鮮やかな紅葉と水面の反射が織りなす秋の鎌北湖で、Canonの名レンズ、EFとRFシリーズの描写力を実際に試してきました。ポートレートや風景撮影に適したレンズの違いを、ボケ味や解像度、そして色の深みを中心に比較し、その魔法的な魅力を解き明かしていきます。「レンズの魔法を解き明かす Canon EF＆RFシリーズ比較レビュー（鎌北湖編）」をお楽しみください。
レンズの魔法を解き明かす Canon EF＆RFシリーズ比較レビュー（鎌北湖編）
自然美あふれる鎌北湖で、CanonのEFとRFシリーズをじっくりと比較。魅力的なボケと細部まで捉える解像感が、風景をまるで魔法のように変えるその描写力に注目しました。 レンズ選びに迷う方や、EFとRFの違いに興味がある方に向けて、「レンズの魔法を解き明かす Canon EF＆RFシリーズ比較レビュー（鎌北湖編）」をご覧ください。
実際に撮ってきたCanon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMの撮り比べ
- 撮影場所と撮影条件
- 撮影時の感想と使用感
- 比較対象としてのレンズの特徴
撮影場所と撮影条件
今回の撮影は、Canon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMの描写力やボケ感の違いを確認するため、紅葉が美しい自然のスポットで行いました。天候は晴れで、光の条件が安定していたため、両レンズの特徴をしっかりと引き出せる環境でした。撮影時の設定は、両レンズで統一したシャッタースピードとISO感度を使用し、開放F値での撮影から少し絞った設定まで複数パターンを試しました。自然光による描写とボケの柔らかさ、被写体との距離に応じた立体感がどう異なるかを比較できるよう、さまざまな角度や構図で撮影しました。
撮影時の感想と使用感
Canon EF85mm F1.2L I USMは、その重厚感と重量から、構えた瞬間から「大口径レンズを扱っている」という実感がありました。一方、Canon RF85mm F2 Macro IS STMは軽量で持ち運びやすく、機動性の高さが感じられ、長時間の撮影でも疲れにくい印象です。Canon EF85mm F1.2L I USMの撮影では、開放F1.2のボケが印象的で、背景が大きくぼやけて被写体が浮き立つ効果が見られました。一方、Canon RF85mm F2 Macro IS STMは自然で控えめなボケと、被写体と背景のバランスが取れた描写が可能で、どちらも異なる魅力を持っていると感じました。実際に持ち替えて撮影することで、それぞれのレンズが得意とするシーンが実感できました。
比較対象としてのレンズの特徴
Canon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMは、どちらも85mmという焦点距離を持ちながら、異なるコンセプトで設計されています。Canon EF85mm F1.2L I USMは、開放F1.2による大きなボケと立体感を特徴とし、ポートレートや背景を大きくぼかした表現に適しています。一方、Canon RF85mm F2 Macro IS STMは、より軽量で手ブレ補正が搭載され、日常の撮影や自然な描写に適しているため、機動力や携帯性を重視した撮影スタイルに向いています。これらの特徴を踏まえた上で、実際に使用して得られた描写や使用感の違いを、詳細に解説していきます。
Canon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMの写真比較
- 遠景での描写の違い
- 開放F値での背景ボケの違い
- 湖面の描写と玉ボケの特徴
- 背景ボケの美しさの違い
遠景での描写の違い
遠景の撮影では、Canon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMに大きな差異は見られませんでした。両レンズとも、遠くの風景をしっかりと捉え、全体的に安定した解像力を発揮しています。被写体との距離がある風景撮影においては、F値の差がボケにそれほど影響を与えないため、自然で引き締まった描写が得られます。遠景では両レンズともに優れた描写力を見せ、どちらを使っても満足のいく写真が撮れる印象です。
 EOS R5 Canon EF85mm F1.2L I USM F2.8 1/640秒 ISO 100 |
 EOS R5 Canon RF85mm F2 Macro IS STM F2.8 1/500秒 ISO 100 |
 Google Pixel 8 |
開放F値での背景ボケの違い
