国営武蔵丘陵森林公園で野鳥撮影|EOS R5とRF100-500mmで撮る冬鳥たち
埼玉県にある国営武蔵丘陵森林公園へ、冬の野鳥を撮影しに行ってきました。今回使用した機材は、キヤノンのフルサイズミラーレスカメラEOS R5と、超望遠ズームレンズRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMです。三脚や一脚は使用せず、カメラとレンズだけを持って、広い園内を歩きながら野鳥を探しました。
森林公園は、林や草地、池、花木園などが広がる自然豊かな国営公園です。特に冬は木々の葉が落ち、枝に止まる野鳥を見つけやすくなります。ジョウビタキ、アオジ、カシラダカ、シロハラ、ルリビタキなど、冬ならではの鳥たちに出会える可能性があり、野鳥撮影を目的に何度も足を運んでいる場所です。
今回も南口から入園し、桜の花木園、寺沼、梅林、ふれあい広場、椿園、山田城跡などを巡りました。以前ルリビタキを撮影した場所や、カワセミが現れることのある水辺も確認しましたが、目当ての鳥が必ず現れるわけではありません。一方、予想していなかった場所で別の野鳥に出会えるのも、森林公園を歩きながら撮影する楽しさです。
この日はカシラダカ、アオジ、ジョウビタキのオス、アオサギ、シロハラなどを撮影できました。特に印象に残ったのは、普段は枝に止まっている姿をよく見るジョウビタキが地面を歩き回っていたことと、南口近くの水場で出会ったシロハラを美しい自然光の中で撮影できたことです。
この記事では、実際に歩いたルートを順番に振り返りながら、森林公園で撮影した野鳥の特徴、EOS R5とRF100-500mmの使い勝手、撮影設定、園内で野鳥を探す際のポイント、アクセス情報まで詳しく紹介します。撮影した写真もそのまま掲載し、冬の森林公園でどのような鳥に出会えたのかを記録します。
森林公園の南口から桜の花木園へ、冬鳥を探して歩く
今回の撮影は国営武蔵丘陵森林公園の南口から始めました。森林公園には複数の入口がありますが、南口から入ると桜の花木園や梅林、寺沼などを巡ることができます。これまでの撮影でも小鳥を見つけた場所が多く、今回も最初にこの一帯を確認することにしました。
冬の森林公園では、夏とは林の様子が大きく変わります。葉が落ちた枝の間は見通しがよくなりますが、地面には落ち葉が積もり、褐色の羽を持つ鳥が背景に紛れることもあります。枝の上だけでなく、草の根元や林の縁にも注意を向けながら歩きました。
桜の花木園の上の道でカシラダカとアオジを撮影
南口から桜の花木園へ向かい、まず選んだのは上の道です。花木園には上の道と下の道がありますが、これまでの撮影では下の道で野鳥と出会う機会が比較的少なかったため、最初は上の道から確認することにしました。
冬の花木園は、桜の花が咲く季節とはまったく違う景色です。葉を落とした桜の枝が広がり、その間に小鳥の姿が見えることがあります。春なら花と野鳥を一緒に撮影できる場所ですが、冬は枝の形や鳥の羽色そのものを楽しめます。
この上の道で最初に撮影できたのがカシラダカとアオジでした。どちらも冬の林や草地で見られる小鳥で、褐色を主体とした羽色を持っています。そのため、落ち葉や枯れ草が多い場所では、動かずにいると見つけにくいことがあります。

カシラダカはホオジロの仲間で、頭部の羽毛が立ち上がる冠羽が特徴です。胸から腹にかけては比較的淡い色をしており、背中の褐色の模様との違いが分かります。地面で草の種子などを探すことがありますが、枝に止まった姿なら顔や体の模様を確認しやすくなります。
写真では、細い枝に止まるカシラダカを捉えています。背景には暗い緑色が広がり、手前の枝と鳥の体が浮かび上がるような構図になりました。鳥の向きに対して少し斜めから撮影しているため、くちばしの形や胸の丸み、尾羽の長さも分かります。
続いて撮影できたのがアオジです。アオジは緑色を帯びた褐色の背中と、黄色みのある胸から腹部が特徴で、冬の林縁や低木の周囲でよく見られます。地面にいるときには草や落ち葉に紛れますが、枝に止まってくれると黄色い下面がよく目立ちます。

このアオジの写真では、背景に青空と樹木の色がぼけて広がっています。手前には桜の枝が重なっていますが、鳥の頭部と胸が比較的明瞭に見える位置から撮影できました。冬の落葉樹林では枝が多く写り込みますが、それが季節感にもつながります。
望遠レンズで野鳥を撮影するときは、被写体を大きく写すことに意識が向きがちです。しかし、枝の形や背景の色を含めて構図を作ることで、鳥の姿だけでなく、その場所の雰囲気も残せます。カシラダカとアオジの写真は、どちらも冬の森林公園らしい背景を生かした撮影になりました。
同じ森林公園でも、別の日にはトラツグミやカワセミなどを撮影しています。冬鳥の種類や撮影場所の違いについては、森林公園でトラツグミやカワセミを撮影した記録でも紹介しています。
寺沼でカワセミを探し、梅林のフクジュソウを確認
桜の花木園でカシラダカとアオジを撮影した後は、梅林の下にある寺沼へ向かいました。寺沼は、森林公園でカワセミを探す際に立ち寄る場所の一つです。カワセミは水辺の枝などに止まって魚を探すことがあり、池や沼の周辺では水面だけでなく岸辺の枝も観察する必要があります。
カワセミは鮮やかな青い背中と橙色の腹部を持つ小鳥です。野鳥撮影では特に人気がありますが、体が小さく、遠くの枝に止まっていると肉眼では見つけにくいことがあります。水面近くを低く飛ぶ姿を発見しても、すぐに木陰へ入ってしまう場合があります。
