Canon RF35mm F1.8 MACRO IS STMレビュー|F1.8・0.5倍マクロ・ISを生かす撮り方
Canon RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、35mmの広角単焦点にF1.8の明るさ、最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ、レンズ内手ブレ補正を組み合わせたRFマウント用レンズです。
35mmは街中のスナップ、旅行、室内、風景、人物など幅広い撮影へ使える焦点距離です。そこへ最短撮影距離0.17mの近接性能が加わることで、普通の35mm単焦点では難しい花、料理、小物、商品などのクローズアップまで一本で対応できます。
開放F1.8なので暗い室内や夕方でもシャッタースピードを確保しやすく、被写体へ近づけば35mmでも背景を大きくぼかせます。さらにレンズ内手ブレ補正はEOS R使用時で5段分に対応し、近接撮影で影響が大きくなるシフトブレを補正するハイブリッドISも搭載しています。
レンズ構成は9群11枚、絞り羽根は9枚、最短撮影距離0.17m、最大撮影倍率0.5倍、フィルター径52mm、最大径約74.4mm、全長約62.8mm、質量約305gです。明るい単焦点、ハーフマクロ、ISを備えながら比較的小型軽量にまとめられています。
この記事では、RF35mm F1.8 MACRO IS STMの基本性能だけでなく、35mmをスナップやポートレートで使う方法、0.5倍マクロの撮り方、F1.8の使い分け、手ブレ補正、AF、動画撮影、APS-C機での使い方まで具体的に解説します。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの基本性能
- 35mm F1.8と0.5倍ハーフマクロを両立する
- 最短撮影距離0.17mまで近づける
- 約305gの小型軽量設計で持ち歩きやすい
35mm F1.8と0.5倍ハーフマクロを両立する
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの焦点距離は35mmです。フルサイズでは広角に分類されますが、24mmや28mmほど広すぎず、背景を取り込みながら主役もある程度大きく見せやすい画角です。
街角を歩きながら風景を撮る、人物とその場の雰囲気を一緒に写す、室内で家具や背景を含めて撮るといった用途に向いています。
そこへF1.8の明るさが加わります。暗い場所でシャッタースピードを確保するだけでなく、被写体へ近づくことで背景をぼかし、主役を目立たせる撮影にも使えます。
さらに最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロへ対応しています。一般的な35mm単焦点より被写体へ大きく近づけるため、スナップをしている途中で見つけた花や料理、小物をそのまま大きく撮影できます。
広角単焦点とマクロを別々に考えるのではなく、「周囲を写す35mm」と「近づいて細部を写す0.5倍」を一本の中で行き来できることが、このレンズの特徴です。
RF単焦点レンズ全体の特徴については、RF単焦点レンズで広がる写真表現も参考になります。
最短撮影距離0.17mまで近づける
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの最短撮影距離は0.17mです。
この17cmはレンズ先端から被写体までの距離ではありません。カメラ内部の撮像面から被写体までの距離です。そのため最大倍率付近ではレンズ前面と被写体の距離はかなり短くなります。
料理、小物、花などを撮る場合には便利ですが、被写体へ近づきすぎることでレンズやカメラ本体の影が入ることがあります。
例えば窓から入る光で料理を撮影しているとき、レンズを料理へ近づけると光を自分で遮ってしまう場合があります。その場合は撮影方向を変える、光源を横から入れる、少し撮影倍率を下げるといった対応が必要です。
昆虫撮影でも同様に、0.17mまで寄れるからといって必ず最短距離から撮る必要はありません。逃げやすい被写体なら少し離れた位置から撮影します。
最短撮影距離と撮影倍率の関係については、被写体との距離で写真はどう変わる?も参考になります。
約305gの小型軽量設計で持ち歩きやすい
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの質量は約305gです。最大径は約74.4mm、全長は約62.8mmなので、フルサイズ対応の明るい単焦点としては比較的コンパクトです。
レンズを一本だけ持って街を歩く場合、重量と大きさは撮影機会にも影響します。大きなレンズは撮影性能が高くても、持ち出すこと自体が負担になる場合があります。
