EOS RPでEFレンズを使う方法|画質・AF・手ブレ補正・マウントアダプターの注意点
EOS RPは、約2620万画素のフルサイズセンサーを搭載したRFマウントのミラーレスカメラです。RFレンズを直接装着できる一方、マウントアダプター EF-EOS Rを使えば、豊富なEFレンズとEF-Sレンズも活用できます。
中古市場にはEF50mm、EF85mm、EF70-200mm、EF300mmなど長年蓄積されたEFレンズが数多く存在します。EOS RPと組み合わせれば、RFレンズだけでシステムを構成する場合とは異なるレンズ選びができます。
ただし、EFレンズをEOS RPで使うと必ず性能が落ちるという理解は正確ではありません。標準のマウントアダプター EF-EOS Rには画質を変える補正レンズが入っていないため、焦点距離や開放F値、レンズ本来の光学特性は基本的にそのままです。
実際に生じる欠点は、アダプター分だけ全長と重量が増えること、古いEFレンズではAF駆動や手ブレ補正などに世代差があること、EF-SレンズではEOS RPがAPS-C相当へクロップされることなどです。
この記事では、EOS RPでEFレンズを使うメリットとデメリットを整理し、AF、画質、手ブレ補正、EF-Sクロップ、レンズ選び、中古EFレンズを活用する方法まで詳しく解説します。
- EOS RPでEFレンズを使う基本
- EOS RPでEFレンズを使う最大の欠点はサイズ増加
- マウントアダプターで画質は落ちるのか
- EFレンズではAFが遅くなるのか
- EOS RPにはボディ内手ブレ補正がない
- EF-SレンズをEOS RPで使う場合の注意点
- EOS RPとEFレンズを組み合わせるメリット
- EOS RPに合わせやすいEF単焦点
- EOS RPに合わせやすいEFズーム
- EOS RPとEFレンズでポートレートを撮る
- EOS RPとEFレンズで望遠撮影する
- コントロールリング付きアダプターという選択肢
- EOS RPでEFレンズを使うときのおすすめ設定
- 中古EFレンズをEOS RP用に買うときの注意点
- RFレンズとEFレンズをどう使い分けるか
- EOS RPとEFレンズの組み合わせが向いている人
- EOS RPとEFレンズの組み合わせが向かない人
- まとめ
EOS RPでEFレンズを使う基本
EOS RPのレンズマウントはRFマウントです。そのためEFレンズを直接取り付けることはできず、EF-EOS R系のマウントアダプターを間に入れます。
アダプターは単なる物理的な接続部品ではなく、EFレンズとEOS RPの電子通信も行います。対応するEFレンズならAF、絞り制御、Exif記録などを利用できます。
EFレンズにはマウントアダプター EF-EOS Rが必要
EFマウントとRFマウントではフランジバックが異なるため、EFレンズをEOS RPへ装着するときにはマウントアダプターが必要です。
アダプターによってEF一眼レフで必要だったミラーボックス分の距離を確保し、EFレンズを本来想定された位置へ配置します。
そのため、通常のマウントアダプターを装着したからといって500mmが600mmになったり、F2.8がF4になったりすることはありません。
EFレンズをRFマウントへ移行するときの基本となる部品です。
EF-Sレンズも使えるがAPS-C相当へクロップされる
EOS RPでは、マウントアダプターを介してEF-Sレンズも使用できます。
ただしEF-SレンズはAPS-C用のイメージサークルを前提としているため、EOS RPではフルサイズセンサー全体を使わず、中央部を利用した約1.6倍相当のクロップ撮影になります。
たとえばEF-S18-55mmなら、画角のイメージは約29-88mm相当です。
フルサイズEOS RPを購入したからといって、EF-Sレンズで常にフルサイズ全域を利用できるわけではありません。
EF-MレンズはEOS RPでは使用できない
EF、EF-S、EF-Mは名前が似ていますが、EF-MレンズはEOS RPでは使用できません。
EF-MはEOS Mシリーズ用に設計されたマウントで、EOS RシリーズのRFマウントとは構造が異なります。
EF-EOS Rを装着してもEF-Mレンズを取り付けることはできません。
中古レンズを探す場合には、「キヤノン用」という表示だけで判断せず、EF、EF-S、EF-M、RFのどのマウントなのかを確認する必要があります。
EOS RPでEFレンズを使う最大の欠点はサイズ増加
