24-105mmレンズの使い道|風景・旅行・人物・スナップを一本で撮る標準ズーム活用法
24-105mmは、広角24mmから中望遠105mmまでを一本でカバーできる代表的な標準ズームです。
24mmでは広い風景や建築物、室内を写し、35mmから50mmでは街歩きや日常のスナップ、70mmから105mmでは人物や遠景を大きく切り取れます。
24-70mmより望遠側が35mm長く、標準域だけでなく85mmや100mm前後の中望遠までレンズ交換なしで使えることが24-105mmの大きな特徴です。旅行先で建物全体を撮った直後に人物を撮り、さらに遠くの看板や建築物の細部を狙うといった使い方にも対応できます。
一方、24mmと105mmでは写る範囲が大きく異なります。単に被写体を大きくするためだけにズームするのではなく、焦点距離ごとの画角と撮影距離を意識すると、一本のレンズから作れる写真の種類が増えます。
この記事では35mmフルサイズで使う24-105mmを基準として、24mm・35mm・50mm・70mm・85mm・105mmの使い分け、風景、旅行、スナップ、人物撮影での活用法、24-70mmとの違い、フルサイズとCanon APS-Cで変わる画角まで詳しく解説します。
24-105mmは広角から中望遠まで一本で使える
- 24mmでは風景や建築物を広く写せる
- 35mmから50mmではスナップや日常撮影に使いやすい
- 70mmから105mmでは人物や遠景を大きく切り取れる
24mmでは風景や建築物を広く写せる
24-105mmの広角端となる24mmは、広い範囲を一枚へ収めたい場面で使いやすい焦点距離です。
山、海、湖、街並み、寺社、駅舎、大きな建築物などを撮る場合には、目の前に広がる景色を大きく画面へ取り込めます。室内でも後方へ十分に下がれない場所で広い範囲を写せるため、ホテル、飲食店、住宅、展示施設などの撮影にも使えます。
24mmを使うときは、遠くの景色だけを画面へ入れるより、手前に被写体を置くと広角らしい特徴を生かせます。花、岩、道路、柵などへ近づき、その奥へ山や建物を配置すると、手前から奥へ続く奥行きを作れます。
人物を含める場合には、人物だけを大きく撮るより、人物がいる場所まで見せる構図に向いています。旅行先で同行者と建物を一緒に写したり、人物と広い景色を組み合わせたりすると24mmの広さを生かせます。
24mmそのものの画角と撮影方法については24mm単焦点の使い道でも詳しく解説しています。
35mmから50mmでは日常の被写体を自然に切り取れる
24mmから少しズームして35mm前後になると、広角らしい広さを残しながら、画面内の情報を整理しやすくなります。
35mmでは人物と街並み、料理と店内、商品と店舗など、主役と周囲を一緒に写せます。旅行や街歩きでは、場所の雰囲気を残しながら一つの被写体へ視線を集めやすい焦点距離です。
50mmまで伸ばすと、さらに画面へ入る範囲が狭くなります。人物、料理、花、看板、小物など、一つの主役を中心に構成しやすくなり、24mmでは周囲が入りすぎる場面でも写真を整理できます。
24-105mmでは24mmと105mmの両端ばかりを使いたくなりますが、実際の日常撮影では35mmから50mmが活躍する場面も多くあります。同じ被写体を35mmと50mmで撮り比べると、背景へ入る範囲と主役の大きさの違いが分かります。
35mm付近の構図をさらに確認したい場合は35mm単焦点の使い道も参考になります。
70mmから105mmでは中望遠らしい写真を作れる
24-105mmが一般的な標準ズームより便利に感じやすいのが70mmから105mmの範囲です。
70mmでは人物や物を適度な距離から大きく写せます。85mmまで伸ばすと画面へ入る背景がさらに狭くなり、人物撮影では周囲の不要な物を外しやすくなります。
100mmから105mmでは、離れた建物、花、人物、舞台上の被写体、風景の一部分などを大きく切り取れます。24mmで場所全体を撮った後、105mmでその場所の特徴的な部分だけを撮れば、一つの撮影場所から大きく印象の異なる写真を残せます。
望遠側を使う場合には、被写体だけを見るのではなく背景も確認します。105mmでは画面へ入る範囲が狭いため、背景にある木、建物、光などの位置を選びやすくなります。
中望遠らしい人物と背景の作り方は85mm単焦点の使い道と比較すると理解しやすくなります。
