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SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art完全ガイド|等倍マクロの描写・ボケ・使い方を徹底解説

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SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art完全ガイド|等倍マクロの描写・ボケ・使い方を徹底解説 マクロレンズ

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art完全ガイド|等倍マクロの描写・ボケ・使い方を徹底解説

SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは、最大撮影倍率1倍の等倍撮影に対応したフルサイズミラーレス向け中望遠マクロレンズです。105mm F2.8の画角を生かし、花や昆虫、時計、アクセサリーなどの接写だけでなく、商品撮影やポートレートにも活用できます。本記事では、等倍マクロの描写、背景ボケ、AF、手ブレへの対応、APS-Cでの画角、中古選びまで詳しく解説します。

  1. シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artとは
  2. 105mmという焦点距離がマクロ撮影に向いている理由
    1. 被写体へ近づきすぎずに等倍撮影できる
    2. フルサイズでは中望遠として使いやすい
  3. 最大撮影倍率1倍の等倍マクロ
    1. 小さな被写体を実物大で撮像面へ写せる
    2. 等倍付近では被写界深度が非常に浅くなる
  4. Artラインらしい細部描写
    1. マクロ撮影では解像感がそのまま写真の印象になる
    2. 色収差を抑えることはマクロでも重要
  5. 105mm F2.8のボケを生かす
    1. マクロ以外でも背景を大きくぼかせる
    2. 近接撮影ではF2.8にこだわらなくても大きくぼける
  6. 花撮影で使う105mmマクロ
    1. 一輪の花を背景から切り離しやすい
    2. 等倍まで近づけば花の細部が主役になる
    3. 風がある日は被写体ブレを優先する
  7. 昆虫撮影でも105mmが使いやすい
    1. 短焦点マクロより距離を確保しやすい
    2. 飛び回る昆虫では高速シャッターが必要になる
  8. 商品撮影や物撮りにも向いている
    1. 細部を見せる商品写真を作りやすい
    2. 三脚を使えば低ISOでじっくり撮影できる
  9. ポートレートにも使える105mm F2.8
    1. 人物から適度に距離を取って撮影できる
    2. マクロと人物を一本で撮れる
  10. 手ブレ補正を搭載しない点をどう考えるか
    1. レンズ内手ブレ補正は搭載されていない
    2. マクロでは手ブレ補正だけですべてを解決できない
  11. AFとフォーカスリミッター
    1. マクロから通常撮影までAFを利用できる
    2. MFでは拡大表示と組み合わせやすい
  12. APS-Cカメラで使う場合
    1. 画角は約158mm相当になる
    2. 撮影倍率1倍そのものは変わらない
  13. 105mmマクロと100mmマクロの違い
    1. 5mmの焦点距離差より設計思想の違いが大きい
  14. 中古で選ぶときのポイント
    1. 前玉・後玉・内部の状態を確認する
    2. AFと各スイッチの動作を見る
  15. シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artが現在でも魅力的な理由
    1. マクロと中望遠単焦点を一本で両立できる
    2. ミラーレス専用設計ならではの存在
  16. まとめ

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artとは

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは、フルサイズミラーレスカメラ向けに設計された中望遠マクロレンズです。焦点距離105mm、開放F2.8、最大撮影倍率1倍の等倍撮影に対応し、小さな被写体を大きく写す本格的なマクロ撮影から、ポートレートや風景の切り取りまで幅広く使用できます。

シグマのArtラインに属するレンズで、単に被写体へ近づけるだけではなく、細部の解像感や色収差の抑制、ボケの質まで重視した設計になっています。花や昆虫、時計、アクセサリー、料理、商品など細かな質感を見せたい撮影では、105mmという焦点距離と等倍撮影能力が大きな強みになります。

一眼レフ用の旧世代105mmマクロとは異なり、DG DNの名称が示すようにミラーレス専用として設計されています。マウントはソニーEマウントとLマウントが用意され、フルサイズ機だけでなくAPS-C機でも使用できます。

マクロレンズの撮影倍率や焦点距離の違いについては、マクロレンズの特徴と焦点距離による違いも参考になります。

105mmという焦点距離がマクロ撮影に向いている理由

被写体へ近づきすぎずに等倍撮影できる

マクロレンズでは最大撮影倍率だけでなく、焦点距離によって撮影距離や使いやすさが大きく変わります。50mm前後のマクロレンズでは被写体へかなり近づく必要がありますが、105mmなら一定の距離を取りながら小さな被写体を大きく写せます。

