EOS RPの使い方 初心者向け設定・AF・レンズ・撮影方法を徹底解説
EOS RPは、約2620万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載したCanonのRFマウントミラーレスカメラです。本体のみ約440g、バッテリーとカードを含めても約485gという軽量ボディで、旅行、街歩き、家族写真、ポートレート、風景、夜景まで幅広い撮影へ持ち出せます。
初めてEOS RPを使う場合、すべての設定を覚える必要はありません。撮影モード、AF、ISO感度、シャッタースピード、記録画質という基本を押さえ、撮影する被写体に合わせて少しずつ調整していけば十分です。
EOS RPには顔+追尾優先AFや瞳AF、バリアングル液晶、約1.6倍クロップ、RAW・C-RAW記録、Wi-Fi・Bluetooth、4K動画など多くの機能があります。RFレンズを直接装着でき、マウントアダプター EF-EOS Rを使えば豊富なEFレンズも活用できます。
一方、最高連続撮影速度はワンショットAF時で約5コマ/秒、サーボAF時は最高約4コマ/秒です。高速連写を中心としたカメラではありません。EOS RPの強みは、小型軽量なフルサイズ機を気軽に持ち歩き、人物、風景、日常、旅行などをじっくり撮影できることにあります。
この記事では、EOS RPを初めて使うときの設定から、AF、ISO感度、人物、風景、夜景、星空、RF・EFレンズ、クロップ、動画まで一つの記事で整理します。EOS RPそのものの基本性能を先に確認したい場合は、EOS RPの特徴と基本性能も参考にしてください。
EOS RPを使い始めるときの基本設定
- 最初は絞り優先AEとISOオートから始める
- 記録画質はJPEG・RAW・C-RAWから用途で選ぶ
- よく使う設定をC1・C2・C3へ登録すると操作が速くなる
初心者は絞り優先AEとISOオートから始める
EOS RPを購入して最初に迷いやすいのが撮影モードです。写真撮影を覚えるなら、モードダイヤルのAvを使う絞り優先AEから始めると分かりやすくなります。
絞り優先AEでは撮影者がF値を決め、必要なシャッタースピードをカメラが決定します。人物を背景から浮かせたい場合はF1.8~F4程度、風景ではF5.6~F8程度、複数人を並べて撮る場合はF5.6~F11程度を出発点にできます。
ISO感度は最初からISO100へ固定する必要はありません。ISOオートを利用すると、周囲の明るさが変わっても撮影を続けやすくなります。屋外から室内へ移動する旅行や家族撮影では特に便利です。
重要なのはシャッタースピードです。人物が止まっている場面でも1/125秒程度を確保し、歩いている人物では1/250~1/500秒、走る人物や動物ではさらに速いシャッタースピードを使います。ISO感度を低く保った結果、被写体がぶれてしまう状態を避けます。
設定をさらに細かく調整したい場合は、EOS RPのおすすめ設定でAF、露出、ボタン操作まで詳しく解説しています。
JPEG・RAW・C-RAWは写真の使い方で決める
EOS RPではJPEG、RAW、C-RAWを記録できます。初期設定で迷ったら、撮影後にどこまで画像を調整するかを基準に決めます。
撮ってすぐブログやSNSへ使う写真ならJPEGが扱いやすくなります。露出、ホワイトバランス、シャドウ、ハイライトなどを撮影後に細かく調整したい場合はRAWが向いています。
C-RAWはRAWの編集自由度を保ちながらファイル容量を抑えられる記録形式です。大量に撮影する場合や、SDカードと保存容量を節約しながらRAW現像を続けたい場合に使いやすくなります。
重要な撮影でJPEGもすぐ必要になる場合はRAW+JPEGも使えます。その分だけ1枚当たりの保存容量は増えるため、撮影枚数が多い日はSDカードの空き容量を確認します。
EOS RPはSD、SDHC、SDXCカードに対応し、UHS-IIカードも使用できます。連写を多く使う場合やRAWを大量に記録する場合には、書き込み速度の速いカードを選ぶと撮影後の待ち時間を減らせます。
