当サイトでは、運営維持のためにアフィリエイトリンク(Amazonアソシエイトを含む)を使用しています。リンクを通じて商品をご購入いただくと、販売元から当サイトに手数料が入る場合があります。より良いコンテンツを提供いたしますので、ご理解いただけますと幸いです。

Canon EF50-200mm F3.5-4.5完全ガイド|初期EF望遠ズームの特徴・描写・L版との違い

スポンサーリンク
Canon EF50-200mm F3.5-4.5完全ガイド|初期EF望遠ズームの特徴・描写・L版との違い 中望遠ズーム

Canon EF50-200mm F3.5-4.5完全ガイド|初期EF望遠ズームの特徴・描写・L版との違い

Canon EF50-200mm F3.5-4.5は、1987年に登場したEOSシステム初期のEF望遠ズームレンズです。50mmの標準域から200mmの望遠域までを一本でカバーし、直進ズームや初期EFならではのAF機構を備えています。本記事では、基本スペック、焦点距離ごとの使い方、フルサイズ・APS-C・EOS Rでの活用、手ブレ補正なしでの撮影方法、EF50-200mm F3.5-4.5Lとの違い、中古選びまで詳しく解説します。

  1. Canon EF50-200mm F3.5-4.5とは
  2. EF50-200mm F3.5-4.5の基本スペック
    1. 50mmから200mmまでをカバーする4倍ズーム
    2. 開放F値はF3.5-4.5
    3. 13群16枚のレンズ構成
    4. 重量690gは当時の望遠ズームらしい存在感
    5. 最短撮影距離1.2m・最大撮影倍率0.23倍
  3. 1987年登場の初期EF望遠ズーム
    1. EOSシステム誕生とほぼ同時期に登場したレンズ
    2. USMやSTM以前のAF世代
    3. 直進式ズームを採用した操作感
  4. 50mmから200mmまでの画角を使い分ける
    1. 50mmでは標準レンズとして自然な画角を使える
    2. 85mmから135mmでは人物撮影に使いやすい
    3. 200mmでは望遠らしい切り取りができる
  5. フルサイズで使うEF50-200mm F3.5-4.5
    1. 50mmから200mm本来の画角を使える
    2. 690gの重量は一眼レフではバランスを取りやすい
  6. APS-Cでは80-320mm相当の望遠ズームになる
    1. EOS APS-Cでは標準域がなくなる
    2. 320mm相当なら遠くの被写体をさらに大きく狙える
  7. 手ブレ補正なしで使うための設定
    1. 200mmではシャッタースピードを意識する
    2. 暗くなったらISO感度を上げる
    3. 三脚や一脚を使えば静止被写体では安定する
  8. EOS Rシリーズでも使用できる
    1. マウントアダプター EF-EOS Rを使用する
    2. 古いAFレンズであることは変わらない
    3. ボディ内手ブレ補正搭載機との組み合わせ
  9. EF50-200mm F3.5-4.5Lとの違い
    1. 非L版とL版は別のレンズ
    2. L版には蛍石レンズが採用されている
  10. 後年のEF55-200mm F4.5-5.6 USMとの違い
    1. EF50-200mmは50mm側が広く開放F値も明るい
    2. 初期EFとUSM世代の違いを楽しめる
  11. EF100-300mm F5.6との違い
    1. 50-200mmは標準域から使える
  12. ポートレートで使うEF50-200mm F3.5-4.5
    1. 撮影距離に合わせて85mmから200mmを選べる
    2. 200mm側では背景を整理しやすい
  13. 風景撮影で使うEF50-200mm F3.5-4.5
    1. 広く写すより必要な部分を選ぶレンズ
    2. F8前後まで絞って安定した描写を狙う
  14. 中古でEF50-200mm F3.5-4.5を選ぶポイント
    1. 1987年発売なので光学系の状態を優先する
    2. AFの動作音と速度を実際に確認する
    3. 直進ズームの緩みや引っ掛かりを見る
    4. L版と取り違えないよう名称を確認する
  15. EF50-200mm F3.5-4.5を現在使う意味
    1. 最新性能ではなく初期EFの撮影感覚を楽しむレンズ
    2. 50mmから200mmというズーム域は現在でも実用的
  16. まとめ