約305gならEOS Rシリーズのボディへ装着して日常的に持ち歩きやすく、旅行、散歩、街中のスナップでも機材を大きくしすぎずに済みます。
さらに35mmなので、遠くの被写体だけを狙うレンズではありません。歩きながら目の前に現れた風景、店先、料理、人、花などを撮影しやすい焦点距離です。
日常的に持ち歩くレンズでは、絶対的な光学性能だけでなく「カメラを持って出られる大きさ」も重要な性能になります。
軽量機材を使う利点については、軽量コンパクトなカメラとレンズがもたらす撮影体験も参考になります。
35mmをスナップ撮影で使う方法
- 最初に撮影位置を決めてから構図を作る
- 人物や物へ近づきすぎたときの遠近感に注意する
- F4からF8では背景まで生かしたスナップを作れる
最初に撮影位置を決めてから構図を作る
35mmを使うときは、ファインダー内へ何が入るかだけを見るのではなく、自分がどこから撮るかを意識します。
写真の遠近感を大きく変えるのは撮影位置です。被写体を大きくしたいから近づけば、手前のものは大きく、遠くのものは小さく写ります。
街中で人物を撮る場合も、まず人物の見え方が自然になる距離を探し、その位置から背景をどこまで入れるか考えます。
35mmは周囲を広く写せるため、建物、道路、看板、窓、木などを背景へ取り込みやすい焦点距離です。それだけに背景の整理が重要になります。
被写体の後ろから電柱が伸びていないか、画面端へ不要な人物が入っていないか、明るい看板が主役より目立っていないかを確認します。
ズームレンズのように焦点距離で画面を調整するのではなく、自分が一歩前後左右へ動いて構図を作ることが35mm単焦点の基本です。
撮影距離と遠近感については、撮影距離・焦点距離・構図の基本も参考になります。
人物や物へ近づきすぎたときの遠近感に注意する
35mmで顔を大きく写そうとして人物へ極端に近づくと、カメラに近い鼻や額が大きく、耳や後頭部が小さく見えやすくなります。
これは35mmレンズそのものが顔を変形させているのではなく、近い撮影位置によって顔の各部分とカメラまでの距離差が大きくなるためです。
人物を自然な形で写したい場合は、顔のアップまで近づかず、上半身や全身を中心に使います。
反対に手や小物をカメラへ向け、その部分を大きく見せたい場合は、この遠近感を意図的に利用できます。
35mmでは遠近感を避けるだけでなく、どこまで強調するかを撮影距離で調整します。
環境を含めたポートレートでは、人物だけを切り抜く85mmとは異なり、「どこにいる人物なのか」を背景と一緒に表現できます。
35mmで人物を撮る方法については、RF35mm F1.8で撮るポートレートも参考になります。
F4からF8では背景まで生かしたスナップを作れる
RF35mm F1.8 MACRO IS STMはF1.8が特徴ですが、スナップで常に開放を使う必要はありません。
街並み、人物、看板、建物などを一枚の中へ入れるならF4からF8程度まで絞ることで、背景の情報を残しやすくなります。
例えば人物だけを強調するならF1.8からF2.8を使い、人物と街の雰囲気を両方見せるならF4からF5.6、風景全体を見せたいならF8というように使い分けます。
35mmでは85mmほど背景が大きくぼけないため、背景をぼかすことだけを目的にするより、画面全体の情報量をコントロールする方が焦点距離の特徴を生かせます。
また、絞ることでピントの合って見える範囲が広くなるため、歩きながら素早く撮るスナップでも成功率を上げやすくなります。
開放だけでなく絞った描写を使い分けることが、35mm単焦点を一本で多くの場面へ対応させるポイントです。
F値による写真の変化については、F値を知れば広がるカメラの世界も参考になります。
F1.8を生かして背景をぼかす方法
- 被写体へ近づくことで35mmでも大きくぼかせる
- 背景との距離を広く取る
- 暗所ではF1.8でシャッタースピードを確保する
被写体へ近づくことで35mmでも大きくぼかせる
35mmは広角なので、85mmや100mmのような中望遠より背景をぼかしにくい焦点距離です。
しかしRF35mm F1.8 MACRO IS STMは0.17mまで近づけるため、被写体を近距離から撮影すると被写界深度が浅くなり、背景を大きくぼかせます。
花、小物、料理などではF1.8を使い、被写体へ近づくだけで背景を柔らかくできます。
この場合、35mmらしく背景の形をある程度残しながら主役だけを浮かせる写真も作れます。
85mmの大きな背景ボケとは性格が異なり、主役と場所の関係を完全に切り離さないボケ表現が35mmの特徴です。
近接撮影では被写界深度が非常に浅くなるため、F1.8で花の一部分しかピントが合わない場合はF2.8やF4へ絞ります。
マクロ撮影での被写界深度については、マクロレンズとは?特徴・選び方・使い方も参考になります。
