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EF70-300mm F4-5.6 IS II USMレビュー|画質・AF性能・中古購入のポイント

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EF70-300mm F4-5.6 IS II USMレビュー|画質・AF性能・中古購入のポイント 望遠ズーム

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMレビュー|画質・AF性能・中古購入のポイント

キヤノンのEF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、70mmから300mmまでの焦点距離をカバーする、フルサイズ対応の望遠ズームレンズです。望遠撮影に必要な焦点距離を確保しながら、高速で静かなナノUSM、約4段分の光学式手ブレ補正、レンズ情報を表示する液晶画面を搭載しています。

2016年12月に発売されたこのレンズは、普及価格帯のEF望遠ズームでありながら、AF性能と操作性に重点を置いた設計が特徴です。先代のEF70-300mm F4-5.6 IS USMから光学系や駆動方式が見直され、静止画だけでなく動画でも扱いやすい性能を備えました。

焦点距離300mmは、野鳥やスポーツ、鉄道、動物園などで遠くの被写体を大きく撮影するのに役立ちます。70mm側では人物撮影や風景の一部を切り取る構図にも対応し、望遠域を中心としたさまざまな撮影に使用できます。最短撮影距離1.2m、最大撮影倍率0.25倍という近接性能もあり、花などを大きく写したい場合にも便利です。

一方、300mmまで伸ばしたときの画質、710gという重量、開放F値の制約、Lレンズとの違いなど、購入前に理解しておきたい部分もあります。EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの基本仕様から描写性能、実際の撮影での使い方、EOS Rシリーズとの組み合わせ、中古購入時の確認ポイントまで詳しく見ていきます。

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの基本性能

このレンズの特徴は、70-300mmという実用的な望遠域と、ナノUSMによる高速AF、約4段分の手ブレ補正を組み合わせていることです。望遠ズームとして必要な基本性能を備えながら、非Lレンズとして価格と性能のバランスを重視した構成になっています。

70mmから300mmまでを一本でカバーする

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの焦点距離は70-300mmで、ズーム比は約4.3倍です。フルサイズカメラでは70mmが中望遠にあたり、人物の上半身や少し離れた被写体を撮影する際に使いやすい画角になります。100mmから135mm付近では人物撮影や花の撮影、200mmから300mmでは遠くの動物やスポーツ選手を引き寄せた構図に適しています。

望遠ズームの便利なところは、撮影位置を大きく変えなくても被写体の大きさを調整できる点です。例えば動物園で動物が近くに来たときは70mmから135mm付近で周囲の環境も入れ、奥へ移動したときは300mmへズームして表情や動きを大きく捉えられます。公園や旅行先でも、建物の装飾や遠くの景色など、標準レンズでは小さく写ってしまう部分を切り取ることができます。

フルサイズの70mmは一般的な広角レンズほど広い範囲を写せないため、広大な風景や室内全体を撮影する用途には向きません。標準ズームや広角レンズと組み合わせると、近くの風景から遠くの被写体まで対応範囲が広がります。

焦点距離によって変わる画角や構図の特徴は、画角とは?焦点距離との関係と広角・標準・望遠の違いでも詳しく解説しています。

12群17枚の光学構成と0.25倍の近接撮影性能

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの光学構成は12群17枚で、UDレンズを1枚使用しています。UDレンズは、光の波長によってピント位置や像の大きさが変わることで生じる色収差を抑えるための特殊レンズです。望遠レンズでは明暗差の大きな被写体の輪郭に色にじみが発生しやすいため、色収差の補正は画質を左右する重要な要素になります。

最短撮影距離はズーム全域で1.2m、最大撮影倍率は300mm時に0.25倍です。最大撮影倍率0.25倍は、実物の4分の1の大きさで被写体を撮像面へ投影できることを意味します。フルサイズセンサーなら、幅約144mmの被写体が画面の横幅いっぱいに写る計算です。

