EF16-35mm F2.8L USM初代レビュー|特徴・描写・II型・III型との違いを解説
EF16-35mm F2.8L USMは、キヤノンが2001年に発売したフルサイズ対応の大口径超広角ズームレンズです。後にEF16-35mm F2.8L II USM、EF16-35mm F2.8L III USMが登場したため、現在では区別のため「初代」「I型」と呼ばれることが多くなっています。
16mmという超広角から35mmまでを一本でカバーし、ズーム全域でF2.8を維持します。風景、建築、室内、夜景、星景、旅行、スナップなど、広角域を必要とする幅広い撮影に使えるレンズです。
現在の基準で見ると、II型やIII型より周辺描写、逆光耐性、収差補正などで世代差があります。その一方で、質量は約600g、フィルター径は77mmで、後継モデルよりコンパクトです。中古価格も含めて考えると、現在でも初代を選ぶ理由は残っています。
特にEFレンズの描写や一眼レフ時代のLレンズに興味がある人にとって、EF16-35mm F2.8L USMは単なる古い広角ズームではありません。EF17-35mm F2.8L USMから16mm始まりへ進化し、その後の16-35mm F2.8Lシリーズへ続いた重要な一本です。
この記事では、初代EF16-35mm F2.8L USMの特徴、スペック、16mmから35mmまでの使い方、風景・星景・建築での撮影、II型・III型との違い、EOS Rシリーズで使う方法、中古で購入するときの確認点まで詳しく解説します。
EF16-35mm F2.8L USM初代とは
EF16-35mm F2.8L USMは、EF17-35mm F2.8L USMの後継として登場した超広角ズームです。
それまで17mm始まりだった広角端を16mmまで広げ、フルサイズではより広い画角を得られるようになりました。現在では16mmと17mmの差は小さく感じるかもしれませんが、超広角域では1mmの違いでも写る範囲は明確に変わります。
初代は10群14枚の光学系に、3種類の非球面レンズと2枚のUDレンズを採用しています。ズーム全域F2.8、リングUSM、フルタイムマニュアルフォーカス、防塵・防滴へ配慮した構造など、当時のプロ向け広角ズームとして必要な機能をまとめたLレンズです。
16mm始まりのF2.8広角ズームとして登場
初代EF16-35mm F2.8L USMの大きな意味は、16mmから35mmまでをF2.8通しでカバーしたことです。
16mmでは広大な風景、大型建築、狭い室内を一枚へ収めやすく、35mmまでズームすれば街歩きや人物を含むスナップにも対応できます。
広角端が1mm広がっただけに見えても、17mmから16mmになると対角画角はさらに広がります。被写体からそれ以上後ろへ下がれない建築や室内では、この1mmが構図へ直接影響します。
現在ではRFマウントにも超広角レンズが増えていますが、EF時代の16-35mmというズーム域を定着させた代表的な一本として見ることができます。
Canon EF広角ズームレンズ一覧では、11-24mm、16-35mm、17-40mmなどEF広角ズーム全体を比較できます。
ズーム全域F2.8を維持する
16mmでも35mmでも開放F値はF2.8です。
昼間の風景ではF8前後まで絞る場面が多いため、F2.8を常に必要とするわけではありません。しかし星景、夜景、室内、イベントなど光量の少ない環境では、F2.8の明るさが大きな意味を持ちます。
F4のレンズと比べると1段多く光を取り込めます。同じISO感度ならシャッタースピードを速くでき、同じシャッタースピードならISO感度を下げられます。
特に星景では、シャッタースピードを長くし過ぎると星が動いて線になります。F2.8を使えることで露光時間を短くする余地が生まれます。
ズームしてもF値が変わらないため、16mmから35mmへ構図を変えたときも露出条件を維持しやすいこともF2.8通しの利点です。
EF16-35mm F2.8L II USMの特徴と比較すると、F2.8通しという基本思想が後継モデルへ引き継がれたことが分かります。
約600gと77mmフィルターが初代の特徴
初代EF16-35mm F2.8L USMの質量は約600gです。
