RFレンズの色収差は少ない?EFレンズとの違いと補正の考え方
RFレンズを使っていると、「EFレンズより色収差が少ない」と感じることがあります。
逆光で人物を撮影したときの髪の輪郭、白い服と暗い背景の境界、金属や水面の反射など、色収差が目立ちやすい場面でも、最新のRFレンズでは紫や緑のにじみが目立ちにくいモデルが増えています。
実際、RFマウントはミラーレス専用設計によってレンズ設計の自由度が高く、後玉を撮像面へ近づけられることや、大口径マウントを活用できることから、収差補正にも有利な条件を持っています。
一方で、「RFレンズなら色収差が出ない」「EFレンズなら色収差が多い」と単純に分けることはできません。
色収差の大きさはマウントだけで決まらず、焦点距離、開放F値、レンズ構成、UDレンズやBRレンズなどの特殊光学材料、撮影距離、絞り値によって大きく変わります。
また、現在のEOS Rシリーズではレンズ光学補正やRAW現像による補正も利用できるため、「撮影したRAW画像そのもの」と「カメラやソフトで補正した完成画像」を分けて考える必要があります。
この記事では、RFレンズの色収差が少なく見える理由、EFレンズとの設計上の違い、軸上色収差と倍率色収差の違い、カメラ内補正、Digital Photo ProfessionalやLightroomによる補正まで詳しく解説します。
RFレンズはEFレンズより色収差が少ないのか
- RFマウントは光学設計の自由度を高めやすい
- RFだから必ず色収差が少ないわけではない
- レンズ単体の性能とデジタル補正を分けて考える必要がある
RFマウントは収差を補正しやすい設計条件を持つ
RFレンズが高い光学性能を実現しやすい理由の一つが、RFマウントそのものの設計です。
RFマウントの内径は54mmで、EFマウントと同じ大口径を維持しています。
大きく違うのが、ミラーボックスを必要としないことです。
一眼レフ用のEFレンズでは、レンズと撮像面の間にミラーを動かすための空間が必要でした。広角レンズなどでは、撮像面へ近い位置へ自由にレンズを配置することが難しくなります。
EOS Rシリーズにはミラーがないため、RFレンズでは後玉を撮像面へ近い位置へ配置できます。
これがショートバックフォーカスです。
後玉の位置や大きさを自由に設計しやすくなると、画面周辺へ向かう光を無理に大きく曲げずに撮像面へ届けられるようになります。
色収差だけでなく、歪曲収差、非点収差、像面湾曲、周辺画質などを含めて光学系全体の設計自由度が高くなります。
RFレンズの画質を決める要素については、RFレンズの画質と描写力は何が違うのかでも詳しく紹介しています。
RFレンズならすべて色収差が少ないわけではない
RFマウントが光学設計に有利だからといって、すべてのRFレンズがすべてのEFレンズより色収差に強いわけではありません。
色収差は個々のレンズ設計によって大きく変わります。
例えばF1.2クラスの大口径単焦点は、非常に多くの光を取り込むため、軸上色収差を抑えることが難しくなります。
一方、F4やF5.6クラスのレンズでは開放口径が小さく、設計条件が異なります。
望遠レンズでは長い焦点距離によって色収差が問題になりやすく、UDレンズやスーパーUDレンズなどを利用して補正することがあります。
広角レンズでは倍率色収差に加えて、歪曲収差や周辺画質とのバランスも重要になります。
つまり、RFとEFというマウントの違いは色収差を左右する一要素にすぎません。
実際に比較するときは、同じ焦点距離、近い開放F値、同じ撮影条件で確認する必要があります。
レンズ性能を解像力だけで判断できない理由については、レンズの光学性能とは?解像力・MTF・色収差・ボケの見方も参考になります。
古いEFレンズほど差を感じやすい場合がある
RFレンズとの差を感じやすいのは、設計年代の古いEFレンズと比較した場合です。
EFマウントは非常に長期間使われてきたため、同じEFレンズでも設計された時代が大きく異なります。
初期のEFレンズと、EFマウント末期に登場した高性能Lレンズを一括して比較することはできません。
古い大口径単焦点では、開放付近で紫や緑の色にじみが残るモデルがあります。
これに対して新しいRFレンズでは、特殊光学材料、非球面レンズ、最新の設計技術を組み合わせ、開放から色収差を強く抑えたモデルが増えています。
