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ニコン NIKKOR Z 14-24mm F2.8 SファームウェアVer.1.10公開|変更点・更新方法を解説

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ニコン NIKKOR Z 14-24mm F2.8 SファームウェアVer.1.10公開|変更点・更新方法を解説 ニュース

ニコン NIKKOR Z 14-24mm F2.8 SファームウェアVer.1.10公開|変更点・更新方法を解説

ニコンは2026年10月22日、超広角ズームレンズ「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」の最新ファームウェアVer.1.10を公開しました。従来のVer.1.00からの更新となり、マニュアルフォーカス時のフォーカスリング操作が改善されるほか、対応カメラでフォーカスリングとコントロールリングの役割を入れ換えられるようになります。焦点距離14~24mm、開放F2.8という光学性能を変更する更新ではありませんが、星空、夜景、風景、建築物、動画など、手動でピントを合わせる撮影に関係する内容です。

特に注目したいのは、フォーカスリングを回す速度に左右されないリニアな動作への対応です。電子制御式のフォーカスリングでは、同じ角度だけ回しても操作速度によってピントの移動量が変わることがあり、正確な手動操作を必要とする撮影では扱いにくさにつながります。Ver.1.10では、対応するカメラの設定と組み合わせることで、リングの回転角に応じた予測しやすい操作が可能になります。この記事では、ニコンの正式発表に基づく変更点、撮影への影響、レンズ本来の性能、ファームウェアの更新手順を詳しく解説します。

NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 SのファームウェアVer.1.10とは

2026年10月22日に公開された更新内容

ニコンが公開したNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S用ファームウェアの最新バージョンはVer.1.10です。更新対象は従来のVer.1.00で、ニコンのダウンロードセンターにはレンズ専用のファームウェアファイルが用意されています。変更内容として発表された項目は2つあり、どちらもフォーカスリングとカメラ側の操作設定に関係しています。1つ目は、カメラの「フォーカスリングの角度設定」を「ノンリニア」以外にした場合、手動でピントを合わせる際の動作が回転速度に影響されないリニア方式になることです。2つ目は、カメラのカスタムメニューにある「フォーカス / コントロールリング入れ換え」への対応です。

ニコンは同じ日に「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」の新しいファームウェアも案内していますが、それぞれ独立した更新プログラムです。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sに適用するファイルは、このレンズ専用のものを使用します。また、Z9やZ8といったカメラ本体のファームウェア更新とも区別する必要があり、ボディのバージョンを更新しただけでレンズ内部のファームウェアがVer.1.10へ変わるわけではありません。ニコンのカメラ本体におけるファームウェア更新の例については、ニコンZ6IIIのプリキャプチャーとVer.2.01の変更点でも紹介しています。

レンズを交換せずに操作性を改善する更新

交換レンズのファームウェアは、レンズ内部にある電子制御機構の動作を管理するプログラムです。現在のミラーレス用レンズには、オートフォーカスの駆動制御、カメラとの通信、電子絞り、リング操作など、電子回路によって制御される部分が数多くあります。こうした機構は、光学系や鏡筒を変更しなくても、プログラムの更新によって動作を改善できる場合があります。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 SのVer.1.10も、その特徴を生かした操作系の更新です。

今回の変更点を理解するうえでは、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの役割を分けて考えることが重要です。AFではカメラが被写体や測距位置に応じてピントを制御しますが、MFでは撮影者がリングを動かしてピント位置を決定します。Ver.1.10で明示された改善は、主として後者の操作に関係するものであり、AFの合焦速度や被写体検出性能が向上するという発表はありません。AFとMFの特徴や撮影場面ごとの使い分けについては、AFとMFの違いとは?オートフォーカスとマニュアルフォーカスの使い分けでも詳しく解説しています。

2020年発売の大口径超広角ズームを継続して使う意味

NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sは、2020年10月30日に発売されたニコンZマウント用の大口径超広角ズームレンズです。ZマウントのS-Lineに属し、広い画角と開放F2.8の明るさ、高い解像力を求める撮影者に向けて開発されました。発売から年月が経過しても、14mmから始まる焦点距離や小型軽量化された鏡筒など、レンズの基本的な特徴は変わっていません。ファームウェア更新によって操作上の対応範囲が広がることは、既存のレンズを使い続けるうえで意味があります。

