RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMレビュー|画質・手ブレ補正・近接撮影・旅行・動画での使い方を解説
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMは、キヤノンAPS-CのEOS Rシリーズ向けに設計された高倍率ズームです。18mmから150mmまでを一本でカバーし、35mm判換算では約29-240mm相当の画角になります。風景、街歩き、家族写真、人物、旅行、鉄道、動物、近接撮影まで、レンズ交換を大幅に減らしながら幅広い被写体へ対応できることが最大の特徴です。
レンズ構成は13群17枚で、UDレンズ1枚と非球面レンズ2枚を採用しています。絞り羽根は7枚、フィルター径は55mm、最大径約69mm、全長約84.5mm、質量は約310gです。これだけ広いズーム域を持ちながら310gに収まっており、EOS R7、R10、R50、R50 VなどのAPS-C機と組み合わせても比較的軽量なシステムを作れます。
さらに、レンズ内手ブレ補正は最大4.5段分、AFにはSTMを採用しています。最短撮影距離はAF時に18-35mmで0.17m、最大撮影倍率はAF時50mmで0.44倍です。MF時には条件によってさらに近接でき、最大撮影倍率0.59倍まで対応します。高倍率ズームでありながら近接撮影にも強く、旅行先で風景を撮った直後に料理や花へ寄るといった使い方ができます。
一方、ズーム望遠側では開放F値がF6.3まで暗くなり、室内や夕方ではISO感度が上がりやすくなります。大口径ズームのような大きな背景ボケや暗所性能を狙うレンズでもありません。このレンズの価値は、最高性能を一点へ集中させることより、29mm相当の広角から240mm相当の望遠までを軽量な一本へまとめた総合力にあります。本記事では、焦点距離、画質、AF、手ブレ補正、近接性能、旅行、人物、動画、他のRF-Sレンズとの違い、フルサイズEOS Rで使った場合まで詳しく整理します。
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMの基本性能
このレンズの立ち位置を理解するには、標準ズームと望遠ズームを一本へまとめた高倍率ズームとして見ることが重要です。RF-S18-45mmより望遠側が大幅に長く、RF-S55-210mmほど望遠専用でもないため、旅行や日常撮影で一本だけ持ち出す用途に向いています。
18-150mmは約29-240mm相当の画角になる
キヤノンAPS-Cでは、18mmは35mm判換算で約29mm相当、150mmは約240mm相当になります。29mm相当なら風景、室内、スナップを広めに写せ、50mm前後では自然な日常写真、100mm以上では人物や遠距離の被写体を大きく切り取れます。一本のレンズ内で広角、標準、中望遠、望遠まで連続して移動できるため、撮影中にレンズを交換する回数を減らせます。
焦点距離によって画角と被写体の見え方は大きく変わります。18mmと150mmでは写真の印象がまったく異なるため、高倍率ズームを使うほど焦点距離の役割を理解する意味があります。詳しくは被写体との距離と焦点距離の記事も参考になります。
約310gで高倍率ズームとして軽い
質量は約310gで、18-150mmというズーム域を考えると軽量です。APS-Cボディと組み合わせた総重量も抑えやすく、長時間歩く旅行や散歩で使いやすくなります。大きな望遠ズームを別に持つ必要がないため、カメラバッグ全体の重量を減らせる点も重要です。
RF-SレンズはAPS-C機と組み合わせた小型軽量システムを意識して設計されています。RF-S全体の位置づけや選択肢についてはRF-Sレンズの種類と特徴の記事と合わせると分かりやすくなります。
13群17枚にUD1枚と非球面2枚を採用する
高倍率ズームでは焦点距離の変化が大きいため、広角端と望遠端の両方で収差を抑える必要があります。RF-S18-150mmは13群17枚の光学系にUDレンズ1枚と非球面レンズ2枚を組み込み、小型化と画質の両立を狙っています。
大口径Lズームのような構成ではありませんが、軽量高倍率ズームとして日常写真に必要な解像感を確保する設計です。RFズーム全体の性格を比較するならRFズームレンズの使い方ガイドも関連します。
18mmから150mmまでの画角をどう使うか
高倍率ズームの強みは、一本の中に複数のレンズの役割を持てることです。18mm、35mm、50mm、85mm、150mmでは被写体の見え方が大きく変わるため、単にズームで近づけるだけでなく、焦点距離ごとに役割を分けると使いやすくなります。