花や葉、小さな置物などをある程度離れた場所から大きく写せるため、通常の望遠撮影に加えてクローズアップ撮影にも活用できます。例えば花壇の奥にある花へ近づけない場合でも、300mmを使えば背景を整理しながら花を大きく撮影できます。ただし、等倍撮影ができるマクロレンズとは異なり、極小の昆虫や細かな部品を画面いっぱいに写す用途には限界があります。

最短撮影距離はカメラの撮像面から被写体までの距離なので、レンズ先端から被写体まで1.2mという意味ではありません。この違いを理解しておくと、近接撮影で構図を決めやすくなります。マクロレンズの特徴と最大撮影倍率の考え方も参考になります。

710gの重量と液晶画面を備えた鏡筒

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの最大径は約80mm、全長は約145.5mm、質量は約710gです。フィルター径は67mm、絞り羽根は9枚の円形絞りを採用しています。300mmまで対応するフルサイズ用望遠ズームとしては持ち歩きやすい部類ですが、特別に小型軽量なレンズというわけではありません。

全長約145.5mmは収納時の寸法で、望遠側へズームすると鏡筒が前方へ伸びます。300mmまでズームしたときは全長が約7cm長くなるため、実際の撮影では収納時より大きく感じます。カメラに装着した状態で持ち歩く場合は、レンズの長さだけでなく、ボディとの重量バランスも重要です。

特徴的なのが鏡筒上部に設けられた液晶画面です。この画面には焦点距離、撮影距離、手ブレ量などを切り替えて表示できます。焦点距離表示はズームリングの目盛りでも確認できますが、液晶画面を使えば数値を直接見ることができ、撮影距離表示はマニュアルフォーカス時の距離確認にも利用できます。

外装は主に樹脂製で、金属鏡筒の高級望遠レンズとは異なる作りです。それでもズームリングやフォーカスリングの操作性を重視した設計で、一般的な撮影用途では扱いやすい構成になっています。レンズの重量と携帯性の関係については、レンズの小型軽量設計と重量バランスでも解説しています。

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの画質と描写性能

望遠ズームを選ぶ際に重要なのは、300mmでどこまで細部を描写できるかという点です。EF70-300mm F4-5.6 IS II USMはUDレンズを使用して色収差を抑えていますが、画面中央と周辺、開放と絞った状態では画質に違いがあります。実写レビューでも全体的な評価は良好である一方、焦点距離や撮影条件によって結果に差が見られます。

70mmから300mmまでの解像力と絞りによる変化

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの解像力は、普及型望遠ズームとして良好な水準にあります。複数の実写テストでは70mmから200mm付近で良好な中央解像力が確認されており、300mmでも実用的なシャープネスを維持しています。一方、焦点距離による細かな評価にはテストごとの違いがあり、すべての焦点距離で同じ解像性能になるわけではありません。

70mmでは開放F4から使用でき、十分な光量がある場合は絞り開放でも中央部分の細部を捉えられます。100mmから200mm付近ではF5.6からF8で良好な結果が得られやすく、300mmでもF8付近まで絞ることでコントラストや細部描写が安定する場合があります。

ただし、300mmでは開放F値がF5.6になるため、F8へ絞るとシャッタースピードは1段分遅くなります。止まっている被写体なら手ブレ補正を利用できますが、動いている被写体ではシャッタースピードの確保を優先した方が良い結果になります。画質を改善するために絞っても、被写体ブレが増えてしまえば解像力の違いを生かせません。

F11やF16まで絞ると被写界深度は深くなりますが、回折の影響によって細部が柔らかくなることがあります。風景撮影で広い範囲にピントを合わせたい場合を除けば、必要以上に絞る利点は大きくありません。EFレンズの解像力と高画素カメラとの関係は、EFレンズの画質限界と高画素機での描写で詳しく説明しています。

周辺画質・色収差・逆光性能の特徴

UDレンズを採用したEF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、望遠撮影で問題になりやすい倍率色収差を抑える設計になっています。倍率色収差は、画面周辺の木の枝や建物の輪郭などに赤や青の色ずれが現れる現象です。実写テストでは色収差が比較的少ないという評価が見られ、通常の撮影で大きく気になる場面は限られます。