さらに高画素化によって、以前は気にならなかった色収差が拡大表示で見つけやすくなっています。
古いEFレンズをEOS R5などの高画素機で使用すると、レンズの個性や収差が以前より目立って見えることがあります。
EFレンズを最新カメラで使ったときに現れやすい画質上の特徴については、EFレンズのデメリットと最新カメラで見える描写の限界でも解説しています。
RFレンズでも発生する2種類の色収差
- 軸上色収差はピント位置の前後に紫や緑が出る
- 倍率色収差は画面周辺で色の輪郭がずれる
- 種類によって撮影時の対策と補正方法が異なる
軸上色収差は大口径レンズの開放で目立ちやすい
軸上色収差は、光の波長によってピントを結ぶ位置が前後にずれる現象です。
代表的なのが、ピント位置の手前側に紫や赤紫、奥側に緑色のにじみが現れる状態です。
ポートレートなら逆光を受けた髪の毛、眼鏡のフレーム、アクセサリー、白い服の輪郭などで見つけやすくなります。
近接撮影では、ピント面の前後にある金属や文字の縁へ紫と緑が現れることがあります。
軸上色収差はF1.2、F1.4、F1.8など明るいレンズを開放で使ったときに目立ちやすい収差です。
これはRFレンズでも発生します。
最新の高性能レンズでは大幅に抑えられていますが、完全にゼロになるとは限りません。
軸上色収差を減らしたい場合は、F1.2からF1.8、F2、F2.8と少し絞るだけでも改善する場合があります。
色収差そのものの仕組みについては、色収差とは?紫や緑のにじみが出る原因と撮影・補正方法で詳しく解説しています。
倍率色収差は画面周辺に現れやすい
倍率色収差は、色ごとに像の大きさがわずかに変化することで発生します。
画面中央では目立ちにくく、周辺へ行くほど赤、青、紫などの色ずれとして現れやすくなります。
例えば白い空を背景に木の枝を撮影したとき、画面端の枝の片側に赤系、反対側に青系の縁取りが見える場合があります。
建築物の輪郭や電線などでも確認しやすい現象です。
軸上色収差と違い、倍率色収差は絞っても大きく改善しない場合があります。
このため、レンズ側の光学補正に加えて、カメラ内補正やRAW現像によるデジタル補正が有効です。
特にレンズプロファイルを利用できる現代のデジタルカメラでは、倍率色収差は比較的補正しやすい収差です。
パープルフリンジは色収差だけが原因とは限らない
強い逆光や金属反射の周囲に紫色が現れると、すべて色収差だと思いがちです。
しかし、紫色の縁取りには複数の原因があります。
軸上色収差によって紫色が現れることもありますが、撮像素子の飽和や強い反射、画像処理などによってパープルフリンジが発生することもあります。
見分けるポイントの一つは、ピント位置との関係です。
ピント面の前後で紫と緑が入れ替わるように現れる場合は、軸上色収差の可能性が高くなります。
非常に明るい輪郭部分だけに紫色が出る場合は、別の要因が含まれている場合があります。
撮影時には色だけを見るのではなく、画面のどこに出ているか、ピント面の前後で変化するか、絞ると改善するかを確認すると原因を判断しやすくなります。
RFレンズが色収差を抑えるために使う光学技術
- UDレンズなど異常分散ガラスで色ずれを補正する
- BRレンズを採用する大口径単焦点もある
- 光学系全体の配置によって複数の収差を同時に抑える
UDレンズは望遠から大口径単焦点まで広く使われる
キヤノンの高性能レンズで長年使われてきた技術の一つがUDレンズです。
UDはUltra-low Dispersionの略で、光の波長による屈折率の差を抑える特殊な光学材料です。
通常の光学ガラスだけでは、赤、緑、青など異なる波長の光を完全に同じ位置へ集めることは難しくなります。
そこで異なる分散特性を持つレンズを組み合わせ、色ごとの焦点位置の差を小さくします。
特に望遠レンズでは色収差が目立ちやすいため、UDレンズやスーパーUDレンズが重要になります。
RFレンズだけの技術ではなく、EF時代から多くのLレンズで利用されてきました。
この点でも「RFだから色収差が少ない」という単純な話ではありません。
EFレンズにも高度な色収差補正を行った名レンズは多数存在します。
EFレンズの名玉については、キヤノンEFマウントの神レンズ・名玉でも紹介しています。
RF85mm F1.2 L USMではBRレンズを採用
RFレンズの色収差補正を分かりやすく示す例がRF85mm F1.2 L USMです。
