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キヤノン「5の系譜」とは?EOS 5DからR5 Mark IIへ受け継がれた20年の歴史

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キヤノン「5の系譜」とは?EOS 5DからR5 Mark IIへ受け継がれた20年の歴史 ミラーレス

キヤノン「5の系譜」とは?EOS 5DからR5 Mark IIへ受け継がれた20年の歴史

キヤノンのカメラには、数字によって受け継がれてきた系譜があります。その中でも特別な存在が「5」です。

2005年に登場したEOS 5Dから始まり、EOS 5D Mark II、EOS 5D Mark III、EOS 5Ds/5Ds R、EOS 5D Mark IVへ。そして一眼レフからミラーレスへ時代が移っても「5」は消えず、2020年にEOS R5として受け継がれました。さらに2024年にはEOS R5 Mark IIが登場しています。

マウントはEFからRFへ、ファインダーは光学式から電子式へ、AFは測距点を選ぶ時代から被写体そのものを認識して追い続ける時代へと変化しました。それでもキヤノンは「5」という数字を残しました。

そこには単なる型番以上の意味があります。キヤノン自身がEOS R5 Mark IIの開発にあたり「5とは、何者か?」という問いからデザインを考え始めたと説明しています。「5」は長い歴史の中で、静止画と動画、高画質と機動力、新技術と実用性を一台にまとめる役割を担ってきました。

この記事では、2005年のEOS 5Dから現在のEOS R5 Mark IIまで続くキヤノン「5の系譜」をたどりながら、それぞれの世代が何を変え、なぜ「5」が現在まで受け継がれているのかを見ていきます。

歴代EOS 5シリーズを比較

EOS 5シリーズは、2005年のEOS 5Dから2024年のEOS R5 Mark IIまで8機種が登場しています。歴代モデルを並べると、フルサイズの普及から動画、高画素、高速連写、ミラーレス化、被写体認識へと、「5」が各時代の新しい技術を取り込んできたことが分かります。

モデル 発売 有効画素数 最高連写 動画 マウント 主な特徴
EOS 5D 2005年9月 約1280万画素 約3コマ/秒 非対応 EF ハイアマチュア向けにフルサイズを普及
EOS 5D Mark II 2008年11月 約2110万画素 約3.9コマ/秒 フルHD EF EOSシリーズ初のフルHD動画
EOS 5D Mark III 2012年3月 約2230万画素 約6コマ/秒 フルHD EF 61点AFを採用し総合性能を大幅強化
EOS 5Ds 2015年6月 約5060万画素 約5コマ/秒 フルHD EF 当時世界最高画素数の超高画素モデル
EOS 5Ds R 2015年6月 約5060万画素 約5コマ/秒 フルHD EF ローパスフィルター効果をキャンセルし解像感を重視
EOS 5D Mark IV 2016年9月 約3040万画素 約7コマ/秒 4K EF 高画素・高速連写・高感度を高い水準で両立
EOS R5 2020年7月 約4500万画素 約20コマ/秒 8K RF 「5」をミラーレスへ継承。IBISも搭載
EOS R5 Mark II 2024年8月 約4500万画素 約30コマ/秒 8K RF 高速読み出しと被写体追尾をさらに強化

表を見ると、5シリーズの進化は単純な高画素化ではないことが分かります。5Ds/5Ds Rの約5060万画素は、現在のR5 Mark IIの約4500万画素を上回ります。一方、連写性能は初代5Dの約3コマ/秒からR5 Mark IIの電子シャッター最高約30コマ/秒まで大きく向上しました。

動画についても、初代5Dには動画撮影機能そのものがありませんでした。5D Mark IIでフルHD、5D Mark IVで4K、R5では8Kへ到達しています。キヤノンが5D Mark IIをEOSシリーズ初のフルHD動画搭載機、R5をEOS Rシステム初の「5」を冠したフルサイズミラーレスとして位置づけていることからも、5シリーズが各時代の大きな転換点を担ってきたことが分かります。

また、2016年の5D Mark IVでは約3040万画素と最高約7コマ/秒を両立し、高画素・高速連写・高感度をバランス良く向上させました。これは、高画素だけに特化するのではなく総合力を重視する「5」の基本的な性格をよく表しています。

そして最も大きな境目が、5D Mark IVとR5の間です。ここでEFマウントの一眼レフからRFマウントのミラーレスへ変わりました。それでも「5」という数字は残りました。カメラの構造が変わっても、シリーズが担う役割は継承されたことが、この比較表からも見えてきます。