周辺解像力については中央部分と同じではありません。特にフルサイズの画面端まで細かな模様を写す場合、焦点距離や絞り値によってシャープネスに差が出ます。人物や動物のように被写体を画面中央付近へ配置する撮影では目立ちにくい一方、建物や遠景を画面全体へ写す場合は、端の描写も確認したい部分です。

歪曲収差は70mm側で樽型、望遠側で糸巻き型になる傾向があります。自然風景では目立ちにくくても、建物の直線や水平線が画面端にある構図では違いが分かります。必要に応じてカメラ内補正やRAW現像で調整できますが、補正によって画面周辺の一部が切り取られることもあります。

逆光ではフレアやゴーストが発生する場合があり、特に太陽や強い光源が画面内または周辺にある条件では注意が必要です。レンズフードの使用や撮影方向の調整によって不要な光の侵入を減らせます。こうした光学特性の仕組みは、レンズ構成と光学性能の関係でも解説しています。

望遠ならではの背景ボケと立体感

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは開放F値がF4-5.6なので、F1.8やF2.8の大口径レンズほど明るくありません。それでも200mmから300mmの望遠域では、被写体と背景の距離を十分に取ることで大きな背景ボケを作れます。人物や動物を背景から浮かび上がらせるように撮影する場合、この焦点距離の長さは有利に働きます。

例えば300mm F5.6で人物を撮影する場合、人物の背後に十分な距離があれば、木々や建物の形を柔らかくぼかした写真になります。花を撮影する場合も、背景が離れていれば色のまとまりを作りやすく、被写体を印象的に見せられます。

また、望遠レンズでは撮影位置と画角の関係によって、手前と奥の被写体が近づいて見える圧縮効果を表現できます。遠くの山並みを重ねたり、道路や線路の奥行きを強調したりする構図では、標準レンズとは違った印象になります。

9枚の円形絞りは、絞った状態でも比較的丸いボケを維持しやすい構造です。ただし、ボケの形や滑らかさは絞り値だけで決まらず、背景の模様や光の強さ、被写体との距離にも左右されます。ボケ量と描写の違いについては、レンズの描写力とボケ表現の特徴で詳しく取り上げています。

ナノUSM・手ブレ補正・操作性の実力

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMを先代モデルから大きく進化させた要素が、ナノUSMによるAF駆動です。光学式手ブレ補正の強化に加えて、撮影距離などを確認できる液晶画面も搭載され、静止画と動画の両方で扱いやすいレンズになりました。

ナノUSMによる高速で静かなオートフォーカス

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMには、キヤノン独自のナノUSMが搭載されています。ナノUSMは超音波モーターの一種で、従来のリングUSMやマイクロUSMとは異なる駆動方式を採用しています。静止画では高速なピント合わせ、動画では滑らかなフォーカス移動を実現することを目的とした仕組みです。

実写レビューでもAF速度は高く評価されており、先代のEF70-300mm F4-5.6 IS USMとの違いが明確に現れる部分です。特に近距離から遠距離へピントを移動させる場面では、フォーカスレンズを素早く動かせる利点があります。

動く被写体を追う場合は、レンズのAF速度だけでなくカメラ側のAF性能も重要です。一眼レフでは測距点の配置やAFモード、ミラーレスでは被写体検出や追尾AFの性能が結果に影響します。ナノUSMの高速駆動は有利ですが、それだけで飛んでいる鳥や高速で移動する車へ必ずピントが合うわけではありません。

動画撮影では静音性の高さも役立ちます。ピント位置を変更するときの動作が滑らかで、従来の一部のEFレンズと比べてAF駆動音を抑えられます。AFの駆動方式による違いについては、STM・USM・VCMのAF速度と静音性の比較で詳しく解説しています。

約4段分の手ブレ補正で望遠撮影を安定させる

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、約4段分の光学式手ブレ補正機構を搭載しています。望遠レンズでは焦点距離が長くなるほど手の小さな動きが画面内で大きく見えるため、手ブレ補正の重要性が高まります。