Canon EF50-200mm F3.5-4.5とは

Canon EF50-200mm F3.5-4.5は、EOSシステム初期の1987年12月に発売されたEFマウントの望遠ズームレンズです。50mmの標準域から200mmの望遠域までを一本でカバーし、フィルムEOSの時代から人物、風景、鉄道、イベント、スポーツなど幅広い撮影に使われてきました。

現在の70-200mmや70-300mmとは少し異なり、50mmから始まることが特徴です。フルサイズでは標準レンズに近い自然な画角から望遠までを一本でつなげられるため、レンズ交換を減らしながら構図を大きく変えられます。

レンズ構成は13群16枚、絞り羽根は8枚、最短撮影距離は1.2m、最大撮影倍率は0.23倍、フィルター径は58mmです。最大径75.6mm、全長146.4mm、重量690gで、手ブレ補正は搭載されていません。

なお、本記事で扱うのは「EF50-200mm F3.5-4.5」です。後に登場した「EF50-200mm F3.5-4.5L」とは別のレンズです。キヤノンEFレンズ全体の中での位置づけは、キヤノン大全から確認できます。

EF50-200mm F3.5-4.5の基本スペック

50mmから200mmまでをカバーする4倍ズーム

EF50-200mm F3.5-4.5の焦点距離は50mmから200mmです。ズーム比は4倍で、50mmでは標準域、200mmでは望遠域になります。

50mmは広角ではありません。フルサイズでは人の視覚に近い自然な画角を得やすい標準域で、街歩き、人物を含む風景、日常の記録などに使いやすい焦点距離です。そこからズームすることで85mm、100mm、135mm、200mmと中望遠から望遠へ連続的に画角を変えられます。

現在では24-200mmや28-300mmのような高倍率ズームも存在しますが、1980年代後半に標準域から200mmまでを一本でカバーできたことには大きな意味がありました。

焦点距離によって画角や背景の見え方がどのように変化するかは、焦点距離と画角の違いを解説した記事でも詳しく紹介しています。

開放F値はF3.5-4.5

開放F値は50mm側でF3.5、望遠側でF4.5となる可変絞りです。

現在の一般的な廉価望遠ズームでは望遠端F5.6やF6.3となる製品も多いため、200mmでF4.5を確保している点は特徴の一つです。F2.8通しの大口径望遠ズームほど明るくありませんが、日中の屋外であれば十分扱いやすい明るさです。

200mm F4.5では、被写体までの距離と背景までの距離を十分に取ることで背景を大きくぼかせます。人物や花、動物などを望遠端で撮影すれば、50mm側とは大きく異なる写真になります。

F値と背景ボケ、シャッタースピード、ISO感度の関係については、F値とボケ・被写界深度の基本で詳しく解説しています。

13群16枚のレンズ構成

EF50-200mm F3.5-4.5のレンズ構成は13群16枚です。

発売された1987年はEOSシステムそのものが始まった年であり、このレンズは初期EFズームの設計思想を知るうえでも重要な一本です。

現在のレンズのように多数の特殊レンズや高度な電子制御を前面に押し出した設計ではありません。50mmから200mmまでを一本でカバーしながら、当時のフィルム一眼レフで実用的な画質と操作性を成立させることが中心にあります。

