EOS 9000Dの実力|45点AF・操作性・中古で選ぶ魅力を徹底解説
EOS 9000Dは、キヤノンのAPS-C一眼レフの中で独特の位置にあるカメラです。EOS Kissシリーズに近い小型軽量ボディを採用しながら、上面液晶、サブ電子ダイヤル、AF-ONボタンなどを備え、撮影設定を自分で積極的に操作したい人にも使いやすい構成になっています。
有効約2420万画素のAPS-C CMOSセンサー、DIGIC 7、最大45点オールクロスAF、デュアルピクセルCMOS AF、最高約6コマ/秒の連写、バリアングル式タッチパネル液晶など、写真撮影に必要な機能は一通り揃っています。ミラーレスが中心となった現在でも、光学ファインダーで撮影したい人や、中古のEF・EF-Sレンズを活用したい人にとっては十分に実用的です。
一方で、4K動画、最新の被写体認識AF、ボディ内手振れ補正などは搭載していません。最新EOS Rシリーズと同じ感覚で比較すると世代差がありますが、写真を撮るための基本性能と操作性に注目すると、EOS 9000Dならではの魅力が見えてきます。
ここではEOS 9000Dの画質、AF、連写、操作性、EOS Kiss X9iやEOS 80Dとの違い、EF・EF-Sレンズとの組み合わせ、中古で選ぶ際の注意点まで詳しく解説します。
EOS 9000Dの立ち位置と基本性能
EOS 9000Dは、EOS Kissシリーズより操作性を高めながら、EOS 80Dのような中級機より小型軽量にまとめたAPS-C一眼レフです。単純に初心者向けとも中級機とも言い切れず、その中間を狙った構成が最大の特徴です。
EOS 8000Dの後継として操作性をさらに高めた
EOS 9000DはEOS 8000Dの後継にあたり、基本的なコンセプトを引き継ぎながらAFや画像処理、操作性を強化しています。EOS Kiss系に近いサイズ感でありながら、上面液晶やサブ電子ダイヤルを持つことで、絞り、シャッタースピード、露出補正などを素早く変更できます。
EOS 8000Dは19点AFでしたが、EOS 9000Dでは最大45点オールクロスAFへ大幅に強化されています。ライブビューではデュアルピクセルCMOS AFを利用できるため、光学ファインダーと背面液晶でそれぞれ性格の異なるAFを使い分けられます。
EOSシリーズ全体で見ると、9000D系はKissと2桁D系の間を埋める存在です。型番ごとの位置づけを整理すると、EOS 9000Dがどのクラスに属していたのかが分かりやすくなります。Canon EOS一眼レフの型番とシリーズの違いはこちらの記事で詳しく解説しています。
約2420万画素APS-CセンサーとDIGIC 7を搭載
撮像素子は約22.3×14.9mmのAPS-C CMOSセンサーで、有効画素数は約2420万画素です。最大記録サイズは6000×4000ピクセルとなり、一般的な写真撮影だけでなく、ある程度のトリミングや大きめのプリントにも対応できます。
映像エンジンはDIGIC 7で、常用ISO感度はISO100~25600、拡張時はISO51200相当まで設定できます。現在の高性能ミラーレスと比べれば高感度画質に世代差はありますが、ISO100~1600程度を中心に使う日中撮影では画質面で大きな不足を感じにくい性能です。
APS-Cではレンズの画角が35mm判換算で約1.6倍相当になります。50mmなら約80mm相当、200mmなら約320mm相当の画角になるため、人物撮影から望遠撮影まで幅広く使えます。APS-C一眼レフの特徴についてはCanon APS-C一眼レフの画質と使いやすさを解説した記事も参考になります。
約540gで一眼レフとしては比較的軽い
EOS 9000Dは本体のみ約493g、バッテリーとカードを含めて約540gです。ミラーレスと比べれば厚みはありますが、一眼レフとして見ると比較的軽く、標準ズームを付けても持ち歩きやすい重量です。
ボディサイズは約131.0×99.9×76.2mmで、しっかりしたグリップを持ちながら大型化しすぎていません。EOS 80Dのような中級機と比べると持った瞬間に軽さを感じやすく、旅行や日常の撮影で一日持ち歩く場合にも負担を抑えられます。
一眼レフは大きくて難しいという印象を持たれやすいものの、EOS 9000Dは操作部を充実させながら重量を抑えたモデルです。現在のミラーレスと使い勝手を比較する場合は一眼レフはミラーレスより難しいのかを解説した記事も関連します。