EFレンズをEOS RPへ装着したとき、最も分かりやすい変化は全長です。
EOS RPはフルサイズ機として比較的小型ですが、EFレンズとアダプターを組み合わせると、RFレンズ使用時より前方へ長くなります。
アダプター分だけレンズが前へ伸びる
EFレンズは一眼レフ用なので、EOS RPへ装着するときには一眼レフのミラーボックスに相当する距離をアダプターで補います。
そのため小型のEF50mm F1.8などを使っても、レンズ単体の寸法だけではシステム全体の大きさを判断できません。
バッグへ収納するときにも、アダプターを装着した状態では前後方向の長さが増えます。
EOS RPの小型ボディを最大限生かしたい場合には、RFの小型単焦点との違いが大きくなります。
大型EFレンズではEOS RPの小ささが目立つ
EF70-200mm F2.8LやEF300mmクラスなど大型EFレンズを装着すると、EOS RP本体よりレンズ側の存在感が大きくなります。
これは装着できないという意味ではなく、重量バランスの問題です。
右手だけでカメラを支えるのではなく、左手でレンズを支える構え方が必要になります。
特に長時間撮影では、EOS RPが軽いからシステム全体も軽いとは限りません。
マウントアダプターで画質は落ちるのか
EOS RPとEFレンズについて誤解されやすいのが、「アダプターを入れると画質が落ちる」という点です。
標準的なEF-EOS Rアダプターは、EFレンズを正しい位置へ保持するための構造であり、焦点距離を変換するテレコンバーターとは役割が異なります。
標準アダプターには画質を変える光学系がない
一般的なマウントアダプター EF-EOS Rには、焦点距離を変えるための補正レンズはありません。
そのため、正常なアダプターを正しく装着したこと自体によってレンズの解像力が低下したり、収差が増えたりする仕組みではありません。
EF85mm F1.2は85mm F1.2のまま、EF200mm F2.8は200mm F2.8のまま使います。
EFレンズ本来の描写をEOS RPのフルサイズセンサーで利用できることが、この組み合わせの基本です。
焦点距離も開放F値も変化しない
マウントアダプターを取り付けても、EFレンズの焦点距離や開放F値は変わりません。
EF50mm F1.8なら50mm F1.8、EF85mm F1.2なら85mm F1.2として使用します。
エクステンダーのように焦点距離を伸ばして光量を失うアクセサリーとは仕組みが異なります。
EOS RPでEFレンズを使う場合に増えるのは主に物理的な全長であり、レンズの基本スペックではありません。
レンズ自体の世代差は画質に現れる
アダプターで画質が落ちなくても、古いEFレンズと新しいRFレンズの描写が同じになるわけではありません。
コーティング、色収差補正、周辺画質、逆光耐性などはレンズの設計年代によって異なります。
古いEFレンズで周辺減光や色収差が見える場合、それをすべてアダプターの影響と考えるのは適切ではありません。
レンズ自体の設計とアダプターの役割を分けて考える必要があります。
EFレンズではAFが遅くなるのか
EFレンズをEOS RPへ装着すると必ずAFが遅くなる、と一括りにはできません。
実際のAF速度はレンズのAFモーター、レンズの世代、被写体、明るさ、EOS RP側のAF能力などによって変わります。
アダプターが入るだけで必ずAFが低下するわけではない
EF-EOS RはEFレンズとボディの電子情報を伝達します。
そのため、アダプターそのものを理由にAFが必ず大幅に遅くなると考える必要はありません。
一方、古いEFレンズには初期USMやマイクロモーターなどさまざまなAF方式があり、新しいRFレンズより駆動が遅いものも存在します。
実際の使い勝手は「EFだから遅い」ではなく、使用するレンズごとに見る必要があります。
古いEFレンズほどAFモーターの個性が大きい
EFマウントは長期間続いたため、AF駆動方式も多様です。
リングUSMを採用したLレンズには高速なAFを持つものがある一方、初期の標準ズームや低価格レンズでは駆動音が大きかったり、フォーカス移動に時間がかかったりする製品があります。
静止した人物や風景なら問題にならなくても、飛ぶ鳥や高速スポーツでは差が見えやすくなります。
中古EFレンズを選ぶときには焦点距離とF値だけでなく、AF駆動方式も確認したいところです。
EOS RP側にも動体AFの世代差がある
AF性能はレンズだけで決まりません。
