RF20-50mm F4 L IS USM PZでポートレートは撮れる?20mm・35mm・50mmの使い分け
RF20-50mm F4 L IS USM PZは、広角20mmから標準50mmまでをカバーするキヤノンのLズームレンズです。パワーズームを内蔵しているため動画向けの印象が強いレンズですが、静止画のポートレートでも20mm、35mm、50mmを使い分けることで幅広い表現ができます。
人物を自然な大きさで写したい場合は50mm、人物と周囲の環境を一緒に見せたい場合は35mm、広い背景や遠近感まで積極的に使いたい場合は20mmという使い分けができます。
開放F値はズーム全域でF4なので、F1.2やF1.8の単焦点レンズほど大きな背景ボケを作るレンズではありません。その代わり、人物だけでなく撮影場所まで写真の中へ残しやすく、旅行、街歩き、イベント、室内などでは使いやすいポートレートレンズになります。
この記事では、RF20-50mm F4 L IS USM PZをポートレートで使った場合の特徴を、20mm、35mm、50mmそれぞれの画角、F4のボケ、撮影距離、RF45mm F1.2 STMとの違いから解説します。
RF20-50mm F4 L IS USM PZはポートレートに使える
- 20mmから50mmまで人物写真の印象を変えられる
- F4でも人物と背景の距離を取ればボケを作れる
- 人物と撮影場所を一緒に残すポートレートに向いている
50mmなら自然な人物ポートレートを撮りやすい
RF20-50mm F4 L IS USM PZで一般的なポートレートを撮るなら、まず50mmから使うと分かりやすくなります。
50mmはフルサイズでは標準域にあたり、人物の顔や身体を極端に誇張せず、自然な印象で撮影しやすい焦点距離です。全身、半身、上半身など、撮影者が前後へ移動することで幅広い構図を作れます。
キヤノン公式のRF20-50mm F4 L IS USM PZ撮影サンプルでも、50mm F4を使ったポートレートが掲載されています。つまり、このレンズは動画撮影だけを想定したものではなく、キヤノン自身も50mm側を人物撮影に利用しています。
F4なので、50mm F1.2やF1.8ほど被写界深度を浅くすることはできません。それでも人物と背景の距離を十分に取れば、背景を柔らかくぼかして人物を目立たせることはできます。
例えば公園で人物の後ろに遠くの木々を配置したり、街中で背景の建物を離したりすると、F4でも背景は自然にぼけます。人物へ近づいて上半身を撮れば、全身撮影より背景ボケも大きくなります。
F4は背景を残すポートレートと相性がいい
ポートレートでは、背景を大きくぼかすほど良いとは限りません。
旅行先、観光地、街中、カフェ、イベントなどでは、人物だけでなく「どこで撮った写真なのか」を残したい場面があります。RF20-50mm F4 L IS USM PZは、こうした背景を生かした人物写真に向いています。
F4なら人物へピントを合わせながら、背景の形や色をある程度残せます。例えば桜並木なら桜と分かる程度に背景を残し、夜の街なら看板や照明の雰囲気を残しながら人物を撮影できます。
背景を完全に消して人物だけを浮かせる写真なら大口径単焦点が有利ですが、人物と場所を一つの写真として見せるならF4の方が扱いやすい場合があります。
20mmから50mmまでズームできることも大きな利点です。同じ場所で、最初は50mmで人物を中心に撮り、そのあと35mmや20mmへ広げて場所全体を含めた写真を撮れます。
一本のレンズで人物のアップから環境を含めたポートレートまで変化を付けられることが、RF20-50mm F4 L IS USM PZの特徴です。
最短0.24mで人物以外のカットも撮りやすい
RF20-50mm F4 L IS USM PZは最短撮影距離0.24mで、50mm時には最大撮影倍率0.33倍まで対応します。
ポートレート撮影では人物だけを撮るとは限りません。手元、アクセサリー、靴、バッグ、料理、花などを途中で撮影すると、写真全体の構成に変化を付けられます。
