EOS R8は買ってはいけない?後悔しやすい7つの弱点と、それでも選ぶ価値
「EOS R8は買ってはいけない」と検索する人が気にしているのは、約2420万画素のフルサイズミラーレスが十分な画質を持っているかということだけではありません。ボディ内手ブレ補正がないこと、小型バッテリーを使うこと、SDカードスロットが一つしかないことなど、購入後に不便を感じる部分があるかどうかです。しかも後継のEOS R8 Mark IIが発表されたことで、初代を選ぶ理由は以前より具体的に検討する必要が出てきました。
結論からいうと、初代EOS R8は、軽さを最優先し、日常のスナップ、旅行、人物、風景などを中心に撮る人には十分魅力があります。一方、手ブレ補正のない単焦点レンズで夜景を手持ち撮影する人、撮影のやり直しができない仕事で記録の二重化を必要とする人、長時間のイベントを予備電池なしで撮り続けたい人には、選ぶ前に立ち止まる理由があります。電子シャッター最高約40コマ/秒という数字だけで動体撮影用の万能機と考えることにも注意が必要です。
この記事では2023年発売の初代EOS R8に対象を絞り、購入をためらう理由を7つに分けて検討します。そのうえで、EOS R8 Mark IIやEOS R6シリーズとの違い、レンズ選び、動画撮影、中古購入時の確認ポイントを整理し、弱点が自分の撮影に影響するかを判断できるようにします。後継機の説明だけで終わらせず、初代EOS R8の購入判断に必要な情報を中心に扱います。
EOS R8を買ってはいけないと言われる理由を整理する
弱点があっても約2420万画素のフルサイズ画質は魅力
EOS R8は有効約2420万画素のフルサイズCMOSセンサーと映像エンジンDIGIC Xを搭載しています。デュアルピクセルCMOS AF IIによる人物、動物、乗り物の検出に対応し、電子シャッターでは条件により最高約40コマ/秒の連続撮影が可能です。4K/60P動画やフルHD高フレームレート撮影にも対応しており、ボディの位置付けが軽量モデルだから画質やAFが旧世代の水準というわけではありません。
約2420万画素は、旅行写真、人物撮影、風景、一般的な印刷、Web掲載などで使いやすい解像度です。大きくトリミングする野鳥写真や大型広告ではさらに画素数が欲しくなる場合がありますが、画素数だけで写真の質を判断することはできません。使用するレンズの解像力、ピント、シャッタースピード、光の条件が写真の仕上がりを左右します。高画素機へ変更すれば必ず写りが良くなるという単純な関係にはなりません。
したがってEOS R8の購入判断は「フルサイズとして写りが悪いから避ける」という話にはなりません。搭載されていない機能が撮影の妨げになるかを考えることが重要です。基本的な撮影性能やレンズとの組み合わせはEOS R8の特徴と撮影機能でも紹介しています。
約461gという軽さと省略された機能は表裏一体
EOS R8の大きな特徴は、バッテリーとメモリーカードを含めた重量が約461gという点です。フルサイズセンサーと電子ビューファインダーを備えながら持ち歩きやすく、RF50mm F1.8 STMのような小型単焦点を装着すれば、散歩や旅行へ持ち出しやすい構成になります。撮影機会そのものを増やしたい人にとって、軽さには撮像性能と別の価値があります。
ただし小型化に伴い、ボディ内手ブレ補正、デュアルカードスロット、大型バッテリー、上位機のマルチコントローラーなどは備えていません。これらを必要とする人が購入後に不便を感じることは考えられます。反対に、明るい日中のスナップをレンズ内IS付きのズームで撮る人や、記録を一枚のSDカードで管理できる人なら、搭載されていない機能が問題になりにくい場合もあります。
重い望遠ズームを装着するとボディの小型軽量性が相対的に目立ちにくくなる点にも注意が必要です。ボディ単体の数字と、実際の機材一式の重量は異なります。後継機で増えた機能との関係はEOS R8 Mark IIと初代R8の違いで整理しています。