開放F値での撮影では、Canon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMの背景ボケに明確な違いが現れます。Canon EF85mm F1.2L I USMはF1.2という大口径により、背景が大きくボケて、被写体がより際立つ印象です。特に、ポートレートや背景をぼかしたい場面では、被写体と背景の分離がはっきりとして、写真に立体感が生まれます。対して、Canon RF85mm F2 Macro IS STMはF2の開放でも柔らかなボケが得られますが、Canon EF85mm F1.2L I USMほどの背景処理はなく、自然なバランスのボケが特徴です。
 EOS R5 Canon EF85mm F1.2L I USM F1.2 1/8000秒 ISO 100 |
 EOS R5 Canon RF85mm F2 Macro IS STM F2 1/4000秒 ISO 100 |
湖面の描写と玉ボケの特徴
Canon EF85mm F1.2L I USMは、開放F1.2での撮影時に湖面のさざ波が玉ボケとして描写される特徴があります。この玉ボケ効果により、背景が一層幻想的に表現され、特に水辺や光が当たる部分では独特の美しさが引き立ちます。Canon RF85mm F2 Macro IS STMでも湖面はしっかりとボケますが、玉ボケにはならず、自然なぼかしが加わる印象です。玉ボケが欲しいシーンでは、Canon EF85mm F1.2L I USMがより効果的であると感じました。
 EOS R5 Canon EF85mm F1.2L I USM F1.2 1/8000秒 ISO 100 |
 EOS R5 Canon RF85mm F2 Macro IS STM F2 1/2500秒 ISO 100 |
背景ボケの美しさの違い
背景ボケの美しさにも両レンズの違いが見られます。Canon EF85mm F1.2L I USMは、大きなボケが滑らかで美しいグラデーションを生み出し、背景が自然に溶け込むようにボケます。一方、Canon RF85mm F2 Macro IS STMは背景がややつぶれ気味になる傾向があり、細かいディテールを残しながらも全体的に落ち着いた描写が特徴です。このため、シーンに応じて滑らかで広がりのあるボケが欲しい場合にはCanon EF85mm F1.2L I USM、自然で控えめなボケが欲しい場合にはCanon RF85mm F2 Macro IS STMが適していると感じられました。
 EOS R5 Canon EF85mm F1.2L I USM F2.8 1/640秒 ISO 100 |
 EOS R5 Canon RF85mm F2 Macro IS STM F2 1/2500秒 ISO 100 |
Canon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMの徹底比較
- ボケの違い
- 解像力と描写性能
- 色味とコントラスト
ボケの違い
Canon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMのボケの違いについて詳細に解説します。Canon EF85mm F1.2L I USMはF1.2の明るい開放F値により、背景が非常に大きくボケるため、被写体を際立たせる効果があります。この特性により、被写体が浮かび上がるような立体感が強調され、特にポートレート撮影においては非常に魅力的な仕上がりを実現します。一方、Canon RF85mm F2 Macro IS STMはF2の明るさで、やや控えめなボケ表現となりますが、自然な背景の溶け込み具合が得られるため、シーンによっては使いやすい描写が可能です。また、RF85mm F2はボケ味が柔らかく、被写体の輪郭が自然に馴染む印象を与えます。これらの特徴を踏まえて、両レンズがどのようなシーンに適しているかを比較しながら説明します。
解像力と描写性能
解像力においても、Canon EF85mm F1.2L I USMとCanon RF85mm F2 Macro IS STMには明確な違いがあります。EF85mm F1.2L I USMは、開放F値が明るいことから多少の甘さが見られるものの、絞り込むことで優れた解像力を発揮します。特にディテールの細かい部分では、被写体の質感がしっかりと表現され、特有の立体感が強調される描写が魅力です。一方、RF85mm F2は、開放F値から十分な解像力を持ち、特に近接撮影においてシャープな描写が期待できます。さらに、RF85mm F2にはレンズ内手ブレ補正が搭載されているため、安定した撮影が可能です。これにより、低速シャッターでの手持ち撮影に強く、安定した解像感を保ちながら、柔らかな描写も可能です。
色味とコントラスト
色味とコントラストについても、両レンズの個性が異なります。Canon EF85mm F1.2L I USMは、コントラストが高めで色の階調表現が豊かであり、特にポートレートでの肌の質感が自然に表現されます。濃密な発色と立体感のある描写が魅力で、ボケが背景の色彩を柔らかく溶かし込むため、印象的な写真に仕上がります。一方、Canon RF85mm F2 Macro IS STMはニュートラルでナチュラルな色味が特徴で、風景やスナップ撮影においても、自然な発色が得られるため、色がきつくなりすぎない印象を与えます。どちらも異なる描写の良さを持っており、被写体やシーンに応じて使い分けが可能です。