50mmで0.24mまで近づけるため、人物が身につけている小物を大きく撮ったり、カフェで人物撮影の合間に料理を撮ったりできます。
旅行中なら人物、建物、料理、小物を一本のレンズで撮影できます。ポートレート専用レンズとして考えるのではなく、人物撮影を中心とした一日の撮影を一本で処理できるズームとして見ると、この近接性能が生きます。
質量は約420gで、20mmから50mmのF4通しLレンズとしては比較的取り回しやすいサイズです。ズームしてもレンズ全長が変わらないため、撮影中の重量バランスも変化しにくくなっています。
20mm・35mm・50mmでポートレートはどう変わるか
- 20mmは背景と遠近感を大胆に取り込める
- 35mmは人物と環境のバランスを作りやすい
- 50mmは人物を自然に見せやすい
20mmは背景を主役の一部として使う
20mmで人物を撮影すると、人物だけでなく周囲の景色を大きく取り込めます。
海、山、建築物、街並み、室内など、「この場所で撮った」という情報を強く見せたい場合に使いやすい焦点距離です。
キヤノン公式の撮影サンプルにも20mm F4を使用したポートレートがあります。広い背景の中へ人物を配置することで、50mmとはまったく異なる写真になります。
20mmでは遠近感が強く表れやすいため、人物へ近づきすぎると顔や身体の手前側が大きく見えることがあります。顔のアップを撮る焦点距離として使うより、人物から少し距離を取り、全身と背景を一緒に構成する方が使いやすくなります。
また、画面の端に人物を配置すると身体が引き伸ばされたように見える場合があります。人物を中央付近へ置き、周囲の背景を使って構図を作ると、20mmの特徴を生かしやすくなります。
低い位置から撮れば空や建物を大きく入れたダイナミックな人物写真も作れます。20mmは人物だけを見るのではなく、背景との組み合わせで使う焦点距離です。
35mmは人物と背景のバランスが取りやすい
35mm前後は環境を含めたポートレートで非常に使いやすい画角です。
20mmほど広角表現が強くならず、50mmほど人物中心にもなりません。人物と背景を同時に見せたい場面で、両者のバランスを取りやすくなります。
例えば街中なら人物の全身と店舗や道路を一緒に入れ、旅行先なら人物と観光地を自然な割合で配置できます。室内でも50mmでは後ろへ下がれない場所で、35mmなら全身や複数人を画面へ収めやすくなります。
人物へ極端に近づかなければ、20mmほど遠近感の影響も目立ちません。顔の形を自然に保ちながら背景を広く入れたい場合には、ズームリングを30~40mm付近へ合わせると使いやすくなります。
RF20-50mm F4 L IS USM PZには35mmの目盛りだけを使う必要はありません。人物の大きさと背景の入り方を見ながら、30mm、32mm、38mmなど細かく調整できることがズームレンズの利点です。
人物を撮りながら「背景をもう少し入れたい」と感じたら広角側へ、「人物をもう少し大きくしたい」と感じたら50mm側へ動かせます。
50mmは人物そのものを見せたいときに使う
50mm側では20mmや35mmより画角が狭くなり、背景に入る範囲も少なくなります。
そのため、人物を写真の中心として見せたいときに使いやすくなります。
全身撮影では人物と背景を適度に整理でき、半身や上半身へ近づけば背景ボケも大きくなります。人物の表情を中心に撮りたい場合には、まず50mmへ合わせて撮影位置を決める方法が分かりやすくなります。
50mmは85mmのような中望遠ほど撮影距離を必要としないため、公園や街中でも使いやすい焦点距離です。人物と会話できる程度の距離を保ちながら撮影できます。
RF20-50mm F4 L IS USM PZは50mmで終わるため、70mmや85mmのように遠くから背景を大きくぼかす撮影には向きません。その代わり20mmまで広げられるため、一つの場所で人物写真の見せ方を大きく変えられます。
RF20-50mm F4と大口径単焦点はどう使い分けるか
- 大きなボケを最優先するなら単焦点が有利
- 一つの場所で構図を変えるならRF20-50mmが便利
