Canon 50mmレンズ比較|EF・RFの違いと中古で選ぶポイント
キヤノンの50mm単焦点レンズには、EFマウントとRFマウントを合わせて、長年にわたり数多くの製品が登場してきました。手頃な価格で購入できるEF50mm F1.8 IIから、開放F1.2で高い描写性能を追求したRF50mm F1.2 L USMまで、同じ50mmでも価格、重量、AF性能、ボケの特徴は大きく異なります。
中古市場にはEF50mm F1.8 STMやEF50mm F1.4 USM、EF50mm F1.2L USMなどが流通しており、EOS Rシリーズでもマウントアダプターを使用すれば撮影できます。新品のRFレンズを購入する場合と、中古のEFレンズを活用する場合では、必要な費用や使い勝手にどれほど違いがあるのでしょうか。
特に気になるのは、EFとRFで同じ開放F値のレンズを比較した場合です。F1.8では旧型と新型の違い、F1.4では光学設計とAF性能の進化、F1.2では開放描写の方向性が購入判断に影響します。中古レンズについては、修理対応状況や製品固有の不具合情報も確認したいところです。
この記事では、キヤノンの代表的なEF・RF50mm単焦点レンズ7本を比較します。単なる製品紹介にとどまらず、レンズ本体の価格、EOS Rで使うための追加費用、重量、描写性能、中古購入時の点検項目まで整理し、それぞれのレンズを購入する意味を考えます。
Canon EF・RF50mmレンズ7本のスペック比較
EF・RF50mmレンズ7本の基本仕様
比較対象はEFマウントの4本、RFマウントの3本です。開放F値はF1.8、F1.4、F1.2の3種類に分かれます。
| レンズ | 開放F値 | 重量 | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 |
|---|---|---|---|---|
| EF50mm F1.8 II | F1.8 | 約130g | 0.45m | 0.15倍 |
| EF50mm F1.8 STM | F1.8 | 約160g | 0.35m | 0.21倍 |
| EF50mm F1.4 USM | F1.4 | 約290g | 0.45m | 0.15倍 |
| EF50mm F1.2L USM | F1.2 | 約590g | 0.45m | 0.15倍 |
| RF50mm F1.8 STM | F1.8 | 約160g | 0.30m | 0.25倍 |
| RF50mm F1.4 L VCM | F1.4 | 約580g | 0.40m | 0.15倍 |
| RF50mm F1.2 L USM | F1.2 | 約950g | 0.40m | 0.19倍 |
この比較表で注目したいのは、開放F値が同じでも重量や近接撮影能力には大きな違いがあることです。F1.8の3本は130~160gと軽量ですが、F1.4ではEFとRFで約290gの差があります。F1.2でもEFの約590gに対し、RFは約950gです。
一方、最短撮影距離が短いからといって、必ずしも上位モデルとは限りません。RF50mm F1.8 STMは0.30mまで近づけますが、RF50mm F1.4 L VCMは0.40mです。小物や料理を近くから撮影する場合には、価格の安いF1.8の方が使いやすい場面もあります。
EFマウントの標準単焦点には、今回比較する4本以外にもEF50mm F1.0L USMやEF40mm F2.8 STMなどがあります。EFレンズ全体の構成についてはCanon EF標準単焦点レンズ一覧で紹介しています。
EFとRFではレンズの設計思想が違う
EF50mmレンズの多くは、フィルム一眼レフの時代から続く光学設計を基礎としています。例えばEF50mm F1.8 IIとEF50mm F1.8 STMは、どちらも5群6枚のレンズ構成です。STMへの変更でAF駆動や絞り機構、近接性能が改良されましたが、光学系の基本構成は共通しています。
これに対してRF50mm F1.4 L VCMは11群14枚、RF50mm F1.2 L USMは9群15枚という構成です。大口径でありながら開放から高い解像性能を得るため、収差補正や周辺画質にも配慮した設計になっています。
EF50mm F1.2L USMは6群8枚です。RF50mm F1.2 L USMより構成枚数が少なく、開放付近では球面収差などによる柔らかな描写が残ります。その描写を好んで旧型を選ぶ人もいるため、単純に新しいレンズへ置き換えれば満足できるとは限りません。
RFレンズではAF駆動方式や操作部にも変化があります。特にRF50mm F1.4 L VCMは、動画撮影も意識したAF機構やアイリスリングを搭載しており、従来のEF50mm F1.4 USMとは製品の位置付けが大きく異なります。
RFマウントの標準単焦点レンズ全体についてはCanon RF標準単焦点レンズ一覧でも紹介しています。
新品価格と中古価格を比較するときの基準
