Canon EF標準単焦点レンズ一覧|40mm・50mmとF1.2・F1.4・F1.8の違い
CanonのEF標準単焦点レンズには、40mmと50mmを中心に、非常に個性の異なるレンズがそろっています。
薄型で軽いEF40mm F2.8 STM、低価格で明るいEF50mm F1.8 IIとEF50mm F1.8 STM、F1.4の明るさを持つEF50mm F1.4 USM、大口径LレンズのEF50mm F1.2L USM、さらにF1.0という特殊な明るさを持つEF50mm F1.0L USMまで選択肢があります。
同じ標準単焦点でも、40mmと50mmでは写る範囲が変わります。50mm同士でもF1.8、F1.4、F1.2、F1.0では、取り込める光の量、背景のぼけ方、レンズの大きさや重量、ピント合わせの難しさまで違います。
EFマウントの一眼レフで使うだけでなく、マウントアダプター EF-EOS Rを使えばEOS RシリーズでもEF標準単焦点レンズを活用できます。中古価格が下がったレンズも多く、現在でも目的によっては魅力のある選択肢です。
この記事ではCanon EF標準単焦点レンズを40mmと50mmに分け、各レンズの特徴、F値による違い、撮影用途、中古で選ぶポイント、EOS Rシリーズでの使い方まで整理します。
Canon EF標準単焦点は40mmと50mmの違いから選ぶ
- 40mmは50mmより広く日常のスナップに使いやすい
- 50mmは標準画角と明るいF値を組み合わせやすい
- APS-Cでは40mmが約64mm、50mmが約80mm相当になる
EF40mm F2.8 STMは薄さと自然な画角が最大の特徴
EF40mm F2.8 STMは、EF標準単焦点の中でも特に小型軽量なレンズです。全長は約22.8mm、重量は約130gで、一眼レフへ装着してもレンズが大きく前へ突き出しません。いわゆるパンケーキ型の形状で、EOS 5DシリーズやEOS 6Dシリーズのようなフルサイズ一眼レフをできるだけ軽快に持ち歩きたい場合に使いやすいレンズです。
40mmは35mmより少し狭く、50mmより少し広い画角になります。街を歩きながら建物と人物を一緒に撮ったり、店内で料理を撮ったり、旅行先の風景を切り取ったりするときに、50mmほど撮影距離を必要としません。人の周囲にある風景まで残したいスナップにも向いています。
開放F値はF2.8なので、EF50mm F1.8 STMのような大口径レンズほど背景を大きくぼかす用途には向きません。その代わり、レンズそのものが非常に薄く、カメラを持ち出しやすいことが大きな価値になります。
40mmという焦点距離の撮影用途については、EF40mm F2.8 STMの特徴と使い方でも詳しく紹介しています。
50mmは人物・スナップ・料理まで使える標準画角
EF標準単焦点の中心になるのが50mmです。フルサイズで使用すると、広角ほど周囲を大きく写さず、中望遠ほど画角が狭くならないため、被写体と背景の関係を自然にまとめやすい焦点距離です。
人物を全身から上半身まで撮る、街中の一部分を切り取る、料理や小物を撮る、風景の一部分を整理するといった幅広い用途へ対応できます。ズームレンズの50mm付近を使った経験があれば、単焦点へ交換しても画角そのものには大きな違和感がありません。
50mm単焦点の大きな特徴は、F1.8、F1.4、F1.2、F1.0といった明るいレンズが存在することです。標準ズームではF2.8やF4が一般的ですが、50mm単焦点ではさらに絞りを開けられるため、暗所でシャッタースピードを確保したり、背景を大きくぼかしたりできます。
焦点距離50mmそのものの撮り方については、50mmレンズの撮影方法と特徴で詳しく解説しています。
APS-Cでは40mmと50mmが中望遠寄りの画角になる
EOS 90D、EOS 80D、EOS KissシリーズなどCanon APS-C一眼レフへEF標準単焦点を装着すると、フルサイズとは画角が変わります。
Canon APS-Cでは約1.6倍相当の画角になるため、40mmは約64mm相当、50mmは約80mm相当です。EF40mm F2.8 STMはフルサイズでは少し広めの標準ですが、APS-Cでは人物撮影にも使いやすい短い中望遠に近づきます。