18mmは風景・建物・旅行記録に使いやすい
18mmは約29mm相当の画角で、超広角ほど極端ではありませんが、旅行先の風景や建物、室内、集合写真などを比較的広く写せます。建物全体を入れたい場合や、人物と背景を同時に見せたい場合にも使いやすい焦点距離です。
一方、フルサイズの24mm相当ほど広くないため、狭い室内や巨大な建築では物足りなく感じる場合があります。広角と撮影距離の関係を整理するなら撮影距離で写真がどう変わるかの記事も参考になります。
35mmから70mm付近は日常スナップに向く
35mmから70mm付近では、極端な広角感も望遠感も弱くなり、人物、料理、街中、ペットなどを自然な印象で写しやすくなります。高倍率ズームでは中間焦点域が軽視されがちですが、実際の日常撮影では最も使用頻度が高くなりやすい範囲です。
ズームリングだけで構図を変えられるため、狭い場所で後ろへ下がれない状況でも調整しやすくなります。標準ズームの使い勝手と比較するならRF24-105mm F4-7.1 IS STMの記事も参考になります。
100mmから150mmは人物や遠景を切り取りやすい
望遠側では背景の写る範囲が狭くなり、人物、動物、鉄道、遠くの建物などを整理して撮れます。150mmでは約240mm相当となるため、標準ズームでは小さく写る被写体をかなり大きくできます。
遠景の一部を切り取る風景撮影にも向いており、山の稜線、建築の一部、舞台上の人物などにも使えます。さらに長い望遠が必要な用途ではRF-S55-210mm F5-7.1 IS STMの記事との違いが参考になります。
高倍率ズームとしての画質をどう見るか
18mmから150mmまでを一本でカバーするレンズでは、単焦点やズーム域の短い高級レンズと同じ基準で見ると不利になります。その代わり、一枚の写真だけでなく、一本で撮影できる範囲全体を含めて評価する必要があります。
中央部は日常撮影で使いやすい解像感を得られる
画面中央は各焦点距離で実用的な解像感を得やすく、旅行、人物、家族写真、Web掲載など幅広い用途へ対応します。開放でも中央は使いやすく、風景などで画面全体の均一性を高めたい場合は少し絞ると安定しやすくなります。
高倍率ズームでは焦点距離によって画質の傾向が変化するため、常に同じF値で使うより被写体と用途に合わせる方が現実的です。RFズーム全体の特徴はRFズームレンズの使い分けの記事も参考になります。
広角端では周辺描写と補正を意識する
18mm側では画面周辺の描写や歪曲が目立ちやすくなります。現在のミラーレス用レンズではカメラ側のデジタル補正を含めた設計も一般的で、JPEG撮影や対応RAW現像では補正を前提に使う場面があります。
風景や建物で四隅まで細部を重視するなら、少し絞ることで安定しやすくなります。広角撮影ではレンズ性能だけでなくカメラの水平や撮影位置も結果へ大きく影響します。広角写真の考え方はRF-Sレンズ解説の記事にも関連します。
望遠端150mmでは解像感とシャッタースピードを両方見る
150mm側では焦点距離が長いため、レンズそのものの描写だけでなく手ブレや被写体ブレが画質へ影響します。拡大して甘く見える写真でも、実際にはピントやブレが原因ということがあります。特にF6.3になる望遠端では光量が少なく、シャッタースピードが落ちやすくなります。
ISO感度を上げてシャッタースピードを確保した方が、低ISOでブレた写真より細部を残せる場面があります。動きを止めるシャッタースピードについては動きを止める撮影方法の記事で詳しく整理しています。
手ブレ補正とSTMが使いやすさを支える
RF-S18-150mmは高倍率ズームでありながらレンズ内手ブレ補正とSTMを搭載しています。日常や旅行で三脚を使わない撮影が中心になるレンズだからこそ、この二つの機能は重要です。
レンズ内手ブレ補正は最大4.5段分
レンズ単体で最大4.5段分の手ブレ補正を備えています。18mm側では夜景や室内、150mm側では遠距離の静止物を撮る際にファインダー像を安定させやすくなります。特に望遠端では小さな手の揺れが画面上で大きく見えるため、ISの効果を感じやすくなります。
手ブレ補正は静止した被写体には有効ですが、動く人物や動物の被写体ブレは止まりません。シャッタースピードとの使い分けはシャッタースピードの記事も参考になります。
対応ボディではボディ内手振れ補正との協調制御も利用できる
