Canon EF85mm F1.8 USM完全ガイド|F1.8と高速USMが魅力の中望遠単焦点
Canon EF85mm F1.8 USMは、1992年7月に発売されたEFマウントの中望遠単焦点レンズです。焦点距離85mm、開放F1.8というポートレート撮影で使いやすい組み合わせに加え、USMによる高速AF、425gの扱いやすい重量、全長71.5mmのコンパクトな設計を備えています。
85mmという焦点距離は、フルサイズでは人物と適度な距離を取りながら、背景を整理して被写体を大きく見せやすい画角です。さらにF1.8まで開けられるため、背景を大きくぼかした人物撮影だけでなく、夕方や室内など光量が少ない場面でもシャッタースピードを確保しやすくなります。
キヤノンにはEF85mm F1.2L USMやEF85mm F1.2L II USMといった大口径Lレンズも存在しますが、EF85mm F1.8 USMはそれらとは性格が異なります。F1.2の極端な明るさを追求するのではなく、F1.8という十分な明るさと高速AF、小型軽量性を組み合わせた実用性の高い85mmです。
発売から長い年月が経過した現在でも、EFマウントの一眼レフで使用できるだけでなく、マウントアダプターを介してEOS Rシリーズでも活用できます。85mm単焦点の基本を知るうえでも、キヤノンEFレンズの歴史を振り返るうえでも重要な一本です。
EF85mm F1.8 USMの基本スペック
| 製品名 | EF85mm F1.8 USM |
|---|---|
| 発売年月 | 1992年7月 |
| 焦点距離 | 85mm |
| 開放F値 | F1.8 |
| 最小絞り | F22 |
| レンズ構成 | 7群9枚 |
| 絞り羽根 | 8枚 |
| 最短撮影距離 | 0.85m |
| 最大撮影倍率 | 0.13倍 |
| フィルター径 | 58mm |
| 最大径×全長 | 75×71.5mm |
| 質量 | 425g |
| AF駆動 | USM |
| フォーカス方式 | リアフォーカス |
| 手ブレ補正 | 非搭載 |
85mm F1.8という大口径中望遠でありながら、全長71.5mm、質量425gに収まっている点が大きな特徴です。カメラバッグへ追加して持ち歩きやすく、長時間の人物撮影でも重量が負担になりにくいサイズです。
手ブレ補正は搭載していませんが、開放F1.8を利用することで暗い場所でも比較的速いシャッタースピードを確保できます。AFにはUSMを採用し、AFからMFへ切り替えなくてもフォーカスリングで微調整できるフルタイムマニュアルフォーカスにも対応しています。
85mmという焦点距離の特徴
人物と適度な距離を取って撮影できる
85mmはフルサイズでは中望遠に分類される焦点距離です。50mmより画角が狭いため、同じ大きさで人物を写そうとすると撮影者は被写体から少し離れることになります。
この撮影距離が人物撮影では重要です。広角レンズで顔に近づくと、鼻などカメラに近い部分が相対的に大きく写りやすくなります。85mmでは顔から適度な距離を取れるため、顔や上半身を自然な比率でまとめやすくなります。
バストアップ、顔を中心としたポートレート、屋外で背景も少し残した人物撮影など、人物を主役として見せたい場面に向いています。
焦点距離と画角の関係については、画角とは?焦点距離との関係と広角・標準・望遠の違いでも詳しく解説しています。
背景を整理しやすい画角
85mmの利点は人物の形を自然に見せやすいことだけではありません。50mmより画角が狭いため、画面内に入る背景の範囲を減らしやすくなります。
屋外では、電柱、道路標識、通行人、建物など、人物とは関係のない要素が背景へ入りやすくなります。85mmならカメラ位置や角度を少し変えるだけで、不要なものを画面外へ追い出しやすくなります。
さらにF1.8の浅い被写界深度を組み合わせれば、背景の形を柔らかくぼかしながら人物へ視線を集められます。
背景の整理については、背景処理で写真の印象を変える方法でも詳しく紹介しています。
背景が大きく見えやすい
85mmで人物を同じ大きさに写そうとすると、50mmより撮影距離が長くなります。その結果、人物と遠くの背景との見かけ上の距離差が小さくなり、背景が人物へ近づいたように見えやすくなります。
遠くにある木々、建物、イルミネーションなどを人物の背後へ大きく取り込みたい場合、この特徴を利用できます。