寺沼ではカワセミが現れることがありますが、いつでも撮影できるわけではありません。カワセミが利用する枝や餌を探す場所は、その日の水位や周囲の状況によって変わります。以前見かけた場所へ向かっても姿がないことは珍しくなく、撮影の機会は鳥の行動次第です。
今回も池の周囲を確認しましたが、カワセミを見つけることはできませんでした。池の周囲に鳥の気配がないか探しながら、しばらく様子を見ました。水辺の鳥を撮影する場合には、一か所で待つ方法もありますが、今回は森林公園全体を歩く予定だったため、次の場所へ移動することにしました。
寺沼に近い梅林の一番下には、フクジュソウが咲く場所があります。黄色い花を咲かせるフクジュソウは、冬から早春にかけて季節の変化を感じさせてくれる植物です。今回も開花状況を確認しましたが、この日はまだ咲いていませんでした。
森林公園では、野鳥撮影を目的に訪れても、途中で花や植物の様子を観察できます。梅林では開花時期になると、梅の花と野鳥を組み合わせた写真も考えられます。枝に止まったメジロなどを花と一緒に撮影できれば、冬の枯れ枝とは違った色彩の写真になります。
野鳥撮影は季節によって主役が変わります。冬鳥の姿を探す時期、梅や桜が咲く時期、新緑が広がる時期では、同じ園路を歩いても被写体も背景も変化します。寺沼と梅林は、その変化を楽しめる場所でもあります。
カワセミの撮影では、同じEOS R5とRF100-500mmを使用して別の公園を訪れたこともあります。水辺での撮影方法については、明治神宮御苑でカワセミを撮影した記録も参考になります。
花木園の下の道でジョウビタキのオスと出会う
寺沼を確認した後、再び桜の花木園へ戻りました。今度は上の道ではなく、下の道を途中まで歩いてみることにしました。以前から下の道では野鳥を見つける機会が少ない印象でしたが、この日は途中の広場の下で小鳥を発見しました。
カメラを向けて確認すると、ジョウビタキのオスでした。ジョウビタキは冬の野鳥撮影では馴染み深い鳥で、オスは銀灰色の頭部、黒い顔、橙色の腹部という鮮やかな配色をしています。翼の白い斑点も特徴的で、枝に止まった姿は遠くからでも比較的見つけやすい鳥です。
今回のジョウビタキは、最初から枝に止まっていたわけではありません。地面を歩き回り、餌を探しているようでした。ジョウビタキは枝先や杭に止まって周囲を見渡す姿をよく撮影しますが、地面に降りて昆虫などを探すこともあります。
その様子をしばらく観察していると、やがて枝に止まったため、そこで撮影しました。地面にいるときは落ち葉や草が背景に重なりますが、枝に止まると体全体を捉えやすくなります。今回も枝に止まったことで、ジョウビタキの羽色や尾羽の形が分かる写真になりました。

この写真は、ジョウビタキの後ろ姿をやや斜めから捉えています。銀灰色の頭部と橙色の尾の付け根、翼の白い模様がよく分かります。背景には枝や幹が写っていますが、望遠レンズによるぼけによって鳥の輪郭が浮かび上がっています。
正面から撮影すれば橙色の腹部を大きく写せますが、後ろ姿にもジョウビタキらしい特徴があります。翼の模様や背中の色、長い尾羽の形などは、むしろ後ろから撮影した方が分かりやすい場合があります。
野鳥撮影では、鳥が望みどおりの方向を向いてくれるとは限りません。枝に止まったまま顔だけを動かしたり、急に飛び去ったりすることもあります。そのため、発見した姿をまず撮影し、その後に向きが変わるのを待つ方法が実用的です。
今回のジョウビタキは地上での行動も観察でき、枝に止まった姿も撮影できました。撮影結果だけでなく、鳥がどのような場所で餌を探しているのかを知る機会にもなりました。
ジョウビタキは都市部の公園でも観察できます。別の撮影例は、北の丸公園でカワセミやジョウビタキを撮影した記録でも紹介しています。
梅林からふれあい広場、椿園へと続く野鳥撮影
桜の花木園でジョウビタキを撮影した後は、再び上の道へ戻りました。途中で寺沼を確認し、その後、梅林を通ってふれあい広場へ向かいました。森林公園は広い園内に複数の撮影地点があり、それぞれで異なる野鳥に出会える可能性があります。
今回はジョウビタキとの出会いが続き、ふれあい広場ではアオサギも撮影できました。一方、以前撮影できたミヤマホオジロやルリビタキは見つけられませんでした。同じ場所を訪れても結果が変わるところに、野鳥撮影の難しさと楽しさがあります。
梅林で再びジョウビタキの声を聞き、別のオスを撮影
桜の花木園の真ん中の道を通って上の道へ戻り、もう一度寺沼に立ち寄りました。しかし、ここでもカワセミの姿を確認することはできませんでした。そこで梅林の中を歩きながら、ふれあい広場方面へ進むことにしました。
梅林を歩いていると、ジョウビタキの声が聞こえてきました。声の方向を探し、カメラで確認すると、先ほど撮影した個体とは別のジョウビタキのオスでした。この個体も撮影できたため、一日のうちに複数のジョウビタキと出会えたことになります。
ジョウビタキは冬季には単独で一定の範囲を利用することが多く、枝先などで特徴的な声を出す姿を見かけます。野鳥を探すときには、羽色や体の大きさだけでなく、鳴き声も重要な手掛かりになります。見通しの悪い林では、声の方向から鳥の位置を推測し、枝の間を探す方法が役立ちます。