一般的に、フルサイズカメラで300mmを使用する場合、手ブレを抑えるためのシャッタースピードの目安は1/300秒前後とされています。約4段分の手ブレ補正は、理論上それより遅いシャッタースピードでも撮影できる可能性を広げます。ただし、実際の補正効果は撮影姿勢やカメラの保持方法、撮影条件によって変わります。

静止している建物や遠くの風景を撮影する場合は、手ブレ補正の効果を活用してISO感度を抑えられることがあります。例えば日陰の風景や夕方の街並みなど、シャッタースピードを速くするとISO感度が上がってしまう条件では便利です。

一方、飛んでいる鳥や走っている人物を撮影する場合、手ブレ補正は被写体そのものの動きを止める機能ではありません。動体撮影ではシャッタースピードを十分に速く設定したうえで、手ブレ補正によってカメラ側の揺れを抑える使い方になります。手ブレと被写体ブレの違いは、Canonの手ブレ補正と撮影シーン別の使い方で詳しく説明しています。

液晶画面・ズームロック・フィルターの使い勝手

鏡筒上部に搭載された液晶画面では、撮影距離、焦点距離、手ブレ量の3種類を切り替えて表示できます。焦点距離表示は現在のズーム位置を数値で確認でき、撮影距離表示ではおおよそのピント位置を把握できます。手ブレ量表示では縦方向と横方向の揺れを確認できるため、カメラの構え方を確認する際に役立ちます。

液晶画面は撮影情報を確認するための補助機能であり、画面に表示された手ブレ量が少なければ写真が必ず鮮明になるというものではありません。また、液晶表示を使用すると消費電力が増えるため、必要のない場合は表示を切ることもできます。

レンズにはズームロック機構も搭載されています。70mm位置でズームリングを固定でき、持ち歩いている間に自重で鏡筒が伸びることを防ぎます。望遠ズームは歩行中に鏡筒が伸びると周囲の物へ接触しやすくなるため、携帯時に便利な機能です。

フィルター径は67mmで、対応する保護フィルターやPLフィルターを使用できます。専用レンズフードはET-74Bで、別売品として用意されています。フードは余分な光の侵入を抑えるだけでなく、レンズ先端を接触から守る役割もあります。フィルターの種類や使い分けについては、カメラ用レンズフィルター完全ガイドも参考になります。

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMが活躍する撮影シーン

70-300mmの焦点距離は、人物、動物、スポーツ、風景など多くの撮影に利用できます。特に被写体との距離を自由に調整しにくい場所では、ズームの利便性が高まります。撮影する被写体に応じて焦点距離とシャッタースピードを選ぶことが重要です。

野鳥・動物園・ペットの撮影

野鳥撮影では300mmまで使用できることが利点になります。公園の池にいるカモや比較的近い場所に止まっている小鳥、動物園の動物など、ある程度の大きさがある被写体を撮影する場合に役立ちます。

ただし、野鳥を専門に撮影する場合、300mmは必ずしも十分な焦点距離ではありません。特に小型の野鳥は近づけないことが多く、離れた場所に止まっている個体を画面いっぱいに写すには400mmや500mm以上が必要になる場面もあります。

一方で、鳥のいる環境も含めて撮影する場合には300mmの画角が適しています。池の水面や周囲の木々を入れた写真、枝に止まる鳥と背景の関係を見せる構図では、必ずしも超望遠レンズが必要になるわけではありません。

止まっている鳥では1/500秒から1/1000秒程度、飛んでいる鳥では1/1600秒から1/2500秒程度を設定の出発点とし、動きの速さや明るさによって調整します。暗い場所ではISO感度が高くなりやすいため、絞り開放F5.6を使う場面も多くなります。

APS-Cカメラに装着するとフルサイズ換算で約112-480mm相当の画角になり、遠くの鳥を大きく写しやすくなります。具体的なAFや連写設定は、EOS R7の野鳥撮影設定でも詳しく取り上げています。

運動会・スポーツ・鉄道撮影

運動会やスポーツ撮影では、撮影位置を自由に変えられないことが多いため、70-300mmのズーム域が役立ちます。近くを走る選手には70mmから135mm、遠くにいる選手には200mmから300mmを使用することで、レンズ交換をせずに構図を調整できます。