ボディ内手振れ補正を搭載する対応EOS Rと組み合わせると、レンズ側ISと協調した補正を利用できます。補正効果はボディや焦点距離などによって異なりますが、手持ちでの静止画や動画撮影を支える機能になります。
EOS R7はAPS-C機の中でボディ内手振れ補正を搭載する代表的なモデルです。R7とR10の機能差はEOS R7とEOS R10の比較記事で確認できます。
STMは静止画と動画の両方へ使いやすい
AF駆動にはSTMを採用しています。STMはピント移動を細かく制御しやすく、静止画だけでなく動画で滑らかにピントを送る用途にも向きます。旅行中に写真と動画を頻繁に切り替える使い方との相性も高いです。
高速動体専用レンズのようなAF特性とは異なりますが、人物、日常、旅行、ペット、一般的な動画撮影では使いやすい方式です。STM、USM、VCMの違いはAFモーターの違いを解説した記事で詳しく確認できます。
近接撮影が強い高倍率ズーム
RF-S18-150mmの特徴として見落とされやすいのが近接性能です。高倍率ズームは遠くの被写体へ向く印象がありますが、このレンズは料理、花、小物など近距離の撮影でも使いやすく設計されています。
AF時は18-35mmで最短0.17mまで寄れる
AF使用時には18mmから35mmで最短撮影距離0.17mまで寄れます。センサー面からの距離なのでレンズ先端から被写体までの実距離はさらに短くなり、テーブル上の料理、小物、花などを大きく写しやすくなります。
広角側で近づくと被写体を大きく見せつつ背景も広く入るため、単純なマクロ撮影とは異なる表現ができます。撮影距離と遠近感の関係は撮影距離の記事も関連します。
AF時50mmで最大撮影倍率0.44倍を得られる
AF時の最大撮影倍率は50mmで0.44倍です。本格的な等倍マクロには届きませんが、一般的な標準ズームよりかなり大きく被写体を写せます。花、アクセサリー、料理、カメラ用品などを細部まで撮りたい場面に便利です。
高倍率ズーム一本で風景と近接撮影の両方をこなせるため、旅行中にマクロレンズを追加しなくても幅広い被写体へ対応できます。近接撮影を重視するレンズとの違いはEF-S60mm F2.8 Macroの記事と比較すると分かりやすくなります。
MFでは最大0.59倍まで拡大できる
MF時には条件によってさらに近づけ、35mm時に最大撮影倍率0.59倍まで対応します。AFより操作は難しくなりますが、静止した小物や花などでピント位置を自分で追い込めるなら、かなり大きく写せます。
高倍率ズームの便利さと簡易マクロ的な性能を一本へまとめている点は、このレンズの隠れた強みです。マクロ領域に近い撮影でピント位置が重要になる理由はレンズとカメラの電子連携の記事とも関係します。
旅行・日常撮影で強い理由
RF-S18-150mmが最も力を発揮するのは、撮影対象が次々に変わる場面です。旅行では風景、建物、人物、料理、動物、遠景を一日で撮ることがあり、そのたびにレンズ交換するのは負担になります。
一本で旅行中の大半の被写体へ対応できる
観光地の風景を18mmで撮り、同行者を50mm付近で撮り、遠くの建築物を150mmで切り取り、食事では近接性能を使うといった流れを一本で行えます。撮影テンポを維持しやすく、レンズ交換中にシャッターチャンスを逃すことも減らせます。
APS-C機そのものが小型軽量であることも旅行用途では有利です。EOS RシリーズAPS-C機の違いはR7・R10・R50 V・R50・R100比較の記事が参考になります。
レンズ交換を減らせることで機材全体も簡単になる
標準ズームと望遠ズームの二本を持ち歩けば、焦点距離の自由度は上がりますが、交換作業と荷物が増えます。RF-S18-150mmなら18-150mmを一本でカバーできるため、予備レンズを持たない軽量装備も作れます。
特に小型のEOS R50やR10と組み合わせると、肩掛けや小型バッグでも持ち歩きやすくなります。APS-Cボディとレンズの組み合わせを考えるならEOS Rシリーズの位置づけの記事も参考になります。
屋外でレンズを外す回数を減らせる
海辺、砂地、風の強い場所、雨上がりなどでは、頻繁なレンズ交換を避けたい場面があります。高倍率ズームなら焦点距離を変えるためにレンズを外す必要がないため、センサー周辺へほこりが入る機会も減らせます。
一方、RF-S18-150mm自体を本格的な防塵・防滴Lレンズと同じ扱いにはできません。用途と機材の性格を分けて考える必要があります。RF-Sレンズ全般の立ち位置はRF-Sレンズ解説の記事でも整理しています。
人物・動物・鉄道での使い方
