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EF35-70mm F3.5-4.5レビュー|初期EF標準ズームの画質・使い方・中古購入の注意点

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EF35-70mm F3.5-4.5レビュー|初期EF標準ズームの画質・使い方・中古購入の注意点 標準ズーム

EF35-70mm F3.5-4.5レビュー|初期EF標準ズームの画質・使い方・中古購入の注意点

EF35-70mm F3.5-4.5は、キヤノンEFマウントがスタートした1987年に登場した標準ズームレンズです。EOS 650と同時期に発売され、35mmから70mmという扱いやすい焦点距離、245gの軽量ボディ、最短撮影距離0.39mという近接性能を備え、初期EFシステムの中心的な標準ズームとして位置づけられました。

現在の標準ズームと比べると、24mmや28mmまで広角側をカバーせず、手ブレ補正、USM、STM、防塵防滴といった機能もありません。AFは作動音が大きく、新しいEF・RFレンズほど高速でもありません。それでも、フルサイズで35mm・50mm・70mmという基本的な画角を一本で試せること、0.39mまで寄れること、245gという軽さ、EFマウントなのでデジタル一眼レフやEOS Rシリーズでも活用できることは、このレンズを現在使う意味につながります。

特に注意したいのが、翌年登場したEF35-70mm F3.5-4.5Aとの違いです。名称はよく似ていますが、この記事で扱うのは1987年のEF35-70mm F3.5-4.5です。こちらにはマニュアルフォーカスリングがあります。1988年に登場した「A」付きモデルはAF専用として簡略化され、マニュアルフォーカスリングを省いた別モデルです。中古市場では両者が混同されることがあるため、購入時にはレンズ前面や鏡筒の名称を確認する必要があります。

この記事では、EF35-70mm F3.5-4.5の正しいスペック、35mm・50mm・70mmの画角、実写での描写、AF、近接性能、フルサイズとAPS-Cでの使い方、EOS Rシリーズでの利用、AタイプやEF28-70mmとの違い、中古購入時の確認点まで詳しく解説します。

  1. EF35-70mm F3.5-4.5の基本スペック
    1. 8群9枚・245gという初期EFらしい小型設計
    2. 最短撮影距離0.39m・最大撮影倍率0.2倍は意外に使いやすい
  2. 35mmから70mmという焦点距離をどう使うか
    1. 35mmでは人物と周囲を一緒に写しやすい
    2. 50mm前後では自然な日常写真を撮りやすい
    3. 70mmでは人物や細部を整理して見せやすい
  3. F3.5-4.5という明るさを理解する
    1. 日中のスナップや旅行では十分使いやすい明るさ
    2. F5.6からF8へ絞ると画面全体をまとめやすい
  4. EF35-70mm F3.5-4.5の実写での描写
    1. 中央部は十分使えるが70mm開放では柔らかさが出やすい
    2. 強い逆光ではコントラスト低下やゴーストに注意する
  5. AFは初期EFらしい作動音と速度
    1. 静止画なら使えるが高速動体を追う用途には向かない
    2. 1988年のAタイプとはマニュアルフォーカス操作が違う
  6. 風景・旅行・スナップでの使い方
    1. 旅行では245gの軽さが大きな利点になる
    2. 0.39mまで寄れるため旅先の料理や小物も撮れる
  7. 人物撮影では35mmと70mmを使い分ける
    1. 35mmは環境ポートレート、70mmは人物中心の構図に向く
  8. APS-Cでは約56-112mm相当になる
    1. APS-Cでは標準から中望遠の人物向けズームに変わる
  9. EOS Rシリーズでもマウントアダプターで使える
    1. フルサイズEOS Rなら35-70mmの画角をそのまま使える
    2. 小型レンズでもアダプター込みでは全長が増える
  10. EF28-70mm F3.5-4.5 IIとの違い
    1. 風景や室内では28mm、軽さでは35-70mmが有利
  11. 中古でEF35-70mm F3.5-4.5を買うときの注意点
    1. 初期型とAタイプを取り違えない
    2. AF・ズーム・絞り・前玉の動きを確認する
    3. カビ・くもり・コーティング劣化は実写で確認する
  12. EF35-70mm F3.5-4.5はどんな人に向くか
  13. まとめ