24-105mmは旅行やスナップでレンズ交換を減らせる
- 風景から人物まで一本で連続して撮影できる
- 自由に移動できない場所でもズームで構図を変えられる
- 広い景色と細部の両方を残せる
旅行では撮影対象が変わっても一本で対応できる
旅行では、一日の中で撮影する対象が何度も変わります。
駅へ着けば駅舎や街並みを撮り、観光地では建物や風景を撮ります。飲食店へ入れば料理や店内を撮り、一緒に出かけた人がいれば人物も撮影します。
24-105mmなら24mmで建築物、35mmで街角、50mmで料理、70mmから105mmで人物や遠景というように、一本のまま撮影を続けられます。
交換レンズを何本も持ち歩く方法と比べ、移動中にレンズ交換する回数を減らせます。撮りたいものを見つけたときにズームリングを回すだけで構図を変えられるため、短時間で撮影する旅行との相性が良いズームレンジです。
標準ズームとしてより短い焦点距離までを使う場合との違いは24-70mmレンズの使い道を見ると分かりやすくなります。
展望台やイベントでは撮影位置を変えずに構図を調整できる
写真は撮影者自身が前後へ動いて構図を作ることが基本ですが、実際の撮影では自由に移動できない場所があります。
展望台では柵から先へ進めず、寺社や観光施設では立ち入り範囲が決められています。イベントや舞台では座席や観覧位置から移動できないこともあります。
そのような場所では24-105mmのズーム範囲が役立ちます。広い会場を24mmで撮り、人物を50mmから70mm、離れた舞台や建物を105mmで狙うことで、撮影位置をほとんど変えずに構図を調整できます。
同じ場所から焦点距離だけを変えると画角と被写体の大きさが変わります。さらに自分の立ち位置を変えると、被写体と背景の重なり方や遠近感も変化します。この二つを分けて考えることが重要です。
焦点距離と撮影位置の関係は被写体との距離で写真はどう変わる?でも詳しく解説しています。
105mmまで使うと旅行先の細部を残しやすい
旅行写真では場所全体を撮るだけでなく、その場所を特徴づける細部も残すと写真の種類が増えます。
寺社であれば建物全体だけでなく屋根の装飾、彫刻、灯籠などがあります。街中では看板、窓、時計塔、遠くを走る乗り物なども被写体になります。
24mmで建物全体を撮った後に105mmまでズームすれば、撮影者が大きく移動しなくても細部を画面いっぱいに近づけられます。
旅行先では近づけない被写体も多いため、70mmで終わる標準ズームより105mmまで使えることが写真の種類を増やします。特に遠くの人物や建物の一部分を撮る機会が多い場合には、105mm側の使用頻度が高くなります。
100mm前後で撮れる被写体については100mm単焦点の使い道も参考になります。
24-105mmは人物撮影で50mmから105mmを使い分けられる
- 50mmでは人物と周囲を一緒に写せる
- 85mmから105mmでは背景を整理しやすい
- ズームによって全身から上半身まで構図を変えられる
50mmから70mmでは人物と場所の関係を残しやすい
人物を撮る場合、常に105mmまでズームする必要はありません。
50mm付近では人物だけでなく、周囲の建物、室内、公園、街並みなども適度に画面へ入れられます。旅行先で人物がどこにいるのかまで残したい場合には使いやすい焦点距離です。
70mmまで伸ばすと背景へ入る範囲が少なくなり、人物の存在感が強くなります。少し離れた位置から全身、膝上、上半身を撮影し、背景の量を見ながら焦点距離を調整できます。
人物へ近づきすぎると顔の手前側が強く見えるため、顔を大きく撮りたい場合は撮影距離を確保して望遠側へズームする方法があります。
50mmの人物撮影で起こりやすい構図や距離の問題については50mm単焦点が難しい理由でも詳しく紹介しています。
85mmから105mmでは人物を背景から分離しやすい
85mmから105mmは人物撮影で使いやすい中望遠域です。
撮影者が人物から少し離れるため、顔や上半身を大きく写しながら、背景へ入る範囲を狭くできます。人物の後ろに看板、車、通行人などがある場合でも、撮影位置と画角を調整して不要な物を外しやすくなります。
背景ぼけの大きさは焦点距離だけで決まりません。開放F値、人物までの距離、人物と背景との距離も影響します。105mmを使い、人物と背景の間を広く取れば、背景を整理した写真を作りやすくなります。
