EOS RPにストロボは必要?内蔵フラッシュの有無・おすすめスピードライトと設定方法
EOS RPのストロボ撮影を解説。内蔵フラッシュの有無、対応スピードライト、E-TTLII、1/180秒の同調速度、バウンス撮影、人物・室内・商品撮影の設定、EL-5・EL-10非対応の注意点までまとめます。初心者に分かりやすく紹介します。
本文
Canon EOS RPで室内や人物を撮影していると、「暗い場所ではストロボを使った方がいいのか」「EOS RPには内蔵フラッシュがないのか」「どのスピードライトを買えば使えるのか」と迷うことがあります。
EOS RPには内蔵ストロボがありません。そのため、ストロボ光を使いたい場合はアクセサリーシューへ外付けのスピードライトを装着します。
EOS RPはE-TTL II自動調光に対応しており、対応するCanon EL/EXシリーズのスピードライトを使用できます。カメラが被写体の明るさを測り、必要な発光量を自動で調節してくれるため、外部ストロボを初めて使う場合でも始めやすい構成です。
一方、Canonのスピードライトなら新しい機種をどれでも使えるわけではありません。EOS RPは従来型のアクセサリーシューを搭載しているため、マルチアクセサリーシュー専用のEL-5やEL-10には対応していません。
この記事では、EOS RPのストロボ対応、内蔵フラッシュの有無、おすすめしやすいスピードライト、1/180秒の同調速度、バウンス撮影、人物・商品・室内撮影の設定まで詳しく解説します。
EOS RPそのものの基本設定を先に確認したい場合は、EOS RPのおすすめ設定を用途別に解説した記事もあわせてご覧ください。
EOS RPには内蔵ストロボがない
- EOS RPは内蔵フラッシュを搭載していない
- ストロボ撮影には外付けスピードライトを使用する
- 内蔵ストロボがないことには小型化以外の意味もある
EOS RPは内蔵フラッシュ非搭載
EOS RPには、EOS Kissシリーズの一部などに搭載されているポップアップ式の内蔵ストロボがありません。
暗い場所でフラッシュを使用したい場合は、カメラ上部のアクセサリーシューへ外付けストロボを取り付けます。
EOS RPは約485gの小型軽量なフルサイズミラーレスとして設計されています。大型のペンタ部を持つ一眼レフと比べてボディをコンパクトにまとめており、ストロボも撮影者が必要に応じて追加する構成です。
内蔵ストロボがないため、購入直後のEOS RPだけでは暗い場所へ自動的にフラッシュを発光させることはできません。
その代わり、外付けスピードライトを使用すると、内蔵ストロボでは難しい大光量撮影、天井バウンス、左右バウンス、ワイヤレス撮影などを利用できます。
EOS RPの小型軽量性やカメラとしての特徴については、EOS RPを実用機として使うメリットと弱点でも詳しく解説しています。
暗い場所でも必ずストロボが必要なわけではない
EOS RPに内蔵ストロボがないからといって、夜間や室内では必ず外付けストロボが必要になるわけではありません。
EOS RPはフルサイズセンサーを搭載しており、ISO感度を上げたり、F1.8やF2などの明るいレンズを使ったりすることで、自然光だけでも撮影できる場面があります。
例えば夜の街並み、イルミネーション、店内の雰囲気などは、ストロボを発光すると周囲の光の印象が失われる場合があります。そのような撮影ではISO感度を上げ、明るいレンズを使って自然光を残す方が写真の雰囲気を表現できます。
ストロボが有効なのは、人物の顔を明るくしたい、逆光で人物が暗くなる、商品へ一定の光を当てたい、室内照明だけではシャッタースピードを確保できない、といった場面です。
つまり「暗いからストロボ」ではなく、「被写体へどのような光を当てたいか」で判断します。
EOS RPで暗所撮影を行う場合の基本設定は、EOS RPのおすすめ設定でもISO感度やシャッタースピードとあわせて紹介しています。
外付けストロボだからできる撮影がある
外付けストロボの大きな利点は、単純に内蔵ストロボより明るいことだけではありません。
発光部の向きを変更できるスピードライトなら、天井や壁へ光を当て、反射した柔らかい光で人物や商品を照らせます。これをバウンス撮影と呼びます。
カメラ正面から直接光を当てると、人物の顔が平面的に見えたり、背景へ濃い影が出たりすることがあります。天井へバウンスすると広い面から光が戻ってくるため、自然な室内照明に近い柔らかな光を作れます。