背景との距離を広く取る
背景ボケはF値だけで決まりません。被写体と背景の距離も大きく影響します。
例えば人物を壁のすぐ前へ立たせてF1.8で撮ると、壁の模様が比較的はっきり残ります。
同じF1.8でも人物を壁から数m離せば、背景は大きくぼけます。
花を撮る場合も、地面へ直接生えている花を上から撮ると背景までの距離が短いため、地面の形が残りやすくなります。カメラ位置を下げて遠くの背景を使えば、背景までの距離が長くなり大きくぼかせます。
35mmでボケを作るときは「F1.8へ設定する」だけで終わらず、被写体、カメラ、背景の位置を調整します。
背景がうるさい場合も、絞りをさらに開く前にカメラ位置を少し動かすだけで整理できる場合があります。
人物撮影で背景を整理する方法については、ポートレート撮影完全ガイドも参考になります。
暗所ではF1.8でシャッタースピードを確保する
F1.8のもう一つの利点は光量です。
夜の街、夕方、室内などでは、絞りをF4やF5.6へ設定するとシャッタースピードが遅くなったりISO感度が大きく上がったりします。
F1.8まで開ければ、その分シャッタースピードを速くできます。
人物を撮る場合は手ブレ補正だけでは被写体ブレを防げません。静かな人物でも1/125秒から1/250秒程度を確保し、歩いている人物なら1/500秒以上へ上げます。
F1.8でも明るさが足りなければISO感度を上げます。ISO100へ固定してシャッタースピードを落とすより、ISO感度を上げて人物や動く被写体を止める方が撮影結果は安定します。
静物ならISを利用して低速シャッターを使い、人物なら被写体ブレを基準にシャッタースピードを決めるという使い分けが必要です。
室内での光の使い方については、室内撮影で光を操る方法も参考になります。
0.5倍ハーフマクロを使う方法
- 等倍マクロとの違いを理解する
- 花や料理では写したい範囲から撮影距離を決める
- 最大倍率付近では影と被写界深度に注意する
等倍マクロとの違いを理解する
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの最大撮影倍率は0.5倍です。
1.0倍の等倍マクロでは、実物と同じ大きさで被写体を撮像面上へ投影します。0.5倍では実物の半分の大きさになります。
そのため昆虫の複眼や極小部品を画面いっぱいにするような本格的な高倍率マクロでは、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMのような高倍率対応レンズの方が向いています。
一方、料理、花、小物、アクセサリー、時計、雑貨など日常的な被写体では0.5倍でもかなり大きく写せます。
35mmのハーフマクロには、背景を広く残しながら主役へ近づける特徴があります。100mmマクロのように背景を狭く切り取る撮影とは異なる写真を作れます。
RFマクロレンズ全体の違いについては、Canon RFマクロレンズガイドも参考になります。
花や料理では写したい範囲から撮影距離を決める
マクロ機能があるからといって、最初から最短撮影距離まで近づく必要はありません。
花を撮るなら、まず花全体が入る位置から撮ります。その後、必要に応じて花びら、中心部、雄しべへ近づきます。
料理も同様です。最初に皿全体を撮り、次に料理の一部分へ近づきます。
最大0.5倍という数字を使うことを目的にするのではなく、何を見せたい写真なのかを先に決めます。
35mmでは周囲が広く写るため、近づいた状態でも背景が残ります。料理ならテーブルや店内、花なら周囲の植物や空まで構図へ取り込めます。
背景を完全に消すクローズアップだけでなく、「小さな主役とその場所」を一緒に写すことが35mmマクロの特徴です。
マクロ撮影の基本については、マクロレンズの特徴と使い方も参考になります。
最大倍率付近では影と被写界深度に注意する
最大撮影倍率0.5倍を使うには被写体へかなり近づきます。
そのためカメラやレンズが光を遮り、自分の影が被写体へ入る場合があります。
特に窓際の料理や花を撮影するときは、光源とカメラの位置を確認します。正面から近づいて光を遮る場合は、斜め方向から撮影するだけでも改善できます。
また、被写体へ近づくほど被写界深度は浅くなります。F1.8では小物のごく一部分しかピントが合わない場合があります。
商品の形を見せたい場合はF4からF8程度まで絞り、一部分だけを強調したい場合はF1.8からF2.8を使います。
近接撮影ではピント面が非常に薄いため、AFで大まかに合わせたあと身体をわずかに前後させて最終的なピントを調整する方法も使えます。
撮影距離とピント範囲については、被写体との距離で写真はどう変わる?も参考になります。
手ブレ補正とハイブリッドISの使い方