花や商品撮影ではカメラやレンズ自身が光を遮りにくくなり、照明を配置するスペースも確保しやすくなります。昆虫撮影ではレンズ先端を極端に近づけずに済むため、短焦点マクロより被写体を警戒させにくいことも105mmクラスの利点です。

一方、180mmクラスのマクロほど撮影距離が長くならないため、室内の商品撮影やテーブルフォトでも扱いやすさを保っています。105mmは短すぎず長すぎない焦点距離として、マクロ撮影では非常に使いやすい位置にあります。

100mm前後のマクロレンズについては、Canon EF100mm F2.8L マクロ IS USMの特徴と比較すると焦点距離の性格が分かりやすくなります。

フルサイズでは中望遠として使いやすい

105mmはフルサイズでは中望遠に分類され、マクロ撮影以外でも使いやすい焦点距離です。85mmより少し狭い画角になり、135mmほど撮影者が大きく後ろへ下がる必要がないため、人物や花を背景から切り離す撮影にも向いています。

被写体まである程度の距離を取りながら画面内へ大きく配置できるため、背景に写る範囲を整理しやすくなります。F2.8という開放値でも105mmという焦点距離を生かせば、被写体と背景の距離を確保することで大きな背景ボケを作れます。

マクロレンズを接写専用として考えると用途が限られて見えますが、105mm F2.8の中望遠単焦点として考えると、人物、花、動物、風景の一部分など撮影対象は大きく広がります。

中望遠で背景を整理する考え方は、135mm単焦点で背景を整理する撮影方法にも共通しています。

最大撮影倍率1倍の等倍マクロ

小さな被写体を実物大で撮像面へ写せる

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは最大撮影倍率1倍に対応しています。等倍撮影では、被写体を撮像面上へ実物と同じ大きさの像として投影できます。

フルサイズセンサーは横幅が約36mmなので、幅36mm程度の被写体なら等倍撮影で画面横いっぱいに近い大きさまで写せます。硬貨、時計、アクセサリー、花の中心部、昆虫など、通常のレンズでは小さくしか写らないものを大きく記録できます。

マクロ撮影では、肉眼では何気なく見ていた被写体から細かな模様や質感が現れます。花びらの筋、昆虫の体表、金属加工の細かな傷、布や紙の繊維などが写真の主役になります。

最大撮影倍率については、マクロレンズの等倍撮影と撮影倍率でも詳しく紹介しています。

等倍付近では被写界深度が非常に浅くなる

マクロ撮影では被写体へ近づくほど被写界深度が浅くなります。F2.8で等倍付近まで近づくと、ごく薄い範囲だけにピントが合い、その前後は急速にぼけていきます。

小さな花を撮った場合、花びらの手前にはピントが合っていても奥側は大きくぼけることがあります。昆虫では目にピントを合わせると胴体の後方が被写界深度から外れることもあります。

被写体全体を鮮明に見せたい場合はF5.6、F8、F11などへ絞ります。それでも等倍付近では被写界深度が十分にならないことがあるため、被写体に対するカメラの角度も重要になります。

F値と被写界深度の関係については、F値・ボケ・被写界深度の基本で詳しく解説しています。

Artラインらしい細部描写

マクロ撮影では解像感がそのまま写真の印象になる

マクロ撮影では被写体のごく小さな部分を画面いっぱいに拡大するため、レンズの細部描写が写真の印象へ直接現れます。一般的な撮影では目立ちにくいわずかな甘さでも、高倍率撮影では分かりやすくなります。

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは、マクロ撮影を前提とした高い解像性能を重視した設計です。ピントを置いた部分を明確に描きながら、その前後を自然にぼかすことで、小さな被写体でも立体感を作れます。

時計やアクセサリーでは金属の表面、文字盤の印刷、細かな加工まで見せやすく、花では花びらの筋や表面の質感を残せます。マクロ写真ではこうした細部が被写体そのものの魅力になります。

静物撮影に必要な基本的なカメラ設定については、静止画撮影の基本テクニックも参考になります。

色収差を抑えることはマクロでも重要

高倍率で撮影すると、被写体の輪郭に発生する色にじみも拡大されて見えます。光沢のある金属や逆光の花びらなど、明暗差の大きい部分では特に色収差が目立ちやすくなります。

マクロレンズでは単に中心部が解像するだけではなく、こうした色にじみを抑えながら細部を描くことが重要です。細かな構造を拡大する撮影だからこそ、輪郭の色づきが少ないことが質感表現につながります。