さらに対応ストロボでは、カメラから離した位置へストロボを置くオフカメラ撮影も可能です。被写体の斜め前や横から光を当てれば、立体感のある写真を作れます。
外付けストロボは「暗い場所を明るくする部品」だけではなく、光の方向、硬さ、明暗差を撮影者が調整するための撮影機材です。
EOS RPで使用できるストロボ
- EOS RPはE-TTL II対応のEL/EXスピードライトを使用できる
- 430EX III-RTやEL-100など従来シュー対応機を選べる
- EL-5とEL-10はEOS RPでは使用できない
EOS RPはEL/EXシリーズのE-TTL IIに対応
EOS RPの外部ストロボは、Canon ELシリーズおよびEXシリーズの対応スピードライトを使用できます。
調光方式はE-TTL II自動調光です。
E-TTL IIでは、シャッターを切る直前にプリ発光を行い、カメラが被写体から返ってきた光を測定して本発光量を決定します。撮影者が毎回ストロボの発光量を手動計算しなくても、カメラとスピードライトが自動で明るさを調節します。
例えば室内人物撮影で被写体との距離が少し変化しても、E-TTL IIを使えば発光量が自動的に調整されます。
もちろん必要に応じてストロボ調光補正も利用できます。EOS RPではストロボ調光補正を±3段の範囲で設定できるため、E-TTL IIで撮影した結果が明るすぎる場合はマイナス、暗ければプラスへ調整できます。
露出そのものの考え方は、EOS RPのシャッタースピード設定もあわせて確認すると理解しやすくなります。
EOS RPで選びやすいスピードライト
EOS RP用として選びやすいCanon純正スピードライトには、EL-100、430EX III-RT、EL-1(Ver.2)などがあります。
| スピードライト | 特徴 | EOS RP | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| EL-100 | 小型軽量・バウンス対応 | 使用可能 | 家庭・旅行・人物 |
| 430EX III-RT | GN43・電波通信対応 | 使用可能 | 人物・イベント・商品 |
| EL-1(Ver.2) | GN58・高速チャージ・大光量 | 使用可能 | 本格的な人物・イベント撮影 |
| EL-5 | マルチアクセサリーシュー専用 | 使用不可 | ― |
| EL-10 | マルチアクセサリーシュー専用 | 使用不可 | ― |
EOS RPの小型軽量性を維持したい場合はEL-100が組み合わせやすくなります。発光部を天井や左右へ向けられるため、室内でのバウンス撮影を気軽に始められます。
人物、イベント、商品撮影など幅広く使う場合は430EX III-RTが扱いやすい選択肢です。EL-100より光量に余裕があり、電波通信によるワイヤレス機能にも対応しています。
大量撮影や大光量を必要とする場合はEL-1(Ver.2)が候補になります。EOS RPにも正式対応していますが、EOS RP本体との価格バランスまで考えると用途を明確にしたうえで選ぶ機種です。
EL-5とEL-10はEOS RPには対応しない
ここはEOS RP用ストロボを選ぶ際に特に注意したい部分です。
Canonの比較的新しいスピードライトであるEL-5とEL-10は、マルチアクセサリーシューを搭載したEOS Rシリーズ向けです。
EOS RPは従来型のアクセサリーシューを搭載しているため、EL-5とEL-10には対応していません。
「新しいCanon純正ストロボだからEOS RPでも使える」と考えて購入すると、装着規格が合わないことがあります。
EOS RPと同じ世代のEOS R、EOS R5、EOS R6なども従来型アクセサリーシューを採用しているため、ストロボ選びではカメラの発売時期だけでなくアクセサリーシューの種類を確認する必要があります。
EOS RPではEL-100、430EX III-RT、600EX II-RT、EL-1系など、従来型アクセサリーシューでE-TTL IIに対応する製品を中心に考えると分かりやすくなります。
EOS RPのストロボ同調速度は1/180秒
- 通常のストロボ同調最高速度は1/180秒
- 速いシャッタースピードではハイスピードシンクロを使う
- シャッタースピードは背景光の明るさにも影響する
通常発光では1/180秒を基準にする
EOS RPのストロボ同調最高シャッタースピードは1/180秒です。