「買ってはいけない」は撮影用途によって意味が変わる
夜景、子ども、野鳥、旅行、ポートレート、動画では、困る機能の不足が異なります。たとえば旅行で景色や建物を撮るなら、軽量さとフルサイズの画角を重視しやすく、SDカードが一枚でも運用できる人はいます。一方、結婚式を仕事として撮影する場合は、撮り直しが難しく、記録のバックアップや電源の持続時間などが重要になります。どちらにも同じ購入結論を当てはめることはできません。
本記事では購入後に問題となりやすい点を、ボディ内手ブレ補正、LP-E17バッテリー、シングルスロット、シャッター方式、連写の制約、操作性、約2420万画素という7項目に整理します。どの項目も欠点の名前だけでは判断できません。撮影時に何ができず、どのような対策があり、別機種なら何が変わるかまで確認して初めて購入の判断材料になります。
特にEOS R8とEOS R6系は画素数が近いモデルもあり、スペック表の上段だけを見ると違いが分かりにくくなります。カメラ全体の構成を知りたい場合はEOS Rシリーズ完全ガイドでも位置付けを比較できます。
最初に知っておきたい3つの弱点
弱点1:ボディ内手ブレ補正がなくISなしレンズで差が出る
初代EOS R8にはセンサーを動かすボディ内手ブレ補正がありません。RF35mm F1.8 MACRO IS STMやRF24-105mm F4-7.1 IS STMのように、レンズ側に光学式手ブレ補正を備えた製品ならその機能を利用できます。一方、RF50mm F1.8 STMなどレンズ内ISを持たない製品では、静止画撮影時にボディとレンズを組み合わせた光学的な手ブレ補正を使えません。
手ブレ補正が必要になりやすいのは、薄暗い室内、夕暮れの風景、静止した建物、夜の街並みなどを手持ちで撮る場面です。シャッタースピードを遅くしなければならないとき、補正機構の有無が撮影できる条件の幅に関係します。ただし歩く人物や走る動物は手ブレ補正で止められないため、十分なシャッタースピードを確保する必要があります。F1.8の明るい単焦点レンズを使って速度を上げる方法もあります。
EOS R8 Mark IIはボディ内手ブレ補正を搭載したため、初代との差は明確です。非ISレンズを多く使い、手持ちの静止画で低速シャッターを利用したい人には後継機が向きます。違いはR8とR8 Mark IIの手ブレ補正比較で確認できます。
弱点2:LP-E17は小型だが長時間撮影では予備が必要
EOS R8のバッテリーはLP-E17です。小型ボディを実現するために使われる電池ですが、上位のEOS R6系が利用する大容量バッテリーとは使用条件が異なります。電子ビューファインダーの表示、AFの連続駆動、再生、通信、動画撮影など、カメラを動作させる時間が長いほど電池残量を気にする機会が増えます。公称撮影枚数は測定条件による目安であり、すべての撮影者が同じ枚数だけ撮れるわけではありません。
旅行で少しずつ撮る場合は一日使えることもありますが、野鳥を待ち続けたり、何時間もイベント会場でファインダーを覗いたりする場合は負担が大きくなりやすい部分です。予備の純正対応バッテリーを用意すれば対処できますが、交換の手間と費用が増えます。気温が低い場所や動画を多く撮る場合などは、撮影条件によって持続時間がさらに変わります。
また、USB給電を利用できる条件でも、カメラと電源機器の対応、給電と充電の違い、動画撮影中の電力消費を確認する必要があります。小型電池を使う設計は初代EOS R8の軽さと結び付いており、欠点だけとして切り離せません。上位機との運用の違いはEOS R6 Mark IIの購入判断でも取り上げています。
弱点3:SDカード1枚では同時バックアップ記録ができない
EOS R8の記録媒体はSDカード一枚で、UHS-II対応のシングルスロットです。写真や動画を保存すること自体に問題があるわけではありませんが、同じ撮影データを二枚のカードへ同時記録する機能は利用できません。カードの故障や記録データの破損が起きた場合、カメラ内にもう一つの記録が残っている構成ではないことが重要です。
