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135mm単焦点で風景を撮る|圧縮効果・構図・ボケを生かす撮影方法

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135mm単焦点で風景を撮る|圧縮効果・構図・ボケを生かす撮影方法 中望遠単焦点

135mm単焦点で風景を撮る|圧縮効果・構図・ボケを生かす撮影方法

135mm単焦点レンズは、ポートレート用という印象が強い焦点距離ですが、風景撮影でも独特の使い方ができます。広角レンズのように目の前の景色を広く収めるのではなく、山並みの一部分、遠くの建物、木々の重なり、光が当たった場所などを選び、画面いっぱいに切り取る撮影が得意です。

135mmを風景で使うときに重要なのが、狭い画角と撮影距離です。一般に「望遠の圧縮効果」と呼ばれる見え方がありますが、焦点距離だけで遠近感そのものが変化するわけではありません。同じ大きさで被写体を写そうとして撮影位置を後ろへ移動すると、手前と奥にある被写体までの距離差が相対的に小さくなり、写真の中では前後が詰まったように見えます。135mmの狭い画角は、その状態から遠くの背景を大きく切り取るため、山、建物、並木、花などを重ねた密度の高い構図を作りやすくします。

また、F1.8やF2クラスの明るい135mm単焦点では、風景の中でも前景や背景を大きくぼかせます。画面全体を鮮明に写す風景写真だけでなく、一輪の花、一本の木、光が当たった部分などへピントを合わせ、周囲を柔らかくぼかす表現も可能です。

この記事では、135mm単焦点レンズを風景撮影で使う意味、圧縮感が生まれる仕組み、構図の作り方、ボケの生かし方、撮影設定、手持ちと三脚の違い、フルサイズとAPS-Cでの画角の違いまで詳しく解説します。

135mm単焦点で撮る風景の特徴

風景写真では24mmや35mmなどの広角域がよく使われます。広い空、山、海、建物、手前の地面まで一枚へ収められるため、その場所全体を見せたいときには扱いやすい焦点距離です。

135mmは、同じ場所に立っていても写真の作り方が大きく変わります。広い景色を全部見せるのではなく、その中から何を残し、何を画面外へ出すかを考える焦点距離です。遠くにある小さな対象でも画面内で大きく扱えるため、肉眼では景色の一部だったものを写真の主役へ変えられます。

135mmは広い景色から必要な部分だけを切り取る

135mmをフルサイズカメラで使うと、24mmや35mmと比べて写る範囲はかなり狭くなります。展望台から広大な山並みを見ても、その全体を一枚へ収めることは難しくなります。その代わり、光が当たっている一つの山頂、谷へ流れ込む霧、紅葉した斜面、遠くの建物などを選び、その部分だけを大きく写せます。

例えば夕方の山を撮影する場合、広角なら空、山、手前の地面まで入れた景色全体を見せられます。135mmなら夕日が当たっている稜線だけを切り取り、画面の大部分を山肌と光で構成できます。同じ撮影場所でも、写真が伝える内容は大きく異なります。

海辺でも同じです。広角では砂浜から水平線までを一枚へ入れられますが、135mmなら沖を進む船、岬の灯台、水平線付近の夕日、水面へ伸びる光などを主役として扱えます。何か一つ強く見せたい対象がある風景では、135mmの狭い画角が有効です。

焦点距離と写る範囲の関係については、画角とは?焦点距離との関係と広角・標準・望遠の違いをわかりやすく解説で詳しく解説しています。

撮影位置によって前景と背景の重なり方が変わる

135mmで風景を撮るときは、レンズを向ける方向だけでなく、撮影者がどこに立つかが重要です。数歩移動しただけでも、遠くにある山、建物、木などの重なり方が変化します。

例えば手前に一本の木があり、その後方に山がある場面を考えます。木へ近づいて撮影すると、木は大きく写り、山との大きさの差も大きくなります。反対に撮影者が後ろへ下がり、木が同じ大きさになるように135mmで狙うと、木と山までの距離差が相対的に小さくなり、山が木のすぐ後ろにあるような見え方を作りやすくなります。