II型は約640g、III型は約790gなので、三世代の中では初代が最も軽量です。最大径83.5mm、全長103mmというサイズも、後継モデルよりコンパクトにまとまっています。
フィルター径は77mmです。II型とIII型は82mmへ大型化したため、77mmフィルターを多く所有している場合には初代の方が使いやすいことがあります。
PLフィルターやNDフィルターを使う風景撮影では、フィルター径の違いは実際の運用へ影響します。77mmはEF24-70mmやEF70-200mm系などでも採用例が多く、EFシステムを長く使ってきた人なら手持ちフィルターを流用できる場合があります。
EF広角ズームレンズの比較を見ると、各レンズのサイズや焦点距離をまとめて確認できます。
EF16-35mm F2.8L USM初代のスペック
| 項目 | EF16-35mm F2.8L USM |
|---|---|
| 発売 | 2001年 |
| マウント | キヤノンEF |
| 対応フォーマット | フルサイズ |
| 焦点距離 | 16-35mm |
| 開放F値 | F2.8 |
| 最小絞り | F22 |
| レンズ構成 | 10群14枚 |
| 絞り羽根 | 7枚 |
| 最短撮影距離 | 0.28m |
| 最大撮影倍率 | 0.22倍 |
| AF | リングUSM |
| フルタイムMF | 対応 |
| 手ブレ補正 | 非搭載 |
| フィルター径 | 77mm |
| 最大径×長さ | 約83.5×103mm |
| 質量 | 約600g |
旧記事では約635g、82mmフィルターなど、後継世代と混同した内容が入りやすい状態でした。初代は約600g、77mmフィルター、10群14枚が正しい仕様です。
10群14枚に非球面レンズとUDレンズを採用
初代は10群14枚構成です。
研削非球面、レプリカ非球面、GMo非球面という3種類の非球面レンズと、2枚のUDレンズを使用し、超広角ズームで発生しやすい各種収差を補正しています。
現在のIII型と比較すると光学設計には世代差がありますが、当時のLレンズとして高画質を狙った構成であることは変わりません。
中央部は現在でも十分な解像感を得やすく、絞ることで風景や建築にも使えます。一方、16mm開放付近の画面周辺では、現在の高性能広角ズームとの差が現れやすくなります。
古いから全面的に写りが悪いと考えるより、どの条件で世代差が出るかを理解して使うことが重要です。
EF16-35mm F2.8L II USMを見ると、後継モデルで光学系が12群16枚へ変更された違いも確認できます。
最短撮影距離0.28mで広角接写もできる
最短撮影距離はズーム全域で0.28m、最大撮影倍率は0.22倍です。
マクロレンズのような本格的な接写用途ではありませんが、花、料理、小物、旅先のディテールなどへ近づいて撮影できます。
16mm側で被写体へ近づくと、手前の被写体を非常に大きく、背景を小さく写せます。花や岩を画面手前へ配置し、その奥へ山や空を入れると、超広角ならではの強い遠近感を利用できます。
35mm側では16mmより自然な形で被写体へ寄れるため、料理や小物のスナップにも使いやすくなります。
広角で被写体へ寄る撮影では、焦点距離だけでなく撮影距離が写真の印象を大きく変えます。
焦点距離と画角の違いを生かす撮影方法では、撮影距離と遠近感の関係を詳しく解説しています。
リングUSMとフルタイムMFに対応
AF駆動にはリングUSMを採用しています。
EF時代のLレンズで広く使われた方式で、AF後にスイッチを切り替えずフォーカスリングを操作できるフルタイムマニュアルにも対応します。
風景でAFを使って大まかにピントを合わせ、その後にファインダーやライブビューで細かく調整するといった使い方ができます。
初代は発売から長い年月が経過しているため、中古では光学状態だけでなくAF駆動の状態も重要です。AFが迷う、異音がする、フォーカスリングの感触が不自然といった個体は避けたいところです。
キヤノン大全では、EFレンズを含めたキヤノンのカメラシステム全体を確認できます。
初代・II型・III型の違い
EF16-35mm F2.8Lシリーズは三世代あります。
| 項目 | 初代 | II型 | III型 |