一方、全身を105mmで撮る場合には広い撮影距離が必要です。後方へ下がれない室内では50mmや70mmへ戻し、広い屋外では85mmから105mmを使うなど、場所に合わせて変えます。
人物撮影で中望遠を使う基本は85mm単焦点の使い道でも確認できます。
ズームを使えば動く人物にも構図を合わせやすい
子ども、家族、イベント、舞台などでは、人物との距離が一定とは限りません。
被写体が遠くにいるときは105mmで大きく写し、こちらへ近づいてきたら85mm、70mm、50mmへ戻すことで、人物を画面から外さずに撮影を続けられます。
単焦点の場合は、構図を変えるために撮影者が前後へ移動します。24-105mmなら撮影者が移動できない場面でも焦点距離を変えて対応できます。
イベントでは人物だけを大きく撮る写真と、周囲の状況まで残す写真を連続して撮れます。105mmで表情を撮った直後に50mmへ戻し、人物と会場全体を写すといった使い方ができます。
さらに長い中望遠で人物を撮る場合との違いは135mm単焦点の使い道と比較すると分かりやすくなります。
24-105mmは風景撮影で全景と切り取りを両方使える
- 24mmでは風景全体と前景を組み合わせられる
- 35mmから70mmでは景色の中から主役を選べる
- 105mmでは遠景の一部分を大きく切り取れる
24mmでは前景から遠景まで広く構成できる
風景撮影で24-105mmを使う場合、最初に活躍するのが24mmです。
山、海、湖、空、草原、都市の夜景など、広い景色を一枚へ収められます。大きな建物や橋など、被写体全体を見せたい場合にも向いています。
24mmで遠くの景色だけを撮ると、一つ一つの被写体が小さくなり、何を見せたい写真なのか分かりにくくなることがあります。
そこで手前に花、岩、道路、柵、水面などを置きます。広角では近い物ほど大きく見えるため、前景から遠景まで距離の違う被写体を配置すると奥行きを表現できます。
24mmは広く写すこと自体より、広い画面の中をどのように構成するかが重要です。
広角で前景と奥行きを生かす方法は広角レンズの撮影テクニックでも詳しく紹介しています。
35mmから70mmでは風景の中から不要な部分を外せる
風景写真では必ず広角を使う必要はありません。
24mmで撮ると空、地面、建物、人、道路など多くの要素が入ります。実際に写真を確認すると、主役と関係のない物まで写っていることがあります。
その場合は35mm、50mm、70mmへ少しずつズームし、不要な部分を画面から外します。
例えば山を撮る場合、24mmでは周囲の山や空まで広く入れ、50mmでは主役となる山を中心に構成し、70mmでは山頂や光の当たった部分をさらに大きくできます。
焦点距離を変えるたびにシャッターを切っておくと、同じ場所から全景、標準的な構図、部分的な切り取りの三種類を残せます。
35mmで風景を組み立てる考え方は35mm単焦点の使い道と共通する部分があります。
105mmでは遠くの山や建物を写真の主役にできる
24-105mmを風景で使う面白さは105mm側にもあります。
広大な景色を見ていると、その中に一つだけ光が当たった山、特徴的な建物、一本の木、船、夕日などを見つけることがあります。
24mmではそれらが画面の中で小さくなりますが、105mmまでズームすれば一つの主役として大きく写せます。
望遠側では画面へ入る範囲が狭くなるため、複雑な景色から必要な部分だけを抜き出すことができます。遠くの山と建物、複数の山並み、街中の建築物などを重ねた構図にも使えます。
24mmで全体を見せ、105mmで一部分を見せる。この二つを一本で行えることが風景撮影における24-105mmの大きな利点です。
さらに望遠側へ伸ばした風景表現については70-200mmレンズの使い道を見ると違いを比較できます。
24-105mmと24-70mmは望遠側とレンズ設計を見て選ぶ
- 24-105mmは70mmを超えて105mmまで使える
- 24-70mmは標準域を中心に使う撮影へ向いている
- APS-Cでは約38.4-168mm相当の画角になる
24-105mmは70mmを超える焦点距離を一本で使える
24-105mmと24-70mmは、どちらも24mmから始まる標準ズームです。
24mm、35mm、50mm付近では用途が大きく重なります。風景、建築、旅行、スナップ、人物など、同じ被写体を撮影できます。
