Canon EF中望遠単焦点レンズ一覧|85mm・100mm・135mmの違いと選び方
CanonのEF中望遠単焦点レンズには、85mm、100mm、135mmを中心に、明るさや大きさ、描写の性格が異なるレンズがそろっています。
代表的なのはEF85mm F1.8 USM、EF85mm F1.4L IS USM、EF85mm F1.2L USM、EF85mm F1.2L II USM、EF100mm F2 USM、EF135mm F2L USMです。さらに、独特の描写を楽しめるEF135mm F2.8 ソフトフォーカスもあります。
焦点距離が85mmから135mmへ長くなるほど画角は狭くなり、同じ大きさで人物を写すには撮影距離も長くなります。背景へ写る範囲を整理しやすくなり、遠くの背景を大きく見せる構図も作りやすくなります。
一方、同じ85mmでもF1.8、F1.4、F1.2ではレンズの大きさ、重量、価格、被写界深度、手ブレ補正の有無などが大きく異なります。数字だけを見るとF値の差ですが、実際の撮影では使い方そのものが変わるほど性格に違いがあります。
EFマウント一眼レフで使用できることに加え、マウントアダプター EF-EOS Rを使えばEOS Rシリーズでも活用できます。中古市場にも多く流通しており、現在でも用途を明確にすれば魅力のあるカテゴリーです。
この記事ではCanon EF中望遠単焦点レンズを85mm、100mm、135mmに分け、それぞれの画角、背景ボケ、撮影距離、F値、ポートレートでの使い分け、中古選び、EOS Rシリーズで使用する場合まで詳しく整理します。
Canon EF中望遠単焦点レンズは85mm・100mm・135mmで性格が変わる
- 85mmは人物との距離を保ちながら幅広い構図を作りやすい
- 100mmは85mmと135mmの中間で被写体を少し大きく切り取れる
- 135mmは狭い画角と長い撮影距離を利用して背景を整理しやすい
85mmはポートレートからスナップまで使いやすい中望遠
85mmはCanon EF中望遠単焦点の中でも選択肢が多く、ポートレート用として特に知られている焦点距離です。
フルサイズで85mmを使うと、50mmより画角が狭くなり、人物から少し距離を取って撮影できます。顔へ極端に近づく必要がなく、バストアップ、上半身、全身まで撮影位置を変えながら対応できます。屋外で十分な距離を確保できれば、人物の周囲に背景を残した構図から、背景を大きくぼかした構図まで作れます。
85mmの特徴は、135mmほど撮影者が大きく後ろへ下がらなくても人物を画面へ収められる点です。公園、街中、スタジオなど撮影距離に限りがある場所でも扱いやすく、中望遠を初めて使う場合にも焦点距離の特徴をつかみやすくなります。
背景へ写る範囲は50mmより狭いため、看板、通行人、建物など余計な要素を画面外へ出しやすくなります。被写体と背景の距離を十分に取れば、F1.8でも大きな背景ボケを得られます。
人物以外にも、花、動物、街角の一部分、風景の切り取りなどへ利用できます。標準レンズより被写体を選んで画面へ入れる感覚が強くなるため、構図を整理する練習にも使いやすい焦点距離です。
85mm・100mm・135mmの画角そのものの違いについては、中望遠レンズとは?85mm・100mm・135mmの使い方で詳しく解説しています。
100mmは85mmより背景を整理しながら135mmほど距離を必要としない
100mmは85mmと135mmの間に位置し、両方の特徴を適度に持つ焦点距離です。
85mmから100mmへ伸ばすと画角が少し狭くなり、同じ撮影位置なら人物を一段大きく写せます。人物を同じ大きさで写す場合は撮影者が少し後ろへ下がるため、顔や上半身を落ち着いた距離から狙いやすくなります。
EF100mm F2 USMは開放F2の明るさを持ちながら、F1.2クラスの85mmほど大型化していません。背景を十分にぼかせる明るさと携帯性を両立しやすく、人物、舞台、イベント、花など幅広い被写体に対応できます。
