物と背景を両立する方法は、RF35mm F1.8 MACRO IS STMのポートレート記事が比較材料になります。
ポーズと背景の線を一緒に考える
28mmは画角が広いため、人物のポーズだけを見て撮ると背景の線が乱れやすくなります。道路、建物、壁、階段などの線を人物へ向かわせると、視線を自然に主役へ誘導できます。腕や脚の向きも背景の線と合わせると画面全体に流れを作れます。
望遠ポートレートでは背景を整理しやすい一方、28mmでは背景そのものを構図として使う必要があります。望遠側との違いを理解するには、中望遠レンズの使い方の記事と比較すると分かりやすくなります。
光を生かしたRF28mm F2.8 STMのポートレート
28mmは背景が広く写るため、光源の位置や明暗差も画面へ入りやすくなります。人物だけの露出を見るより、背景の明るさや光の方向を含めて構図を作ると、広角ポートレートの完成度を上げやすくなります。
逆光では人物と背景の空気感を一緒に写す
夕方や窓際で人物を逆光にすると、髪や輪郭へ光が入り、背景にも明るい空気感が出ます。28mmは広い範囲を写すため、太陽や窓を画面外ぎりぎりへ置く構図も作りやすくなります。
人物の顔が暗くなり過ぎる場合は露出補正で持ち上げる方法がありますが、背景の白飛びとのバランスも確認する必要があります。光を使ったポートレート全般は、RF50mm F1.8 STMのポートレート記事とも共通する部分があります。
日陰では背景の明るい部分を整理する
日陰で人物を撮ると顔へ柔らかい光が回りやすくなります。一方、背景に直射日光が当たっていると、人物より背景が極端に明るくなり、視線が背景へ引っ張られることがあります。28mmは背景が広く入るため、明るい部分の配置が特に重要です。
人物の後ろに暗めの背景を置き、顔へだけ柔らかい光が当たる場所を選ぶと、F2.8でも人物を分離しやすくなります。背景処理の考え方は、背景処理と写真表現の記事が参考になります。
夜景では点光源を背景へ散らす
夜の街では、街灯、店舗照明、車のライトなどを背景へ入れると、28mmでも夜景ポートレートを作れます。F2.8はF1.8ほど明るくないため、暗い場所ではISO感度が上がりやすくなりますが、現在のEOS Rシリーズなら高感度を組み合わせて対応できます。
被写体へ近づき、背景の点光源を遠くへ置くと、F2.8でも小さなボケを作れます。より明るい35mmとの違いは、RF35mm F1.8 MACRO IS STMの記事と比較すると分かりやすくなります。
RF28mm F2.8 STMのAFと操作性
RF28mm F2.8 STMはパンケーキ設計ながらAFへ対応し、EOS Rシリーズの人物検出や瞳検出AFを利用できます。ポートレートではレンズ単体のAF速度だけでなく、カメラ側の被写体認識と組み合わせた使い方が重要です。
STMと瞳AFを組み合わせて人物へ合わせる
フォーカス駆動にはSTMを採用しています。EOS Rシリーズの人物検出・瞳検出AFと組み合わせれば、人物を画面中央へ固定せず構図を作りながらピントを合わせられます。28mmでは背景を広く取り込むため、人物を中央から外して配置する構図が増えますが、撮像面AFならその配置へ対応しやすくなります。
人物が歩く場面ではサーボAFを使い、瞳や顔を追従させることでスナップ的なポートレートを撮れます。EOS RシリーズのAFの考え方については、EOS RPのピント合わせの記事も参考になります。
フォーカスリングとコントロールリングは一体型
RF28mm F2.8 STMは薄型化のため、フォーカスリングとコントロールリングを一体化しています。スイッチで機能を切り替え、MF操作や露出補正、ISO感度などの割り当てに使えます。独立リングを複数持つ大型RFレンズより操作部は少ないものの、パンケーキレンズとしてサイズを抑えるための合理的な構造です。
