当サイトでは、運営維持のためにアフィリエイトリンク(Amazonアソシエイトを含む)を使用しています。リンクを通じて商品をご購入いただくと、販売元から当サイトに手数料が入る場合があります。より良いコンテンツを提供いたしますので、ご理解いただけますと幸いです。

幻想的な表現力を実現するEF135mm F2.8の世界

スポンサーリンク
https://camecame.jp/wp-content/uploads/2024/11/ef268_b.jpg 中望遠単焦点

Canon EF135mm F2.8 ソフトフォーカスレビュー|画質・使い方・中古購入の注意点

Canon EF135mm F2.8(ソフトフォーカス機構付き)は、通常のシャープな描写と、光がにじむような柔らかな描写を一本で使い分けられる、キヤノンEFマウントの中望遠単焦点レンズです。レンズ本体のソフトフォーカス機構を操作することで、被写体の輪郭を自然に残した写真から、光に包まれた幻想的な写真まで表現できます。

このレンズの最大の特徴は、ソフトフォーカス効果を光学的に作り出していることです。通常のレンズでは球面収差をできるだけ補正してシャープな画像を得ようとしますが、EF135mm F2.8は内部の非球面レンズを動かして球面収差を意図的に発生させます。その結果、ピントの合った部分にも柔らかな光のにじみが現れ、一般的な背景ボケとは異なる独特の写真になります。

発売は1987年10月と古いレンズですが、重量は約390gと軽量で、オートフォーカスにも対応しています。ソフトフォーカスを解除すれば通常の135mm F2.8単焦点レンズとして使用できるため、人物撮影や花の撮影、風景の一部を切り取る望遠撮影にも活用できます。

一方、最新の高解像レンズと比較すると、開放F2.8でのシャープネスや周辺描写、AFの静粛性には世代の違いがあります。手ブレ補正も搭載されていません。また、ソフトフォーカス機構は単純に設定を強くすれば美しい写真になるものでもなく、絞り値や光の方向、被写体との距離によって効果が大きく変わります。

この記事では、EF135mm F2.8の基本スペック、ソフトフォーカス機構の仕組みと操作方法、通常撮影時の解像力と画質、ポートレートや花の撮影での使い方、EF135mm F2L USMなどとの違い、EOS Rシリーズでの使用方法、中古購入時の注意点まで詳しく解説します。

Canon EF135mm F2.8 ソフトフォーカスの特徴と基本スペック

EF135mm F2.8は、キヤノンEFマウントの初期に登場した中望遠単焦点レンズです。35mmフルサイズに対応する135mm F2.8の光学系に、ソフトフォーカス効果を調整できる機構を組み込んでいます。通常の中望遠レンズとしても使用できる一方、レンズ内部の光学系を動かして意図的に柔らかな描写を生み出せる点が特徴です。

現在のレンズでは高い解像力や優れたAF性能が重視される傾向がありますが、EF135mm F2.8は光のにじみや柔らかな輪郭を写真表現として利用する、個性的な設計となっています。

135mm F2.8という焦点距離と画角の特徴

135mmは、人物撮影に適した中望遠から望遠に位置する焦点距離です。キヤノンのフルサイズカメラでは対角画角が約18度となり、標準レンズと比較して狭い範囲を切り取ります。被写体を大きく配置しながら、背景に写り込む余計な物を整理しやすいことが特徴です。

人物撮影では、85mmよりも被写体から離れた位置で同じ大きさの人物を写すことになります。撮影者と人物の距離を十分に確保できるため、自然な表情を撮影しやすく、背景にある木々や建物を大きく見せる構図にも向いています。全身を撮影する場合は相応の距離が必要ですが、上半身や顔を中心に撮影するときには使いやすい画角です。

APS-Cカメラで使用すると、35mm判換算で約216mm相当の画角になります。フルサイズよりも撮影範囲が狭くなるため、人物の顔や上半身、遠くの花などを大きく写しやすくなります。一方、室内や狭い場所では被写体との距離を確保しにくく、構図が制限される場合があります。

また、135mmの望遠画角では、背景にある物が画面内で比較的大きく写ります。人物と背景の距離、撮影者と人物の距離を組み合わせることで、背景が近くにあるような印象を作れます。これは焦点距離そのものが遠近関係を変えるという意味ではなく、同じ大きさで人物を写すために撮影位置が変わることによる効果です。

135mmという焦点距離は、ポートレートだけでなく、風景の一部を切り取る撮影にも向いています。遠くの木々や山並み、建築物の装飾などを整理された構図で撮影でき、ソフトフォーカス機構を利用すれば通常の望遠写真とは異なる雰囲気を作れます。

画角と焦点距離の関係については、画角とは?焦点距離との関係と広角・標準・望遠の違いでも詳しく解説しています。

6群7枚の光学系と390gの軽量設計

EF135mm F2.8のレンズ構成は6群7枚です。光学系の第4レンズにはガラスモールド非球面レンズが採用されており、このレンズを移動させることで球面収差の量を変化させ、ソフトフォーカス効果を生み出します。通常撮影時には収差を補正する方向で働き、ソフトフォーカス撮影時には意図的に収差を発生させるという構造です。

レンズの基本スペックは次のとおりです。

項目 仕様
レンズ名 EF135mm F2.8(ソフトフォーカス機構付き)
発売年月 1987年10月
マウント キヤノンEF
対応センサー フルサイズ・APS-C
焦点距離 135mm
開放F値 F2.8
最小絞り F32
レンズ構成 6群7枚
絞り羽根 6枚
ソフトフォーカス 0・1・2の設定
最短撮影距離 1.3m
最大撮影倍率 0.12倍
AF駆動 マイクロモーター方式
手ブレ補正 なし
フィルター径 52mm
最大径×全長 約69.2×98.4mm
重量 約390g
対応レンズフード ET-65III

