EOS 5D Mark IVの連写設定|7コマ/秒を活かすAF・シャッタースピード・カード設定
EOS 5D Mark IVの連写は、最高約7コマ/秒という数字だけを見ても使い方は分かりません。実際の動体撮影では、ドライブモード、AIサーボAF、測距エリア、シャッタースピード、ISO感度、記録形式、メモリーカード、フリッカー低減などが連動しており、どれか一つの設定によって連写性能が決まるわけではありません。設定によっては最高約7コマ/秒まで出ず、バッファが埋まれば撮影速度も低下します。
EOS 5D Mark IVは約3040万画素のフルサイズCMOSセンサー、61点AF、41点クロス測距、DIGIC 6+、最高約7コマ/秒の高速連続撮影を備えています。現在の高速ミラーレスには10コマ/秒、20コマ/秒を超えるモデルもありますが、7コマ/秒でもスポーツ、鉄道、モータースポーツ、子ども、ペット、人物の表情変化など、多くの撮影で連写を実用的に使えます。
重要なのは、7コマ/秒を常に維持できるカメラと考えないことです。EOS 5D Mark IVの連写速度は、バッテリー残量、シャッタースピード、絞り、レンズ、AF動作、フリッカー低減、Dual Pixel RAW、デジタルレンズオプティマイザ、ライブビューなどによって変化します。この記事では、単に連写をオンにする方法だけでなく、実際に動体を撮影するときにEOS 5D Mark IVをどう設定すればよいのかを詳しく整理します。
EOS 5D Mark IVの連写性能を理解する
高速連続撮影は最高約7コマ/秒
EOS 5D Mark IVの高速連続撮影は最高約7コマ/秒です。シャッターボタンを押し続けることで連続して撮影し、約1秒間に最大7枚を記録できます。ただし、この数字は一定の条件を満たした場合の最高値です。十分に充電されたバッテリーを使用し、シャッタースピードが十分に速く、撮影条件やレンズ、AF動作などが連写速度を妨げない状態で得られる数値と考える必要があります。
低速連続撮影は最高約3コマ/秒で、静音連続撮影も最高約3コマ/秒です。被写体が激しく動く場面では高速連続撮影が使いやすい一方、人物の表情変化やイベント撮影では3コマ/秒程度の方が不要なカットを増やしにくくなります。連写は速ければ常に有利という機能ではなく、撮影する動きに合わせて速度を選ぶ方が扱いやすくなります。連写撮影全体の考え方は、Canonカメラの連写設定と高速連続撮影でも詳しく解説しています。
7コマ/秒が出ない条件を先に知っておく
高速連続撮影を選んでも、常に約7コマ/秒で動作するわけではありません。シャッタースピードが遅い場合、暗い環境でAFが時間を必要とする場合、バッテリー残量が少ない場合、使用レンズの動作条件によっては速度が低下します。フラッシュ撮影でも充電待ちが発生するため、通常の高速連写とは異なる動きになります。
さらに、フリッカー低減撮影、Dual Pixel RAW、ライブビューでのサーボAF、デジタルレンズオプティマイザなども連写速度へ影響します。最高速度だけを確認して「遅い」「速い」と判断するより、どの機能と組み合わせたときに速度が落ちるかを知っておく方が現場では役立ちます。EOS 5D Mark IVの各設定を広く確認したい場合は、EOS 5D Mark IVおすすめ設定ガイドも参考になります。
EOS 5D Mark IVで連写モードを設定する方法
ドライブモードから高速連続撮影を選択する
EOS 5D Mark IVで連写を使うときは、上面のDRIVE・AFボタンを押し、表示パネルを確認しながらドライブモードを変更します。高速連続撮影、低速連続撮影、静音連続撮影、1枚撮影、セルフタイマーなどから目的のモードを選択します。高速連続撮影ではシャッターボタンを全押ししている間、連続して撮影します。
動体だから必ず高速連続撮影にする必要はありません。歩いている人物や自然な表情を狙う人物撮影では低速連続撮影でも十分な場合があります。スポーツ、鳥の飛翔、車両など短時間に姿勢が大きく変わる被写体では高速連続撮影を使う価値が高くなります。撮影中に設定を変更する回数を減らしたい場合には、撮影内容ごとにカスタム撮影モードへ登録する方法もあります。操作を自分向けに整える方法は、カメラのカスタム設定活用術で詳しく紹介しています。
低速連写と静音連写にも使い道がある
低速連続撮影は最高約3コマ/秒なので、7コマ/秒より撮影間隔が広くなります。連写枚数を抑えながら表情の変化を追いたい人物撮影、式典、ステージ、イベントなどでは扱いやすい設定です。高速連写では短時間で似たカットが大量に増えるため、後から選別する時間まで考えると低速連写の方が効率的な場面があります。