日常スナップでは露出補正を割り当てておくと、逆光や明暗差の大きい場所で素早く調整できます。RFマウントの電子接点と操作リングの基本は、電子接点とレンズ通信の記事にも関連します。
レンズ内手ブレ補正は搭載していない
RF28mm F2.8 STMにはレンズ内手ブレ補正がありません。ボディ内手振れ補正搭載機ではカメラ側の補正を利用できますが、非搭載機ではシャッタースピードを意識する必要があります。人物が静止していても撮影者の手ブレが出る可能性があるため、暗所ではISO感度を上げてシャッタースピードを確保する方が安定します。
人物自身が動いている場面では、手ブレ補正があっても被写体ブレは止まりません。シャッタースピードの考え方は、動きを止める撮影方法の記事で詳しく整理しています。
フルサイズとAPS-Cで画角が大きく変わる
RF28mm F2.8 STMはフルサイズ対応レンズですが、APS-CのEOS Rシリーズでも使用できます。装着するボディによって画角が大きく変わるため、同じレンズでもポートレートでの性格が異なります。
フルサイズでは環境ポートレート向けの28mm
フルサイズでは28mmの広角となり、人物と背景を一緒に写す用途へ向きます。EOS R8やR6シリーズのようなフルサイズ機と組み合わせると、街中、旅行、室内などで28mm本来の広さを使えます。
人物だけを大きく切り取る撮影より、場所や光まで一枚へ入れる撮影に向きます。フルサイズRFマウント機で人物撮影を行う考え方は、EOS R8の記事とも関連します。
APS-Cでは約45mm相当の標準レンズになる
APS-CのEOS R50やR10などへ装着すると、35mm判換算約45mm相当の画角になります。広角らしい強い遠近感は弱まり、標準単焦点に近い自然な見え方になります。人物との距離も取りやすくなり、上半身や日常スナップポートレートへ使いやすくなります。
約45mm相当なら、人物だけでなく料理、小物、街歩きにも使いやすく、一枚で多用途へ対応できます。APS-Cで標準域としてパンケーキレンズを使う例は、EF-S24mm F2.8 STMの記事とも比較できます。
APS-Cでは周辺部を使わない利点もある
APS-Cではフルサイズ用イメージサークルの中央部分を使用するため、フルサイズで画面端になる部分は記録されません。RF28mm F2.8 STMはデジタル補正を前提とした設計で、フルサイズでは周辺部の補正量が大きくなりますが、APS-Cでは中心寄りの範囲を使うことになります。
その一方、画角は約45mm相当まで狭くなるため、28mmらしい広角表現は失われます。広角と標準の違いを理解するには、撮影距離と焦点距離の記事も参考になります。
RF28mm F2.8 STMの画質と補正の特徴
RF28mm F2.8 STMは非常に薄いパンケーキ設計のため、光学系だけですべての収差や歪曲を抑える考え方ではなく、カメラ側のデジタル補正も利用する設計です。小型軽量との交換条件を理解すると、このレンズの性格が見えやすくなります。
中心部は開放から実用的な解像感を得やすい
F2.8開放でも中央付近は解像感を得やすく、人物の目や衣服の質感を十分に残せます。ポートレートでは画面中央から中間部へ人物を置くことが多いため、中心部の描写が安定していることは実用上重要です。
周辺まで均一な解像を求める風景ではF4からF8程度へ絞ると使いやすくなります。人物撮影では周辺部を背景として使うことが多いため、開放F2.8を積極的に利用できます。RFレンズの描写傾向全般は、RFレンズの解像力とボケを解説した記事にも関連します。
歪曲収差はカメラ側の補正を強く利用する
RF28mm F2.8 STMは小型化を優先した設計で、歪曲収差補正をカメラ側へ大きく依存します。EOS Rシリーズで通常撮影する際は補正後の画像を前提として構図を見ることになります。そのため、未補正RAWを特殊な現像ソフトで見ると、通常の完成画像とは大きく異なる形が現れることがあります。