- 動画と静止画を両方撮る用途ではRF20-50mmが強い
RF45mm F1.2 STMとの違いはボケと自由度
標準域でポートレートを撮るレンズとして考えると、RF45mm F1.2 STMはRF20-50mm F4 L IS USM PZとは対照的な選択肢です。
RF45mm F1.2 STMはF1.2を使えるため、背景を大きくぼかし、人物を背景から浮かせる写真に向いています。暗い場所でもF4より速いシャッタースピードを確保しやすくなります。
一方、焦点距離は45mm固定です。構図を変えるには撮影者自身が移動する必要があります。
RF20-50mmなら同じ位置から20mm、35mm、50mmへ画角を変更できます。人物のアップを撮った直後に、背景まで広く入れた全身写真へ切り替えることができます。
つまり、RF45mm F1.2 STMは「ボケと明るさ」、RF20-50mm F4 L IS USM PZは「構図の自由度」が強みです。
RF45mm F1.2 STMとRF50mm F1.8 STMの比較では、大口径標準単焦点を選ぶ場合の違いも詳しく紹介しています。
旅行や街歩きではRF20-50mmの使いやすさが生きる
旅行や街歩きの人物撮影では、撮影場所によって必要な画角が頻繁に変わります。
狭い室内では20mm、街中では35mm、人物を中心に見せたい場面では50mmというように、その場で焦点距離を変更できます。
単焦点レンズでは、焦点距離が合わない場所でレンズ交換が必要になることがあります。RF20-50mmなら一本で対応できるため、撮影の流れを止めにくくなります。
20mm始まりであることも大きな特徴です。一般的な24-70mmや24-105mmでは入らない範囲まで写せるため、狭い室内、大きな建築物、観光地などで人物と背景を一緒に撮影しやすくなります。
望遠側が50mmまでなので、遠くにいる人物を大きく撮る用途には向きません。人物との距離を比較的近く保ちながら撮る旅行、街歩き、日常撮影との相性が良いレンズです。
動画と静止画を同じレンズで撮るなら強い
RF20-50mm F4 L IS USM PZは、フルサイズ対応RFレンズとして初めてパワーズームを内蔵しています。
ポートレート撮影の途中で動画も撮影する場合、静止画用と動画用でレンズを交換する必要がありません。
静止画では20mmから50mmの画角を使い分け、動画ではパワーズームを使って滑らかに画角を変化させられます。ズーム時にレンズ全長が変化しないため、ジンバルを利用する場合にも重量バランスを維持しやすくなります。
AFにはナノUSMを採用し、静止画では高速で高精度なAF、動画では静かで滑らかなAF動作を狙った設計になっています。
人物写真だけを撮るなら大口径単焦点や70-200mmなど別の選択肢があります。写真と動画を同じ撮影で扱い、人物、場所、商品、風景まで一本で撮影したい場合にはRF20-50mm F4 L IS USM PZの特徴が生きます。
レンズ全体の動画性能については、RF20-50mm F4 L IS USM PZは動画時代の標準ズームか?で詳しく紹介しています。
まとめ
RF20-50mm F4 L IS USM PZは、ポートレート専用レンズではありませんが、人物撮影でも十分に使える標準ズームです。
50mmでは自然な人物写真、35mm前後では人物と背景をバランスよく配置した環境ポートレート、20mmでは広い景色や建築物まで取り込んだダイナミックな人物写真を撮影できます。
開放F値はF4なので、RF45mm F1.2 STMやRF50mm F1.8 STMのような大口径単焦点ほど背景を大きくぼかすことはできません。一方、人物と撮影場所を一緒に残す写真では、F4と20-50mmの画角が使いやすくなります。
最短撮影距離0.24m、50mm時最大撮影倍率0.33倍にも対応しているため、人物だけでなく小物や料理なども撮影できます。
大きなボケを最優先するなら単焦点、一本で人物写真の構図を変えながら旅行、街歩き、動画まで撮影するならRF20-50mm F4 L IS USM PZという選び方が分かりやすくなります。