100mmという焦点距離はマクロレンズでも多く使われますが、EF100mm F2 USMは通常の中望遠単焦点です。マクロ撮影を主目的とした設計ではないため、人物撮影ではF2の明るさと比較的軽快な操作性を生かせます。
85mmより少し背景を整理したいものの、135mmでは撮影距離が長すぎる場所にも向きます。屋外ポートレートでは人物と会話できる距離を保ちやすく、ステージやイベントでは少し離れた位置から人物を切り取ることができます。
Canonのポートレート向け焦点距離を50mmから200mmまで比較する場合は、Canonポートレートレンズおすすめも参考になります。
135mmは長い撮影距離と狭い画角で背景を大きく整理できる
135mmになると85mmや100mmより画角がさらに狭くなり、ポートレート撮影でも撮影者と人物の距離が長くなります。
屋外で人物を上半身や全身で撮影する場合、85mmより後ろへ下がる必要があります。その距離を確保できれば、背景へ入る範囲を狭くしながら、遠くにある木、建物、光などを人物の背後へ配置できます。
焦点距離が長いほど自動的に背景が圧縮されるという単純な話ではなく、人物を同じ大きさに写すために撮影位置を変えることで、背景との位置関係が変化します。135mmでは撮影者が後ろへ下がるため、遠くの背景が人物に対して大きく見える構図を作りやすくなります。
EF135mm F2L USMはF2の明るさもあるため、屋外ポートレートでは背景を大きくぼかせます。舞台やイベントのように撮影位置から被写体まで距離がある場所でも、85mmより人物を大きく捉えられます。
反対に狭い室内では135mmを使うための距離を確保しにくくなります。人物と頻繁に会話しながら動きを指示する撮影でも、85mmより距離が離れます。広い場所で背景を積極的に整理したい場合に特に特徴を生かせる焦点距離です。
135mmを含む中望遠で背景ボケや撮影距離を考える場合は、Canon 85mm単焦点レンズガイドと比較すると違いを把握しやすくなります。
EF85mmはF1.8・F1.4・F1.2で選び方が大きく変わる
- EF85mm F1.8 USMは軽さとAF速度を生かしやすい
- EF85mm F1.4L IS USMはF1.4と手ブレ補正を組み合わせられる
- EF85mm F1.2L系は極めて浅い被写界深度を表現へ利用できる
EF85mm F1.8 USMは軽さとF1.8の明るさを両立する
EF85mm F1.8 USMは、EF中望遠単焦点の中でも扱いやすさが際立つ一本です。
F1.8という明るさがあるため、標準ズームや望遠ズームより背景を大きくぼかしやすく、室内や夕方でもシャッタースピードを確保しやすくなります。人物撮影では瞳へピントを合わせ、背景を十分に離すことで、中望遠らしい立体感を作れます。
F1.2やF1.4の85mmと比べるとレンズが小さく、持ち歩きやすいことも特徴です。旅行や街歩きでカメラバッグへ追加しやすく、人物撮影だけを目的にした日でなくても持ち出しやすくなります。
USMによるAFも、人物の表情を追ったり、屋外で位置を変えながら撮影したりする場面で使いやすい要素です。EOS Rシリーズへアダプター経由で装着した場合には、人物・瞳検出AFと組み合わせて撮影できます。
開放F1.8では被写界深度が浅くなりますが、F2.2、F2.8、F4と絞れば人物の顔全体へピントを残しやすくなります。常に開放で撮るレンズとして考えるより、必要なボケ量とピント範囲に合わせて絞りを変えると用途が広がります。
実際の描写傾向については、EF85mm F1.8 USMの作例とボケ表現で確認できます。
EF85mm F1.4L IS USMは明るさと手ブレ補正を組み合わせられる
EF85mm F1.4L IS USMは、F1.4の大口径と光学式手ブレ補正を組み合わせた85mmです。
F1.8からF1.4へ開くことで、同じ撮影位置と構図なら被写界深度をさらに浅くできます。背景に街灯やイルミネーションがある夜景ポートレートでは、背景の光を大きくぼかしながら人物を浮かび上がらせる構図を作れます。