50mmは約80mm相当となり、フルサイズの85mmに近い画角です。人物の上半身、顔、屋外ポートレートでは使いやすくなります。一方、狭い室内で全身を撮る場合は撮影者が後ろへ下がる距離が必要になります。
レンズ名が50mmだから常に標準レンズになるわけではなく、使用するセンサーサイズまで含めて画角を考えることが重要です。
F値と画角を組み合わせて考える場合は、F値とボケ・明るさの関係も参考になります。
EF50mm F1.8・F1.4・F1.2・F1.0の違い
- F1.8は軽量・低価格で扱いやすい
- F1.4とF1.2は明るさと背景ぼけをさらに強められる
- F1.0は実用レンズであると同時に特殊な存在でもある
EF50mm F1.8 IIとSTMは同じF1.8でも使い勝手が違う
EF50mm F1.8シリーズは、CanonのEF標準単焦点を低予算で試しやすいシリーズです。特にEF50mm F1.8 IIは軽量なプラスチック鏡筒とF1.8の明るさを組み合わせ、長期間にわたって使われてきました。
EF50mm F1.8 IIは約130gと軽く、標準ズームへ一本追加しても荷物が大きく増えません。F1.8まで開けられるため、F4の標準ズームと比べると暗い場所でシャッタースピードを確保しやすく、背景も大きくぼかせます。
後継のEF50mm F1.8 STMでは、STM駆動、金属マウント、7枚の円形絞りが採用され、最短撮影距離も0.35mまで短くなっています。EF50mm F1.8 IIより被写体へ近づけるため、料理、花、小物などでも使いやすくなりました。
古いEF50mm F1.8 IIの特徴については、EF50mm F1.8 IIの特徴と描写で詳しく紹介しています。
EF50mm F1.8 STMは現在使うEF50mmの基準にしやすい
EF50mm F1.8 STMは約160gという軽さを保ちながら、F1.8の明るさ、0.35mの最短撮影距離、0.21倍の最大撮影倍率を備えています。EF一眼レフへそのまま装着でき、EOS Rシリーズでもマウントアダプター経由で使用できます。
F1.8を使えば人物の背景をぼかしやすく、室内でも標準ズームより速いシャッタースピードを選びやすくなります。F2.8やF4まで少し絞れば被写界深度が広がり、日常のスナップや料理、静物にも対応できます。
EF50mm F1.8 STMの価値は、最高性能を狙ったレンズという点より、軽さ、明るさ、価格、近接性能のバランスにあります。一眼レフへ付けっぱなしにしたり、標準ズームと一緒に持ち歩いたりしやすいレンズです。
ポートレートでの使い方については、EF50mm F1.8 STMのポートレート撮影で詳しく解説しています。
F1.4・F1.2・F1.0は明るさだけでなくレンズの性格まで変わる
EF50mmにはF1.8よりさらに明るいEF50mm F1.4 USM、EF50mm F1.2L USM、EF50mm F1.0L USMがあります。
EF50mm F1.4 USMはF1.8より明るく、重量は約290gです。F1.8クラスの軽快さをある程度残しながら、より浅い被写界深度と大きなボケを使える位置にあります。
EF50mm F1.2L USMでは開放F1.2となり、レンズ自体も大型になります。被写界深度はさらに浅くなり、人物の目へ合わせても耳や背景が大きくぼけるような表現を作れます。
EF50mm F1.0L USMはさらに特殊です。F1.0という非常に大きな開口部を持ち、重量も大幅に増えます。現在では中古市場での希少性も高く、単純に「F1.8より明るい50mm」として比較するより、特殊な描写と存在そのものを楽しむレンズとして見る方が性格を理解しやすくなります。
日常用途でF1.8から一段明るい50mmを考える場合は、EF50mm F1.4 USMの特徴も比較材料になります。
Canon EF標準単焦点7本を用途別に選ぶ
- 軽さならEF40mm F2.8 STMとEF50mm F1.8系
- 人物と背景ぼけなら50mm F1.4・F1.2が候補になる