最初からすべてをRAWにする必要はありません。普段はJPEG、作品として残したい撮影はRAWという使い分けもできます。
C1・C2・C3へ撮影設定を登録すると切り替えが速い
EOS RPにはモードダイヤルにC1、C2、C3があります。よく使う撮影設定を登録しておけば、撮影現場でAF、ISO感度、ドライブモードなどを一つずつ変更する必要がありません。
たとえばC1を人物撮影として、絞り優先AE、ISOオート、顔+追尾優先AF、サーボAFを登録します。C2を風景撮影として、絞り優先AE、ISO100~400、ワンショットAF、1点AFにします。C3を夜景や動体用として別の設定へ割り当てる方法もあります。
撮影場所へ到着したときにモードダイヤルを回すだけで、自分が使い慣れた設定へ戻せます。設定を変更して撮影した後、元の状態へ戻し忘れる失敗も減らせます。
EOS RPではマイメニューも使えます。カード初期化、ISO感度設定、クロップ、レンズ光学補正など頻繁に使う項目をまとめると、メニューの階層を毎回探す必要がなくなります。
カメラを使い始めた直後は登録項目を増やしすぎず、「人物」「風景」「もう一つよく撮る被写体」という3種類から始めると管理しやすくなります。
EOS RPのAFとピント合わせを使い分ける
- 静止した被写体はワンショットAFを基本にする
- 人物や動く被写体ではサーボAFを使う
- 顔+追尾優先AFと1点AFを被写体によって切り替える
静物・風景・商品撮影はワンショットAFが使いやすい
動かない被写体ではワンショットAFが基本です。シャッターボタンを半押しすると一度ピントを合わせ、その位置でピントを固定します。
風景、建物、料理、商品、花など、撮影者がピントを合わせる場所を明確に決めたい撮影では1点AFも使いやすくなります。画面内のどこへピントを合わせるかを自分で決められるため、手前の物や背景へAFが移ることを防ぎやすくなります。
小さな花や細かな部分へピントを合わせる場合には、スポット1点AFも利用できます。背景に枝が多い場所で小鳥へピントを合わせる場面でも、AF範囲を小さくすると狙った場所を選びやすくなります。
静止した被写体でもカメラを手持ちする場合は、シャッタースピードが遅くなりすぎていないか確認します。ピントが正確でもカメラが動けば写真全体がぶれます。EOS RPにはボディ内手ブレ補正がないため、手持ち撮影ではレンズ側ISの有無とシャッタースピードを確認します。
EOS RPのAF方式やピント位置の移動方法は、EOS RPのピント合わせを詳しく解説した記事でさらに詳しく紹介しています。
人物・子ども・動物はサーボAFで追い続ける
人物が歩く、子どもが動く、動物が前後へ移動するといった場面ではサーボAFを使います。サーボAFでは被写体との距離が変わってもピントを追従させます。
人物撮影では顔+追尾優先AFと瞳AFを組み合わせると、顔の中でも重要な瞳へピントを合わせやすくなります。背景を大きくぼかすF1.8やF2などの撮影では被写界深度が浅くなるため、瞳へAFを合わせる効果が大きくなります。
人物がこちらへ歩いてくる場合はサーボAFを使い、シャッタースピードも1/250秒以上を目安に上げます。走っている人物や動物では1/500~1/1000秒以上が必要になる場面もあります。
EOS RPの高速連続撮影はワンショットAF時で最高約5コマ/秒です。サーボAFでは最高約4コマ/秒となります。短時間に大量のコマを記録する機種ではないため、被写体の動きを見ながらシャッターを切るタイミングを考える撮り方が合います。
ポートレートでのレンズ選び、絞り、瞳AF、構図については、EOS RPのポートレート撮影で詳しく紹介しています。
MFと拡大表示は星空や接写で役立つ
AFが迷いやすい暗所や星空、小さな被写体の接写では、マニュアルフォーカスを利用すると安定します。
星空では明るい星を画面内へ入れ、表示を拡大して星が最も小さく見える位置へフォーカスリングを調整します。レンズの無限遠マークだけに合わせる方法では、実際のピント位置とずれる場合があります。撮影画面を見ながら合わせる方が確実です。