7本のレンズを比較するとき、購入価格は重要な判断材料になります。EF50mm F1.8 IIのように中古でしか購入できない旧製品と、新品販売されているRFレンズでは、比較する価格の条件をそろえる必要があります。
キヤノン公式オンラインショップで確認した主な掲載価格は次のとおりです。価格は調査時点の税込表示であり、購入時期や販売店によって変わります。
| 製品 | 公式オンラインショップ掲載価格 |
|---|---|
| EF50mm F1.8 STM | 18,232円~ |
| RF50mm F1.8 STM | 34,980円~ |
| RF50mm F1.4 L VCM | 243,100円~ |
| RF50mm F1.2 L USM | 368,500円~ |
| マウントアダプター EF-EOS R | 21,725円~ |
EF50mm F1.8 STMとRF50mm F1.8 STMの価格差は16,748円です。この差額だけを見るとEFの方が安く購入できますが、EOS RシリーズでEFレンズを使うにはマウントアダプターが必要です。
初めてEFレンズを購入する場合、レンズ価格にアダプター代を加えると、RFレンズとの価格関係が逆転することもあります。反対に、すでにアダプターを所有している場合は、EFレンズ本体の価格だけを比較できます。
中古市場では商品の状態による価格差も大きくなります。特にEF50mm F1.2L USMのような大口径Lレンズは、外観の傷だけでなく、内部の状態や修理対応の残存期間にも注目する必要があります。
50mmという焦点距離を使う目的については50mm単焦点の使い道で詳しく紹介しています。
F1.8比較|EF50mm F1.8 II・STMとRF50mm F1.8 STM
EF50mm F1.8 IIとSTMはどこが違う?
EF50mm F1.8 IIは、安価な標準単焦点レンズとして長く親しまれてきた製品です。約130gという軽さとF1.8の明るさを備え、EFマウントの一眼レフで気軽に背景をぼかした写真を撮影できます。
後継のEF50mm F1.8 STMでは、AF駆動方式がSTMになり、最短撮影距離が0.45mから0.35mへ短縮されました。最大撮影倍率も0.15倍から0.21倍へ向上しています。
絞り羽根にも違いがあります。EF50mm F1.8 IIは5枚、STMは7枚の円形絞りです。少し絞ったときの玉ボケでは、旧型の5枚羽根による多角形が目立つ場合があります。STMは開放から少し絞っても円形に近いボケを維持しやすくなっています。
一方、基本となる光学構成はどちらも5群6枚です。STMになったからといって、あらゆる撮影条件で画質が大きく変わるわけではありません。画面中央を中心に撮影し、F2.8やF4まで絞る場合には、旧型でも十分に使える描写が得られます。
中古のEF50mm F1.8 IIが非常に安く販売されている場合、価格面での魅力は残っています。反対にSTMとの価格差が小さければ、AFの使いやすさや接写性能、絞り羽根の違いを考えるとSTMを選ぶ理由が増えます。
絞り羽根とボケの形については絞り羽根の枚数でボケと光芒はどう変わる?でも詳しく説明しています。
EF50mm F1.8 STMとRF50mm F1.8 STMの比較
EF50mm F1.8 STMとRF50mm F1.8 STMは、どちらも重量約160g、開放F1.8の標準単焦点です。外観やマウントは異なりますが、5群6枚というレンズ構成と7枚の絞り羽根を採用している点は共通しています。
違いが分かりやすいのは接写性能です。EF50mm F1.8 STMは最短撮影距離0.35m、最大撮影倍率0.21倍ですが、RF50mm F1.8 STMではそれぞれ0.30m、0.25倍へ向上しています。
例えばテーブルの上に置かれた小物を撮影するとき、EFではピントが合わず、少し後方へ下がる必要がある場合でも、RFならそのまま近づいて撮れる可能性があります。小物を大きく写したい場合、この5cmの差には意味があります。
もう一つの違いはEOS Rシリーズへ装着したときのサイズです。RF50mm F1.8 STMは直接装着できますが、EF50mm F1.8 STMにはマウントアダプターが必要です。アダプターを含めるとEF側は約270gとなり、RF側の約160gより110g重くなります。
RF50mm F1.8 STMにはコントロールリングとフォーカスリングの機能を切り替える機構もあります。絞りや露出補正などをリングへ割り当てる操作が可能で、対応するEOS Rシリーズの操作性を活用できます。
購入価格が同程度なら、EOS RシリーズではRF50mm F1.8 STMに分があります。一方、すでにEF50mm F1.8 STMを所有している場合は、接写性能や携帯性の改善に追加費用を払う価値があるかで判断できます。
EOS RシリーズでEFレンズを使う仕組みはEOS RでEFレンズを使う方法で解説しています。
中古でF1.8を購入するなら何を優先する?
