EF28-90mm F4-5.6 IIレビュー|軽さ・描写・II USMやIIIとの違いを解説
EF28-90mm F4-5.6 IIは、フィルム一眼レフ時代のEOS Kiss系と組み合わせる標準ズームとして登場した、非常に軽量なEFレンズです。焦点距離は28mmから90mm、開放F値はF4-5.6、質量は約180gしかありません。現在の標準ズームと比べると機能は単純ですが、フルサイズでは広角28mmから中望遠90mmまでを一本で使え、最短撮影距離0.38m、90mm時最大撮影倍率0.30倍という近接性能まで備えています。
このレンズには手ブレ補正もLレンズらしい高級な鏡筒もなく、AFにはUSMではなくDCモーターを使用します。一方で8群10枚という比較的シンプルな光学系に非球面レンズを組み込み、最大径約67mm、長さ約71mmという小さな鏡筒へ28-90mmのズーム域を収めています。フルサイズEF標準ズームとして180gという重量は現在見ても極めて軽く、EOS 5Dシリーズのような大型ボディへ装着するとレンズの存在をほとんど意識しないほどです。
高価な高性能レンズと同じ基準で周辺画質やボケ、AF性能を競う種類のレンズではありません。EF28-90mm F4-5.6 IIの価値は、小型軽量な標準ズームを低い負担で持ち歩き、28mm、50mm、90mmという性格の違う画角を一本で楽しめることにあります。この記事では正しい基本仕様を確認したうえで、画質、焦点距離ごとの使い方、II USMやIIIとの違い、フルサイズとAPS-Cでの画角、中古で選ぶときの注意点まで詳しく解説します。
EF28-90mm F4-5.6 IIの基本性能と180gという軽さ
EF28-90mm F4-5.6 IIを現在使う理由を考えるとき、最初に見るべきなのは高性能さよりも小型軽量性です。28mmから90mmという3倍強のズーム域を持ちながら180gに抑えられており、一眼レフ用フルサイズ対応標準ズームとして非常に軽い設計です。
約180gで28mmから90mmまでをカバーする
EF28-90mm F4-5.6 IIの質量は約180g、最大径は約67mm、長さは約71mmです。EF24-105mm F4L IS II USMのような高性能標準ズームが800g近い重量になることを考えると、このレンズがどれほど軽量化を重視しているか分かります。レンズをカメラへ付けたまま歩く撮影や、交換レンズを増やしたくない旅行では、この180gという数字が大きな意味を持ちます。
28mmから90mmまでを一本で使えるため、広い風景を撮った直後に人物へズームし、そのまま日常のスナップへ移れます。機能を絞った古いキットズームだからこそ、鏡筒が小さく、持ち出す負担も軽くなっています。EF標準ズームの焦点距離や各シリーズの違いはCanon EF標準ズームレンズ一覧でまとめて確認できます。
開放F値は28mmでF4、90mmでF5.6になる
開放F値はズーム全域一定ではなく、広角側のF4から望遠側のF5.6へ変化します。28mmでF4を使っていた状態から90mmへズームすると最大口径が小さくなるため、同じISO感度とシャッタースピードを維持する場合には露出条件も変化します。現在のカメラならオートISOや自動露出で吸収できますが、マニュアル露出ではズーム位置に応じた確認が必要です。
F2.8やF4通しの標準ズームと比べれば暗いレンズです。その代わり大きな光学系を必要とせず、180gという重量を実現しています。屋外の日中や十分な光量がある場所ならF4-5.6でも扱いやすく、風景やスナップではF5.6からF8へ絞って使うことも多いため、撮影内容によっては大きな問題になりません。F値による明るさや被写界深度の変化はF値とは?絞りで変わる明るさ・ボケ・被写界深度で詳しく解説しています。
0.38mまで寄れて90mmでは最大0.30倍になる
最短撮影距離はズーム全域0.38mで、最大撮影倍率は90mm時に0.30倍です。専用のマクロレンズではありませんが、標準ズームとしては被写体をかなり大きく写せます。花、小物、料理、カメラ用品などを画面内へ大きく配置しながら撮影できるため、日常のクローズアップにも使いやすいレンズです。
90mm側では画角が狭くなるため、0.38mまで近づくと背景へ入る範囲を減らしやすくなります。被写体と背景の距離を広く取ればF5.6でもある程度背景を整理でき、単純な記録写真とは違う見せ方ができます。撮影距離と焦点距離によって写真の印象がどう変わるかは被写体との距離で写真はどう変わる?で詳しく整理しています。