歴代EFレンズを焦点距離別に確認する場合は、Canon EFレンズ総合ガイドも参考になります。

重量690gは当時の望遠ズームらしい存在感

EF50-200mm F3.5-4.5の重量は690gです。旧記事では軽量レンズとして扱われていましたが、現在の感覚で見ると特別に軽いレンズではありません。

最大径75.6mm、全長146.4mmというサイズを含め、しっかりとした長さと重量を持つ望遠ズームです。

一方、50mmから200mmまでを一本でカバーできることを考えれば、複数の単焦点レンズを交換しながら撮影するより機材を簡素化できます。EOS 5Dシリーズなど比較的大きな一眼レフと組み合わせた場合には、レンズとボディの重量バランスも取りやすくなります。

レンズの重量と撮影時の扱いやすさについては、EFレンズを焦点距離別に整理した記事からほかの望遠ズームとも比較できます。

最短撮影距離1.2m・最大撮影倍率0.23倍

最短撮影距離は1.2m、最大撮影倍率は0.23倍です。

マクロレンズのような本格的な接写はできませんが、200mm側を使えば花や小物をある程度大きく切り取ることができます。0.23倍という最大撮影倍率は、一般撮影用の望遠ズームとしてはクローズアップにも活用できる範囲です。

被写体へ極端に近づくレンズではないため、小さな昆虫やアクセサリーを画面いっぱいに写す用途にはマクロレンズの方が向いています。一方、少し離れた場所から花や部分的なディテールを切り取る撮影では200mmの画角を利用できます。

接写に特化したレンズとの違いは、EF100mm F2.8L マクロ IS USMの解説と比較すると分かりやすくなります。

1987年登場の初期EF望遠ズーム

EOSシステム誕生とほぼ同時期に登場したレンズ

EF50-200mm F3.5-4.5は1987年12月に発売されました。EOSシステムが始まった1987年という時代を考えると、極めて初期のEFレンズにあたります。

発売時価格は72,100円で、50mmから200mmという広いズーム域を一本で提供する望遠ズームとしてラインナップされました。

EOSシステムでは、従来の機械的な連動を使わず、レンズとボディの通信を電子化したEFマウントが採用されました。EF50-200mm F3.5-4.5もその初期世代に属し、AFをレンズ側のモーターで駆動するEFシステムの特徴を持っています。

EFマウント全体の歴代レンズを確認する場合は、キヤノン大全のEFレンズ一覧から年代を追って見ることができます。

USMやSTM以前のAF世代

EF50-200mm F3.5-4.5は、現在のUSM、STM、ナノUSMといったAF駆動方式を採用したレンズではありません。

そのため、現代のRFレンズや新しいEF USMレンズと同じ感覚でAF速度や静音性を期待するレンズではありません。旧記事にあった「高速で静音なAF」「動画撮影にも最適」という説明は、このレンズの年代を考えると適切ではありません。

静止した人物や風景、遠景などではAFを利用できますが、現代の高速動体を追従するレンズと比較すると世代差があります。1980年代のAFレンズとしての動作そのものを含めて楽しむタイプのレンズです。

現在のキヤノンレンズで使われるAF駆動方式については、STM・USM・VCMの違いを解説した記事で詳しく紹介しています。

直進式ズームを採用した操作感

EF50-200mm F3.5-4.5は直進式ズームを採用しています。リングを回転させて焦点距離を変更する現在一般的な回転式ズームとは操作感が異なり、鏡筒を前後へ動かして50mmから200mmまで画角を変更します。

直進式ズームは、被写体を見ながら一気に焦点距離を変更しやすいことが特徴です。50mmから200mmまでの変化を一本の操作で素早く行えます。

一方、中古個体では長年の使用によってズーム機構の感触に違いが出ている可能性があります。購入時にはスムーズに動くか、極端なガタや引っ掛かりがないか確認したい部分です。