左右方向へ移動することも重要です。一本の木の後ろに山頂を重ねる場合、カメラを数メートル左右へ動かすだけで山頂の位置は大きく変わります。建物と夕日を重ねる場合も同様で、撮影位置を変えることで主役同士の位置関係を調整できます。

単焦点レンズではズームリングを回して構図を変えられないため、撮影者自身の移動が構図作りになります。135mmを使い続けると、どの位置まで離れればどの程度の範囲が写るのかを感覚的につかみやすくなります。

撮影距離によって背景や遠近感がどのように変化するかは、被写体との距離で写真はどう変わる?撮影距離・焦点距離・構図の基本でも詳しく解説しています。

135mmの圧縮効果は焦点距離だけで生まれるものではない

135mmを使うと「背景が近づいて見える」「遠くの山が迫って見える」と表現されることがあります。これは望遠レンズの圧縮効果として知られていますが、遠近感を決める中心的な要素は撮影位置です。

カメラ位置を完全に固定して50mmと135mmで同じ景色を撮影し、50mmの写真を135mmと同じ範囲まで切り出した場合、前景と背景の基本的な位置関係は同じです。焦点距離を変えただけで、物体同士の遠近関係が変化するわけではありません。

実際の撮影では、同じ大きさで主役を写そうとすると、135mmを使う方が撮影者は後方へ下がります。撮影者から主役までの距離が長くなると、主役からさらに奥にある背景までの距離差が相対的に小さくなります。その位置から135mmの狭い画角で切り取るため、背景が大きく写り、前後の要素が集まって見える写真になります。

山並み、桜並木、街灯、橋脚、高層ビル、花畑など、似た形のものが前後へ連続する場面では、この見え方を特に生かしやすくなります。山が何層にも重なった景色や、遠くまで続く街灯が密集して見える写真は、135mmらしい風景表現の一つです。

圧縮効果と撮影距離の関係については、圧縮効果の違いを比較する 距離感で変わる写真表現でも詳しく確認できます。

135mmを生かした風景の構図

135mmでは画面へ入る範囲が狭いため、広角ほど多くの要素を整理する必要はありません。その代わり、画面内に残した一つ一つの位置関係が目立ちます。主役が少し中央からずれる、背景の山頂が木へ重なる、画面端に不要な枝が入るといった小さな違いが写真全体の印象へ影響します。

撮影場所へ着いたら、まず肉眼で景色全体を見ます。その中から、形、色、光、重なりのある部分を探し、135mmで覗いて写真として成立する範囲を絞り込んでいきます。

山並みは尾根の重なりと光を見て切り取る

135mmと山岳風景は相性のよい組み合わせです。遠くの山を大きく写せるだけでなく、複数の尾根を重ね、前後の山を一枚へまとめやすいからです。

昼間の順光で山全体を撮影すると、山肌が均一に明るくなり、形が平面的に見えることがあります。朝夕の斜めから入る光では、稜線や谷に明暗差が生まれ、山の形が分かりやすくなります。135mmなら、その中でも光が特徴的な場所だけを選んで切り取れます。

霧や霞も135mmでは重要な要素になります。手前の山は濃く、遠くの山ほど淡く見える状態を重ねると、画面内に複数の層ができます。圧縮感によって山同士は近く見えても、濃淡の違いによって距離を感じられる写真になります。

山頂を中央へ置くだけでなく、画面の上部へ空を少し残す、手前の暗い山を画面下部へ入れる、左右どちらかへ主峰を寄せるなど、構図を変えることで印象も変わります。狭い画角だからこそ、画面内の余白を慎重に決めます。

中望遠で風景を切り取る考え方については、中望遠レンズ使い方の極意と撮影テクニックでも紹介しています。

都市風景では建物や道路を重ねて密度を作る

都市風景でも135mmは使いやすい焦点距離です。広角で街を撮ると、道路、歩道、空、建物、看板、人、車など多くの要素が画面へ入ります。135mmではその中から必要な部分だけを選び、都市の密度を強調できます。