撮影時には露出オーバーを避けることも重要です。白い花びらや反射する金属などはハイライトが飛びやすいため、必要に応じて露出補正を使います。

明るさを調整する方法については、露出補正の基本と使い方で詳しく紹介しています。

105mm F2.8のボケを生かす

マクロ以外でも背景を大きくぼかせる

105mmという焦点距離とF2.8の組み合わせは、通常撮影でも背景を大きくぼかせます。被写体と背景の距離を十分に取れば、花や人物を背景から自然に浮かび上がらせることができます。

85mm F1.4や135mm F2のような大口径ポートレートレンズほど開放F値は明るくありませんが、105mmという長めの焦点距離によって背景の写る範囲が狭くなります。そのため、雑然とした場所でも不要なものを画面外へ外しやすくなります。

花を少し離れた位置から撮れば、背景の草木や光を大きくぼかし、主役だけを際立たせられます。接写ではさらに被写界深度が浅くなるため、F4やF5.6まで絞っても大きなボケを残すことができます。

焦点距離と背景ボケの関係については、ポートレートレンズの焦点距離とボケの違いも参考になります。

近接撮影ではF2.8にこだわらなくても大きくぼける

マクロレンズを手にすると、開放F2.8で撮影したくなります。しかし等倍付近では被写界深度が非常に浅いため、F2.8ではピントが合う範囲が狭すぎる場合があります。

F5.6やF8へ絞っても、通常撮影より被写界深度ははるかに浅くなります。背景との距離がある場合は、絞っても十分な背景ボケを残せます。

マクロ撮影では「背景をぼかすために開放を使う」というより、必要な被写界深度を確保するためにF値を決める方が実用的です。被写体全体を見せるのか、一部分だけを際立たせるのかによって絞りを選びます。

絞りと写真表現の関係については、F値で変わるボケと被写界深度で確認できます。

花撮影で使う105mmマクロ

一輪の花を背景から切り離しやすい

105mmは花撮影と非常に相性のよい焦点距離です。花壇の中から一輪だけを選び、周囲の花や葉を背景として大きくぼかせます。

短焦点マクロでは周囲まで広く写りますが、105mmでは背景に写る範囲が狭くなるため、撮影者が少し左右へ移動するだけでも背景を大きく変えられます。

暗い木陰を背景にすれば花を浮かび上がらせ、明るい花や光を背景へ置けば柔らかな印象を作れます。主役の花だけを見るのではなく、その後ろに何があるのかを見ることで105mmの特徴を生かせます。

自然光を使った撮影については、屋外撮影で自然光を生かす方法でも詳しく紹介しています。

等倍まで近づけば花の細部が主役になる

少し離れて花全体を撮ったあと、そのまま近づいて花びらや雄しべ、雌しべなど一部分を拡大できます。一本のレンズで花全体から細部まで構図を変えられることがマクロレンズの魅力です。

肉眼では一つの花として見えていたものでも、等倍まで近づくと細かな模様や質感が現れます。水滴が付いていれば、花だけでなく水滴の反射や周囲の映り込みまで撮影対象になります。

同じ花でも撮影倍率を変えるだけで写真の印象は大きく変わります。最初から最大倍率だけを狙わず、少しずつ距離を変えながら構図を探すと105mmマクロの用途が広がります。

マクロレンズによる撮影表現については、マクロレンズで細部を撮る方法でも紹介しています。

風がある日は被写体ブレを優先する

花のマクロ撮影で難しいのは、撮影者の手ブレだけではありません。わずかな風でも花が動き、高倍率になるほどその動きが画面上では大きく見えます。

このような場合はシャッタースピードを優先します。1/250秒や1/500秒など、花の動きが止まる速度まで上げ、明るさが不足する場合はISO感度を上げます。

三脚へ固定しても花自身が動けば被写体ブレは残ります。マクロ撮影ではカメラを固定することと被写体を止めることを分けて考える必要があります。

シャッタースピードとブレの関係については、シャッタースピードの基本と被写体ブレ対策で詳しく解説しています。

昆虫撮影でも105mmが使いやすい

短焦点マクロより距離を確保しやすい

昆虫撮影では、被写体へ近づきすぎると逃げられることがあります。105mmマクロなら50mm前後のマクロレンズより距離を確保しながら大きく写せるため、昆虫を驚かせにくくなります。