ポートレートでは補正後の画像を前提に人物を配置することが重要です。特に画面端へ顔や手足を置く場合は、広角特有の引き伸ばしとデジタル補正の影響を含めて確認する必要があります。広角画角の扱いは、広角レンズ撮影の記事も参考になります。
開放では周辺光量低下が出やすい
F2.8開放では周辺光量低下が出やすくなりますが、カメラ側の周辺光量補正を利用できます。ポートレートでは周辺が少し暗くなることで人物へ視線が集まる場合もあり、必ずしもすべて補正する必要はありません。
風景や建築で均一な明るさを求める場合は、絞りを少し絞る方法があります。人物撮影ではF2.8を使って背景を柔らかくし、必要に応じて補正量を調整する使い方ができます。レンズの光学性能全般は、レンズ構成と光学性能の記事でも確認できます。
RF35mm F1.8・RF50mm F1.8との違い
RF28mm F2.8 STMを人物撮影へ使う際、比較対象になりやすいのがRF35mm F1.8 MACRO IS STMとRF50mm F1.8 STMです。三本とも比較的小型ですが、画角、明るさ、近接性能、手ブレ補正、背景ボケの性格が異なります。
RF35mm F1.8は明るさとハーフマクロが強い
RF35mm F1.8 MACRO IS STMはF1.8、最大撮影倍率0.5倍、レンズ内手ブレ補正を備えています。28mmより画角が狭く、人物の顔や上半身を撮る際に距離を取りやすくなります。背景も28mmより整理しやすく、F1.8によってボケ量も増やせます。
一方、RF28mm F2.8 STMは約120gという圧倒的な軽さと薄さが特徴です。持ち歩きやすさと広い画角を優先するなら28mm、接写・明るさ・手ブレ補正を重視するなら35mmという差があります。RF35mmの詳しい特徴は、RF35mm F1.8 MACRO IS STMの記事で確認できます。
RF50mm F1.8は人物中心の構図を作りやすい
RF50mm F1.8 STMは28mmより画角が狭く、同じ人物サイズなら撮影距離を長く取れます。そのため顔の遠近感を穏やかにしやすく、背景を整理して人物へ視線を集めやすくなります。F1.8の明るさもあり、背景ボケでは50mmが有利です。
RF28mm F2.8 STMは人物と場所の関係を見せるレンズ、RF50mm F1.8 STMは人物そのものを中心へ置きやすいレンズと考えると違いを整理できます。50mmポートレートの特徴は、RF50mm F1.8 STMのポートレート記事で確認できます。
28mmは一本で旅行と人物を両立しやすい
旅行では人物だけでなく、景色、食事、建物、ホテル、街並みなど多くの被写体を撮ります。28mmは広角寄りなので、これらを一本で対応しやすくなります。RF35mmやRF50mmより広く写せるため、狭い室内や大きな建物も収めやすくなります。
ポートレート専用として背景ボケを最大化する方向より、旅全体を記録しながら人物も撮る使い方でRF28mm F2.8 STMの小型軽量が生きます。焦点距離28mmの用途全般は、28mm単焦点の使い道の記事で詳しく整理しています。
RF28mm F2.8 STMが向く人物撮影と弱点
RF28mm F2.8 STMは非常に使いやすい小型単焦点ですが、すべてのポートレートへ万能に対応するレンズではありません。得意な撮り方と苦手な撮り方を分けて考えると、28mmを選ぶ意味が明確になります。
日常・旅行・家族写真には使いやすい
日常の散歩、旅行、家族写真、友人との外出などでは、人物と周囲の風景を一枚へ残せます。約120gなのでカメラへ付けたまま長時間持ち歩きやすく、大型レンズを持ち出すほどではない外出でも撮影機会を増やせます。
人物が撮影を強く意識しにくい小さなレンズなので、自然な表情を撮りやすい場面もあります。日常の中で人物を撮る35mmとの違いは、RF35mm F1.8のポートレート記事と比較できます。