高い場所から市街地を見下ろすと、手前の建物と遠くの高層ビルが重なります。135mmで狭く切り取れば、実際には離れている建物同士を一つの画面へ集められます。道路や鉄道が遠くへ伸びる場所なら、複数の車両、街灯、標識などを縦方向へ重ねる構図も作れます。

夕方には建物の隙間へ太陽を入れる撮影もできます。太陽自体の見かけの大きさは焦点距離によって変わるものではありませんが、135mmでは狭い範囲を大きく記録するため、写真の中では太陽を大きな要素として扱いやすくなります。建物や鉄塔のシルエットと組み合わせると、広角とは大きく違う都市風景になります。

画面内へ直線が多い都市風景では、水平や垂直も目立ちます。三脚を使える場所ではカメラを固定し、建物の傾きや画面端の不要物まで確認してから撮影すると構図を整えやすくなります。

狭い画角で被写体を整理する考え方は、中望遠レンズで磨くスナップ撮影の眼と歩き方でも詳しく扱っています。

前景を入れると望遠風景にも奥行きを作れる

135mmで遠くの山や建物だけを切り取ると、画面が平面的に見える場合があります。そこへ撮影者の近くにある木、草、花、柵などを少し入れると、手前と奥の距離を感じやすくなります。

前景は鮮明に写す必要はありません。遠くの主役へピントを合わせ、手前の葉や花を大きくぼかして入れる方法もあります。画面の左端や右端へ少しだけ前景を置くだけでも、写真を見る人は手前に何かがあることを認識するため、画面へ奥行きが生まれます。

前景を増やしすぎると、遠くの主役が隠れたり視線が散ったりします。135mmではカメラを数センチ動かしただけでも前景の位置が変わるため、ファインダーを見ながら重なりを調整します。

特に花や紅葉では、手前の色をぼかして画面の一部へ入れる方法が使いやすくなります。手前に赤や黄色のボケを置き、遠くの山や建物へピントを合わせることで、季節感を残しながら主役を明確にできます。

中望遠の背景整理とボケの関係については、中望遠レンズとは?85mm・100mm・135mmの使い方と背景ボケ・圧縮効果も参考になります。

135mm単焦点のボケを風景撮影へ使う

風景写真というと、画面の手前から奥まで鮮明に写すことを考えやすいですが、135mm単焦点では浅い被写界深度も重要な表現になります。風景全体を記録するのではなく、景色の中にある一つの対象だけを選び、周囲をぼかすことで写真の主題を明確にできます。

特にF1.8やF2といった明るい135mmでは、長い焦点距離と開放F値を組み合わせることで、前後を大きくぼかせます。花、枝、標識、建物の一部分などを主役にし、その場所の色や光を背景として残す撮影に向いています。

開放付近では風景の中から一つの主役を浮かび上がらせる

135mmを開放付近で使うと、ピントを合わせた部分と前後のボケとの差を大きくできます。広い花畑で一輪だけへピントを合わせ、後ろにある大量の花をぼかせば、背景を色の面として扱えます。木の枝に付いた紅葉へピントを合わせ、遠くの山を柔らかくぼかす撮影もできます。

ボケ量はF値だけで決まりません。焦点距離、撮影距離、主役から背景までの距離が関係します。同じF2でも、主役のすぐ後ろに壁がある場合と、数十メートル後方に山がある場合では背景の見え方が大きく異なります。

背景を大きくぼかしたい場合は、撮影者と主役の位置だけでなく、主役と背景の距離を確認します。背景が十分に離れている場所を選べば、絞りを少し絞っても柔らかな背景を作れる場合があります。

逆に、背景の形を完全に消さず、場所が分かる程度に残す方法もあります。山の輪郭、建物の窓、木々の形などをわずかに残せば、主役を浮かび上がらせながら撮影場所の情報も伝えられます。