このレンズの重量は約390gで、135mmの単焦点レンズとしては軽量です。EF135mm F2L USMの約750gと比較すると約半分の重量で、長時間持ち歩く場合にも負担を抑えられます。最大径約69.2mm、全長約98.4mmという大きさも、F2.8の中望遠レンズとして扱いやすい寸法です。

レンズ鏡筒には樹脂素材が多く使用されており、外観や操作感には発売当時のEFレンズらしい特徴が残っています。金属製の大型望遠レンズと比較すると高級感は控えめですが、軽量化という点では合理的な構造です。

フィルター径は52mmなので、一般的なねじ込み式フィルターを使用できます。保護フィルターやPLフィルターを追加する場合でも、大口径レンズ用の大型フィルターを必要としません。

レンズの重量と設計の関係については、小型軽量設計から形状・重量の全体像まで:レンズ設計の魅力も参考になります。

ソフトフォーカスを解除すれば普通の135mmレンズになる

EF135mm F2.8の重要な特徴は、ソフトフォーカス効果を解除して通常の望遠単焦点レンズとして使用できることです。レンズのソフト目盛を0に設定すると、意図的なソフトフォーカス効果を発生させない通常撮影になります。

この状態では、135mm F2.8の中望遠単焦点レンズとして、人物や風景、建築物などを撮影できます。画面中央の解像力は実用的で、絞り込むことで周辺部の描写も改善します。ソフトフォーカス専用レンズとして使うだけでなく、必要に応じて通常撮影と特殊効果を切り替えられる点が、このレンズの利点です。

ただし、ソフト目盛0で撮影した場合でも、最新の高解像中望遠レンズと完全に同じ画質になるわけではありません。EF135mm F2.8は1987年に設計されたレンズであり、当時の光学技術やコーティング技術、AF機構を採用しています。通常撮影時の解像力は良好ですが、開放F2.8の周辺描写や逆光性能などには世代の違いがあります。

また、ソフトフォーカス効果を発生させる機構を内蔵しているため、一般的な単焦点レンズより操作部分が多くなっています。通常の撮影ではソフト目盛0に固定し、必要な場面で1や2へ切り替える使い方が基本になります。

現在のEFレンズには、解像力を重視したLレンズや大口径単焦点、マクロレンズなど、さまざまな設計思想の製品があります。EF135mm F2.8は、その中でも描写を光学的に変化させるという個性的な位置づけのレンズです。

EFマウントのレンズ全体については、Canon EFレンズ一覧|焦点距離・種類別に選び方とおすすめを解説で整理しています。

ソフトフォーカス機構の仕組みと設定方法

EF135mm F2.8を特徴づけているのが、ソフトフォーカス効果を調整できる専用の光学機構です。通常のレンズでは、ピントが合った部分を鮮明に写すために球面収差などをできるだけ補正します。このレンズは内部の非球面レンズを動かし、球面収差を意図的に変化させることで、被写体の輪郭に柔らかな光のにじみを発生させます。

ソフトフォーカス効果は0・1・2の目盛で調整でき、さらに絞り値によっても変化します。そのため、ソフト目盛とF値の関係を理解することが、このレンズを使いこなすための重要なポイントになります。

ソフト目盛0・1・2では描写がどう変わるのか

EF135mm F2.8には、レンズ本体にソフトリングとソフト目盛が設けられています。ソフト目盛は0・1・2の3つが基本で、数字が大きくなるほどソフトフォーカス効果が強くなります。目盛の間でも調整できるため、効果の強さを段階的に変化させられます。

ソフト目盛 描写の特徴 用途
0 ソフト効果なし。通常の135mmレンズとして撮影 一般的な人物・風景・記録写真
1 輪郭を残しながら光が柔らかくにじむ ポートレート・花・逆光撮影
2 光のにじみが大きく、幻想的な描写になる 強いソフト効果を生かした作品撮影

ソフト目盛0では、通常のレンズと同じように、ピントの合った被写体を鮮明に写す方向の描写になります。135mm F2.8の焦点距離による背景ボケは得られますが、意図的に輪郭をにじませる効果は発生させません。

ソフト目盛1では、被写体の輪郭をある程度残しながら、その周囲に柔らかな光のにじみが現れます。人物の髪や肌、白い服、逆光で光る輪郭などにソフト効果が表れやすく、背景のボケと組み合わせることで印象的な写真を撮影できます。

ソフト目盛2では効果がさらに強くなり、ピントの合った部分にも大きな光のにじみが現れます。通常の写真では鮮明に見える細部が柔らかくなり、写真全体に独特の雰囲気が加わります。ただし、明るい部分が多い構図では効果が強すぎて、被写体の輪郭が分かりにくくなることもあります。

ソフトフォーカスは、単に写真をぼかして解像力を低下させるための機能ではありません。鮮明な像と柔らかな光のにじみを組み合わせることによって、被写体に独特の質感を与える光学的な表現です。

球面収差や光学性能の仕組みについては、レンズの光学性能とは?解像力・MTF・色収差・ボケの見方でも詳しく解説しています。

ソフトリングと切り換えスイッチの正しい操作方法

ソフトフォーカス効果の調整には、レンズ本体のソフトリングとソフト/ノーマル切り換えスイッチを使用します。ソフトリングは単純に回すだけで自由に変更できる構造ではなく、切り換えスイッチを操作しながら目盛を変更する仕組みです。

