EF35-135mm F3.5-4.5レビュー|画質・使い方・USM後継との違い
Canon EF35-135mm F3.5-4.5は、EFマウント初期に登場したフルサイズ対応の標準ズームレンズです。35mmから135mmまでを1本でカバーし、広角寄りの35mm、標準域の50mm前後、中望遠の85mmから135mmまでを連続して使えます。現在の24-105mmや24-70mmほど広角側は広くありませんが、望遠端が135mmまで伸びるため、日常撮影から人物、旅行、街歩きまで幅広い構図を作れる一本です。
正式な仕様は、レンズ構成12群16枚、絞り羽根6枚、最小絞りF29、最短撮影距離0.95m、最大撮影倍率0.18倍、フィルター径58mm、最大径約73.4mm、全長約94.5mm、質量約475gです。初期の記事で見られる「52mmフィルター」「0.5mまで寄れる」といった情報は、このレンズの正式仕様とは異なります。型番がよく似た後継のEF35-135mm F4-5.6 USMや、EF35-105mm系と数字が混ざりやすいため、購入時もF3.5-4.5であることを確認する必要があります。
AFには初期EFレンズらしいAFD系の駆動を採用し、後発のUSMレンズほど高速・静音ではありません。ズーム操作も現在一般的な回転式ではなく、鏡筒を前後へ押し引きするプッシュプル式です。一方、当時としては約4倍のズーム比を実現しながら475gにまとめ、高精度のガラスモールド非球面レンズを採用するなど、初期EFズームとしては特徴の多い設計です。
最新RFレンズのような高速AF、強力な手振れ補正、周辺まで均一な描写を期待するレンズではありません。しかし、古いEFレンズならではの操作感や描写を楽しみたい場合、35mmから135mmまでを一本で扱える焦点域は現在でも興味深いものがあります。この記事では、正式仕様、焦点距離ごとの使い方、実写で表れやすい画質、AF、プッシュプル式ズーム、後継USM型との違い、EOS Rで使う方法、中古購入時の注意点まで詳しく解説します。
EF35-135mm F3.5-4.5の基本仕様と設計
EF35-135mm F3.5-4.5は、EFシステム初期の標準ズームとして、広角から中望遠までを一本へまとめたレンズです。現在では珍しくなった35mm始まりですが、135mmまで伸びる焦点距離とF3.5-4.5という比較的明るい開放値が特徴です。
35-135mmの約4倍ズームを初期EFで実現した
焦点距離は35mmから135mmで、ズーム比は約3.9倍です。35mmでは街並みや風景をある程度広く写し、50mm付近では自然な見え方のスナップ、85mmから135mmでは人物や遠景を大きく切り取れます。
現在の24-105mmと比べると広角側は狭いものの、望遠側が135mmまであるため、標準ズームというより標準から中望遠へ重点を置いた構成です。人物や旅行で遠くの被写体を少し大きく写したい場合には、105mmで終わるズームより使いやすい場面があります。
EF標準ズーム全体の焦点距離や世代を比較するならCanon EF標準ズームレンズ一覧で確認できます。
正式仕様は12群16枚・475g・58mmフィルター
レンズ構成は12群16枚、絞り羽根は6枚、最小絞りはF29です。最短撮影距離はズーム全域0.95m、最大撮影倍率0.18倍、フィルター径58mm、最大径約73.4mm、全長約94.5mm、質量約475gです。
この時代の高倍率標準ズームとしては比較的コンパクトですが、近接性能は現在の標準ズームほど高くありません。0.95mまで離れる必要があるため、料理や小物を大きく写す用途では制約があります。最大撮影倍率0.18倍なので、花や大きめの物を少し寄って撮ることはできますが、マクロレンズのような使い方はできません。
レンズ構成や絞り、収差が画質へどう影響するかはレンズの光学性能とは?で詳しく解説しています。
ガラスモールド非球面レンズと3群移動ズームを採用する
EF35-135mm F3.5-4.5では、高精度のガラスモールド非球面レンズを採用し、4群構成・3群移動ズーム方式によって約4倍のズーム比と小型化を両立しています。現在では非球面レンズは珍しくありませんが、当時は高倍率ズームの収差補正と小型化に重要な技術でした。