花や商品などを近距離で撮る場合も、ピントを合わせたい位置が非常に細かくなります。AFでおおよその位置まで合わせ、その後MFへ切り替えて拡大表示で微調整する方法があります。
MFピーキングを使うと、ピントが合っている輪郭を色で確認できます。ピーキングだけで最終判断する方法に固定せず、重要な撮影では拡大表示も併用すると細部を確認しやすくなります。
EOS RPは電子ビューファインダーと背面液晶の両方で撮影画像を確認できるため、露出とピントを確認しながら撮影できます。ローアングルではバリアングル液晶、日中の屋外ではファインダーという形で使い分けると撮影しやすくなります。
EOS RPで人物・風景・夜景・星空を撮る設定
- 人物は瞳AFと明るい単焦点を活用する
- 風景はF5.6~F8を基準に画面全体を整える
- 夜景と星空はISO感度とシャッタースピードを分けて考える
ポートレートは50mm・85mmと瞳AFを活用する
EOS RPはフルサイズセンサーを搭載しているため、明るい単焦点レンズと組み合わせると背景をぼかした人物写真を撮りやすくなります。
全身と背景を一緒に写す場合は35mm~50mm、上半身なら50mm~85mm、顔を中心に撮る場合は85mm前後が使いやすい焦点距離です。被写体と背景の距離を広くすると、背景をさらにぼかしやすくなります。
設定は絞り優先AE、F1.8~F4、サーボAF、顔+追尾優先AF、瞳AF、ISOオートを出発点にできます。開放F値を使うとボケは大きくなりますが、顔を斜めから撮る場合には片方の瞳だけにピントが合うこともあります。F2.8やF4へ絞るとピントの合う範囲を広げられます。
逆光では人物の顔が暗くなることがあります。電子ビューファインダーで明るさを確認し、必要に応じて露出補正をプラス側へ動かします。白い服や肌の明るい部分が白飛びする場合には補正量を戻します。
人物撮影を深く掘り下げる場合は、EOS RPでポートレートを撮る方法も参考になります。
風景撮影は低ISOとF5.6~F8を基準にする
EOS RPで風景を撮る場合は、絞り優先AE、ISO100~400、F5.6~F8、ワンショットAFを出発点にできます。
風景では画面全体をできるだけ鮮明に見せたい場面が多いため、開放F値から少し絞ります。F16やF22まで大きく絞ると回折の影響で細部の解像感が低下する場合があるため、必要な被写界深度を得られる範囲で絞ります。
広角レンズを使うと、山、海、空、建物などを広く収められます。RF24-105mmなどの標準ズームなら、24mm側で広い風景を撮り、50mmや85mm側で景色の一部分を切り取ることもできます。
三脚を使える場面ではISO100へ設定し、シャッタースピードが遅くなってもカメラを固定して撮影できます。水面や滝を長時間露光で滑らかに表現する撮影にも使えます。
風景撮影ではピントだけを見るのではなく、画面の端まで確認します。電柱、看板、人物など意図しない物が少しだけ入っている場合、撮影位置を動かすだけで整理できることがあります。
夜景と星空ではシャッタースピードの考え方が変わる
夜景には大きく分けて手持ち撮影と三脚撮影があります。
手持ち夜景では、ISO感度を上げて手ブレしないシャッタースピードを確保します。ISO800~3200以上を使う場面もあります。低ISOへ固定してシャッタースピードが極端に遅くなると、手ブレによって写真全体が甘くなります。
三脚を使用する夜景ではISO100付近へ下げ、数秒から数十秒の長時間露光を使えます。車のライトを光跡として残したり、水面を滑らかにしたりする撮影もできます。
星空撮影ではマニュアル露出、RAW、広角の明るいレンズ、ISO1600~6400、シャッタースピード10~20秒前後を出発点にします。焦点距離が長いほど星が流れやすくなるため、撮影画像を拡大して星の形を確認します。
EOS RPには静止画用のボディ内手ブレ補正がありません。星空では三脚と2秒セルフタイマーなどを利用し、シャッターを押すときのカメラの揺れを防ぎます。
ISO感度についてはEOS RPのISO感度設定、星空についてはEOS RPで星空を撮影する設定で詳しく解説しています。
EOS RPでRFレンズ・EFレンズ・クロップを使い分ける
