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Canon EF300mm F2.8L IS II USM|蛍石2枚・4段ISを備えたサンニッパII型の実力

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Canon EF300mm F2.8L IS II USM|蛍石2枚・4段ISを備えたサンニッパII型の実力 望遠単焦点

Canon EF300mm F2.8L IS II USM|蛍石2枚・4段ISを備えたサンニッパII型の実力

Canon EF300mm F2.8L IS II USMは、300mmという超望遠域とF2.8の大口径を組み合わせたキヤノンEFマウントの単焦点Lレンズです。いわゆる「サンニッパ」のII型にあたり、スポーツ、野鳥、航空機、モータースポーツなど、遠距離にいる被写体の一瞬を高画質で捉えることを目的として設計されています。

2011年8月に発売されたレンズですが、単なる旧世代の超望遠レンズではありません。蛍石レンズを2枚使用した光学系、約4段分の手ブレ補正、リングUSM、3種類のISモード、フォーカスプリセット、パワーフォーカスなど、本格的な超望遠撮影に必要な機能が盛り込まれています。

初代EF300mm F2.8L IS USMから光学系とメカ構造が大きく見直され、画質だけでなく軽量化、手ブレ補正、近接性能、操作性も強化されました。EOS一眼レフで本来の性能を発揮するだけでなく、マウントアダプター EF-EOS Rを使用すればEOS Rシリーズでも活用できます。

EF300mm F2.8L IS II USMとは

300mm F2.8という特別な超望遠単焦点

300mmという焦点距離は、フルサイズでは被写体との距離を保ちながら画面いっぱいに引き寄せられる超望遠域です。そこへF2.8という大口径を組み合わせていることがEF300mm F2.8L IS II USMの最大の特徴です。

300mm F4や100-400mmクラスのズームと比較すると、F2.8はより多くの光を取り込めます。同じISO感度なら高速シャッターを使いやすく、スポーツや飛翔する鳥のように被写体ブレを抑える必要がある場面で大きな意味を持ちます。

望遠レンズは焦点距離が長くなるほど背景を整理しやすくなります。300mmにF2.8を組み合わせれば、被写体と背景の距離が十分にある状況で背景を大きくぼかし、被写体だけを浮かび上がらせる表現が可能です。

遠くのものを大きく写すためだけのレンズではなく、画角、圧縮感、大きなボケを利用して写真そのものの印象を変えられるレンズです。

関連記事:焦点距離で変わる写真表現の世界

II型で光学系を全面的に見直したサンニッパ

EF300mm F2.8L IS II USMの光学系は12群16枚で構成され、蛍石レンズを2枚使用しています。初代EF300mm F2.8L IS USMは13群17枚だったため、II型では光学設計そのものが変更されています。

蛍石は望遠レンズで問題になりやすい色収差を抑えるために有効な光学材料です。特に300mm F2.8のような大口径超望遠では、明暗差の大きい被写体や逆光下で輪郭部分に色付きが発生すると目立ちやすくなります。

II型では蛍石を2枚配置することで残存色収差を抑え、高い解像力とコントラストを両立しています。遠くの野鳥の羽毛、選手のユニフォーム、航空機表面の細かなディテールなど、超望遠でありながら細部まで描き分けることを重視した設計です。

関連記事:レンズ解像度とは?解像力・シャープネスとの違い

EF300mm F2.8L IS II USMの描写力

開放F2.8から使うための高い解像力

300mm F2.8の価値は、絞り込まなければ解像しないレンズでは十分に発揮できません。EF300mm F2.8L IS II USMは、F2.8という開放絞りから高い解像力を得ることを前提に設計されています。

明るさの少ない夕方や屋内競技でシャッタースピードを確保するためにF2.8を使う場合でも、ピントが合った部分の輪郭をしっかり描写できます。

F2.8では被写界深度が浅くなるため、被写体の前後は大きくぼけます。一方でピント面は鋭く描写されるため、被写体と背景の分離がはっきりします。

野鳥なら目や羽毛、スポーツなら選手の表情やユニフォームなど、視線を集めたい部分をシャープに残し、それ以外を滑らかなボケへ移行させることができます。

F4やF5.6まで絞れば被写界深度を広げられますが、このレンズを使う大きな理由の一つはF2.8を積極的に利用できる点にあります。

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蛍石2枚とSWCによる色収差・フレア対策

EF300mm F2.8L IS II USMでは、蛍石2枚による色収差補正に加え、SWC(Subwavelength Structure Coating)が採用されています。

超望遠レンズは前玉が大きく、屋外では太陽光や強い照明の影響を受ける場面もあります。逆光状態で余分な反射が発生すると、コントラスト低下やゴースト、フレアとして画面に現れます。