EF時代の望遠ズームにはさまざまな設計が存在するため、EF55-200mm F4.5-5.6 USMと比べると世代による設計の違いも確認できます。

50mmから200mmまでの画角を使い分ける

50mmでは標準レンズとして自然な画角を使える

50mm側はフルサイズで標準域です。広大な風景を一枚へ収める広角ではありませんが、人の目で見た印象に近い自然な構図を作りやすい焦点距離です。

街角、人物を含む風景、建物の一部分、テーブル上の静物など、200mmでは狭すぎる場面から撮影を始められます。

望遠ズームというと70mmや100mmから始まるレンズが多い中、50mmまで戻れることでレンズ交換の必要性を減らせます。少し離れた被写体を撮影した直後に周囲の景色を撮る場合でも、一本のまま対応できます。

標準域と望遠域の違いについては、焦点距離と画角の違いで詳しく解説しています。

85mmから135mmでは人物撮影に使いやすい

ズーム途中の85mmから135mm付近は、人物撮影で使いやすい中望遠域です。

50mmより人物から距離を取りやすく、背景に入る範囲も狭くなります。顔のアップや上半身、屋外のポートレートでは、ズームを使いながら撮影位置と背景のバランスを調整できます。

単焦点レンズのようなF1.2やF2の大きなボケは得られませんが、背景までの距離を確保すればF4前後でも人物を背景から分離できます。

人物撮影で使う焦点距離の違いについては、Canonポートレートレンズ完全ガイドでも詳しく紹介しています。

200mmでは望遠らしい切り取りができる

200mmまでズームすると、50mmとは写真の性格が大きく変わります。

遠くにいる人物、動物、鉄道、建物の細部などを大きく切り取ることができ、背景に写る範囲も狭くなります。被写体と背景の距離が十分にあれば、望遠端F4.5でも背景を大きくぼかせます。

風景撮影では、広く写すのではなく山並みの一部分、街並みの密集した部分、夕日の周囲などを切り取る使い方ができます。

200mmという焦点距離そのものの特徴については、Canon 200mm望遠レンズの特徴でも詳しく紹介しています。

フルサイズで使うEF50-200mm F3.5-4.5

50mmから200mm本来の画角を使える

EOS 5Dシリーズ、EOS 6Dシリーズ、フィルムEOSなどのフルサイズEFマウント機では、50mmから200mm本来の画角で使用できます。

50mm側を標準レンズとして使えることが、このレンズの特徴を最も生かせる組み合わせです。50mmから85mm、100mm、135mm、200mmと連続的に変えられるため、人物と風景を一本で撮影できます。

EOS 5D Mark IIのような一眼レフで使えば、1980年代のEFレンズを2000年代以降のデジタルボディで使うというEFマウントならではの組み合わせも可能です。

EFマウントのフルサイズ一眼レフとレンズの関係については、Canon EFレンズ総合ガイドから確認できます。

690gの重量は一眼レフではバランスを取りやすい

690gという重量は、現在の小型ミラーレス用望遠ズームと比べれば軽量とはいえません。しかしEOS 5Dシリーズなどの大きな一眼レフへ装着すると、極端にレンズだけが重い構成にはなりにくくなります。

直進ズームを操作する際は左手で鏡筒を支え、右手でボディのグリップを保持すると安定します。200mm側では手ブレの影響が大きくなるため、重量を両手へ分散させる構え方も重要です。