EF28-90mm F4-5.6 IIの画質はどこまで期待できるのか
EF28-90mm F4-5.6 IIは高級レンズではなく、当初から小型軽量なキットズームとして設計されています。そのため開放から四隅まで高い解像力を求めるレンズではありません。重要なのは、このクラスのレンズがどこで画質を確保し、どこに限界があるのかを理解して使うことです。
8群10枚と非球面レンズで小型化と収差補正を両立する
光学系は8群10枚で構成され、非球面レンズが使用されています。ズームレンズでは焦点距離を変えるたびに歪曲や球面収差などの出方も変化するため、少ないレンズ枚数で28mmから90mmまでをまとめるには非球面レンズが重要になります。光学系を複雑にしすぎず、重量とサイズを抑えた設計です。
現在の高価な標準ズームと比べれば、開放時や画面周辺で描写の差は出ます。特に高画素ボディで等倍表示すれば古いキットズームの弱点を確認しやすくなります。一方、写真全体を通常の表示サイズで見る場合には、適切にピントを合わせ、必要に応じて一段ほど絞ることで十分使える場面も多くあります。レンズの解像力と完成画像の鮮明さの違いはレンズ解像度とは?解像力・シャープネスとの違いで詳しく解説しています。
28mm・50mm・90mmで写真の性格を大きく変えられる
28mm側では背景や周囲の環境まで広く入れやすく、風景、建築、街歩き、集合写真などに使えます。50mm付近へズームすると広角らしい遠近感が弱まり、人物や日常の被写体を自然な大きさでまとめやすくなります。90mm側では画角が狭くなり、人物、花、遠景の一部分を切り取る中望遠的な使い方へ変化します。
高倍率ズームほど広い範囲は持ちませんが、28mmから90mmの中には標準撮影でよく使う焦点距離がまとまっています。撮影場所を大きく移動できないときにズームで構図を整えられることが単焦点との大きな違いです。標準ズームで各焦点距離をどう使い分けるかは28-70mmレンズの使い道も参考になります。
5枚羽根とF4-5.6なので大きなボケを主目的にするレンズではない
絞り羽根は5枚です。現在のレンズでは7枚、9枚、11枚といった円形絞りが多くなっていますが、このレンズではシンプルな5枚構成です。絞ったときの点光源は角のある形になりやすく、最新レンズのような滑らかな円形ボケを最優先した設計ではありません。
それでも90mm側を使い、被写体へ近づき、背景を十分遠くへ離せば背景をぼかすことはできます。ボケ量はF値だけで決まらず、焦点距離、撮影距離、背景までの距離も大きく関係します。F5.6だから背景がまったくぼけないわけではありません。背景との距離や焦点距離がボケへ与える影響は描写力とボケ表現の秘密でも詳しく扱っています。
日常撮影では28mm・50mm・90mmをどう使い分けるか
EF28-90mm F4-5.6 IIは、撮影目的を一つに絞るレンズより、日常の中で被写体が次々変わる撮影に向いています。180gしかないため持ち歩く心理的な負担も少なく、街中、旅行、公園、家族写真などで焦点距離を変えながら撮る使い方と相性があります。
28mmは街歩きや旅行で周囲の情報を残しやすい
フルサイズの28mmは超広角ほど極端ではありませんが、50mmより広い範囲を写せるため、建物、道路、店内、風景を背景と一緒に残しやすい焦点距離です。街歩きでは人物や物だけを切り取るのではなく、その場所がどのような環境だったかまで写真へ入れられます。
被写体へ近づくと手前と奥の距離感が強調されるため、道路や建物のラインを利用した構図にも使えます。反対に人物の顔へ極端に近づけば遠近感が強くなるので、自然な人物写真では少し距離を取った方が扱いやすくなります。日常の中で構図や焦点距離を素早く判断する方法はスナップ写真の撮り方完全ガイドで詳しく解説しています。
90mmでは人物と背景を整理した構図を作りやすい
90mmまでズームすると画角が狭くなり、28mmや50mmでは写り込んでいた背景の余計な部分を画面外へ出しやすくなります。人物の上半身、顔、花、遠くの看板や建物の一部分などを切り取るときに便利です。人物へ近づきすぎずに撮れるため、広角側より顔の遠近感を強く出さずに構図を作れます。
開放F値はF5.6なので85mm F1.8のような大きなボケは得られませんが、背景との距離を十分取れば人物を背景から分離できます。軽い標準ズーム一本の中に中望遠的な90mmが含まれていることがこのレンズの実用的な部分です。中望遠域を人物撮影で使う考え方は中望遠レンズの使い方と撮影テクニックで詳しく紹介しています。