まず、ソフト/ノーマル切り換えスイッチを指定方向へスライドさせ、ソフトリングを回して希望する目盛へ合わせます。通常撮影では0、弱い効果を得たい場合は1、強い効果を得たい場合は2を使用します。設定後はスイッチを戻し、リングが適切な位置にあることを確認します。

このレンズで特に重要なのは、ソフト目盛を設定してからピントを合わせることです。キヤノンの使用説明書でも、ピント調整はソフト目盛を設定した後に行うよう案内されています。ソフトフォーカス機構を操作すると内部の光学状態が変わるため、設定変更前に合わせたピントをそのまま信用することはできません。

通常の撮影では、ソフト目盛を変更した後にAFでピントを合わせ直す方法が扱いやすくなります。ソフトフォーカス時はファインダー像の輪郭が柔らかくなるため、マニュアルフォーカスで正確なピント位置を判断することが難しくなります。メーカーもソフト撮影ではAFの使用を推奨しています。

操作時には、ソフトリングとフォーカスリングを区別する必要があります。ソフトリングは光学的なにじみの量を変更するためのものであり、撮影距離を調整するフォーカスリングとは役割が異なります。中古品ではリングの動きが固くなっている場合もあるため、無理な力を加えずに動作状態を確認することが重要です。

ソフトフォーカスの操作は、最初に0・1・2をそれぞれ撮影して違いを確認すると理解しやすくなります。被写体、撮影距離、絞り値、露出をそろえて比較すれば、ソフト目盛だけによる描写の変化を把握できます。

キヤノンの135mmレンズには複数の製品があります。通常の135mm単焦点との違いは、キヤノン135mm単焦点レンズ3本を比較|EF135mm F2L・F2.8ソフトフォーカス・RF135mm F1.8Lの違いでも整理しています。

F2.8・F4・F5.6で変化するソフトフォーカス効果

EF135mm F2.8のソフトフォーカス効果は、ソフト目盛だけで決まるわけではありません。絞り値によっても光のにじみ方が変化します。一般に絞りを開くほど球面収差による影響が大きく表れ、絞り込むほどソフトフォーカス効果は弱くなります。

開放F2.8では、レンズ周辺部を通過する光も多く利用するため、ソフトフォーカスによるにじみが強く現れます。ソフト目盛1でも効果を確認しやすく、目盛2では光のにじみが非常に大きくなります。明るい背景や強い逆光では、被写体の細部が大きく柔らかくなる場合があります。

F4まで絞ると、開放時と比較してソフトフォーカス効果が落ち着きます。輪郭のにじみを残しながら、被写体の形をある程度明確に見せたい場合に使いやすい設定です。人物の瞳や髪の形を残しながら柔らかい雰囲気を作りたい場合には、ソフト目盛1とF4の組み合わせなどが考えられます。

F5.6やF8まで絞ると、ソフトフォーカス効果はさらに弱くなります。通常のレンズと同様に被写界深度も深くなるため、シャープな撮影を重視する場合にはソフト目盛0を使用し、絞りを調整する方法が適しています。

キヤノンの使用説明書では、一般的なポートレート撮影にF2.8とソフト目盛2の組み合わせが紹介されています。一方、実写レビューでは、この組み合わせの効果が強すぎると感じられる場合も指摘されています。ソフトフォーカスの適切な強さは、被写体や撮影者の表現意図によって異なります。

たとえば、人物の顔をはっきり残しながら肌を柔らかく見せたい場合と、人物全体を光に包まれたように写したい場合では、適切な目盛が変わります。同じソフト目盛でもF2.8とF5.6では描写が変化するため、絞り優先AEを利用して撮り比べると、効果の違いを把握しやすくなります。

絞り値とボケ、被写界深度の関係については、F値を知れば広がるカメラの世界|撮影表現を変える明るさとボケのコントロール術でも詳しく解説しています。

EF135mm F2.8の解像力・ボケ・画質を検証する

EF135mm F2.8はソフトフォーカス機構が注目されるレンズですが、通常撮影時の画質も重要です。ソフト目盛0で使用すれば一般的な135mm単焦点レンズとして撮影でき、F2.8の開放から絞り込んだときまで、描写の変化を確認できます。

海外の実写レビューや光学測定では、ソフトフォーカスを解除した状態で良好な中央解像力が確認されています。一方、開放での周辺描写や光源のにじみ方には特徴があり、最新の高解像レンズとは異なる評価になります。

ソフト目盛0の解像力はどの程度なのか

ソフト目盛0では、EF135mm F2.8は通常の135mm F2.8単焦点レンズとして使用できます。APS-Cカメラによる光学測定では、開放F2.8から中央部の解像力が良好で、F4以降はさらに改善する傾向が報告されています。F8付近では周辺部も含めて高い解像力が確認されており、発売年代を考慮すると通常撮影時の光学性能は実用的です。

ただし、中央部と周辺部の描写は完全に同じではありません。開放F2.8では周辺部の解像力が中央より低くなる傾向があり、画面全域の細部描写を重視する場合には絞り込むことが有効です。特に建築物や遠景など、画面の端まで細かな被写体がある写真では、その違いを確認しやすくなります。

F4では中央部のシャープネスが改善し、F5.6からF8では画面全体の描写が安定しやすくなります。風景の一部を切り取ったり、建築物の装飾を鮮明に撮影したりする場合には、ソフト目盛0で絞り値を調整するとレンズの性能を生かせます。