単純に望遠だから背景が近づくのではなく、焦点距離の違いによって撮影距離が変化し、その結果として背景の見え方が変わります。
画角と撮影距離については、焦点距離による見え方の違いも参考になります。
F1.8だから作れる大きな背景ボケ
85mmとF1.8は背景をぼかしやすい組み合わせ
EF85mm F1.8 USMの大きな魅力が開放F1.8です。85mmという中望遠とF1.8の明るさを組み合わせることで、背景を大きくぼかした写真を作りやすくなります。
人物と背景の距離を十分に取り、撮影者が人物へ近づいてF1.8で撮影すると、背景の木々や建物、光源などを大きくぼかせます。
ポートレートでは背景を完全に消してしまう必要はありません。F2.8やF4まで絞って背景の形を少し残しながら、人物を中心に見せる使い方もできます。
F値と背景ボケの関係については、F値とは?絞りで変わる明るさ・ボケ・被写界深度で詳しく解説しています。
開放F1.8では被写界深度が浅い
F1.8では被写界深度が浅くなります。人物の顔を大きく写した場合、目にピントが合っていても耳や髪の一部が被写界深度から外れることがあります。
斜め方向から顔を撮影すると左右の目とカメラまでの距離が変わるため、片方の目にピントが合っていても、もう片方がわずかにぼけることがあります。
両目をしっかり見せたい場合や、二人以上を撮影する場合は、F2.8やF4へ絞ることでピントの合う範囲を広げられます。
ピント合わせの基本については、AFとMFの違いと使い分けで詳しく紹介しています。
暗い場所でもシャッタースピードを確保しやすい
F1.8の利点は背景ボケだけではありません。絞りを大きく開けることで多くの光を取り込めるため、F4やF5.6のレンズより速いシャッタースピードを選びやすくなります。
人物撮影では、カメラの手ブレだけでなく被写体ブレも考える必要があります。人物が動いている場合、手ブレ補正を搭載したレンズでも人物そのものの動きを止めることはできません。
F1.8まで開けてシャッタースピードを上げられることは、室内、夕方、舞台、照明の暗い場所で大きな利点になります。
露出の考え方については、F値とシャッタースピードの関係も参考になります。
USMによる高速AF
人物撮影で使いやすいAF性能
EF85mm F1.8 USMは、AF駆動にUSMを採用しています。ポートレートでは人物が止まっているように見えても、視線、表情、顔の向き、体の位置が細かく動き続けています。
その変化へ素早くピントを合わせられることは、人物撮影では重要です。ゆっくりしたAFでは、表情が変わった瞬間や顔を向けた瞬間を逃すことがあります。
85mm F1.8という浅い被写界深度を使うレンズだからこそ、AF速度は実用性へ直結します。
AF方式の違いについては、AFとMFの違いと使い分けでも解説しています。
リアフォーカス方式を採用
EF85mm F1.8 USMはリアフォーカス方式を採用しています。ピント合わせの際にレンズ前方全体を大きく動かす構造ではなく、内部の一部を動かしてフォーカスを行います。
この構造により、ピント合わせでレンズ全長が変化しません。AF中にレンズが前後へ伸びないため、撮影時のバランスも保ちやすくなっています。
フィルター枠もフォーカシングで回転しないため、PLフィルターなど方向を合わせて使うフィルターとも組み合わせやすい設計です。
歴代EFレンズの構造や特徴は、キヤノン大全から各モデルを確認できます。
フルタイムマニュアルフォーカスに対応
EF85mm F1.8 USMは、AFモードのままフォーカスリングを操作できるフルタイムマニュアルフォーカスに対応しています。
AFで大まかにピントを合わせたあと、狙った位置へ細かく調整したい場面で便利です。特にF1.8では被写界深度が浅いため、ピント位置を数cm変えるだけでも写真の印象が変わります。
EOS Rシリーズへマウントアダプターを介して装着した場合には、拡大表示を使いながらMFで確認する使い方もできます。
MFを含めたピント合わせについては、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの使い分けで詳しく紹介しています。
7群9枚の光学設計
比較的シンプルな構成
EF85mm F1.8 USMのレンズ構成は7群9枚です。現在の高性能85mmレンズでは、十数枚のレンズを組み合わせた複雑な設計も珍しくありません。
EF85mm F1.8 USMは比較的シンプルな構成で、85mm F1.8という基本性能とAF性能を小型な鏡筒へまとめています。