EOS RP自体も初期のRFマウントフルサイズ機なので、後に登場したEOS Rシリーズと比べると被写体認識や高速動体追従には世代差があります。
そのため新しいRFレンズを付ければEOS RPが最新ボディと同じ動体性能になるわけでもありません。
EFレンズとの相性を見るときには、ボディ側の性能も含めて考える必要があります。
EOS RPにはボディ内手ブレ補正がない
EFレンズをEOS RPで使う際に重要なのが手ブレ補正です。
EOS RPにはセンサーを動かして補正するボディ内手ブレ補正機構がありません。
IS非搭載EFレンズでは手ブレ補正を利用できない
EF50mm F1.8、EF85mm F1.2、EF200mm F2.8など、レンズ内ISを搭載しないEFレンズをEOS RPへ装着した場合、静止画撮影で利用できる光学式手ブレ補正はありません。
手ブレを防ぐにはシャッタースピードを確保し、必要ならISO感度を上げます。
三脚を使える撮影なら支持機材によって安定させることもできます。
EOS RPで古いEF単焦点を使う際には、この点を理解しておく必要があります。
IS搭載EFレンズならレンズ側の補正を使える
EF24-105mm F4L IS USMやEF70-200mmのIS搭載モデルなどでは、レンズ側の光学式手ブレ補正を利用できます。
望遠域ではわずかな手の動きが画面内で大きく見えるため、ISの有無は撮影しやすさへ影響します。
中古EFレンズをEOS RP用に選ぶ場合、暗い場所や望遠を多用するならIS搭載モデルを選ぶ方法があります。
一方、人物が動いている場合にはISだけで被写体ブレを止めることはできません。
EF-SレンズをEOS RPで使う場合の注意点
EF-Sレンズも利用できますが、フルサイズのEOS RPでEFレンズを使う場合とは意味が異なります。
EF-SではAPS-C相当の撮影範囲へ切り替わるため、EOS RPのフルサイズセンサー全域を使いません。
約1.6倍相当の画角になる
EF-S18mmは約29mm相当、EF-S55mmは約88mm相当というように、35mm判換算では約1.6倍相当の画角になります。
望遠方向では被写体を大きく見せやすくなる一方、広角側では18mmでも超広角にはなりません。
EF-Sレンズを多数所有している場合にはEOS RPへの移行後も利用できますが、画角の変化を理解して使う必要があります。
EF-Sを使えることと、フルサイズの画角で使えることは別です。
記録画素数もフルサイズ使用時より少なくなる
EOS RPがEF-Sレンズ使用時に中央部だけを利用するため、フルサイズ全域を使った撮影より記録画素数は少なくなります。
Web掲載や小さなプリントなら十分使える場面がありますが、大きくトリミングしたい場合には余裕が減ります。
フルサイズEOS RPの約2620万画素を最大限利用したいなら、EFまたはRFのフルサイズ対応レンズを使う方が適しています。
EF-Sレンズは「手持ちの資産を活用する方法」と考えると位置付けが分かりやすくなります。
EOS RPとEFレンズを組み合わせるメリット
欠点がある一方、EFレンズをEOS RPへ装着する最大の魅力は選択肢の多さです。
長期間続いたEFシステムには、RFではまだ同じ価格帯で見つけにくいレンズや、現在では中古でしか入手できない個性的なレンズがあります。
中古EFレンズの選択肢が非常に多い
EFマウントには標準単焦点、広角ズーム、望遠ズーム、マクロ、超望遠、ティルト・シフトなど多種多様なレンズがあります。
中古市場では世代違いの製品も並ぶため、予算と目的に合わせて選びやすくなっています。
最新RFレンズだけで一式を揃える方法とは違い、古いEFレンズを少しずつ試す楽しみがあります。
EOS RPは、その巨大なEFレンズ資産へアクセスできるフルサイズボディとして使えます。
古いLレンズもEOS RPで活用できる
EF85mm F1.2L、EF200mm F2.8L、EF300mm F4Lなど、EF時代には個性的なL単焦点が多数存在します。
これらをEOS RPへ装着すれば、光学ファインダー時代のレンズをミラーレスで使えます。
電子ビューファインダーでは露出結果を確認しながら撮影でき、MF時には拡大表示も利用できます。
古いレンズを単に古い一眼レフで使うだけでなく、新しい撮影方法へ持ち込めることが魅力です。
特殊なEFレンズまで選択肢に入る
EFシステムにはTS-Eティルト・シフト、長焦点の超望遠、大口径単焦点など、一般的な標準ズームとは異なる特殊レンズがあります。
EOS RP本体を比較的低コストで用意し、レンズ側で撮影表現を広げるシステムも作れます。