ニコンのレンズシステムは、長く使用されてきたFマウントから、ミラーレスカメラ向けのZマウントへ移行しました。Fマウントの古いレンズには機械的な操作を中心とする製品が多く存在しますが、Zマウントの電子制御式レンズでは、カメラ側の設定とレンズ側の制御を組み合わせる操作が増えています。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sの更新は、そのようなZマウントシステムの特徴を示す事例です。FマウントとZマウントの仕組みや世代ごとの違いは、ニコンFマウントからZマウントまでの歴史で紹介しています。

リニアフォーカス対応で何が変わるのか

ノンリニアとリニアの動作の違い

電子制御式のフォーカスリングでは、リングの動きを電子信号として読み取り、レンズ内部のフォーカス機構を駆動します。このとき、ノンリニア方式ではリングを動かす速度によってピントの移動量が変化するため、ゆっくり回した場合と素早く回した場合で操作感が異なります。素早く大きくピントを移動したいときには便利ですが、同じ角度だけ回す操作を繰り返したい撮影では、速度による違いを意識する必要があります。特に動画で一定の距離間をピント送りする場合や、静止した被写体へ細かくピントを合わせる場合には、この特性が作業に影響します。

リニア方式では、フォーカスリングを回す速さにかかわらず、回転角に応じてピント位置が変化します。例えば、ある位置から一定の角度だけリングを回す操作を行う場合、ゆっくり回しても速く回しても、移動量の関係をそろえやすくなります。Ver.1.10では、カメラの「フォーカスリングの角度設定」で「ノンリニア」以外を選んだ際、このリニアな動作に対応します。ピント操作の精度が写真の仕上がりにどのように関係するかについては、ピントが作品力を左右する 写真表現を変える焦点操作の実践知識でも取り上げています。

フォーカスリングの角度設定とカメラ側の対応

リニアフォーカスを利用するには、レンズをVer.1.10へ更新することに加え、装着するカメラが対応する設定を備えていることが関係します。ニコンが示した条件は、カスタムメニューの「フォーカスリングの角度設定」を「ノンリニア」以外にすることです。これは、ファームウェアを更新しただけですべての撮影状態が自動的に同じ操作感へ切り替わるという意味ではありません。カメラ側で設定できる項目や操作方法はボディの機種、ファームウェア、撮影モードなどによって変わるため、使用する組み合わせを基準に考える必要があります。

リングの回転角に対する操作感は、撮影者の好みや撮影目的とも関係します。大きくピント位置を変えながら被写体を探す場面では、少ない操作で移動させやすい設定を選びたい場合があります。一方、微細なピント位置を何度も調整する撮影では、指の動きに対して予測しやすく反応する設定が役立ちます。カメラ側のカスタムメニューを通じて操作性を調整できるという点では、Nikon Zf完全ガイドで取り上げているニコンZシリーズの操作体系とも共通する考え方です。

フォーカスリングとコントロールリングの役割を入れ換えられる

Ver.1.10のもう1つの変更点は、対応カメラの「フォーカス / コントロールリング入れ換え」機能に対応したことです。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sには、ピントを手動で調整するフォーカスリングと、カメラ側の設定によって機能を割り当てられるコントロールリングがあります。ニコンの製品案内では、コントロールリングに絞り値、露出補正、ISO感度などを割り当てられることが紹介されています。レンズに備わるリングをどの役割で使うか調整できるため、撮影時の操作方法を自分の使い方に合わせやすくなります。

例えば、三脚撮影でピントを細かく調整する人と、動画撮影で露出に関係する設定を頻繁に変更する人では、リング操作の優先順位が異なります。また、複数のレンズを使用するときは、操作するリングの位置や機能の違いによって、持ち替えた際に戸惑うことがあります。対応するカメラでリングの役割を入れ換えられれば、操作位置を統一するという使い方も考えられます。リングによる露出操作の考え方については、メーカーごとの操作体系の違いも含めて、Canonコントロールリングの使い方で解説しています。

星空・風景・夜景・動画撮影への影響

星空撮影では細かなピント調整を繰り返しやすい

星空撮影は、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sとリニアフォーカスの組み合わせを考えるうえで重要な用途です。夜空の星は非常に遠く、画面上では小さな点として写るため、わずかなピントのずれでも星像が大きくなったり、輪郭が不鮮明になったりします。カメラのAFでは星を十分に認識できない場合があるため、明るい星を拡大表示し、MFで確認しながら調整する撮影方法が利用されます。このような操作では、リングをゆっくり動かしたときの反応が把握しやすいことが重要です。