ナノUSMの高速AFは、近づいてくる被写体や横方向へ移動する被写体を追う際に有利です。サーボAFや追尾AFと組み合わせ、被写体の動きに合わせてピントを更新しながら撮影できます。人物の動きが速い場合は1/1000秒前後、さらに速い動きを止めたい場合は1/1600秒以上を目安に設定を調整します。

鉄道撮影では、列車を正面から狙う場合と横から撮る場合で必要な焦点距離が変わります。遠方から接近する列車には300mmを使い、近づいてきたらズームを短くすることで、列車の大きさを画面内に収めやすくなります。ただし、高速で接近する列車を撮影する場合、ズーム操作とAF追従を同時に行う必要があるため、事前に構図を決めておく方が安定します。

背景を流して速度感を表現する流し撮りにも利用できます。流し撮りでは被写体の移動方向にカメラを動かしながらシャッターを切るため、被写体の速度に合わせてシャッタースピードを調整します。

子どもの運動会に向いたカメラと望遠レンズの組み合わせは、運動会向けミラーレスカメラと望遠レンズの選び方でも比較しています。

ポートレート・花・風景の撮影

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、人物撮影でも利用できます。70mmから135mm付近は人物の上半身や顔を撮影しやすく、200mm以上では背景を大きくぼかした望遠ポートレートに適しています。

300mmを使う場合は被写体から十分な距離を取る必要がありますが、その分、背景に写る範囲が狭くなり、余計な物を画面から外しやすくなります。公園や屋外イベントなど、背景に多くの人や物がある場所でも、主役を整理した構図を作れます。

花の撮影では、最短撮影距離1.2mと最大撮影倍率0.25倍を利用できます。300mmで花を大きく写し、背景をぼかすことで、望遠レンズらしいクローズアップ表現になります。花壇に入らずに撮影できることも利点です。

風景では、広い範囲を一度に写す用途よりも、遠くの山、建物、夕日、街並みの一部などを切り取る撮影に向いています。望遠で重なり合う山並みや建物を撮影すると、奥行きが圧縮されたような印象になり、広角レンズとは異なる風景写真を作れます。

人物を自然に写すための焦点距離や背景の整理については、ポートレート撮影完全ガイドで詳しく解説しています。

EOS一眼レフとEOS Rシリーズでの使い方

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMはEFマウントのフルサイズ対応レンズです。EFマウントを採用するEOS一眼レフでは直接装着でき、EOS Rシリーズではマウントアダプターを使用して撮影できます。APS-Cカメラと組み合わせた場合は画角が狭くなるため、望遠撮影での使い方も変わります。

EOS一眼レフではフルサイズとAPS-Cの両方に対応

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMはフルサイズ用のイメージサークルを持つため、EFマウントのフルサイズEOS一眼レフとAPS-C EOS一眼レフの両方で使用できます。EOS 5DシリーズやEOS 6Dシリーズ、EOS 7Dシリーズなど、EFマウントに対応する機種で利用できるレンズです。

フルサイズでは70-300mmの焦点距離に対応する画角をそのまま利用でき、70mm側では人物撮影にも使いやすい範囲を確保できます。APS-Cでは約112-480mm相当の画角になるため、遠くの被写体をより大きく写せる構図になります。

この違いはレンズの実際の焦点距離が伸びるという意味ではありません。APS-Cセンサーはフルサイズより小さいため、同じレンズを使っても画面に記録される範囲が狭くなります。レンズが作る像の中央部分を利用することになるため、フルサイズで目立つ周辺光量低下や画面端の収差が写りにくいという特徴もあります。

ただし、APS-Cで画角が狭くなる分、カメラの揺れや被写体の動きも画面内で大きく見えます。300mm側では特にシャッタースピードと構え方が重要になります。EFマウントのカメラとレンズの構成については、キヤノン大全で確認できます。

マウントアダプターを使えばEOS Rでも撮影できる

EOS RシリーズでEF70-300mm F4-5.6 IS II USMを使用する場合は、マウントアダプター EF-EOS Rなどの対応アダプターが必要です。EFマウントとRFマウントは形状が異なるため、レンズを直接取り付けることはできません。