静音連続撮影も最高約3コマ/秒で、通常の連写より機械音を抑えながら撮影できます。ただし、ミラーレスの電子シャッターのような無音撮影ではありません。一眼レフとしてミラーとシャッターが動作するため音は残ります。舞台、式典、静かな会場などで通常の高速連写音を抑えたい場合に使う機能です。EOS一眼レフならではの撮影方法については、キヤノン一眼レフの魅力と活用術でも確認できます。
連写ではAIサーボAFを使い分ける
動く被写体ではAIサーボAFが基本になる
走る人物、スポーツ、鉄道、自動車、鳥など被写体との距離が連続して変化する撮影では、AIサーボAFを使用します。ワンショットAFは一度合焦するとピント位置を固定するため、被写体が前後へ動けばピントが外れます。AIサーボAFではシャッターボタン半押しやAF-ON操作を続けている間、被写体との距離変化に追従してピントを更新します。
EOS 5D Mark IVには61点AFがあり、そのうち最大41点がクロス測距に対応します。ただし、使用するレンズによって利用できる測距点やクロス測距点の構成は変化します。一眼レフのAFは画面全体を覆う現在のミラーレスとは異なるため、被写体をAFエリア内へ保つ撮影技術も必要です。測距点の基本については、AFポイントと測距点の基礎知識で詳しく解説しています。
AFケース1から6を被写体の動きに合わせる
EOS 5D Mark IVのAIサーボAFにはCase 1からCase 6までのAF設定があります。Case 1は幅広い動体に対応する標準的な設定です。Case 2は被写体の前を障害物が横切るような場面で、元の被写体を追い続けたいときに向きます。Case 3はAFポイントへ新しい被写体が入ったとき、素早く新しい被写体へピントを移したい場面に使います。
Case 4は急激に加速や減速する被写体、Case 5は上下左右へ不規則に動く被写体、Case 6は速度変化と不規則な方向変化の両方が大きい被写体を想定しています。すべての動体撮影で複雑な設定をする必要はなく、最初はCase 1を使い、実際の失敗傾向を見ながら変更する方が分かりやすくなります。スポーツやイベントを含めた5D Mark IVのAF設定は、Canon EOS 5D Mark IVの特徴でも紹介しています。
1点AF・領域拡大AF・ゾーンAFを使い分ける
動体撮影ではAFケースだけでなく、どの範囲のAFポイントを使うかも重要です。被写体を正確に狙える場合は1点AFや領域拡大AFが使いやすく、背景へピントが移るのを抑えやすくなります。車両やランナーのように進行方向を予測しやすい被写体では、撮影者がAFポイントを被写体へ重ね続けられるため、狭い測距エリアでも追いやすくなります。
鳥の飛翔や不規則に動くスポーツでは、ゾーンAFやラージゾーンAFを利用することで、1点から被写体が外れたときの余裕を作れます。一方、背景に枝、金網、観客などが多い場所では、広い測距エリアを使うと背景を拾う可能性も高くなります。撮影対象と背景の複雑さによってAFエリアを切り替えることが重要です。AFとMFの基本的な違いも含めて整理する場合は、AFとMFの使い分けも参考になります。
シャッタースピードが連写写真の成否を左右する
連写速度が速くても被写体ブレは止まらない
連写を7コマ/秒にしても、一枚一枚のシャッタースピードが遅ければ被写体はブレます。連写速度は1秒間に何枚撮るかを示す値で、シャッタースピードは一枚の写真をどれだけ短い時間で露光するかを決める値です。この二つを混同すると、連写したのにすべての写真がブレているという結果になります。
歩く人物なら1/250秒前後、走る人物なら1/500秒から1/1000秒、速いスポーツや鳥の飛翔、モータースポーツでは1/1000秒から1/2000秒以上が必要になる場面があります。ただし、被写体の速度、撮影距離、進行方向、レンズの焦点距離によって必要な速度は変化します。横方向へ高速で移動する被写体ほど速いシャッターが必要になることがあります。シャッタースピードの基本は、シャッタースピードの基本と使い方で詳しく確認できます。
流し撮りでは連写と低速シャッターを組み合わせる
動きを完全に止めることだけが動体撮影ではありません。自動車、バイク、鉄道などでは、被写体を追いながら1/60秒、1/125秒、1/250秒など比較的遅いシャッタースピードを使い、背景を流す表現もできます。EOS 5D Mark IVの高速連写を使えば、一回の流し撮りの動作から複数枚を残し、その中から被写体の位置と背景の流れ方が合った写真を選べます。