SWCはこうした反射を抑えるための特殊コーティングです。大口径超望遠を実戦で使うための重要な技術の一つです。

さらに最前面と最後面のレンズにはフッ素コーティングが施されています。屋外撮影で付着しやすい汚れを拭き取りやすくすることも考慮されています。

関連記事:逆光撮影でフレアとゴーストが起こる理由

9枚円形絞りと300mm F2.8が作る大きなボケ

絞り羽根は9枚の円形絞りです。300mmという長い焦点距離とF2.8の大口径が組み合わさるため、背景を大きくぼかしやすいレンズです。

被写体と背景が十分に離れていれば、背景にある木々、観客席、建物などを大きくぼかし、主題を明確にできます。

スポーツ撮影で背景に広告や観客が多い場合でも、構図と撮影距離を調整することで背景の情報量を減らせます。野鳥撮影では枝葉を柔らかくぼかし、鳥そのものへ視線を集中させることができます。

300mmの圧縮感も加わるため、85mmや135mmとは違う密度の高い背景表現になります。撮影距離を確保できる場所では人物撮影にも利用でき、遠距離から自然な表情を狙いながら背景を大きく整理できます。

関連記事:背景をぼかす撮影方法

約4段分のISと3つの手ブレ補正モード

MODE 1・MODE 2・MODE 3を使い分ける

EF300mm F2.8L IS II USMには、シャッタースピード換算で約4段分の効果を持つ光学式手ブレ補正機構が搭載されています。

300mmではわずかなカメラの動きでも画面上では大きな揺れになります。そのため、超望遠レンズでは手ブレ補正の有無がファインダー像の安定性や構図の決めやすさにも影響します。

MODE 1は静止した被写体を中心とする通常撮影向けです。上下左右方向の手ブレを補正します。

MODE 2は流し撮り向けです。カメラを振っている方向を判断し、それと直交する方向の手ブレを補正します。モータースポーツや鉄道、走っている選手などを追いながら撮影するときに利用できます。

MODE 3は露光中を中心に手ブレ補正を行うモードです。シャッターを切る前のファインダー像へ補正の影響を出しにくいため、不規則に方向を変えるスポーツや野生動物を追う場合に使いやすい設計です。

初代IS付きサンニッパの約2段分からII型では約4段分へ強化され、IS MODE 3も追加されました。

関連記事:手ブレ補正で広がる写真表現

手ブレ補正と被写体ブレは別に考える

約4段分のISがあるからといって、スポーツや鳥を低速シャッターで止められるわけではありません。

ISが補正するのは主に撮影者やカメラによって発生する手ブレです。走っている選手や飛んでいる鳥そのものの動きを止めるには、被写体に応じたシャッタースピードが必要です。

スポーツや飛翔する鳥では1/1000秒以上を使う場面も多く、F2.8の明るさはそこで効果を発揮します。ISO感度を必要以上に上げずに高速シャッターを選択しやすくなります。

静止している鳥、風景、夕景などではISを利用してシャッタースピードを下げられる場面があります。撮影対象によってF2.8とISの役割を分けて考えると、このレンズの性能を使いやすくなります。

関連記事:シャッタースピードの決め方

高速AFと超望遠撮影のための操作系

リングUSMと撮影距離範囲切り換え

AF駆動にはリングUSMが採用されています。大きなフォーカス群を持つ超望遠レンズでは、ピント位置を大きく移動するとAF時間も長くなります。

EF300mm F2.8L IS II USMには撮影距離範囲切り換えがあり、FULL、2m-6m、6m-∞から使用範囲を選択できます。

遠距離のスポーツや野鳥だけを撮影する場合に6m-∞へ設定すれば、近距離側まで大きくフォーカスを移動する必要がなくなります。被写体との距離が限定されている場面では、こうした設定がAFレスポンスを生かすうえで重要です。

また、フルタイムマニュアルフォーカスにも対応しています。AFで合わせたあとにフォーカスリングを使って微調整することもできます。

関連記事:CanonのAFモードと動体撮影

フォーカスプリセットとパワーフォーカス

EF300mm F2.8L IS II USMには、通常のAFとMF以外にも超望遠撮影を支える機能があります。

フォーカスプリセットでは、あらかじめ特定のピント位置を記憶させ、必要になったときにその位置へ素早く戻すことができます。

野鳥が繰り返し戻ってくる枝、選手が通過する特定地点、サーキットのコーナーなど、狙う距離が決まっている撮影で利用できます。

また、フォーカスモードにはPF(パワーフォーカス)も用意されています。再生リングを操作することで一定速度のピント送りが可能で、動画撮影で滑らかにピント位置を移動したい場合にも利用できます。