- レンズ交換を減らしたい場合は撮影距離から焦点距離を決める
旅行・街歩きではEF40mm F2.8 STMの薄さを生かせる
旅行や街歩きでは、レンズ単体の最高画質だけでなく、実際に一日持ち歩ける大きさと重量が重要になります。
EF40mm F2.8 STMは約130g、全長約22.8mmなので、EF一眼レフへ装着した際の張り出しを大きく抑えられます。大型の標準ズームを装着した状態ではカメラバッグへ入れたままになるような場面でも、薄い40mmなら持ち出しやすくなります。
40mmは50mmより少し広いため、旅先の建物、食事、人物、店内、街角を一緒に撮りやすい画角です。人物だけを大きく写す場合は50mmが使いやすいこともありますが、周囲の状況まで含めた記録では40mmの広さが役立ちます。
安価な中古EFレンズを用途別に探す場合は、Canon EFマウントの安い神レンズでもEF40mm F2.8 STMを含めて紹介しています。
ポートレートではF1.8・F1.4・F1.2の差が表現に出る
人物撮影では、50mmの画角と明るい開放F値を組み合わせやすいことがEF標準単焦点の大きな特徴です。
F1.8でも背景との距離を十分に取れば、大きな背景ぼけを作れます。人物を上半身程度まで大きく写し、背景を離すと、低価格なEF50mm F1.8 STMでも被写体を立体的に見せやすくなります。
F1.4へ進むとさらに被写界深度を浅くでき、F1.2ではピントの合う範囲が非常に薄くなります。ぼけ量が増える一方、目へ正確にピントを置く重要性も高くなります。
大口径レンズでは単純なボケ量だけでなく、開放時のコントラスト、球面収差、周辺光量、口径食なども写真の印象へ影響します。少し絞った写真と開放写真を撮り比べると、それぞれのレンズの特徴が分かりやすくなります。
F1.2を中心に確認する場合は、EF50mm F1.2L USMの描写と開放画質で詳しく紹介しています。
暗い室内ではF値だけでなく必要なシャッタースピードで選ぶ
明るい単焦点レンズは、夜景や室内でも有利です。開放F値を小さくすると同じ明るさの写真を撮る場合でもシャッタースピードを速くしたり、ISO感度を下げたりできます。
人物が静止している場合と、子どもやペットが動いている場合では必要なシャッタースピードが違います。手ブレだけならカメラをしっかり構えることで対応できる場面がありますが、被写体自身が動いている場合はレンズの明るさを利用してシャッタースピードを確保する必要があります。
F1.8でも標準ズームよりかなり明るいため、日常の室内撮影では十分な場合があります。F1.4やF1.2が必要になるのは、さらに光量が少ない環境や、背景ぼけそのものを表現として使いたい場合です。
極端な大口径50mmの例としては、EF50mm F1.0L USMの特徴を見るとF1.0ならではの性格が分かります。
中古EF標準単焦点とEOS Rシリーズで使うポイント
- 中古では光学系だけでなくAFとフォーカス機構を確認する
- EOS RではEF-EOS Rアダプターを使って装着できる
- RF50mmへ買い替えるかは大きさ・価格・使い方で決める
中古ではEF50mm F1.8 IIとSTMを同じものとして選ばない
中古のEF標準単焦点を探すと、同じ50mm F1.8でも複数世代が見つかります。
EF50mm F1.8、EF50mm F1.8 II、EF50mm F1.8 STMは、焦点距離と開放F値は同じでも、鏡筒、マウント、AF機構、最短撮影距離、絞り羽根などが異なります。価格だけを見て購入すると、想定していたモデルとは別世代だったということがあります。
中古品では前玉や後玉の傷、内部のカビやクモリだけでなく、フォーカスリングとAFの動作を確認します。近距離から遠距離までAFを動かし、異音や引っ掛かり、大きな迷いがないかを見ると状態を把握しやすくなります。
特に古いレンズほど個体差が大きくなるため、外装の小傷より光学系と動作状態を優先して確認します。
EFレンズ全体から中古候補を比較する場合は、Canon EFレンズ一覧から標準・中望遠・望遠をまとめて確認できます。