- 通常撮影では5段分の光学ISを利用できる
- 近接撮影ではシフトブレにも対応する
- ISと被写体ブレを分けて考える
通常撮影では5段分の光学ISを利用できる
RF35mm F1.8 MACRO IS STMは光学式手ブレ補正機構を搭載し、EOS R使用時で5段分の補正効果に対応しています。
35mmは望遠ほど手ブレが大きく見えにくい焦点距離ですが、夜景や室内で低速シャッターを使用するとISの効果が大きくなります。
建物、料理、静物など動かない被写体なら、シャッタースピードを下げてISO感度を抑える撮影もできます。
例えば暗い室内でF4を使いたい場合、ISを利用して手持ちのまま低速シャッターを試す余地があります。
一方、補正効果の段数は必ず同じ結果になる保証ではありません。構え方や撮影距離によってブレ方は変わるため、低速シャッターでは複数枚撮影して確認します。
RF35mm F1.8はF1.8そのものも明るいため、大口径とISを組み合わせて暗所撮影へ対応できます。
RF単焦点レンズの特徴については、RF単焦点レンズで広がる写真表現も参考になります。
近接撮影ではシフトブレにも対応する
通常撮影で問題になる手ブレは、カメラが上下左右へ傾く角度ブレが中心です。
マクロ撮影では、それに加えてカメラが上下左右へ平行移動するシフトブレの影響が大きくなります。
被写体を大きく写しているため、撮影者がわずかに動くだけでも画面内では大きな揺れとして見えます。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMのハイブリッドISは、角度ブレとシフトブレの両方へ対応します。
0.5倍付近で花や小物を手持ち撮影するときには、この機構が特に役立ちます。
それでも撮影倍率が高くなるほど安定させることは難しくなります。肘を身体へ付ける、机へ腕を置く、壁へ身体を支えるなど、撮影者自身の構えも組み合わせます。
ハーフマクロ撮影を含むRFマクロレンズの特徴については、RFマクロレンズの特徴と選び方も参考になります。
ISと被写体ブレを分けて考える
手ブレ補正が強力でも、動いている人物、動物、花などは止められません。
ISが補正するのはカメラ側の動きです。
街中を歩く人物なら1/500秒程度、静かな人物なら1/125秒から1/250秒程度、風で揺れる花なら風の強さに応じて1/250秒以上を使います。
静物なら1/30秒以下へ落としてISを利用する場面がありますが、人物撮影で同じ設定を使えば被写体ブレが発生する可能性があります。
撮影時は「この被写体は動くのか」を最初に考えます。動かないならISを生かして低速シャッターを試し、動くなら高速シャッターを優先します。
ISO感度は、そのシャッタースピードを維持するために必要なところまで上げます。
人物撮影の設定については、ポートレート撮影完全ガイドも参考になります。
AFとSTMを使いこなす方法
- スナップではAFで素早く主役を捉える
- 近接撮影ではAFとMFを組み合わせる
- 動画では滑らかなフォーカス移動を生かす
スナップではAFで素早く主役を捉える
RF35mm F1.8 MACRO IS STMのAF駆動にはSTMが採用されています。
街中のスナップでは、人物、看板、小物、建物など次々に距離が変わる被写体へAFを合わせて撮影できます。
人物を撮る場合はEOS Rシリーズの人物検出や瞳検出AFと組み合わせることで、構図を作りながら顔や瞳へピントを合わせられます。
F1.8を使用して近距離から人物を撮る場合は被写界深度が浅くなるため、撮影後に瞳付近を拡大して確認します。
スナップではAF速度だけを見るのではなく、撮影距離を急激に変えすぎないことも重要です。近接撮影から遠景へ一気に切り替えると、フォーカスレンズの移動量も大きくなります。
日常撮影では、被写体までのおおよその距離を意識してカメラを構えると撮影テンポを維持しやすくなります。
STMとほかのAF方式の違いについては、STMとUSMとVCMの違いも参考になります。
近接撮影ではAFとMFを組み合わせる
0.5倍付近では被写界深度が浅く、わずかな前後移動でピント位置が変化します。
そのため、AFだけですべてを合わせるより、AFとMFを組み合わせる方法が使いやすい場面があります。
まずAFで花や小物の狙った場所付近へ合わせます。その後、必要に応じてMFで微調整します。
さらに高倍率ではフォーカスリングだけでなく、身体を数mm前後させて最も鮮明になる場所を探す方法も使えます。
例えば花の雄しべへピントを合わせる場合、AFで中心部まで合わせたあと、身体をゆっくり前後させながらピントの山を確認してシャッターを切ります。
近接撮影では呼吸だけでも身体が動くため、腕を固定したり連写を利用したりすると成功率を上げられます。