手ブレ補正は静止している人物、風景、建物、静物などでシャッタースピードを下げたい場合に役立ちます。人物が動いている場合には被写体ブレを止める速度が必要になるため、ISだけに頼らず人物の動きに合わせてシャッタースピードを設定します。
F1.4ではピントの合う範囲がかなり薄くなるため、顔を斜めに向けた人物では片方の目だけにピントが合うこともあります。両目をある程度シャープに残したい場合はF2やF2.8へ絞るなど、ボケ量と被写界深度を調整します。
F1.2L系ほど極端な開放F値を必要とせず、F1.8より一段大きなボケとLレンズの仕様を求める場合に位置付けやすいモデルです。
このレンズの特徴については、EF85mm F1.4L IS USMの描写とボケで詳しく紹介しています。
EF85mm F1.2L USMとII型はF1.2の浅い被写界深度が最大の特徴
EF85mm F1.2L USMとEF85mm F1.2L II USMは、開放F1.2という非常に明るい設計を持つ85mmです。
F1.2では人物の瞳へピントを合わせた場合でも、撮影距離によってはまつ毛、鼻、耳へ向かって急速にピントが外れていきます。この極端に浅い被写界深度そのものを写真表現へ利用できることが、このシリーズの大きな特徴です。
背景との距離を十分に取れば、人物以外の情報を大きくぼかし、瞳や表情だけへ視線を集中させる写真を作れます。夜間や室内ではF1.2の明るさを利用してシャッタースピードを確保することもできます。
その反面、F1.8クラスよりレンズは大きく重くなり、ピント合わせにも慎重さが必要です。F1.2を使うことそのものが目的になってしまうと、両目を残したい構図や人物が動く場面では撮影しにくくなることがあります。F1.2からF2.8程度まで、必要な被写界深度に応じて使い分けることが重要です。
初代とII型ではAFやコーティングなどに違いがあるため、中古で購入する際は世代も確認します。
2世代の違いについては、EF85mm F1.2L II USMと初代の比較で詳しく解説しています。
EF100mm・EF135mmは85mmとは異なる撮影距離を生かす
- EF100mm F2 USMは中間的な焦点距離とF2を組み合わせる
- EF135mm F2L USMは屋外ポートレートや舞台で使いやすい
- EF135mm F2.8 ソフトフォーカスは描写効果そのものを楽しめる
EF100mm F2 USMは85mmと135mmの間を埋める中望遠
EF100mm F2 USMは、85mmでは少し広く、135mmでは長すぎる場面を埋める焦点距離です。
人物撮影では85mmより少し長い距離から上半身や顔を狙えます。屋外や少し広めの室内で人物を撮る場合、背景へ入る範囲を85mmより絞り込みながら、135mmほど大きく後ろへ下がらずに構図を作れます。
開放F2なので背景ボケも十分に得られます。F1.2やF1.4ほど極端に浅い被写界深度にはなりませんが、人物の顔へ必要なピント範囲を残しながら背景を整理したい場合には扱いやすい明るさです。
100mmという焦点距離からマクロレンズを連想しやすいものの、EF100mm F2 USMは通常の単焦点です。最短撮影距離や最大撮影倍率を重視したマクロ撮影用ではなく、明るい中望遠として人物、イベント、舞台、花などを撮影するレンズとして考えます。
現在は中古が中心になるため、価格だけでなくAF動作、レンズ内部、絞り、フォーカスリングなどの状態を確認することが重要です。
EFマウントの中望遠を含めたレンズ全体から比較する場合は、Canon EFレンズ一覧から焦点距離別に確認できます。
EF135mm F2L USMは背景を整理した屋外ポートレートに強い
EF135mm F2L USMは、135mmの焦点距離とF2の明るさを組み合わせた中望遠Lレンズです。
85mmより撮影距離を長く取るため、広い公園、海辺、河川敷、街路など、前後へ移動できる場所で使いやすくなります。人物を上半身や全身で写しながら、遠くの木や建物を背景として大きく配置できることが135mmの魅力です。