85mm F1.2はポートレートに向いた非常に明るい中望遠レンズですが、大口径であるため軸上色収差を抑える難易度も高くなります。
RF85mm F1.2 L USMでは、キヤノン独自のBR光学素子を利用したBRレンズとUDレンズを組み合わせています。
BRは青色光を大きく屈折させる性質を利用し、従来の光学材料だけでは補正しにくかった色収差を抑えるための技術です。
その結果、F1.2という大口径でありながら、開放付近でも色にじみを大幅に抑える設計が可能になっています。
旧EF85mm F1.2L USMとの違いを見ると、光学技術の進歩が分かりやすくなります。
RF85mmとEF85mmの色収差や描写の違いについては、RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L USMを比較で詳しく紹介しています。
ショートバックフォーカスは広角レンズでも有利になる
RFマウントの特徴が特に活きやすいのが広角側です。
一眼レフではミラーのために後玉を撮像面から離す必要があり、広角レンズではレトロフォーカス型と呼ばれる複雑な設計が必要になる場合があります。
ミラーレスでは撮像面近くまで後玉を配置できるため、光学系を設計する自由度が高くなります。
これは色収差だけでなく、周辺解像力、歪曲収差、非点収差、コマ収差などを総合的に補正するときにも重要です。
ただし、光学性能だけを優先するとレンズが大型化したり高価になったりします。
そのため実際の製品では、サイズ、重量、価格、AF速度、ボケ、補正量などを考えながら設計されています。
RFマウントの構造やEFマウントとの違いについては、RFマウントとEFマウントの違いも参考になります。
カメラ内補正でRFレンズの色収差はどう変わるか
- 完成JPEGは光学性能だけで決まらない
- レンズ情報を利用した色収差補正が利用できる
- 補正前のRAWとJPEGでは見え方が異なる場合がある
現代のレンズ性能は光学とデジタル処理の組み合わせ
現在のデジタルカメラでレンズ性能を見るときに重要なのが、光学性能とデジタル補正を分けて考えることです。
EOS Rシリーズでは、対応レンズの情報を利用して画像を補正できます。
周辺光量、歪曲収差、色収差、回折など、補正できる項目はカメラやレンズによって異なります。
JPEG撮影では、こうした補正が画像生成時に適用されるため、完成画像だけを見ると光学的な収差が非常に少なく見える場合があります。
一方、RAWデータを補正なしで確認すると、JPEGでは見えなかった周辺減光や歪曲、色収差が見えることがあります。
そのため、レンズレビューで「色収差がほとんどない」と評価されていても、どの状態の画像を確認しているのかを見る必要があります。
光学性能を比較するなら補正条件をそろえ、実際の写真として使う画質を比較するなら補正後の状態も含めて判断するのが適切です。
倍率色収差はデジタル補正と相性がいい
倍率色収差は、画面上で色ごとの像倍率がずれる現象です。
このずれは位置関係を計算しやすいため、デジタル処理によって補正しやすい特徴があります。
レンズごとの収差特性が分かっていれば、赤、青、緑などの成分をわずかに移動させて輪郭を合わせることができます。
そのため、光学設計だけですべてを完全に消す必要性は以前より低くなっています。
その分、レンズのサイズ、重量、価格などとのバランスを取りながら、デジタル補正を前提とした設計も可能になります。
ただし、補正できるから収差はいくらあっても問題ないわけではありません。
大きな補正をかけるほど画面周辺の処理量が増え、元の光学性能が高い方が最終画質にも有利です。
軸上色収差は撮影時に抑えた方が有利
軸上色収差は倍率色収差ほど単純に補正できません。
ピント位置の前後に異なる色が現れ、ボケの中にも色が付くためです。
例えばポートレートで髪の毛の手前側に紫、背景側に緑が出ている場合、それぞれが異なるピント位置に存在します。
ソフトウェアで紫や緑の彩度を下げれば目立ちにくくできますが、失われた光学的な情報を完全に再構成できるわけではありません。
そのため大口径レンズでは、撮影時に少し絞ることが有効です。
F1.2で強く出るならF1.8、F2、F2.8と変えて確認します。
背景のボケ量とのバランスを見ながら、必要なところまで絞る方法が実用的です。
DPPやLightroomで色収差を補正する方法
- DPPではキヤノン純正のレンズ情報を活用できる