使用感と携帯性の違い
- Canon EF85mm F1.2L I USMの使用感
- Canon RF85mm F2 Macro IS STMの使用感
- 携帯性と総合的な使い勝手
Canon EF85mm F1.2L I USMの使用感
Canon EF85mm F1.2L I USMは、質感と重量感があり、存在感を感じさせるレンズです。撮影者の手にずっしりとした重さが伝わり、その重量ゆえに安定した構図をとりやすい一方、長時間の手持ち撮影にはやや負担がかかります。また、開放F1.2のボケ表現を生かすためには、被写体にしっかりとフォーカスを合わせることが求められ、非常に精緻なピント合わせが必要です。撮影には三脚や安定した姿勢が望ましいですが、その分、写真の仕上がりには一段と深みが出るため、作品としての完成度が高まります。特にポートレートなど、じっくりと作り込む場面に適しています。
Canon RF85mm F2 Macro IS STMの使用感
Canon RF85mm F2 Macro IS STMは、軽量で持ち運びやすく、日常のスナップ撮影や長時間の持ち歩きにも適しています。RFマウントの恩恵もあり、手ブレ補正機能が内蔵されているため、軽量ながらも安定した撮影が可能です。このレンズは、特に自然な描写を求めるシーンに適しており、花や小物の撮影など、精密なフォーカスが求められる被写体も難なく撮影できます。また、F2の明るさでも十分なボケ味が得られるため、背景を柔らかく処理することで、被写体が際立ちます。軽量さと手軽さから、普段使いにも適したレンズといえるでしょう。
携帯性と総合的な使い勝手
携帯性において、Canon RF85mm F2 Macro IS STMはCanon EF85mm F1.2L I USMよりも優れています。Canon RF85mm F2 Macro IS STMは軽量でコンパクトな設計により、旅行やアウトドアでの撮影にも適しており、頻繁にレンズを持ち運びたい場合には非常に便利です。一方、Canon EF85mm F1.2L I USMは重量とサイズが大きいため、機動性という点ではRF85mm F2 Macro IS STMに劣るものの、その分、撮影においての描写は圧倒的な立体感とボケ表現を実現します。携帯性を重視するか、それとも描写力を重視するかによって、どちらを選ぶかが決まるでしょう。
ボケ味の細部と立体感の違い
- 大口径F1.2の立体感
- F2による柔らかな描写
- それぞれのボケ味の違いと特徴
大口径F1.2の立体感
Canon EF85mm F1.2L I USMの最大の魅力は、F1.2という明るい開放F値による圧倒的な立体感です。被写体が浮かび上がるように見えるボケ表現が可能で、特にポートレートでの背景との分離が鮮明です。ボケの滑らかさと背景の溶け込みが特徴的で、自然なボケ味が写真全体に柔らかさと深みを与えます。大口径レンズならではの立体的な描写が楽しめるため、撮影に対する満足感も非常に高いものです。
F2による柔らかな描写
Canon RF85mm F2 Macro IS STMは、F1.2ほどの強い立体感はないものの、非常に自然で柔らかなボケが得られます。特に背景が主張しすぎず、被写体とのバランスが取れた表現が可能で、柔らかなボケを求める場面に適しています。また、RFマウントと手ブレ補正の効果により、安定した撮影が可能なため、人物や近接撮影でも自然で安定感のある仕上がりが得られます。シーンを選ばず使えるため、実用性に優れた描写が楽しめます。
それぞれのボケ味の違いと特徴
両レンズのボケ味を比較すると、Canon EF85mm F1.2L I USMは大きく滑らかなボケが特徴であり、被写体を立体的に浮かび上がらせる効果が非常に強いです。特に背景との分離が明確で、撮影した被写体が画面から飛び出すような印象を与えます。このため、シチュエーションや構図によっては印象的なポートレートが撮影できます。一方、Canon RF85mm F2 Macro IS STMのボケは、柔らかく控えめであり、自然な溶け込み方をします。背景が主張しすぎず、全体のバランスを保つので、被写体を自然に際立たせることができ、シーンによってはRF85mm F2のほうが自然な描写になることもあります。ボケの質や表現は好みにもよるため、シーンや撮影目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
今日の機材紹介
- Canon EOS R5
- Canon RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
- Canon EF85mm F1.2L I USM