通常のストロボ発光でマニュアル露出を使う場合は、1/180秒以下のシャッタースピードを設定します。
ストロボは非常に短い時間だけ発光しますが、カメラのフォーカルプレーンシャッターは高速になるほど先幕と後幕の間にできる隙間が狭くなります。通常発光で同調速度を超えると、センサー全体へ一度に光を当てられません。
EOS RPではその境界となる最高同調速度が1/180秒です。
人物撮影なら、まず1/160秒または1/180秒、F2.8~F5.6、ISO100~800程度を基準にし、撮影場所の明るさに合わせて調整すると設定を組み立てやすくなります。
シャッタースピードそのものについては、EOS RPのシャッタースピード設定と使い方で詳しく解説しています。
日中はハイスピードシンクロが役立つ
晴天の屋外で人物をF1.8やF2.8で撮影すると、適正露出を得るために1/1000秒や1/2000秒などの高速シャッターが必要になることがあります。
この状態で通常のストロボ同調速度1/180秒へ落とすと、写真全体が明るくなりすぎます。
対応するスピードライトではハイスピードシンクロを使用できます。ストロボを連続的に細かく発光させながらシャッター幕の移動に合わせることで、同調速度を超える高速シャッターでもストロボ撮影を可能にする機能です。
例えば日中の逆光ポートレートで、背景を適正露出にしながら人物の顔へストロボ光を加えたい場面で有効です。
一方、ハイスピードシンクロでは通常発光と比べて実効的な光量が低下します。被写体までの距離が遠い場合や強い日差しの中では、大光量のストロボが有利になります。
シャッタースピードで背景の明るさを変えられる
ストロボ撮影では、シャッタースピードを単に被写体ブレを防ぐ数値として見るだけではありません。
ストロボ光は短時間で被写体へ当たるため、一定の条件ではシャッタースピードを変更すると主に周囲の自然光や室内照明の写り方が変化します。
例えば人物をストロボで照らしながら、1/180秒から1/60秒へシャッタースピードを遅くすると、室内照明や背景の光を写真へ取り込みやすくなります。
反対に1/180秒まで速くすると背景の自然光を抑え、ストロボ光を目立たせやすくなります。
人物だけが明るく、背景が真っ暗になる場合は、ストロボの光量を上げるのではなく、シャッタースピードを少し遅くしたりISO感度を上げたりして背景光を取り込む方法があります。
この「ストロボ光と環境光を分けて考える」ことが、EOS RPで自然なフラッシュ写真を撮るための重要なポイントです。
EOS RPで人物をストロボ撮影する設定
- 最初はMモードとE-TTL IIを組み合わせると調整しやすい
- 室内では天井バウンスを基本にすると自然な光になる
- ストロボ調光補正で人物の明るさを調整する
Mモード+E-TTL IIなら露出を整理しやすい
EOS RPでストロボ撮影を始める場合、カメラ側をMモード、ストロボ側をE-TTL IIにすると設定を理解しやすくなります。
例えば室内の人物なら、最初の基準として次のように設定できます。
| 設定項目 | 開始時の目安 |
|---|---|
| 撮影モード | M |
| シャッタースピード | 1/125~1/180秒 |
| F値 | F2.8~F5.6 |
| ISO感度 | ISO200~800 |
| ストロボ | E-TTL II |
| ホワイトバランス | オートまたはストロボ |
カメラ側のMモードで背景の露出を決め、人物へ当たるストロボ光はE-TTL IIに任せます。
背景が暗い場合はISO感度を上げるかシャッタースピードを遅くし、人物だけ明るすぎる場合はストロボ調光補正をマイナスへ変更します。
EOS RPの通常撮影でMモードをどう使うかは、EOS RPのおすすめ設定も参考になります。
室内人物は天井バウンスから始める
人物へストロボを真正面から発光すると、顔へ強いハイライトが出たり、背景へ濃い影ができたりすることがあります。
室内で白い天井がある場合は、発光部を上へ向けて天井バウンスを使うと自然な光を作りやすくなります。
ストロボ光を一度天井へ当てることで、天井の広い面が大きな光源のように働きます。被写体へ届く光が柔らかくなり、顔の陰影も自然になります。
天井が非常に高い場合、黒や濃い色の場合、木材など強い色が付いている場合は、光量不足や色かぶりが発生することがあります。この場合は壁バウンス、直接発光、ディフューザーなど別の方法を使います。