EOS RシリーズではEF-EOS Rアダプターでそのまま活用できる
EF40mm F2.8 STMやEF50mmシリーズはEFマウント用レンズですが、マウントアダプター EF-EOS Rを使うことでEOS R5、EOS R6、EOS R8、EOS RP、EOS R7などでも使用できます。
標準タイプのアダプターはレンズとボディの距離を合わせる役割を持ち、焦点距離を変更する光学レンズは入っていません。フルサイズEOS RへEF50mm F1.8 STMを装着すれば、50mm F1.8として使用します。
EOS RシリーズではEVFや背面モニターで露出を確認できるため、F1.2やF1.4のような浅い被写界深度を使った撮影でも結果を確認しやすくなります。人物認識や瞳検出AFと組み合わせることで、大口径EFレンズを一眼レフ時代とは異なる操作感で使うこともできます。
アダプター運用で増える全長や重量については、Canonマウントアダプター EF-EOS Rのデメリットで詳しく整理しています。
EFを残すかRF50mmへ移るかは使用頻度と価格で決める
EOS Rシリーズを使っている場合、RF50mm F1.8 STMなどのRF標準単焦点も選べます。そのため、中古EF50mmを買うか、RFレンズへ移行するかを比較する場面があります。
RFレンズはアダプターなしで直接装着できるため、カメラ全体を短くまとめやすくなります。一方、EFレンズをすでに所有している場合や、他のEFレンズでも同じアダプターを使用する場合は、EF50mmをそのまま利用できます。
EF50mm F1.4 USMやEF50mm F1.2L USMのように、RF50mm F1.8 STMとは明確に開放F値が異なるレンズもあります。単に新旧だけで比較するのではなく、必要な明るさ、レンズの重量、アダプターを含めた大きさ、中古価格まで含めて決めます。
EFとRFをシステム全体で比較する場合は、RFレンズとEFレンズの違いで互換性と選び方を整理しています。
Canon EF標準単焦点レンズ一覧まとめ
CanonのEF標準単焦点レンズは、40mmと50mmを中心に構成されています。同じ標準域でも、EF40mm F2.8 STMと50mmシリーズでは画角とレンズの性格が大きく異なります。
EF40mm F2.8 STMは約130g、全長約22.8mmという薄型設計が特徴です。フルサイズでは50mmより少し広く、旅行、街歩き、料理、人物と背景を一緒に撮るスナップなどへ使いやすいレンズです。
50mmではEF50mm F1.8、EF50mm F1.8 II、EF50mm F1.8 STM、EF50mm F1.4 USM、EF50mm F1.2L USM、EF50mm F1.0L USMと、明るさと世代の異なる選択肢があります。
軽さと価格を重視するならF1.8系、F1.8よりさらに明るいレンズを使いたいならF1.4、背景ぼけと大口径レンズらしい表現を重視するならF1.2Lという順に考えると整理しやすくなります。F1.0Lは希少性も高く、一般的な標準単焦点選びとは少し異なる位置にあるレンズです。
Canon APS-Cでは40mmが約64mm相当、50mmが約80mm相当となります。50mmはフルサイズでは標準ですが、APS-Cでは人物撮影に使いやすい中望遠に近い画角になります。
中古で選ぶ場合は、焦点距離とF値だけでなく世代を確認します。特にEF50mm F1.8 IIとEF50mm F1.8 STMでは、マウント、AF、最短撮影距離、絞り羽根などに違いがあります。
EOS Rシリーズへ移行した後も、EF-EOS Rマウントアダプターを使用すればEF標準単焦点を活用できます。すでにEFレンズを持っている場合はそのまま使い、RFレンズとの大きさ、価格、使用頻度を比較してから買い替えを考える方法もあります。
EF標準単焦点は、単に古い一眼レフ用レンズという存在ではありません。軽量な40mm、低価格な50mm F1.8、大口径のF1.4やF1.2Lなど、それぞれ役割が明確です。現在使っているカメラと撮影したい被写体から選ぶことで、EFマウントでもEOS Rシリーズでも生かせるレンズを見つけられます。