電子接点を備えた対応アダプターを使用すれば、絞り制御、オートフォーカス、レンズ内手ブレ補正などの機能を利用できます。EOS Rシリーズの被写体認識AFや追尾AFと組み合わせることもでき、古い一眼レフで使う場合とは操作性が変わります。AFの追従性能や対応する機能は、使用するカメラの機種によって異なります。

EF-EOS Rの標準マウントアダプターには画質を変化させる光学レンズが入っていないため、アダプターを装着したこと自体でレンズの解像力が低下する構造にはなっていません。画質の違いが現れる場合は、主に使用するカメラのセンサー性能や撮影条件が関係します。

一方、アダプターを使用するとカメラとレンズの間に厚みが加わり、全体の長さが増えます。約710gのレンズにアダプターの重量も加わるため、小型のEOS Rボディではレンズ側の重さが目立ちます。

EOS RPなどでEFレンズを使う場合の組み合わせや注意点は、EOS RPでEFレンズを使う方法でも詳しく解説しています。

動画撮影では静音AFと手ブレ補正が役立つ

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、動画撮影にも利用できる望遠ズームです。ナノUSMは静止画での高速AFに加えて、動画撮影時の滑らかなピント移動を重視して設計されています。被写体が移動したときにピント位置を調整する場合、従来の一部のEFレンズより静かで自然な動作が期待できます。

例えば動物園で歩く動物を動画撮影する場合、100mmから200mm付近を使用すれば、被写体との距離を保ちながら動きを記録できます。300mmでは遠くの動物を大きく撮影できますが、わずかな手の動きでも画面が揺れやすくなるため、手ブレ補正の重要性が高まります。

動画の場合、シャッタースピードを自由に速くできないこともあります。30pなら1/60秒前後、60pなら1/125秒前後を目安にする撮影方法では、レンズ内手ブレ補正を活用する機会が増えます。ただし、手ブレ補正だけで歩行中の大きな揺れや急激なカメラ移動を完全に防ぐことはできません。

望遠側へのズーム操作では鏡筒が伸び、カメラ全体の重心も変化します。そのため、動画撮影中にズームすると構図が揺れたり、操作音が録音されたりすることがあります。長時間の固定撮影では三脚を使用し、ズーム操作を必要最小限にすると映像が安定します。

カメラの動画撮影に関する基本的な考え方は、動画記録形式とビットレートの設定でも取り上げています。

EF70-300mmシリーズの違いと他の望遠レンズとの比較

キヤノンには、EF70-300mmという焦点距離を持つ複数のレンズがあります。外観や焦点距離が似ていても、AF駆動方式、光学構成、手ブレ補正、重量、描写性能には違いがあります。中古市場では型番が似た製品が並ぶため、正確なモデル名を確認することが重要です。

先代EF70-300mm F4-5.6 IS USMとの違い

EF70-300mm F4-5.6 IS USMは2005年に発売された先代モデルで、EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは2016年に登場した後継モデルです。焦点距離と開放F値は共通していますが、AF駆動方式、手ブレ補正、レンズ構成などが変更されています。

先代モデルは10群15枚の光学構成で、質量は約630g、フィルター径は58mmです。最短撮影距離は1.5mで、手ブレ補正効果は約3段分でした。これに対してII型は12群17枚、約710g、フィルター径67mm、最短撮影距離1.2m、手ブレ補正効果約4段分となっています。

II型で最も大きく変わったのがAFです。先代のマイクロUSMからナノUSMに変更されたことで、ピント合わせの速度と静音性が向上しました。特に動体撮影や動画撮影では、この違いが使い勝手に直結します。

一方、重量はII型の方が約80g重く、フィルター径も大きくなっています。軽さを最優先する場合、先代モデルにも利点があります。静止した風景を中心に撮影するなら先代でも十分な場面がありますが、AF性能や最短撮影距離を重視する場合はII型が有利です。