バウンス撮影では直接発光より多くの光量が必要になるため、小型ストロボではチャージ時間が長くなる場合があります。広い室内や高い天井で頻繁に撮影するなら、430EX III-RT以上の光量が使いやすくなります。
人物が明るすぎるときはストロボ調光補正を使う
E-TTL IIは自動調光ですが、撮影者が求める明るさと完全に一致するとは限りません。
白い服、黒い服、背景の明るさ、画面内に占める人物の大きさなどによって、ストロボの発光量が明るすぎたり暗すぎたりすることがあります。
この場合に使うのがストロボ調光補正です。
人物の顔が明るすぎる場合は-1/3~-1段程度、暗い場合は+1/3~+1段程度を目安に調整します。
自然光を残した人物撮影では、ストロボが主役になるほど強く発光させる必要はありません。周囲の光へ少しだけストロボ光を加え、顔や瞳の明るさを補う程度にすると自然な写真になります。
EOS RPの人物撮影で瞳AFやシャッタースピードも含めて設定する場合は、EOS RPのピント設定とAFの使い方もあわせて確認できます。
日中でもEOS RPのストロボは役立つ
- 逆光では人物の顔を補助光で明るくできる
- 日陰と背景の明暗差を縮めることができる
- 日中シンクロでは背景露出を先に決める
逆光の人物撮影で顔を明るくする
ストロボは夜間や室内だけで使うものではありません。
晴天の屋外で人物の後ろに太陽がある場合、背景に露出を合わせると人物の顔が暗くなります。人物の顔に露出を合わせると、空や背景が白く飛びやすくなります。
このような場面でストロボを補助光として使うと、背景の明るさを保ったまま人物の顔を持ち上げられます。
これが日中シンクロです。
ストロボ光だけで人物を照らすのではなく、太陽光を主光源として残しながら、人物の顔へ不足分だけ光を加えると自然な仕上がりになります。
人物だけ不自然に明るく見える場合は、ストロボ調光補正をマイナス側へ調整します。
日陰の人物と明るい背景を両立する
建物の影、木陰、屋根の下などに人物がいる場合、背景が日なたになると大きな明暗差が生まれます。
カメラのダイナミックレンジだけで両方を記録しようとすると、人物が暗くなるか背景が明るくなりすぎる場合があります。
このとき人物へストロボ光を加えることで、背景と人物の明るさの差を縮められます。
特に旅行先で人物と風景を一緒に残す場合、ストロボを「暗い場所を照らすため」ではなく「人物と背景の露出差を補うため」に使うと活用範囲が広がります。
EOS RPは小型軽量なので、EL-100のような小型スピードライトを一緒に持ち歩くと、旅行や日常撮影でも負担を抑えられます。
EOS RPに組み合わせるレンズについては、EOS RPのおすすめレンズでも用途別に紹介しています。
背景露出を決めてからストロボを加える
日中シンクロでは、最初からストロボの発光量を考えると設定が複雑になります。
まずストロボを発光させず、背景がどの明るさで写るかを決めます。
例えばISO100、F2.8、1/1000秒で背景がちょうどよければ、その露出を基準にします。そのうえで対応スピードライトのハイスピードシンクロを有効にし、人物へ光を加えます。
人物が暗ければストロボ光を強くし、人物だけ明るすぎれば弱くします。
この順番で考えると、「カメラは背景」「ストロボは人物」という役割分担が明確になります。
F値を変更すると背景露出とストロボ光の両方へ影響するため、背景ボケを先に決めてからシャッタースピードとISO感度を調整すると設定を組み立てやすくなります。
商品撮影や料理撮影でもストロボを活用できる
- 商品撮影では光の方向を一定にできる
- 白い壁や天井を使えば簡単な大型光源を作れる
- 三脚と組み合わせれば低ISOで高画質を狙える
商品撮影では毎回同じ光を作れる
商品撮影では、自然光だけを使用すると時間帯や天候によって光の明るさと方向が変化します。
午前中と午後、晴れと曇りでは商品の見え方が変わるため、複数の商品を同じ条件で撮影することが難しくなります。
ストロボを使えば発光量と方向を一定にできるため、毎回似た条件で撮影できます。
EOS RPをMモードへ設定し、ISO100~400、F5.6~F8程度、1/125~1/180秒を基準にして、ストロボをE-TTL IIまたはマニュアル発光で調整すると商品撮影を組み立てやすくなります。
小物なら壁や天井へバウンスするだけでも十分な場合があります。さらに本格的に撮影する場合は、ストロボをカメラから離してソフトボックスやアンブレラを使います。