|---|---|---|---|
| 製品名 | EF16-35mm F2.8L USM | EF16-35mm F2.8L II USM | EF16-35mm F2.8L III USM |
| レンズ構成 | 10群14枚 | 12群16枚 | 11群16枚 |
| 絞り羽根 | 7枚 | 7枚 | 9枚 |
| 最短撮影距離 | 0.28m | 0.28m | 0.28m |
| 最大撮影倍率 | 0.22倍 | 0.22倍 | 0.25倍 |
| フィルター径 | 77mm | 82mm | 82mm |
| 最大径 | 83.5mm | 88.5mm | 88.5mm |
| 全長 | 103mm | 111.6mm | 127.5mm |
| 質量 | 約600g | 約640g | 約790g |
三世代とも16-35mm F2.8という基本仕様は共通しています。大きく変わっているのは光学設計、周辺描写、逆光耐性、サイズ、重量です。
初代とII型では周辺描写が大きな違い
II型は初代の後継として光学系を変更し、特に広角端の周辺画質改善が図られました。
初代は画面中央では十分な描写を得やすい一方、16mmの開放付近では周辺の解像感や光量低下が目立ちやすくなります。
風景や建築で画面四隅まで細かな描写を求める場合、II型の方が扱いやすくなります。
一方、初代は77mmフィルター、約600gというコンパクトさがあります。II型は82mmへ大型化し、約640gになりました。
中古価格に差があるなら、画面周辺まで高い均一性を求めるか、軽さと価格を重視するかで選択できます。
EF16-35mm F2.8L II USMの特徴と使い方では、II型の詳細を個別に解説しています。
III型は高画素時代へ対応した完成形
III型になると、レンズ構成は11群16枚、絞り羽根は9枚、最大撮影倍率は0.25倍となり、光学性能がさらに強化されています。
周辺解像、色収差、歪曲収差、フレア・ゴーストなど、初代やII型で課題になりやすかった部分へ対策が施されています。
その代わり質量は約790gまで増え、全長も127.5mmになりました。初代と並べると同じ16-35mm F2.8でもサイズ感はかなり異なります。
高画素機で風景や星景を撮影し、四隅まで細かく確認するならIII型が有利です。気軽に持ち歩けるEF広角ズームとして考えると、初代の約600gには別の価値があります。
Canon EF広角ズームレンズ一覧では、世代を超えて広角ズームを比較できます。
現在あえて初代を選ぶ理由
性能だけを順番に並べればIII型が最も新しく、初代が最も古いモデルです。しかし中古レンズ選びでは、新旧だけで決まるわけではありません。
初代は約600gと比較的軽く、77mmフィルターを使用でき、筒長も短くまとまっています。EF一眼レフへ装着したときのバランスも良好です。
さらに中古価格が十分に低ければ、16-35mm F2.8を試す入口として選びやすくなります。
開放16mmの四隅まで最新レンズ並みの均一性を求める用途には向きません。F5.6からF8程度へ絞る風景、ウェブ掲載、旅行記録、街歩きなどでは、初代の性能でも十分使える場面があります。
レンズの特性を理解した上で使うことが前提になりますが、「古いから選択肢にならない」と切り捨てる必要はありません。
キヤノン大全から、EF一眼レフやEOS Rシリーズと組み合わせるレンズも探せます。
16mm・24mm・35mmの使い分け
EF16-35mm F2.8L USMを使いこなすには、ズームリングを単なる構図調整として使うだけでなく、焦点距離ごとの表現の違いを理解することが重要です。
16mmは広さと遠近感を積極的に使う
16mmはフルサイズでは非常に広い画角です。
広い景色を全部画面へ入れることもできますが、それだけでは被写体が小さくなり、何を見せたいのか分かりにくい写真になりやすくなります。
16mmを生かすなら、画面手前へ大きな前景を置く方法が効果的です。
岩、花、道路、柵、建築物の一部などへ近づき、遠景と組み合わせることで強い奥行きを作れます。手前は大きく、遠くは小さく写るため、実際以上に空間が広く感じられます。