リニア方式では、リングの回転角とピント位置の関係を予測しやすくなるため、行き過ぎたピントを少し戻す操作や、複数回の微調整を行う作業に向いています。例えば、明るい星を拡大して最も小さく見える位置を探す場合、少しずつリングを動かして星像の変化を確認できます。ただし、実際の合焦状態は液晶画面の表示倍率や撮影条件によっても判断する必要があり、リニア設定だけで星へのピントが自動的に合うわけではありません。星空撮影に適した高画素カメラやレンズの組み合わせについては、天体写真におすすめの高画素機ランキングでも紹介しています。

夜景や建築物ではピント位置を明確に管理できる

都市夜景では、近くの歩道や橋の欄干から、遠くの高層ビル、さらに背景の空まで、異なる距離の被写体が1つの画面に入ります。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sのような超広角レンズでは被写界深度を利用しやすい一方、近景を大きく配置する構図ではピントを置く位置が重要になります。遠くの建物だけにピントを合わせる場合と、手前の石畳や建築物の装飾も鮮明に写したい場合では、適切な撮影距離や絞りの選び方が変わります。そのため、構図を決めてからピント位置を細かく調整する作業が生じます。

建築写真でも、柱や窓枠、壁面の模様など細部の描写を重視する場合には、拡大表示によるピントの確認が役立ちます。特に三脚を使って撮影する場面では、カメラを固定したままMFで調整し、意図した部分が鮮明になっているか確認できます。リニアフォーカスは、このような落ち着いた撮影でリング操作の再現性を高める方向の機能です。高画素カメラで都市風景や夜景を撮影する際の考え方については、都市風景・夜景におすすめの高画素機ランキングでも解説しています。

動画では一定のピント送りを行いやすくなる

動画撮影では、撮影の途中で手前の被写体から奥の被写体へピントを移動させる表現があります。例えば、室内で机の上の小物にピントを合わせた状態から、背景にある窓や人物へゆっくりピントを移動させれば、画面内で注目させる対象を変えられます。このようなピント送りでは、単に最終的な合焦位置が合っているだけでなく、途中の動きが不自然にならないことも大切です。操作速度によって移動量が変わるノンリニア方式では、一定の動きを繰り返すために操作感へ慣れる必要があります。

リニア方式では、リングをどの角度まで動かすかを基準にピント移動を考えやすくなります。三脚にカメラを固定し、被写体の位置を決めてからピント送りの範囲を確認すると、同じ構図で複数回撮影する際にも操作をそろえやすくなります。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sは、ニコンがフォーカスブリージングの抑制や静粛な駆動にも配慮したレンズとして紹介しており、MF操作に関する更新は動画用途との関係も深いものです。動画におけるAFとMFの使い分けや意図的なピント移動については、マクロレンズで動画撮影する方法でも取り上げています。

NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sの基本性能と特徴

14~24mm・開放F2.8の大口径超広角ズーム

NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sは、ニコンZマウントに対応するFXフォーマット用の超広角ズームレンズです。焦点距離は14~24mmで、ズーム全域において開放F値2.8を利用できます。FXフォーマット使用時の画角は114~84度となり、広大な風景、建築物の外観、室内、星空などを広く収められます。DXフォーマットで使用する場合は撮像範囲が狭くなるため、同じレンズを装着していてもFXフォーマットとは写る範囲が変わります。

14mm側では、標準ズームの広角端である24mmよりも大幅に広い範囲を写せます。大きな建築物の近くから全体を収めたい場合や、山岳風景で手前の岩から遠方の稜線まで広がりを表現したい場合に、この画角が生きます。一方、24mm側までズームできるため、14mmでは周辺に入り込みやすい不要なものを画面外へ整理し、主題をより大きく見せることもできます。風景撮影における高画素カメラと広角レンズの組み合わせについては、風景写真におすすめの高画素機ランキングでも紹介しています。

高い解像力を目指した光学設計と約650gの質量

レンズ構成は11群16枚で、EDレンズ4枚と非球面レンズ3枚を採用しています。ニコン独自のナノクリスタルコートとアルネオコートも使用され、逆光や夜間の強い光源によるフレア、ゴーストを抑える設計です。最前面にはフッ素コートが施されており、汚れの付着を抑え、清掃しやすさにも配慮されています。開放F2.8という明るさと14mmからの超広角を両立しながら、質量を約650gに抑えていることも特徴です。