F1.8の3本は比較的安価で、50mm単焦点を試してみたい場合の候補になります。どの製品を選ぶかは、使用するカメラと中古価格によって変わります。
EFマウントの一眼レフを使用している場合、EF50mm F1.8 IIとSTMの比較が中心になります。STMはAF駆動や近接性能が改善されていますが、旧型との価格差が大きい場合はF1.8 IIにも魅力があります。
EOS Rシリーズで初めて50mm単焦点を購入する場合は、RF50mm F1.8 STMと、EF50mm F1.8 STMにアダプターを組み合わせた価格を比較します。すでにアダプターを所有していれば中古EFの価格面のメリットが大きくなりますが、新たに購入する場合はRFの方が総費用を抑えられることもあります。
EF50mm F1.8 IIについては、キヤノンのメーカー修理対応が2022年2月末で終了しています。AFが動かなくなった場合などにメーカー修理を利用できないため、中古購入時は正常に動作することを確認したい製品です。
安価な中古レンズでも、AFが不安定だったり、絞りが正常に動かなかったりすれば、撮影できる場面が限られます。価格だけを比較せず、状態と使用目的を合わせて確認する必要があります。
EFマウントのF1.8を含む標準単焦点の比較はCanon EF標準単焦点レンズ一覧でも確認できます。
F1.4比較|EF50mm F1.4 USMとRF50mm F1.4 L VCM
EF50mm F1.4 USMは中古で購入する価値がある?
EF50mm F1.4 USMは、F1.8より明るいF1.4の標準単焦点レンズです。6群7枚の比較的シンプルな光学構成で、重量は約290g。F1.4の大口径でありながら、持ち歩きやすいサイズに収まっています。
開放F1.4では、F1.8より浅い被写界深度を得られます。同じISO感度なら、より速いシャッタースピードで撮影できることも利点です。室内や夕方の人物撮影では、F1.8との明るさの差が役立つ場面があります。
このレンズの特徴は、開放付近の描写と絞ったときの描写が変化することです。F1.4では球面収差などによって柔らかさが残り、画面周辺も現代の大口径Lレンズほど均一には描写されません。F2からF2.8付近へ絞ることで、ピント面が明瞭になっていきます。
こうした特徴は、開放から均一でシャープな画質を求める場合には不利ですが、人物を柔らかく写したい場合には好まれることもあります。最新の高性能レンズとは異なる写りを楽しめるところが、中古EF50mm F1.4 USMの魅力です。
ただし、AF機構の状態は購入時に確認する必要があります。キヤノンは一部製品についてフォーカス動作が停止する現象を案内しており、正常な動作が確認できる個体を選ぶことが重要です。
EF50mm F1.4 USMの画質やボケ、AFについてはCanon EF50mm F1.4 USMを徹底解説で紹介しています。
RF50mm F1.4 L VCMは何が進化したのか
RF50mm F1.4 L VCMは、同じ50mm F1.4でもEF50mm F1.4 USMとは大きく異なる設計です。EFが6群7枚なのに対し、RFは11群14枚の光学構成を採用しています。重量も約290gから約580gへ増加しました。
RF50mm F1.4 L VCMでは、開放からの解像性能、画面周辺の描写、色収差や逆光への対応が重視されています。F1.4でもピントを合わせた部分を明瞭に描きながら、大きな背景ボケを得られる設計です。
AFにはVCMとナノUSMを組み合わせた機構を採用しています。静止画だけでなく、動画撮影時の滑らかなピント移動も意識されています。さらにアイリスリングを備え、対応カメラでは絞り操作にも利用できます。
絞り羽根は11枚です。EF50mm F1.4 USMの8枚から増え、少し絞った状態でも円形に近い玉ボケを得やすくなっています。
ただし、RF50mm F1.4 L VCMは約580gあり、小型軽量という点ではEFの方が有利です。また、RF50mm F1.8 STMのように0.30mまで近づけるわけではなく、最短撮影距離は0.40mです。大口径Lレンズとしての画質やAF性能、操作性を重視する製品と考えると、その特徴が明確になります。
RF50mm F1.4 L VCMとRFのF1.2・F1.8との比較はRF50mm F1.4 L VCMレビューでも詳しく取り上げています。
EFとRFのF1.4は価格差に見合う違いがある?