一方、F16やF22など強く絞り込むと、回折によって細かな描写が低下する場合があります。F32まで設定できますが、最小絞りまで絞ることが常に高画質につながるわけではありません。必要な被写界深度と解像力のバランスを考えて絞り値を選ぶことが重要です。

ソフトフォーカス機構を持たないEF135mm F2L USMと比較すると、通常撮影時の解像力や開放からのコントラストではF2Lに利点があります。F2Lはより明るい開放F値と高いシャープネスを重視したLレンズであり、設計思想そのものが異なります。

EF135mm F2.8の通常撮影時の画質は、古いレンズだから極端に甘いという単純なものではありません。通常撮影では十分に実用的な性能を持ち、必要な場合だけ光学的なソフトフォーカスへ切り替えられることが特徴です。

解像力を重視した135mmレンズとの違いは、Canon EF135mm F2L USMレビュー|135mm F2の大きなボケと描写力でも詳しく紹介しています。

背景ボケとソフトフォーカスの違い

EF135mm F2.8を理解するうえで重要なのが、背景ボケとソフトフォーカス効果の違いです。背景ボケは、ピントを合わせた位置から離れた部分がぼける現象です。一方、ソフトフォーカスは、ピントの合った部分にも光のにじみを加える表現です。

通常の135mm F2.8レンズでも、人物の背景にある木々や建物を大きくぼかすことができます。焦点距離が長く、開放F値もF2.8なので、被写体と背景の距離を十分に確保すると、背景を整理した写真になります。これはソフト目盛0でも得られる効果です。

ソフト目盛1や2を使用すると、背景のボケに加えて、ピント面の輪郭にも柔らかな光のにじみが現れます。たとえば、人物の髪が逆光で明るくなっている場合、その輪郭が光に包まれたように見えることがあります。白い花や反射光のある部分では、ソフトフォーカス効果がより目立ちます。

つまり、ソフトフォーカスを強くすることと、背景ボケを大きくすることは同じではありません。背景ボケの大きさは主として焦点距離、F値、撮影距離、背景との距離によって変化します。ソフトフォーカスのにじみ方は、レンズ内部の球面収差と絞り値、光の条件によって変わります。

このレンズの絞り羽根は6枚です。開放から絞り込むと点光源のボケが多角形に近づく場合がありますが、ソフトフォーカスによる光のにじみと、絞り羽根の形状による玉ボケの輪郭は別の要素です。ソフト目盛を変更しても絞り羽根の枚数が変わるわけではありません。

また、被写体の手前にある物を大きくぼかす前ボケと、背景をぼかす後ボケでも写真の印象が異なります。キヤノンの使用説明書では、このレンズのソフト撮影において、前景へ大きなボケを作る構図は推奨されていません。背景側へボケを配置し、被写体の輪郭にソフト効果を加える使い方が基本になります。

絞り羽根と玉ボケの関係については、絞り羽根の枚数でボケと光芒はどう変わる?写真表現を左右する仕組みでも詳しく解説しています。

周辺光量低下・色収差・逆光性能の特徴

EF135mm F2.8はフルサイズ対応の単焦点レンズであり、ソフト目盛0では歪曲収差が非常に小さいことが光学測定で確認されています。建築物の直線や水平線などを撮影する場合でも、歪曲収差が大きな問題になることは少ないレンズです。

周辺光量低下については、開放F2.8で画面の四隅が暗くなることがあります。APS-C機による測定では影響が比較的小さく、F4まで絞るとほとんど目立たない結果が報告されています。一方、フルサイズカメラではAPS-Cより広い範囲の像を使用するため、周辺部の光量や解像力の傾向が異なります。

倍率色収差についても、APS-C機での光学測定では比較的良好な結果が報告されています。ただし、古いレンズなので、強い逆光や明暗差の大きい部分では色のにじみが見える場合があります。特にソフトフォーカスを使用した状態では、意図的な光のにじみが加わるため、通常の収差とソフト効果を区別して考える必要があります。

逆光撮影は、このレンズの特徴を生かしやすい場面です。一般的なレンズでは、フレアやゴーストをできるだけ抑え、黒い部分を黒く、白い部分を鮮明に表現することが重視されます。しかし、EF135mm F2.8では、強い光の周囲に発生する柔らかなにじみを意図的に写真表現へ取り入れることができます。

ただし、逆光が強すぎる場合は写真全体のコントラストが低下し、被写体が不明瞭になることがあります。ソフトフォーカスによる意図的なにじみと、不要なフレアによる画質低下は別に考える必要があります。画面外からの余計な光を遮るためには、対応するレンズフードET-65IIIが役立ちます。

また、デジタルカメラで撮影する場合は、カメラ側のレンズ補正やRAW現像によって周辺光量や色収差を調整できます。ソフトフォーカス効果を強く使用した写真では、通常のシャープネス補正を過度に適用すると、意図した柔らかな描写が変化する場合があります。

レンズの収差と補正については、RF135mm F1.8 L IS USMとEF135mm F2L USM比較|ボケ・IS・AF・重量の違いでも、世代の異なる135mmレンズの描写を比較しています。

ポートレート・花・風景でソフトフォーカスを使う

EF135mm F2.8のソフトフォーカス機構は、すべての被写体に同じような効果を与えるものではありません。柔らかな光のにじみを生かせる場面では独特の雰囲気が生まれますが、細かな文字や模様を鮮明に記録したい場面では通常撮影のほうが適しています。