人物へ近づき過ぎると顔や体の形が大きく変形して見えるため、人物撮影では画面中央付近へ配置し、距離を取る方が自然です。
焦点距離で変わる写真表現では、超広角特有の遠近感を詳しく解説しています。
24mmは風景と旅行で使いやすい
24mmまでズームすると、16mmほど極端な遠近感が出なくなります。
風景、街並み、旅行、建築、人物を含む記念写真など、広い範囲を写しながら自然な印象を残したい場面に向きます。
16mmで撮ると画面の左右に余計な物が入り過ぎる場合も、24mmへズームするだけで構図を整理できます。
広角ズームを購入すると広角端ばかり使いたくなりますが、16-35mmの便利さは必要に応じて広さを抑えられることにもあります。
山や海では24mmで主役を少し大きく見せ、街歩きでは建物と周囲の関係を残すなど、16mmとは違う使い方ができます。
風景写真の撮り方と構図では、広角レンズで画面を整理する考え方も紹介しています。
35mmは日常スナップまで対応する
35mmまでズームすると、超広角レンズという印象はかなり薄くなります。
街角、人物、料理、小物、旅先の記録など、日常的な被写体を自然に切り取れます。
16mmでは周囲が広く入り過ぎる室内でも、35mmなら主題を絞れます。人物を撮影するときも、16mmより顔や体形の変形を抑えやすくなります。
F2.8で被写体へ近づけば、広角ズームとしては背景をぼかした表現もできます。
16mmしか使わないのであれば超広角単焦点という選択肢もあります。35mmまで利用することで、このレンズ一本で対応できる被写体が大きく増えます。
画角の違いを生かした撮影方法では、広角域で焦点距離を変える意味を確認できます。
EF16-35mm F2.8L USMで風景を撮る
初代16-35mmの代表的な用途が風景撮影です。
16mmの広い画角と35mmまでのズームを利用し、大きな景色から一部分を切り取る構図まで一本で対応できます。
F5.6からF8を中心に使う
風景で画面全体をシャープに見せたい場合、F5.6からF8程度を基準にすると使いやすくなります。
初代は開放F2.8の16mm周辺部に世代を感じやすいレンズですが、絞ることで描写が整います。
F16やF22まで絞れば被写界深度は深くなりますが、回折によって細部の解像感が落ちる場合があります。何でも最大まで絞るのではなく、前景と遠景の位置を考えて必要な絞り値を選びます。
三脚を使用できる場合は低ISOに設定し、F8前後でシャッタースピードを調整すると画質を確保しやすくなります。
初代の特徴を理解すると、開放性能だけでレンズ全体を評価せず、適した絞りを使うことが重要だと分かります。
風景写真の基本設定と構図では、絞りとピント位置についても詳しく解説しています。
PLフィルターとNDフィルターを使いやすい
初代のフィルター径は77mmなので、一般的なねじ込み式のPLフィルターやNDフィルターを装着できます。
PLフィルターは水面や葉の反射を調整し、空の青や植物の色を見せたい場面で利用できます。
NDフィルターを使えば、日中でもシャッタースピードを遅くし、滝や川を滑らかに写したり、人の動きを流したりできます。
超広角でPLフィルターを強く効かせると、空の偏光状態が画面内で均一にならず、青空に濃淡が出る場合があります。16mmではフィルターを回しながら画面全体を確認する必要があります。
初代の77mm径はフィルター価格や手持ち機材との共用を考えても扱いやすいサイズです。
EF広角ズームレンズ一覧では、フィルター径を含めて広角ズームを選ぶ参考になります。
星景・夜景でF2.8を生かす
初代でもF2.8通しである点は後継モデルと共通です。
古いレンズだから星景に使えないわけではありません。初代特有の周辺描写や逆光特性を理解して設定を決めることが重要です。
16mm F2.8で星空を大きく入れる
16mmでは広い星空と地上の景色を一枚へ収められます。
山、木、建物、海岸などを前景へ置き、空を大きく入れる星景写真に向きます。
F2.8ならF4より多くの光を取り込めるため、星を止めるための短いシャッタースピードと組み合わせやすくなります。
一方、初代では開放時の周辺像を確認した方がよいでしょう。四隅の星の形が気になる場合はF3.2、F3.5、F4などへ少し絞り、ISO感度とのバランスを調整します。