EF50mm F1.4 USMとRF50mm F1.4 L VCMを比較すると、光学性能やAF機構だけでなく、製品の価格帯そのものが異なります。RFは高性能Lレンズであり、EFの上位互換として価格だけを比較するのは難しい組み合わせです。
中古のEF50mm F1.4 USMを購入する場合、少ない費用でF1.4の明るさを利用できる可能性があります。開放の柔らかさを生かした人物撮影や、F2.8付近まで絞ったスナップ撮影には、旧型でも十分に使い道があります。
RF50mm F1.4 L VCMは、F1.4から細部を明瞭に描きたい場合や、画面周辺の画質を重視する場合、静止画と動画で同じレンズを使う場合に魅力があります。AF性能や操作性も含めて高い水準を求める人のための製品です。
両者の価格差を考えるとき、F1.4という数値が同じだから同程度の画質が得られると考えるのは適切ではありません。どちらも明るさはF1.4ですが、光学設計や収差補正への考え方が大きく異なります。
一方、F2.8やF4まで絞って中央付近を中心に撮る用途では、RFの高性能が必要になる場面は限られます。撮影目的が明確であれば、旧型EFの安さを生かす選択にも意味があります。
RF50mm F1.4 L VCMの特徴はRF50mm F1.4 L VCMレビューでさらに詳しく比較しています。
F1.2比較|EF50mm F1.2LとRF50mm F1.2 L USM
EF50mm F1.2L USMは柔らかな開放描写が魅力
EF50mm F1.2L USMは、開放F1.2という大口径を備えたEFマウントのLレンズです。6群8枚の光学構成で、重量は約590g。50mm F1.2の大口径レンズとしては比較的コンパクトです。
このレンズの魅力は、F1.2の開放付近で見られる柔らかな描写にあります。ピントを合わせた部分には芯がありながら、その前後へ滑らかにボケが広がります。人物撮影では背景を大きくぼかし、被写体を浮かび上がらせる表現が可能です。
一方、開放では球面収差や色収差などが残るため、最新設計のRF50mm F1.2 L USMほど均一なシャープさは得られません。F2からF2.8へ絞ることで収差の影響が減り、描写が整っていきます。
このため、EF50mm F1.2L USMは開放から最高の解像性能を求める人だけのレンズではありません。F1.2の柔らかさや、絞るにつれて描写が変化する特徴を積極的に利用することで、その個性を生かせます。
中古市場ではRF50mm F1.2 L USMより少ない費用で購入できる個体もあり、大口径Lレンズを楽しむ候補になります。中古購入時にはAFや絞りの状態に加え、製造番号に関するメーカーの案内も確認しておきたい製品です。
EF50mm F1.2L USMの開放描写についてはCanon EF50mm F1.2L USMレビューで詳しく紹介しています。
RF50mm F1.2 L USMは開放から高い解像力を追求
RF50mm F1.2 L USMは、9群15枚という光学構成を採用した大口径標準単焦点レンズです。開放F1.2から高い解像性能を得ることを重視しており、EF50mm F1.2L USMとは描写の性格が異なります。
特に違いが現れるのは開放付近です。EFでは柔らかさが残る場面でも、RFはピント面の細部を明瞭に描き、背景を大きくぼかすことができます。高画素機で人物の目や髪、衣服の質感を写す場合にも、この開放画質は利点になります。
RFでは最短撮影距離が0.45mから0.40mへ短縮され、最大撮影倍率も0.15倍から0.19倍へ向上しています。大口径F1.2を利用して小物や花へ近づく撮影でも、EFより構図の自由度が増しています。