流し撮りでは連写枚数を増やすだけで成功率が上がるわけではなく、撮影前から被写体を追い、シャッターを切っている間も同じ速度でカメラを振り続けることが重要です。シャッターを押した瞬間に動きを止めると、連写したすべてのコマで背景の流れが不自然になります。連写は流し撮りの補助として使い、カメラワークを一定に保つことが基本になります。動きを表現する撮影については、動体撮影の実践テクニックも参考になります。
ISO感度は低さより必要なシャッター速度を優先する
ISOオートを使うと光量変化へ対応しやすい
動体撮影では被写体ブレを防ぐためにシャッタースピードを確保する必要があります。晴天ではISO100やISO200で十分でも、曇天、夕方、体育館、ステージでは同じシャッタースピードを維持するためISO800、1600、3200、6400などが必要になる場合があります。低ISOにこだわってシャッター速度が落ちると、ノイズは少なくても被写体がブレた写真になります。
光量が頻繁に変化するスポーツやイベントでは、Mモードでシャッタースピードと絞りを固定し、ISOオートにする方法も使えます。たとえばシャッタースピードを1/1000秒、絞りをF2.8などに固定し、明るさだけISOオートに任せれば、被写体ブレと被写界深度を管理しながら露出変化へ対応できます。ISO感度とノイズの関係については、高感度撮影とISO感度の考え方で詳しく解説しています。
RAWとJPEGで連写可能枚数は大きく変わる
RAW連写ではバッファ容量を意識する
EOS 5D Mark IVでRAWを連写すると、約3040万画素分の大きなデータを一枚ごとに内部メモリーへ送り、そこからカードへ書き込みます。カードへの書き込みより撮影速度の方が速い間は内部バッファへ写真が蓄積され、バッファがいっぱいになると連写速度が低下します。したがって、最高約7コマ/秒を何秒間維持できるかは記録形式とカードの性能によって変化します。
実写テストでは、高速なUDMA7対応CFカードを使ったRAW撮影で約30枚を超える連続撮影ができた例があり、SDカードでも20枚台後半まで記録できた例があります。一方、RAW+JPEGでは一枚あたりのデータ量が増えるため、バッファが早く埋まります。重要な場面だけ短く区切って連写し、被写体の動きが止まったところで書き込み時間を稼ぐ使い方が効率的です。RAWとJPEGの使い分けを含む設定全般は、EOS 5D Mark IVおすすめ設定で確認できます。
JPEGなら長時間の連写に強い
JPEGはRAWよりデータ量が小さいため、高速なカードを使えば非常に長い連写を続けられます。連続する動きを大量に残すスポーツやイベントで、撮影後に大きなRAW現像を必要としない場合にはJPEGの利点が大きくなります。撮って出しで納品するイベントや記録写真でも、長い連写を維持しやすいことは重要です。
一方、白飛びや暗部、ホワイトバランスを撮影後に大きく調整する可能性がある場合にはRAWの方が有利です。RAW+JPEGを同時記録すると確認は便利ですが、連写可能枚数を重視する撮影では負荷が増えます。何を残す撮影なのかを先に決め、記録形式を選ぶことが連写性能を活かすポイントになります。EOS 5Dシリーズの位置付けや画質面を含めて確認する場合は、キヤノン「5」の系譜も参考になります。
CFカードとSDカードの違いを理解する
5D Mark IVのSDスロットはUHS-I対応
EOS 5D Mark IVはCFカードとSDカードのデュアルスロットを備えています。CF側はUDMA Mode 7に対応し、SD側はSD、SDHC、SDXCのUHS-Iに対応します。ここで重要なのは、SD側がUHS-II転送に対応していないことです。UHS-IIカード自体を使用できる場合はありますが、カメラがUHS-IIの高速転送を利用できるわけではありません。
従来の記事ではUHS-II対応カードを推奨する記述がありましたが、EOS 5D Mark IVでカード性能を考えるときはCFのUDMA7とSDのUHS-Iという仕様を基準にする必要があります。高速連写をRAWで長く続けたい場合はカード書き込み性能が重要で、特にバッファがいっぱいになった後の復帰速度へ影響します。EF一眼レフを含めたキヤノンシステム全体については、キヤノン大全から関連機種を確認できます。
2枚のカードへ同時記録すると連写性能へ影響する
EOS 5D Mark IVはCFとSDへ同時記録したり、RAWとJPEGを別々のカードへ振り分けたりできます。バックアップを重視する撮影では便利ですが、連写時には両方のカードへデータを書き込む必要があります。高速なCFカード一枚だけへ書き込む場合と比べて、二枚のカードの組み合わせによってバッファ解放までの時間が変化します。