EOS 9000Dの画質とAPS-Cセンサーの実力
約2420万画素という数字は現在では突出した高画素ではありませんが、写真撮影に必要な解像力としては十分な水準です。EOS 9000Dの画質を考える場合、画素数だけでなく、使用するレンズ、ISO感度、ピント精度、シャッタースピードまで含めて見る必要があります。
約2420万画素は日常から風景まで十分な解像力がある
6000×4000ピクセルの画像は、パソコンやスマートフォンで見る用途はもちろん、A4程度のプリントでも十分な情報量を持っています。風景では建物や樹木の細部、人物では髪や衣服の質感、鉄道や航空機では車体や機体表面のディテールまで記録できます。
高画素機と比べれば大きくトリミングした際の余裕は小さくなりますが、画面いっぱいに近い状態で被写体を撮れれば、約2420万画素でもかなり細部まで残せます。むしろレンズの解像力や手ブレ、ピントずれのほうが結果へ大きく影響する場面もあります。
RAW記録にも対応しているため、露出やホワイトバランスを撮影後に調整できます。JPEGとRAWの使い分けを理解するとEOS 9000Dの画質をさらに活用できます。RAWとJPEGの違いと使い分けはこちらの記事で詳しく紹介しています。
ISO100~25600は日中から室内まで対応できる
常用ISO感度はISO100~25600です。晴天の屋外ではISO100~400、曇天や室内ではISO800~3200程度を中心に使うと、画質とシャッタースピードのバランスを取りやすくなります。
ISO6400以上でも記録そのものは可能ですが、細かなノイズや解像感の低下が目立ちやすくなります。特に暗部を大きく持ち上げるとノイズが増えるため、暗い場所ではISO感度だけを低く保とうとせず、必要なシャッタースピードを確保しながら適正露出で撮影することが重要です。
EOS 80Dも約2420万画素APS-Cですが、画像処理エンジンやボディ構成が異なります。9000Dより上位の一眼レフとの違いを見る場合はEOS 80Dの画質と基本性能を解説した記事が比較しやすくなります。
APS-Cの約1.6倍相当の画角は望遠撮影で有利
EOS 9000Dでは装着したレンズの焦点距離そのものが変わるわけではありませんが、フルサイズよりセンサーが小さいため写る範囲が狭くなり、35mm判換算で約1.6倍相当の画角になります。
例えばEF-S55-250mmを使用すると、望遠端は約400mm相当の画角になります。野鳥、動物、鉄道、スポーツなど、遠くの被写体を大きく写したい場合にはAPS-Cの画角が生きます。一方、広角撮影では18mmでも約29mm相当になるため、超広角が必要ならEF-S10-18mmなど専用レンズを使う意味が出てきます。
APS-C機ではEFレンズとEF-Sレンズの両方を使えることも大きな利点です。レンズ選びの基本についてはEFレンズとEF-Sレンズの違いを解説した記事で整理しています。
45点AFとデュアルピクセルCMOS AFの使い分け
EOS 9000Dは一眼レフなので、光学ファインダー撮影とライブビュー撮影でAF方式が変わります。ファインダーでは専用AFセンサーによる位相差AF、ライブビューでは撮像面のデュアルピクセルCMOS AFを使用します。この2種類を使い分けられることが9000Dの実用性を高めています。
ファインダー撮影では最大45点オールクロスAF
光学ファインダー撮影では最大45点のAF測距点を利用でき、対応条件では45点すべてがクロス測距に対応します。中央測距点は対応レンズ使用時にF2.8対応デュアルクロス測距となり、静止した被写体だけでなく動体撮影にも対応できます。
ワンショットAFでは人物、風景、商品など止まっている被写体へ正確に合わせやすく、AIサーボAFでは走る人物、ペット、鉄道などカメラとの距離が変化する被写体を追えます。現在の被写体認識AFのように鳥や車両を自動判別する機能はありませんが、AFエリアを自分で選択しながら追う一眼レフらしい操作ができます。
45点AFはEOS 9000Dの世代では大きな強化点で、前モデルEOS 8000Dの19点から測距範囲が広がっています。前世代との違いを見る場合はEOS 8000Dの性能を解説した記事も比較材料になります。
ライブビューではデュアルピクセルCMOS AFが使える