一方、重量は約950gです。EFの約590gから約360g増加しており、長時間持ち歩く場合には大きな違いがあります。EOS Rシリーズの小型ボディに装着したときには、レンズ側へ重量が集中しやすくなります。
RF50mm F1.2 L USMは、F1.2の大きなボケを維持しながら、開放からの解像力を高い水準で両立したい場合に魅力があります。重量と価格を受け入れてでも画質を優先したい人に向いた製品です。
RFマウントの標準単焦点レンズ全体の位置付けはCanon RF標準単焦点レンズ一覧でも確認できます。
EFとRFのF1.2はどちらを中古で選ぶ?
EF50mm F1.2L USMとRF50mm F1.2 L USMは、どちらも50mm F1.2ですが、購入目的によって評価が分かれます。
EFの魅力は、開放付近の柔らかな描写と比較的コンパクトなレンズ本体です。最新レンズの均一なシャープさとは異なる特徴があり、人物撮影や雰囲気を重視した写真でその個性を利用できます。
RFの魅力は、F1.2から明瞭なピント面を得やすいことです。高画素機との組み合わせや、開放で細部までしっかり描きたい撮影ではRFが有利になります。高い解像性能と大きなボケを両立できることが特徴です。
重量にも注目したいところです。EFは約590g、RFは約950gですが、EOS RシリーズでEFを使う場合にはアダプター約110gが追加され、約700gになります。それでもRFより約250g軽い組み合わせです。
中古価格に大きな差がある場合は、実際にF1.2で撮影する頻度も重要になります。普段はF2.8やF4を中心に使い、時折F1.2の表現を楽しむ場合、旧型EFが候補になります。反対にF1.2を常用し、ピント面の細部を重視するならRFの高性能を生かせます。
両者の描写の違いについてはCanon EF50mm F1.2L USMレビューでも取り上げています。
EOS RシリーズでEF50mmを使う場合の比較
マウントアダプターを含めた重量とサイズ
EOS Rシリーズでは、マウントアダプター EF-EOS Rを使用することでEF50mmレンズを装着できます。純正の標準タイプは重量約110g、厚さ24mmです。
これを含めた組み合わせの重量は次のようになります。
| レンズ | レンズ単体 | アダプター込み |
|---|---|---|
| EF50mm F1.8 II | 約130g | 約240g |
| EF50mm F1.8 STM | 約160g | 約270g |
| EF50mm F1.4 USM | 約290g | 約400g |
| EF50mm F1.2L USM | 約590g | 約700g |
| RF50mm F1.8 STM | 約160g | 約160g |
| RF50mm F1.4 L VCM | 約580g | 約580g |
| RF50mm F1.2 L USM | 約950g | 約950g |
この表から分かるのは、F1.8ではRFの小型軽量という特徴が際立つ一方、F1.2ではアダプター込みでもEFの方が軽いことです。
また、マウントアダプターを取り付けると、レンズ本体がカメラから前方へ離れます。EF50mm F1.8 STMは全長約39.3mmですが、アダプターを加えると単純な寸法合計は約63.3mmになります。RF50mm F1.8 STMの全長約40.5mmと比べると、携帯性には違いがあります。
EF50mm F1.2L USMも同様に、アダプターを含めると長さが増えます。それでもRF50mm F1.2 L USMより軽く、レンズの大きさを抑えたい場合には魅力があります。
マウントアダプターの仕組みや使用時の特徴はEOS RでEFレンズを使う方法で詳しく解説しています。
マウントアダプターは画質や焦点距離に影響する?