高画素カメラでは、レンズの画面周辺までの解像力や、点光源の描写、色収差の補正が写真に表れやすくなります。夜景では街灯や建物の照明、星空では画面周辺の星像などが確認しやすい評価対象です。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sは、そのような撮影にも対応する高性能なS-Lineレンズとして開発されています。高画素センサーの特性やZマウントレンズとの組み合わせについては、ニコンZ7IIの高画素性能を徹底解説でも詳しく取り上げています。

最短撮影距離28cmと前後のフィルター装着機構

NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sの最短撮影距離は、ズーム全域で撮像面から0.28mです。最大撮影倍率は24mm時に0.13倍となり、超広角の画角を生かしながら手前の被写体へ近づく撮影ができます。例えば、花や岩、室内の小物などを前景に大きく配置し、その背後に広い風景や室内空間を収める構図に利用できます。近くの被写体ほど画面内で大きく写るため、広角特有の遠近感を生かした表現にも向いています。

フィルターへの対応も、このレンズの重要な特徴です。付属のバヨネットフードHB-97を装着した場合には、前面に112mmのねじ込み式フィルターを使用できます。また、レンズ後部にもシートタイプのフィルターを取り付けるための枠が備わっており、用途に応じて装着方法を選べます。超広角撮影における焦点距離の使い分けや前景の配置については、20mm単焦点の使い道 風景・星空・建築を広く写す撮影方法でも解説しています。

ファームウェアVer.1.10への更新手順

更新前に現在のレンズファームウェアを確認する

ファームウェア更新の前には、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sをニコンの対応カメラへ装着し、現在のバージョンを確認します。ニコンが案内している方法は、カメラの電源を入れ、MENUボタンから「セットアップメニュー」を開き、「ファームウェアバージョン」を選択するというものです。この画面にはカメラ本体のバージョンとともに、装着しているレンズのファームウェアバージョンも表示されます。レンズがVer.1.00であればVer.1.10への更新対象となり、すでにVer.1.10の場合は更新する必要がありません。

レンズのファームウェアは、カメラ本体のファームウェアと区別して確認します。複数のレンズを使っている場合も、装着しているレンズごとに表示される情報を確認することが基本です。また、同じファームウェア更新という名称でも、カメラ本体の更新とレンズの更新では対象機器や手順が異なる場合があります。交換レンズの更新によって対応機能が追加された別の例として、OM SYSTEM望遠ズーム3本のファームウェア更新でもレンズとボディの関係を紹介しています。

専用ファイルをダウンロードしてメモリーカードへコピーする

ニコンのダウンロードセンターで公開されているNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S用ファームウェアVer.1.10のファイル名は「MLZ14_24F28S0110.bin」です。ファイルサイズは約851.79KBで、このレンズ専用の更新データとして提供されています。更新には、パソコン、カメラで使用するメモリーカード、そのメモリーカードを読み込めるカードリーダーが必要です。メモリーカードは、事前に使用するカメラでフォーマットしたものを使用します。

ファームウェアファイルの保存場所には注意が必要です。ニコンは、ダウンロードしたファイルをメモリーカードのルートディレクトリ、つまり一番上の階層へコピーするよう案内しています。カード内に新しいフォルダーを作り、その中へファイルを入れた場合には、カメラが更新データを認識できません。また、別のNIKKORレンズ用ファイルやカメラ本体用ファイルを混同しないよう、ファイル名と対象製品の一致を確認することが重要です。メーカーや機種によってファームウェアの配布方法が異なる例として、LUMIX S9・S1RII・S1II・S1IIEファームウェア更新も参考になります。

カメラから更新を実行してVer.1.10を確認する

ファイルをコピーしたメモリーカードをカメラへ挿入し、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sを装着した状態で電源を入れます。続いて「セットアップメニュー」の「ファームウェアバージョン」を選び、画面の案内に従って更新を実行します。ニコンがファームウェア更新に使用できる機種として案内しているのは、対応するZシリーズとZ CINEMAシリーズのニコン製カメラです。更新中にはレンズが駆動する場合があるため、カメラを安定した場所に置き、処理が終わるまで電源やメモリーカードをそのままにします。

更新終了のメッセージが表示されたら、カメラの電源を切ってメモリーカードを取り出します。その後、レンズを装着した状態で再び「ファームウェアバージョン」を表示し、レンズのバージョンがVer.1.10になっていることを確認します。ここまでがニコンの案内する基本的な更新手順です。カメラのメニュー操作やピント合わせの基本を含む撮影設定については、写真の撮り方を基本から解説でも紹介しています。