趣味で風景や旅行を撮る人なら、撮影後にパソコンや別の保存先へコピーする運用で管理できる場合があります。しかし、結婚式、仕事の取材、記念行事など再撮影できない現場では、撮影と同時に二重記録できるカメラを優先する理由があります。カードが一枚という仕様をカメラの画質と混同せず、失われると困るデータをどう守るかで考えることが大切です。
また、シングルスロットだから必ずデータ事故が起こるとは限りません。デュアルスロットであってもカードの管理や撮影後のバックアップは必要です。EOS R6系や上位モデルを検討する理由として、記録の冗長性がどの程度重要かを整理できます。EOS Rシリーズ各機の記録機能も参考になります。
シャッターと連写には数値だけでは分からない制約がある
弱点4:メカシャッター非搭載で電子先幕と電子シャッターを使う
EOS R8の静止画シャッターは電子先幕と電子シャッターの二種類です。メカニカルな後幕を利用する電子先幕では最速1/4000秒、電子シャッターでは設定条件により最速1/16000秒まで使えます。シャッター方式を選べるため、通常のスナップや人物撮影が難しいわけではありません。しかし、電子先幕の高速シャッター時には大口径レンズのボケの形に影響が出る場合があり、電子シャッターには別の制約があります。
電子シャッターで動く被写体を撮ると、撮像素子の読み出し時間によって直線が傾くローリングシャッター歪みが生じる可能性があります。走る車両、横方向へ速く動く被写体、カメラを急に振る撮影では注意が必要です。また、人工照明の種類とシャッター条件によって縞状の明暗差が発生する場合があります。最高1/16000秒という数字だけを見て、あらゆる場面で電子シャッターが有利と考えることはできません。
人物のポートレートでも、明るい屋外で大口径レンズを開放にすると速いシャッターが必要になる場面があります。撮影する光や被写体の動きを考えてシャッター方式を選ぶことが大切です。後継機を含むシャッター機能の差はEOS R8新旧モデルの仕様比較で確認できます。
弱点5:電子先幕の約6コマ/秒と電子の40コマ/秒は同じ撮影条件ではない
EOS R8は電子シャッター使用時にAF・AE追従で最高約40コマ/秒を実現します。しかし電子先幕では最高約6コマ/秒です。約40コマ/秒は非常に高速ですが、対応レンズ、バッテリーの状態、カメラ設定、撮影条件などによって最高速度に達しないことがあります。電子シャッター特有の歪みや人工照明との相性も考慮する必要があり、常に40コマ/秒で撮るのが最良とは限りません。
野鳥の飛び立ちやスポーツの決定的瞬間を撮る場合は、連写速度以外に撮影開始のタイミングとAF追従が重要です。たとえばシャッターボタンを押す前に起きた動作は、最高40コマ/秒であっても記録できません。後継のEOS R8 Mark IIにはプリ連続撮影が追加されていますが、初代では同じ機能を利用できません。撮り逃しを減らすためにどの機能が必要なのかを分けて考えることが大切です。
40コマ/秒でRAWを長時間撮り続けると、撮影したデータの書き込み時間や保存容量も問題になります。短い連写で撮るのか、連続した動作をまとめて記録するのかによって必要な性能は異なります。高速連写を主な理由として選ぶ場合はEOS R8 Mark IIの連写機能と弱点も比較材料になります。
ストロボでは電子先幕と同調速度の制約を理解する
EOS R8で一般的なストロボ撮影をする場合は、電子先幕を選びます。公式仕様で示されるX同調速度は電子先幕時の1/200秒です。電子シャッター時にはストロボを発光させられないため、無音撮影や40コマ/秒連写と通常のストロボ撮影を同時に利用できると考えることはできません。スタジオで人物を撮る場合は、撮影する照明環境に合ったシャッター方式を選ぶ必要があります。