先代の光学性能や操作性については、EF70-300mm F4-5.6 IS USMの特徴と画質で詳しく解説しています。

EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMとの違い

EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMは、回折光学素子を利用して全長を短くした特殊な望遠ズームです。収納時の全長は約99.9mmで、EF70-300mm F4-5.6 IS II USMの約145.5mmと比べて大幅に短くなっています。

ただし、DOモデルの質量は約720gで、II型の約710gとほぼ同じです。DOモデルの携帯性は重量の軽さよりも、収納時の長さを抑えられることにあります。バッグへ入れる際に長いレンズを避けたい場合には、この短さが利点です。

DOモデルはリングUSMを採用し、最短撮影距離は1.4m、最大撮影倍率は0.19倍です。II型はナノUSM、最短撮影距離1.2m、最大撮影倍率0.25倍となっており、AFや近接撮影性能では新しいII型が有利です。

画質面でも性格が異なります。DOレンズは小型化に優れる一方、撮影条件によってフレアやコントラストの低下、ボケの中に特徴的な模様が現れる場合があります。II型は通常の屈折光学系とUDレンズを使用した設計で、DOモデルのような小型化よりもAF性能と光学性能のバランスを重視しています。

DOモデルの特徴や中古購入時の注意点は、EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USMレビューで詳しく比較しています。

EF70-300mm F4-5.6L IS USMやEF100-400mm Lとの比較

EF70-300mm F4-5.6L IS USMは、同じ70-300mmの焦点距離を持つLレンズです。約1,050gという重量があり、II型より約340g重くなっています。その分、堅牢性や光学性能を重視した設計で、望遠側や画面周辺を含む描写の安定性が特徴です。

II型は非Lレンズとして軽量性とAF速度に利点があり、Lモデルは耐久性や画面全体の描写性能を優先する場合に向いています。実際の解像力では撮影条件によって差が変わるため、単純にLレンズだからすべての場面で大きく優れるというものでもありません。

さらに望遠域を重視する場合には、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMも比較対象になります。焦点距離400mmまで対応するため、300mmでは届きにくい野鳥や航空機を大きく撮影できます。光学性能や近接撮影性能にも優れたレンズですが、重量と価格はEF70-300mm F4-5.6 IS II USMより大きくなります。

野鳥撮影を中心に考えるなら400mmまでの焦点距離が有利になる場面が多く、旅行、動物園、運動会など幅広い用途で持ち歩くなら70-300mmの機動性が生きます。撮影目的によって必要な望遠域が異なるため、単純な画質比較だけで選ぶ必要はありません。

400mm望遠ズームの性能については、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMの実力で詳しく取り上げています。

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMを中古で選ぶポイント

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、中古でも検討できる望遠ズームです。中古購入では外観の状態だけでなく、AF、手ブレ補正、液晶画面、ズーム機構などが正常に動作するかを確認することが重要です。電子制御部品が多いレンズなので、実際にカメラへ装着して動作確認できる個体が選びやすくなります。

AF・手ブレ補正・液晶画面の動作確認

中古で確認したいのは、ナノUSMの動作状態です。近くの被写体と遠くの被写体を交互に狙い、ピントが正常に移動するかを確認します。AFが極端に遅い、途中で止まる、異常な音が出るなどの症状がないかを見ます。

手ブレ補正については、望遠側でファインダー像やライブビュー表示を見ながら動作を確認すると、補正による揺れの変化を把握しやすくなります。手ブレ補正の動作開始時に小さな作動音が聞こえることはありますが、異常に大きな音や不規則な振動がある場合は状態を確認したいところです。

このレンズ特有の確認項目が液晶画面です。表示が正常に点灯するか、焦点距離や撮影距離などの表示を切り替えられるか、表示に欠けがないかを確かめます。液晶画面はレンズの基本的な撮影機能とは別ですが、搭載されている機能が正常に使用できる個体を選ぶ方が望ましいでしょう。

さらにAF/MF切り替えスイッチやISスイッチ、ズームロックの動作も確認します。操作部が固着している個体や、スイッチが正常に切り替わらない個体は避けたいところです。EF望遠ズーム全体の特徴は、Canon EF望遠ズームレンズ完全ガイドでも整理しています。