顔のアップや大きな背景ボケには向きにくい
顔を大きく写すため28mmで極端に近づくと、鼻や口が大きく見えやすくなります。またF2.8なので、85mm F1.2や50mm F1.8のように背景を大きく溶かす撮影は得意ではありません。
顔中心のポートレートや背景整理を重視する撮影では、50mm以上の焦点距離が扱いやすくなります。中望遠で人物を撮る特徴については、中望遠レンズの背景ボケと圧縮効果の記事で確認できます。
防塵防滴やレンズ内手ブレ補正は備えていない
RF28mm F2.8 STMは小型軽量を重視したレンズで、防塵防滴構造やレンズ内手ブレ補正は搭載していません。雨天や砂埃の多い場所で使う場合は、上位Lレンズと同じ感覚では扱えません。暗い場所ではカメラ側のボディ内手振れ補正やシャッタースピード、ISO感度で対応する必要があります。
このシンプルな構成によって約120gという軽さを実現しています。機能を増やしたRF35mm F1.8との違いは、RF35mm F1.8 MACRO IS STMの記事を見ると分かりやすくなります。
まとめ
RF28mm F2.8 STMは、フルサイズでは28mm、APS-Cでは35mm判換算約45mm相当として使えるRFマウントのパンケーキ単焦点レンズです。約69.2mmの最大径、収納時約24.7mmの全長、約120gという小型軽量設計によって、EOS Rシリーズへ付けたまま持ち歩きやすく、日常、旅行、街歩き、家族写真、環境ポートレートに適しています。
ポートレートでは、人物だけを切り取るより背景や周囲の空間まで一緒に写す撮り方が得意です。28mmの広い画角を使えば、人物がどこにいるのか、その場所にどのような光や空気があるのかまで一枚へ入れられます。街並み、室内、旅行先、自然の中で人物を撮ると、28mmらしい写真になります。
人物の顔を自然に写すためには撮影距離が重要です。顔だけを大きく写そうとして近づき過ぎると、鼻や手足などカメラに近い部分が大きく見えます。上半身や全身まで含めて少し距離を取ると、人物の形を保ちながら背景を取り込めます。画面端では人物が引き伸ばされて見えることもあるため、顔や体を中央から中間部へ置くと安定します。
F2.8は大口径中望遠ほど大きな背景ボケを作る明るさではありませんが、被写体へ近づき、人物と背景の距離を取ればボケを作れます。最短撮影距離0.23m、最大撮影倍率0.17倍なので、人物撮影の途中で手元、アクセサリー、料理、小物などへ寄ることもできます。人物だけを撮る単焦点より、日常全体を記録する一本として使いやすいレンズです。
フォーカス駆動はSTMで、EOS Rシリーズの人物検出や瞳検出AFと組み合わせられます。人物を画面中央へ固定せず、背景とのバランスを見ながら構図を作れるため、環境ポートレートとの相性があります。一方、レンズ内手ブレ補正はなく、防塵防滴にも対応していません。ボディ内手振れ補正を搭載していないカメラでは、暗所でシャッタースピードとISO感度を意識する必要があります。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMと比べると、RF28mm F2.8 STMは明るさ、近接性能、手ブレ補正では機能が少ない一方、約120gという圧倒的な軽さと薄さがあります。RF50mm F1.8 STMと比べると背景ボケや顔中心の撮影では50mmが使いやすく、人物と場所を同時に写す撮影では28mmが使いやすくなります。
RF28mm F2.8 STMの価値は、28mm F2.8という数値だけでは測れません。カメラを小さく保ったまま日常へ持ち出し、人物、街、室内、旅行、風景、小物を一本で撮れることが大きな特徴です。ポートレートでも背景を消す方向ではなく、人物と背景を一つの場面として構成することで、このレンズらしい広角表現を引き出せます。