屋外でF1.8などの明るいレンズを使いながらストロボを発光させると、通常の同調速度より速いシャッタースピードが必要になることがあります。対応するストロボとの組み合わせならハイスピードシンクロを利用できますが、発光量や撮影距離にも影響します。電子先幕特有のボケの見え方を重視する撮影では、絞りとシャッター速度を含めて調整する必要があります。
カメラの価格だけでストロボ撮影の使いやすさを判断すると、購入後に操作の違いに気付く場合があります。ポートレートや商品撮影を中心に考えている人は、EOS R8のシャッター仕様と使用するストロボの互換性を確認したいところです。R6系の運用との比較はEOS R6 Mark IIの購入前に知るべき点も参考になります。
操作性・画素数・動画で後悔する条件
弱点6:マルチコントローラーがなくAF位置の操作に慣れが必要
EOS R8は上位機のような独立したマルチコントローラーを搭載していません。AF位置を変える場合はタッチパネルやカメラの操作系を利用します。静止した人物を撮るときや、画面のタッチ操作に慣れている場合には大きな問題にならないかもしれません。しかしファインダーを覗いたままAF枠を小刻みに移動し、次々と現れる被写体へ対応する撮影では、専用スティックが欲しくなる可能性があります。
操作性はスペック表の数値で比較しにくい部分です。手が大きい人、手袋を使う人、目をファインダーから離さず操作したい人では、小型ボディとタッチ操作の印象が変わります。カメラを握ったときの指の掛かり方、ダイヤルの位置、押しやすさは、カタログの重量だけでは判断できません。
EOS R8 Mark IIでは8方向へ操作できるマルチコントローラーが追加されました。被写体を追いながらAF位置を動かす場面を多く撮るなら、この差には意味があります。一方、画面のタッチで十分操作できる人なら初代R8の軽さを優先できます。違いはEOS R8 Mark IIと初代の操作性比較で詳しく解説しています。
弱点7:約2420万画素は野鳥や遠距離撮影の大胆な切り取りに限界がある
EOS R8の約2420万画素は、一般的な写真撮影で不足しやすい数字ではありません。しかし遠くの小鳥を大きく切り取るときは、残る画素数を考える必要があります。たとえば画像の縦横をそれぞれ半分に切り取れば、使用する面積は元の4分の1となり、約2420万画素から約605万画素になります。撮影時に被写体を小さくしか写せなかった場合は、高画素機よりトリミング後の画素数が少なくなります。
しかもフルサイズのEOS R8で同じRF400mmレンズを使う場合、APS-CのEOS R7やR10より広い画角となります。被写体が同じ距離にいるとき、画素数とセンサーサイズの組み合わせによって被写体へ割り当てられる画素数が変わります。野鳥を遠距離から撮る目的なら、フルサイズの広い画角が必ずしも有利とは限りません。必要な焦点距離と撮影位置を含めて比較する必要があります。
反対に人物や旅行、近い距離の風景撮影では、約2420万画素でも余裕のある画像を記録できます。画素数を理由にR8を避けるべきかは用途次第です。APS-C機との比較はEOS R7とEOS R10の違いでも確認できます。
4K/60Pは魅力だが長時間動画には運用上の注意点がある
EOS R8は6Kオーバーサンプリングによる4K/60P動画、Canon Log 3、フルHD高フレームレート撮影などに対応しています。小型のフルサイズ機として、人物の動画、旅行の記録、商品紹介、短い作品制作などへ活用できる構成です。しかしボディ内手ブレ補正は搭載していないため、歩きながらの動画ではレンズ内ISや動画電子IS、撮影姿勢、ジンバルなどを組み合わせる必要があります。
動画電子ISは記録する画角が狭くなる場合があります。広角で自撮りをしたいとき、補正を強くするほど周辺が切れてしまうことも考えられます。また、動画撮影は静止画の単発撮影に比べてバッテリーの消費、カードへの連続書き込み、内部温度の管理が重要です。高温環境で長く録画する場合は、撮影条件によって記録を継続できないことがあります。