カメラ本体を高性能化することだけが撮影の幅を広げる方法ではありません。
レンズによって画角、ボケ、撮影距離、圧縮効果を変えることが写真では大きな意味を持ちます。
EOS RPに合わせやすいEF単焦点
EFレンズをEOS RPで試すなら、まず単焦点から始めると違いを理解しやすくなります。
ズームより構造が単純で、小型のモデルも多くあります。
50mmは標準画角として使いやすい
フルサイズEOS RPでは50mmレンズを本来の50mm画角で使えます。
スナップ、人物、料理、静物など幅広い用途に対応しやすく、初めてEF単焦点を使う場合にも分かりやすい焦点距離です。
明るい50mmなら背景をぼかした撮影にも使えます。
さらにEF50mm F2.5 コンパクトマクロのように近接撮影へ強い50mmも選べます。
85mmはポートレートでEFらしさを楽しめる
フルサイズの85mmは人物撮影で使いやすい中望遠です。
顔や上半身を自然な距離から切り取りやすく、背景の写る範囲も50mmより狭くなります。
EF85mmにはF1.8やF1.2など複数の選択肢があり、予算や求める描写によって選べます。
EOS RPで古いEF大口径単焦点を使う楽しみを感じやすい焦点距離です。
200mm F2.8は小型の望遠単焦点として使える
EF200mm F2.8Lシリーズは、70-200mm F2.8ズームとは違う単焦点の望遠レンズです。
ズームできない代わりに、200mm F2.8という用途へ絞った構成を楽しめます。
人物、舞台、スポーツ、遠景など、被写体との距離を取れる場所で威力を発揮します。
EOS RPと組み合わせる場合にはIS非搭載であることを考え、十分なシャッタースピードを確保したいところです。
EOS RPに合わせやすいEFズーム
単焦点だけでなく、EFズームには長い歴史があります。
一本で複数の焦点距離を使いたい場合には、EFズームもEOS RPの選択肢になります。
標準ズームは一本で撮影範囲を広げられる
24mmから70mm前後をカバーする標準ズームなら、風景、スナップ、人物など幅広い撮影へ対応できます。
単焦点を何本も交換する必要がなく、旅行やイベントでも使いやすくなります。
古いEF標準ズームには設計年代による描写差があるため、焦点距離とF値だけでなく世代も確認します。
EOS RP本体が小型なので、重量級F2.8ズームでは全体のバランスも考える必要があります。
70-200mmは人物から動体まで使いやすい
70-200mmは中望遠から望遠までを一本でカバーします。
人物撮影では70mmから135mm付近、スポーツや舞台では200mm側を利用するなど、撮影距離に合わせて構図を変更できます。
F2.8モデルは大型ですが明るく、F4モデルは比較的携帯性を重視できます。
EOS RPと組み合わせる場合には、レンズの重量やISの有無も確認したいところです。
EOS RPとEFレンズでポートレートを撮る
EOS RPはフルサイズなので、EF大口径単焦点の焦点距離とボケをそのまま生かせます。
50mm、85mm、100mm、135mmなど、EFマウントには人物向けレンズが豊富です。
瞳AFとEF単焦点を組み合わせる
EOS一眼レフでは、光学ファインダーの限られたAF測距点から目に近いポイントを選ぶ必要がありました。
EOS RPではミラーレスのAFを利用できるため、人物の顔や目を基準にピントを合わせやすくなります。
F1.2やF1.4など被写界深度の浅いEF単焦点では、ピント位置が数cm変わるだけでも印象が変わります。
古い大口径レンズとミラーレスAFの組み合わせは、EFレンズをEOS RPで使う大きな意味の一つです。
IS非搭載レンズではシャッタースピードを意識する
EOS RPにはボディ内手ブレ補正がないため、古い大口径EF単焦点では撮影者自身がシャッタースピードを管理する必要があります。
人物が静止していても、シャッタースピードが遅すぎれば撮影者側の手ブレが発生します。
人物自身が動けばさらに被写体ブレも加わります。
ISO感度を上げることを避けるためにシャッタースピードを落としすぎるより、まず人物を止めることを優先します。
室内ポートレートでF値とシャッタースピードを決める方法はこちら
EOS RPとEFレンズで望遠撮影する
EFマウントには300mm、400mm、500mmなどの超望遠レンズも豊富です。
EOS RPへアダプター経由で装着すれば、フルサイズの画角で使用できます。
古いEF超望遠単焦点も使える