F値とボケ、被写界深度の関係については、F値を知れば広がるカメラの世界 撮影表現を変える明るさとボケのコントロール術で詳しく解説しています。

前ボケを使うと色と季節感を加えられる

135mmでは前ボケも作りやすくなります。カメラの近くにある花や葉をレンズの前へ入れ、遠くの主役へピントを合わせると、手前の物は大きくぼけます。

春なら桜や新緑、秋なら紅葉、冬なら枯れ草など、季節を感じる色を前景へ置けます。画面の四隅すべてをぼかす必要はなく、左下だけ、右側だけといった使い方でも十分です。

前ボケを入れる位置は撮影者の移動で細かく調整します。手前の枝が主役の輪郭へ重なった場合は、カメラを少し高くする、横へ動く、撮影位置を後ろへ下げるなどして重なりを変えます。135mmでは画角が狭いため、わずかな移動でも前景の位置が大きく変わります。

花畑では、手前の花をぼかし、その奥にある一輪へピントを合わせる方法が使えます。さらに遠くの花もぼけるため、ピント面を前後から色で挟む構図になります。風景写真でありながら、画面全体を鮮明に写す方法とはまったく違う印象になります。

135mmで風景以外の被写体も含めた使い方は、135mm単焦点の使い道 ポートレートから風景まで生かす撮影方法で詳しく紹介しています。

夜景では遠くの点光源を背景として使える

夜景で135mmを使うと、遠くの街灯、信号、車のライト、建物の照明などを背景へ大きく配置できます。主役へピントを合わせ、背景まで十分な距離があると、点光源が大きなボケとして写ります。

人物を入れない風景でも使えます。手前の枝や柵、標識などへピントを合わせ、遠くの街灯をぼかせば、光の色を背景として利用できます。反対に遠くの建物へピントを合わせ、レンズ近くのイルミネーションを前ボケとして入れる方法もあります。

暗い場所ではシャッタースピードとISO感度の関係も重要になります。ISO感度を低く保つためにシャッタースピードを遅くしすぎれば、手持ちではブレやすくなります。開放F値を使えば光を多く取り込めますが、被写界深度は浅くなるため、どこへピントを置くかを明確にします。

暗部を後から大きく持ち上げるとノイズが目立つこともあります。撮影時には明るい光源だけを見ず、主役の明るさと暗部の残り方を確認します。

暗所撮影とノイズの関係については、カメラのノイズとは?写真がザラつく原因とISO感度・露出・RAWで抑える方法で詳しく解説しています。

135mmで風景を撮るときの設定

135mmだから特別な設定が必要になるわけではありません。撮りたい表現に合わせてF値を決め、必要なシャッタースピードを確保し、その条件で不足する光をISO感度で補うという基本は他の焦点距離と同じです。

一方、135mmは50mmなどより画角が狭いため、同じ角度だけカメラが動いても写真の中では揺れが大きく見えます。手持ちではシャッタースピードを慎重に決めます。

絞りは風景だからF8と固定せず目的で決める

風景撮影ではF8前後がよく使われますが、135mmだから常にF8へ設定する必要はありません。何をどこまで鮮明に見せたいかによってF値を変えます。

遠くの山だけを撮影し、画面内の主な被写体がほぼ同じ距離にある場合は、極端に絞らなくても必要な範囲へピントを合わせやすくなります。反対に手前の木と遠くの山を同時に鮮明にしたい場合は、より広い被写界深度が必要になります。

一輪の花や一本の枝だけを浮かび上がらせたい場合には、F1.8やF2など開放付近を積極的に使えます。背景の形も少し残したいならF2.8やF4へ絞り、複数の対象を見せたい場合はF5.6、F8などへ変えます。

F値を大きくすれば無制限に画質が向上するわけではありません。絞り込みすぎると回折によって細部の解像感が低下することがあります。必要な被写界深度を確保できる範囲で設定することが重要です。