動画の性能を評価する際は、最高解像度だけでなく、電源の確保、音声収録、録画時間、撮影場所の温度まで含めて検討します。EOS R8 Mark IIでは手ブレ補正の構成が変わったため、動画中心なら比較する意味があります。EOS R8 Mark IIの動画と手ブレ補正設定も参考になります。
EOS R8とR8 Mark II、R6シリーズはどこが違うのか
初代R8とR8 Mark IIは画素数より撮影機能の差が大きい
EOS R8 Mark IIは初代と同じ約2420万画素のフルサイズ機として発表されました。電子シャッター最高約40コマ/秒や4K/60Pなど、基本的な仕様に共通する部分があります。一方、後継機ではボディ内5軸手ブレ補正、マルチコントローラー、プリ連続撮影などが追加されています。画素数が同じだから、写真を撮るときの使い勝手まで同じということにはなりません。
重量は初代が約461g、Mark IIが約546gで、後継機の方が約85g重くなっています。IS非搭載の単焦点を手持ちで使う人や、野鳥の飛び立つ直前から記録したい人には後継機の追加機能が魅力になります。反対に、IS付きの小型ズームで旅行やスナップを撮り、可能な限り軽いフルサイズを持ち歩きたい人には初代の重量が利点となります。
後継機が登場したことで初代が突然使えなくなるわけではありません。買い替える理由は、自分が不足を感じている機能が追加されたかどうかで考えることが重要です。新旧の詳細はEOS R8 Mark IIとR8の徹底比較にまとめています。
公式掲載価格の差は33,000円でも実売価格と中古価格は別に考える
キヤノンオンラインショップで掲載されているEOS R8のボディ価格は税込242,000円、EOS R8 Mark IIは税込275,000円で、差額は33,000円です。この差だけを見ると、ボディ内手ブレ補正や操作性の向上が必要な人には後継機が気になるでしょう。ただし公式ショップの通常価格と家電量販店や中古店での実際の販売価格は異なる場合があります。下取り、クーポン、保証、レンズキットの内容も総額へ影響します。
中古EOS R8の購入を考える場合は、初代と後継機の新品価格を比べるだけでなく、購入する中古個体の状態と保証を評価する必要があります。安くてもシャッターやダイヤル、カードスロットに不具合がある個体なら、差額を修理費用へ使うことになる可能性があります。反対に状態が良く保証のある中古なら、予算をRFレンズへ回せることが魅力になります。
カメラの本体価格だけで選ばず、必要なレンズと電池、記録媒体まで含めて考えると、購入後の予算不足を避けやすくなります。後継機の価格と機能の関係はEOS R8 Mark IIは買ってはいけない?でも検討しています。
EOS R6系は電源・記録・手ブレ補正など撮影運用が異なる
EOS R6 Mark IIは初代EOS R8と画素数が近く、同じ約2420万画素のフルサイズ機です。しかしボディ内手ブレ補正、デュアルカードスロット、大容量バッテリー、上位機の操作性などに違いがあります。長時間のイベント、仕事での撮影、手持ち夜景、レンズ内ISのない単焦点での撮影などでは、画質の数字に表れにくい違いが役立ちます。
EOS R6 Mark IIIまで視野を広げると、約3250万画素のセンサー、記録媒体や動画機能などでも初代R8との差が出ます。ただしR6系は本体が大きく、価格や機材重量も増えます。旅行や散歩で気軽に持ち歩けることを最優先するなら、R8の461gという数字は今も魅力です。どのモデルでも、重い望遠レンズを装着した状態ではボディの重量差が相対的に小さくなります。
必要な機能を上位機が持っていることと、自分にとって上位機の方がよいことは別です。撮影時間、記録の安全性、使用するレンズ、持ち出す頻度で検討できます。R6系の弱点も含めた比較はEOS R6 Mark IIを買う価値と後悔する条件が参考になります。
EOS R8を買って満足しやすい用途と避けたい用途