- Canon RF85mm F2 Macro IS STM
Canon EOS R5
Canon EOS R5は、キヤノンのミラーレスカメラとして圧倒的な性能を誇り、特にポートレートや風景撮影で優れた描写力を発揮します。高解像度の45メガピクセルセンサーを搭載し、細部まで鮮明に描写できる点が魅力です。連写性能も高く、動体撮影においても対応できるため、幅広いジャンルで使用されています。デュアルピクセルCMOS AF IIによる高速・高精度なオートフォーカスは、被写体の追従性が高く、特に動きのある場面でも素早くピントを合わせられます。また、ボディ内手ブレ補正が搭載されており、手持ち撮影でもブレを抑えた高精度な撮影が可能です。
Canon RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
Canon RF100-500mmは、超望遠域までカバーするズームレンズで、野鳥やスポーツ、風景など、遠くの被写体を詳細に捉えるのに適しています。Lレンズシリーズらしい耐久性と高画質が特徴で、長時間の撮影にも耐えられる防塵防滴性能を備えています。ズーム全域で高い解像力を発揮し、特に500mmまでの望遠域でもクリアで鮮明な描写が可能です。光学手ブレ補正機構も搭載されているため、遠距離での手持ち撮影においても安定した撮影ができます。
Canon EF85mm F1.2L I USM
Canon EF85mm F1.2L I USMは、特にポートレート撮影に優れた描写力を持つ大口径レンズで、F1.2の開放による美しい背景ボケが特徴です。このボケ効果により、被写体が浮き上がるような立体感を得られるため、印象的なポートレート写真が撮影可能です。Lレンズ特有の高い光学性能と耐久性も兼ね備え、プロフェッショナルから愛用されています。ただし、その重量とサイズから、取り扱いにはやや注意が必要です。
Canon RF85mm F2 Macro IS STM
Canon RF85mm F2 Macro IS STMは、ポートレートからクローズアップ撮影まで幅広く対応できる中望遠レンズです。F2の明るさにより、柔らかい背景ボケが得られるだけでなく、マクロ撮影も可能なため、花や小物などの接写撮影にも最適です。また、手ブレ補正機構が搭載されており、低速シャッターでも安定した描写が可能です。コンパクトで軽量な設計でありながら、高い描写力と汎用性を備えた一本です。
埼玉県 鎌北湖の魅力
- 鎌北湖の概要
- 紅葉シーズンの見どころ
- 紅葉撮影のおすすめポイント
鎌北湖の概要
鎌北湖（かまきたこ）は埼玉県入間郡毛呂山町に位置する静かな湖で、周囲は豊かな自然に囲まれています。この湖は農業用水として1941年に造られましたが、現在では散策や紅葉の名所として多くの人に親しまれています。湖周辺には散策路が整備され、四季を通じて自然の美しい景観を楽しむことができます。特に秋の紅葉シーズンには、湖面に映り込む紅葉が幻想的な雰囲気を醸し出し、多くの観光客や写真愛好家が訪れます。
紅葉シーズンの見どころ
鎌北湖の紅葉は例年11月中旬から下旬にかけて見頃を迎え、カエデやモミジ、イチョウなどが鮮やかに色づきます。湖面に映り込む紅葉のリフレクションが特に美しく、早朝や風が穏やかな日には、湖がまるで鏡のようになり、紅葉が水面に映し出されます。湖畔の散策路を歩きながら、さまざまな角度から紅葉を楽しめるため、訪れる度に異なる景色が広がるのも魅力です。また、湖周辺の展望台からは湖全体を見下ろし、紅葉の絶景を堪能できます。
紅葉撮影のおすすめポイント
鎌北湖で紅葉を撮影する際には、湖面の映り込みを活かした構図が特におすすめです。早朝の柔らかい光の中で撮影すると紅葉の色が一層鮮やかに映え、湖に映り込む紅葉の美しいリフレクションが得られます。望遠レンズを使用して紅葉の一部を切り取り、画面いっぱいに色彩を表現するのも効果的です。また、PLフィルターを使用すると、反射光を調整し紅葉の鮮やかさが引き立ちます。紅葉が美しく輝く時間帯を狙い、構図を工夫して撮影するとより幻想的な写真が収められます。
まとめ
今回の記事では、Canon EOS R5、RF100-500mm、EF85mm F1.2、そしてRF85mm F2という4つの機材を用いて、それぞれの特徴や使用感についてレビューしました。特に、ボケ表現や描写力の違いについては実際の撮影シーンを交えながら、各レンズの個性が明確になるよう工夫しています。ポートレートや風景、細かなディテールを求める撮影においても、目的に合わせた機材の選択が重要です。
さらに、今回のレビューを通して撮影場所として選んだ鎌北湖の美しい紅葉と自然の魅力も併せてお伝えしました。秋のシーズンには、機材の性能を最大限に引き出しながら、幻想的な風景を収めるためのヒントもご紹介しています。
今後も、カメラやレンズに関するリアルなレビューや撮影テクニックを通じて、皆様の写真ライフをサポートしていきます。