F2まで開ければ、人物と背景の距離を十分に確保した場合に大きな背景ボケを作れます。135mmは画角そのものが狭いため、背景へ余計な物が入りにくく、人物だけを明確に見せたい構図にも向いています。
舞台、発表会、屋外イベントなど撮影者が被写体へ近づけない場面でも135mmを生かせます。70-200mmズームより焦点距離を変更する自由はありませんが、F2の明るさを利用して光量の少ない環境でシャッタースピードを確保できます。
撮影距離を取れない場所では扱いにくくなるため、室内中心なら85mmの方が使いやすい場合があります。135mmは撮影場所を選ぶ代わりに、条件が合ったときに非常に明確な中望遠表現を作れるレンズです。
EF135mm F2L USMの描写については、EF135mm F2L USMのボケと解像力で詳しく紹介しています。
EF135mm F2.8 ソフトフォーカスは通常の135mmとは目的が異なる
EF135mm F2.8 ソフトフォーカスは、EF中望遠単焦点の中でも特に個性的なレンズです。
135mm F2.8として通常撮影できることに加え、ソフトフォーカス機構を利用して被写体の輪郭へ柔らかな光をまとわせるような描写を作れます。背景だけをぼかす一般的な大口径レンズとは効果が異なり、ピント面を含めた画面全体の印象そのものを変えられます。
人物では肌や髪の周囲に柔らかな雰囲気を加えたり、花では光がにじむような表現を作ったりできます。現像ソフトによる後処理でも似た雰囲気を作れますが、撮影時に光学的な効果を確認しながら構図を決めることに、このレンズ独自の楽しさがあります。
135mmなので通常のポートレートでも撮影距離は長くなります。ソフト効果を使用する場合は、逆光や点光源を入れたときの変化も大きいため、光の方向を見ながら強さを調整します。
中古では特殊機構の動作も確認したい部分です。通常のシャープな135mmを目的にするならEF135mm F2L USM、独特の柔らかな表現を楽しみたいならF2.8 ソフトフォーカスという役割分担になります。
ソフトフォーカス機構の具体的な使い方は、EF135mm F2.8 ソフトフォーカスの特徴で詳しく解説しています。
EF中望遠単焦点を用途別に選ぶ
- 人物撮影では撮影距離と背景ボケの両方から焦点距離を決める
- APS-Cでは85mmでも約136mm相当の狭い画角になる
- EOS Rではアダプターを含めた全体の大きさまで考える
ポートレートでは撮影場所から85mm・100mm・135mmを選ぶ
EF中望遠単焦点をポートレート用として選ぶ場合、最初に考えたいのは開放F値より撮影場所です。
室内や街中など後ろへ下がれる距離が限られる場合は85mmが使いやすくなります。上半身から全身まで構図を変えやすく、人物との距離も135mmほど離れません。撮影中に会話しながら表情を作る場合にも85mmは扱いやすい焦点距離です。
少し広い場所なら100mmを使うことで背景へ入る範囲をさらに整理できます。85mmと135mmの中間に位置するため、撮影距離と背景ボケのバランスを取りやすくなります。
広い屋外では135mmの特徴を生かせます。人物から離れて撮影することで、背景の一部分だけを選び、木々や建物、夕景などを大きくぼかして人物の後ろへ配置できます。
焦点距離を決めた後にF値を選びます。軽さを重視するなら85mm F1.8、手ブレ補正とF1.4を使いたいなら85mm F1.4L、極端に浅い被写界深度を狙うならF1.2L系というように、同じ85mmでも目的によって選択肢が分かれます。
85mmを人物撮影で使う具体的な構図については、EF85mm F1.8 USMのポートレート撮影で詳しく紹介しています。
Canon APS-Cでは85mm・100mm・135mmがさらに狭い画角になる
Canon APS-C一眼レフへEF中望遠単焦点を装着すると、フルサイズより記録される範囲が狭くなります。
35mm判換算の画角では、85mmが約136mm相当、100mmが約160mm相当、135mmが約216mm相当になります。レンズ自体の焦点距離が変化するわけではありませんが、写真へ写る範囲はフルサイズより大幅に狭くなります。