構図、F値、シャッタースピード、ISO感度を組み合わせる基本は、写真の撮り方を基本から解説|構図・F値・シャッタースピード・ISO・ピントの使い方でも詳しく解説しています。

手持ちではシャッタースピードを遅くしすぎない

135mmで静止した山や建物を撮る場合でも、手持ちではカメラ自体が動けば写真はぶれます。広角レンズより画角が狭いため、微細な揺れが拡大して見えやすくなります。

手ブレ補正のないレンズやカメラでは特に注意が必要です。撮影直後に背面モニターで全体を見るだけでは分からず、パソコンで拡大したときに細かなブレへ気付くことがあります。

必要なシャッタースピードは、撮影者の構え方、カメラの画素数、手ブレ補正の有無、風の強さなどによって変わります。そのため「135mmなら必ず何分の1秒」と固定するより、撮影画像を拡大しながら自分の機材と構え方で確認する方が確実です。

日中でもISO100へ固定した結果、シャッタースピードが必要以上に遅くなる場合があります。そのような場面ではISO感度を上げ、ブレを防ぐ方が最終的な解像感を保てます。

135mmで起こりやすい画角や撮影距離の問題については、135mm単焦点が使いにくい理由 撮影距離と狭い画角を生かす使い方でも詳しく解説しています。

三脚では低ISOだけでなく構図を追い込める

135mmの風景撮影で三脚を使う利点は、シャッタースピードを遅くできることだけではありません。カメラ位置を固定できるため、画面内の構図を細かく調整できます。

135mmではカメラの向きをわずかに変えるだけでも、画面端に入る木や建物の位置が大きく変わります。三脚へ固定すれば、水平、主役の位置、前景の入り方、山頂の重なりなどを一つずつ確認できます。

夕景や夜景ではISO感度を低く設定し、長いシャッタースピードを使うこともできます。静止した建物や山であれば数秒の露光も可能です。一方、風で揺れる葉、雲、水面などは三脚を使用しても動きます。何を止め、何を流して見せるかによってシャッタースピードを決めます。

135mmと近い焦点距離を含む望遠ズームでの風景撮影については、70-200mmレンズの使い道|人物・スポーツ・風景を一本で撮る望遠ズーム活用法でも紹介しています。

135mmで撮りやすい風景と撮りにくい場面

135mmは特徴が強い焦点距離なので、どの場所でも使いやすいわけではありません。遠くに主役があり、その周囲から不要なものを省きたい場所では非常に使いやすくなります。一方、撮影者が後ろへ下がれない場所や、目の前の空間全体を見せたい場面では扱いにくくなります。

得意な場面と苦手な場面を理解すると、135mmを持ち出すべき撮影場所が分かりやすくなります。

山・海・湖・花畑では遠くの主役を探す

山では稜線、残雪、紅葉、霧、光が当たった斜面など、遠くからでも形や色が分かる部分を探します。海では船、岬、灯台、水平線上の太陽、水面の光が主役になります。湖では対岸の山、水面への反射、桟橋、鳥などを切り取れます。

花畑では、広角で全体を見せる写真とは違い、特定の範囲へ花を密集させて見せられます。撮影位置から離れた場所にある花を狙うと、前後の花が重なり、画面全体が花で埋まったような構図になります。

森では木の幹が前後へ連続している場所を探します。遠くから135mmで切り取れば、複数の木が密集して見える写真になります。斜めから光が差している場合は、明るい幹と暗い幹を交互に配置することでリズムを作れます。

撮影場所へ着いたら、最初からファインダーだけを覗くのではなく、肉眼で全体を見て主役になりそうな部分を探します。135mmは、その発見した部分を写真として切り出すためのレンズです。

より長い焦点距離で風景を切り取る考え方は、200mmレンズの使い道 ポートレートから風景・スポーツまで生かす撮影方法でも確認できます。

狭い場所では後ろへ下がれず構図が作れないことがある

135mmで最も困りやすいのは、撮影者が自由に移動できない場所です。展望台の柵、狭い路地、建物の間、森林の遊歩道などでは、もう少し広く写したくても後方へ下がれないことがあります。