星景では中央だけでなく四隅まで点光源が並ぶため、通常の風景よりレンズの周辺特性が分かりやすくなります。
EF広角ズームレンズ一覧から、星景向けのほかのEF広角レンズとも比較できます。
夜景では強い光源の位置を確認する
街の夜景では街灯、看板、自動車のライトなど強い点光源が多数あります。
初代は後のIII型のような新しいコーティング技術を採用していないため、強い逆光条件ではフレアやゴーストが出ることがあります。
これを完全な欠点として考える必要はありません。光源の位置を少し変えるだけでゴーストの位置も変わるため、構図を数センチ動かしながら確認できます。
前玉や保護フィルターに汚れがあると光が拡散しやすくなるため、夜景や逆光撮影前にはレンズ表面を確認します。
フレアを避ける撮影と、あえて光のにじみを表現へ利用する撮影の両方が可能です。
フレアとゴーストの違いと撮影への生かし方では、逆光時に起こる現象を詳しく解説しています。
建築・室内撮影で初代16-35mmを使う
16mm始まりのズームは、後ろへ下がれない建築や室内で特に便利です。
建物を正確に見せるならカメラの傾きに注意する
16mmで高い建物を撮影すると、広い範囲を一枚へ収められます。
一方、建物全体を入れようとしてカメラを上へ向けると、垂直な線が上へ行くほど内側へ傾いて写ります。
迫力を狙った表現なら積極的に利用できますが、建物の形を正確に見せたい場合は、カメラをできるだけ水平に近づけます。
それでも上部が入らない場合は少し後ろへ下がる、16mmを利用して広めに撮影し後からトリミングする、TS-Eレンズを利用するといった方法があります。
超広角だから自動的に建築物を正確に撮れるわけではなく、カメラの位置と角度が重要です。
建築写真の撮り方と構図では、広角レンズで垂直線を扱う方法を詳しく解説しています。
狭い室内では16mmの広さが生きる
住宅、ホテル、店舗などでは、壁があるためそれ以上後ろへ下がれないことがあります。
このような環境では16mmの画角が大きな武器になります。
部屋の角から対角方向へ撮影すれば、床、壁、天井、家具を一枚へ収めやすくなります。
超広角は部屋を実際以上に広く見せることもできます。物件撮影などでは、画角の広さだけを優先すると実際の印象との差が大きくなるため、24mm付近も使い分けると自然です。
室内で手持ち撮影する場合はF2.8の明るさを利用できます。三脚を使える環境ではF5.6からF8へ絞り、低ISOで撮影すると画面全体を整えやすくなります。
建築・インテリア写真の撮影方法では、室内で広角レンズを使うポイントも紹介しています。
日常スナップや旅行でも使える
EF16-35mm F2.8L USMは風景専用レンズではありません。
35mmまでズームできるため、旅行や街歩きではレンズ交換をせず幅広い場面を撮影できます。
旅行では16mmと35mmを一本で切り替えられる
旅行先では、壮大な風景の直後に街角、料理、人物を撮影することがあります。
16mmでは景色や建築を大きく入れ、24mmでは街並み、35mmでは人物や料理というように一本のレンズで対応できます。
初代は約600gなので、F2.8広角ズームとしては比較的持ち歩きやすい重量です。
標準域や望遠域まではカバーしないため、旅行ですべてを一本にまとめる高倍率ズームとは役割が異なります。広角表現を中心に撮影する旅行では、16-35mmという範囲が使いやすくなります。
夜の街へ移動してもF2.8を利用できるため、昼夜を通してレンズ交換を減らせます。
焦点距離の違いを生かす撮影方法では、旅行先での画角選びにも使える考え方を解説しています。
35mm側なら人物も自然に写しやすい
16mmで人物へ近づくと、鼻や手足が大きく見え、画面端では体形が引き伸ばされます。
この効果を意図的に使えば迫力のある写真になりますが、自然な人物写真では35mm側の方が扱いやすくなります。
35mmまでズームして適度に距離を取り、人物を画面中央付近へ置けば、背景の環境も残しながら自然な人物写真を作れます。
F2.8で被写体へ近づけば背景をある程度ぼかすこともできるため、単なる記録写真だけでなく主題を強調した写真にも使えます。
この使い方を覚えると、EF16-35mm F2.8L USMを「16mmを使うためだけのレンズ」と考える必要がなくなります。