EF300mm F4L、EF400mm F5.6L、EF500mm F4.5Lなど、現在では中古中心となった望遠単焦点もEOS RPへ装着できます。
大きさや重量、ISの有無などには世代差がありますが、焦点距離そのものの価値は変わりません。
野鳥、航空機、月、遠景など、近づけない被写体を大きく切り取れます。
EOS RPとのバランスは大きくレンズ側へ偏るため、左手でレンズを支えることが重要です。
EOS RPのAF性能と被写体を合わせて考える
止まっている鳥、遠景、航空機の静止展示などでは、EOS RPでも超望遠EFレンズを十分活用できます。
一方、高速で飛翔する鳥や激しいスポーツなどでは、ボディ側の連写や追従AF性能も重要です。
高価な超望遠EFレンズを取り付ければ動体性能まで自動的に最新機相当になるわけではありません。
何を撮るかによって、レンズとボディのどちらへ性能を求めるかを考えます。
コントロールリング付きアダプターという選択肢
EF-EOS R系には、標準タイプだけでなくコントロールリングを備えたタイプもあります。
RFレンズに近い操作性をEFレンズへ追加したい場合に利用できます。
EFレンズでもコントロールリング操作を追加できる
通常のEFレンズにはRFレンズのようなコントロールリングはありません。
コントロールリング付きマウントアダプターを利用すると、アダプター側のリングへISO感度や露出補正などの機能を割り当てられます。
古いEFレンズへ新しい光学機能を追加するものではありませんが、操作性をRFシステムへ近づけることができます。
頻繁に設定を変更する人には標準アダプターとの違いが大きくなります。
EOS RPでEFレンズを使うときのおすすめ設定
EFレンズだから特殊な露出設定が必要になるわけではありません。
基本はRFレンズ使用時と同じですが、ISの有無、AFモーター、焦点距離などレンズごとの特徴に合わせて設定します。
静止した被写体ではAvモードを使いやすい
人物、風景、スナップ、静物などではAvモードを使い、F値を撮影者が決める方法が分かりやすくなります。
大口径EF単焦点ならF1.2からF2.8付近を使って背景をぼかし、風景ならF8前後まで絞るなど目的に応じて変更します。
EOS RPが決めたシャッタースピードが遅くなりすぎていないか確認し、必要ならISO感度を上げます。
IS非搭載レンズでは特にシャッタースピードへ注意します。
望遠や動体ではシャッタースピードを先に決める
200mm、300mm、400mm以上の望遠EFレンズでは、手ブレと被写体ブレを防ぐためにシャッタースピードが重要です。
鳥やスポーツなど動く被写体では、F値を優先するより必要なシャッタースピードを先に確保します。
光量が足りなければISO感度を上げます。
古いカメラではISOを上げることを避けたくなりますが、EOS RPではブレた低ISO写真より、必要な速度で撮れた写真を優先する方が実用的です。
中古EFレンズをEOS RP用に買うときの注意点
EOS RPとEFレンズの組み合わせは中古市場を活用しやすい一方、古いレンズほど個体状態の差が大きくなります。
カビ・クモリ・傷だけでなくAFも確認する
中古レンズでは前玉や後玉の傷だけでなく、内部のカビやクモリを確認します。
AFレンズでは近距離から無限遠まで駆動させ、途中で止まらないか、異音が極端に大きくないかも見ます。
IS搭載モデルでは手ブレ補正の動作も確認します。
古いLレンズは外観が傷だらけでも正常に撮れる個体がある一方、外観がきれいでも内部に問題がある場合があります。
EOS RPへ装着して実際にAFを確認する
可能なら購入前にEOS RPへ装着し、AF、絞り制御、Exif記録などを確認します。
中古レンズは同じ型番でも状態が異なるため、スペック表だけでは実際の動作を判断できません。
特に古いUSMレンズではAF機構の状態が重要です。
EOS一眼レフで正常だったという情報だけでなく、自分が使用するEOS RPとの組み合わせで確認できると安心です。
RFレンズとEFレンズをどう使い分けるか
EOS RPを使うからといって、RFかEFのどちらか一方へ統一する必要はありません。
用途によって両方を使い分ける方法があります。
小型軽量を優先するならRFレンズが使いやすい
EOS RPの小型ボディを生かして持ち歩きたい場合には、アダプターを必要としない小型RFレンズが使いやすくなります。
レンズ交換時にアダプターを付け替える必要もなく、システム全体を短くまとめられます。
旅行や日常スナップでは、この差が持ち出しやすさにつながります。