APS-Cで85mmを使用すると、フルサイズの135mmに近い画角になるため、人物撮影でもかなり距離が必要です。屋外で上半身や顔を撮る場合には使いやすい一方、一般的な室内で全身を入れるには距離を確保しにくくなります。
100mmは約160mm相当、135mmは約216mm相当になるため、人物撮影に加えて舞台、イベント、動物など遠くの被写体を切り取る用途が増えます。
APS-Cだから中望遠レンズが使いにくいという意味ではなく、用途が望遠側へ移ると考えると分かりやすくなります。EOS 90Dなどで屋外ポートレートを撮るなら85mmでも大きな背景ボケを生かせます。
Canon APS-Cで使うEFレンズを焦点距離別に探す場合は、Canon EFマウントの安い神レンズも比較材料になります。
EOS RシリーズではEF-EOS Rアダプターを使って活用できる
EF85mm、EF100mm、EF135mmなどのEF中望遠単焦点は、マウントアダプター EF-EOS Rを使用することでEOS Rシリーズでも使えます。
標準タイプのEF-EOS Rには焦点距離を変更する光学系が入っていないため、フルサイズEOS RでEF85mmを使用すれば85mmの画角として撮影します。EOS R7やEOS R50などAPS-C機では約1.6倍相当の画角になります。
EOS Rシリーズでは人物や瞳を検出するAFを利用できるため、F1.2やF1.4の浅い被写界深度でも人物の目へピントを置きやすくなります。古いEF単焦点を一眼レフ時代とは異なる操作感で使えることは、アダプター運用の大きな利点です。
一方、アダプター分だけ全長が増えます。EF85mm F1.2L系やEF135mm F2L USMのような比較的大きなレンズでは、RFレンズへ直接移行した場合とのサイズ差も確認したいところです。
すでに複数のEFレンズを持っている場合は、一つのアダプターを共用できるためEFレンズを残す意味も大きくなります。中古EFレンズを追加する場合も、価格だけでなくアダプターを含めた大きさと重量まで考えます。
アダプター使用時の扱いやすさについては、マウントアダプター EF-EOS Rのデメリットで詳しく整理しています。
中古EF中望遠単焦点を選ぶときに確認するポイント
- 85mmは同じ焦点距離でも複数世代があるため型名まで確認する
- 古いレンズではAF・絞り・光学系の状態を優先して確認する
- RFレンズとの差は価格だけでなく使用するボディから考える
EF85mmはF値と世代を確認してから中古を選ぶ
中古のEF85mmを探すと、複数のモデルが同時に表示されます。
EF85mm F1.8 USM、EF85mm F1.4L IS USM、EF85mm F1.2L USM、EF85mm F1.2L II USMは、すべて85mmですが性格は大きく異なります。
F1.8は比較的小型で取り回しやすく、F1.4L ISは大口径と手ブレ補正を組み合わせています。F1.2L系は最も浅い被写界深度を得られる一方、レンズ自体も大きくなります。
特にF1.2Lは初代とII型があるため、「EF85mm F1.2L」という表示だけで判断せず正式な型名を確認します。中古店やオークションではタイトルが省略されていることもあるため、外観写真や商品説明も見ます。
大口径レンズでは前玉や後玉の傷、内部のクモリ、カビだけでなく、AFが近距離から遠距離まで正常に動くかも重要です。EOS Rシリーズで使う場合には、アダプター経由でAFが動作することも確認しておくと安心です。
初代85mm F1.2Lの特徴については、EF85mm F1.2L USMの描写と特徴で詳しく紹介しています。
古いEF単焦点では外観よりAFと光学系の状態を優先する
EF中望遠単焦点には発売から長い年月が経過したモデルが多く、中古品では個体差があります。
外装に小さな傷があるだけなら撮影へ影響しない場合があります。一方、レンズ内部のカビ、強いクモリ、後玉の傷、AFの不調、絞りの異常などは実際の撮影へ影響します。