蝶やトンボなど警戒心の強い昆虫では、いきなり最短撮影距離まで近づくのではなく、少し離れたところから撮影を始め、徐々に距離を縮める方法が使えます。

105mmなら被写体の背景も整理しやすいため、昆虫だけを大きく見せたい場合にも向いています。葉や枝が複雑に入り組んでいる場所でも、撮影位置を変えて背景を選べます。

動体撮影の基本については、動く被写体を撮るAFとシャッタースピードでも紹介しています。

飛び回る昆虫では高速シャッターが必要になる

止まっている昆虫ならMFや低速シャッターも使えますが、動き回る昆虫ではシャッタースピードを上げる必要があります。

1/500秒や1/1000秒まで上げれば、脚や羽の動きを止めやすくなります。光量が不足するとISO感度は高くなりますが、低ISOへこだわって被写体ブレを起こすより、必要なシャッタースピードを確保する方が重要です。

マクロ撮影では被写界深度も浅いため、被写体が前後へ動くとピント位置そのものが変化します。連写を使いながら複数枚撮影すると、狙った部分へピントが合った一枚を残しやすくなります。

ISO感度の考え方については、ISO感度と露出の基本で詳しく紹介しています。

商品撮影や物撮りにも向いている

細部を見せる商品写真を作りやすい

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは、商品撮影にも使いやすいレンズです。

時計、アクセサリー、カメラ用品、模型、電子部品など、製品の細かな特徴を大きく見せられます。商品全体を撮影したあと、そのまま近づいてロゴや刻印、操作部などの詳細写真を撮ることもできます。

105mmでは被写体とカメラの間に距離を確保できるため、照明やレフ板を置くスペースを作りやすくなります。短焦点マクロではレンズが照明を遮る場合がありますが、中望遠マクロなら光を配置する自由度が高まります。

露出や構図を含む静物撮影の基本については、静止画撮影の基本設定でも詳しく紹介しています。

三脚を使えば低ISOでじっくり撮影できる

動かない商品なら三脚を使うことで、シャッタースピードを遅くしても被写体ブレが発生しません。ISO感度を低く設定し、必要なF値まで絞って細部を撮影できます。

マクロ撮影では被写界深度を確保するためF8やF11を使うことがあります。絞るほど光量は減りますが、商品が静止しているならシャッタースピードを長くすることで補えます。

カメラを固定した状態では、セルフタイマーやリモート撮影を使えばシャッター操作による揺れも減らせます。拡大表示を利用してピント位置を確認すれば、細かな商品撮影でも精度を高められます。

手ブレ補正と三脚の関係については、手ブレ補正IS・IBISの使い方で詳しく紹介しています。

ポートレートにも使える105mm F2.8

人物から適度に距離を取って撮影できる

105mmは人物撮影にも使いやすい中望遠です。85mmより少し離れた位置から人物を撮影でき、背景を狭く整理できます。

屋外でバストアップや上半身を撮ると、人物と背景を分離しやすくなります。F2.8なので85mm F1.2や135mm F2ほど浅い被写界深度にはなりませんが、105mmの焦点距離と背景までの距離を利用すれば十分なボケを作れます。

マクロレンズは細部を明確に描く設計なので、肌や髪、衣服の質感もしっかり写ります。柔らかな描写を優先するポートレート専用レンズとは異なり、細部を残したい人物撮影に向いています。

ポートレートで使う焦点距離については、85mm・100mm・135mmなど中望遠レンズの違いも参考になります。

マクロと人物を一本で撮れる

旅行や屋外撮影では、人物だけでなく花や小物を撮りたい場面があります。105mmマクロなら人物撮影のあと、そのまま小さな被写体へ近づいて等倍撮影できます。

一般的な105mm単焦点では最短撮影距離に限界がありますが、マクロレンズなら「あと少し近づきたい」と感じた場面でそのまま寄れます。

人物撮影専用として考えれば、より明るいF1.4やF1.8のレンズがあります。しかしマクロとポートレートを一本で両立したい場合には、105mm F2.8という構成に大きな意味があります。

中望遠レンズで背景をぼかす方法については、ポートレートレンズ完全ガイドでも紹介しています。

手ブレ補正を搭載しない点をどう考えるか

レンズ内手ブレ補正は搭載されていない

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artには、レンズ内手ブレ補正は搭載されていません。

静止した花や商品を暗い場所で手持ち撮影する場合には、手ブレ補正を搭載する100mmマクロと比べてシャッタースピードを意識する必要があります。

一方、対応するボディにボディー内手ブレ補正が搭載されていれば、カメラ側の補正を利用できます。ソニーEマウントやLマウントにはボディー内補正を搭載したカメラが多く、組み合わせによって手持ち撮影を補助できます。