EOS RPの軽さを最優先するなら、レンズの絶対性能だけでなくシステム全体の大きさを見る必要があります。
価格と個性を重視するならEFレンズが魅力になる
EFレンズの魅力は単純に安いことだけではありません。
現在のRFラインアップにはない焦点距離やサイズ、古いLレンズ特有の描写、長期間にわたる豊富な中古在庫があります。
新しいRFレンズでは得られない組み合わせを探すこともできます。
EOS RPを「RFレンズ専用ボディ」と考えず、EF時代まで含めたキヤノンレンズを使うためのボディと考えると選択肢が広がります。
EOS RPとEFレンズの組み合わせが向いている人
中古レンズをいろいろ試したい人
一本の最新レンズへ予算を集中するより、焦点距離やF値の違うレンズを複数試したい人にはEFシステムが魅力になります。
50mm、85mm、200mmなどを実際に使うことで、自分がどの焦点距離を好むのかも分かります。
EOS RPはフルサイズなので、フルサイズ対応EFレンズを本来の画角で試せます。
中古EFレンズを交換しながら写真の違いを楽しむボディとしても使えます。
一眼レフ時代のEFレンズを引き続き使いたい人
EOS一眼レフからEOS RPへ移行する場合、所有しているEFレンズをすべて手放す必要はありません。
マウントアダプターを用意すれば、従来のレンズ資産を利用しながらRFシステムへ移れます。
その後、必要な焦点距離だけRFレンズへ置き換えていく方法もあります。
一度にシステム全体を買い替えなくて済むことはEFユーザーにとって大きな利点です。
EOS RPとEFレンズの組み合わせが向かない人
最小・最軽量のフルサイズシステムを求める人
EOS RP本体の小ささを最大限生かすことが目的なら、アダプターと大型EFレンズの組み合わせは方向性が異なります。
アダプター分だけ全長が増え、古いEFズームではレンズ重量も大きくなります。
毎日持ち歩く用途なら、多少高価でも小型RFレンズを使う方が結果として撮影機会が増える可能性があります。
レンズ単体の価格だけでなく、持ち出す頻度まで考えて選ぶ必要があります。
最新の動体AF性能を最優先する人
高速スポーツ、飛翔する野鳥、激しく動く動物などを中心に撮る場合には、レンズだけでなくボディの世代も重要です。
EOS RPへ高速なEF望遠レンズを付けても、最新EOS Rシリーズと同じ被写体認識や連写性能になるわけではありません。
静止画中心の人物、風景、スナップでは十分使える一方、動体性能を最優先するならボディを含めたシステム全体で考える必要があります。
EFレンズが悪いという問題ではなく、撮影対象とEOS RPの特性の組み合わせです。
まとめ
EOS RPでは、マウントアダプター EF-EOS Rを使用することでEFレンズとEF-Sレンズを活用できます。EF-Mレンズは使用できません。
EFレンズを使う最大の欠点は、アダプターによって全長と重量が増えることです。大型EFレンズではEOS RPの小型ボディとの重量バランスも変わります。
一方、標準的なEF-EOS Rアダプターには焦点距離を変える光学系がないため、アダプターを付けるだけで焦点距離やF値が変わったり、レンズ本来の画質が低下したりする仕組みではありません。
AFについてもEFレンズだから一律に遅くなるわけではなく、リングUSM、STM、古いモーターなどレンズ側の世代や方式によって違います。EOS RP本体側のAF性能も含めて考える必要があります。
注意したいのが手ブレ補正です。EOS RPにはボディ内手ブレ補正がないため、IS非搭載EFレンズでは手ブレ補正を利用できません。十分なシャッタースピードを確保することが重要です。
EF-Sレンズも使えますが、APS-C相当の約1.6倍クロップになります。EOS RPのフルサイズセンサー全域を生かしたい場合にはEFまたはRFのフルサイズ対応レンズを選びます。
それでもEFレンズを使う価値は大きく残っています。EFマウントには50mm、85mm、200mm、300mm、マクロ、超望遠、TS-Eなど長年蓄積された膨大なレンズがあります。
EOS RPをRFレンズだけで使うカメラと考える必要はありません。小型軽量を優先する場面ではRFレンズ、中古価格や個性的な描写、豊富な選択肢を重視するときにはEFレンズという使い分けができます。
EOS RPとEFレンズの組み合わせは、古いレンズの欠点を魔法のように消すものではありません。レンズ本来の特徴を保ったまま、ミラーレスの撮影環境へ持ち込めることに価値があります。