マクロレンズの基本的な使い方については、マクロレンズとは?特徴・選び方・使い方も参考になります。
動画では滑らかなフォーカス移動を生かす
RF35mm F1.8 MACRO IS STMは動画撮影にも使えます。
35mmは背景まで適度に入れられるため、人物がどこにいるのかを伝える映像や、料理、商品、室内の雰囲気を見せる映像に向いています。
さらに0.5倍まで寄れるため、全体を見せたあと細部へ近づくカットも同じレンズで撮れます。
料理全体を写した映像から食材の質感へ寄る、小物全体からロゴや細部へ寄るといった使い方です。
手持ち動画ではISが揺れを抑えますが、歩きながらの大きな上下動まで完全になくなるわけではありません。歩行撮影では身体の上下動を抑え、必要に応じて電子手ブレ補正やジンバルなどを使い分けます。
動画では静止画よりフォーカス移動そのものが映像として見えるため、急激に遠距離と近距離を往復するより、狙う被写体を決めて滑らかに移動させます。
マクロレンズを動画へ使う方法については、マクロレンズで動画撮影する方法も参考になります。
コントロールリングを撮影へ活用する
- 露出補正を割り当てるとスナップで使いやすい
- ISO感度を割り当てて暗所へ対応する
- 撮影スタイルに合わせて機能を変更する
露出補正を割り当てるとスナップで使いやすい
RF35mm F1.8 MACRO IS STMにはコントロールリングが搭載されています。
EOS Rシリーズでは、コントロールリングへ露出補正、ISO感度、絞り、シャッタースピードなどを割り当てられます。
スナップ撮影では露出補正を割り当てると便利です。
街を歩いていると、日向から日陰、室内、逆光など光の状態が次々に変化します。ファインダーを見ながらリングを回し、人物の顔や主役の明るさを素早く変更できます。
特に絞り優先AEでF値を決めて撮影する場合、露出補正をリングへ割り当てると操作をまとめやすくなります。
逆光では少しプラス側へ、明るい背景を暗めに見せたい場合はマイナス側へ調整し、ファインダーで仕上がりを確認しながら撮影します。
設定方法については、Canonコントロールリングの使い方も参考になります。
ISO感度を割り当てて暗所へ対応する
マニュアル露出で撮影する場合は、コントロールリングへISO感度を割り当てる方法があります。
例えば夜の街でF1.8、1/250秒を固定し、明るさに応じてISO感度だけを変更できます。
人物が動いている場合はシャッタースピードを維持したいため、ISO感度を素早く変えられることが役立ちます。
静物なら逆にISO感度を下げ、ISを利用してシャッタースピードを遅くする方法があります。
同じ夜景でも、動く人物と建物では必要な設定が異なります。コントロールリングへISO感度を設定しておけば、被写体の動きに応じて調整しやすくなります。
コントロールリングは単なる追加操作部ではなく、自分が最も頻繁に変更する項目を手元へ置くための機能です。
RFレンズの操作系については、RF単焦点レンズの特徴と活用方法も参考になります。
撮影スタイルに合わせて機能を変更する
どの機能をコントロールリングへ割り当てるべきかは、撮影方法によって異なります。
絞り優先AEを中心に使うなら露出補正、マニュアル露出ならISO感度、シャッタースピード優先なら絞りや露出補正など、自分が頻繁に変更する設定を割り当てます。
一度決めた設定へ固定する必要もありません。
旅行では露出補正、夜景ではISO感度、動画では別の機能というように撮影内容で変更できます。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMはスナップ、マクロ、人物、動画と用途が広いため、コントロールリングも撮影内容に合わせて切り替える方が機能を生かせます。
設定項目を増やすこと自体が目的ではなく、ファインダーから目を離さず必要な変更をできるようにすることがポイントです。
EOS Rシリーズ全体の操作や特徴については、EOS Rシリーズ完全ガイドも参考になります。
RF35mm F1.8をポートレートで使う
- 環境を含めた人物写真に向いている
- 顔のアップでは撮影距離を確保する
- F1.8だけでなくF2.8やF4も使い分ける
環境を含めた人物写真に向いている
35mmで人物を撮る場合、人物だけを大きく切り抜くより、周囲の環境を写真へ入れる撮影に向いています。
街中なら建物や道、公園なら木々、室内なら家具や窓を人物と一緒に写せます。
その人がどこにいるのか、何をしているのかまで伝えたいポートレートでは35mmの画角を生かせます。
人物と背景を両方入れる場合でも、背景を完全に鮮明にする必要はありません。F1.8からF2.8を使い、人物だけを少し浮かせながら背景の形を残す方法があります。
85mmのように背景を大きく圧縮して人物を切り抜く写真とは異なり、35mmでは空間そのものを写真の一部として利用します。