純正マウントアダプター EF-EOS Rの標準タイプには、焦点距離を変更する光学系が入っていません。EF50mmレンズを装着しても焦点距離は50mmのままで、フルサイズのEOS Rシリーズでは50mm本来の画角で撮影できます。
また、アダプター自体に光学レンズがないため、追加されたガラスによって画質が低下することもありません。レンズ本来の描写をそのまま活用できる構造です。
キヤノン純正アダプターでは、対応するEFレンズのAFや絞り制御などを利用できます。ただし、AFの速度や精度は使用するレンズとカメラの組み合わせによって異なります。旧型EFレンズの駆動機構そのものが新しくなるわけではありません。
また、APS-CのEOS Rシリーズでは50mmが約80mm相当の画角になります。これはセンサーサイズによる変化であり、アダプターが焦点距離を伸ばしているわけではありません。
EF50mm F1.8 IIやEF50mm F1.4 USMのような古いレンズでも、EOS Rシリーズに装着して撮影できます。すでに所有しているEFレンズを生かす場合、アダプターは有効な選択肢です。
焦点距離と画角の関係についてはマウントアダプターで画角は変わる?でも説明しています。
EF50mmを買い直すよりRF50mmへ移行した方がよい?
EOS Rシリーズを使用している場合でも、すべてのEF50mmをRFへ買い直す必要はありません。特にEF50mm F1.2L USMのように描写そのものへ個性があるレンズは、RFへ変更することで写真の印象が変わることがあります。
EF50mm F1.8 STMをすでに所有している場合、アダプターも持っていれば追加費用なしで撮影できます。RF50mm F1.8 STMへ変更することで軽量化や接写性能の改善は得られますが、それらに費用をかける価値があるかが判断材料になります。
一方、これから50mm F1.8を初めて購入する場合は、RF50mm F1.8 STMの直接装着という利点が大きくなります。EFレンズを使うためだけに新品のアダプターを購入すると、合計金額がRFレンズを上回る場合もあります。
EF50mm F1.4 USMについては、RF50mm F1.4 L VCMとの価格差が非常に大きいため、中古EFを使う理由が残っています。ただし、開放からの高画質や動画AFを求める場合は、RFの性能差を考慮する必要があります。
EFを継続使用する場合も、RFへ移行する場合も、最終的には現在のレンズで不足している性能を明確にすることが重要です。軽量化、接写性能、AF、開放画質など、改善したい点によって必要な買い替えは変わります。
EFレンズの継続使用についてはEOS RでEFレンズを使う方法でも解説しています。
中古Canon 50mmレンズ購入時の注意点
中古レンズのAF・絞り・光学系を確認する
中古の50mm単焦点レンズを購入するときには、外観の傷だけで状態を判断するのは難しいものです。特に古いEFレンズでは、AFや絞りの動作確認が重要になります。
AFの確認では、近距離と遠距離を交互に撮影し、正常にピントが合うかを確認します。無限遠付近から最短撮影距離付近まで動かし、途中で停止したり、異常な音が出たりしないことも重要です。AFが一度動いただけで正常と判断せず、複数回操作したときの状態を確認します。
絞りについては、開放だけで撮影すると不具合を見落とす可能性があります。F1.8やF1.4の開放からF4、F8、F16へ絞りを変更し、露出が正常に変化することを確認します。絞り羽根の動きに異常がある場合、撮影画像の明るさにばらつきが生じることがあります。
光学系では、カビ、くもり、傷、内部の異物を確認します。わずかなチリは通常の撮影でほとんど影響しない場合もありますが、広範囲のくもりやカビは逆光時のコントラスト低下につながります。
大口径F1.2やF1.4では、ピント精度の確認も重要です。開放で撮影した画像を拡大し、狙った位置にピントが合っていることを確認します。レンズの個体差や状態によって、同じ製品でも結果が異なる可能性があります。
中古で検討されることの多いEF50mm F1.4 USMについてはEF50mm F1.4 USMの画質・AF・中古選びで詳しく紹介しています。
EF50mm F1.4 USMとF1.2Lの不具合情報