手ブレ補正機構も搭載していないため、最大径75mm、全長71.5mmというコンパクトなサイズを実現しています。
EFレンズ全体の流れについては、キヤノン大全から歴代モデルを確認できます。
開放だけでなく絞って使える
大口径単焦点では開放F値ばかり注目されがちですが、EF85mm F1.8 USMはF1.8だけで使うレンズではありません。
背景を大きくぼかしたい場合はF1.8からF2付近、顔全体へ安定してピントを合わせたい場合はF2.8からF4、複数人を撮影する場合はさらに絞るなど、目的によって絞りを変えることで使い方が広がります。
人物だけでなく背景もある程度見せたい場面では、開放より少し絞ることで写真全体の情報量を調整できます。
絞り値の使い分けについては、F値と写真表現の関係で詳しく解説しています。
425gという扱いやすい重量
大口径中望遠として持ち歩きやすい
EF85mm F1.8 USMの質量は425gです。標準ズームと一緒にカメラバッグへ入れても、大きな負担になりにくい重量です。
人物撮影では縦位置と横位置を頻繁に切り替えることがあります。レンズが重すぎると手首や腕への負担が増えますが、425gなら比較的軽快に扱えます。
全長も71.5mmに抑えられているため、カメラバッグの中で大きな場所を取りません。
EF単焦点レンズをまとめて確認する場合は、キヤノン大全から各レンズへ進めます。
EF85mm F1.2Lシリーズとは方向性が違う
キヤノンにはEF85mm F1.2L USMやEF85mm F1.2L II USMもあります。焦点距離は同じ85mmですが、EF85mm F1.8 USMとは設計思想が異なります。
F1.2はF1.8よりさらに明るく、より浅い被写界深度を利用できます。その一方で、レンズは大型化し、重量も増加します。
EF85mm F1.8 USMは、F1.8という十分な明るさに抑えることで、AF速度と携帯性を両立させています。絶対的な明るさを追求する85mmではなく、日常的に持ち出せる85mmという位置づけです。
歴代85mmレンズの違いについては、キヤノン大全から各モデルを比較できます。
最短撮影距離0.85mと最大撮影倍率0.13倍
近接撮影を得意とするレンズではない
最短撮影距離は0.85m、最大撮影倍率は0.13倍です。人物撮影では十分ですが、小さな花やアクセサリーなどを画面いっぱいに写す用途には向いていません。
85mmという焦点距離だけを見ると小物撮影にも使えそうですが、0.85mより近づくことができないため、被写体が小さい場合には思ったほど大きく写せません。
接写性能を重視する場合には、マクロレンズを使う方が適しています。
最大撮影倍率については、マクロレンズとは?特徴・選び方・使い方で詳しく解説しています。
大きめの花や小物なら背景ボケを生かせる
最大撮影倍率は0.13倍ですが、ある程度大きな花や小物なら撮影できます。
85mmとF1.8を組み合わせれば、被写体の後方を大きくぼかせます。小さな被写体を大きく拡大するレンズではなく、ある程度の大きさがある被写体を背景から分離して見せるレンズと考えると使いやすくなります。
花壇の中から一輪だけを選ぶ、テーブル上の小物を背景から浮かせるなど、中望遠単焦点らしい撮影ができます。
近接性能を重視する場合は、マクロレンズの特徴と撮影倍率も確認できます。
フルサイズで使うEF85mm F1.8 USM
85mm本来の中望遠画角を使える
EOS 5DシリーズやEOS 6Dシリーズなどのフルサイズ一眼レフでは、EF85mm F1.8 USMを85mm本来の画角で使用できます。
全身撮影ではある程度の距離が必要ですが、屋外なら人物と背景の位置関係を調整しやすくなります。上半身や顔を中心としたポートレートでは、85mmの特徴をさらに生かしやすくなります。
50mmでは背景が広く入りすぎる場面でも、85mmなら余計なものを画面外へ外しやすく、人物を中心とした構図を作れます。
ポートレート撮影については、ポートレート写真を変える機材と撮影テクニックでも詳しく紹介しています。
狭い室内では撮影距離に注意
85mmは狭い室内では扱いにくい場合があります。人物の全身を写そうとして後ろへ下がっても、壁や家具があって必要な距離を確保できないことがあります。
上半身や顔を中心に撮るなら室内でも使いやすい場面がありますが、狭い部屋で全身を撮るなら50mmや35mmの方が構図を作りやすいことがあります。