- 軽量なRFレンズはEOS RPの携帯性を活かしやすい
- マウントアダプターを使えばEFレンズを活用できる
- 約1.6倍クロップは撮影時に狭い画角を確認できる
最初のレンズは撮影用途と総重量で選ぶ
EOS RPのレンズ選びでは、画質と同時にレンズを装着した状態の大きさと重量を確認します。本体が約440gと軽いため、小型RFレンズを組み合わせるとEOS RPの機動力を活かせます。
一本で旅行や日常を撮るなら24-105mmの標準ズームが使いやすくなります。風景、人物、料理、街角までレンズ交換を減らして対応できます。
小型軽量を重視する場合はRF50mm F1.8 STMなどの単焦点も使いやすい組み合わせです。50mm F1.8なら日常撮影から人物まで対応でき、フルサイズの背景ボケも楽しめます。
風景や室内を広く撮りたい場合は16mm~35mm、人物は50mm~85mm、遠くの被写体は100mm以上という形で、撮影目的から焦点距離を選びます。
大型のLレンズも装着できます。ボディが軽いため、重いレンズでは前方へ重心が移ります。撮影時は左手でレンズ側を支えると安定します。
EOS RPに合わせるレンズをまとめて探す場合は、EOS RPのおすすめレンズとレンズキットも参考になります。
EF-EOS Rを使えば豊富なEFレンズを活用できる
EOS RPはRFマウントですが、マウントアダプター EF-EOS Rを使用するとEFレンズとEF-Sレンズを装着できます。
EF50mm F1.8 STM、EF85mm F1.8 USMなどの単焦点を使えば、手持ちのEFレンズや中古EFレンズをEOS RPでも活用できます。EF24-105mm、EF70-200mm、EF100-400mmなどのズームも使用できます。
マウントアダプター内部には焦点距離を変える光学系が入っていないため、EFレンズの焦点距離や開放F値はそのままです。EOS RPでは撮像センサー上でAFを行うため、一眼レフ時代のEFレンズもミラーレスのAF方式で使用できます。
古いEFレンズではAF速度や作動音に差があります。写真撮影では問題なく使えても、動画ではAF作動音が録音されやすいレンズもあります。
EF-Sレンズも使用できますが、EOS RPでは約1.6倍クロップとなります。フルサイズセンサー全体を使用したい場合はRFレンズまたはEFレンズを使用します。
EFレンズをEOS RPで使う具体的な方法は、EOS RPでEFレンズを活用する方法で詳しく解説しています。
約1.6倍クロップは単焦点でも画角を変えられる
EOS RPはフルサイズ撮影に加えて、約1.6倍クロップ、1:1、4:3、16:9のクロップ/アスペクト設定を使用できます。
約1.6倍クロップではセンサー中央部分を使用します。50mmレンズなら約80mm相当、200mmレンズなら約320mm相当の画角になります。
焦点距離そのものが伸びる機能ではありません。使用するセンサー範囲を狭くして、撮影時からトリミング後に近い画角を確認する機能です。
単焦点レンズを使用しているときに、50mmと約80mm相当を撮影画面上で切り替えたい場合には便利です。舞台、動物、鉄道など、撮影位置を変えられない場面でも使えます。
クロップすると記録画素数は減ります。大きなプリントや撮影後の追加トリミングを予定している場合は、フルサイズで記録して後から必要な範囲を切り取る方法もあります。
クロップ撮影を使う場面と設定方法は、EOS RPのクロップ設定でさらに詳しく紹介しています。
EOS RPの動画・シャッター・バッテリーを理解する
- フルHDと4KではAF方式と使いやすさが変わる
- 電子シャッターと高速連写にはEOS RP独自の特徴がある
- 長時間撮影ではLP-E17の残量管理が重要になる
動画はフルHDと4Kの特徴を理解して使う
EOS RPは4K、フルHD、HD動画を記録できます。動画撮影では、解像度だけを見て常に4Kを選ぶ必要はありません。
フルHDとHDではデュアルピクセルCMOS AFが使用でき、人物を撮りながらAFを追従させる撮影に向きます。顔+追尾優先AF、動画サーボAF、バリアングル液晶を組み合わせれば、自分の方向へ液晶を向けた撮影もできます。