背面液晶を使うライブビューではデュアルピクセルCMOS AFが動作します。撮像面で位相差を検出するため、古い一眼レフのライブビューに見られたような大きく前後へ迷うAFが減り、狙った被写体へスムーズに合わせられます。
タッチパネルへ直接触れてAF位置を指定できるため、三脚撮影、商品撮影、花、ローアングルなどで使いやすくなります。ファインダーの45点より広い範囲へAF位置を置けるため、被写体を画面端近くへ配置した構図でも便利です。
デュアルピクセルCMOS AFはEOS一眼レフのライブビューを大きく変えた技術です。その流れを知るにはデュアルピクセルCMOS AFを初搭載したEOS 70Dの記事が参考になります。
約6コマ/秒連写とAIサーボAFで動体にも対応
高速連続撮影は最高約6コマ/秒です。現在のミラーレスには10コマ/秒、20コマ/秒を超える機種もありますが、人物、子ども、ペット、鉄道、運動会などでは6コマ/秒でも十分に決定的な瞬間を狙えます。
動体撮影では連写速度よりも、最初に被写体へピントを合わせ続けられるかが重要です。AIサーボAFで被写体を追い、シャッタースピードを1/500秒、1/1000秒など動きに合わせて設定すると、連写した中からピントと動きが合った一枚を選びやすくなります。
連写を長時間続けるより、動きのピークを予測して短く数コマずつ撮るほうがバッファやカード容量を節約できます。動体撮影の設定についてはCanonカメラの連写設定とシャッタースピードを解説した記事で詳しく紹介しています。
EOS 9000D最大の魅力は操作性にある
EOS 9000DをEOS Kiss X9iなどと比べると、画質やAF性能以上に差を感じやすいのが操作系です。撮影を始めた直後はオート撮影中心でも、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル露出へ進むほど、上面液晶やサブ電子ダイヤルの意味が大きくなります。
上面液晶で設定をすぐ確認できる
ボディ上面には液晶表示パネルがあり、シャッタースピード、F値、ISO感度、バッテリー残量、撮影可能枚数などを確認できます。背面液晶を表示しなくても主要情報を確認できるため、撮影中に設定状態を把握しやすくなります。
三脚へ載せた状態や腰の高さでカメラを構えているときでも、上から画面をのぞいて設定を確認できます。こうした操作はスマートフォン的なタッチ操作とは異なり、カメラを道具として直接操作する一眼レフの特徴でもあります。
ボタンやダイヤルの配置は写真を頻繁に撮るほど重要になります。カメラの使いやすさを決める要素についてはカメラの操作性とボタン配置を解説した記事で詳しく取り上げています。
サブ電子ダイヤルで露出変更が素早い
背面にはサブ電子ダイヤルがあり、撮影モードに応じて露出補正や絞り値などを直接変更できます。前側のメイン電子ダイヤルと組み合わせることで、マニュアル露出ではシャッタースピードと絞りを別々のダイヤルで調整できます。
EOS Kiss系ではボタンを押しながらダイヤルを回す操作が必要になる設定でも、9000Dでは二つのダイヤルを使い分けられるため、露出を頻繁に変更する撮影で差が出ます。撮影に慣れるほど、メニューを開かず指だけで設定を変えられることが快適になります。
ボタン配置やダイヤル操作は自分の撮影スタイルに合わせることでさらに使いやすくなります。カメラのカスタム設定と操作性を解説した記事も関連します。
AF-ONボタンで親指AFも使える
EOS 9000DにはAF-ONボタンがあり、シャッターボタン半押しによるAFと、ピント合わせの操作を分離する親指AFを使えます。動体撮影ではAF-ONを押している間だけAIサーボAFで追従し、撮りたい瞬間にシャッターを切るという使い方ができます。
人物撮影では一度ピントを合わせた後にAFを止め、そのまま表情を待つこともできます。シャッターを切るたびにAFが動かないため、撮影者がピント合わせのタイミングを管理しやすくなります。
親指AFは必須機能ではありませんが、撮影スタイルが固まってくると便利に感じる操作です。EOS 9000Dはこうした中級機的な使い方へ移行しやすいことが特徴です。一眼レフのダイヤルやボタン操作についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