0.30倍を活かせば花や小物にも使える
90mmで0.38mまで寄ると最大撮影倍率0.30倍となり、一般的な遠景撮影だけでなくクローズアップにも対応できます。小さな花、料理の一部分、アクセサリー、カメラ用品など、画面内で被写体をある程度大きく見せたい撮影に利用できます。
マクロレンズの等倍撮影とは違いますが、旅行中に花を見つけたときなどにレンズ交換せずそのまま寄れることが便利です。28mmでは風景、50mmではスナップ、90mmでは人物や接写という流れを一本の中で作れるため、180gという軽さ以上に撮影範囲は広くなります。近距離での構図と撮影距離を考える場合はEF35-80mm F4-5.6 IIIの使い方も比較材料になります。
EF28-90mmシリーズの違いを整理する
中古市場ではEF28-90mm F4-5.6、USM、II、II USM、IIIなど名称が似たモデルが並ぶことがあります。焦点距離と基本的な光学性能が近いため、名前だけを見ると違いが分かりにくいシリーズです。特にIIとII USMはAF方式と重量が主な違いとなります。
初代EF28-90mm F4-5.6から基本光学系を受け継ぐ
初代EF28-90mm F4-5.6も8群10枚、最短撮影距離0.38m、最大撮影倍率0.30倍、58mmフィルター、約180gという構成で、II型と非常に近い仕様です。28-80mm系より望遠端を90mmまで伸ばしながら、小型軽量を維持するというシリーズの基本的な考え方は初代から続いています。
このためII型を「光学系を全面刷新した高性能モデル」と考えると実態から外れます。世代が変わっても、安価で軽い標準ズームという役割が中心です。初代の特徴を確認する場合はEF28-90mm F4-5.6と比べるとシリーズの流れが分かります。
II USMとの最大の違いはAF駆動方式
EF28-90mm F4-5.6 IIは超小型DCモーターでAFを駆動し、EF28-90mm F4-5.6 II USMはマイクロUSMを使用します。キヤノンの公式資料では、AF駆動方式、駆動音、重量以外はII USMと同一の仕様と性能とされています。II型が約180g、II USMが約190gなので、非USMの方が約10g軽量です。
マイクロUSM版はAF作動音を抑えやすく、動作も軽快ですが、リングUSMのような高級レンズのAF機構とは異なります。中古価格の差がある場合は、AFの静かさをどこまで重視するかが選択材料になります。II USMの仕様と特徴についてはEF28-90mm F4-5.6 II USMで詳しく確認できます。
III型も8群10枚と0.30倍を維持した軽量標準ズーム
後継のEF28-90mm F4-5.6 IIIも8群10枚、最短撮影距離0.38m、最大撮影倍率0.30倍、フィルター径58mmという基本仕様を維持しています。質量は約190g、長さは約71.2mmなので、II型から大幅に大型化したモデルではありません。
II型を所有している状態でIII型へ変更しても、撮影できる焦点距離や近接性能が劇的に変わるわけではありません。中古で選ぶなら世代番号だけを見るより、レンズ内部の状態、AF動作、ズームリング、価格を含めて個体差を見る方が実用的です。III型についてはEF28-90mm F4-5.6 IIIで特徴を確認できます。
フルサイズ・APS-C・EOS Rシリーズで使うと画角が変わる
EF28-90mm F4-5.6 IIはフルサイズ対応のEFレンズなので、EOSフィルム一眼レフ、フルサイズデジタル一眼レフ、APS-C一眼レフで利用できます。さらにマウントアダプター EF-EOS Rを使えばEOS Rシリーズへも装着できます。焦点距離は同じでも、センサーサイズによって実際に写る範囲は大きく変化します。
フルサイズでは28mm広角から90mm中望遠までそのまま使える
EOS 5DシリーズやEOS 6Dシリーズなどのフルサイズ一眼レフでは、28mmの広角から90mmの中望遠までレンズ本来の画角で使用できます。28mmなら風景や室内を広く見せ、50mm付近で日常撮影、90mmで人物や細部を切り取るという標準ズームらしい使い方ができます。