35mmから135mmまで焦点距離を変えると、歪曲収差、周辺画質、ボケの見え方も変化します。ズームレンズは一本の光学系で複数の焦点距離を成立させるため、単焦点より設計上の妥協が増えます。このレンズも焦点距離によって描写の得意不得意が変わるタイプです。
同時期の初期EF標準ズームと比較するならEF35-105mm F3.5-4.5レビューも参考になります。
35mmから135mmまでの使い方
EF35-135mm F3.5-4.5の魅力は、一本の中で画角の性格が大きく変わることです。35mm側では周囲を含め、50mmから85mmでは自然な構図、135mm側では背景を整理した中望遠らしい構図へ切り替えられます。
35mm側は街歩き・旅行・風景に使いやすい
35mmはフルサイズでは軽い広角に分類でき、24mmや28mmほど強い遠近感はありません。街中では建物を極端に歪ませず周囲の雰囲気を取り込みやすく、旅行では人物と背景を一緒に残す用途にも使えます。
広い風景をすべて収めたい場合には35mmでは足りないことがありますが、山や街並みの一部分を自然な広がりで見せるには扱いやすい画角です。スナップでも画面端の変形が超広角ほど大きくないため、人を含めた構図を作りやすくなります。
焦点距離による背景の入り方や画角の違いは望遠レンズの圧縮効果とは?でも詳しく解説しています。
50mmから85mmは日常撮影と人物に使いやすい
50mm付近では標準レンズに近い自然な画角となり、スナップ、料理、人物、家族写真など幅広い用途へ使えます。35mmより背景へ入る範囲を減らしながら、135mmほど撮影距離を必要としないため、日常撮影で最も扱いやすい範囲です。
85mm付近まで伸ばすと人物の上半身や顔を整理しやすくなり、背景に写る範囲も狭くなります。開放F値も中間域では比較的明るいため、被写体と背景の距離を確保すれば、それなりに背景をぼかした人物写真を作れます。
人物撮影で焦点距離、背景、光をどう選ぶかはポートレート撮影完全ガイドで詳しく紹介しています。
105mmから135mmは中望遠らしい切り取りができる
望遠端135mmでは、人物、花、鉄道、山の一部分などを大きく切り取れます。85mmより背景に入る範囲が狭くなり、被写体を周囲から分離しやすくなります。撮影位置を少し離して人物を写すと、遠くの背景を大きく見せながら主題を強調できます。
135mm F4.5は大口径単焦点ほど明るくありませんが、焦点距離と撮影距離を生かせば背景ボケを作れます。特に背景が被写体から離れている条件では、F4.5でも十分に整理された背景になります。
85mm、105mm、135mmの違いを用途別に見るなら中望遠レンズの使い方ガイドが参考になります。
実写画質は焦点距離と絞りで性格が変わる
EF35-135mm F3.5-4.5は、最新の高画素カメラ向けに設計されたレンズではありません。実写では中央と周辺、広角側と望遠側で描写差が出やすく、絞りによって印象も変わります。古いズームとして使う場合は、全焦点距離で均一な性能を求めない方が特徴を理解しやすくなります。
35mm側は中央が使いやすいが周辺と歪曲に注意する
35mm側では中央部の解像感は実用的ですが、開放付近では四隅が中央ほど安定せず、樽型の歪曲も目立つ場合があります。建築物や水平線のように直線が多い被写体では、この歪曲が確認しやすくなります。
F5.6からF8程度へ絞ると周辺の描写は改善しやすく、風景や街並みでは扱いやすくなります。ただし歪曲そのものは絞っても大きく変わらないため、必要に応じてRAW現像で補正します。古いレンズでは最新のカメラ内補正に対応しない場合もあるため、実写を見ながら判断します。
歪曲、周辺光量、色収差などを確認する方法は色収差とは?原因と補正方法でも整理しています。
50mmから70mm付近は描写がまとまりやすい
実写レビューでは、50mmから70mm付近で中心と周辺のバランスが比較的取りやすく、F5.6からF8付近で安定した描写を得やすい傾向があります。ズームレンズでは中間域が光学的に使いやすいことがあり、このレンズでも同様の特徴が見られます。
高画素機で等倍表示すると最新レンズとの差は出ますが、通常サイズで写真を見る場合や、フィルム時代らしい少し穏やかな描写を楽しむ用途では十分に使えます。輪郭を強く出すタイプではなく、コントラストや細部の見え方も現代レンズより穏やかに感じることがあります。