絶対に失えない撮影では二重記録による安全性が重要になり、連写の長さよりデータ保護を優先する場面があります。一方、スポーツで長いRAW連写を優先するなら記録方法を見直す余地があります。速度だけを追うのか、バックアップを重視するのかを撮影前に決めておく方が、現場で迷いません。プロ向け一眼レフのカード運用や高速撮影と比較する場合は、EOS-1D Xの連写と撮影性能も参考になります。
フリッカー低減は室内スポーツで重要
体育館では連写速度より明るさと色の安定を優先する場合がある
蛍光灯など一部の人工照明は高速で明滅しており、人間の目では気づきにくくても高速シャッターでは写真ごとに明るさや色が変化することがあります。高速連写すると、連続した写真の一枚は正常でも次の一枚が暗いという現象が発生することがあります。
EOS 5D Mark IVのフリッカー低減撮影を有効にすると、照明の明るいタイミングに合わせて撮影することで露出や色のばらつきを減らせます。その代わり連写速度が低下したり、シャッタータイミングにわずかな遅れが発生したりする場合があります。体育館などでは「7コマ/秒を維持すること」と「連続写真の露出をそろえること」のどちらを優先するかを考える必要があります。室内でのシャッター速度や露出については、シャッタースピードの基本も参考になります。
スポーツ撮影での5D Mark IV連写設定
サッカーやバスケットボールでは速度変化を考えてAFを設定する
サッカーやバスケットボールのように選手が急加速、急停止、方向転換を繰り返すスポーツでは、AIサーボAFと高速連続撮影の組み合わせが基本になります。AFケースではCase 4が加減速の大きな被写体向けで、さらに移動方向まで不規則ならCase 6も候補になります。測距エリアは被写体の大きさや背景に応じて領域拡大AFやゾーンAFを使い分けます。
シャッタースピードは1/1000秒前後から試し、手足の動きまで完全に止めたい場合はさらに速くします。屋内ではISO感度が上がりますが、低ISOへ固執してシャッターを落とすと連写した全カットで被写体ブレが発生します。撮影位置が頻繁に変わる競技では、70-200mm F2.8クラスのズームが使いやすく、ズーム全域F2.8なら露出を一定に保ちやすくなります。代表的な望遠ズームについては、EF70-200mm F2.8L IS III USMレビューで詳しく紹介しています。
野鳥や動物での連写設定
飛翔と静止では連写設定を変える
止まっている鳥を撮る場合、常に高速連写を使う必要はありません。止まり木で姿勢が変化する程度なら低速連写でも十分で、不要なカットを増やさず表情や向きの変化を残せます。一方、飛び立つ瞬間や飛翔中の鳥では高速連写とAIサーボAFが有効になります。
飛翔ではシャッタースピードを1/1600秒から1/3200秒程度まで上げることも多く、その分ISO感度が必要になります。背景が空なら広いAFエリアでも被写体を拾いやすい一方、木々の中では背景へAFが移りやすくなります。領域拡大AFやゾーンAFを使いながら、AFケース2で障害物に反応しにくくするなど、撮影場所に合わせて設定します。野鳥や動物で使いやすい望遠域のレンズについては、EF100-400mm F4.5-5.6L IS USMも参考になります。
モータースポーツでは7コマ/秒をどう使うか
7コマ/秒でも撮影タイミングを読むことが重要
高速で接近するレーシングカーでは、7コマ/秒の各コマの間にも車両は大きく移動します。20コマ/秒や30コマ/秒のミラーレスと比べれば選べる瞬間の間隔は広くなるため、シャッターボタンを押し始めるタイミングが重要です。コーナー進入、クリッピングポイント、立ち上がりなど、撮りたい位置へ来る少し前から被写体を追い、AFを安定させてから短く連写します。
動きを止める場合は高速シャッター、車輪や背景へ動感を残す場合は流し撮りに切り替えます。どちらの場合もAIサーボAFで追従させ、車両の速度変化が大きい場面ではCase 4が使いやすくなります。EOS 5D Mark IVは専用の高速スポーツ機ほど連写速度は高くありませんが、約3040万画素の画質と7コマ/秒を両立していることが特徴です。高速連写を重視した一眼レフとの違いは、EOS-1D Xのシャッターと連写性能でも確認できます。
人物撮影でも連写は有効
表情や瞬きの変化を残すなら短い連写を使う
連写はスポーツだけの機能ではありません。人物撮影では、笑顔になる直前から笑い終わるまで、髪が風で動く瞬間、歩きながらこちらを見る瞬間など、一枚撮影では選びにくい微妙な表情変化を残せます。こうした場面では7コマ/秒を長時間続ける必要はなく、2枚から5枚程度の短い連写を繰り返す方が選別しやすくなります。