EF35-70mm F3.5-4.5の基本スペック

EF35-70mm F3.5-4.5は、8群9枚の光学系を採用した約2倍の標準ズームです。開放F値は35mm側のF3.5から70mm側のF4.5まで変化し、最小絞りはF29です。絞り羽根は5枚、最短撮影距離はズーム全域で0.39m、最大撮影倍率は0.2倍となっています。

焦点距離 35-70mm
開放F値 F3.5-4.5
最小絞り F29
レンズ構成 8群9枚
絞り羽根 5枚
最短撮影距離 0.39m
最大撮影倍率 0.2倍
手ブレ補正 非搭載
フィルター径 52mm
最大径×長さ 約70×63mm
質量 約245g
発売 1987年3月

8群9枚・245gという初期EFらしい小型設計

EF35-70mm F3.5-4.5は、現在の標準ズームと比べると驚くほど小さく、245gしかありません。EF24-70mm F2.8L II USMのような大口径標準ズームが800g前後になることを考えると、バッグへ入れたときの負担は大きく違います。ズーム比を約2倍へ抑え、F値もF3.5-4.5としたことで、光学系と鏡筒を小さくまとめています。

このレンズはNew FD35-70mm F3.5-4の光学思想を受け継ぐ3群ズーム方式を採用し、EFシステムへ移行したばかりの時期に、軽量な標準ズームとして重要な役割を担いました。現在の24-105mmや24-70mmほど焦点域は広くありませんが、その分だけ「35mmから70mmまで」という範囲に用途が明確です。

EFマウントがどのように発展し、現在のRFシステムへつながったかは、キヤノン大全から確認できます。

最短撮影距離0.39m・最大撮影倍率0.2倍は意外に使いやすい

古い標準ズームでありながら、最短撮影距離はズーム全域で0.39mです。最大撮影倍率は0.2倍なので、本格的なマクロレンズには及ばないものの、花、料理、小物、アクセサリー、カメラ用品などをある程度大きく撮れます。

35mm側では背景を広く含めた近接撮影、70mm側では背景範囲を狭めながら被写体を大きく見せる撮影ができます。現在の一般的な標準ズームと比べても、0.39mは日常撮影で不自由しにくい距離です。

最大撮影倍率0.2倍は等倍マクロとは大きく異なるため、昆虫や小さな部品を画面いっぱいに写す用途なら専用レンズが必要です。マクロレンズとの違いは、マクロレンズとは?特徴・選び方・使い方で詳しく解説しています。

35mmから70mmという焦点距離をどう使うか

現在の標準ズームでは24mm始まりや28mm始まりが一般的ですが、EF35-70mm F3.5-4.5は35mmから始まります。広角側が狭い一方、35mm・50mm・70mmという写真表現の基本となる画角を一本で使えることが特徴です。

35mmでは人物と周囲を一緒に写しやすい

フルサイズの35mmは、街角、旅行、日常の記録、人物と背景を組み合わせる撮影などに向いています。24mmほど広くないため画面内の情報を整理しやすく、50mmより周囲を広く入れられるため、その場所の雰囲気まで見せたいときに使いやすい焦点距離です。

人物を撮る場合は顔へ極端に近づかず、上半身や全身を周囲の環境と一緒に写すと自然にまとめやすくなります。風景でも、超広角ほど前景と遠景の差を強調せず、見た景色に近い感覚で構図を作れます。

35mmという焦点距離の具体的な使い道は、35mm単焦点の使い道で詳しく紹介しています。

50mm前後では自然な日常写真を撮りやすい

ズーム中央付近の50mmは、広角と中望遠の中間に位置します。人物、料理、街角、家族写真、商品撮影など幅広い用途へ対応し、被写体だけを強調しすぎず、背景も必要な分だけ残せます。

EF35-70mm F3.5-4.5では、撮影位置を大きく変えずに35mmから50mmへズームするだけでも背景の入り方が変化します。ただし、遠近感そのものを変えたい場合は撮影位置も変える必要があります。ズームリングだけで人物の大きさを調整すると、焦点距離による画角の変化は分かっても、撮影距離が写真へ与える影響は見落としやすくなります。