キヤノンはEF50mm F1.4 USMの一部製品について、フォーカス動作が停止する現象を案内しています。AFとMFのどちらでも、無限遠側から近距離側へフォーカスを移動させたとき、特定の位置付近で動作が停止する場合があるという内容です。
対象として案内された製造番号の先頭4桁は、4918、5018、5118、5119、5218、5219、5318、5319、5418、5419です。これらの番号を持つ一部製品が対象であり、番号が一致するすべての個体に不具合が発生するという意味ではありません。
中古購入時には製造番号とともに、無限遠から近距離まで正常にフォーカスが移動するかを確認することが重要です。
EF50mm F1.2L USMについても、キヤノンが一部製品の不具合を案内しています。2022年に製造された一部個体で、高温環境下において画像の露出にばらつきが生じたり、Err01が発生したりする現象です。
対象として案内された製造番号の先頭4桁は1840、1940、2040、2140、2240です。マウント部に製造番号が刻印されている個体は対象外とされています。
この現象に関する無償修理対応は2026年3月31日で終了しました。中古購入時には対象番号かどうか、過去に修理された個体かどうか、正常に動作するかを確認する必要があります。
EF50mm F1.2L USMの基本性能についてはCanon EF50mm F1.2L USMレビューで詳しく取り上げています。
メーカー修理対応期限と中古価格の関係
古いEFレンズを中古で購入する際、メーカーの修理対応状況は重要な判断材料になります。
EF50mm F1.8 IIは、キヤノンの修理対応が2022年2月末で終了しています。故障した場合にメーカー修理を利用できないため、購入価格と商品の状態を合わせて考える必要があります。
EF50mm F1.2L USMは、メーカー修理対応の終了年月が2031年6月と案内されています。一部製品の特定現象に関する無償修理が終了したことと、通常の修理対応が終了したことは区別して考える必要があります。
中古価格が安い製品でも、故障時に修理できない場合があります。一方、ある程度の価格が付いている旧型Lレンズでも、メーカー修理対応が継続している場合があります。
購入価格と修理対応の関係は、レンズを何年間使用したいかによっても変わります。数千円程度の安価なレンズなら故障した際に買い替える選択もありますが、数万円以上の大口径レンズでは修理対応の有無が購入判断に影響します。
さらに中古販売店によって、保証期間、返品条件、動作確認の内容は異なります。同じ製品でも、保証付きの商品と現状販売の商品では価格差に理由がある場合があります。特にAF機構が複雑な製品では、購入前に状態を確認できることが重要です。
EF50mm F1.8 IIからF1.2Lまでの製品についてはCanon EF標準単焦点レンズ一覧でも比較しています。
価格と撮影目的から選ぶCanon 50mmレンズ
安く50mm単焦点を楽しみたい場合
できるだけ少ない費用で50mm単焦点を楽しみたい場合、EFマウントの一眼レフではEF50mm F1.8 IIとEF50mm F1.8 STMが候補になります。
EF50mm F1.8 IIは軽量で、F1.8の明るさを利用できます。安価な中古個体を購入できれば、少ない費用で背景ボケを生かした撮影を楽しめます。ただし、メーカー修理対応が終了しているため、AFや絞りの状態には注意が必要です。
EF50mm F1.8 STMは、近接性能や絞り羽根、AF駆動機構が改良されています。中古価格が旧型と大きく変わらなければ、STMの使いやすさを選ぶ理由が増えます。
EOS Rシリーズでは、RF50mm F1.8 STMが小型軽量で扱いやすい候補です。アダプターなしで装着でき、最短撮影距離0.30m、最大撮影倍率0.25倍という性能も備えています。
特に50mmレンズを初めて使う場合、F1.2やF1.4の高価な製品から始める必要はありません。F1.8でも大きな背景ボケを得られますし、F2.8やF4へ絞った撮影にも対応できます。
50mm単焦点で撮影できる被写体については50mm単焦点の使い道で紹介しています。
F1.4の明るさと画質を求める場合
F1.8より明るいレンズを使用したい場合、F1.4が候補になります。ただし、EF50mm F1.4 USMとRF50mm F1.4 L VCMでは価格帯も性能も大きく異なります。