ただし、聞こえている方向に鳥が見つかるとは限りません。細い枝に隠れていたり、林の奥へ移動していたりする場合があります。特に小鳥は体が小さいため、肉眼で発見できても望遠レンズの狭い画角では見失うことがあります。
梅林のように枝が多い場所では、AFが手前の枝に合ってしまうことにも注意が必要です。鳥の顔や瞳を認識できれば追尾AFが役立ちますが、被写体が隠れている場合には測距エリアを限定する方が確実なことがあります。
また、枝に止まった鳥を撮影する際には背景にも目を向けます。鳥の真後ろに太い幹があると輪郭が分かりにくくなりますが、少し撮影位置を変えることで背景が遠くなり、鳥を浮かび上がらせられる場合があります。野鳥を驚かせない範囲で構図を整えることが、望遠撮影では重要になります。
梅林ではジョウビタキだけでなく、モズのように枝先を利用する鳥も撮影対象になります。モズは鋭いくちばしと特徴的な顔の模様を持ち、枝に止まって周囲を見渡す姿が印象的です。

モズの写真では、枝に囲まれた場所で鳥の体に光が当たっています。褐色の羽毛と目を通る黒い模様が分かり、くちばしの形も捉えられています。こうした枝の多い場所では背景を完全に整理することは難しいものの、その鳥が生活する環境まで写せることが魅力です。
森林公園では以前にもモズやルリビタキを撮影しています。詳しくはルリビタキを求めて武蔵丘陵森林公園を歩いた撮影記録で紹介しています。
ふれあい広場ではミヤマホオジロに会えず、アオサギを撮影
梅林を抜けた後は、椿園の下にあるふれあい広場へ向かいました。この一帯には藪や低木があり、野鳥が潜んでいることがあります。姿を見かけても植物に隠れて撮影できない場合があり、鳥が開けた場所へ移動するまで待つ必要があります。
以前、ふれあい広場ではミヤマホオジロのメスを二度ほど撮影したことがあります。そのため今回も姿を探しましたが、残念ながら見つけることはできませんでした。ミヤマホオジロは冬鳥として林縁や草地で観察される鳥で、顔の模様や冠羽が特徴です。
オスは黄色と黒の模様が目立ちますが、メスは全体に落ち着いた色合いで、藪の中では見つけにくいことがあります。地面近くで餌を探す姿を発見しても、植物の間へ移動すると姿が隠れてしまいます。以前撮影した場所に再び現れる可能性はありますが、必ず同じ場所を利用するとは限りません。
今回のふれあい広場では、目当てのミヤマホオジロに出会えなかった代わりに、アオサギが飛来しました。アオサギは大型のサギ類で、長い首と脚、灰色の翼を持っています。小鳥とは体の大きさも動き方も異なるため、撮影方法も変わります。

今回のアオサギは、木製の構造物の上に立っている姿を撮影しました。長い脚と首、くちばしの形がよく分かり、背中から翼にかけての灰色の羽毛も確認できます。背景が比較的暗いため、光の当たったアオサギの姿が際立っています。
アオサギのような大型の鳥では、500mmの望遠端を使用すると、被写体が近い場合に画面からはみ出すことがあります。RF100-500mmなら焦点距離を短くすることで、全身を収めたり、周囲の環境を取り入れたりできます。小鳥を大きく写すための500mmと、大型の鳥を適切な大きさで写すための短い焦点距離を一本で使い分けられる点が便利です。
アオサギは静止している時間が長い場合もありますが、歩き始めたり、突然飛び立ったりすることがあります。立ち姿を丁寧に撮影するなら構図を優先し、飛翔を狙うならシャッタースピードと画角に余裕を持たせる必要があります。
この日はミヤマホオジロを撮影できなかったものの、アオサギが現れたことで別の写真を残せました。特定の鳥だけを目的にしていると撮影できない日もありますが、園内にいるさまざまな鳥へ目を向ければ、思いがけない被写体と出会えることがあります。
大型の水鳥やカワセミなどを含む撮影例は、北本自然観察公園で撮影した野鳥の記録でも紹介しています。
椿園から記念塔へ、ルリビタキのオスを探す
ふれあい広場を後にして、次は椿園へ向かいました。ここは以前ルリビタキのオスを撮影したことがある場所です。今回も出会えることを期待して、椿園から記念塔まで歩いてみました。
ルリビタキは、冬の野鳥撮影で特に撮影したい鳥の一つです。成熟したオスは頭部から背中にかけて美しい青色を持ち、脇の橙色との組み合わせが印象的です。メスや若い個体は褐色が中心ですが、尾羽に青色が見られ、成鳥のオスとは異なる魅力があります。
ジョウビタキは冬の間、比較的同じ範囲で見かけることがありますが、森林公園でのルリビタキは、以前撮影した場所を訪れても必ず出会えるとは限りません。椿園で撮影したからといって、次も同じ場所にいるとは限らず、園内を歩いている途中で偶然見つけることもあります。
今回も椿園の周囲を確認しながら記念塔まで上がりましたが、ルリビタキの姿は見つけられませんでした。冬の林には鳥が隠れられる場所が多く、近くにいても姿を確認できないことがあります。特に低木の茂みや暗い場所へ入ると、青い羽を持つオスでも発見は難しくなります。
ルリビタキを探す場合、林の奥ばかりを見るより、林縁や低い枝にも注意を向けると発見につながることがあります。地面近くで餌を探したり、低い枝に止まって周囲を確認したりするためです。ただし、鳥の行動には個体差があり、いつも同じ高さや場所にいるわけではありません。
椿園から記念塔までのルートでは、木々の間にいる小鳥も撮影対象になります。例えばコゲラは、木の幹や枝を移動しながら餌を探す小型のキツツキです。体が小さく、木の表面に沿って素早く動くため、静止した鳥とは違った難しさがあります。