EOS Kiss X9i・EOS 80Dと比較すると9000Dの性格が分かる
EOS 9000Dを単体で見るより、同世代のEOS Kiss X9iや上位のEOS 80Dと比較すると位置づけが明確になります。9000DはKiss X9iの撮影性能に近い一方、操作系は80Dに近づけたモデルです。
EOS Kiss X9iとは撮影性能が非常に近い
EOS 9000DとEOS Kiss X9iは、約2420万画素APS-Cセンサー、DIGIC 7、最大45点オールクロスAF、デュアルピクセルCMOS AF、最高約6コマ/秒の連写、フルHD60p動画など主要な撮影性能がよく似ています。
大きな違いは操作性で、9000Dには上面液晶、サブ電子ダイヤル、AF-ONボタンがあります。オート撮影を中心に使うならX9iでも大きな差を感じない可能性がありますが、露出を自分で変更しながら撮る場合は9000Dの操作系が使いやすくなります。
ボディ選びで画質だけを見ると両機の差は小さく、操作性にどこまで価値を感じるかが重要です。兄弟機との違いはEOS Kiss X9iの性能と使いやすさを解説した記事で比較できます。
EOS 80Dはファインダーとボディ性能で上位
EOS 80Dも約2420万画素、最大45点オールクロスAF、デュアルピクセルCMOS AFを備えるAPS-C一眼レフですが、9000Dより上位の中級機です。最高連写は約7コマ/秒で、光学ファインダーの視野率は約100%です。
EOS 9000Dのファインダー視野率は約95%なので、ファインダーで見えている範囲より実際の写真にはわずかに広い範囲が写ります。80Dはボディが大きく重い代わりに、ファインダーの見やすさ、連写、バッテリー持続時間、操作部などで上位機らしい余裕があります。
9000Dは80Dほどの大型ボディを必要とせず、それでも中級機的な操作を使いたい人に向いた構成です。両機の位置関係はEOS 80Dの45点AFと操作性を解説した記事を見ると分かりやすくなります。
EOS 90Dと比べると世代差は大きい
EOS 90Dは約3250万画素、DIGIC 8、最高約10コマ/秒、4K動画などを備え、9000Dより大幅に性能が高くなっています。高画素によるトリミング耐性、動体連写、動画性能を重視するなら90Dのほうが余裕があります。
その一方で、中古価格や重量、必要な性能を考えると、すべての人が90Dを必要とするわけではありません。風景、人物、旅行、日常スナップ、軽い動体撮影が中心なら9000Dの約2420万画素と約6コマ/秒でも対応できます。
中古一眼レフは最新性能ではなく、必要な機能と価格のバランスで選ぶと分かりやすくなります。9000Dと後期APS-C一眼レフとの差を確認するにはEOS 90Dの画質と連写性能を解説した記事が参考になります。
EF・EF-Sレンズを組み合わせる楽しさ
EOS 9000DはキヤノンEFマウントのAPS-C一眼レフなので、EFレンズとEF-Sレンズを直接装着できます。長期間展開されたマウントだけに中古レンズの種類が多く、標準ズーム、単焦点、望遠、マクロ、超広角まで予算に応じて揃えやすいことが現在の魅力です。
EF-S18-55mmなら小型軽量な標準セットになる
最初の一本として使いやすいのがEF-S18-55mm系の標準ズームです。18mmから55mmは35mm判換算で約29~88mm相当となり、風景、家族写真、料理、花、人物、街歩きなど日常撮影の大部分をカバーできます。
9000D本体が約540gなので、軽量なEF-S18-55mmを付ければ一眼レフとしては比較的軽いセットになります。高価なレンズへすぐ交換するより、18mm、35mm、55mmの画角の違いを覚えるだけでも写真の構図を学べます。
標準ズームを使いこなす方法についてはEF-S18-55mmの焦点距離ごとの使い方を解説した記事で詳しく紹介しています。
EF-S18-135mmなら旅行や日常撮影を一本でカバーしやすい
レンズ交換を減らしたい場合はEF-S18-135mm系が使いやすくなります。18mmの広角から135mmの望遠までカバーし、35mm判換算では約29~216mm相当となるため、風景、人物、建物、少し遠い被写体まで一本で対応できます。
特にEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMはナノUSMを搭載し、静止画では素早いAF、動画では滑らかなAFを狙った設計です。9000DのデュアルピクセルCMOS AFと組み合わせれば、ライブビューや動画でも扱いやすいセットになります。
旅行でレンズ交換を減らしたい場合や、子どもの行事を一本で撮りたい場合には高倍率ズームの利便性が生きます。EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMの特徴はこちらの記事で詳しく解説しています。
EFレンズも使えるため中古の選択肢が非常に多い
EOS 9000DではAPS-C専用のEF-Sだけでなく、フルサイズ用EFレンズもそのまま装着できます。EF50mm F1.8、EF85mm F1.8、70-200mm系、70-300mm系、100mmマクロなど、中古市場で探しやすいレンズを幅広く利用できます。
50mmレンズなら約80mm相当の画角になるため人物撮影に使いやすく、300mmなら約480mm相当となり、鉄道や野鳥などの望遠撮影にも向きます。将来フルサイズ一眼レフへ移行する可能性がある場合、EFレンズならそのまま使い回せることも利点です。
どのレンズがどのボディへ装着できるか迷う場合は、マウント規格を整理すると判断しやすくなります。CanonのRF・RF-S・EF・EF-S・EF-M対応表はこちらの記事で確認できます。
バリアングル液晶・動画・通信機能の実用性
EOS 9000Dは写真用一眼レフとしての性格が強い一方、ライブビュー、フルHD動画、無線通信も備えています。最新ミラーレスの動画機能には及びませんが、写真を中心に動画やスマートフォン転送も使う程度なら十分対応できます。
バリアングル液晶はローアングルや自撮りにも使える
背面には3.0型、約104万ドットのバリアングル式タッチパネル液晶を搭載しています。画面を横へ開いて上下へ回転できるため、地面近くの花や動物を撮るローアングル、頭上へカメラを上げるハイアングルでも構図を確認できます。
光学ファインダーでは姿勢を大きく変えなければ撮れない構図でも、ライブビューとバリアングル液晶ならカメラだけを低い位置へ置けます。タッチAFにも対応するため、画面を見ながら被写体へ触れてピント位置を選択できます。
一眼レフでも背面液晶を活用すると撮影姿勢の自由度は大きく変わります。こうした一眼レフとミラーレスの操作感の違いについては一眼レフの使いやすさを解説した記事でも取り上げています。
動画はフルHD60pとデュアルピクセルCMOS AFに対応
動画記録はフルHDで最高59.94pまたは50pに対応します。4K動画には対応していませんが、家庭用動画、旅行、YouTubeなどでフルHDを使用するなら現在でも利用できます。
動画撮影でもデュアルピクセルCMOS AFを利用でき、顔+追尾優先、スムーズゾーン、ライブ1点などからAF方式を選べます。動画サーボAFにも対応するため、人物が前後へ移動してもピントを追従させることができます。
動画電子ISも利用できますが、電子的に映像範囲を利用して補正するため画角が狭くなります。9000Dは動画専用機という位置づけではなく、写真中心で必要に応じてフルHD動画も撮る使い方に向いています。デュアルピクセルCMOS AFの発展を見るにはEOS 70Dで一眼レフ動画がどう変わったかを解説した記事も関連します。
Wi-Fi・NFC・Bluetoothでスマートフォン連携ができる
EOS 9000DはWi-Fi、NFC、Bluetoothに対応しています。撮影した写真をスマートフォンへ転送したり、スマートフォンからカメラを遠隔操作したりできるため、古い一眼レフでも撮影後の共有は比較的扱いやすくなっています。
旅行先で撮影したJPEGをスマートフォンへ転送し、そのままSNSやブログへ使うこともできます。三脚撮影ではスマートフォンをリモコン代わりに利用できるため、カメラへ触れずにシャッターを切る用途にも使えます。
撮影から共有までをすべてカメラ単体で完結する最新機種ほど高速ではありませんが、写真を撮る道具として9000Dを使いながらスマートフォン連携も利用できます。中古一眼レフを現在使う価値については中古一眼レフの魅力を解説した記事でも詳しく紹介しています。
EOS 9000Dの弱点と中古で買うときの注意点
EOS 9000Dは現在でも写真撮影には十分使えますが、最新機種と比べれば明確な弱点もあります。中古価格だけを見て選ぶより、自分が必要とする機能が搭載されているかを先に確認したほうが失敗を避けやすくなります。