EF50mm F1.4 USMは、中古価格を抑えながらF1.4の明るさを利用したい場合に魅力があります。F1.8より浅い被写界深度を得られ、室内や夕方の撮影でも明るさの利点を生かせます。
一方、開放からの解像性能や画面周辺の画質、AF性能を重視する場合はRF50mm F1.4 L VCMが候補です。重量約580gのLレンズであり、F1.4という明るさに加えて高画質を追求しています。
RF50mm F1.4 L VCMは静止画と動画の両方を撮影する用途にも適しています。VCMとナノUSMを利用したAF、アイリスリングなど、動画制作を意識した機構を備えていることも特徴です。
ただし、F1.4の明るさだけを目的とする場合、RF50mm F1.4 L VCMの価格は大きな負担になります。F1.8との明るさの差だけでなく、開放画質、AF、操作性まで必要かを考えることで、費用に見合う選択ができます。
RF50mm F1.4 L VCMの実力についてはRF50mm F1.4 L VCMレビューで詳しく解説しています。
F1.2の描写を楽しみたい場合
F1.2の50mm単焦点を求める場合、EF50mm F1.2L USMとRF50mm F1.2 L USMが候補になります。どちらも大口径Lレンズですが、描写の方向性には違いがあります。
EF50mm F1.2L USMは、開放付近での柔らかな描写を楽しみたい場合に魅力があります。中古市場で状態のよい個体を購入できれば、RFより費用を抑えながらF1.2の大きなボケを利用できます。
RF50mm F1.2 L USMは、開放からの高い解像力と大きなボケを求める場合に適しています。高画素機で細部まで写し込みたい場合や、F1.2を積極的に使う人物撮影では、その性能を生かせます。
価格差だけでなく、重量差も重要です。EFはアダプターを含めて約700g、RFは約950gです。撮影時間が長い場合には、この約250gの差が携帯性や取り回しに影響します。
また、F1.2のボケを生かすには、被写体と背景の距離や構図も重要になります。F値を小さくするだけで、すべての写真の背景が大きくぼけるわけではありません。撮影距離や背景の位置を工夫することで、大口径レンズの特徴を引き出せます。
F1.2ならではの描写についてはCanon EF50mm F1.2L USMレビューでも紹介しています。
まとめ
キヤノンのEF・RF50mm単焦点レンズ7本を比較すると、同じ焦点距離でも価格、重量、AF、開放画質、近接性能には大きな違いがあります。
F1.8ではEF50mm F1.8 II、EF50mm F1.8 STM、RF50mm F1.8 STMが比較対象です。安価な中古EFを利用する方法もありますが、EOS Rシリーズで新たに購入する場合は、アダプター代を含めた総費用で判断する必要があります。RF50mm F1.8 STMは、直接装着できることと最短撮影距離0.30mが魅力です。
F1.4では、EF50mm F1.4 USMとRF50mm F1.4 L VCMの設計思想が大きく異なります。EFは比較的軽量で、中古を利用すれば少ない費用でF1.4を楽しめます。RFは開放からの高画質、AF性能、静止画と動画を意識した操作性に特徴があります。
F1.2では、EF50mm F1.2L USMの柔らかな描写と、RF50mm F1.2 L USMの高い開放解像力が大きな違いです。EFは比較的軽量で独特の描写を持ち、RFは重量と価格が増す一方、開放から高い画質を追求しています。
中古レンズを購入する場合には、価格だけでなくAF、絞り、光学系の状態、メーカー修理対応期限も確認したいところです。特にEF50mm F1.4 USMとEF50mm F1.2L USMには、キヤノンが公表している製品固有の不具合情報があります。
50mmレンズ選びで重要なのは、F値の小ささや発売時期だけで判断しないことです。安価なF1.8で十分に楽しめる用途もあれば、F1.2の開放描写やRFの高い解像性能が必要になる用途もあります。
すでにEFレンズを所有している人、EOS Rシリーズで新たに50mmを購入する人、中古で大口径Lレンズを探している人では、適した選択肢が異なります。7本の特徴と購入費用を比較し、実際に求める描写や使い勝手に合う50mmレンズを選ぶことが重要です。