現代の手ブレ補正付きレンズとは異なり、撮影者自身の構え方とシャッタースピードが結果へ直接影響します。

手持ち撮影でブレを抑える考え方については、Canonの手ブレ補正と手持ち撮影の基本でも詳しく解説しています。

APS-Cでは80-320mm相当の望遠ズームになる

EOS APS-Cでは標準域がなくなる

キヤノンAPS-C一眼レフへ装着すると、35mm判換算では約80-320mm相当の画角になります。

レンズ自体の焦点距離が変わるわけではありません。APS-Cセンサーではフルサイズより狭い範囲を記録するため、画角が約1.6倍相当になります。

その結果、フルサイズで特徴だった50mmの標準画角はAPS-Cでは約80mm相当となり、レンズ全体が中望遠から望遠のズームとして機能します。

フルサイズとAPS-Cで画角がどのように変化するかは、センサーサイズによる画角の違いで詳しく解説しています。

320mm相当なら遠くの被写体をさらに大きく狙える

APS-Cで望遠端を使うと約320mm相当の画角になります。

鉄道、運動会、屋外スポーツ、動物、遠景など、フルサイズ200mmでは少し短い場面でも被写体を大きく配置できます。

一方、手ブレもより目立ちやすくなります。レンズ内手ブレ補正がないため、被写体が静止していても十分なシャッタースピードを確保した方が安定します。

望遠撮影でのシャッタースピードの決め方は、Canonカメラのシャッタースピード設定ガイドで詳しく紹介しています。

手ブレ補正なしで使うための設定

200mmではシャッタースピードを意識する

EF50-200mm F3.5-4.5にはレンズ内手ブレ補正が搭載されていません。

フルサイズの200mm側で手持ち撮影する場合、1/200秒前後を一つの出発点として考えられます。ただし、高画素ボディ、撮影者の構え方、被写体の動きなどによって必要な速度は変わります。

人物や動物を撮るなら、手ブレだけでなく被写体ブレも考える必要があります。歩く人物なら1/250秒以上、動きが速ければ1/500秒や1/1000秒へ上げるなど、被写体に合わせます。

シャッタースピードの具体的な考え方については、Canonのシャッタースピード設定で詳しく解説しています。

暗くなったらISO感度を上げる

望遠端の開放F値はF4.5なので、夕方や曇天、室内では高速シャッターを維持すると光量が不足しやすくなります。

手ブレ補正がないからといって、無理にシャッタースピードを遅くする必要はありません。必要な速度を確保し、その分ISO感度を上げる方が鮮明な写真を残しやすい場面があります。

特に人物、動物、スポーツでは被写体自身が動くため、低ISOへこだわってシャッタースピードを落とすと被写体ブレにつながります。

ISO感度とシャッタースピードの関係については、ISO感度と露出の基本で詳しく紹介しています。

三脚や一脚を使えば静止被写体では安定する

風景、建物、遠景など動かない被写体では、三脚や一脚を利用することで手ブレを抑えられます。

三脚ならシャッタースピードを遅くできるため、低ISOを維持しながらF8などへ絞った撮影も行いやすくなります。

一脚は完全固定ではありませんが、690gのレンズとボディを長時間支える負担を減らし、縦方向の揺れを抑える助けになります。

手ブレ補正を含むカメラの揺れ対策については、Canonの手ブレ補正完全ガイドも参考になります。

EOS Rシリーズでも使用できる

マウントアダプター EF-EOS Rを使用する

EF50-200mm F3.5-4.5はEFマウントレンズなので、EOS Rシリーズへ直接装着することはできません。

マウントアダプター EF-EOS Rを使用すれば、フルサイズEOS Rシリーズでも50-200mmの画角を維持したまま使用できます。通常のEF-EOS Rには画角を変更する光学系が入っていないため、焦点距離や開放F値は変化しません。

EOS R5、EOS R6シリーズなどのフルサイズ機では50-200mm、EOS R7やEOS R10などAPS-C機では約80-320mm相当の画角になります。

EFレンズをEOS Rへ装着する方法については、EOS RシリーズでEFレンズを使う方法で詳しく解説しています。

古いAFレンズであることは変わらない

EOS Rシリーズへ装着しても、レンズ内部のAF駆動機構そのものが新しくなるわけではありません。

ボディ側の測距方式や被写体検出機能は一眼レフ時代とは異なりますが、フォーカスレンズを実際に動かす部分は1987年のEF50-200mm F3.5-4.5です。

そのため、新しいRFレンズと同じAF速度や静音性を期待するのではなく、初期EFレンズを新しいボディで使えること自体を楽しむ組み合わせと考える方が適しています。

マウントアダプター使用時の特徴については、EF-EOS Rマウントアダプターの特徴でも詳しく紹介しています。

ボディ内手ブレ補正搭載機との組み合わせ

EF50-200mm F3.5-4.5にはレンズ内ISがありませんが、ボディ内手ブレ補正を搭載したEOS Rシリーズでは、対応する組み合わせでボディ側の補正を利用できます。