人物が静止している場合はワンショットAFでも撮れますが、歩いている人物や前後に動く人物ではAIサーボAFが使いやすくなります。大口径レンズを開放付近で使うと被写界深度が浅いため、被写体がわずかに前後するだけでもピントが外れます。連写とAIサーボAFを組み合わせることで、表情とピントの両方が合ったカットを選びやすくなります。人物向けの設定やレンズ選びは、Canonポートレートレンズガイドも参考になります。
親指AFと連写を組み合わせる
AF開始とシャッター操作を分離できる
EOS 5D Mark IVにはAF-ONボタンがあり、AF開始をシャッターボタンから分離する親指AFを利用できます。通常はシャッターボタン半押しでAFが動き、全押しで撮影しますが、親指AFではAF-ONでピントを追い続け、人差し指はシャッター操作だけを担当できます。
動体撮影では、被写体が撮影位置へ来る前からAF-ONを押して追従を開始し、ピントが安定したところで連写を始められます。シャッターを一度離してもAF操作を継続できるため、短い連写を何度も行うスポーツや野鳥撮影で使いやすくなります。一方、操作に慣れていない状態で急に変更すると撮影時に混乱するため、自分の撮影動作に合わせて使う機能です。ボタン配置の考え方については、カメラのカスタム設定で詳しく解説しています。
連写速度が突然落ちたときに確認する項目
バッファ・カード・設定・バッテリーを順番に見る
連写中に突然速度が落ちた場合、最初に考えられるのがバッファの満杯です。RAWやRAW+JPEGを長く連写すると内部メモリーがいっぱいになり、カードへ書き込みが進むまで撮影速度が低下します。この状態ではシャッターボタンを押し続けても7コマ/秒を維持できません。撮影を一度止めると書き込みが進み、再び高速連写できる枚数が増えます。
バッファ以外では、遅いカード、SDとCFへの同時記録、バッテリー残量、低温、暗所でのAF、フリッカー低減、Dual Pixel RAW、デジタルレンズオプティマイザなどを確認します。特にDual Pixel RAWは通常RAWよりデータ量が大きく、連写性能を優先する撮影では不利です。「高速連続撮影を選んだから常に7コマ/秒」という理解を外すと、速度低下の原因を見つけやすくなります。EOS 5D Mark IVの基本設定全般は、EOS 5D Mark IVおすすめ設定ガイドで整理しています。
EOS 5D Mark IVの連写設定で重要なこと
EOS 5D Mark IVは最高約7コマ/秒の高速連写に対応していますが、連写速度だけを上げても動体写真の成功率は上がりません。動く被写体ではAIサーボAFを使い、被写体の動きに合わせて1点AF、領域拡大AF、ゾーンAFなどを選びます。AFケースもCase 1から6まであり、速度変化や障害物、方向転換の大きさによって追従特性を変えられます。
さらに重要なのがシャッタースピードです。連写速度が7コマ/秒でも、シャッタースピードが不足すれば各コマは被写体ブレを起こします。スポーツや飛翔する鳥では高速シャッター、モータースポーツの流し撮りでは意図的に低速シャッターを使うなど、写真として何を表現するかを先に決めます。ISO感度はそのシャッタースピードと絞りを維持するために調整します。
記録形式も連写性能へ大きく影響します。JPEGは長い連写に強く、RAWは現像耐性が高い代わりにバッファを多く使用します。RAW+JPEGはさらにデータ量が増えます。CF側はUDMA7、SD側はUHS-I対応で、SDスロットはUHS-II転送には対応していません。カードを高速化するとバッファからの書き込みは改善できますが、カメラ側の規格を超えた速度がそのまま利用できるわけではありません。
室内スポーツではフリッカー低減も重要です。最高連写速度が多少低下しても、連続写真の明るさや色を安定させる方が結果的に使える写真が増える場合があります。逆に屋外の自然光ではフリッカー低減を使う必要がなく、最高連写速度を活かしやすくなります。
EOS 5D Mark IVは高速連写専用の1D系とは性格が異なりますが、約3040万画素のフルサイズ画質と61点AF、最高約7コマ/秒を組み合わせています。スポーツ、野鳥、鉄道、モータースポーツだけでなく、人物の表情や子どもの動きにも連写を利用できます。被写体に合わせてAF、シャッタースピード、ISO、記録形式、カード運用まで整えることで、7コマ/秒という数字を実際の撮影結果へつなげられます。