AFは一度動くだけで判断せず、最短撮影距離付近から遠景まで何度か往復させます。ピント位置によって異音が出る、途中で止まる、合焦まで極端に時間がかかる場合は状態を確認します。
大口径85mmでは開放F値付近でピントのずれが目立ちやすいため、一眼レフで使う場合は実写確認も重要です。EOS Rシリーズの像面AFでは一眼レフとはピント合わせの仕組みが変わるため、同じEFレンズでも使用感が変わります。
135mm F2.8 ソフトフォーカスのような特殊レンズでは、通常のAFや絞りに加えて独自機構の操作も確認します。古いレンズほど価格差だけで判断せず、正常に撮影できる個体を選ぶ方が長く使えます。
EFレンズを現在のRFボディで使う考え方は、RF時代にEFレンズを使うメリットでも詳しく解説しています。
RFレンズへ移行するかEFを残すかは撮影目的で決める
EOS Rシリーズを使用している場合、中望遠にはRF85mmやRF135mmという選択肢もあります。
RFレンズはアダプターなしで装着できるため、システム全体を短くまとめられます。新しい光学設計、AF、操作系を利用できることも利点です。
一方、EF85mm F1.8 USM、EF100mm F2 USM、EF135mm F2L USMなどは中古価格を含めると、RFレンズとは異なる予算で中望遠単焦点を組める場合があります。すでにEF-EOS Rアダプターを持っていれば、追加費用をレンズ本体へ集中できます。
EF85mm F1.2Lシリーズの描写や、EF135mm F2.8 ソフトフォーカスの特殊な表現など、EFにしかない選択肢を目的に使う方法もあります。
RFへ移行する場合も、単純に古いEFをすべて置き換える必要はありません。使用頻度が高く、アダプターの着脱が負担になる焦点距離だけRFへ移し、使用頻度の低い特殊レンズや中古で魅力のあるEFを残す方法もあります。
EFとRFのシステム全体の違いは、RF85mmとEF85mmの比較から具体的に確認できます。
Canon EF中望遠単焦点レンズ一覧まとめ
Canon EF中望遠単焦点レンズは、85mm、100mm、135mmを中心に、それぞれ撮影距離と画角が異なります。
85mmは中望遠の中でも扱いやすく、ポートレート、スナップ、花、動物など幅広く使えます。人物との距離を極端に離さず、背景を整理した構図を作りやすい焦点距離です。
100mmは85mmより少し狭い画角を持ち、135mmほど長い撮影距離を必要としません。EF100mm F2 USMはF2の明るさもあり、人物、イベント、舞台などへ利用できます。
135mmは広い屋外や離れた被写体へ向いています。EF135mm F2L USMでは135mmとF2を組み合わせ、背景を大きくぼかしたポートレートや舞台撮影に利用できます。EF135mm F2.8 ソフトフォーカスは、通常のシャープな描写に加えて独特の柔らかな表現を楽しめます。
85mmの中でも性格は分かれます。EF85mm F1.8 USMは軽さとF1.8の明るさを生かしやすく、EF85mm F1.4L IS USMはF1.4と手ブレ補正を利用できます。EF85mm F1.2L USMとII型はF1.2の非常に浅い被写界深度そのものを写真表現へ利用できるレンズです。
Canon APS-Cでは85mmが約136mm相当、100mmが約160mm相当、135mmが約216mm相当の画角になります。APS-Cで使う場合は、フルサイズよりさらに撮影距離が必要になることを考えて選びます。
EOS Rシリーズでもマウントアダプター EF-EOS Rを使えばEF中望遠単焦点を活用できます。人物・瞳検出AFと組み合わせることで、大口径EFレンズを現在のミラーレス環境で使うことも可能です。
EF中望遠単焦点を選ぶときは、最初に撮影場所と必要な焦点距離を決め、その後にF値、重量、手ブレ補正、価格を比較すると整理しやすくなります。室内から屋外まで幅広く使うなら85mm、少し距離を取りたいなら100mm、広い場所で背景を大きく整理するなら135mmという違いを基準にすると、自分の撮影へ合う一本を選びやすくなります。