特に人物、花、逆光の風景などでは、ソフトフォーカスによる光の表現を生かしやすくなります。被写体の明るさ、背景の色、撮影距離などを工夫すると、ソフト目盛の効果をより明確に表現できます。

人物撮影では肌の質感と光のにじみを生かす

EF135mm F2.8が得意とする用途の一つがポートレート撮影です。135mmという焦点距離によって人物との距離を確保しながら撮影でき、背景を比較的大きくぼかせます。ソフトフォーカス機構を利用すると、人物の輪郭や肌の質感を柔らかく表現できます。

通常のポートレートでは、瞳やまつ毛へピントを合わせ、肌の細部まで高い解像力で写すことが多くあります。一方、このレンズのソフトフォーカスを使用すると、ピントの合った部分にも光のにじみが加わり、輪郭が柔らかくなります。肌の細かな質感や明暗差を穏やかに見せたい場合に適した表現です。

キヤノンの使用説明書では、一般的なポートレート撮影にF2.8とソフト目盛2の組み合わせが紹介されています。この設定では強いソフト効果を得られますが、明るい場所や逆光ではにじみが大きくなりすぎる場合があります。人物の顔の輪郭を明確に残したい場合には、ソフト目盛1やF4への絞り込みも有効です。

特に効果が分かりやすいのは、人物の背後から光が当たる半逆光の撮影です。髪の毛や肩の輪郭に光が当たると、その明るい部分にソフトフォーカスのにじみが現れます。背景を暗めにすると光の輪郭が目立ちやすくなり、人物が柔らかな光に包まれたような写真になります。

背景の整理も重要です。135mmの画角では背景を比較的大きく写せるため、遠くの木々や建物を背景として配置しやすくなります。ただし、明るい背景が画面全体に広がると、ソフトフォーカスによるにじみが強くなり、被写体が埋もれることがあります。暗めの背景と明るい輪郭を組み合わせると、ソフト効果を確認しやすくなります。

撮影距離については、キヤノンの使用説明書で3〜5mの距離において高いソフト効果が得られると説明されています。人物の上半身や全身を撮影する際には、撮影距離と構図を調整しながら効果を確認すると扱いやすくなります。

ポートレートの構図や光の使い方については、ポートレート撮影完全ガイド|レンズ・設定・光・構図から自然な表情の撮り方まででも詳しく解説しています。

花や植物では背景の色と光の方向が重要

花や植物の撮影でも、EF135mm F2.8のソフトフォーカス機構を生かせます。花びらの輪郭や葉の反射光など、明るい部分に柔らかなにじみを加えることで、通常のシャープな写真とは異なる雰囲気を作れます。

たとえば、白い花を暗い背景の前に配置すると、花びらの輪郭にソフトフォーカス効果が現れやすくなります。花の形をある程度残したい場合はソフト目盛1、光に包まれたような強い表現を狙う場合は目盛2というように使い分けられます。

一方、赤や紫などの濃い色の花では、白い花ほど光のにじみが目立たない場合があります。ソフト効果の現れ方は被写体の明るさや背景とのコントラストに左右されるため、花の色だけでなく、光の向きや背景の明るさも重要になります。

最短撮影距離は1.3m、最大撮影倍率は0.12倍です。135mmの焦点距離によって比較的遠い位置から花を大きく写せますが、接写性能は高くありません。小さな花の中心部分や花粉などを画面いっぱいに写す用途には、マクロレンズのほうが適しています。

花を一輪だけ大きく写したい場合は、被写体の大きさと撮影距離を考える必要があります。最大撮影倍率0.12倍では、フルサイズセンサーの横幅36mmに対して、最短撮影距離で横幅約30cm相当の範囲が写る計算になります。小さな花を画面いっぱいに撮ることは難しいため、花と周囲の背景を組み合わせた撮影が中心になります。

また、風に揺れる花はソフトフォーカス効果と被写体ブレが重なりやすくなります。意図した光のにじみを残しながら花の形を明確に写すには、十分なシャッタースピードが必要です。被写体が動いている場合は、ISO感度を上げてシャッタースピードを確保する方法が有効です。

花の細部を大きく写すマクロ撮影との違いについては、マクロレンズとは?特徴・選び方・使い方で詳しく紹介しています。

風景や建築物では通常撮影との使い分けが重要

EF135mm F2.8はポートレートや花の撮影が注目されるレンズですが、風景や建築物の撮影でも使用できます。135mmという焦点距離は、広大な風景を一枚に収める用途よりも、遠くの山並みや建築物の一部を切り取る撮影に向いています。

たとえば、山の稜線や遠くの木々、寺院の屋根などを撮影するとき、135mmの狭い画角を利用して画面を整理できます。背景にある山々を重ねた構図や、建築物の一部を大きく写す構図など、広角レンズとは異なる写真になります。

通常の風景写真で細部まで鮮明に残したい場合は、ソフト目盛0でF5.6からF8程度に絞る方法が適しています。画面中央から周辺までの解像力が改善し、山肌や建築物の輪郭をはっきりと写しやすくなります。

一方、朝霧や夕暮れなど、柔らかな光の雰囲気を強調したい場合には、ソフトフォーカス機構を使用する方法があります。逆光で輝く木の葉や、水面に反射する光などは、ソフトフォーカスによってにじみが生まれやすい被写体です。

ただし、ソフトフォーカスによる光のにじみは、実際に霧が発生している風景とは異なります。霧では空気中の水滴などによって遠景のコントラストが低下しますが、このレンズでは光学的な球面収差によって画像ににじみを加えます。同じような柔らかい印象になっても、現象そのものは異なります。