掲載したコゲラの写真では、枝に止まった小さな体と、背中の縞模様が分かります。背景には明るいぼけが広がり、逆光気味の光が羽毛の輪郭を浮かび上がらせています。コゲラは木の幹の裏側へ回り込んでしまうこともあるため、撮影できる瞬間は意外と短いものです。
コゲラのような鳥では、AFが手前の枝や幹を認識してしまう場合があります。被写体の姿が見えていても、鳥の目へ正確にピントを合わせるには、AFエリアの選択や撮影位置の調整が必要です。
記念塔まで上がった後は、再び椿園へ戻りました。ルリビタキには会えませんでしたが、以前撮影した場所を確認することで、次の撮影時にどこを探すかを考える材料になります。
ルリビタキを撮影した別の記録は、EOS R5とRF100-500mmで撮る北本自然観察公園のカワセミとルリビタキでも紹介しています。
西田沼から山田城跡へ、南口近くの水場でシロハラを撮影
椿園でルリビタキを探した後は、ふれあい広場を通り、西田沼の脇道から日本庭園方面へ進みました。その後、山田城跡を一周し、南口に近い水場へ向かいました。森林公園の撮影では、こうして複数の場所を巡りながら野鳥を探しています。
広い園内を歩くため、必ずしもすべての場所で撮影できるわけではありません。しかし、途中で鳥の鳴き声を聞いたり、地面を歩く鳥を見つけたりすることがあります。前半はジョウビタキやアオジなどの小鳥が中心でしたが、後半も林の中を観察しながら撮影を続けました。
西田沼の脇道から日本庭園へ、林の中で野鳥を探す
ふれあい広場から西田沼の脇道を歩き、日本庭園方面へ向かいました。この一帯は花木園とは違って林の中を歩く場所が多く、周囲の木々や地面に目を向けながら進むことになります。
冬の林では、落葉した枝に止まった小鳥を見つけやすくなる一方、地面には枯れ葉が積もり、褐色の鳥が目立ちにくくなります。シロハラやツグミのように地面で餌を探す鳥は、体を動かした瞬間に発見できることがあります。
木の幹にいるコゲラ、枝先に止まるシジュウカラ、低い藪を利用するアオジなど、鳥の種類によって探す場所は異なります。すべての鳥を同じ方法で探すことは難しく、鳴き声や動きを手掛かりにする必要があります。
また、林の中では光量が大きく変化します。明るい園路ではISO感度を低く抑えられても、木陰に入ると同じシャッタースピードを維持するためにISO感度が上がります。今回の撮影では1/1000秒を中心に使用していたため、暗い場所ではISO1600や2500といった設定になる場面もありました。
小鳥の撮影で重要なのは、ISO感度を低くすることだけではありません。鳥が動いているときにシャッタースピードを下げすぎると、被写体ブレによって羽毛の細部が失われます。多少ISO感度が高くなっても、鳥の目や頭部を鮮明に写せる方がよい結果になることがあります。
森林公園のように広い場所では、歩きながら撮影する機会が多くなります。三脚を設置して特定の場所で待つ方法もありますが、今回のように手持ち撮影なら、鳥を見つけた方向へすぐレンズを向けられます。細い園路や樹木の多い場所では、機材を簡単に移動できることが大きな利点です。
日本庭園方面へ向かう途中も、鳥の姿を探しながら歩きました。目的の鳥が現れなくても、歩いた場所や光の状態を覚えておくことは、次に森林公園を訪れたときの撮影ルートを考えるうえで役立ちます。
森林や湿地を歩きながらEOS R5で撮影した様子は、EOS R5とRF100-500mmによる北本自然観察公園の野鳥撮影記録でも紹介しています。
山田城跡を一周し、南口方面へ戻る
日本庭園から山田城跡へ向かい、その周囲を一周しました。その後、山田城跡の中央を通り抜け、南口方面へ戻りました。森林公園には樹木が多い場所があり、冬の野鳥撮影では林の中や地面を観察する機会が増えます。
林の中を歩くときは、枝に止まった鳥だけを探すのではなく、地面の落ち葉が動いていないかにも注意を向けます。シロハラやツグミの仲間は、地面を歩きながら餌を探すことがあるためです。枯れ葉の上を歩く音や、落ち葉を動かす様子が発見の手掛かりになる場合があります。
また、冬の林では木の実や種子を利用する小鳥も観察できます。シジュウカラやメジロのように枝を移動する鳥、モズのように見通しのよい場所へ止まる鳥など、それぞれ行動に特徴があります。
山田城跡周辺のように木々が多い場所では、撮影位置によって背景が大きく変わります。鳥の背後に太い幹がある場合と、遠くの林がぼけている場合では、同じ鳥を撮影しても写真の印象が異なります。背景が整理されていると鳥の輪郭が分かりやすくなりますが、周囲の木々を含めることで、森の中にいる雰囲気を表現することもできます。
望遠レンズでは被写界深度が浅くなりやすいため、鳥の目にピントが合っていても、くちばしの先や尾羽が少しぼける場合があります。逆に、背景を大きくぼかしたいときには、鳥と背景の距離が離れている場所が有利です。撮影者が自由に近づけない野鳥撮影では、鳥が止まった位置を見て構図を判断することになります。
今回使用したRF100-500mmは、焦点距離を変更できるため、木々の間で構図を調整しやすいレンズです。遠い小鳥には500mmを使い、比較的近い鳥や大きな鳥にはズームを戻すことで、鳥の大きさに合ったフレーミングができます。
山田城跡を抜けた後は、以前ルリビタキのメスを撮影した水場へ向かいました。野鳥撮影では、過去の撮影場所を覚えておくと、園内を歩くルートを組み立てやすくなります。今回もその記憶を頼りに、最後の撮影場所を確認することにしました。