キヤノン「5の系譜」は2005年のEOS 5Dから始まった

現在キヤノンが公式に「EOS 5シリーズ」として整理しているデジタルカメラの歴史は、2005年9月発売のEOS 5Dから始まります。2025年にはシリーズ誕生20周年を迎え、キヤノンは歴代8機種を「EOS 5シリーズ」として改めて紹介しました。

その8機種は、EOS 5D、EOS 5D Mark II、EOS 5D Mark III、EOS 5Ds、EOS 5Ds R、EOS 5D Mark IV、EOS R5、EOS R5 Mark IIです。

注目したいのは、単に5Dシリーズだけをまとめたものではないことです。一眼レフの「5D」からミラーレスの「R5」へ移っても、キヤノンは同じ「5シリーズ」として扱っています。つまりEOS R5は、名前が似ているだけの別系列ではありません。キヤノン自身が5Dから続く流れの中にR5を位置づけています。

この点を理解すると、EOS Rシリーズの数字の意味もかなり見えやすくなります。EOS R5に付けられた「5」は、新しく作られた数字ではなく、デジタル一眼レフ時代から20年以上にわたって積み重ねられてきた数字なのです。

EOS 5Dはフルサイズを身近にした初代「5」

2005年当時、35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載するデジタル一眼レフは、現在ほど身近な存在ではありませんでした。フルサイズセンサーは主としてプロ向けの上位機に採用されるものであり、一般の写真愛好家にとっては簡単に手を出せる領域ではなかった時代です。

そこへ登場したのがEOS 5Dでした。約1280万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載しながら、EOS-1系とは異なるハイアマチュア向けのボディとして製品化されました。キヤノン自身もEOS 5Dについて、フルサイズ機の普及に貢献した機種と位置づけています。

ここで「5」の性格が早くも見えてきます。EOS-1のような完全なプロ用フラッグシップではありません。一方で、普及価格帯のエントリー機でもありません。その時代の高度な技術を、より多くの写真愛好家やプロが現実的に使える一台へまとめる。その立ち位置が、初代EOS 5Dによって作られました。

現在のキヤノンのフルサイズ機全体を見渡したい場合は、キヤノンフルサイズ一眼レフで深まる撮影のよろこびもあわせて見ると、EOS 5Dシリーズが一眼レフ時代に占めていた位置が分かりやすくなります。

EOS 5D Mark IIが「5」を写真だけのカメラではなくした

初代EOS 5Dから約3年後の2008年11月、第二世代となるEOS 5D Mark IIが登場します。「5の系譜」を考えるうえで、この機種は極めて大きな意味を持っています。

新開発の約2110万画素フルサイズCMOSセンサーを搭載し、初代5Dから大幅な高画素化を実現しました。映像エンジンにはDIGIC 4を採用し、常用ISO感度もISO100~6400へ拡大。静止画機として見ても大きな進化でした。

しかし、5D Mark IIの歴史的な意味を決定づけたのは動画です。デジタル一眼レフとして世界で初めてフルHD動画撮影機能を搭載し、大型のフルサイズセンサーとEFレンズを使った動画撮影を可能にしました。

現在ではフルサイズミラーレスで4Kや8Kを撮影することは珍しくありません。しかし2008年当時、写真用の一眼レフで大きなセンサーと交換レンズを使い、本格的なフルHD映像を撮れること自体が大きな変化でした。

5D Mark IIから現在のR5へ続く「写真と動画」の両立

5D Mark IIの動画機能は、単にスペック表へ動画という項目が加わっただけではありませんでした。35mmフルサイズセンサーによる浅い被写界深度、大口径EFレンズによるボケ、高感度撮影の自由度など、それまでの一般的なビデオカメラとは異なる映像表現を可能にしました。

その影響は、その後のキヤノンの映像機器にも広がっていきます。現在のEOS R5やEOS R5 Mark IIが静止画だけでなく動画性能を強く意識したカメラとなっていることを考えると、「5」が写真と動画の両方を担う存在になった大きな転換点がEOS 5D Mark IIだったと見ることができます。

現在から見ると、5D Mark IIの動画機能は制約も多く、AFや記録方式も最新機とは比較になりません。それでも「写真を撮る一眼カメラで本格的な映像も撮る」という考え方そのものを広げた功績は大きく、後のR5へつながる重要な一台です。