写真中心のレンズという印象が強いEF300mm F2.8L IS II USMですが、II型では動画撮影も意識した操作系が取り入れられています。

関連記事:Canon EFレンズをEOS Rで使う方法

2,350gまで軽量化されたII型

初代IS型から軽くなった意味

EF300mm F2.8L IS II USMの質量は2,350gです。最大径は128mm、全長は248mmで、一般的なレンズと比べれば非常に大きなレンズですが、300mm F2.8という仕様を考えるとII型では軽量化が進められています。

初代EF300mm F2.8L IS USMは2,550gで、II型では200g軽量になっています。

数百グラムの違いは数字だけを見ると小さく感じますが、2kgを超えるレンズを長時間構える場合には負担の違いとして現れます。

スポーツ撮影では被写体を追い続けることがあり、野鳥撮影でも突然現れる被写体に対応するためレンズを構えた状態を維持することがあります。

一脚や三脚を使う場合でも、移動、設置、方向転換のたびにレンズを動かすため、軽量化は機動性に直結します。

関連記事:レンズの携行性で変わる撮影スタイル

防塵・防滴とフッ素コーティング

EF300mm F2.8L IS II USMは、屋外で長時間使われることを想定したLレンズです。マグネシウム合金を積極的に使用した軽量構造とともに、防塵・防滴性能も考慮されています。

スポーツ、野鳥、航空機などの撮影では、常に理想的な天候になるわけではありません。砂ぼこり、湿気、小雨などにさらされる可能性があるため、超望遠レンズでは光学性能だけでなく鏡筒そのものの信頼性も重要です。

最前面と最後面にはフッ素コーティングが使われています。水滴や皮脂などの汚れが付いた場合のメンテナンス性にも配慮されています。

大型レンズは頻繁に前玉へ触れるものではありませんが、屋外撮影では風による汚れや水滴が付着することがあります。高価な超望遠レンズを長期間使うことまで考えた設計です。

関連記事:Canon Lレンズとは

最短撮影距離2m・最大撮影倍率0.18倍

II型では近距離撮影性能も向上

EF300mm F2.8L IS II USMの最短撮影距離は2.0m、最大撮影倍率は0.18倍です。

初代EF300mm F2.8L IS USMは最短撮影距離2.5m、最大撮影倍率0.13倍だったため、II型では被写体へ50cm近づけるようになり、最大撮影倍率も高くなりました。

0.18倍はマクロレンズのような本格的な接写倍率ではありません。しかし300mmのワーキングディスタンスを生かし、警戒心の強い昆虫、小動物、花などを離れた位置から大きく撮ることができます。

野鳥撮影でも、比較的近距離へ被写体が来たときに2mまでピントを合わせられることは有利です。

従来型より近接側の自由度が増したことで、300mm F2.8を遠距離専用としてだけでなく、中距離から被写体の一部分を切り取る用途にも使いやすくなっています。

関連記事:最大撮影倍率とは

エクステンダーで420mm F4・600mm F5.6へ

EXTENDER EF1.4×で420mm F4

EF300mm F2.8L IS II USMは、キヤノン純正EFエクステンダーに対応しています。

1.4倍のエクステンダーを装着すると焦点距離は420mmとなり、開放F値は1段暗いF4になります。

300mmでは少し届かない野鳥、航空機、モータースポーツなどで、レンズそのものを交換せず焦点距離を伸ばせるのが利点です。

F2.8からF4への変化なので、超望遠としてはまだ十分に明るく、焦点距離と光量のバランスを取りやすい組み合わせです。

最大撮影倍率も高くなるため、小さな被写体を大きく写したい場合にも有効です。

関連記事:EFエクステンダーの使い方

EXTENDER EF2×で600mm F5.6

2倍エクステンダーを装着すると600mm F5.6として使用できます。

300mmから一気に600mmまで伸びるため、遠距離の野鳥や航空機など、300mmでは被写体が小さくなりすぎる場面で効果があります。

開放F値は2段暗くなりF5.6になります。1.4倍よりもシャッタースピードやISO感度への影響が大きくなるため、被写体と撮影条件に応じた使い分けが必要です。

300mm単体、420mm F4、600mm F5.6という複数の超望遠域を1本から作り出せることは、このレンズの大きな強みです。

関連記事:マウントアダプターとエクステンダーで画角はどう変わる?