旅行先で人物と風景を同時に残す場合にも使いやすい焦点距離です。
35mmポートレートについては、RF35mm F1.8で魅せるポートレートも参考になります。
顔のアップでは撮影距離を確保する
35mmで顔を画面いっぱいにしようとすると、かなり近い位置から撮影することになります。
近づくほど鼻や額などカメラに近い部分が大きく見え、耳など遠い部分が小さく見えます。
顔を自然な形で写したい場合は少し距離を取り、後から必要な範囲へトリミングする方法もあります。
35mmは上半身、全身、環境ポートレートで特に使いやすい焦点距離です。
一方、手をカメラへ伸ばした構図や、足を手前へ置いた構図では近距離の遠近感を意図的に利用できます。
歪ませないことだけを考えるのではなく、撮影距離によって遠近感を調整することが35mmを使うポイントです。
撮影距離と人物の見え方については、撮影距離で変わる写真表現も参考になります。
F1.8だけでなくF2.8やF4も使い分ける
一人の人物を背景から分離したい場合はF1.8から始められます。
人物がこちらへ正面を向いている場合はF1.8でも使いやすくなりますが、顔が斜めを向いている場合は近い側と遠い側の目でピント差が出ることがあります。
両目や顔全体をもう少し鮮明にしたい場合はF2.8程度まで絞ります。
人物と背景の両方を見せるならF4からF5.6程度まで絞る方法があります。
35mmポートレートでは背景も写真の重要な情報になるため、常に最大限ぼかす必要はありません。
人物だけを見せたい写真なのか、人物と場所の関係を見せたい写真なのかを先に決め、その目的からF値を選びます。
人物撮影全体の設定については、ポートレート撮影完全ガイドも参考になります。
APS-CのEOS Rシリーズで使う
- 画角は約56mm相当になり標準レンズに近づく
- フルサイズより背景の入り方が狭くなる
- 0.5倍マクロ機能はAPS-Cでも活用できる
画角は約56mm相当になり標準レンズに近づく
RF35mm F1.8 MACRO IS STMはRFマウントなので、フルサイズだけでなくAPS-CのEOS Rシリーズにも装着できます。
APS-Cでは35mm判換算で約56mm相当の画角となり、フルサイズで使う35mmより標準レンズに近い見え方になります。
フルサイズでは街や室内を広く取り込める35mmですが、APS-Cでは人物、小物、料理など主役をもう少し大きく切り取りやすくなります。
50mm前後に近い感覚で使えるため、日常スナップや人物撮影にも使いやすい組み合わせです。
広角レンズとして購入する場合はフルサイズとAPS-Cで画角が異なることを確認する必要がありますが、標準単焦点として使うならAPS-Cとの組み合わせにも特徴があります。
EOS RシリーズのフルサイズとAPS-Cの違いについては、EOS Rシリーズ完全ガイドも参考になります。
フルサイズより背景の入り方が狭くなる
APS-Cで使うと画角が狭くなるため、フルサイズの35mmのように背景を広く取り込む構図は作りにくくなります。
同じ場所から撮れば、APS-Cでは画面周辺が切り取られたような構図になります。
人物と風景を広く入れたい場合は撮影者が後ろへ下がる必要があります。
一方、人物や料理、小物など主役を中心に見せたい場合には、周囲の不要な部分を画面外へ出しやすくなります。
フルサイズでは環境を入れた35mm、APS-Cでは標準画角に近い単焦点として使えるため、同じレンズでもボディによって役割が変わります。
カメラを替えたときに「レンズの焦点距離が変わった」と考えるのではなく、センサーサイズによって写る範囲が変化すると理解すると整理しやすくなります。
画角と撮影距離については、撮影距離・焦点距離・構図の基本も参考になります。
0.5倍マクロ機能はAPS-Cでも活用できる
APS-Cボディへ装着しても、RF35mm F1.8 MACRO IS STMそのものの最大撮影倍率は0.5倍です。
ただしAPS-Cでは画面に写る範囲が狭くなるため、小さな被写体が画面内でより大きく見える構図を作りやすくなります。
花、小物、料理、アクセサリーなどを撮る場合、APS-Cとの組み合わせでもハーフマクロ機能を活用できます。
約56mm相当の画角になるため、フルサイズ35mmより背景を整理しやすく、主役を中心に見せるクローズアップを作りやすくなります。
一方、広い背景を取り込んだ広角マクロ的な表現はフルサイズの方が作りやすくなります。
同じ0.5倍でも、フルサイズでは周囲を残した近接撮影、APS-Cでは主役を絞り込んだ近接撮影という違いを生かせます。
RFマクロレンズの使い分けについては、Canon RFマクロレンズガイドも参考になります。