85mmはポートレート向きという言葉だけで判断するのではなく、実際の撮影場所でどの程度の距離を取れるかまで考えることが重要です。
焦点距離による画角の違いは、広角・標準・望遠の画角の違いで確認できます。
APS-Cでは約136mm相当になる
かなり望遠寄りの画角になる
キヤノンAPS-C一眼レフへ装着すると、35mm判換算では約136mm相当の画角になります。
フルサイズの85mmよりかなり狭い画角になるため、人物撮影でも撮影距離をさらに取る必要があります。顔や上半身を大きく撮る用途には使いやすい一方、室内での全身撮影には向きません。
屋外では、背景を整理した人物撮影や、少し離れた場所にいる人物を狙う撮影などに使えます。
フルサイズとAPS-Cの画角差については、センサーサイズと画角の関係でも詳しく解説しています。
背景を狭く切り取りやすい
APS-Cでは約136mm相当の狭い画角になるため、背景の中から必要な部分だけを選びやすくなります。
屋外ポートレートでは、背景の木々や光源だけを切り取り、人物と組み合わせる構図を作れます。十分な撮影距離を確保できる場所なら、フルサイズの85mmとは異なる望遠ポートレートとして使えます。
APS-Cだから自動的に背景ボケが増えるわけではありません。背景の見え方は、撮影距離、被写体の大きさ、背景との距離、絞りなど複数の条件で変化します。
背景ボケについては、F値と背景ボケの関係で詳しく確認できます。
EOS Rシリーズでも使える
マウントアダプターを介して装着できる
EF85mm F1.8 USMはEFマウントレンズなので、EOS Rシリーズへ直接装着することはできません。EF-EOS R系のマウントアダプターを介することで使用できます。
アダプターを装着する分だけ全長は長くなりますが、レンズ本体が425gと比較的軽いため、大型EFレンズより扱いやすい組み合わせです。
ミラーレスでは撮影前に露出やボケの状態を確認しやすく、拡大表示を使ったMFも行いやすいため、一眼レフとは違った使い方ができます。
EOS RシリーズとEFレンズについては、キヤノン大全から関連機種を確認できます。
ボディ内手ブレ補正搭載機でも使える
EF85mm F1.8 USM自体には手ブレ補正がありません。手ブレ補正を持たない一眼レフでは、シャッタースピードを十分に確保して撮影する必要があります。
ボディ内手ブレ補正を搭載したEOS Rシリーズと組み合わせれば、ボディ側の補正を利用できます。
静止した人物や風景では手ブレ補正が有効ですが、人物が動いている場合の被写体ブレは補正できません。人物撮影ではF1.8の明るさを利用して必要なシャッタースピードを確保することが重要です。
手ブレ補正については、手ブレ補正で広がる写真表現で詳しく解説しています。
ポートレートで使うときのポイント
人物と背景の距離を取る
大きな背景ボケを作りたい場合、F1.8へ設定するだけでは十分ではありません。人物と背景の距離も重要です。
人物が壁のすぐ前に立っていると、F1.8で撮影しても壁の模様が残りやすくなります。人物を背景から離し、撮影者が人物へ近づくことで背景を大きくぼかしやすくなります。
公園では人物を木のすぐ前に立たせず、木々から距離を取れる場所を選ぶことで、同じEF85mm F1.8 USMでも背景のぼけ方が大きく変わります。
背景の整理については、背景処理で写真の印象を自在に操る方法で詳しく紹介しています。
手前側の目にピントを合わせる
人物の顔を大きく撮る場合は、基本的にカメラへ近い側の目へピントを合わせると写真が安定します。
F1.8では被写界深度が浅いため、鼻や耳へピントがずれると、写真全体がピンぼけに見えることがあります。
必要に応じてF2.2やF2.8程度へ少し絞れば、背景ボケを残しながらピントの許容範囲を広げられます。
人物撮影のピント合わせについては、AFとMFの違いと使い分けも参考になります。
背景の光を利用する
木漏れ日、街灯、イルミネーションなど点状の光がある背景では、85mm F1.8らしいボケを利用できます。
人物と背景の距離を取り、F1.8付近で撮影すると、背景の光源を大きくぼかして人物を際立たせることができます。
背景を完全に無地にするより、光や色を残してぼかすことで写真に奥行きを出せる場合があります。85mmは画角が狭いため、背景の中から使いたい部分だけを選びやすい焦点距離です。
人物撮影の基本については、ポートレート撮影の実用ガイドでも紹介しています。
中古で購入するときの確認ポイント
カビや曇りを確認する