焦点距離と撮影位置を分けて考える方法は、被写体との距離で写真はどう変わる?で詳しく解説しています。

70mmでは人物や細部を整理して見せやすい

70mmまで伸ばすと画角が狭くなり、人物の上半身、顔、花、料理、建物の一部分などを画面内で大きく扱いやすくなります。35mmでは背景へ入っていた看板や車、人を画面外へ外し、主役へ視線を集める構図を作れます。

開放F値はF4.5なので、大口径単焦点やF2.8ズームのように背景が大きく溶けるわけではありません。それでも人物と背景の距離を十分に取れば、70mmらしい背景整理と適度なボケを得られます。

35mmから70mmまでの標準ズームを撮影シーン別に使い分ける考え方は、24-70mmレンズの使い道も参考になります。

F3.5-4.5という明るさを理解する

EF35-70mm F3.5-4.5は、ズーム位置によって開放F値が変化します。35mm側ではF3.5、70mm側ではF4.5となり、ズームインすると取り込める光量が少し減ります。

日中のスナップや旅行では十分使いやすい明るさ

晴天や曇天の日中なら、F3.5-4.5でも大きな問題はありません。ISO100から400程度を中心に、人物や街角なら1/125秒以上、歩く人物なら1/250秒以上を目安にシャッタースピードを確保できます。

室内や夕方ではISO感度を上げる必要があります。手ブレ補正もないため、低ISOを優先してシャッタースピードを落としすぎると、写真全体が微妙にブレることがあります。古いレンズを使う場合も、画質を守るためには必要なISO感度を使うことが重要です。

F値、シャッタースピード、ISO感度の関係は、F値とは?絞りで変わる明るさ・ボケ・被写界深度で詳しく解説しています。

F5.6からF8へ絞ると画面全体をまとめやすい

実写では、開放付近では中央部の描写は比較的使いやすい一方、周辺部には柔らかさや色収差が見えやすくなります。特に70mm側の開放F4.5では、新しい標準ズームとの差が出やすい部分です。

F5.6へ絞ると全体が整いやすくなり、F8付近では中央から周辺まで安定した結果を得やすくなります。風景や建築、商品撮影のように画面全体の情報を見せたい場合は、開放の明るさを優先する必要がなければF5.6からF8を中心に使う方法が現実的です。

標準ズームを絞って使うときの考え方や現代EFレンズとの違いは、Canon EF標準ズームレンズ一覧でも比較できます。

EF35-70mm F3.5-4.5の実写での描写

EF35-70mm F3.5-4.5を現在使う場合、最新ズームと同じ基準で四隅までの解像力や逆光耐性だけを比較すると不利です。一方、実際に撮影したユーザーからは、F5.6からF8付近まで絞ることで十分シャープに写ること、35mm側では比較的安定していることが報告されています。

中央部は十分使えるが70mm開放では柔らかさが出やすい

実写では35mm側の中央部は比較的安定しており、日常スナップなら開放F3.5から使用できます。50mm付近でも中央部は大きく崩れにくく、F5.6まで絞ると細部が見やすくなります。

70mm側は開放F4.5で柔らかさを感じる個体や作例があり、人物ではその柔らかさが気にならない場合もありますが、細部の解像を求める場合はF5.6からF8へ絞る方が安定します。高画素ボディほどレンズの弱点を拡大表示で確認しやすくなるため、ピクセル等倍だけで評価せず、写真全体として見ることも重要です。

古いEFレンズをデジタルで使う意味については、Canon EFレンズの特徴とメリットで詳しく解説しています。

強い逆光ではコントラスト低下やゴーストに注意する

設計年代が古いため、強い太陽光や照明が画面内に入る場面では、現在のコーティングを採用したレンズよりコントラスト低下やゴーストが出やすくなります。特に35mm側では画角が広いため、画面外ぎりぎりの強い光源も影響する場合があります。

逆光でコントラストが落ちた場合は、撮影位置を少し動かす、レンズフードを使用する、光源を画面外へ外すなどで改善できます。古いレンズのフレアを表現として使う方法もありますが、狙って残す場合と意図せず発生した場合は分けて考えたいところです。

新しい標準ズームで逆光性能や解像力がどこまで進化したかは、EF24-70mm F2.8L II USMと比較すると分かりやすくなります。

AFは初期EFらしい作動音と速度

EF35-70mm F3.5-4.5は、USMやSTMが登場する前の初期EFレンズです。AFモーターの作動音は現在のレンズより大きく、近距離から遠距離まで大きくピントを移動すると時間もかかります。