解像力と見た目のシャープさの違いは描写力とボケ表現の秘密で詳しく解説しています。
100mmから135mmは少し絞ると使いやすい
100mmから135mmでは開放付近で少し柔らかさが出る場合があります。人物撮影ではこの柔らかさを利用できますが、鉄道や遠景の細部を残したい場合はF5.6からF8程度へ絞る方が扱いやすくなります。
望遠側では手ブレも目立ちやすくなります。このレンズには手振れ補正がないため、135mmではシャッタースピードを十分に確保する必要があります。高画素機では小さなブレも見えやすいため、1/250秒以上を一つの基準にし、必要ならISO感度を上げます。
シャッタースピードと焦点距離の関係はCanonカメラのシャッタースピード設定で詳しく解説しています。
プッシュプル式ズームとAFの使い勝手
EF35-135mm F3.5-4.5は、現在のズームレンズとは操作感が大きく異なります。回転式ズームではなく鏡筒を前後へ動かすプッシュプル式を採用し、AFも初期EF世代の駆動です。この違いを理解して使うと、古いレンズとしての性格が見えてきます。
プッシュプル式は35mmから135mmへ一気に移動できる
プッシュプル式ズームでは、鏡筒を前後へ動かすことで焦点距離を変更します。回転式のように手首をひねる必要がなく、35mmから135mmまで一動作で大きく変えられるため、静止画では素早く構図を変えられます。
一方、途中の焦点距離を正確に固定する感覚は回転式より難しい場合があります。50mm付近で止めたつもりでも、構え方によってわずかにズーム位置が動くことがあります。古い個体では内部の摩耗によってズームが軽くなりすぎている場合もあるため、中古では操作感も確認したい部分です。
同じ初期EFレンズの操作感はEF35-105mm F3.5-4.5レビューでも確認できます。
AFD駆動は音が大きく高速AF向けではない
AFは後年のリングUSMやSTMほど速くも静かでもありません。近距離から遠距離へ大きくピントを移動すると機械的な作動音が聞こえ、動く人物やスポーツを連続して追う用途では現代レンズとの差が出ます。
静止した人物、風景、街角、建物などでワンショットAFを使うなら実用になりますが、動画撮影ではAF音が内蔵マイクへ入りやすく、滑らかなフォーカス移動も期待しにくいレンズです。このレンズを現在使うなら、静止画中心と考えた方が性格に合います。
古いEFレンズと新しいAF方式の違いはEFレンズは今後も使える?で詳しく解説しています。
手振れ補正なしなので望遠側では持ち方と速度が重要
EF35-135mm F3.5-4.5にはISが搭載されていません。35mmでは多少遅いシャッターでも構え方次第で対応できますが、135mmでは小さな揺れが画面上で大きく見えます。
静止した被写体でも、低速シャッターを使う場合は脇を締め、カメラを安定させる必要があります。EOS R5やR6シリーズなどボディ内手振れ補正を備えたカメラへアダプター経由で装着する場合は、ボディ側補正の恩恵を受けられる場面がありますが、レンズ自体にISが追加されるわけではありません。
手振れ補正の仕組みと違いは電子手ぶれ補正とセンサーシフト式の違いで詳しく整理しています。
後継EF35-135mm F4-5.6 USMとの違い
名称が非常によく似ているため、中古ではEF35-135mm F3.5-4.5とEF35-135mm F4-5.6 USMを混同しやすくなります。焦点距離は同じですが、光学系、AF方式、重量、近接性能が異なる別設計のレンズです。
F3.5-4.5型は少し明るいがAFは古い
F3.5-4.5型は広角端F3.5、望遠端F4.5なので、F4-5.6 USMより約1/3から2/3段ほど明るい設定です。暗い場所で少しでも速いシャッターを使いたい場合や、望遠側で背景をぼかしたい場合には、この明るさが利点になります。
一方、AFは古いAFD駆動で、フルタイムマニュアルフォーカスにも対応しません。ピント合わせの快適さでは後発USM型の方が明確に有利です。F値だけを見ると旧型が上ですが、実際の撮影テンポはAF性能も含めて判断する必要があります。
後継モデルの特徴はEF35-135mm F4-5.6 USMレビューで詳しく確認できます。