これはフィルム時代には存在しなかった使い方です。古い光学系やズーム操作を残しながら、現代のボディ側機能を組み合わせられます。

もっとも、手ブレ補正は人物や動物など被写体自身の動きを止めるものではありません。動く被写体では引き続き適切なシャッタースピードが必要です。

ISとIBISの違いについては、Canonの手ブレ補正を徹底解説した記事で確認できます。

EF50-200mm F3.5-4.5Lとの違い

非L版とL版は別のレンズ

EF50-200mm F3.5-4.5には、名称のよく似た「EF50-200mm F3.5-4.5L」が存在します。

本記事のEF50-200mm F3.5-4.5は1987年12月発売の非Lモデルです。一方、EF50-200mm F3.5-4.5Lは1988年6月に発売された別モデルです。

焦点距離と開放F値が同じなので混同しやすいのですが、光学設計は同一ではありません。非L版は13群16枚、L版は14群16枚となっています。

L版そのものについては、EF50-200mm F3.5-4.5Lの記事で個別に扱っています。

L版には蛍石レンズが採用されている

EF50-200mm F3.5-4.5Lでは蛍石レンズが採用されています。キヤノンが望遠Lレンズで色収差補正に用いてきた光学材料で、非L版との大きな違いです。

L版の重量は695gで、非L版の690gとほぼ同程度です。外形寸法も近いため、スペック表だけを見ると非常によく似ています。

しかし、非L版とL版は単に赤いリングの有無だけで区別される製品ではありません。光学系そのものが異なるため、中古で探す場合には名称を最後まで確認する必要があります。

L版の詳細は、EF50-200mm F3.5-4.5L完全ガイドで確認できます。

後年のEF55-200mm F4.5-5.6 USMとの違い

EF50-200mmは50mm側が広く開放F値も明るい

後年にはEF55-200mm F4.5-5.6 USMが登場しました。

焦点距離は似ていますが、EF50-200mm F3.5-4.5は50mmから始まり、開放F値もF3.5-4.5です。EF55-200mmは55mm始まりでF4.5-5.6となるため、EF50-200mmの方が一段階古い世代でありながら明るい設計です。

一方、EF55-200mmではUSMが採用され、AF駆動の世代が進んでいます。レンズ選びでは、明るさや焦点距離だけでなくAF方式や重量も含めて見る必要があります。

後継世代の望遠ズームについては、EF55-200mm F4.5-5.6 USMの記事で詳しく紹介しています。

初期EFとUSM世代の違いを楽しめる

EF50-200mm F3.5-4.5とEF55-200mm F4.5-5.6 USMを比べると、EFレンズの進化も見えてきます。

初期EF50-200mmでは1980年代らしい直進ズームと初期AFを採用しています。後年になるとUSMによるAFや小型軽量化など、使い勝手を重視した方向へ設計が変化していきます。

単純な性能比較だけなら新しいレンズが有利な部分は多くありますが、古いEFレンズを使う魅力は、その時代の光学設計や操作感そのものにもあります。

EFレンズの世代をまとめて見る場合は、キヤノン大全から各レンズへ移動できます。

EF100-300mm F5.6との違い

50-200mmは標準域から使える

同じ初期EF望遠ズームでも、EF100-300mm F5.6とは性格が大きく異なります。

EF100-300mm F5.6は100mmから300mmまでをカバーするため、遠くの被写体を大きく撮る能力では有利です。一方、EF50-200mm F3.5-4.5は50mmまで戻れるため、日常的な構図まで一本で対応しやすくなります。

旅行や街歩きで標準域も使うなら50-200mm、スポーツや動物など望遠側を優先するなら100-300mmというように、焦点距離の始点と終点によって用途が変わります。