レンズ内部のカビ・クモリ・ズーム機構を確認する

中古レンズでは光学系の状態も重要です。前玉と後玉を確認し、傷、カビ、クモリ、内部の異物などがないかを見ます。通常使用によって入った少量のチリが写真に影響することは少ないですが、カビやクモリはコントラスト低下や逆光時のフレアにつながる場合があります。

特に望遠レンズでは、逆光でコントラストが低下した場合に被写体の細部が分かりにくくなります。外観がきれいでも内部のクモリが進んでいる個体では、本来の描写性能を発揮できないことがあります。

ズームリングについては、70mmから300mmまで滑らかに動くか、途中で極端に重くなる部分がないかを確認します。ズームによって前方へ伸びる構造なので、伸長した鏡筒に大きなガタがないかも確認したい部分です。

また、フォーカスリングを操作したときに正常にピントが移動するかも確認します。ナノUSMは電子制御によってフォーカスを移動させるため、カメラの電源が入っていない状態では通常の機械式フォーカスリングと同じようには操作できません。動作確認はカメラに装着し、適切な設定で行う必要があります。

中古EFレンズの光学的な弱点と、経年劣化による不具合の違いについては、EFレンズの活用法とRFレンズとの使い分けも参考になります。

中古価格だけでなくRF望遠ズームとの違いも考える

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、高速なナノUSMと約4段分の手ブレ補正を備えた望遠ズームとして、中古購入を検討する価値があります。ただし、価格だけを見るのではなく、同じ予算でどの程度の望遠性能や画質を得られるかが重要です。

EFマウントの一眼レフを使用している場合は、マウントアダプターを必要とせず、そのまま装着できることが大きな利点です。300mmまで使用できることに加えて、比較的新しい世代のAF駆動方式を備えているため、古いEF望遠ズームからの更新先としても考えられます。

一方、EOS Rシリーズで新たに望遠ズームを購入する場合は、RF100-400mm F5.6-8 IS USMなども比較対象になります。RF100-400mmは望遠側が400mmまで伸び、レンズ単体の重量も約635gと軽量です。一方、300mm付近の開放F値やEFレンズの中古価格、所有しているマウントアダプターの有無などによって、EF70-300mm F4-5.6 IS II USMを選ぶ意味も変わります。

明るさが必要な場面では開放F値が有利なレンズを選び、遠くの被写体を大きく写したい場合は焦点距離を重視するなど、用途に合わせた比較が重要です。また、中古品では付属品の有無や保証条件、光学系の状態によって実質的な購入費用も変わります。

EOS RPを中心としたEF・RF望遠ズームの選び方については、EOS RPの望遠レンズおすすめ3選でも詳しく比較しています。

まとめ

EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、70mmから300mmまでの焦点距離を備えた、フルサイズ対応の実用的な望遠ズームレンズです。2016年に登場したII型では、ナノUSMによる高速で静かなAF、約4段分の光学式手ブレ補正、撮影距離や焦点距離などを表示できる液晶画面が採用され、先代から操作性が大きく進化しました。

12群17枚の光学構成にはUDレンズが使用され、色収差を抑えながら良好な解像力を実現しています。300mm側でも実用的な描写性能を備えており、野鳥、動物園、スポーツ、鉄道、人物、風景など、幅広い撮影に利用できます。最短撮影距離1.2m、最大撮影倍率0.25倍という近接性能もあり、花などのクローズアップ撮影にも便利です。

約710gという重量は特別に軽いわけではありませんが、300mmまで対応する望遠ズームとして携帯性と性能のバランスが取れています。フルサイズEOS一眼レフで直接使用できるほか、マウントアダプターを介してEOS Rシリーズでも利用できます。

300mmを超える望遠撮影が中心なら400mm以上のレンズが適していますが、旅行やイベント撮影など、一本で複数の撮影用途に対応したい場合には70-300mmのズーム域が役立ちます。高速AF、手ブレ補正、近接性能、画質を総合的に考えると、EF70-300mm F4-5.6 IS II USMは、中古EF望遠ズームの中でも実用性の高い選択肢です。

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