RF35mm F1.8とRF85mm F2・RF100mmマクロの違い
- RF35mmは背景を残した近接撮影が得意
- RF85mm F2は人物とハーフマクロを両立しやすい
- RF100mmは1.4倍の本格的な高倍率撮影に対応する
RF35mmは背景を残した近接撮影が得意
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの特徴は、0.5倍まで寄りながら35mmの広い画角を使えることです。
花へ近づきながら庭の雰囲気を残す、料理へ寄りながらテーブルや店内を入れる、小物を大きくしながら周囲の環境も見せるといった撮影ができます。
長い焦点距離のマクロでは背景が狭く切り取られますが、35mmでは主役と場所を同時に表現しやすくなります。
またF1.8なので、通常のスナップレンズとして使う場合にも明るさがあります。
一本で街歩き、人物、料理、花まで撮りたい場合は、この35mmと0.5倍マクロの組み合わせが生きてきます。
マクロ撮影だけを見るのではなく、通常撮影で35mmをどれだけ使うかもレンズ選びでは重要です。
RFマクロレンズのラインアップについては、Canon RFマクロレンズの特徴と選び方も参考になります。
RF85mm F2は人物とハーフマクロを両立しやすい
RF85mm F2 MACRO IS STMも最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロです。
RF35mmとの大きな違いは焦点距離です。
35mmは背景を広く見せ、85mmは背景へ写る範囲を狭くできます。
人物撮影を中心にしながらアクセサリー、花、小物へ寄りたい場合は85mm F2を使いやすくなります。
街の雰囲気、室内、旅行先の背景を人物と一緒に写したい場合は35mm F1.8が使いやすくなります。
最大撮影倍率が同じ0.5倍でも、35mmと85mmでは撮影距離、背景の写り方、人物撮影で必要なスペースが大きく異なります。
RF85mmについては、RF85mm F2 MACRO IS STMレビューも参考になります。
RF100mmは1.4倍の本格的な高倍率撮影に対応する
RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは最大撮影倍率1.4倍に対応します。
RF35mmの0.5倍と比べると、昆虫、時計、アクセサリー、小型部品などをさらに大きく写せます。
高倍率撮影を最優先するならRF100mmが適しています。
一方、RF100mmは35mmより画角がかなり狭いため、街中のスナップや室内全体を写す用途ではRF35mmの方が使いやすい場面があります。
RF35mmは「35mm単焦点にマクロ機能が加わったレンズ」、RF100mmは「本格マクロを中心に100mm単焦点としても使えるレンズ」と考えると違いを整理しやすくなります。
倍率の大きさだけで選ぶのではなく、普段どの焦点距離を使いたいかまで含めて選びます。
RF100mmについては、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMレビューも参考になります。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMが向いている撮影
- レンズ一本で街歩きや旅行をしたい
- 料理や小物も撮れる明るい単焦点が欲しい
- 写真と動画を同じレンズで撮りたい
レンズ一本で街歩きや旅行をしたい
35mmは一本だけレンズを持って出かける用途に向いています。
建物、風景、人物、料理、小物まで画角を大きく変えずに撮影できます。
ズームがないため、被写体の大きさは自分が移動して調整します。この制限があることで、どこから撮れば背景と主役の関係が整うのかを考える機会も増えます。
旅行では広い景色を撮りながら、食事や旅先で見つけた小物へ0.17mまで近づけます。
さらに約305gなので、複数レンズを持ち歩くより荷物を減らせます。
35mmで撮れないほど遠い被写体や超広角の風景はありますが、日常的な撮影範囲を一つのレンズで広くカバーできます。
軽量レンズで撮影する利点については、軽量コンパクトなカメラとレンズがもたらす撮影体験も参考になります。
料理や小物も撮れる明るい単焦点が欲しい
普通の明るい単焦点は、被写体へ近づこうとすると最短撮影距離に達してピントが合わなくなる場合があります。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMは最短0.17m、最大0.5倍まで対応するため、料理、小物、花などへそのまま寄れます。
例えばカフェでは店内を35mmで撮り、料理が届いたらレンズ交換をせず、そのままテーブルフォトへ移れます。