自然の中での望遠撮影や、レンズによる描写の違いについては、鎌北湖でEF85mmとEF200mmを使って紅葉や野鳥を撮影した記録でも紹介しています。
南口近くの水場でシロハラを美しく撮影できた
山田城跡から南口へ戻る途中、普段から確認している水場へ向かいました。一般の利用者には気づかれにくい場所にありますが、以前ここでルリビタキのメスを撮影したことがあるため、森林公園を訪れると立ち寄っています。
今回もルリビタキを探しましたが、残念ながら姿を見ることはできませんでした。椿園では以前撮影したオスに出会えず、この水場でもメスを確認できなかったため、ルリビタキの撮影は次の機会へ持ち越しになりました。
しかし、この水場ではシロハラが姿を見せてくれました。今回の撮影では光の当たり方が非常によく、シロハラの羽毛を美しく撮影できました。目当てのルリビタキには会えませんでしたが、最後に印象的な写真を残せたことになります。

シロハラはツグミの仲間で、日本では主に冬鳥として観察されます。背中は褐色で、腹部は比較的淡い色をしています。黄色みのある目の周囲とくちばし、脚も特徴です。林の中や落ち葉の多い場所で餌を探し、地面を歩き回る姿が見られます。
今回の写真では、枝に止まったシロハラの顔と胸に光が当たっています。目の周囲の黄色い部分がはっきりと見え、背中から翼にかけての羽毛の重なりも分かります。背景には落ち葉の褐色と植物の緑がぼけて広がり、シロハラの柔らかな色合いとよく合っています。
シロハラはジョウビタキのような鮮やかな色彩を持つ鳥ではありません。しかし、適切な光が当たると、褐色の羽毛の微妙な濃淡や、腹部の明るい色を美しく表現できます。野鳥写真では、被写体の色が鮮やかであることだけが魅力になるわけではありません。
特に林の中では、光の方向が写真の印象を大きく左右します。鳥の正面から光が当たれば羽毛の色を素直に写せますが、斜めから光が当たると、羽毛の重なりや体の立体感が強調されることがあります。今回のシロハラは、自然光と背景の条件に恵まれた撮影でした。
撮影後は花の様子も確認しましたが、前回訪れたときと大きな変化はありませんでした。そのため、そのまま南口へ戻ることにしました。帰り道ではメジロの姿を追いながら車へ向かい、今回の野鳥撮影を終えました。
ルリビタキには出会えませんでしたが、最後にシロハラを美しく撮影できたことで、印象に残る一日になりました。鳥が現れるかどうかだけでなく、その瞬間にどのような光が当たっているかが写真の仕上がりを左右することを、改めて感じました。
シジュウカラなど小鳥の行動と撮影方法については、シジュウカラの水浴びを撮影する方法と撮影設定でも詳しく紹介しています。
EOS R5とRF100-500mmによる野鳥撮影の使用感と設定
今回の撮影機材はEOS R5とRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMです。三脚や一脚を使用せず、すべて手持ちで撮影しました。森林公園は撮影場所が広範囲に分かれているため、機材を持って長い距離を歩くことになります。
野鳥撮影では超望遠レンズが必要になりますが、焦点距離が長くなるほど機材の大きさや重さも問題になります。EOS R5とRF100-500mmは、高画素によるトリミング耐性と望遠ズームの柔軟性を備えており、歩きながら野鳥を撮影する用途に適した組み合わせです。
EOS R5の約4500万画素と動物検出AFを生かす
EOS R5は、約4500万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載したキヤノンのミラーレスカメラです。高解像度の静止画撮影に加え、高速連写や動物検出AF、ボディ内手ブレ補正などの機能を備えています。
野鳥撮影で特に役立つのは、高画素によるトリミングの余裕です。野鳥は自由に近づける被写体ではなく、500mmの望遠レンズを使っても画面の一部分にしか写らないことがあります。約4500万画素のEOS R5なら、撮影後に周囲を切り取って構図を整えても、一定の画素数を残せます。
ただし、高画素だからといって遠い鳥を無制限に大きくできるわけではありません。鳥が小さく写りすぎている場合、大きくトリミングすると画素数が減り、ピントのずれや手ブレも目立ちます。500mmで十分な大きさに写せる距離を確保したうえで、高画素を構図調整に利用する方法が効果的です。
EOS R5の動物検出AFは、鳥の瞳や顔、体などを認識して追尾できます。枝に止まった鳥が顔の向きを変えたり、少し移動したりする場面では便利です。従来の一点AFでは、鳥の動きに合わせてAF位置を細かく変更する必要がありましたが、被写体を認識できていれば操作の負担を減らせます。
一方、森林公園のように枝や幹が多い場所では、被写体認識が常に適切に働くとは限りません。鳥が枝の奥にいたり、背景と似た色をしていたりすると、AFが別の場所を認識する場合があります。そうした場面では、一点AFや狭い測距エリアを利用して鳥の位置を指定する方法が役立ちます。
EOS R5は電子シャッターで最高約20コマ/秒、メカシャッターで最高約12コマ/秒の高速連写に対応しています。鳥が飛び立つ瞬間や羽ばたきの形を連続して記録できるため、動体撮影に向いています。ただし、電子シャッターではセンサーの読み出しに伴う歪みが現れる場合もあり、撮影対象によってシャッター方式を使い分けることができます。