旅行・スナップ・人物では軽量フルサイズを生かせる
EOS R8の軽さが最も役立つのは、カメラを持ち歩く時間が長い撮影です。旅行先を歩き回るときや、街角で気になった光を見つけて撮るとき、ボディが軽いほどバッグから取り出す負担を減らせます。RF50mm F1.8 STMなどの小型レンズを組み合わせれば、フルサイズの画角とボケを楽しみながら機材全体を小さくできます。
人物撮影でもデュアルピクセルCMOS AF IIによる顔・瞳の検出を利用できます。公園での家族写真や、ゆっくり歩く人物を撮る場面では、AF性能と約2420万画素が役立ちます。静止している被写体なら、シャッタースピードや光を意識すればボディ内手ブレ補正がない場合でも撮影できます。レンズ内ISを備えた標準ズームも選択肢です。
ただし軽さの評価は、実際に装着するレンズで変わります。大口径のLレンズを選ぶと、ボディが軽くても荷物全体は重くなります。R8の具体的なレンズ組み合わせはEOS R8と相性のよいRFレンズでも紹介しています。
野鳥・鉄道・スポーツでは連写以外の条件を重視する
EOS R8は動物や乗り物の検出AFと電子シャッター最高約40コマ/秒を備えるため、野鳥、鉄道、スポーツを撮ることもできます。しかし遠くの小鳥を撮る場合は望遠レンズの焦点距離とトリミング後の画素数が重要です。また、電子シャッターで高速に動く被写体を撮ると、条件によってローリングシャッター歪みが発生する可能性があります。電子先幕へ変更すると連写速度は最高約6コマ/秒です。
野鳥の飛び出す瞬間には、後継機のプリ連続撮影のようにシャッターを押す前の映像を記録できる機能が役立つ場合があります。さらにAPS-CのEOS R7なら、同じ望遠レンズで狭い画角を得られ、遠距離の小鳥を大きく写しやすくなります。フルサイズとAPS-Cのどちらがよいかは、暗所性能の数字だけでなく、被写体の大きさと撮影距離から考える必要があります。
連写機能だけでEOS R8を避ける必要はありませんが、動体撮影に重点を置くならボディの仕様とレンズを一緒に比較したいところです。APS-Cの候補はEOS R7とR10の違いで確認できます。
夜景・仕事・長時間動画なら不足する機能を先に確認する
夜景で三脚を利用する人なら、ボディ内手ブレ補正がないことの影響を小さくできる場合があります。一方、手持ち夜景をISのない単焦点で撮りたい人は、後継機やR6系のボディ内手ブレ補正を評価する理由があります。結婚式やイベントの撮影を仕事で行う場合は、二重記録ができないシングルスロットや、小型バッテリーの持続時間をどう管理するかが重要です。
動画を中心に使う場合も、4K/60Pという最大仕様だけを見て決めることはできません。歩き撮りの手ブレ、長時間の電源確保、録画時の温度、外部マイクなどの機材、データ保存の運用が問題になります。短時間の作品や旅行動画では十分な機能を持っていますが、長時間の定点収録や仕事での連続撮影では、カメラ本体以外の条件を含めて検討する必要があります。
買ってから対策できる弱点と、ボディそのものを変更しないと解消できない弱点を区別することが重要です。撮影の仕事で必要な機能についてはEOS R8 Mark IIの弱点と用途別の選び方も比較材料になります。
EOS R8を中古で買うときに確認したいこと
外観のきれいさだけでなくAF・操作系・端子を確認する
中古EOS R8では、外観のキズが少ないことと内部の状態が良いことを分けて考えます。電源の起動、センサーに大きな汚れがないか、電子ビューファインダーや背面液晶の表示、タッチ操作、各ダイヤルとボタンの反応、AFの作動、カードへの記録・再生が確認対象です。撮影できる環境なら、静止画だけでなく動画の記録と再生まで確認すると用途に合うか判断しやすくなります。
マルチアクセサリーシュー、USB端子、HDMI端子、マイク・ヘッドホン端子などは、頻繁に外部機器を使用した個体で状態の違いが出る場合があります。端子カバーの破損や接触不良がないかも確認したいところです。カードスロットは一つなので、カードを確実に認識し、撮影データが正常に記録されることは重要です。