静止画なら使えるが高速動体を追う用途には向かない

街角、風景、人物、花、商品など静止または動きの遅い被写体ならAFを利用できます。明るい場所では問題なく合焦する場面も多く、古いAFレンズとして普通に写真を撮れます。

一方、走る動物や高速スポーツ、飛翔する鳥のようにAF追従性能を求める用途では、新しいUSMやナノUSM搭載レンズの方が明確に有利です。AF速度だけでなく、作動音も動画撮影では問題になります。

AF方式やMFとの使い分けは、AFとMFの違いと使い分けで詳しく紹介しています。

1988年のAタイプとはマニュアルフォーカス操作が違う

EF35-70mm F3.5-4.5にはマニュアルフォーカスリングがありますが、1988年に登場したEF35-70mm F3.5-4.5Aではこれが省略され、AF専用になっています。Aタイプは価格を下げ、操作を簡略化したモデルです。

光学系は両モデルとも8群9枚、最短撮影距離0.39m、最大撮影倍率0.2倍と基本仕様が近いため、中古販売では区別が曖昧になることがあります。ただし、Aタイプの質量は230g、初期型は245gで、鏡筒の操作部も異なります。

camecame.jpにはAタイプについても、EF35-70mm F3.5-4.5Aの記事があります。中古で探す場合は二つを分けて確認することが重要です。

風景・旅行・スナップでの使い方

EF35-70mm F3.5-4.5は焦点域こそ狭いものの、日中の旅行や街歩きではその軽さが生きます。35mmで周囲を入れ、50mmで自然に切り取り、70mmで細部を大きく見せるという基本的な使い分けができます。

旅行では245gの軽さが大きな利点になる

ボディと合わせても機材全体を軽くしやすいため、一日歩きながら撮影する旅行や街歩きに向いています。大型ズームを持ち歩く場合と比べ、カメラをバッグへしまわず首や肩から下げたまま移動しやすくなります。

一方、35mm始まりなので狭い室内や巨大な建築物では広角不足を感じます。旅行で24mmや28mmが必要な人には向きません。風景や人物を自然な範囲で切り取る用途へ割り切ることで、このレンズの小ささを生かせます。

35mm前後から70mmまでを使った旅行・スナップの考え方は、画角とは?焦点距離との関係で詳しく確認できます。

0.39mまで寄れるため旅先の料理や小物も撮れる

旅行用レンズでは風景だけでなく、食事、看板、商品、植物、カメラ用品など近距離の被写体を撮れることが重要です。EF35-70mm F3.5-4.5はズーム全域で0.39mまで寄れるため、標準ズーム一本でこうした撮影にも対応できます。

70mm側へズームして被写体へ近づけば、35mm側より背景を整理しやすくなります。最大撮影倍率0.2倍なので小物をある程度大きく写せますが、ピント面が浅くなるため、F5.6からF8程度へ絞ると安定します。

同じように近接性能を持つ標準ズームとの比較には、EF28-70mm F3.5-4.5 IIも参考になります。

人物撮影では35mmと70mmを使い分ける

人物撮影では35mm側と70mm側で写真の印象を大きく変えられます。35mmでは背景や場所を見せ、70mmでは人物を画面の中心へ集める使い方ができます。

35mmは環境ポートレート、70mmは人物中心の構図に向く

35mmで人物を撮ると、街、部屋、自然など周囲の状況を残せます。人物の仕事場、旅行先、家族の生活空間など、背景にも意味がある撮影で使いやすい焦点距離です。ただし顔へ近づきすぎると鼻や手などカメラに近い部分が大きく見えるため、撮影距離を確保します。

70mmでは背景へ入る範囲が狭まり、人物を中心に構図を組みやすくなります。F4.5なので強烈なボケは得られませんが、人物と背景を離せば適度に背景をぼかせます。大きなボケ量より、背景の形を少し残した自然な人物写真に向いています。

標準ズームで人物を撮る際の70mm側の使い方は、EF24-70mm F2.8L II USMでポートレートでも詳しく紹介しています。

APS-Cでは約56-112mm相当になる

EF35-70mm F3.5-4.5はフルサイズ対応EFレンズなので、Canon APS-C一眼レフにも装着できます。APS-Cでは35mm判換算約1.6倍の画角となり、約56-112mm相当です。