EOS RPは高価な高速連写性能を必要としない商品撮影との相性も良く、フルサイズセンサーを低ISOで使用することで高画質を狙えます。
壁バウンスで横から柔らかい光を作れる
天井バウンスでは光が上から回りますが、壁へストロボを向けると横方向から柔らかい光を作れます。
例えば商品の左側に白い壁がある場合、ストロボを左の壁へ向けると、壁が大きな光源となって商品の左側から光が入ります。
正面から直接ストロボを当てる場合と比べて立体感が生まれ、商品の形や質感を表現しやすくなります。
白いレフ板を反対側へ置けば、影になった部分へ少量の光を戻すこともできます。
高価な照明機材がなくても、外付けストロボ、白い壁、レフ板があれば基本的なライティングを試せます。
このようにストロボを「照明」として考えると、EOS RPの用途は人物撮影から商品、料理、模型、カメラ用品などへ広がります。
三脚撮影ならISO感度を下げて画質を優先できる
動かない商品を撮る場合は、人物撮影のように高速シャッターで被写体を止める必要がありません。
EOS RPを三脚へ固定すれば、ISO100付近を使いながらF8程度まで絞り、必要な範囲へピントを合わせられます。
ストロボ光は発光時間そのものが短いため、商品をシャープに描写しやすいことも利点です。
商品の背景まで明るくしたい場合はシャッタースピードを遅くして環境光を増やし、ストロボ光だけを中心に撮影したい場合は1/180秒近くまで上げて環境光を抑えます。
EOS RPの長時間運用や固定撮影については、EOS RPのUSB給電と長時間撮影も参考になります。
EOS RPのストロボ撮影で失敗しやすいポイント
- 正面から強く発光すると人物が不自然になりやすい
- 背景が真っ暗になる場合は環境光を取り込む
- ストロボだけで被写体ブレを解決できるとは限らない
直接発光が強すぎると写真が平面的になる
ストロボを初めて装着すると、発光部を正面へ向けたまま撮影しやすくなります。
直接発光そのものが間違いではありません。屋外の日中シンクロや、反射面がない場所では直接発光が必要になることがあります。
一方、室内で人物を近距離から直接照らすと、顔が強く光り、鼻や顎の後ろに濃い影が出やすくなります。
白い天井や壁が利用できる場合は、まずバウンスを試すと違いが分かりやすくなります。
人物の正面から強い光を当てるのではなく、大きな面へ一度反射させるだけで光の質が大きく変わります。
外付けストロボを購入する場合は、単純なガイドナンバーだけでなく、発光部を上下左右へ動かせるかも確認したいポイントです。
人物だけ明るく背景が暗い場合は環境光不足
ストロボ撮影でありがちな失敗が、人物だけは適正露出なのに背景が真っ暗になる写真です。
E-TTL IIは人物へ必要なストロボ光を当てることはできますが、ストロボが届かない遠い背景まで同じように明るくできるわけではありません。
背景を明るくするには、室内照明や自然光などの環境光を写真へ取り込みます。
シャッタースピードを1/180秒から1/100秒、1/60秒などへ遅くする、ISO400からISO800へ上げる、絞りを少し開くといった方法があります。
人物はストロボ光、背景は環境光という二つの露出を意識すると原因を判断しやすくなります。
EOS RPでISO感度を過度に恐れてシャッタースピードを下げすぎると被写体ブレも増えるため、人物撮影では背景の明るさとのバランスを見ながら設定します。
動く人物ではシャッタースピードも必要
ストロボ光の発光時間は短いため、暗い環境でストロボ光が主光源になっていれば人物の動きを止めやすくなります。
しかし周囲の自然光や室内照明が強く写っている場合、遅いシャッタースピードではその環境光による被写体ブレが重なります。
例えば1/30秒で人物を撮影すると、ストロボ光でシャープに写った像と、室内照明でぶれた像が重なり、輪郭に残像のようなブレが出ることがあります。
人物が動く場合は1/125~1/180秒を基準にし、背景が暗ければISO感度を上げて対応する方が安定します。
EOS RPにはボディ内手ブレ補正がないため、ストロボを使わない撮影も含めてシャッタースピード管理は重要です。詳しくはEOS RPに手ブレ補正がない場合の撮影方法でも解説しています。
EOS RP用ストロボはどれを選ぶか
- 小型軽量を優先するならEL-100
- 性能とサイズのバランスなら430EX III-RT
- 大光量と連続撮影性能を求めるならEL-1系
EL-100はEOS RPの小ささを生かしやすい