- Lightroomでもレンズ補正と色収差除去が使える
- 補正しすぎると本来の色まで失う場合がある
Digital Photo Professionalで補正する
キヤノンのRAWファイルを扱うなら、Digital Photo Professional、通称DPPを利用できます。
DPPはキヤノン純正のRAW現像ソフトなので、対応カメラとレンズの情報を利用した補正が行えます。
倍率色収差などを補正すると、画面端の枝、建築物の輪郭、文字などに現れた赤や青のずれを目立ちにくくできます。
Digital Lens Optimizerを利用できる組み合わせでは、レンズの光学特性を考慮した高度な画像処理も利用できます。
色収差だけを見るのではなく、解像感、回折、ローパスフィルターなど複数の要素を含めて画像を整える考え方です。
キヤノン純正レンズを使用し、RAW撮影を中心にしている人にとって、まず試したい現像方法です。
Lightroomではレンズ補正とフリンジ除去を使う
Adobe LightroomやCamera Rawでも色収差を補正できます。
レンズプロファイルを適用すると、対応レンズでは歪曲や周辺減光などと合わせて補正できます。
色収差については、自動補正に加えてフリンジ除去を利用できます。
紫や緑のフリンジが残った場合は、スポイトを使って対象となる色を指定し、補正範囲を調整します。
大口径単焦点を開放で撮影したRAWでは、この方法で軸上色収差由来の色にじみを目立ちにくくできる場合があります。
ただし、紫色の花や衣服など、本来存在する色まで補正対象へ入れると、その部分の彩度が失われることがあります。
100%表示で確認しながら必要な範囲だけ補正することが重要です。
補正前提でも撮影時にできることは多い
RAW現像で補正できるとしても、撮影時に色収差を抑えておいた方が仕上げは簡単です。
最も分かりやすい方法は絞ることです。
軸上色収差が目立つ場合は、一段程度絞るだけでも改善することがあります。
強い逆光では、被写体の輪郭と背景の明暗差を少し小さくするだけでもフリンジが目立ちにくくなります。
撮影位置を少し変えたり、太陽を被写体や建物で隠したりする方法もあります。
また、露出オーバーで白飛び寸前の部分は色にじみが強く見えることがあるため、ハイライトを飛ばしすぎないことも重要です。
逆光そのものによるフレアやゴーストについては、フレアとは?原因とゴーストとの違い・防ぎ方・活かし方も参考になります。
RFとEFの色収差を比較するときの注意点
- 同じ焦点距離と絞り値で比較する
- カメラ内補正のON・OFFをそろえる
- 中央だけでなく周辺とボケ部分も確認する
焦点距離とF値をそろえて比較する
RFレンズとEFレンズの色収差を比較するときは、条件をそろえる必要があります。
50mm F1.2と50mm F1.8を比較して、「F1.8の方が色収差が少ない」と判断しても、開放F値そのものが大きく違います。
可能であれば同じ焦点距離、同じF値、同じ撮影距離、同じ露出で撮影します。
例えばRF50mm F1.2 L USMとEF50mm F1.2L USMなら、両方をF1.2、F2、F2.8と順番に撮影すると違いが分かりやすくなります。
F1.2では差が大きくても、F2.8まで絞ると両方とも問題がほとんど見えなくなる場合があります。
レンズの評価は開放だけで決めず、自分が実際に使う絞り値で比較することが重要です。
補正ONと補正OFFを混在させない
比較写真で最も注意したいのがデジタル補正です。
一方だけカメラ内色収差補正が有効で、もう一方が補正なしでは正しい比較になりません。
JPEGを比較する場合は両方の補正設定を同じにします。
RAWを比較する場合は、現像ソフトのレンズプロファイルが自動適用されていないか確認します。
Lightroomなどでは読み込み時に補正が適用される場合もあるため、レンズ単体の性能を見るなら設定を確認する必要があります。
一方、実際に使用する最終画像を比較したいのであれば、両方とも利用できる補正を有効にした状態で比べる方法もあります。
目的によって「光学性能比較」と「実用画質比較」を分けることが大切です。
ポートレートではボケの色づきも確認する
ポートレート用レンズを比較するときは、ピント面だけを見ないことも重要です。
軸上色収差はボケ部分にも影響します。