違いが明確になるのは70mmから先です。
24-105mmでは85mm、100mm、105mmまで使えるため、人物や遠景をさらに大きく写せます。旅行先で近づけない被写体を撮ったり、人物の上半身を中望遠で切り取ったりする場合には、この範囲が役立ちます。
70mmまでで十分な場合には24-70mmでも対応できます。70mmで撮影した写真を頻繁にトリミングしている場合や、「もう少し寄りたい」と感じることが多い場合には105mmまでの範囲を使う意味が大きくなります。
24-70mm側の具体的な使い方は24-70mmレンズの使い道で詳しく解説しています。
24-105mmは開放F値や大きさの異なる製品から用途に合わせて選べる
同じ24-105mmという焦点距離でも、レンズによって開放F値、大きさ、重さ、手ブレ補正、AF方式などが異なります。
ズーム全域で開放F値が変わらないタイプは、24mmから105mmまでズームしても開放F値を維持できます。マニュアル露出で撮影する場合や、焦点距離を頻繁に変えながら同じ明るさを保ちたい場面では扱いやすくなります。
可変F値のタイプは、望遠側へズームすると使用できる最小F値が大きくなります。その代わり小型軽量に設計された製品もあり、旅行や日常で持ち歩く場合には重量とサイズが利点になります。
レンズを選ぶときには、数字上の明るさだけで決めず、どの焦点距離を使うか、一日どの程度持ち歩くか、室内と屋外のどちらが多いかを考えます。
24-105mmのF4通しを具体的に見る場合はRF24-105mm F4L IS USMの特徴も参考になります。
Canon APS-Cでは約38.4-168mm相当になり役割が変わる
この記事では35mmフルサイズで24-105mmを使う場合を基準にしています。
CanonのAPS-Cカメラへ24-105mmレンズを装着すると、35mm判換算では約38.4-168mm相当の画角になります。
レンズ自体の焦点距離が変化するわけではありません。センサーサイズが小さくなることで記録される範囲が狭くなり、フルサイズでより長い焦点距離を使った場合に近い画角になります。
広角端24mmでも約38.4mm相当となるため、フルサイズで使う24mmのような広角撮影はできません。その代わり望遠端は約168mm相当となり、人物、舞台、イベント、動物、遠景などでは望遠寄りの使い方ができます。
APS-Cでは24-105mmを「広角から中望遠の標準ズーム」と考えるより、「標準から望遠までをカバーするズーム」と考える方が実際の画角に合います。
APS-Cでズームレンズの役割がどのように変わるかは16-35mmレンズの使い道でも比較できます。
24-105mmは焦点距離を使い分けると一本で撮れる写真が増える
24-105mmは、広角24mmから中望遠105mmまでを一本でカバーできる標準ズームです。
24mmでは風景、建築、室内を広く写せます。
35mmから50mmでは街歩き、旅行、料理、家族、日常のスナップなど、主役と周囲を適度に組み合わせた撮影ができます。
70mmから105mmでは人物、花、建築物の細部、遠景などを大きく切り取り、背景へ入る範囲を整理できます。
旅行では建物全体を24mmで撮り、街角を35mm、料理を50mm、人物を70mmから85mm、遠くの建物や細部を105mmで撮るという使い方ができます。
風景では24mmで全景を撮った後、35mm、50mm、70mmと画面を整理し、105mmで印象的な部分だけを切り取れます。
人物撮影では50mmで周囲を残し、70mmで人物の存在感を高め、85mmから105mmで背景を整理した中望遠らしい構図を作れます。
24-70mmとの大きな違いは70mmから先です。85mm、100mm、105mmを使う機会が多ければ、24-105mmのズーム範囲を生かせます。
Canon APS-Cでは約38.4-168mm相当となり、フルサイズとは用途が変わります。広角撮影よりも標準から望遠を中心としたズームとして使うことになります。
24-105mmを使い始めたら、最初に24mm、35mm、50mm、70mm、85mm、105mmで同じ被写体を撮り比べてみると、それぞれの焦点距離の役割が分かります。
単に「一本で広い範囲をカバーできる便利なレンズ」として使うだけでなく、焦点距離ごとに構図を変えることを意識すると、24-105mm一本から作れる写真の幅を大きく広げられます。



