EF15mm F2.8 フィッシュアイレビュー|180度魚眼・F2.8・使い方・中古選びを徹底解説
EF15mm F2.8 フィッシュアイは、キヤノンEFマウント初期の1987年に登場したフルサイズ対応の対角魚眼レンズです。焦点距離15mm、開放F2.8、対角180度という強烈な画角を持ち、一般的な超広角レンズでは作れない大きな湾曲と遠近感を写真表現として利用できます。
魚眼レンズというと「とにかく広く写る特殊レンズ」という印象を持たれがちですが、EF15mm F2.8 フィッシュアイの価値は単なる広さではありません。画面中央へ向かって吸い込まれるような遠近感、画面周辺で大きく曲がる直線、被写体へ接近したときの極端な大小差など、普通の広角レンズとは写真の作り方そのものが変わります。
さらに開放F2.8、最短撮影距離0.2m、約330gという構成は、後発のEF8-15mm F4L フィッシュアイ USMとは異なる魅力があります。全周魚眼は必要なく、フルサイズで画面いっぱいに対角魚眼を使いたい場合には、現在でも役割が明確な一本です。
この記事では、EF15mm F2.8 フィッシュアイの画角、魚眼特有の歪み、F2.8、近接撮影、風景・建築・人物・星景での使い方、APS-Cでの見え方、EOS Rシリーズで使う方法、EF8-15mm F4Lとの違い、中古で確認したいポイントまで詳しく解説します。
- EF15mm F2.8 フィッシュアイの基本スペック
- 15mm魚眼と普通の15mm超広角はまったく違う
- F2.8の明るさは星景や暗所で大きな特徴になる
- 最短撮影距離0.2mが魚眼表現を大きく変える
- 風景撮影でEF15mm F2.8 フィッシュアイを使う
- 建築撮影では歪みを隠すより表現として利用する
- 人物撮影では中心と周辺で顔の形が大きく変わる
- 星空・夜景では15mm F2.8を生かせる
- APS-CでEF15mm F2.8を使うと魚眼効果が弱くなる
- EOS RシリーズでもEF15mm F2.8を使える
- EF8-15mm F4L フィッシュアイ USMとの違い
- 中古EF15mm F2.8 フィッシュアイを選ぶポイント
- EF15mm F2.8 フィッシュアイが向いている人
- まとめ|EF15mm F2.8 フィッシュアイは対角180度をF2.8で楽しめる小型魚眼
EF15mm F2.8 フィッシュアイの基本スペック
| 項目 | EF15mm F2.8 フィッシュアイ |
|---|---|
| マウント | Canon EF |
| 対応フォーマット | フルサイズ |
| 焦点距離 | 15mm |
| 開放F値 | F2.8 |
| 最小絞り | F22 |
| レンズ構成 | 7群8枚 |
| 画角 | 対角180度 |
| 最短撮影距離 | 0.2m |
| AF | AFD |
| フィルター | 後部ゼラチンフィルターホルダー |
| 最大径×長さ | 約73×62.2mm |
| 質量 | 約330g |
レンズ構成は7群8枚、重さは約330g
EF15mm F2.8 フィッシュアイは7群8枚という比較的シンプルな光学構成です。元の記事ではレンズ構成が異なる数値になっていましたが、正しくは7群8枚です。
最大径は約73mm、長さは約62.2mm、質量は約330gで、フルサイズ用の特殊レンズとしてはかなり小型です。標準ズームに追加して持ち歩いても負担を増やしにくく、「魚眼を使うか分からないがバッグに入れておく」という運用もしやすいサイズです。
現在の大型Lズームと比較すると非常にコンパクトで、EF一眼レフだけでなくマウントアダプターを介したEOS Rシリーズでも扱いやすいレンズです。
キヤノンの単焦点レンズ全体から位置づけを確認する場合は、キヤノン単焦点レンズ完全ガイドも参考になります。
フルサイズでは対角180度を一枚に収める
EF15mm F2.8 フィッシュアイ最大の特徴は、フルサイズで対角方向180度という非常に広い範囲を写せることです。
「180度」といっても、写真全体が円形になる全周魚眼ではありません。EF15mm F2.8は対角魚眼なので、通常の長方形の写真いっぱいに像が広がり、その対角線方向で180度を写します。
左右上下すべてが180度になるわけではありませんが、一般的な超広角レンズとは比較にならないほど広い範囲を一枚へ取り込めます。
このため、撮影者自身の足、三脚の脚、カメラストラップなどが画面へ入り込むことがあります。通常の広角レンズ以上に、ファインダーや背面モニターの四隅まで確認する必要があります。
EF魚眼レンズ全体の違いについては、Canon EF魚眼レンズ完全ガイドで詳しく比較しています。
15mm魚眼と普通の15mm超広角はまったく違う
魚眼は直線を無理に直線として写さない
焦点距離15mmだけを見ると、一般的な超広角レンズと似ているように見えます。しかし魚眼レンズと通常の15mm超広角レンズでは、写真の作り方が根本的に違います。
一般的な超広角レンズは、建物の壁や柱、水平線などの直線を可能な限り直線として写そうとする設計です。このような投影は一般にレクティリニア方式と呼ばれます。
魚眼レンズは直線を直線のまま維持することより、極端に広い範囲を一枚へ取り込むことを優先します。その結果、画面中心から離れた直線ほど大きく湾曲します。
つまり、EF15mm F2.8 フィッシュアイの歪みは光学的な失敗ではありません。魚眼レンズでなければ得られない写真表現そのものです。
14mm・15mm魚眼・20mmというEF超広角単焦点の違いは、Canon EF超広角単焦点レンズ一覧で比較できます。