人物の顔にピントが正確に合っていても、手前の髪に紫、背景の枝やハイライトに緑が現れると、写真全体が落ち着かない印象になる場合があります。
特に85mm F1.2や50mm F1.2など、大きなボケを目的とするレンズでは重要な確認項目です。
中心部の解像力だけを見ると両方とも非常にシャープでも、ボケ部分の色づきまで確認するとレンズ間の違いが分かることがあります。
RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L USMのように世代の異なる大口径レンズでは、こうした部分に設計技術の違いが現れやすくなります。
RFレンズとEFレンズは色収差だけで選ぶべきではない
- EFにも色収差を高度に補正した高性能レンズがある
- RFはAF・サイズ・補正・描写を総合して判断する
- EOS RではEFとRFを用途別に使い分けられる
EFレンズにも現在使う価値の高いモデルは多い
RFレンズの光学設計が進化しているからといって、EFレンズの価値がなくなるわけではありません。
EFマウントにはUDレンズ、スーパーUDレンズ、蛍石などを採用し、高度に色収差を補正したレンズが多数あります。
特に望遠Lレンズには現在でも非常に高い描写力を持つモデルがあります。
中古価格が下がったことで、RFレンズよりかなり低い予算で高性能なEFレンズを入手できる場合もあります。
EOS RシリーズではマウントアダプターEF-EOS Rを利用できるため、EFレンズをそのまま活用できます。
EFレンズを現在選ぶ意味については、RF時代にあえてEFレンズを選ぶ理由でも詳しく紹介しています。
RFは光学性能以外のメリットも大きい
RFレンズを選ぶ理由は色収差の少なさだけではありません。
EOS Rシリーズとの通信速度、AF制御、手ブレ補正との協調、小型化、コントロールリング、動画への対応など、システム全体として多くのメリットがあります。
新しいRFレンズでは動画撮影を意識し、フォーカスブリージングやAF駆動音にも配慮したモデルが増えています。
静止画では開放から高い解像力を求め、動画では滑らかなAFを求めるといった使い方にも対応しやすくなっています。
色収差はレンズを選ぶ一つの評価項目ですが、それだけでレンズ全体の優劣が決まるわけではありません。
解像力、逆光性能、ボケ、AF、重量、最短撮影距離、価格まで含めて判断する必要があります。
EOS RならRFとEFを用途別に使い分けられる
EOS Rシリーズの利点は、RFレンズとEFレンズの両方を利用できることです。
色収差を徹底して抑えたいポートレートでは最新RF大口径単焦点を使い、望遠撮影では価格の下がったEF Lレンズを使うといった選択もできます。
すべてのレンズをRFへ買い替える必要はありません。
RFで大きく進化した焦点距離だけを更新し、現在でも十分な性能を持つEFレンズは継続利用する方法も合理的です。
マウントアダプター利用時の注意点については、RFマウントアダプターのデメリットも確認しておくと判断しやすくなります。
まとめ
RFレンズは、大口径54mmのRFマウントとショートバックフォーカスを利用できるため、EF時代より自由度の高い光学設計が可能です。
その結果、色収差を含む各種収差を高いレベルで補正したレンズが増えています。
RF85mm F1.2 L USMのようにBRレンズやUDレンズを採用し、大口径レンズで問題になりやすい色にじみを積極的に抑えたモデルもあります。
一方、RFレンズだから必ず色収差が少なく、EFレンズだから多いとは限りません。
色収差はレンズごとの光学設計、焦点距離、開放F値、特殊光学材料、撮影距離、絞り値によって変化します。
さらに現在のEOSでは、カメラ内のレンズ光学補正やDPP、Lightroomなどによって倍率色収差やフリンジを補正できます。
そのためレンズ性能を比較するときは、光学的な性能とデジタル補正後の完成画像を分けて考えることが重要です。
軸上色収差が気になる場合は少し絞り、倍率色収差はカメラやRAW現像による補正を利用すると効率的です。
RFとEFを比較するときも、同じ焦点距離、絞り値、撮影条件、補正設定をそろえて確認すると、本当の違いが見えやすくなります。
RFの最新設計とEFの中古価格、それぞれにメリットがあります。色収差だけで優劣を決めず、描写力、ボケ、AF、重量、価格まで含め、自分の撮影用途に合うレンズを選ぶことが重要です。