100-300mm側の特徴については、EF100-300mm F5.6の記事で詳しく紹介しています。

ポートレートで使うEF50-200mm F3.5-4.5

撮影距離に合わせて85mmから200mmを選べる

人物撮影ではズームによって焦点距離を変えられることが大きな利点になります。

全身を入れたいときは85mm前後、上半身なら100mmから135mm、背景を大きく整理したい場合は200mmというように、撮影位置と背景に合わせて調整できます。

単焦点レンズでは焦点距離を変えるためにレンズ交換や撮影位置の変更が必要ですが、ズームなら人物との距離を大きく変えずに構図を調整できます。

ポートレートでの焦点距離の違いについては、Canonポートレートレンズ完全ガイドでも詳しく紹介しています。

200mm側では背景を整理しやすい

200mm側では画角が狭くなり、背景から不要なものを外しやすくなります。

公園などで人物を撮る場合、50mmではベンチ、木、通行人などが画面へ入りやすくなります。200mmまでズームすると、背景の一部分だけを選んで人物の後ろへ配置できます。

望遠端はF4.5ですが、人物と背景を十分に離せば背景ボケも大きくなります。F値だけでなく焦点距離、撮影距離、背景までの距離を組み合わせることが重要です。

200mmのポートレート表現については、Canon 200mm望遠レンズの記事でも詳しく解説しています。

風景撮影で使うEF50-200mm F3.5-4.5

広く写すより必要な部分を選ぶレンズ

EF50-200mm F3.5-4.5は広角ズームではありません。50mm側でも標準域なので、雄大な景色全体を一枚へ収めるより、風景の中から必要な部分を選んで構図を作る撮影に向いています。

山並み、木々、建築物、夕日、海面などから主役を選び、50mmから200mmまでズームして画面を整理できます。

200mmでは遠くのもの同士が近く見える望遠特有の圧縮感も利用できます。遠くの山と街並み、太陽と建物などを組み合わせれば、50mmとは異なる風景写真になります。

焦点距離を利用した構図については、写真撮影の基本テクニックでも詳しく紹介しています。

F8前後まで絞って安定した描写を狙う

風景で画面全体の情報を残したい場合は、開放だけでなくF5.6やF8まで絞って撮影する方法があります。

絞ることで被写界深度を広げられ、風景の複数の要素を見せやすくなります。光量が不足する場合にはISO感度を上げるか、三脚を利用してシャッタースピードを遅くします。

古いズームレンズでは開放と絞った状態で描写の印象が変化することもあるため、同じ構図をF4.5、F5.6、F8などで撮り比べるのも有効です。

F値による写真の変化については、F値と被写界深度を解説した記事で確認できます。

中古でEF50-200mm F3.5-4.5を選ぶポイント

1987年発売なので光学系の状態を優先する

EF50-200mm F3.5-4.5は1987年発売です。中古で見つかる個体はすべて長い年月を経ています。

外装の傷だけでなく、レンズ内部のカビ、曇り、バルサム切れのような異常、前玉や後玉の傷などを確認したいところです。

古いレンズでは多少のチリは珍しくありません。外観がきれいかどうかだけで判断せず、実際の撮影へ影響する光学系の状態を優先して見る方が重要です。

EFレンズ全体を中古で比較する場合は、Canon EFレンズ総合ガイドも参考になります。

AFの動作音と速度を実際に確認する

AFについては、現代のUSMやSTMレンズとは動作感が異なります。

近距離から遠距離までフォーカスが正常に移動するか、途中で停止しないか、異常な音が出ていないかを確認します。

もともと最新レンズのような静音AFを期待する製品ではないため、「音がする」というだけで異常とは限りません。重要なのは、正常にピント位置まで移動し、安定して動作するかです。