建築物の撮影では、直線や細かな模様をどの程度鮮明に見せたいかが重要です。建物の構造や装飾を記録する場合は通常撮影が向いていますが、逆光で照らされた古い建物や、柔らかな雰囲気を重視する作品撮影ではソフト効果を生かせる場合があります。

風景撮影での光の扱い方を工夫する際には、フィルターも役立ちます。カメラ用レンズフィルター完全ガイド|PL・ND・保護・可変NDの効果と選び方でも、光量調整や反射の扱い方を紹介しています。

EF135mm F2L USM・RF135mm F1.8L・85mmレンズとの違い

EF135mm F2.8の特徴を理解するためには、同じ135mmの単焦点レンズや、人物撮影で使われる85mmレンズと比較することが役立ちます。キヤノンにはEF135mm F2L USMやRF135mm F1.8 L IS USMなど、高い解像力と大きな背景ボケを重視したレンズがあります。

EF135mm F2.8は、これらの高性能レンズと同じ方向の性能を追求した製品ではありません。開放F値やAF性能では上位レンズに差がありますが、ソフトフォーカス効果をレンズ内部で作り出せる点は独自の特徴です。

EF135mm F2L USMとの画質・重量・ボケの違い

EF135mm F2L USMは、キヤノンEFマウントを代表する中望遠単焦点Lレンズです。焦点距離はEF135mm F2.8と同じ135mmですが、開放F値はF2と約1段明るく、高いシャープネスと大きな背景ボケを重視した設計です。

項目 EF135mm F2.8 EF135mm F2L USM
焦点距離 135mm 135mm
開放F値 F2.8 F2
ソフトフォーカス あり なし
レンズ構成 6群7枚 8群10枚
絞り羽根 6枚 8枚
最短撮影距離 1.3m 0.9m
最大撮影倍率 0.12倍 0.19倍
AF駆動 マイクロモーター方式 リングUSM
手ブレ補正 なし なし
重量 約390g 約750g

EF135mm F2L USMは開放F2から高い解像力を備え、背景の大きなボケと鮮明なピント面を両立できます。リングUSMによるAF駆動も備えており、人物の動きに合わせた撮影でも扱いやすいレンズです。

一方、EF135mm F2.8は約390gと軽量で、F2Lと比較すると持ち運びやすさに利点があります。また、ソフトフォーカス機構によって通常のF2Lでは得られない光のにじみを撮影段階で作り出せます。

背景ボケの大きさを比較すると、同じ撮影距離と背景条件ではF2LのF2が有利です。しかし、EF135mm F2.8のソフトフォーカスを使用すると、ピント面の輪郭にも柔らかなにじみが加わります。これは単に背景ボケが大きいという性質とは異なります。

さらに、最短撮影距離はF2Lが0.9m、F2.8ソフトフォーカスが1.3mです。花や小物へ近づいて撮影したい場合は、F2Lのほうが被写体を大きく写せます。最大撮影倍率もF2Lが0.19倍で、F2.8の0.12倍より高くなっています。

EF135mm F2L USMの解像力と通常のボケを重視するか、EF135mm F2.8の光学的なソフトフォーカスを重視するかによって、選択するレンズが変わります。

両レンズを含むキヤノンの135mm単焦点については、キヤノン135mm単焦点レンズ3本を比較|EF135mm F2L・F2.8ソフトフォーカス・RF135mm F1.8Lの違いで詳しく比較しています。

RF135mm F1.8 L IS USMとの世代差

RF135mm F1.8 L IS USMは、EOS Rシリーズ用に設計された大口径中望遠単焦点レンズです。EF135mm F2.8と同じ135mmの焦点距離ですが、開放F値はF1.8と明るく、光学式手ブレ補正機構も搭載しています。

RF135mm F1.8は、現代の高画素デジタルカメラで使用することを前提に設計されており、開放からの解像力や色収差の補正、AF性能などを重視しています。レンズ構成も複雑で、重量は約935gです。EF135mm F2.8の約390gと比較すると、2倍以上の重量になります。

ソフトフォーカス機構はRF135mm F1.8には搭載されていません。したがって、RF135mm F1.8で光のにじみを表現したい場合は、撮影条件やフィルター、現像処理などを利用することになります。一方、EF135mm F2.8ではレンズ内部の光学系を動かすことで、撮影時点でソフトフォーカス効果を発生させられます。

RF135mm F1.8の大きな利点は、開放F1.8の明るさと光学式手ブレ補正です。暗い場所でもシャッタースピードを確保しやすく、対応するEOS RシリーズではAF機能も活用できます。最短撮影距離も0.7mと短く、被写体へ近づいた撮影でも有利です。

EF135mm F2.8にはレンズ内手ブレ補正がありません。EOS Rシリーズで使用する場合、ボディー内手ブレ補正を搭載した機種であればカメラ側の補正を利用できる場合がありますが、すべてのEOS Rシリーズで同じ補正効果が得られるわけではありません。

RF135mm F1.8は高い描写性能と現代的な機能を重視したレンズです。EF135mm F2.8は軽量な中望遠単焦点としての特徴と、独自のソフトフォーカス効果を持っています。両者は同じ135mmであっても、設計の目的が大きく異なります。

RF135mmとEF135mm F2Lの世代差については、RF135mm F1.8 L IS USMとEF135mm F2L USM比較|ボケ・IS・AF・重量の違いも参考になります。