ポートレート撮影のレンズと構図では、人物を自然に写す焦点距離と撮影距離も解説しています。
EOS Rシリーズで初代EF16-35mmを使う
EF16-35mm F2.8L USMはEFマウントですが、マウントアダプター EF-EOS Rを使用すればEOS Rシリーズへ装着できます。
フルサイズEOS Rなら16-35mmをそのまま使える
EOS R5、EOS R6シリーズ、EOS R8、EOS RPなどのフルサイズRFマウント機では、マウントアダプターを介しても16-35mm本来の画角を利用できます。
アダプター内部には焦点距離を変える光学系がないため、F2.8という開放F値も変わりません。
電子ビューファインダーでは撮影前に露出を確認でき、拡大表示を利用した精密なピント合わせもできます。
初代の描写を高画素EOS Rで使用すると、レンズの長所だけでなく周辺部の弱点も見えやすくなります。そのため風景では少し絞るなど、レンズの特性に合わせた使い方が重要です。
マウントアダプター EF-EOS RとEFレンズの互換性では、EFレンズをEOS Rで使う方法を詳しく解説しています。
APS-CのEOS Rでは約26-56mm相当になる
EOS R7、EOS R10、EOS R50などAPS-CセンサーのEOS Rシリーズへ装着すると、35mm判換算で約1.6倍相当の画角になります。
16mm側は約26mm相当、35mm側は約56mm相当です。
フルサイズで使うような超広角ズームではなく、広角から標準域をカバーするF2.8ズームとして使えます。
初代の周辺部はAPS-Cでは撮像範囲の外になるため、フルサイズで目立つ四隅の描写が問題になりにくいという利点もあります。
一方、16mmの圧倒的な広さを目的に初代を選ぶのであれば、フルサイズボディとの組み合わせが本来の使い方です。
EOS RでEFレンズを使う方法では、フルサイズとAPS-Cで画角が変わる点も確認できます。
中古でEF16-35mm F2.8L USM初代を選ぶ
現在初代を購入する場合は中古が中心になります。
発売から長期間経過したレンズなので、単純に価格だけを比較せず個体状態を重視する必要があります。
II型と間違えないよう型名を確認する
初代の正式名称はEF16-35mm F2.8L USMです。
II型には「II」、III型には「III」が製品名へ入ります。
中古販売ページではタイトルが「EF16-35mm F2.8L」と省略されている場合があるため、写真や型名を確認します。
外観では初代のフィルター径は77mm、II型とIII型は82mmです。初代は最大径83.5mm、全長103mmで、後継モデルより小型です。
初代だと思って購入したらII型だった場合は性能面で困ることは少ないでしょうが、II型と思って初代を購入すると周辺描写や中古相場の前提が変わります。
EF16-35mm F2.8L II USMの記事を確認しておくと、初代とII型を比較しやすくなります。
カビ・曇り・AF・ズームリングを確認する
中古では前玉、後玉、内部のカビや曇り、大きな傷を確認します。
広角レンズは強い光源を画面へ入れる機会が多いため、曇りがあると逆光時のコントラストへ影響しやすくなります。
AFはリングUSMなので、近距離から遠距離まで実際に動かし、異音や引っ掛かりがないか確認します。
ズームリングとフォーカスリングも、極端に重い、軽過ぎる、途中で感触が変わる個体は状態を確認した方がよいでしょう。
外装の小傷だけなら写りに直接影響しません。長く使われた初代では、見た目の美しさより光学系と動作を優先した方が実用的です。
EF広角ズームレンズ一覧では、初代以外の中古候補も確認できます。
片側だけ極端に甘くないか確認する
広角ズームを中古で選ぶ場合、画面左右の描写差も確認したいポイントです。
遠くの建物や平面的な壁などを正面から撮り、同じ距離にある左右の細部を比較します。
初代そのものが最新レンズより周辺描写で不利であることと、個体の片側だけ不自然に甘いことは分けて考える必要があります。
左右で明確な差がある場合は、落下や衝撃などによる偏芯の可能性も考えられます。
中古価格が安くても、広角レンズで画面片側だけ解像しない個体では本来の用途へ使いにくくなります。