150mmまで伸ばせることで、RF-S18-150mmは旅行用標準ズーム以上の用途へ広がります。人物では背景整理、動物では距離確保、鉄道では遠距離からの切り取りに使えます。
人物では70mmから100mm付近が使いやすい
人物撮影では広角側より70mmから100mm付近を使うと、顔の遠近感が穏やかになり、背景も整理しやすくなります。大口径単焦点ほど背景を大きくぼかせませんが、被写体と背景の距離を取れば自然な分離を作れます。
人物と周囲の場所を一緒に見せたいときは18mmから35mm、顔や上半身を切り取りたいときは望遠側と、一本の中で表現を変えられます。標準ズームでの人物撮影についてはRF24-105mmでのポートレート記事も参考になります。
動物園やペットでは150mmが使いやすい
動物園では柵の向こうにいる動物へ近づけないため、150mmが役立ちます。APS-Cで約240mm相当となるため、標準ズームより被写体を大きく写しやすくなります。ペットでも離れた位置から自然な表情を狙いやすくなります。
さらに長い望遠が必要ならRF-S55-210mmが有利ですが、日常から望遠まで一本で済ませたいなら18-150mmの便利さが勝ります。望遠側の違いはRF-S55-210mmの記事で確認できます。
鉄道やイベントでは広角から望遠へすぐ切り替えられる
鉄道では駅構内で車両全体を広角で撮り、遠ざかった列車を150mmで追うといった撮影ができます。イベントでも会場全体、人物、舞台上の出演者を一本で切り替えられるため、撮影位置を大きく変えにくい場所で便利です。
高倍率ズームは画質だけで見ると専門レンズへ譲る部分がありますが、撮影チャンスへの対応力が高いことが強みです。望遠とシャッタースピードの関係は動体撮影の記事も参考になります。
動画撮影との相性
APS-CのEOS Rシリーズは動画撮影にも使われる機種が多く、RF-S18-150mmも動画用途との相性があります。STM、IS、広いズーム域という三つの要素が、一本で様々な画角を撮る用途に向きます。
STMで滑らかなフォーカス移動を使いやすい
動画では静止画のように一瞬で合焦すれば終わりではなく、人物が動いても自然にピントを追い続ける必要があります。STMは滑らかなフォーカス移動を得意としており、人物、Vlog、日常動画などで使いやすくなります。
AF駆動方式による動画性能の違いについてはSTM・USM・VCM比較の記事で詳しく確認できます。
18mm側はVlogや室内動画へ使いやすい
18mmは約29mm相当なので、手持ちVlogでは極端に広い画角ではありませんが、人物と周囲の風景を一緒に収めやすい範囲です。室内でも標準域より広く撮れるため、固定カメラやテーブル撮影にも対応できます。
動画中心のEOS R50 Vと組み合わせる場合も、18-150mmという広いズーム域によって一本で多くの構図へ対応できます。R50 Vの静止画と動画の位置づけについてはEOS R50 Vの記事も参考になります。
望遠側はイベントや遠景動画で役立つ
150mmまで伸ばせるため、遠くの人物、動物、舞台、鉄道などを動画で大きく捉えられます。レンズ内ISもあるため、固定撮影だけでなく手持ちで構図を変えながら撮る用途にも使えます。
一方、望遠側ではF6.3となるため、暗い会場ではISO感度が高くなりやすくなります。画質を維持するには光量とシャッタースピードの関係を見る必要があります。EOS RシリーズAPS-C機の動画機能を比較するならAPS-C EOS R比較の記事も関連します。
RF-S18-45mmとRF-S55-210mmとの違い
RF-S18-150mmを考える際は、RF-S18-45mmとRF-S55-210mmの二本体制との比較が分かりやすくなります。18-150mm一本の便利さを取るか、ズーム域を分けて軽量レンズ二本を使うかという違いです。
RF-S18-45mmより望遠域が圧倒的に広い
RF-S18-45mmは小型軽量性を最優先した標準ズームで、日常スナップや風景には使いやすい一方、45mmを超える望遠域がありません。RF-S18-150mmなら同じ18mmから始まりながら150mmまで伸びるため、人物、動物、鉄道などへ対応できます。
その代わり18-45mmの方がさらに小さく、持ち運びだけを重視するなら利点があります。RF-Sレンズ全体の比較はRF-Sレンズの選び方の記事で確認できます。
RF-S55-210mmより一本で完結しやすい
RF-S55-210mmは210mmまで伸びるため、遠距離の動物、野鳥、運動会では18-150mmより望遠に余裕があります。一方、55mmより広角を使えないため、風景や室内を撮るには別のレンズが必要です。