EF85mm F1.8 USMは1992年発売のレンズです。中古市場では製造時期や保管環境によって状態に大きな差があります。
前玉や後玉の傷だけでなく、内部のカビ、曇り、強いホコリを確認します。特に白っぽい曇りが広範囲にある個体では、逆光時のコントラストへ影響することがあります。
外装に多少の傷があっても、光学系やAFが正常なら実用上問題が少ない場合があります。外観だけでなく内部状態を確認することが重要です。
EFレンズ全体については、キヤノン大全から各モデルの記事を確認できます。
USMの動作を確認する
AFを近距離から遠距離まで何度か動かし、途中で止まらないか、不自然な音が出ないかを確認します。
AFが一度動くだけでは十分ではありません。近距離と遠距離を繰り返し行き来させ、安定して合焦するかを見ると状態を判断しやすくなります。
フルタイムマニュアルフォーカスにも対応しているため、フォーカスリングを回したときの感触も確認したいところです。
AF方式については、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの違いで確認できます。
58mmフィルター枠とマウントも見る
フィルター径は58mmです。中古品にフィルターが付属している場合は、固着していないか確認します。
マウント部分では大きな変形や接点の汚れがないかを確認します。EFレンズは電子接点を通してAFや絞りを制御するため、カメラへ装着して正常に認識されることも重要です。
絞りを変更して撮影し、エラーが出ないか確認できれば、電子制御を含めた状態を判断しやすくなります。
歴代EFレンズについては、キヤノン大全にまとめています。
EF85mm F1.8 USMの位置づけ
85mm F1.8と高速AFを小型ボディにまとめたレンズ
EF85mm F1.8 USMの特徴は、85mm F1.8という明るさとUSMによるAFを、扱いやすい大きさへまとめていることです。
F1.2のような極端な大口径ではなく、手ブレ補正もありません。最短撮影距離0.85m、最大撮影倍率0.13倍なので接写性能を重視したレンズでもありません。
その代わり、人物撮影で使いやすい85mm、背景を大きくぼかせるF1.8、高速なUSM、425gという重量を一つにまとめています。
ポートレート撮影については、ポートレート写真を変える機材と撮影テクニックもあわせて確認できます。
フィルムEOSからEOS Rまで使い続けられる
EF85mm F1.8 USMはフィルムEOSの時代に登場しました。その後のEFマウントデジタル一眼レフでも使用でき、さらにマウントアダプターを介せばEOS Rシリーズでも活用できます。
焦点距離85mm、開放F1.8という基本的な撮影効果は時代が変わっても同じです。人物との距離、背景の整理、被写界深度を考えながら撮影するという85mm単焦点の基本を現在のカメラでも体験できます。
EFマウントが長期間にわたって使われたからこそ、1990年代初頭に登場したレンズを現在でも撮影に使えます。
キヤノンのカメラとレンズの歴史は、キヤノン大全でまとめています。
まとめ
Canon EF85mm F1.8 USMは、1992年7月に登場した中望遠単焦点レンズです。焦点距離85mm、開放F1.8、7群9枚の光学系、8枚絞り、最短撮影距離0.85m、最大撮影倍率0.13倍という仕様を持っています。
最大径75mm、全長71.5mm、質量425gと比較的コンパクトで、AFにはUSMを採用しています。リアフォーカス方式とフルタイムマニュアルフォーカスにも対応し、フォーカシング時に鏡筒全長が変わらない設計です。
フルサイズでは85mmらしい中望遠の画角を利用でき、人物との適度な距離を取りながら背景を整理できます。F1.8を組み合わせれば、浅い被写界深度による大きな背景ボケを作りやすく、暗い場面でもシャッタースピードを確保しやすくなります。
APS-Cでは約136mm相当となり、より望遠寄りの使い方になります。EOS RシリーズではEF-EOS R系のマウントアダプターを介することで使用できます。
EF85mm F1.8 USMは、巨大なF1.2レンズとは異なり、明るさ、AF速度、携帯性のバランスを重視した85mmです。ポートレートを中心に、中望遠単焦点らしい背景整理とボケを楽しめるEFレンズとして、現在でも特徴の分かりやすい一本です。
キヤノンの歴代カメラとEFレンズについては、キヤノン大全でまとめて紹介しています。