85mm単焦点や100mmマクロとの使い分け

ポートレート撮影では、135mmだけでなく85mmも広く使われています。85mmは135mmより画角が広いため、同じ大きさで人物を撮影する場合、撮影者は人物へ近づくことになります。そのため、室内や狭い場所でも構図を作りやすく、人物の全身撮影にも利用しやすい焦点距離です。

135mmでは撮影者と人物の距離が長くなるため、背景の写る範囲を整理しやすくなります。人物を上半身や顔中心で撮影するときには使いやすい一方、室内では距離を確保できないことがあります。撮影場所の広さによって、85mmと135mmの使いやすさは変わります。

EF85mm F1.2L II USMのような大口径レンズは、F1.2の浅い被写界深度と大きな背景ボケが特徴です。EF135mm F2.8では、F2.8の開放値とソフトフォーカス機構を組み合わせるため、背景ボケだけでなくピント面の柔らかなにじみを表現できます。

また、花や小物を中心に撮影する場合は100mmマクロレンズとの比較も重要です。EF100mm F2.8L マクロ IS USMなどの等倍マクロレンズでは、小さな被写体を大きく写し、細部まで鮮明に描写できます。EF135mm F2.8の最大撮影倍率は0.12倍なので、花の細部や昆虫を画面いっぱいに写す用途には向いていません。

一方、EF135mm F2.8では、ある程度の距離を保って花や植物を撮影し、背景をぼかしながらソフトフォーカス効果を加えられます。花の細かな構造を記録したい場合と、花全体を柔らかな雰囲気で表現したい場合では、適したレンズが異なります。

85mm、100mm、135mmは、いずれも人物撮影や花の撮影に使用できますが、画角、撮影距離、背景の見え方、近接性能が異なります。EF135mm F2.8は、その中でも柔らかな光の表現を重視する場合に特徴があるレンズです。

EFマウントの中望遠レンズの違いについては、Canon EF中望遠単焦点レンズ一覧|85mm・100mm・135mmの違いと選び方でも詳しく紹介しています。

EF135mm F2.8の操作性・対応カメラ・中古購入時の注意点

EF135mm F2.8は古いEFレンズですが、対応するEOS一眼レフで使用でき、マウントアダプターを介してEOS Rシリーズでも活用できます。軽量な望遠単焦点としての特徴は現在も残っており、ソフトフォーカス機構を持つ個性的なレンズとして中古市場でも選択肢になります。

一方、発売から長い年月が経過しているため、中古購入時には一般的なレンズ以上に動作状態の確認が重要です。特にソフトリング、AF機構、絞り、レンズ内部の状態は、写真の仕上がりへ直接影響する部分です。

マイクロモーターAFと手ブレ補正なしの使い勝手

EF135mm F2.8のAFには、発売当時のマイクロモーター方式が採用されています。現在のリングUSMやSTMなどと比較すると、駆動音や操作感に世代の違いがあります。AF動作時には機械的な作動音が聞こえ、静粛性を重視した現代的なレンズとは異なる印象になります。

ただし、AFに対応しているため、対応するEOSカメラで通常のオートフォーカス撮影を行えます。特にソフトフォーカス撮影では、マニュアルフォーカスによるピント確認が難しくなるため、AFを利用できることは重要です。

ソフトフォーカスを使用すると被写体の輪郭が柔らかくなりますが、これは必ずしもピントが外れていることを意味しません。ピントが合っていても光学的なにじみが発生するため、通常のシャープなレンズとはピント確認の印象が異なります。

また、このレンズには光学式手ブレ補正機構がありません。135mmという焦点距離では、手持ち撮影時の小さな揺れも写真へ表れやすくなります。フルサイズカメラでは1/160秒前後、APS-Cカメラでは1/250秒前後などを一つの目安にしながら、撮影条件に応じてシャッタースピードを調整すると扱いやすくなります。

人物が動いている場合は、手ブレだけでなく被写体ブレにも注意が必要です。ソフトフォーカス効果によって輪郭が柔らかく見える写真でも、被写体が大きく動いてしまうと意図した描写を得られません。人物の表情や動きを止めたい場合は、十分なシャッタースピードが必要です。

静止した人物や花を撮影する場合でも、撮影姿勢を安定させることが重要です。カメラを両手で支え、ファインダーを顔に当てて構えることで、手持ち撮影の安定性を高められます。暗い場所ではISO感度を上げたり、一脚や三脚を使用したりする方法もあります。

手ブレ補正とシャッタースピードの関係については、Canonの手ブレ補正を徹底解説|IS・ボディー内手ブレ補正・協調制御の仕組みでも詳しく説明しています。

EOS 5D Mark IIやEOS Rシリーズで使用する方法

EF135mm F2.8はフルサイズ対応のEFマウントレンズなので、EOS 5DシリーズやEOS 6Dシリーズなどのフルサイズ一眼レフで直接使用できます。EOS 5D Mark IIのような従来のEFマウント一眼レフでも、AFや絞り制御、ソフトフォーカス機構を利用できます。

APS-CのEOS KissシリーズやEOS 90Dなどでも使用できます。ただし、35mm判換算で約216mm相当の画角になるため、フルサイズより撮影範囲が狭くなります。人物撮影では撮影距離が長くなりやすく、室内や狭い場所では使いにくい場合があります。

EOS Rシリーズでは、マウントアダプターEF-EOS Rを使用することで装着できます。EFレンズ用の電子接点を介してAFや絞り制御を利用でき、レンズ本体のソフトフォーカス機構も操作できます。EOS Rシリーズへ移行しても、従来のEFレンズを活用できる点は利点です。