単焦点レンズなので、70-200mmズームのように100mmや85mmへ戻すこともできません。被写体の一部分だけしか画面へ入らない場合は、135mmで無理に撮るより別の焦点距離へ交換した方が撮影意図に合うことがあります。

135mmを使うときに「単焦点だからこのレンズだけで全部撮る」と考える必要はありません。35mmや50mmなどを一緒に持っていれば、広い風景を短い焦点距離で残し、その中から気になった部分を135mmで切り取れます。

同じ場所を35mmと135mmで撮影すると、景色を見る方法も変わります。35mmでは主役と周囲の関係を探し、135mmでは周囲を削って一つの形や光へ集中します。焦点距離の違いがそのまま写真の違いになります。

広い範囲を残しながら撮影する35mmとの違いは、35mm単焦点の使い道 スナップから風景まで生かす撮影方法と比較すると分かりやすくなります。

Canon APS-Cでは約216mm相当の画角になる

135mmレンズをCanonのAPS-Cカメラへ装着した場合、35mm判換算では約216mm相当の画角になります。135mmというレンズの焦点距離自体が216mmへ変化するわけではありません。フルサイズより小さいセンサーで像の中央部分を記録するため、フルサイズで約216mmを使ったときに近い狭い範囲が写ります。

フルサイズの135mmよりさらに画角が狭くなるため、遠くの山頂、建物、月、動物などを大きく写しやすくなります。その一方で、風景の一部分を切り取るつもりでも狭すぎることがあります。

例えばフルサイズの135mmなら山の稜線をある程度まとめて画面へ入れられる場所でも、Canon APS-Cではその一部分しか入らない場合があります。撮影位置を後ろへ移動できれば対応できますが、展望台や道路脇など立ち位置が限定される場所では構図の自由度が下がります。

Canon APS-Cで135mmを使う場合は、中望遠単焦点という感覚より、200mmを超える望遠画角として考える方が実際の撮影に近くなります。遠景をさらに狭く切り取る用途では強力ですが、風景全体を見せる用途には別の焦点距離が必要です。

センサーサイズによって同じ焦点距離でも画角が変わる仕組みは、画角とは?焦点距離との関係と広角・標準・望遠の違いをわかりやすく解説でも詳しく解説しています。

135mm単焦点を風景で使いこなす考え方

135mmで風景を撮るときは、広角レンズと同じ感覚で景色全体を収めようとすると使いにくく感じます。広い景色の中から写真として成立する部分を探すことが、135mmを生かす基本になります。

山、街、海、森など、どの場所でも目の前には多くの情報があります。その中から、形が整っている部分、光が特徴的な部分、色が集中している部分、前後の重なりがある部分を探します。その小さな範囲を135mmで切り取ることで、一枚の写真として整理できます。

被写体より先に背景を見ると135mmの構図を作りやすい

135mmでは主役だけを見て撮影位置を決めるより、その後ろに何が写るかを先に確認すると構図を作りやすくなります。

一本の木を撮りたい場合、木だけを見てカメラを構えると、後ろに別の木、電柱、建物などが重なることがあります。一度背景だけを確認し、山、空、遠くの木々などがきれいに入る場所を探してから、その位置へ主役を重ねます。

人物撮影でも使われる考え方ですが、風景でも同じです。主役の背景に明るい空を置くのか、暗い山を置くのかによって、主役の輪郭の見え方が変わります。背景に強い色や明るい部分があると、主役よりそちらへ視線が移ることもあります。

135mmでは背景の一部分を大きく写せるため、背景選びが写真の印象へ強く影響します。カメラを左右へ動かし、背景の形や色が最も整理される位置を探します。

ファインダーで写真に入れるものと外すものを決める考え方については、ファインダー越しとは カメラで見える世界と写真表現の意味も参考になります。

70-200mmを持っているなら135mm付近の写真を確認する

135mm単焦点を使う前に、自分がこの画角を好むか確認する方法があります。70-200mmなど135mmを含むズームレンズを持っている場合は、過去の写真の焦点距離を確認します。