小さなレンズなのでEOS 5D Mark IIのような大型ボディへ装着すると重量バランスはボディ側へ寄ります。重い標準ズームに慣れていると非常に軽快に感じられ、散歩へ持ち出す構成としても扱いやすくなります。フルサイズ一眼レフでEFレンズを使う感覚を確認する場合はEOS 5D Mark IIの記事も関連します。
APS-Cでは約45-144mm相当の画角になる
キヤノンAPS-C一眼レフへ装着すると、35mm判換算では約44.8-144mm相当の画角になります。レンズ自体の焦点距離が変わるわけではありませんが、センサーがフルサイズより小さいため周辺部分が写らず、結果として狭い画角になります。
この組み合わせでは28mm側でも広角にならず、標準から望遠寄りのズームとして使う形になります。人物、花、動物、遠景の切り取りには使いやすくなりますが、狭い室内や広い風景を一本で撮る用途では広角不足を感じやすくなります。APS-Cとフルサイズの画角差についてはAPS-Cセンサーの特徴で詳しく整理しています。
EOS RシリーズではEF-EOS Rを介して使用できる
EOS R5、R6シリーズ、R8、RPなどのフルサイズEOS Rや、EOS R7、R10、R50などのAPS-C EOS Rでも、マウントアダプター EF-EOS Rを介してEF28-90mm F4-5.6 IIを使用できます。標準タイプのEF-EOS Rには焦点距離を変える光学系が入っていないため、レンズ自体は28-90mm F4-5.6のままです。
180gのレンズに約110gの標準アダプターを追加するため、アダプターの占める重量割合は比較的大きくなります。それでもレンズとアダプターを合わせて約290gなので、大型EF標準ズームより軽量です。EOS RでEFレンズを使用する仕組みはEOS RでEFレンズを使う方法で詳しく解説しています。
EF28-90mm F4-5.6 IIを現在中古で選ぶときの注意点
EF28-90mm F4-5.6 IIは古いキットズームなので、中古価格だけを見ると手軽に試しやすいレンズです。一方、製造から長期間経過した個体が中心になるため、価格差より個体の状態が重要になります。軽量さを目的に購入するなら、AF、絞り、ズーム、レンズ内部を確認しておきたいところです。
DCモーターAFの作動音とフォーカス動作を確認する
II型のAFはUSMではなくDCモーターを使います。最新のSTMやナノUSMのような静粛性を期待するレンズではなく、AF時にはモーターの作動を感じやすくなります。静止画撮影なら大きな問題にならないこともありますが、動画撮影でカメラ内蔵マイクを使う場合には作動音が入りやすい可能性があります。
中古では近距離と遠距離の被写体へ交互にピントを合わせ、AFが途中で止まらないか、異常な音が出ないかを確認したい部分です。AF方式を重視するならマイクロUSMの28-90mm USM系も候補になります。シリーズ最初のUSM版についてはEF28-90mm F4-5.6 USMで特徴を確認できます。
手ブレ補正なし・F4-5.6という条件を理解して使う
レンズ内手ブレ補正は搭載されていません。90mm F5.6で夕方や室内を撮影するとシャッタースピードが低下しやすくなるため、ISO感度を上げる、カメラを安定させる、被写体が静止している場合は低速シャッターを使うなど、撮影条件に合わせた対応が必要です。
現在では28mmから135mmまでをカバーして手ブレ補正も備えたEF28-135mm F3.5-5.6 IS USMのような中古EFズームもあります。そちらは大きく重くなりますが、暗所や望遠域では使いやすさが増します。機能を増やす代わりに軽さを失う関係が分かりやすく、比較にはEF28-135mm F3.5-5.6 IS USMが参考になります。
中古では光学系・ズーム・絞り・マウントをまとめて見る
中古個体では前玉と後玉の傷、内部のカビや曇り、ズームリングの引っ掛かり、AF動作、絞りの動作を確認します。軽量鏡筒なので外観に多少の擦れがあっても撮影へ影響しない場合がありますが、落下跡や大きなガタがある個体は避けたいところです。最大撮影倍率0.30倍を使うなら0.38m付近でピントが正常に合うかも確認材料になります。
EOS Rで使う予定なら、EFレンズとEF-EOS Rの互換性も合わせて理解しておくと使い道を広げられます。古いEFレンズは一眼レフだけに限定されず、現在のEOS Rシリーズでも活用できます。RF、RF-S、EF、EF-S、EF-Mの装着関係はCanonレンズ対応表で確認できます。