中古カメラの不具合を見た目だけで完全に判断することはできません。動作保証や返品条件を明示する販売店を利用する価値があります。初代の操作系と基本構成はEOS R8の仕様と操作でも確認できます。
バッテリーの状態と付属品を購入価格に含める
LP-E17を使うEOS R8では、中古に付属するバッテリーの状態が使用時間へ影響します。保管期間が長かった個体や頻繁に使用された個体では、電池の劣化が進んでいる可能性があります。中古品に付属する電池の実容量を見た目だけで把握することは難しいため、必要なら予備電池の購入費用も含めて考えます。純正の充電器LC-E17など、付属品の有無も確認対象です。
ボディキャップ、シューカバー、ストラップなどの付属品が欠けている場合は、使用予定と再購入費用に影響します。レンズキットを購入する場合は、付属するレンズの型番、レンズ内ISの有無、光学系の状態を個別に確認する必要があります。初代EOS R8のボディ内手ブレ補正がないという弱点は、レンズ選びにもつながるからです。
中古価格が安くても、保証が短く、バッテリーや付属品が不足していれば、最終的な支払額は想定より増えることがあります。新品の後継機との比較では付属品も含めて評価したいところです。EOS R8とR8 Mark IIの購入比較も参考になります。
価格差が小さいなら後継機、十分に安いなら初代の価値を考える
中古EOS R8の魅力は、新品で後継機を購入するより費用を抑えられる可能性です。ただし「中古だからお得」とは限りません。販売店の保証、電池の劣化、付属品の不足、購入後の修理費用まで考えると、価格差が小さい場合には後継機を検討する理由が生まれます。後継機はボディ内手ブレ補正やマルチコントローラーなどを備えており、追加費用に対して得られる機能が具体的です。
一方、旅行や街歩きに使う軽量フルサイズを探していて、EOS R8の弱点が撮影用途で問題にならない人なら、状態が良く保証のある中古は候補になります。特に余った予算をRFレンズへ回せる場合、ボディとレンズを一つのシステムとして考える意味があります。カメラ本体を新しくしても、撮影したい画角のレンズが買えなければ目的に合いません。
初代R8を選ぶ価値は、安さそのものより「必要な機能を満たし、必要なレンズを含めて購入できる」ことにあります。価格が変動する中古市場では一定の金額で線引きするのは難しく、実際に購入できる個体を比較する必要があります。後継EOS R8 Mark IIを選ぶ条件も併せて考えられます。
まとめ
EOS R8を買ってはいけないと言われる理由として、ボディ内手ブレ補正がないこと、LP-E17バッテリーを使うこと、SDカードが一枚しか使えないこと、メカシャッターを搭載しないこと、電子先幕での連写が最高約6コマ/秒であること、マルチコントローラーがないこと、約2420万画素では大幅なトリミングに制約があることを取り上げました。いずれも実際の仕様に基づく違いですが、撮影目的によって重要度は変わります。
初代EOS R8はフルサイズの約2420万画素センサー、デュアルピクセルCMOS AF II、最高約40コマ/秒の電子シャッター連写、4K/60P動画に対応しながら、バッテリーとカード込みで約461gです。この軽さを生かして旅行、スナップ、人物、日常の風景を撮る人には魅力が残っています。一方、手持ち夜景でボディ内手ブレ補正を使いたい人、撮り直せない仕事でデータを二重記録したい人、頻繁にAF位置を動かす人は、EOS R8 Mark IIやR6系を比較する理由があります。
後継機が発表されたから初代を避けるという結論にも、フルサイズで安く買えるから初代が最良という結論にもなりません。初代の軽さと価格、後継機の追加機能、中古個体の状態、使用するRFレンズまで含め、実際に撮影する場面で不足する機能があるかどうかを考えることが、後悔の少ない購入判断につながります。