100mm前後で撮影することが多い場合、135mm単焦点では少し狭く感じることがあります。逆に150mmから200mm付近を頻繁に使っている場合は、135mmでも比較的自然に構図を作れる可能性があります。

ズームレンズでは撮影中に焦点距離を細かく変えられるため、自分が何mmを使っているか意識しないまま撮影することがあります。撮影データを確認すると、自分が好んで使っている画角が見えてきます。

135mm単焦点へ変えるとズームで調整できなくなるため、構図を変えるには撮影者が移動します。この制限によって、撮影位置と背景の関係をより強く意識するようになります。

70mmから200mmまでの各焦点距離の違いは、70-200mmレンズの使い道|人物・スポーツ・風景を一本で撮る望遠ズーム活用法で比較できます。

135mmは風景用ではないレンズではない

135mm単焦点はポートレートレンズとして知られていますが、用途が人物だけに限定される焦点距離ではありません。風景写真も、必ず広い範囲を一枚へ収める必要はありません。

遠くの山を何層にも重ねる、霧の中から現れた山頂だけを写す、建物を密集して見せる、夕日と鉄塔を重ねる、花畑の一部分だけを画面いっぱいにする、木漏れ日が当たっている場所だけを選ぶといった撮影では、135mmの狭い画角がそのまま利点になります。

広角レンズでは、目の前に広がる空間をどう一枚へまとめるかを考えます。135mmでは、広い空間の中からどの部分を一枚として取り出すかを考えます。同じ場所でも焦点距離が変わると、撮影者が探す被写体も変わります。

135mmを持って歩くと、遠くにある小さな光、色、形を探すようになります。肉眼では景色の一部にすぎなかったものを、画面全体の主役にできることが135mmによる風景撮影の大きな特徴です。

135mmという焦点距離を人物、風景、街角、舞台、動物など幅広い用途から見る場合は、135mm単焦点の使い道 ポートレートから風景まで生かす撮影方法でも詳しく解説しています。

まとめ

135mm単焦点レンズは、広い風景をそのまま一枚へ収めるためのレンズではありません。山、海、湖、街、森、花畑など広い景色の中から必要な部分だけを選び、余計な要素を画面外へ出すことで特徴を発揮します。

一般に圧縮効果と呼ばれる見え方は、焦点距離だけで遠近感が変わる現象ではありません。135mmで主役を同じ大きさに写すために撮影者が後ろへ移動すると、主役と背景までの距離差が相対的に小さくなります。さらに狭い画角で遠くの背景を大きく切り取るため、山、建物、木、花などが前後へ重なった密度の高い写真を作りやすくなります。

風景だから常に絞って撮影する必要もありません。画面全体を鮮明にしたい場面ではF5.6やF8付近を使い、主役だけを浮かび上がらせたい場面では開放付近を使えます。明るい135mm単焦点なら、山や街並みをシャープに切り取る写真から、花や木を前後のボケで包む写真まで、一つの焦点距離で異なる表現を作れます。

手持ちでは狭い画角によって微細な揺れが目立ちやすいため、必要なシャッタースピードを確保します。三脚を使える場面では低ISOで撮影できるだけでなく、山頂、枝、建物、前景などの位置を細かく調整しながら構図を追い込めます。

Canon APS-Cでは135mmが約216mm相当の画角になるため、フルサイズで使う場合よりさらに遠景を大きく切り取る撮影になります。山頂や遠くの建物などには使いやすくなりますが、構図が狭くなりすぎる場面も増えるため、撮影場所との相性が重要です。

135mmで風景を撮るときに最も大切なのは、目の前の景色を全部写そうとしないことです。どの山を残すか、どの建物を重ねるか、どの光を選ぶか、どこを画面から外すかを考えます。広角では気付かなかった景色の一部分を主役へ変えられることが、135mm単焦点を風景撮影へ持ち出す大きな魅力です。

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