また、EOS R5はボディ内手ブレ補正を搭載しており、対応レンズとの協調補正が利用できます。長い焦点距離ではわずかなカメラの揺れでもファインダー内の被写体が大きく動くため、手ブレ補正によって構図を安定させやすくなることは実用的な利点です。
EOS R5のセンサー、連写、AF、ボディ内手ブレ補正などの特徴については、Canon EOS R5の性能と特徴で詳しく解説しています。
RF100-500mmは小鳥から大型の水鳥まで対応できる
今回使用したRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは、100mmから500mmまでをカバーする超望遠ズームレンズです。野鳥撮影では500mm側を使用する機会が多くなりますが、焦点距離を短くできることも大きな魅力です。
カシラダカやアオジ、ジョウビタキのような小鳥を遠くから撮影する場合、500mmの焦点距離が役立ちます。鳥へ無理に接近する必要がなく、距離を保ちながら自然な姿を撮影できます。特に枝に止まった小鳥は、近づくと警戒して飛び去ることがあるため、超望遠レンズの利点が生きます。
一方、今回のアオサギのように体の大きな鳥を撮影するときには、500mmでは画角が狭すぎる場合があります。RF100-500mmならズームを戻せるため、鳥の全身を収めたり、周囲の風景を含めたりすることができます。
単焦点の500mmレンズでは、被写体が近づいてきた場合に撮影者自身が後退する必要が生じることがあります。しかし、園路や木々の配置によっては自由に動けません。ズームレンズなら撮影位置を変えずに画角を調整できるため、森林公園のような環境では便利です。
RF100-500mmはLレンズらしい高い光学性能を備えており、鳥の羽毛や目の周囲の細部を捉えることができます。今回のカシラダカやアオジの写真でも、羽毛の細かな模様やくちばしの形が分かります。背景のぼけ方も写真の印象に関わり、鳥と背景の距離が離れている場合には、被写体を際立たせやすくなります。
ただし、望遠端の開放F値はF7.1です。明るい屋外では十分に利用できますが、暗い林の中で高速シャッターを使用すると、ISO感度が高くなりやすくなります。F2.8やF4の明るい超望遠レンズと比べると光量面では不利ですが、その代わり比較的携帯しやすい大きさで100mmから500mmまでを利用できます。
森林公園のように長時間歩く撮影では、光学性能だけでなく携帯性も重要です。大口径の超望遠単焦点レンズは明るさや描写性能に優れますが、一般的に大きく重くなります。今回のように複数の撮影地点を歩いて回る場合、機材の重量と撮影性能のバランスが使い勝手を左右します。
また、RF100-500mmはレンズ内手ブレ補正を備えています。EOS R5との組み合わせでは協調補正が利用でき、手持ちで望遠撮影する際にファインダー内の像を安定させやすくなります。ただし、鳥自身が動くことによる被写体ブレは手ブレ補正では防げないため、シャッタースピードの設定は別に考える必要があります。
RF100-500mmの解像力、AF、手ブレ補正、近接撮影、エクステンダー対応などは、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMの特徴と使い方で詳しく紹介しています。
F8・1/1000秒を中心に撮影した理由とISO感度の考え方
今回掲載した写真では、F8、シャッタースピード1/1000秒という設定が中心になっています。ISO感度は撮影場所の明るさによって変わり、ISO500から2500までの写真を掲載しています。
野鳥撮影で1/1000秒を使用する理由は、鳥の細かな動きを止めやすくするためです。枝に止まっている鳥も、頭を動かしたり、体の向きを変えたりします。静止しているように見えても、撮影した瞬間に頭だけ動くことがあります。
EOS R5とRF100-500mmの手ブレ補正は、撮影者の手の動きによるブレを抑える機能です。鳥自身が動いた場合には、シャッタースピードを速くする必要があります。高画素のEOS R5では、わずかな被写体ブレも拡大表示すると目立ちやすくなります。
F8は、RF100-500mmの望遠端F7.1から少し絞った設定です。絞ることで被写界深度をわずかに深くできますが、その分だけセンサーに届く光量は減少します。暗い林では、F8から開放F7.1へ変更することで、同じシャッタースピードを維持しながらISO感度を抑えられます。
実際の写真を見ると、アオジはISO500、アオサギはISO800、ジョウビタキはISO1000、カシラダカはISO1600、コゲラはISO2500で撮影しています。同じF8、1/1000秒であっても、撮影場所や光の条件によって必要なISO感度が変わることが分かります。
高感度撮影ではノイズが増えますが、ISO感度を低くすることだけを優先すると、シャッタースピードが遅くなり、鳥がぶれる可能性があります。特に小鳥の目や羽毛の細部を残したい場合、多少ISO感度が高くなっても、必要なシャッタースピードを確保する方がよい結果になることがあります。
逆に、動かずに止まっている大型の鳥などでは、シャッタースピードを少し遅くしてISO感度を抑えられる場合があります。アオサギのように比較的落ち着いている鳥と、素早く枝を移動するコゲラでは、同じ設定が最適とは限りません。