APS-Cでは標準から中望遠の人物向けズームに変わる

APS-Cでは35mm側でも約56mm相当となるため、フルサイズで使ったときの広角感はなくなります。室内や風景では狭く感じる一方、人物、花、小物、少し離れた被写体を切り取る撮影では使いやすくなります。

70mm側は約112mm相当なので、屋外ポートレートでは背景を整理しやすく、人物の上半身や表情を大きく写せます。APS-Cではレンズ中央部を主に使うため、フルサイズで目立つ周辺部の甘さも見えにくくなる場合があります。

フルサイズとAPS-Cで画角が変化する仕組みは、マウントアダプターで画角は変わる?で詳しく解説しています。

EOS Rシリーズでもマウントアダプターで使える

EF35-70mm F3.5-4.5はEFマウントなので、RFマウントのEOS Rシリーズへ直接装着できません。マウントアダプター EF-EOS Rを使用すれば、フルサイズEOS RでもAPS-CのEOS Rでも使用できます。

フルサイズEOS Rなら35-70mmの画角をそのまま使える

標準タイプのEF-EOS Rには画角を変える光学系が入っていないため、フルサイズEOS Rでは35-70mm F3.5-4.5として使用します。焦点距離も開放F値も変化しません。

電子接点を介してAFと絞り制御を利用できます。初期EFレンズなのでAF動作そのものは新しいレンズほど静かでも高速でもありませんが、EOS R側の撮像面AFと組み合わせて撮影できます。EVFや背面モニターで露出を確認できることも、古いEF一眼レフ時代とは異なる使いやすさです。

EOS RシリーズでEFレンズを利用する基本は、EOS RでEFレンズを使う方法で詳しく解説しています。

小型レンズでもアダプター込みでは全長が増える

レンズ単体では全長約63mmと小さいものの、EOS Rシリーズで使用するとアダプターの厚みが加わります。そのため「245gの小型レンズ」という利点は残りますが、RFの小型標準ズームほど短いシステムにはなりません。

一方、中古価格が非常に低い個体であれば、EF-EOS Rをすでに所有している人にとっては、35-70mmという初期EFの標準ズームを低コストで試せます。RFレンズとは違った操作感やAF音を含め、EF初期の設計を現在のボディで体験できる点が特徴です。

EFレンズを現在も残して使う考え方は、EFレンズは今後も使える?で詳しく整理しています。

EF28-70mm F3.5-4.5 IIとの違い

同じ初期EF標準ズームとして比較しやすいのがEF28-70mm F3.5-4.5 IIです。どちらも70mmまでをカバーし、開放F値もF3.5-4.5ですが、広角端が35mmと28mmで大きく異なります。

風景や室内では28mm、軽さでは35-70mmが有利

28mmまで使えるEF28-70mm F3.5-4.5 IIは、建物、室内、風景、旅行などで広い範囲を写しやすくなります。35mmから始まるEF35-70mm F3.5-4.5は、後ろへ下がれない場所では明確に不利です。

一方、EF35-70mm F3.5-4.5は約245gで、EF28-70mm F3.5-4.5 IIよりさらに軽量です。標準域から中望遠だけを使うなら、35-70mmの方がシンプルに持ち歩けます。ズーム域の狭さを欠点と見るか、必要な範囲だけに絞った小型レンズと見るかで評価が変わります。

28mm始まりの初期EF標準ズームについては、EF28-70mm F3.5-4.5 IIで詳しく解説しています。

中古でEF35-70mm F3.5-4.5を買うときの注意点

発売から長期間が経過しているため、中古ではスペックより個体状態が重要です。価格が安くてもAFや絞りに問題があれば、修理費用の方がレンズ価格を上回る可能性があります。

初期型とAタイプを取り違えない

最初に確認したいのは製品名です。「EF35-70mm F3.5-4.5」と「EF35-70mm F3.5-4.5A」は別モデルです。初期型は1987年、Aタイプは1988年に登場しています。

Aタイプはマニュアルフォーカスリングを省いたAF専用レンズで、初期型より軽量かつ低価格化されています。商品説明だけを信用せず、鏡筒の表記、フォーカスリングの有無、重量や外観で確認します。