4K撮影ではセンサー中央部がクロップされ、AFはコントラスト検出方式になります。広角レンズでも画角が狭くなるため、室内、自撮り、Vlogなどでは撮影距離を確認してから4Kを選びます。
固定した風景、商品、星空などでは、撮影前にAFでピントを合わせ、その後MFへ切り替える方法もあります。動画中にAFが背景へ移動することを防げます。
EOS RPには動画電子ISがあります。使用すると画角が変化するため、撮影開始前に構図を確認します。レンズ側ISを搭載したレンズでは、手持ち撮影時の安定にも役立ちます。
動画を長時間撮影する場合は、EOS RPの動画撮影時間とバッテリー運用も参考になります。
高速連写と電子シャッターの特徴を知って使う
EOS RPの高速連続撮影は最高約5コマ/秒です。この速度はワンショットAF時の値で、サーボAF時は最高約4コマ/秒となります。
風景、人物、旅行、静物では十分な場面が多く、激しく動く野鳥や競技を大量連写で追う用途では撮影タイミングが重要になります。
連写速度だけに頼らず、被写体の動きを見てシャッターを切る瞬間を決めます。子どもがジャンプする瞬間、人物が振り返る瞬間、動物が顔を上げる瞬間など、動きが予測できる場面ではEOS RPでも十分狙えます。
シャッタースピードは被写体の動きから決めます。静止した人物なら1/125秒程度、歩く人物なら1/250~1/500秒、速い動体では1/1000秒以上を使う場面があります。
EOS RPの電子シャッターには使用方法に特徴があります。無音撮影が必要な場面で利用できますが、通常撮影時のシャッター方式との違いを把握しておくと混乱が減ります。
電子シャッターについてはEOS RPの電子シャッター、動体撮影の設定はEOS RPのシャッタースピード設定で詳しく解説しています。
LP-E17は予備バッテリーを含めて運用を考える
EOS RPはLP-E17バッテリーを使用します。小型軽量ボディを実現しているため、長時間の撮影ではバッテリー残量を意識した運用が必要です。
旅行や一日を通した撮影では、出発前に満充電し、撮影枚数が多い場合は予備バッテリーを用意しておくと撮影を継続しやすくなります。
液晶を長時間表示する撮影、動画、Wi-Fi転送などを多用すると消費電力も増えます。撮影後にその場で大量の画像を確認し続ける使い方では、静止画を撮るだけの運用とバッテリー消費が変わります。
撮影中に残量が少なくなってから対処するより、交換時期を決めておく方が重要な場面で電源が切れる状況を避けやすくなります。動画や星空など途中で撮影を止めにくい場合は、撮影開始前に残量を確認します。
EOS RPは小さなボディを気軽に持ち出せることが大きな魅力です。予備バッテリーを一つ追加しても機材全体は比較的コンパクトにまとめられます。
EOS RPを使いこなすために覚えたい撮影の考え方
- 設定値を覚えるより被写体に必要な条件から決める
- 電子ビューファインダーで撮影前に仕上がりを確認する
- 軽量ボディを生かして実際に持ち出す回数を増やす
ISO・F値・シャッタースピードは目的から決める
EOS RPを使い始めると、「ISOはいくつが正解なのか」「F値はいくつにすればいいのか」と数字を覚えたくなります。
撮影設定には一つの正解があるわけではありません。人物の背景をぼかしたいならF値を小さくする。走る人物を止めたいならシャッタースピードを速くする。暗くなったら必要な明るさを得るためISO感度を上げる。この順番で考えると設定を決めやすくなります。
風景を撮っていてシャッタースピードが1/1000秒出ているなら、ISO感度を下げる余裕があります。人物撮影で1/30秒になっているなら、ISO感度を上げて1/125秒以上を確保する方が撮影成功につながります。
ISO感度を上げること自体を失敗と考える必要はありません。被写体がぶれた写真は後から修正しにくく、適切なISO感度で撮影した写真はノイズ処理も行えます。
設定を数字として暗記するより、「何を止めたいか」「どこまでぼかしたいか」「どの範囲へピントを合わせたいか」を考えることでEOS RPを使いやすくなります。