AF方式の違いについては、キヤノンレンズのAFモーター比較でも詳しく紹介しています。

直進ズームの緩みや引っ掛かりを見る

中古では直進ズームの操作感も重要です。

50mmから200mmまでスムーズに移動できるか、途中で強く引っ掛からないか、極端に緩くなっていないかを確認します。

長期間使われたズームレンズでは、内部の機械部分やグリスの状態によって操作感に個体差が出ます。光学系とAFが良好でも、ズームが扱いにくければ撮影時の快適さへ影響します。

後年のズームレンズとの違いは、EF55-200mm F4.5-5.6 USMと比較すると分かりやすくなります。

L版と取り違えないよう名称を確認する

中古市場で特に注意したいのが、EF50-200mm F3.5-4.5Lとの混同です。

焦点距離もF値も同じで、サイズや重量も近いため、商品名を途中までしか見ないと間違えやすくなります。

非L版とL版では光学系が異なり、L版には蛍石レンズが使われています。価格にも差が出る可能性があるため、購入する個体がどちらなのかを確認する必要があります。

L版については、EF50-200mm F3.5-4.5Lの記事で詳しく紹介しています。

EF50-200mm F3.5-4.5を現在使う意味

最新性能ではなく初期EFの撮影感覚を楽しむレンズ

EF50-200mm F3.5-4.5を現在選ぶ理由は、最新レンズよりAFが速いからでも、手ブレ補正が強力だからでもありません。

1987年というEOSシステム最初期の光学設計、直進ズーム、初期EFのAF、50mmから200mmという独特のズーム域を現在のデジタルカメラで使えることに価値があります。

同じEFマウントなので、フィルムEOSからEOS 5Dシリーズまで直接装着でき、マウントアダプターを使えばEOS Rシリーズでも利用できます。

歴代EFレンズの中で初期モデルを探す場合は、キヤノン大全から年代の近いレンズを確認できます。

50mmから200mmというズーム域は現在でも実用的

設計は古くても、50mmから200mmという焦点距離そのものが使えなくなったわけではありません。

標準域から望遠までを一本でカバーできるため、人物、街並み、イベント、鉄道、風景などをレンズ交換なしで撮影できます。

APS-Cなら80-320mm相当となり、性格の異なる望遠ズームとして利用できます。フルサイズとAPS-Cの両方で画角の違いを楽しめることも、EFレンズならではです。

EFマウントの望遠ズームをまとめて確認する場合は、Canon EFレンズ総合ガイドも参考になります。

まとめ

Canon EF50-200mm F3.5-4.5は、1987年12月に発売されたEOSシステム初期のEF望遠ズームレンズです。

焦点距離は50-200mm、開放F値はF3.5-4.5、レンズ構成は13群16枚、絞り羽根は8枚、最短撮影距離は1.2m、最大撮影倍率は0.23倍、フィルター径は58mm、重量は690gです。

旧記事にあった12群15枚、最大撮影倍率0.18倍、フィルター径52mm、重量500gという数値は、このレンズの公式仕様とは異なります。50mmも広角ではなく標準域であり、200mmは望遠域です。

50mmから200mmというズーム域によって、フルサイズでは日常的な標準画角から望遠撮影まで一本で対応できます。APS-Cでは約80-320mm相当となり、中望遠から望遠をカバーするレンズへ性格が変化します。

レンズ内手ブレ補正はなく、AFもUSMやSTM以前の世代です。現在の高速・静音AFレンズと同じ使い勝手を求める製品ではありません。一方、直進ズームや初期EFならではの動作感を含め、1980年代のEOSシステムを現在のデジタルボディで楽しめます。

名称の似たEF50-200mm F3.5-4.5Lも存在しますが、本記事の非L版とは別レンズです。L版には異なる光学系と蛍石レンズが採用されています。

最新性能だけを見るレンズではなく、EOSシステムが始まった時代の50-200mmズームを実際に撮影へ持ち出せることが、EF50-200mm F3.5-4.5の現在における大きな魅力です。

タイトルとURLをコピーしました