中古EFレンズを選ぶときの基本は、Canon EFレンズの特徴とメリットも参考になります。

AF・ズーム・絞り・前玉の動きを確認する

AFは近距離と遠距離を交互に合わせ、途中で停止しないか、異常に大きな異音がないか確認します。元々作動音のあるレンズなので、音がすること自体を故障と決めることはできません。合焦しない、動作が途中で止まる、繰り返し行き来する症状がないかを見ることが重要です。

ズームリングは35mmから70mmまで滑らかに回るか、極端な引っ掛かりやガタがないか確認します。前玉側の機構も動くため、フィルターを装着している場合は固着や変形がないかを見ます。

絞りも開放からF29まで動作させ、エラーが出ないか確認します。古いEFレンズを含む中古機材全体の選び方は、中古一眼レフの選び方で詳しく紹介しています。

カビ・くもり・コーティング劣化は実写で確認する

古いレンズでは、小さなチリよりカビや面状のくもりを警戒したいところです。強い光へ向けたときにコントラストが極端に低下する個体は、内部のくもりやコーティング劣化が影響している可能性があります。

可能ならF3.5からF4.5付近とF8で実写し、中央と周辺の描写を確認します。古いレンズは個体差が大きく、レビューで高評価だったレンズでも、内部状態が悪ければ本来の性能は出ません。

現在のEF標準ズームと比べながら選ぶ場合は、Canon EF標準ズームレンズ一覧で焦点距離や用途を整理できます。

EF35-70mm F3.5-4.5はどんな人に向くか

EF35-70mm F3.5-4.5は、一本ですべてを撮れる万能標準ズームを探している人向けではありません。24mmの広角、100mm以上の望遠、手ブレ補正、高速静音AF、動画向けAFを必要とするなら、新しい標準ズームの方が便利です。

このレンズが向いているのは、初期EFシステムを実際に使ってみたい人、EOSフィルム一眼や古いデジタル一眼レフと組み合わせたい人、軽量な35-70mmを低価格で試したい人、EOS Rシリーズで古いEFレンズの描写を楽しみたい人です。

35mm・50mm・70mmという限られた範囲だからこそ、ズーム倍率に頼らず撮影者自身が前後へ動きやすくなります。現代の高倍率ズームと比べると不便ですが、その不便さによって焦点距離と撮影距離の違いを理解しやすいレンズでもあります。

まとめ

EF35-70mm F3.5-4.5は、1987年3月に登場したキヤノンEFマウント初期の標準ズームです。焦点距離35-70mm、開放F3.5-4.5、8群9枚、5枚絞り、最短撮影距離0.39m、最大撮影倍率0.2倍、52mmフィルター、約245gという仕様を持ちます。

現在の記事や中古情報では6群8枚、0.5m、210gなど別の数値が記載されることがありますが、このレンズの正式な仕様とは異なります。また、1988年のEF35-70mm F3.5-4.5Aとも区別が必要です。Aタイプはマニュアルフォーカスリングを省いたAF専用モデルで、初期型とは操作性が違います。

フルサイズでは35mmでスナップや旅行、50mmで日常撮影、70mmで人物や細部の切り取りに使えます。APS-Cでは約56-112mm相当となり、標準から中望遠を中心とした人物向けズームへ性格が変化します。

描写は最新のLズームやRF標準ズームには及びませんが、中央部は実用的で、F5.6からF8へ絞ると画面全体をまとめやすくなります。0.39mまで寄れるため、花や料理、小物など日常的な近接撮影にも対応できます。

弱点はAFの遅さと作動音、手ブレ補正がないこと、35mmより広角側を使えないこと、逆光耐性や周辺描写に世代差があることです。中古購入時はAF、ズーム、絞り、カビ、くもりに加え、Aタイプと取り違えていないかも確認する必要があります。

EOS一眼レフではそのまま使用でき、EOS RシリーズでもEF-EOS Rを介して利用できます。最新標準ズームの代替として性能だけを求めるレンズではありませんが、EFマウントが始まった時代の標準ズームを実際の撮影で体験できる一本として見ると、EF35-70mm F3.5-4.5の存在意義は現在も残っています。

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