EOS 5D Mark IIを現在使う意味については、EOS 5D Mark IIを今あえて使う理由で、最新ミラーレスとは異なる撮影感覚も含めて詳しく紹介しています。

EOS 5D Mark IIIで「5」は万能型へ進化した

2012年3月に発売されたEOS 5D Mark IIIでは、5シリーズの方向性がさらに明確になります。単純に画素数を増やすのではなく、AF、連写、画質、動画、操作性などを総合的に引き上げる方向へ進みました。

約2230万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載し、AFは61点へ大幅に強化されました。初代5Dや5D Mark IIでは、動体撮影を最優先に設計されたカメラという印象は強くありませんでしたが、Mark IIIではAF性能と連写性能が向上し、撮影できる被写体の範囲が広がっています。

風景、ポートレート、スナップだけでなく、報道、イベント、ブライダル、動きのある人物など、さまざまな現場へ一台で対応する性格が強くなりました。

この「何か一つだけに特化するのではなく、高い水準で広い撮影領域をカバーする」という考え方は、後の5D Mark IV、R5、R5 Mark IIにも共通しています。

最高性能だけを追う「1」と総合力を担う「5」

キヤノンにはEOS-1系という明確なフラッグシップが存在します。そのため「5」は最上位を意味する数字ではありません。ここが「5」の特徴を理解するうえで重要です。

フラッグシップの「1」が、信頼性、耐久性、速度、プロフェッショナル用途などを最優先して作られるのに対し、「5」は高画質、高性能、機動性、動画、サイズなどを一台の中で成立させる役割を担ってきました。

そのため5シリーズには、風景写真家にもポートレート撮影者にも映像制作者にも使われる幅があります。一つの用途専用ではなく、多くの高度な撮影を一台でこなせることが「5」の強さです。

現在のEOS Rシリーズにおける数字の位置づけは、EOS Rシリーズの数字の違い|R1・R5・R6・R7・R8・R10・R50・R100の位置づけでも詳しく整理しています。

EOS 5Dsと5Ds Rは「5」が高画素へ振り切った特別な世代

2015年6月には、5シリーズの中でも独特な存在となるEOS 5DsとEOS 5Ds Rが登場しました。

搭載されたフルサイズCMOSセンサーは約5060万画素。当時、35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したデジタル一眼レフとして世界最高画素数を実現したモデルでした。

それまでの5Dシリーズは、画質だけでなくAF、連写、高感度、動画などを総合的に高める方向で進化していました。それに対して5Ds/5Ds Rは、解像力を明確に前面へ押し出しています。

5Dsと5Ds Rの違いは、ローパスフィルター効果の扱いです。5Ds Rではローパスフィルター効果をキャンセルする構造を採用し、より高い解像感を狙いました。風景、建築、商品、スタジオ撮影など、細部の再現を重視する分野を強く意識したモデルです。

5060万画素は現在のR5 Mark IIよりも多い

5Ds/5Ds Rの約5060万画素という数字は、現在見ても注目に値します。EOS R5とEOS R5 Mark IIはいずれも約4500万画素であり、純粋な画素数だけを比較すると5Ds系の方が上です。

もちろん、カメラの性能は画素数だけでは決まりません。現在のR5 Mark IIは高速読み出し、電子シャッター、高速連写、高性能AF、被写体認識、ボディ内手ブレ補正、8K動画など、一眼レフ時代には実現できなかった機能を数多く備えています。

それでも2015年の段階で5000万画素を超えるフルサイズ一眼レフを製品化していたことは、「5」がキヤノンの新しい技術を投入する系列だったことを示しています。

現在の高画素機を取り巻く状況については、超高画素カメラは本当に必要?6000万画素・1億画素の現在でも詳しく取り上げています。

EOS 5D Mark IVで一眼レフ時代の「5」が完成する

2016年9月、EOS 5D Mark IVが発売されました。結果として、これが5Dを名乗る通常系統では最後の一眼レフとなりました。

約3040万画素のフルサイズCMOSセンサー、61点AF、最高約7コマ/秒の連写、常用ISO100~32000、Dual Pixel CMOS AF、4K動画などを搭載し、5D Mark IIIから各部分を着実に強化しています。

5Ds系のように5000万画素を超えることはありませんでしたが、高画素だけを追うのではなく、高感度、AF、連写、ライブビュー、動画を含めて総合性能を高い水準へまとめました。