また、林の中では背景の明るさによって露出が大きく変わります。明るい空を背景にした鳥は暗く写りやすく、暗い林を背景にした場合には鳥の明るい羽毛が目立ちます。露出補正やヒストグラムを確認しながら、鳥の羽毛の階調を残すことが重要です。
野鳥撮影の設定では、シャッタースピード、絞り、ISO感度、AF方式を一つの組み合わせとして考えます。カメラの性能を生かすには、それぞれの数値を単独で決めるのではなく、鳥の動きと周囲の光に合わせて調整する必要があります。
RF100-500mmを使用した実践的な撮影設定は、Canon RF100-500mmの野鳥撮影実践ガイドでも詳しく解説しています。
国営武蔵丘陵森林公園で野鳥撮影を楽しむための情報
国営武蔵丘陵森林公園は、埼玉県比企郡滑川町と熊谷市にまたがる広大な国営公園です。園内には森林、草地、池、花木園などがあり、散策や自然観察、花の撮影などを楽しめます。野鳥撮影では冬鳥が見られる季節に訪れる楽しみがありますが、ほかの季節にも異なる自然の姿を観察できます。
園内が非常に広いため、すべての場所を短時間で巡ることは難しく、撮影目的に合わせて入口やルートを選ぶことが重要です。今回のように南口から花木園や寺沼を中心に歩く方法もあれば、別の入口から異なる場所を散策する方法もあります。
約304ヘクタールの園内に広がる森林と水辺の環境
国営武蔵丘陵森林公園は、1974年に開園した国営公園です。面積は約304ヘクタールあり、武蔵野の自然を生かした丘陵地に整備されています。公園内には広い草地や樹林、池、花木園などがあり、場所によって景色が大きく変わります。
野鳥撮影において、この環境の違いは重要です。林の中ではコゲラやシジュウカラのように木々を利用する鳥を探し、草地や林縁ではカシラダカやアオジなどの姿を確認できます。池や沼の周囲ではカワセミや水鳥を探すことができます。
冬は落葉樹の葉が落ちるため、枝に止まる鳥を発見しやすくなります。しかし、落ち葉の色と似た褐色の羽を持つ鳥は、地面にいると見つけにくいことがあります。鳥が動く瞬間や鳴き声が、発見の手掛かりになります。
春になると桜や梅が咲き、花と野鳥を組み合わせた写真を撮影できる場合があります。夏には木々の葉が茂り、野鳥の姿を見つけにくくなる一方、緑の背景を生かした写真が撮れます。秋には紅葉が進み、冬とは異なる色彩の中で野鳥を撮影できます。
今回歩いた桜の花木園や梅林は、季節による変化を特に感じられる場所です。冬の枯れ枝の間に止まるアオジやカシラダカの写真は、花が咲く季節の写真とは異なる魅力があります。
また、森林公園では鳥だけでなく、植物や昆虫なども観察できます。今回も梅林でフクジュソウの開花状況を確認しましたが、まだ花は咲いていませんでした。野鳥撮影で訪れたときにほかの植物の様子も覚えておくと、次に訪れる時期を考える参考になります。
広い公園を歩く野鳥撮影では、鳥を探している時間そのものも楽しみの一つです。撮影できる鳥の種類や数は毎回変わりますが、季節とともに変化する林の様子を観察できることが、森林公園の魅力です。
高画素カメラと望遠レンズを使った自然観察の楽しみ方は、野鳥撮影に必要な焦点距離と画角の考え方でも紹介しています。
森林公園のアクセス、開園時間、入園料金
国営武蔵丘陵森林公園の所在地は、埼玉県比企郡滑川町山田1920です。園内には南口、中央口、西口、北口の4つの入口があり、目的の施設や撮影場所によって利用する入口を選べます。
今回利用した南口は、桜の花木園や寺沼などを巡る場合に利用しやすい入口です。車で訪れる場合は、関越自動車道の東松山インターチェンジから約10分が目安になります。交通状況や利用する入口によって所要時間は変わります。
公共交通機関では、東武東上線の森林公園駅から路線バスを利用できます。また、JR高崎線・秩父鉄道の熊谷駅からも路線バスでアクセスできます。森林公園駅からはバスで約10分、熊谷駅からは約30分が目安です。路線や運行日によって利用できる停留所が異なるため、目的の入口に合わせた経路になります。
通常の開園時間は、3月1日から10月31日が9時30分から17時、11月が9時30分から16時30分、12月から2月が9時30分から16時です。季節によって閉園時刻が異なり、冬は特に早く閉園するため、園内を長距離歩く場合には帰る時間も考慮する必要があります。
入園料金は、大人一般が450円、65歳以上が210円、中学生以下は無料です。年間パスポートなどの制度もあり、繰り返し訪れる場合には利用方法を選べます。料金や休園日、イベント時の開園時間などは変更される場合があります。
公園には有料駐車場も設けられており、車での来園にも対応しています。園内は広いため、目的の撮影場所から遠い入口に駐車すると、撮影を始めるまでに長い距離を歩くことになります。
今回の撮影のように、花木園、寺沼、ふれあい広場、椿園、山田城跡などを巡る場合には、移動時間が必要です。特に望遠レンズを持って歩くときは、園路の距離だけでなく、撮影のために立ち止まる時間も長くなります。
鳥を見つけると撮影に集中して時間が過ぎるため、閉園時刻の早い冬には、遠い場所から南口へ戻る時間も確保する必要があります。目的の鳥が見つからなかった場合でも、途中で別の鳥に出会えば撮影時間が増えるため、余裕のあるルートが実用的です。
森林公園と同様に、広い自然公園でEOS R5と望遠レンズを使用した撮影は、EOS R7の野鳥撮影設定と超望遠撮影の考え方でも参考になります。