一本で日常から望遠まで済ませるなら18-150mm、遠距離撮影を優先するなら55-210mmという違いがあります。望遠撮影の特徴はRF-S55-210mm F5-7.1 IS STMレビューで詳しく確認できます。
二本体制よりレンズ交換を減らせる
18-45mmと55-210mmを組み合わせれば18-210mmまで広くカバーできますが、45mmと55mmの間でレンズ交換が必要になります。18-150mmなら一本で連続して使えるため、旅行やイベントでは撮影テンポを維持しやすくなります。
レンズ交換の手間より焦点距離の広さを優先するか、210mmまでの望遠を優先するかで使い方は変わります。APS-C機とレンズの組み合わせ全体はEOS R APS-C機比較の記事も参考になります。
フルサイズEOS Rで使うとどうなるか
RF-S18-150mmはAPS-C向けレンズですが、RFマウントなのでフルサイズEOS Rにも物理的に装着できます。ここは古い記事で誤解されやすい部分で、RF-SレンズだからフルサイズEOS Rへ取り付けられないという意味ではありません。
フルサイズEOS Rでは自動的にAPS-Cクロップになる
フルサイズEOS RへRF-S18-150mmを装着すると、カメラ側がAPS-C相当の撮影範囲へ自動的に切り替わります。レンズ自体は使用できますが、フルサイズセンサー全体を使った撮影にはなりません。
そのため、同じボディでもRFレンズ装着時とRF-Sレンズ装着時では記録画素数が変化します。RF、RF-S、EF、EF-Sの互換性についてはCanonレンズ対応表の記事で整理しています。
画角はAPS-C機で使うときと同じ考え方になる
フルサイズEOS RでAPS-Cクロップ撮影になるため、画角はAPS-C機へ装着したときと同じく約29-240mm相当になります。フルサイズだから18mmが超広角として使えるということにはなりません。
そのためRF-S18-150mmの本来の用途はAPS-Cボディとの組み合わせです。EOS RシリーズでフルサイズとAPS-Cがどう違うかはEOS Rシリーズの数字と位置づけの記事も参考になります。
記録画素数が減るため常用目的ではAPS-C機との組み合わせが自然
フルサイズ機ではセンサー中央部のみを使うため、元の総画素数より記録画素数が少なくなります。高画素のフルサイズ機なら実用的な画素数を残せる場合がありますが、RF-S18-150mmを常用する目的ならAPS-C機との組み合わせの方が本来の設計意図に合います。
APS-Cは望遠側で画角を狭く使える利点もあり、150mmで約240mm相当となることがこのレンズの便利さにつながります。APS-Cの特徴はEOS R7とフルサイズの違いの記事でも詳しく解説しています。
購入前に理解しておきたい弱点
一本で広い範囲をカバーできるRF-S18-150mmですが、万能という言葉だけで見ると弱点を見落とします。特に暗所、大きなボケ、超広角、超望遠では専門レンズとの差が出ます。
望遠端F6.3は暗所でISO感度が上がりやすい
150mmでは開放F6.3となるため、夕方、室内、森林、舞台などでは高速シャッターを確保しようとするとISO感度が高くなります。静止物ならISを利用してシャッタースピードを下げられますが、人や動物が動いている場合は被写体ブレを防ぐため速度を維持する必要があります。
明るいレンズとの違いを理解するには、F値と露出の関係を見ることが重要です。シャッタースピードとの関係は露出とシャッタースピードの記事も参考になります。
大きな背景ボケは大口径単焦点に及ばない
人物撮影では150mmを使うことで背景を整理できますが、F1.4やF1.8の単焦点ほど大きく背景をぼかすことはできません。ボケ量を最優先する撮影では、大口径単焦点の方が有利です。
一方、高倍率ズームは人物を撮った直後に風景や遠景へ移れる柔軟性があります。一本で撮れる範囲を重視するレンズと、特定の表現へ特化する単焦点は役割が異なります。単焦点との違いは大口径50mmの記事と比較すると分かります。
29mm相当より広い超広角はカバーできない
18mmはAPS-Cで約29mm相当なので、旅行や風景では使いやすい広角ですが、超広角ではありません。大きな建築物、狭い室内、星景などでより広い画角が必要なら、10mm台前半のRF-S広角ズームなどの方が適しています。