その姿は、初代EOS 5Dから積み重ねてきた「5」の一つの完成形と見ることができます。

5D Mark IVが示した「5」の基本形

5D Mark IVを見ると、「5」が何を目指してきたシリーズなのかがよく分かります。最高画素数だけを競うカメラではなく、最高連写速度だけを競うカメラでもありません。それぞれの性能を高い水準で組み合わせ、一台で幅広い撮影へ対応するカメラです。

この性格は、ミラーレス時代のEOS R5にもほぼそのまま受け継がれました。R5が約4500万画素と高速連写を両立し、さらに高度な動画性能まで備えているのは、突然生まれた設計思想ではありません。

5D Mark IVまで続いた「静止画も動画も、高画質も速度も、一台でできるだけ高い水準へまとめる」という考え方が、RFマウントという新しいシステムの中で再構築されたものと見ることができます。

EOS 5D Mark IVそのものについては、Canon EOS 5D Mark IV 写真と映像を極めるカメラで機能や特徴を詳しく紹介しています。

「5D」が終わり「R5」になった意味

2018年、キヤノンはEOS Rシステムを開始しました。RFマウントを採用するフルサイズミラーレスシステムへの本格的な移行です。

最初に登場したのはEOS Rであり、その後EOS RPが加わりました。この段階では、5Dシリーズで長く使われてきた「5」という数字はまだEOS Rシステムに現れていませんでした。

そして2020年7月、EOS R5が発売されます。

名前が「EOS 5D Mark V」ではなく「EOS R5」となったことは象徴的です。「D」はDigitalを示して5Dシリーズを構成していましたが、RFマウントのEOS Rシステムでは「R」の後ろに5を置く形へ変わりました。

カメラの構造は一眼レフからミラーレスへ完全に変わっています。それでも「5」は残されました。

EOS R5は5Dの後継思想をRFマウントへ移したカメラ

EOS R5は約4500万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載し、電子シャッターで最高約20コマ/秒、メカシャッター/電子先幕で最高約12コマ/秒の連写を実現しました。さらにデュアルピクセルCMOS AF II、ボディ内手ブレ補正、8K動画などを搭載しています。

5D Mark IVから見ると、単なる世代更新では説明できないほどカメラの仕組みが変わりました。ミラーがなくなり、光学ファインダーはEVFへ変わり、AFは撮像面全体を広く使えるようになりました。電子シャッターによる高速連写やボディ内手ブレ補正も加わっています。

それでも「高画質、高速性能、動画、機動性を一台へまとめる」という5シリーズの基本思想は変わっていません。むしろミラーレス化によって、その考え方をさらに押し進めたのがR5です。

キヤノンはEOS R5を「EOS Rシステム初の『5』を冠したフルサイズミラーレスカメラ」と明確に位置づけています。「5Dシリーズが終わり、別のR5シリーズが始まった」というより、「5の系譜がEFからRFへ移った」と理解する方が実態に近いでしょう。

EOS R5については、EOS R5とは EFレンズとRFマウントで実力を引き出す高画素フルサイズの使い方でも詳しく紹介しています。

EOS R5はなぜ「R3」や「R6」ではなく「5」だったのか

EOS R5の登場によって、Rシステムにおける数字の意味も徐々に明確になりました。現在はR1、R5、R6、R7、R8、R10、R50、R100など、異なる数字を持つ機種が展開されています。

その中でR5は、高画素、高速連写、AF、動画、堅牢性、操作性などを高水準でまとめる上位機として位置づけられています。

R1はプロ向けフラッグシップとして速度や信頼性を最優先する立場にあります。一方のR5は、画素数を確保しながら高速性能も持ち、写真だけでなく高度な動画撮影にも対応します。

ここにも5D時代からの性格が残っています。最高位機ではないものの、多くの用途に対して非常に高い能力を持つ。それが「5」です。

EOS R5 Mark IIで改めて問われた「5とは何者か」

2024年8月、EOS R5 Mark IIが発売されました。約4500万画素という基本的な解像度はEOS R5から維持されましたが、中身は大きく進化しています。

新開発のエンジンシステム「Accelerated Capture」を採用し、ディープラーニング技術も活用。被写体追尾性能を高め、特定のスポーツ動作を認識するアクション優先など、新しいAF機能を備えました。