電子ビューファインダーを露出確認に活用する
EOS RPは電子ビューファインダーを搭載しています。撮影前に露出補正やホワイトバランスの変化を確認しやすいことが、ミラーレスの大きな特徴です。
人物が暗いと感じたら露出補正を変更し、ファインダー上で明るさを確認します。写真を撮ってから背面液晶で確認する作業を繰り返さなくても、撮影前に仕上がりの方向を判断できます。
ヒストグラムや白飛び警告も利用すると、液晶の見た目だけに頼らず露出を確認できます。晴天の屋外では液晶が実際より暗く見えることがあり、夜間では画面が明るく見えることがあります。数値と表示を一緒に確認します。
バリアングル液晶も積極的に使えます。花を地面近くから撮る、人物を低い位置から撮る、頭上へカメラを持ち上げるといった撮影では、ファインダーをのぞけない位置でも構図を確認できます。
ファインダーだけ、背面液晶だけと固定せず、撮影位置によって使い分けることでEOS RPの小型ボディを生かせます。
EOS RPは軽さを生かして持ち出すことで価値が出る
EOS RPの大きな特徴は、約2620万画素のフルサイズセンサーを約440gの本体へ収めていることです。
カメラはスペックが高くても、重くて持ち出さなければ写真は増えません。EOS RPは小型のRF単焦点や標準ズームと組み合わせることで、旅行や散歩へ持ち出しやすいフルサイズシステムを作れます。
日常の街角、近所の公園、花、食事、夕焼けなど、特別な撮影旅行だけを待たず普段から使うと、焦点距離や露出の感覚も身につきます。
EFレンズを持っている人はアダプターを使い、必要なレンズだけRFへ置き換えていく方法もあります。最初からすべての機材を買い直す必要はありません。
EOS RPは最新の高速動体撮影機能を競うカメラとして考えるより、小型軽量のフルサイズをさまざまな場所へ持ち出し、写真表現を広げるカメラとして使うと特徴を生かせます。
EOS RP以外のEOS Rシリーズも含めてカメラやレンズを確認する場合は、キヤノン大全から各機種・RFレンズ・EFレンズの記事へ進めます。
まとめ
EOS RPは約2620万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載しながら、本体のみ約440gという小型軽量なRFマウントミラーレスカメラです。
初心者が使い始める場合は、絞り優先AE、ISOオート、ワンショットAFまたはサーボAFから始めると設定を整理しやすくなります。
静止した風景、料理、商品ではワンショットAFと1点AF、人物や動く被写体ではサーボAFと顔+追尾優先AF、瞳AFを使います。暗所、星空、細かな接写ではMFと拡大表示も役立ちます。
人物撮影では50mmや85mmの明るいレンズを使うと、フルサイズらしい背景ボケを生かせます。風景はF5.6~F8、夜景は撮影方法に応じてISO感度とシャッタースピードを調整します。星空では三脚、RAW、マニュアル露出、MFを組み合わせます。
RFレンズを直接装着できることに加え、EF-EOS Rマウントアダプターを使えば豊富なEFレンズも活用できます。約1.6倍クロップを使えば、単焦点レンズでも撮影時に狭い画角へ切り替えられます。
動画ではフルHDと4KでAF方式や画角が変わります。フルHDではデュアルピクセルCMOS AFを利用でき、4KではコントラストAFとクロップを理解して使うことが重要です。
高速連続撮影はワンショットAF時で最高約5コマ/秒、サーボAF時で最高約4コマ/秒です。高速連写を中心に使う機種ではありませんが、人物、風景、旅行、日常、夜景などEOS RPが得意とする撮影では十分に活用できます。
EOS RPを使いこなすために必要なのは、大量の設定値を暗記することではありません。被写体の動き、必要な被写界深度、周囲の明るさを見て、AF、F値、シャッタースピード、ISO感度を決めることです。
その基本を覚えると、小型軽量なフルサイズというEOS RPの魅力を撮影へ直接生かせるようになります。EOS RPの個別設定やレンズ選びをさらに詳しく知りたい場合は、本文中の各専門記事とキヤノン大全を活用してください。