料理全体ならF2.8からF4、食材の一部分を強調するならF1.8からF2.8、複数の皿をまとめて見せるならF5.6程度というように絞りを使い分けます。
35mmなのでテーブル全体も比較的写しやすく、料理の一部分だけを切り取るマクロ専用レンズとは異なる使い方ができます。
マクロレンズの日常的な使い方については、マクロレンズとは?特徴・選び方・使い方も参考になります。
写真と動画を同じレンズで撮りたい
写真と動画を同じ撮影で行う場合も、RF35mm F1.8 MACRO IS STMの用途の広さを生かせます。
35mmで人物や風景を撮り、必要になれば0.5倍まで寄って商品のディテールや料理のアップを撮れます。
F1.8なので室内や夕方でも使いやすく、レンズ内ISも搭載しています。
動画では画角が狭すぎないため、カメラを固定した人物撮影、商品紹介、料理、室内撮影などへ対応できます。
近接カットが必要になってもマクロレンズへ交換せず、そのまま被写体へ寄れるため、撮影の流れを維持しやすくなります。
写真と動画の両方を一本で撮るなら、焦点距離だけでなく、明るさ、最短撮影距離、AF方式、手ブレ補正まで含めて考える必要があります。
近接動画の撮り方については、マクロレンズで動画撮影する方法も参考になります。
まとめ
Canon RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、35mm F1.8の広角単焦点に最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロとレンズ内手ブレ補正を組み合わせたRFレンズです。
レンズ構成は9群11枚、絞り羽根は9枚、最小絞りはF22、最短撮影距離は0.17m、最大撮影倍率は0.5倍、フィルター径は52mm、最大径約74.4mm、全長約62.8mm、質量は約305gです。
35mmという焦点距離は、街中のスナップ、旅行、風景、人物、室内撮影など幅広い用途へ対応します。フルサイズでは周囲を取り込みやすく、被写体と場所の関係を一緒に写せます。
開放F1.8では暗い場所でもシャッタースピードを確保しやすく、被写体へ近づけば35mmでも大きな背景ボケを作れます。背景をさらにぼかしたい場合は、F値だけでなく被写体と背景の距離を広げます。
最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロでは、花、料理、小物、アクセサリーなどを大きく写せます。等倍以上の本格マクロとは異なりますが、日常的なクローズアップ撮影には十分な場面が多くあります。
0.17mまで寄れることで、最大倍率付近ではレンズと被写体がかなり近くなります。自分の影が被写体へ入っていないか確認し、必要なら撮影方向や光源の位置を変えます。
手ブレ補正はEOS R使用時で5段分に対応し、近接撮影で影響が大きくなるシフトブレにもハイブリッドISで対応します。ただし人物や風で揺れる花などの被写体ブレはISでは止められないため、必要なシャッタースピードを確保します。
AFにはSTMを採用し、スナップ、人物、近接撮影、動画まで使用できます。高倍率の近接撮影ではAFだけに任せず、MFや身体の前後移動も組み合わせると細かなピント調整ができます。
コントロールリングには露出補正やISO感度などを割り当てられます。街中では露出補正、夜間のマニュアル露出ではISO感度など、自分の撮影方法に合わせて設定すると操作性を高められます。
人物撮影では85mmのように人物だけを切り取る使い方より、背景や周囲の環境を一緒に見せるポートレートに向いています。顔へ近づきすぎると遠近感が強くなるため、自然な顔の形を残したい場合は撮影距離を確保します。
APS-CのEOS Rシリーズでは約56mm相当の画角となり、広角というより標準単焦点に近い使い方になります。フルサイズとAPS-Cでは同じレンズでも背景へ入る範囲が大きく変わります。
RF85mm F2 MACRO IS STMは人物撮影と0.5倍マクロを組み合わせやすく、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは最大1.4倍の高倍率撮影に向いています。RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、背景を残した近接撮影と日常的な35mmスナップを一本で行えることが特徴です。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、単に「寄れる35mm」でも「小型のマクロレンズ」でもありません。35mmの画角、F1.8の明るさ、0.5倍ハーフマクロ、5段分の光学IS、約305gの携帯性を一つにまとめ、街歩きから人物、料理、花、小物、動画まで一つのレンズで撮影範囲を広げられる単焦点レンズです。