手ブレ補正の仕組みについては、レンズ内ISとボディー内IBISの違いで詳しく解説しています。

マクロでは手ブレ補正だけですべてを解決できない

マクロ撮影では、手ブレ補正があっても被写体自身の動きや、撮影者の前後方向の動きまでは完全に解決できません。

等倍撮影では被写界深度が非常に浅いため、撮影者が数ミリ前後しただけでもピント位置が変化します。花が風で前後へ動いた場合も同様です。

そのため手ブレ補正の有無だけでマクロレンズの使いやすさを判断する必要はありません。十分なシャッタースピード、安定した構え、連写、三脚、MFなどを撮影状況に合わせて使い分けます。

シャッタースピードによるブレ対策については、シャッタースピードの決め方で詳しく紹介しています。

AFとフォーカスリミッター

マクロから通常撮影までAFを利用できる

マクロレンズは最短撮影距離から無限遠まで非常に広いピント範囲を持っています。そのためAFが大きく外れた場合、近距離から遠距離までフォーカスを探すと時間がかかることがあります。

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artにはフォーカスリミッターが用意され、撮影する距離に合わせてAFが動く範囲を制限できます。

近距離だけを撮影するとき、通常距離だけを撮影するときなど、用途に応じて範囲を設定すれば無駄なフォーカス移動を減らせます。

人物や風景では通常のAFを使い、等倍付近の静物ではMFを組み合わせるなど、撮影距離によって使い分けると扱いやすくなります。

AFを使った動体撮影については、動体撮影のAF設定と実践方法でも紹介しています。

MFでは拡大表示と組み合わせやすい

等倍付近では、狙った部分へ数ミリ単位でピントを合わせたい場面があります。こうした撮影ではMFが有効です。

ミラーレスカメラなら電子ビューファインダーや背面モニターを拡大し、昆虫の目、花の雄しべ、時計の文字などを確認しながらピントを合わせられます。

さらに撮影倍率を決めてからフォーカスリングを頻繁に動かさず、カメラ自体をわずかに前後してピントを合わせる方法もマクロ撮影ではよく使われます。

高倍率撮影ではAFとMFのどちらか一方に固定するのではなく、被写体の動きや撮影方法に合わせて使い分けることが重要です。

写真撮影の基本操作については、静止画撮影の基本テクニックも参考になります。

APS-Cカメラで使う場合

画角は約158mm相当になる

ソニーAPS-C機へ105mmを装着すると、35mm判換算では約157.5mm相当の画角になります。105mmという実焦点距離が変わるわけではなく、センサーがフルサイズより狭い範囲を記録するため画角が狭くなります。

フルサイズで使用した場合より被写体を画面内へ大きく配置しやすく、花や昆虫の撮影では望遠的な画角になります。

一方、人物撮影ではフルサイズ105mmより後ろへ下がる必要があります。室内では画角が狭く感じられる場面も増えます。

APS-Cとフルサイズの画角の違いについては、センサーサイズと画角の関係で詳しく解説しています。

撮影倍率1倍そのものは変わらない

APS-Cへ装着してもレンズの最大撮影倍率は1倍のままです。

ただしAPS-Cセンサーはフルサイズより小さいため、同じ1倍で撮影すると小さな被写体が画面内を占める割合は大きくなります。

小型の昆虫やアクセサリーなどを画面いっぱいに見せたい場合には、この特性を利用できます。

フルサイズとAPS-Cでは画角の見え方が変わりますが、レンズそのものの焦点距離や最大撮影倍率が変化するわけではありません。

マクロレンズの撮影倍率については、等倍マクロの仕組みと使い方でも詳しく紹介しています。

105mmマクロと100mmマクロの違い

5mmの焦点距離差より設計思想の違いが大きい

105mmと100mmという数字だけを見ると、焦点距離の差はわずか5mmです。実際の撮影では、この5mmだけで写真の性格が大きく変わるわけではありません。

比較するときに重要なのは、AF、手ブレ補正、重量、最短撮影距離、操作リング、マウント、ボディーとの組み合わせなどです。

例えばEF100mm F2.8L マクロ IS USMはレンズ内ハイブリッドISを搭載していますが、シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artはミラーレス専用設計で、操作系やボディーとの連携が異なります。