高倍率ズーム一本ですべての焦点距離を完全に置き換えられるわけではなく、特に超広角と超望遠は別レンズの方が有利です。RF-Sレンズのラインアップ全体についてはRF-Sレンズ解説の記事が参考になります。
中古で確認したいポイント
RF-S18-150mmは比較的新しいRF-Sレンズですが、中古品ではズーム機構、AF、IS、光学系、電子接点を確認する必要があります。小型軽量な高倍率ズームは持ち歩かれる機会が多いため、外観の使用感だけでなく実際の動作を見ることが重要です。
ズームリングを18mmから150mmまで動かす
ズームリングを全域で動かし、途中だけ極端に重い、引っかかる、不自然なガタがあるといった症状がないか確認します。高倍率ズームは鏡筒の伸縮量が大きいため、落下や衝撃を受けた個体ではズーム操作へ影響が出る場合があります。
外観に大きな打痕がある場合は、ズーム操作だけでなく実写で左右の解像感も確認したいところです。RFズームの使い方全般はRFズームレンズの記事も参考になります。
STMとISの動作を確認する
近距離から遠距離へAFを動かし、ピントが正常に移動するか確認します。ISについても150mm側で静止物へ向け、シャッターボタン半押し時にファインダー像が安定するかを見ると分かりやすくなります。
AFモーターの動作音や速度はレンズによって異なりますが、不自然な異音や途中停止がある個体は避けたい部分です。STMの基本特性はSTMとUSMの比較記事で確認できます。
近接撮影でピントと光学系を確認する
RF-S18-150mmは近接性能が高いため、店頭で実写できるなら近くの文字や小物を撮ってピント精度を確認できます。前玉、後玉、内部の大きなホコリ、曇り、傷も確認し、逆光でコントラストが不自然に低下しないかを見ると状態を判断しやすくなります。
レンズが正常でもカメラとの電子通信に問題があれば絞りやAFへ影響するため、電子接点の状態も確認対象になります。レンズとカメラの通信については電子接点の記事も関連します。
まとめ
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMは、APS-CのEOS Rシリーズで18mmから150mm、35mm判換算約29-240mm相当を一本でカバーする高倍率ズームです。13群17枚、UDレンズ1枚、非球面レンズ2枚、7枚羽根、フィルター径55mm、最大径約69mm、全長約84.5mm、質量約310gという小型軽量設計にまとめられています。
最大の魅力は、広角、標準、中望遠、望遠を一本で切り替えられることです。旅行では風景、人物、料理、遠景をレンズ交換なしで撮影でき、日常ではスナップ、ペット、家族写真、イベントへ対応できます。150mmでは約240mm相当となるため、一般的な標準ズームより遠くの被写体を大きく写せます。
レンズ内手ブレ補正は最大4.5段分で、対応ボディではボディ内手振れ補正との協調制御も利用できます。AFはSTMで、静止画だけでなく動画でも滑らかなピント移動を使いやすい構成です。写真と動画を一本のレンズで撮るAPS-Cシステムとの相性も高くなっています。
近接性能も高く、AF時は18-35mmで最短撮影距離0.17m、50mmで最大撮影倍率0.44倍です。MFでは条件によって最大0.59倍まで拡大でき、高倍率ズームでありながら花、料理、小物などへかなり近づけます。
RF-S18-45mmと比較すると望遠側が大幅に長く、RF-S55-210mmと比較すると広角から一本で使えることが利点です。18-45mmと55-210mmの二本体制より望遠端は短いものの、レンズ交換を減らせることが旅行やイベントでは大きな強みになります。
弱点は、望遠端F6.3による暗所性能、大口径単焦点ほど大きくない背景ボケ、約29mm相当より広い超広角を使えないことです。画質や明るさを一点で追求するレンズとは性格が異なり、撮影範囲と携帯性を優先した設計です。
RF-Sレンズですが、フルサイズEOS Rへ物理的に装着することは可能です。その際はカメラがAPS-C相当へ自動クロップし、フルサイズセンサー全体は使用しません。そのため本来の組み合わせはEOS R7、R10、R50、R50 VなどのAPS-Cボディです。
一本でできるだけ多くの場面を撮りたい、旅行中にレンズ交換を減らしたい、望遠も近接も軽い機材で対応したいという用途では、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMの特徴が生きます。約310gの一本で約29mm相当から240mm相当までを連続して使えることが、このレンズの中心的な価値です。