更新後に確認したい操作と対応機能

マニュアルフォーカスの動作を確認する

Ver.1.10への更新後は、対応カメラの「フォーカスリングの角度設定」を確認し、MFでフォーカスリングを操作したときの動きを確かめます。リニア設定を利用する場合には、リングをゆっくり動かしたときと、速く動かしたときのピント移動を比較すると、更新内容を理解しやすくなります。例えば、三脚に固定したカメラで近景と遠景の位置関係が分かる構図を作り、同じ程度の回転角でピントがどのように移動するか確認できます。撮影距離の変化は、拡大表示やレンズ情報パネルなど、使用する機材で利用できる表示を組み合わせて把握できます。

また、超広角レンズは遠距離の被写体が比較的広い範囲で鮮明に見えるため、ピントの変化が小さい場合には画面全体を見ただけで判断しにくいことがあります。近くにある文字や模様など、ピント位置の変化を確認しやすい被写体を選ぶと、リング操作と合焦位置の関係を把握しやすくなります。実際の撮影では、MFによる微調整とAFによる素早いピント合わせを目的に応じて使い分けることになります。ニコンZシリーズのカメラ機能と操作方法を確認する記事としては、Nikon Zf完全ガイドも掲載しています。

リング入れ換え機能とフォーカスリミッターを区別する

Ver.1.10で対応した「フォーカス / コントロールリング入れ換え」は、レンズにあるリングの操作上の役割を切り替えるための機能です。これに対して、フォーカスリミッターはAFでピントを合わせる距離範囲を制限する機能であり、目的も仕組みも異なります。ニコンが2026年10月21日に更新した公式Q&Aでは、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sはフォーカスリミッター設定に対応していないレンズとして挙げられています。Z8のファームウェアVer.3.00以降など、フォーカスリミッター設定を搭載したカメラとの組み合わせについても、非対応であることが示されています。

したがって、Ver.1.10でフォーカスリングの動作が改善されることと、AFの距離制限機能が使えることは分けて理解する必要があります。レンズの名称に「フォーカス」という言葉が付く機能が複数あるため、更新内容を確認するときには機能名だけでなく、カメラ側のメニュー項目まで確認することが大切です。今回のレンズ更新で発表されたのは、リニアなMF操作とリングの役割入れ換えへの対応です。AFの機能とMFの操作方法の違いについては、AFとMFの違いとは?オートフォーカスとマニュアルフォーカスの使い分けでも整理しています。

光学性能やAF性能に関する変更は発表されていない

ニコンのVer.1.10変更内容には、光学性能そのものの変更は記載されていません。焦点距離14~24mm、開放F2.8、最短撮影距離0.28m、約650gという基本仕様は、従来の製品仕様のままです。また、AFの合焦速度、被写体検出性能、連写性能、手ブレ補正性能などが向上するという発表もありません。更新内容の中心は、電子制御されたフォーカスリングとコントロールリングの操作に関係する部分です。

この点は、ファームウェア更新によって撮影結果がどのように変わるのかを考える際に重要です。リニアフォーカスによってMF操作がしやすくなることは、狙った位置へピントを合わせる作業を助けますが、レンズの解像力や周辺減光などの光学特性が新しくなることを意味しません。NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sが備える高い光学性能を、撮影者がより扱いやすくするための更新として位置付けられます。レンズの描写性能とカメラの高画素性能との関係については、建築写真におすすめの高画素カメラランキングでも詳しく解説しています。

まとめ

ニコンが2026年10月22日に公開したNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S用ファームウェアVer.1.10は、マニュアルフォーカス時の操作性を改善する更新です。主な変更点は、「フォーカスリングの角度設定」を「ノンリニア」以外にした際のリニア動作への対応と、「フォーカス / コントロールリング入れ換え」への対応の2つです。特にリニアフォーカスは、フォーカスリングを回す速さに左右されず、回転角に応じてピントを移動させられるため、精密なMF操作や動画のピント送りに関係します。

NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sは、14mmからの超広角と開放F2.8の明るさを兼ね備え、星空、風景、都市夜景、建築物などに幅広く活用できるS-Lineレンズです。Ver.1.10によって光学仕様が変わることはありませんが、対応するカメラとの組み合わせで操作設定の自由度が広がります。更新は専用ファイル「MLZ14_24F28S0110.bin」をメモリーカードの一番上の階層へコピーし、カメラのファームウェアメニューから実行する方式です。更新後にレンズのバージョンがVer.1.10と表示されることを確認すれば、新しい操作機能を利用する準備が整います。

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