電子シャッターでは最高約30コマ/秒へ高速化され、初代R5よりローリングシャッター歪みも抑えられています。静止画だけでなく動画機能もさらに強化され、現在のハイブリッドカメラとして高い能力を持つモデルとなりました。

キヤノン自身がR5 Mark II開発で「5とは何者か」を考えた

R5 Mark IIの開発で特に注目したいのが、キヤノンのデザイン部門が「5とは、何者か?」という問いから開発を始めたと明かしていることです。

これは「5」という数字が単なる商品番号ではなくなっていることを示しています。長年にわたってユーザーが抱いてきた5シリーズの印象や役割を踏まえ、その意味を改めて考えなければ次のR5を作れないほど、シリーズとしての個性が形成されているのです。

キヤノンは5シリーズについて、最先端の機能を比較的コンパクトなボディへ凝縮し、ハイアマチュアからプロまで幅広く使われてきた存在として説明しています。また、静止画と動画の双方へ対応するオールラウンダーとして、「キヤノンの顔」と表現しています。

初代5Dがフルサイズを広げ、5D Mark IIが一眼動画を大きく前進させ、5Ds系が5000万画素を超える世界へ進み、R5が8K動画と高速ミラーレスへ進化した歴史を振り返れば、この説明は5シリーズ全体の歩みと重なります。

現在のEOS R5 Mark IIについては、EOS R5 Mark IIで描く新たな世界:次世代の撮影体験で機能を詳しく紹介しています。

歴代EOS 5シリーズを並べると進化の方向が見える

歴代モデルを発売順に並べると、「5」が各時代で何を担ってきたのかが分かりやすくなります。

EOS 5Dは2005年9月発売。ハイアマチュア向けのフルサイズ一眼レフとして、フルサイズ普及への道を広げました。

EOS 5D Mark IIは2008年11月発売。約2110万画素への高画素化とフルHD動画によって、写真だけだった一眼レフの可能性を映像制作へ広げました。

EOS 5D Mark IIIは2012年3月発売。AFや連写性能を大幅に強化し、5シリーズをさらに幅広い撮影へ使えるオールラウンダーへ進化させました。

EOS 5DsとEOS 5Ds Rは2015年6月発売。約5060万画素という圧倒的な解像力を前面に出し、5シリーズから高画素に特化した方向を展開しました。

EOS 5D Mark IVは2016年9月発売。約3040万画素、61点AF、Dual Pixel CMOS AF、4K動画などを搭載し、一眼レフ時代の5シリーズを総合性能型として完成させました。

EOS R5は2020年7月発売。RFマウントへ移行し、約4500万画素、最高約20コマ/秒、ボディ内手ブレ補正、8K動画などによって「5」をミラーレス時代へ継承しました。

EOS R5 Mark IIは2024年8月発売。約4500万画素を維持しながら高速読み出し、高度な被写体追尾、最高約30コマ/秒の電子シャッター連写などを備え、静止画と動画の両方をさらに強化しています。

「5」の歴史は単純な高性能化ではない

20年を超える歴史を見ると、5シリーズの進化は単純に画素数や連写速度が増えてきただけではありません。

初代5Dではフルサイズそのものが大きな価値でした。5D Mark IIでは動画が新しい価値となり、5D Mark IIIではAFと総合性能、5Ds系では超高画素、5D Mark IVでは完成度、R5ではミラーレスと8K、R5 Mark IIでは高速処理と高度な被写体認識へ重点が移っています。

つまり「5」は、毎回同じ性能を磨くだけのシリーズではありません。その時代の撮影環境で重要になる新しい技術を取り込みながら、写真家や映像制作者が現実的に使える一台へまとめてきたシリーズです。

だからこそ、5D Mark IIとR5 Mark IIは外見も内部構造も大きく異なるにもかかわらず、同じ系譜として見ることができます。

5D Mark IIとR5 Mark IIを並べると「5」の変化がよく分かる

2008年のEOS 5D Mark IIと2024年のEOS R5 Mark IIを比べると、16年間でカメラそのものがどれほど変わったのかが分かります。

5D Mark IIは光学ファインダーを備える一眼レフで、約2110万画素。AFは9点、連写速度は最高約3.9コマ/秒でした。それでも大型フルサイズセンサーとフルHD動画という当時の新しい機能によって大きな存在感を持ったカメラです。