USM型は425g・最短0.75mで扱いやすくなった
EF35-135mm F4-5.6 USMは12群14枚、5枚羽根、最短撮影距離0.75m、最大撮影倍率0.15倍、フィルター径58mm、最大径約72mm、全長約86.4mm、質量約425gです。旧F3.5-4.5型より約50g軽く、全長も短くなっています。
さらにキヤノンのズームレンズとして初めてリアフォーカス方式を採用し、リングUSMによる高速AFとフルタイムマニュアルフォーカスへ対応しました。旧型より開放F値は暗くなりましたが、操作性とAF性能を大きく改善した後継モデルです。
EF標準ズームを焦点距離と機能から比較するならCanon EF標準ズームレンズ一覧も参考になります。
35-105mmや28-105mmと比較すると性格が見えやすい
EF35-105mm F3.5-4.5は400gと軽く、望遠端が105mmまでなので小型です。EF35-135mm F3.5-4.5は75g重くなりますが、105mmから135mmの中望遠域を追加できます。
さらに後年のEF28-105mm F3.5-4.5 USMでは、広角端が28mmまで広がり、リングUSM、最短0.5m、375gという構成になります。旅行や日常撮影の実用性を重視すれば後発28-105mmの方が扱いやすい部分がありますが、35-135mmは初期EFらしい焦点域と操作感を楽しめるレンズです。
後年の軽量標準ズームとの違いはEF28-105mm F3.5-4.5 USMレビューで詳しく解説しています。
現在のデジタルカメラで使う方法
EF35-135mm F3.5-4.5はフィルム一眼レフ時代のレンズですが、EFマウントのためデジタルEOSでも使用できます。フルサイズ一眼レフ、APS-C一眼レフ、さらにマウントアダプターを介したEOS Rシリーズでそれぞれ画角や使い勝手が変わります。
フルサイズ一眼レフでは35-135mmをそのまま楽しめる
EOS 5DシリーズやEOS 6DシリーズなどのフルサイズEFマウント一眼レフでは、そのまま装着できます。35mmは軽い広角、50mm前後は標準、135mmは中望遠として、本来設計された焦点域をそのまま使えます。
EOS 5D Mark IIのようなフルサイズ一眼レフと組み合わせると、初期EFレンズをデジタルで楽しむ構成として分かりやすくなります。AF速度や逆光耐性などは現代レンズに及びませんが、古いズームの描写をフルサイズセンサーで確認できます。
古いEFレンズを現在活用する考え方はCanon EFレンズの特徴と使い方で詳しく解説しています。
APS-Cでは約56-216mm相当になり広角ではなくなる
Canon APS-C一眼レフやEOS R7、R10、R50などで使用すると、35mm判換算では約56-216mm相当の画角になります。35mm側でも標準より少し望遠寄りとなるため、風景や室内で広く写すレンズとしては使いにくくなります。
一方、216mm相当まで届くので、人物、鉄道、動物などを少し離れた位置から撮る用途では使いやすくなります。APS-Cでは周辺部を使わないため、フルサイズで目立つ四隅の描写や周辺光量低下が見えにくくなる場合もあります。
センサーサイズによる画角の変化はマウントアダプターで画角は変わる?で詳しく整理しています。
EOS RシリーズではEF-EOS Rを介して使用できる
RFマウントのEOS Rシリーズへは直接装着できませんが、マウントアダプター EF-EOS Rを介すことで使用できます。標準アダプターには焦点距離を変える光学系がないため、フルサイズEOS Rでは35-135mmのままです。
ミラーレスでは撮像面AFを使うため、一眼レフの位相差AFとはピント合わせの仕組みが変わります。ただし実際にフォーカス群を動かすのは古いAFDモーターなので、EOS Rへ付けただけで最新RFレンズのような静音高速AFになるわけではありません。
EFレンズをEOS Rで使う基本はEOS RでEFレンズを使う方法で詳しく解説しています。
中古で購入するときの確認点
EF35-135mm F3.5-4.5は発売から長い時間が経過しているため、中古購入ではスペック以上に個体状態が重要です。同じ型番でも保管環境や使用歴によって、光学系、AF、ズームの感触が大きく異なります。