冬の野鳥撮影で意識したい光、撮影距離、機材の携帯性
冬の森林公園で野鳥を撮影する場合、鳥が現れる場所だけでなく、光の条件も重要です。冬は太陽の高度が低く、林の中では長い影ができます。同じ場所でも日なたと日陰の明るさが大きく異なり、鳥が少し移動しただけで必要な露出設定が変わることがあります。
今回の写真では、シロハラのように自然光の条件に恵まれた被写体もありました。褐色の羽毛は暗い林の中では目立ちにくいものの、適度な光が当たることで色の濃淡や羽毛の重なりが分かりやすくなります。
一方、逆光で鳥を撮影すると、体が暗く写ったり、羽毛の輪郭だけが明るくなったりします。逆光にも表現上の魅力がありますが、羽色や細部を記録したい場合には、鳥の顔へ光が当たる位置が有利です。鳥が動くのを待ちながら、光の方向を確認することも撮影の一部になります。
また、野鳥撮影では被写体との距離を自由に決められません。近づけば大きく写せますが、警戒した鳥が飛び去ることがあります。超望遠レンズを使用する利点は、離れた位置から自然な行動を撮影できることです。
今回使用したRF100-500mmは、遠くの小鳥を大きく写せるだけでなく、比較的近い位置に大型の鳥が現れた場合にもズームを調整できます。固定焦点距離の超望遠レンズとは異なり、鳥の大きさと距離に応じて柔軟に構図を変更できることが、広い公園での撮影に役立ちました。
森林公園では撮影場所を移動する時間も長くなります。高性能な望遠レンズでも、持ち歩くことが負担になれば撮影の自由度は下がります。三脚を使用せず、カメラとレンズだけで歩く方法なら、鳥を見つけた方向へすぐ対応できます。
ただし、手持ち撮影では長時間カメラを構え続けると腕に疲労が蓄積します。望遠レンズは焦点距離が長くなるほど、小さな動きがファインダー内で大きく見えるため、安定した構え方が必要です。鳥がいない間にはカメラを下ろし、撮影するときにはレンズをしっかり支えることで、無理のない撮影を続けられます。
野鳥を撮影するときは、鳥の行動を妨げないことも大切です。撮影するために無理に近づいたり、茂みの中へ入り込んだりせず、自然な姿を観察できる距離から撮影します。鳥が警戒している場合には、距離を保つことで落ち着いた行動を記録できることもあります。
撮影を続けていると、以前出会った場所へ鳥が再び現れることもあれば、まったく別の場所で予想していなかった鳥に出会うこともあります。今回のルリビタキのように撮影できなかった鳥がいる一方で、ジョウビタキやシロハラの写真を残せました。
森林公園のように複数の環境が広がる場所では、一つの鳥だけを探すことに集中するより、歩きながら鳥の姿や鳴き声を確認することで、さまざまな撮影機会を得られます。何度も訪れるうちに、それぞれの場所の特徴や季節ごとの変化が分かってくることも、野鳥撮影を続ける楽しさです。
野鳥を手持ちで追いながら撮影する際のシャッタースピードやAFの使い方は、EOS R6 Mark IIの野鳥撮影設定と実践的な使い方でも詳しく解説しています。
まとめ
今回の国営武蔵丘陵森林公園での野鳥撮影では、南口から桜の花木園、寺沼、梅林、ふれあい広場、椿園、山田城跡などを巡りました。以前撮影したことのある野鳥を探しながら、広い園内を歩いて撮影しました。
桜の花木園の上の道ではカシラダカとアオジを撮影できました。下の道ではジョウビタキのオスと出会い、地面を歩き回る姿を観察した後、枝に止まったところを撮影しました。その後、梅林でも別のジョウビタキのオスに出会い、撮影することができました。
ふれあい広場では以前撮影したミヤマホオジロを探しましたが、今回は姿を見ることができませんでした。その代わりアオサギが飛来し、大型の鳥ならではの姿を撮影できました。椿園ではルリビタキのオスを探しましたが、記念塔まで歩いても発見できませんでした。
西田沼の脇道から日本庭園、山田城跡を通り、最後に南口近くの水場へ向かいました。ここでも以前撮影したルリビタキのメスには会えませんでしたが、代わりにシロハラを発見しました。光の当たり方に恵まれ、今回の撮影で特に印象に残る写真になりました。
撮影機材として使用したEOS R5とRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは、森林公園のように広い場所を歩きながら野鳥を撮影する用途に適した組み合わせでした。約4500万画素の高解像度と動物検出AF、100mmから500mmまでのズーム域を利用できることで、小鳥から大型の水鳥まで幅広く対応できました。
今回の写真ではF8、1/1000秒を中心に撮影しましたが、鳥の動きや周囲の明るさによって適切な設定は変わります。被写体ブレを抑えるシャッタースピード、必要な被写界深度、ISO感度、AFの使い方などを組み合わせることで、望遠レンズの性能を生かしやすくなります。
森林公園では、以前撮影できた場所へ行っても同じ鳥に出会えるとは限りません。今回はルリビタキやカワセミを撮影できませんでしたが、その代わりにジョウビタキの行動を観察し、美しい光の中でシロハラを撮影できました。
目当ての鳥を探す楽しさと、思いがけない鳥に出会う楽しさの両方があることが、国営武蔵丘陵森林公園で野鳥撮影を続ける魅力です。季節によって変化する林や水辺を歩きながら、次はどのような鳥に出会えるのかを楽しみにしたいと思います。