一方、R5 Mark IIは約4500万画素、撮像面AF、被写体認識、電子シャッター最高約30コマ/秒、ボディ内手ブレ補正、高度な8K動画などを備えます。

数字だけを比べれば別世界です。しかし共通している点があります。どちらも、その時代にキヤノンが持っていた新しい技術を数多く投入しながら、巨大なプロ専用機ではなく、写真愛好家からプロまで使えるサイズの一台へまとめていることです。

古い5Dを使うことは「5」の原点を体験することでもある

現在EOS 5D Mark IIなどの古い5Dシリーズを使うと、最新のR5系との違いは明確です。瞳AFも被写体認識もなく、ボディ内手ブレ補正もなく、連写も高速ではありません。

その一方で、35mmフルサイズセンサー、光学ファインダー、EFレンズ、機械式シャッターという一眼レフ時代の構成を直接体験できます。

現在のR5 Mark IIがどれほど高度なカメラになったのかを知るうえでも、過去の5Dシリーズは価値があります。初代5Dから5D Mark II、Mark III、Mark IV、そしてR5へと実際に並べて考えると、カメラ技術の変化そのものが見えてきます。

5D Mark IIの写真機としての魅力については、EOS 5D Mark II 表現力と信頼感で作品づくりを支えるカメラでも詳しく紹介しています。

なぜ「5」は20年以上残ったのか

カメラの商品名は時代とともに変化します。実際、キヤノンでもEOS 10Dから始まる二桁D系、一桁D系、Kissシリーズなど、多くの系列が展開されてきました。

その中で「5」は、マウントそのものがEFからRFへ変わっても生き残りました。

理由は、5という数字が特定の構造を表す名前ではなく、一台のカメラが担う役割を表すものへ変化したからだと考えると分かりやすくなります。

一眼レフでなければ5ではない、EFマウントでなければ5ではない、特定の画素数でなければ5ではないというシリーズではありません。時代が変わってカメラの構造が変化しても、「先進的な技術をコンパクトな一台へまとめ、静止画と動画の双方で高い表現力を持たせる」という役割が残っています。

そのため一眼レフがミラーレスへ移行しても、「5D」という製品名のDを残す必要はなくなっても、「5」という数字そのものには意味が残りました。

EOS 5シリーズはキヤノンのカメラ史を縮小したような存在

EOS 5シリーズ20年の歴史には、デジタルカメラ全体の変化が詰まっています。

2005年のEOS 5Dではフルサイズセンサーが大きな特徴でした。2008年の5D Mark IIでは一眼レフによるフルHD動画、2015年の5Ds/5Ds Rでは5000万画素超の高解像度、2020年のR5ではミラーレス化と8K動画、2024年のR5 Mark IIでは高速読み出しと高度な被写体認識へ進みました。

フルサイズの普及、高画素化、動画対応、ライブビュー、像面AF、ミラーレス化、電子シャッター、被写体認識というデジタルカメラの主要な変化を、5シリーズだけでほぼ順番に追うことができます。

だから「5の系譜」を知ることは、単に歴代5DやR5の名前を覚えることではありません。キヤノンがデジタルカメラの進化に合わせて何を重要と考え、どの技術を実用機へ投入してきたのかを見ることでもあります。

まとめ EOS 5DからEOS R5 Mark IIまで「5」は続いている

キヤノンの「5の系譜」は、2005年のEOS 5Dから始まりました。

初代5Dがハイアマチュアへフルサイズの世界を広げ、5D Mark IIがフルHD動画によって一眼カメラの映像表現を変え、5D Mark IIIがAFと総合性能を高めました。5Ds/5Ds Rは約5060万画素という高解像度へ挑み、5D Mark IVは一眼レフとして高画質、AF、動画、操作性を高い水準でまとめました。

そして2020年、一眼レフからミラーレスへ時代が変わる中で「5」はEOS R5として残りました。2024年のEOS R5 Mark IIでは、約4500万画素、高速連写、高度なAF、8K動画などを一台へまとめ、5シリーズの役割をさらに発展させています。

5DとR5は、機構だけを見れば大きく異なるカメラです。しかし「その時代の新しい技術を積極的に採り入れ、写真と動画、高画質と速度、性能と機動性を高い水準で一台へまとめる」という考え方には一本の線を引くことができます。

EOS 5D、5D Mark II、5D Mark III、5Ds/5Ds R、5D Mark IV、EOS R5、EOS R5 Mark II。

「5Dが終わってR5が始まった」のではありません。

一眼レフからミラーレスへ姿を変えながら、キヤノンの「5」は現在まで続いています。

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