EF28-90mm F4-5.6 IIの価値は高性能ではなく軽さとシンプルさにある
現在の標準ズームとEF28-90mm F4-5.6 IIを数字だけで比較すると、24mmを使えない、F2.8ではない、手ブレ補正がない、AFが古いといった弱点が並びます。それでも180gのフルサイズ対応標準ズームという特徴は明確で、古いEFレンズを安く試したい場合や、重い機材を避けたい場合には独自の使い道があります。
最新レンズと解像力を競うより軽い撮影セットを作るレンズ
高画素カメラで四隅まで拡大して比較すれば、最新のLズームやRFレンズとの差は現れます。EF28-90mm F4-5.6 IIは、最新光学設計と競うことを目的に使うレンズではありません。小型レンズを付けたカメラを持って外へ出し、必要な焦点距離をその場で変えられることに価値があります。
写真はレンズ単体の解像力だけで決まらず、光、被写体、構図、撮影距離、シャッターチャンスによって大きく変わります。180gのレンズだからこそカメラを持ち出す回数が増えるなら、それも実用性能の一つです。EFレンズ全体の設計や特徴についてはCanon EFとは?EFレンズの特徴と使い方で詳しく整理しています。
28mm始まりを許容できるかが現在使ううえで大きな分かれ目になる
現在の標準ズームでは24mm始まりが一般的になっているため、28mmは室内や風景で狭く感じることがあります。24mmと28mmの差は数字では4mmしかありませんが、広角側では写る範囲の差を感じやすく、狭い室内や大きな建物を撮る場合には24mmの方が扱いやすくなります。
一方、街中のスナップや人物中心の撮影では28mmで十分な場面も多くあります。90mmまで伸びることで70mm標準ズームより中望遠側へ余裕があるため、広角4mmを失う代わりに望遠20mmを得る構成とも考えられます。マウントアダプターを使っても焦点距離そのものは変わらない点はマウントアダプターで画角は変わる?で詳しく解説しています。
EFレンズを低コストで楽しむ入口として分かりやすい
中古EFレンズには、高価なLレンズだけでなくフィルムEOS時代の軽量ズームや単焦点が大量に存在します。EF28-90mm F4-5.6 IIはその代表的な一本で、複雑な機能がなく、28mmから90mmまでの変化を直接楽しめます。EOS一眼レフへそのまま装着し、EOS Rではアダプター経由で使えるため、対応ボディの範囲も広くなっています。
軽いレンズを一本買うことで、古い一眼レフを持ち出すきっかけにしたり、EOS Rで昔のEFズームを試したりする使い方もできます。EF28-90mmだけでなく、28-80mm、35-80mm、28-105mm、28-135mmなどを含めて古いCanonレンズを探す場合はキヤノン大全からEFシステム全体を確認できます。
まとめ
EF28-90mm F4-5.6 IIは、28mmから90mmをカバーするフルサイズ対応EF標準ズームです。レンズ構成は8群10枚、絞り羽根5枚、最短撮影距離0.38m、最大撮影倍率0.30倍、フィルター径58mm、最大径約67mm、長さ約71mm、質量約180gという非常に小型軽量な構成です。AFにはDCモーターを使用し、手ブレ補正は搭載していません。
フルサイズでは28mmの広角から90mmの中望遠までをそのまま利用でき、風景、スナップ、人物、花、小物まで一本で対応できます。APS-Cでは約45-144mm相当の画角となるため、広角ズームという性格は弱まり、標準から望遠寄りのズームとして使う形になります。EOS Rシリーズでもマウントアダプター EF-EOS Rを介して利用できます。
II USMとの主な違いはAF駆動方式で、II型はDCモーター、II USMはマイクロUSMです。キヤノンの仕様上、AF駆動方式、駆動音、重量以外は同一の仕様と性能で、II型は約180g、II USMは約190gです。後継III型も同じ28-90mm F4-5.6、8群10枚、0.38m、0.30倍という基本構成を維持しています。
開放F4-5.6、5枚絞り、手ブレ補正なしという点から、暗所性能や大きな背景ボケ、高い周辺解像力を目的に選ぶレンズではありません。その代わり、フルサイズ対応標準ズームを180gで持ち歩けること、90mmで0.30倍まで寄れること、古いEOS一眼レフからEOS Rシリーズまで使い道を残せることが特徴です。高性能化した現在のレンズとは別の方向で、軽く小さくシンプルなEF標準ズームを楽しめる一本です。