EOS Rシリーズでも使えるEF300mm F2.8L IS II USM

マウントアダプター EF-EOS Rで装着する

EF300mm F2.8L IS II USMはEFマウントレンズなので、EOS 5Dシリーズ、EOS-1DシリーズなどEFマウントの一眼レフには直接装着できます。

EOS R5、EOS R6シリーズ、EOS R3、EOS R7などRFマウントのEOS Rシリーズで使用する場合は、マウントアダプター EF-EOS Rを使用します。

通常のEF-EOS Rには焦点距離を変える光学系が入っていないため、フルサイズEOS Rへ装着した場合も300mm F2.8のままです。

APS-CのEOS R7、EOS R10、EOS R50などでは撮像範囲が狭くなるため、35mm判換算で約480mm相当の画角になります。レンズ自体の焦点距離と開放F値が変化するわけではありません。

ミラーレスでは撮像面でAFを行うため、一眼レフとはピント合わせの仕組みも変わります。EF時代の大口径超望遠をEOS Rシリーズへ持ち込めることは、現在このレンズを使ううえでも重要なポイントです。

関連記事:EOS RでEFレンズを使う方法

EF300mm F2.8L IS USM初代との違い

II型は画質だけでなく軽量化・IS・近接性能まで進化

初代EF300mm F2.8L IS USMとII型は、どちらも300mm F2.8、リングUSM、光学式手ブレ補正を備えたLレンズですが、中身はかなり異なります。

初代は13群17枚、最短撮影距離2.5m、最大撮影倍率0.13倍、質量2,550gです。

II型は12群16枚、最短撮影距離2.0m、最大撮影倍率0.18倍、質量2,350gとなっています。

II型では蛍石レンズを2枚使用した新光学系へ変更され、SWCも採用されました。ISは約4段分へ強化され、新たにMODE 3が追加されています。

単に初代の外装を変更したモデルではありません。光学設計、IS、重量、最短撮影距離、操作機能まで手を入れた世代交代です。

初代には初代ならではの特徴がありますが、II型では撮影時の機動性や近接性能、手ブレ補正などが大きく改良されています。

関連記事:EF300mm F2.8L IS USM

EF300mm F2.8L IS II USMの主な仕様

焦点距離 300mm
開放F値 F2.8
最小絞り F32
レンズ構成 12群16枚
特殊光学材料 蛍石レンズ2枚
絞り羽根 9枚・円形絞り
最短撮影距離 2.0m
最大撮影倍率 0.18倍
AF駆動 リングUSM
手ブレ補正 約4段分
ISモード MODE 1・MODE 2・MODE 3
フィルター 差し込み式52mm
最大径 128mm
全長 248mm
質量 2,350g
対応レンズフード ET-120(WII)

EF300mm F2.8L IS II USMが活躍する撮影

スポーツ・野鳥・航空機で真価を発揮する

EF300mm F2.8L IS II USMが最も生きるのは、遠距離にいる被写体を高速シャッターで捉える撮影です。

スポーツでは300mmの画角によって競技エリアへ入り込むような構図を作ることができます。F2.8なので屋外の夕方や照明下でもシャッタースピードを確保しやすく、背景をぼかして選手を浮かび上がらせることもできます。

野鳥では羽毛の細部を捉える解像力と高速AF、約4段分のISが利用できます。被写体が遠ければエクステンダーを追加して420mmや600mmへ伸ばすこともできます。

航空機では300mm単体の機動性を生かし、離着陸や旋回する機体を追えます。MODE 2を使えば流し撮りにも対応します。

サンニッパが長く報道やスポーツの現場で使われてきた理由は、単に明るい300mmだからではありません。F2.8の明るさ、高速AF、手ブレ補正、光学性能、操作性を一つのレンズにまとめていることにあります。

関連記事:超望遠レンズの使い方

まとめ

Canon EF300mm F2.8L IS II USMは、EFマウント時代を代表する大口径超望遠単焦点レンズです。

300mm F2.8という基本性能に加え、蛍石レンズ2枚を使用した12群16枚の光学系、SWC、約4段分のIS、3種類のISモード、リングUSM、フォーカスプリセット、パワーフォーカスを備えています。

初代EF300mm F2.8L IS USMからは軽量化され、最短撮影距離は2.5mから2.0mへ、最大撮影倍率は0.13倍から0.18倍へ向上しました。

EXTENDER EF1.4×を使えば420mm F4、EF2×なら600mm F5.6として使えるため、300mm単体だけでなく、さらに長い超望遠域へ拡張できます。

EOS一眼レフではEFマウントへ直接装着でき、現在のEOS Rシリーズでもマウントアダプター EF-EOS Rを介して活用できます。

RF時代になっても、300mm F2.8という焦点距離と明るさそのものの価値は変わりません。遠くの被写体を高速シャッターで止め、背景を大きくぼかし、細部まで描き切る。その目的のために作られたEF300mm F2.8L IS II USMは、キヤノンEF超望遠レンズの中でも重要な一本です。

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