EOS RPを選ぶ大きな理由の一つが小型軽量なフルサイズボディです。
そこへ大型ストロボを常時装着すると、EOS RP本来の軽快さが失われます。
家族写真、旅行、料理、室内人物などで必要なときだけストロボを使いたい場合は、EL-100のような小型モデルが扱いやすくなります。
小型でも発光部を上方向や左右へ動かせるため、室内の天井バウンスや壁バウンスに対応できます。
バッグへ入れて持ち歩く場合にも大型ストロボほど場所を取りません。
「ストロボを本格的に使うか分からないが、EOS RPで室内撮影の幅を広げたい」という用途なら、小型ストロボから始める考え方があります。
430EX III-RTは一台で幅広く使いやすい
人物、商品、イベント、旅行など、ストロボを幅広く使いたい場合は430EX III-RTが使いやすいクラスです。
ガイドナンバーは約43で、小型モデルより光量に余裕があります。照射角は24~105mmをカバーし、バウンス撮影にも対応します。
電波通信ワイヤレス機能を利用できるため、将来的にストロボをカメラから離して撮影したい場合にもシステムを発展させられます。
EOS RPとの組み合わせでは、ボディよりストロボがかなり大きく感じられますが、光量、機能、携帯性のバランスは取りやすいモデルです。
中古で探す場合にも流通量が比較的多く、EOS RPと同じ従来アクセサリーシューのCanonカメラを複数使っている場合は共有できます。
EL-1(Ver.2)は大量撮影や本格運用向け
EL-1(Ver.2)はEOS RPにも対応するCanon純正スピードライトです。
ガイドナンバー約58、24~200mmの照射角、大容量リチウムイオンバッテリー、高速チャージなど、本格的な撮影を前提とした性能を持っています。
結婚式、イベント、連続した人物撮影など、短い間隔で何度も発光する場面では、小型ストロボとの差が大きくなります。
一方、EOS RPで家庭写真や旅行を撮るためだけに導入するには大きく高価な機材です。
ストロボを年に数回使う程度ならEL-100や430EX III-RT、撮影の中心として照明を使うならEL-1(Ver.2)というように、必要な発光量と撮影頻度から選ぶと無駄がありません。
EOS RPはレンズやアクセサリーを含めたシステム全体を小さく組めるカメラなので、EOS RPに合う単焦点レンズとストロボを組み合わせて考えるのも有効です。
まとめ
EOS RPには内蔵ストロボがありません。フラッシュ撮影を行う場合は、カメラ上部のアクセサリーシューへ外付けスピードライトを装着します。
EOS RPはE-TTL II自動調光に対応しており、対応するCanon EL/EXシリーズのスピードライトを利用できます。ストロボ調光補正、FEロックなどにも対応しているため、外部ストロボを使った人物、商品、イベント撮影へ十分対応できます。
EOS RP用としては、小型軽量なEL-100、性能とサイズのバランスが取りやすい430EX III-RT、大光量と連続発光性能を重視したEL-1(Ver.2)などが候補になります。
新しいCanon純正ストロボでも、EL-5とEL-10はマルチアクセサリーシュー専用なのでEOS RPには対応しません。EOS RPは従来型アクセサリーシューを搭載しているため、購入前に対応機種を確認することが重要です。
通常のストロボ同調最高シャッタースピードは1/180秒です。室内人物なら1/125~1/180秒、F2.8~F5.6、ISO200~800程度を出発点にすると調整しやすくなります。
室内で白い天井や壁がある場合は、直接発光ではなくバウンス撮影を使うと柔らかい光を作れます。人物が明るすぎる場合はストロボ調光補正をマイナスへ、背景が暗い場合はシャッタースピードを遅くするかISO感度を上げて環境光を増やします。
日中の逆光撮影でもストロボは有効です。背景に露出を合わせたうえで人物へ補助光を加えることで、空や風景の明るさを残しながら顔を明るくできます。開放F値を使って高速シャッターが必要な場合は、対応ストロボのハイスピードシンクロを利用します。
EOS RPのストロボ撮影では、ストロボを単に「暗い場所を明るくする機材」と考えるより、人物と背景の明るさを分けて調整し、光の方向を作る機材として使うことで撮影の幅が大きく広がります。
EOS RPの設定全体を見直す場合はEOS RPのおすすめ設定、シャッタースピードとの関係はEOS RPのシャッタースピード設定、レンズ選びはEOS RPのおすすめレンズから確認できます。