焦点距離だけを比較するのではなく、使用するカメラシステムと撮影方法から選ぶことが重要です。

100mmマクロについては、EF100mm F2.8L マクロ IS USM完全ガイドで詳しく紹介しています。

中古で選ぶときのポイント

前玉・後玉・内部の状態を確認する

中古でシグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artを選ぶ場合は、外装だけでなく光学系を確認します。

マクロ撮影では細部を大きく写すことが多いため、強い曇りやカビ、目立つ傷などがないかを見ておきたいところです。通常使用による微細なチリは珍しくありませんが、撮影へ影響しそうな状態は避けたい部分です。

後玉やマウント周辺も確認します。ミラーレス用レンズでは後玉が比較的マウント側へ近い場合があるため、レンズ交換時の傷や汚れがないかを見ることも重要です。

中古レンズ全般の確認では、光学系だけでなく各操作部まで実際に動かして状態を見ることが基本になります。

AFと各スイッチの動作を見る

中古ではAFが近距離から遠距離まで正常に動くかを確認します。マクロレンズはフォーカス移動量が大きいため、近距離だけでなく遠距離まで動作を見ると状態を判断しやすくなります。

フォーカスリミッター、AF/MF切り替え、絞りリングなど、鏡筒にある操作部も確認します。

マクロ撮影では各操作を頻繁に使うため、光学系がきれいでもスイッチやリングの動作に問題があれば使い勝手へ影響します。

カメラの基本操作とレンズ設定については、写真撮影の基本設定も参考になります。

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artが現在でも魅力的な理由

マクロと中望遠単焦点を一本で両立できる

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artの魅力は、本格的な等倍マクロと通常の中望遠撮影を一本でこなせることです。

花や昆虫を等倍で撮ったあと、少し離れれば人物や風景の一部分を撮影できます。被写体へ近づけること以外は普通のレンズとしても使えるため、マクロ撮影をする日だけ持ち出す必要はありません。

一般的な中望遠単焦点では「もう少し寄りたい」と感じたところで最短撮影距離に達することがありますが、マクロレンズならそこからさらに近づけます。

一本のレンズで撮影距離を大きく変えられることが、105mmマクロの用途を広げています。

マクロレンズ全体の使い方については、マクロレンズの特徴と撮影用途でも紹介しています。

ミラーレス専用設計ならではの存在

105mm F2.8というマクロレンズ自体は以前から存在していましたが、DG DNはミラーレスカメラ向けに設計された世代です。

一眼レフ用レンズをアダプターで使用するのではなく、ソニーEマウントやLマウントのフランジバックを前提として設計されています。

ミラーレスの拡大表示、電子ビューファインダー、ボディー内手ブレ補正などと組み合わせることで、従来の一眼レフ用マクロとは異なる撮影環境を作れます。

特にMFで細部へピントを合わせるマクロ撮影では、ミラーレスの拡大表示との相性がよく、レンズの高い解像性能を確認しながら撮影できます。

手ブレ補正を含むミラーレスの撮影機能については、手ブレ補正IS・IBIS完全ガイドで詳しく解説しています。

まとめ

シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは、焦点距離105mm、開放F2.8、最大撮影倍率1倍を組み合わせたフルサイズミラーレス向けの中望遠マクロレンズです。

等倍撮影では花、昆虫、時計、アクセサリー、商品などの細かな部分を画面いっぱいに写すことができます。105mmという焦点距離によって短焦点マクロより被写体との距離を確保しやすく、照明を配置する商品撮影や警戒心のある昆虫撮影にも使いやすくなっています。

マクロだけでなく通常の105mm F2.8単焦点としても利用でき、花や人物を背景から浮かび上がらせる中望遠撮影にも対応します。85mmより背景を整理しやすく、135mmほど長い撮影距離を必要としない点も105mmの扱いやすさです。

等倍付近では被写界深度が非常に浅くなるため、F2.8の明るさだけを生かすのではなく、F5.6やF8まで絞って必要なピント範囲を確保する撮影も重要になります。

レンズ内手ブレ補正は搭載されていませんが、ボディー内手ブレ補正を持つカメラとの組み合わせや、十分なシャッタースピード、三脚、連写などを利用することで対応できます。

接写だけに特化した特殊レンズではなく、等倍から通常撮影まで大きく撮影距離を変えられる中望遠単焦点です。小さなものの質感を大きく見せたい撮影と、105mmらしい背景整理を一本で楽しめることが、シグマ 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artの大きな魅力です。

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