ただし、AF性能はカメラ本体との組み合わせによって変わります。EOS Rシリーズでは撮像面AFを利用できますが、古いマイクロモーター方式のレンズが最新RFレンズと同じAF速度や静粛性になるわけではありません。

また、EOS Rシリーズにはボディー内手ブレ補正を搭載した機種と、搭載していない機種があります。ボディー内手ブレ補正を備えた機種では、対応するEFレンズの焦点距離情報を利用して補正できる場合があります。一方、EOS RPやEOS R50など、ボディー内手ブレ補正を搭載していない機種では、レンズ内ISを持たないEF135mm F2.8を装着しても静止画用の光学式手ブレ補正は得られません。

このため、同じEF135mm F2.8でも、装着するカメラによって手持ち撮影の使いやすさが変わります。特に夕暮れや室内など光量が少ない場面では、手ブレ補正の有無とシャッタースピードの設定が重要になります。

EOS RPでの手ブレ対策については、EOS RPの手ブレ補正設定|ボディー内手ブレ補正なしで安定撮影する方法でも詳しく解説しています。

中古購入ではソフトリング・AF・光学系を確認する

中古のEF135mm F2.8を購入する際に最も重視したいのは、ソフトフォーカス機構が正常に動作することです。このレンズを選ぶ大きな理由は、通常撮影とソフトフォーカス撮影を切り替えられる点にあります。ソフトリングや切り換えスイッチに問題がある場合、レンズ本来の機能を十分に利用できません。

最初に確認したいのは、ソフト目盛0・1・2へ正常に切り替えられるかどうかです。切り換えスイッチを操作しながらソフトリングを回し、各目盛で異常な引っかかりや過度な抵抗がないかを確認します。内部の光学系を動かす機構なので、通常の単焦点レンズにはない確認項目となります。

次に重要なのがAFの動作です。近距離と遠距離の被写体へピントを合わせ、AFが正常に駆動するかを確認します。マイクロモーター方式なので作動音があること自体は異常ではありませんが、途中で停止したり、異常な引っかかりが発生したりする場合は注意が必要です。

また、レンズ内部のカビ、曇り、傷、バルサムの状態なども確認したいところです。ソフトフォーカスレンズだから内部が曇っていても問題ないという考え方は適切ではありません。ソフトフォーカス機構による意図的な球面収差と、レンズ内部の汚れや劣化によるコントラスト低下は異なります。

特に内部に曇りがある場合は、ソフト目盛0でも写真全体が白っぽくなることがあります。正常な状態では、ソフト目盛0で通常のシャープな撮影ができ、1や2へ変更すると光のにじみが増えるという違いが確認できます。

絞りの動作も重要です。F2.8からF32まで正常に絞りが変化するか、絞り羽根の動きに問題がないかを確認します。絞り羽根に油分が付着していたり、動作が不安定だったりすると、露出が不正確になる可能性があります。

中古品では付属品の有無も確認したいところです。対応レンズフードはET-65IIIで、フィルター径は52mmです。レンズキャップやリアキャップ、フードの有無によって購入後に必要な費用が変わります。

EF135mm F2.8は、通常の135mm単焦点としての画質に加えて、独自のソフトフォーカス機構を備えていることが価値の中心です。そのため、中古価格だけでなく、ソフトフォーカス機構が確実に動作する個体であることが重要です。

キヤノンのEF・RFレンズや対応カメラを整理した記事については、キヤノン大全から確認できます。

まとめ

Canon EF135mm F2.8(ソフトフォーカス機構付き)は、通常の135mm F2.8単焦点レンズとしての撮影に加えて、光学的なソフトフォーカス効果を利用できる個性的な中望遠レンズです。内部の非球面レンズを動かして球面収差を変化させることで、被写体の輪郭に柔らかな光のにじみを加えられます。

ソフト目盛は0・1・2の3段階で、0では通常撮影、1では弱いソフト効果、2では強いソフト効果を得られます。さらに絞り値によっても効果が変化するため、F2.8からF5.6程度までの設定を使い分けることで、写真の印象を調整できます。

通常撮影時の解像力も実用的で、ソフト目盛0では一般的な135mm単焦点レンズとして使用できます。開放F2.8から中央部は比較的良好な描写を示し、F4からF8程度まで絞ることで周辺部のシャープネスも改善します。ただし、最新の高解像レンズと比較すると、開放での描写やAF性能、手ブレ補正の有無には世代の違いがあります。

人物撮影では、135mmの焦点距離による背景ボケとソフトフォーカスによる光のにじみを組み合わせられます。特に半逆光で人物の髪や輪郭に光が当たる条件では、柔らかな光の表現を生かせます。花や植物、夕暮れの風景などでも、被写体と光の条件によって印象的な写真になります。

EF135mm F2L USMやRF135mm F1.8 L IS USMと比較すると、開放F値や解像力、AF性能では上位レンズに利点があります。一方、EF135mm F2.8は約390gという軽量な設計に加えて、撮影時点で光学的なソフトフォーカスを作り出せるという独自の特徴があります。

中古購入では、ソフトリングと切り換えスイッチ、AF、絞り、光学系の状態を確認することが重要です。EOS一眼レフでは直接装着でき、EOS Rシリーズでもマウントアダプターを介して使用できます。

EF135mm F2.8は、高い解像力だけを追求するレンズとは異なる魅力を備えています。通常の望遠単焦点として使用しながら、必要な場面では柔らかな光のにじみを加えられることが、このレンズならではの特徴です。人物や花、光を生かした写真表現を楽しみたい撮影者にとって、現在も独自の存在感を持つ一本といえます。

タイトルとURLをコピーしました