最新の被写体認識AFや4K動画は使えない
EOS 9000Dには人物の瞳、鳥、動物、車両などを自動認識する現在のEOS RシリーズのようなAFはありません。ファインダー撮影では45点AFを使い、撮影者自身が測距点やAFエリアを選んで被写体を追います。
動画もフルHDまでで、4K記録には対応していません。電子シャッターによる超高速連写などもないため、野鳥、スポーツ、動画制作を本格的に行う用途では最新ミラーレスとの差を感じます。
一方、静止画中心でワンショットAFや通常のAIサーボAFを使うなら、9000Dの機能で対応できる撮影は多く残っています。一眼レフの光学ファインダーの特徴については光学ファインダーと電子ファインダーの違いを解説した記事で詳しく整理しています。
ボディ内手振れ補正がないためレンズ側ISが重要になる
EOS 9000Dにはボディ内手振れ補正は搭載されていません。手持ちで低速シャッターを使う場合は、ISを搭載したEF・EF-Sレンズを使用するか、シャッタースピードを十分に速くする必要があります。
EF-S18-55mm IS系やEF-S18-135mm IS系、EF-S55-250mm IS系などはレンズ内手振れ補正を利用できます。人物やスポーツのように被写体自体が動く撮影ではISだけでは被写体ブレを止められないため、ISO感度を上げてシャッタースピードを確保します。
レンズ選びでは焦点距離だけでなく、ISの有無、AF方式、重量まで含めると使いやすい組み合わせを作れます。APS-C一眼レフ向けレンズ全体についてはCanon EF-Sレンズの特徴と代表モデルをまとめた記事で確認できます。
中古ではシャッター・液晶・ダイヤル・AFを確認する
中古のEOS 9000Dを選ぶ場合は、外観の傷だけでなく実際の操作部分を確認することが重要です。シャッターボタン、メイン電子ダイヤル、サブ電子ダイヤル、十字キー、AF-ON、モードダイヤルなどを操作し、反応に引っ掛かりがないかを見ます。
バリアングル液晶は開閉と回転を繰り返す部分なので、ヒンジの緩み、表示のちらつき、タッチ操作を確認します。ファインダー内の大きなゴミ、センサー汚れ、内蔵ストロボ、SDカードスロット、USB端子、HDMI端子、Wi-Fi接続なども実用性に関わります。
シャッター回数だけで状態を決めることはできず、保管環境や使われ方によってコンディションは変わります。中古ボディとEFレンズを組み合わせて始める考え方は中古一眼レフを低予算で楽しむ方法を解説した記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
EOS 9000Dは、有効約2420万画素APS-C CMOSセンサー、DIGIC 7、最大45点オールクロスAF、デュアルピクセルCMOS AF、最高約6コマ/秒連写、バリアングル式タッチパネル液晶を搭載したキヤノンのAPS-C一眼レフです。
最大の特徴は、EOS Kissシリーズに近い小型軽量ボディへ上面液晶、サブ電子ダイヤル、AF-ONボタンを組み込んだ操作性にあります。オート撮影から始めても、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル露出、親指AFなどへ進みやすく、撮影経験が増えても操作面で不足を感じにくい構成です。
EOS Kiss X9iとは画質やAF、連写性能が非常に近く、9000Dは操作系で差別化されています。EOS 80Dと比べるとファインダー視野率、連写、バッテリー、ボディの余裕では下位になりますが、その分軽量です。EOS 90Dと比べれば高画素、連写、4K動画などで世代差があります。
EFレンズとEF-Sレンズを直接使用できることも現在の大きな魅力です。EF-S18-55mmの軽量標準ズーム、EF-S18-135mmの高倍率ズーム、EF50mmなどの単焦点、望遠ズームなど、中古市場に豊富なレンズから予算と撮影目的に合わせて選べます。
4K動画、最新の被写体認識AF、ボディ内手振れ補正などを必要とする用途には向きません。一方、写真を中心に、光学ファインダー、APS-Cの望遠画角、一眼レフらしいダイヤル操作、EF・EF-Sレンズを楽しみたい人には、EOS 9000Dは現在でも使い道のある一台です。