カビ・クモリ・コーティングの状態を確認する
古いズームでは内部のカビやクモリが最も注意したい部分です。小さなチリだけなら実写へ大きく影響しない場合がありますが、薄いクモリがレンズ全体へ広がっていると逆光時のコントラストが大きく低下します。
前玉と後玉だけを見るのではなく、ライトを斜めから当てて内部も確認します。強い拭き傷、コーティングの劣化、カビ跡なども、逆光や点光源で画質へ影響することがあります。
古い機材を中古で選ぶ基本はカメラとレンズの中古市場を活かす選び方で詳しく紹介しています。
AFDモーターと絞りの動作を必ず確認する
AFは近距離と遠距離へ何度か往復させ、途中で停止しないか、異常な引っ掛かりがないかを確認します。作動音が大きいこと自体はこの世代の特徴ですが、明らかな異音やフォーカスが動かない症状は避けたいところです。
絞りも開放だけでなくF8やF16で撮影し、露出が安定するか確認します。古いEFレンズでは絞り機構や電子接点の不具合が出る個体もあるため、実写確認できる中古店の方が選びやすくなります。
EFレンズを中古で使い続ける価値と注意点はEFレンズは今後も使える?でも詳しく解説しています。
プッシュプル式ズームの緩みも確認する
プッシュプル式は現在では珍しいため、ズームの緩みを見落としやすい部分です。鏡筒を傾けただけで勝手に焦点距離が変わるほど軽くなっている個体や、逆に特定位置で強く引っ掛かる個体は使いにくくなります。
35mmから135mmまで数回動かし、滑らかに移動するか、途中で大きな抵抗差がないかを確認します。フォーカスリング、マウント部、58mmフィルター枠の変形も合わせて見ておくと安心です。
EFレンズの種類と対応カメラをまとめて確認するならCanonレンズ対応表が参考になります。
まとめ
Canon EF35-135mm F3.5-4.5は、EFマウント初期に登場したフルサイズ対応の約4倍標準ズームです。正式仕様は12群16枚、絞り羽根6枚、最短撮影距離0.95m、最大撮影倍率0.18倍、フィルター径58mm、最大径約73.4mm、全長約94.5mm、質量約475gです。
35mmから135mmという焦点距離は、現在の24-105mm系より広角側が狭い一方、望遠側を135mmまで使えることが特徴です。35mmでは街歩きや風景、50mmから85mmでは日常撮影や人物、105mmから135mmでは中望遠らしい背景整理と切り取りができます。
画質は焦点距離による差があり、35mm側では歪曲と周辺の柔らかさ、100mmから135mmでは開放付近の穏やかな描写が出る場合があります。50mmから70mm付近は比較的バランスを取りやすく、F5.6からF8程度へ絞ると全体をまとめやすくなります。最新レンズのような均一な解像力を求めるより、古いズームの描写を理解して使う方が向いています。
AFは初期のAFD系で、後発USM型のような高速・静音AFではありません。動画や高速動体には不向きですが、風景、人物、スナップなど静止画中心なら使用できます。プッシュプル式ズームは現在の回転式とは操作感が異なり、35mmから135mmへ素早く移動できる一方、中間焦点を正確に固定するには慣れが必要です。
後継のEF35-135mm F4-5.6 USMは少し暗くなった代わりに、リングUSM、リアフォーカス、フルタイムマニュアルフォーカス、425gの軽量化を実現しています。実用的なAF性能を優先するならUSM型、F3.5-4.5の明るさや初期EFらしい操作感を楽しみたいなら旧型という違いがあります。
フルサイズ一眼レフでは35-135mm本来の画角をそのまま使え、APS-Cでは約56-216mm相当の標準から中望遠ズームへ性格が変わります。EOS Rシリーズでもマウントアダプター EF-EOS Rを介して使用できますが、古いAFモーターや光学性能まで新しくなるわけではありません。
中古で選ぶ場合は、カビ、クモリ、AF、絞り、プッシュプル式ズームの緩みを重点的に確認する必要があります。最新性能を求めるレンズではありませんが、初期EOS時代の標準ズームを現在のデジタルカメラで使い、35mmから135mmという独特の焦点域と古いEFレンズの操作感を楽しむ一本として、現在でも個性のある存在です。