風景写真の撮り方で紹介しているような画面全体を使う構図ほど、左右の描写差が分かりやすくなります。
初代EF16-35mm F2.8L USMが向いている人
初代は最新レンズと同じ性能を低価格で得るためのレンズではありません。
世代による特徴を理解したうえで、自分の撮影条件と価格が合う場合に魅力が出ます。
軽いF2.8超広角ズームが欲しい人
初代は約600gです。
II型は約640gなので差は小さいものの、III型の約790gと比べると約190g軽くなります。
一眼レフと組み合わせて一日歩く旅行や風景撮影では、この差が携行性へ影響します。
フィルター径も77mmで、III型よりレンズ全体がコンパクトです。
最高性能より、F2.8を維持しながら持ち歩きやすさを優先したい場合には初代のサイズが魅力になります。
EF広角ズームレンズ一覧から、17-40mm F4Lなどさらに軽い候補とも比較できます。
絞って風景や建築を撮る人
初代の弱点が出やすいのは、16mm開放付近の周辺描写です。
風景や建築でF5.6からF8程度まで絞る撮影が中心なら、その弱点を小さくできます。
ウェブ掲載や一般的なプリントサイズが中心で、最新高画素機の等倍表示で四隅まで厳密に比較する必要がなければ、実用上十分な場面も多くあります。
逆に星景でF2.8開放を頻繁に使い、画面四隅の星像まで重視するならII型やIII型も比較した方が選びやすくなります。
用途と絞り値によって、初代の評価は大きく変わります。
建築写真の撮り方では、絞り込んだ広角撮影の構図や設定を詳しく紹介しています。
EFレンズの世代差を楽しみたい人
初代EF16-35mm F2.8L USMは、EF17-35mm F2.8L USMからII型、III型へ続く広角Lズームの途中に位置するレンズです。
現在のレンズは高い解像力、収差補正、逆光耐性などを追求し、非常に均質な描写を得られるようになっています。
初代には現在のレンズほど均一ではない部分がありますが、その世代の光学設計や逆光時の描写を含めて使う楽しみがあります。
EOS 5D Mark IIのような同じEF時代のボディで使うのも、EOS Rシリーズへアダプター経由で装着して現代のボディで描写を見るのも一つの楽しみ方です。
キヤノン大全では、EF時代からEOS Rまでキヤノンのカメラとレンズをまとめて確認できます。
まとめ
EF16-35mm F2.8L USMは、2001年に登場した初代16-35mm F2.8Lです。
10群14枚の光学系、16-35mmのズーム域、ズーム全域F2.8、リングUSM、最短撮影距離0.28m、最大撮影倍率0.22倍、77mmフィルター、約600gという仕様を持っています。
後継のII型やIII型と比較すると、16mm開放時の周辺描写、逆光耐性、収差補正などには世代差があります。特に高画素機で画面四隅まで厳密に見る用途では、新しい世代が有利です。
初代には約600gという軽さ、77mmフィルター、コンパクトな鏡筒、中古価格という別の利点があります。
16mmでは風景、建築、室内、星空を広く取り込み、24mmでは自然な広角表現、35mmではスナップや人物まで対応できます。単なる超広角専用レンズではなく、広角域を一本で担当できるズームです。
風景や建築ではF5.6からF8程度へ絞ることで初代の特性を生かしやすくなります。夜景や星景ではF2.8を使えることが大きな強みになりますが、周辺像やフレアを確認しながら絞り値や構図を調整すると扱いやすくなります。
マウントアダプター EF-EOS Rを使用すれば、EOS Rシリーズでも利用できます。フルサイズ機なら16-35mm本来の画角を維持でき、APS-C機では約26-56mm相当のF2.8ズームとして使えます。
中古で購入するときは、II型との取り違え、カビや曇り、USMの動作、リングの状態、左右の描写差を確認したいところです。
最新のIII型と同じ性能を求めるレンズではありません。初代ならではのサイズ、重量、価格、描写を理解して選ぶことで、今でも風景から街歩きまで幅広く楽しめるEF広角ズームです。
キヤノン大全では、EFレンズやEOSシリーズを含め、キヤノンのカメラシステムをまとめて確認できます。