画面中心では意外なほど自然に見せられる
魚眼レンズは画面全体が均等に激しく歪むわけではありません。中心付近では直線の湾曲が比較的小さく、中心から離れるほど魚眼らしい変形が強くなります。
この性質を理解すると、EF15mm F2.8 フィッシュアイは単なる奇抜なレンズではなくなります。
人物の顔を中央へ配置すれば、顔そのものの変形を抑えながら周囲の背景だけを大きく湾曲させることができます。逆に顔を画面端へ置けば、輪郭や身体を意図的に大きく変形させた写真になります。
水平線も中央へ置けば比較的まっすぐ見せることができます。上や下へずらすほど大きく弧を描くため、同じ場所でもカメラの向きを少し変えるだけで写真の印象が大きく変わります。
魚眼独特の構図を理解するには、EF魚眼レンズの撮影方法と構図も参考になります。
F2.8の明るさは星景や暗所で大きな特徴になる
EF8-15mm F4Lより一段明るいF2.8
EF15mm F2.8 フィッシュアイは開放F2.8です。後発のEF8-15mm F4L フィッシュアイ USMはF4なので、一段明るいことになります。
同じISO感度なら、F2.8ではF4より一段速いシャッタースピードを使えます。逆に同じシャッタースピードならISO感度を一段下げられます。
日中の風景撮影ではF5.6やF8まで絞る場合も多いため、この差が重要にならない場面もあります。しかし星空、夜景、暗い室内、イベントなどではF2.8に意味があります。
特に星景ではシャッタースピードを遅くしすぎると星が流れて写るため、開放F値の明るさは重要です。15mmの広大な画角とF2.8を組み合わせ、空全体を包み込むような星景を撮影できます。
F値とシャッタースピード、ISO感度の関係は、F値と写真表現の関係でも詳しく解説しています。
15mmでも近づけば背景をぼかせる
15mm魚眼は非常に被写界深度が深いため、一般的には背景をぼかすレンズという印象はありません。しかし、最短撮影距離0.2mまで被写体へ近づき、F2.8を使えば背景をぼかすことは可能です。
この場合、普通の50mmや85mmのように背景だけを柔らかく溶かす写真にはなりません。
被写体を画面中央で極端に大きくしながら、背景には非常に広い範囲を残し、その背景だけが少しぼけるという魚眼独特の写真になります。
花、植物、模型、小物、ペットなどへ思い切って近づくと、魚眼レンズらしい遠近感とF2.8の効果を同時に利用できます。
単焦点レンズでボケを作る考え方は、キヤノン単焦点レンズ完全ガイドでも詳しく紹介しています。
最短撮影距離0.2mが魚眼表現を大きく変える
被写体へ近づくほど遠近感が極端になる
EF15mm F2.8 フィッシュアイの最短撮影距離は0.2mです。この0.2mはレンズ先端からではなく、カメラの撮像面から被写体までの距離です。
実際には前玉を被写体へかなり近づけて撮影できます。
魚眼レンズでは、被写体へ近づくほど手前と奥の大きさの差が極端になります。小さな花へ接近すると花だけを大きく見せながら、その背後に空や建物、地面まで広く取り込めます。
人物なら手や靴をレンズへ近づけて巨大に見せ、身体や背景を急激に小さく見せるような写真も作れます。
遠くから風景全体を撮るだけでは魚眼の面白さを十分に生かし切れません。被写体へ近づくことが、EF15mm F2.8を使いこなす重要なポイントです。
EF魚眼の近接表現については、Canon EF魚眼レンズ完全ガイドでも解説しています。
前玉が大きく張り出しているので接触に注意する
魚眼レンズは極端に広い画角を得るため、前玉が前方へ大きく膨らんだ形状になっています。
EF15mm F2.8 フィッシュアイも一般的なレンズのように前面へ保護フィルターを装着する構造ではありません。撮影時には前玉がむき出しに近い状態になるため、壁、枝、机、被写体などへの接触には注意が必要です。
特に最短撮影距離付近まで寄る場合、ファインダーだけを見ながらカメラを前へ出すと、想像以上にレンズが被写体へ近づいている場合があります。
中古品では、この張り出した前玉に傷がないかを優先して確認したいところです。小さな外装傷より、前玉の深い傷やコーティングの異常の方が撮影への影響を考える必要があります。
特殊なEFレンズを中古で探す場合は、キヤノン大全から同世代のEFレンズも確認できます。
風景撮影でEF15mm F2.8 フィッシュアイを使う
水平線を中央へ置くか曲げるかで写真が変わる
風景撮影では、水平線の位置が魚眼写真の印象を大きく左右します。
水平線を画面中央付近へ置けば湾曲を比較的抑えられ、広い空と地面を自然に近い形で収められます。魚眼で撮影したことを意識させながらも、極端すぎない風景になります。
水平線を画面上部へ移動すると下方向へ大きく湾曲し、逆に下部へ移動すると上方向へ弧を描きます。
この湾曲を利用すれば、地球そのものが丸く見えるような写真や、空が風景全体を包み込むような写真を作れます。
魚眼では「歪ませない」ことだけを考えるより、どの線をどの方向へ曲げたいのかを考えて構図を作る方がレンズの特徴を生かせます。
魚眼と一般的な超広角レンズの違いは、EF超広角単焦点レンズの違いと選び方でも確認できます。
空を大きく入れる構図と相性がいい
EF15mm F2.8 フィッシュアイでは、通常の広角レンズよりはるかに広い空を一枚へ取り込めます。
雲が放射状に広がっている日、夕焼け、天の川、桜の木を見上げる構図、森林の中から空を見上げる構図などでは、魚眼の広い画角が効果的です。
カメラを真上へ向け、周囲の木や建物を画面四辺から中心へ向かわせると、画面中央へ視線が集まる構図を作れます。
広角レンズでは単に多くの情報が入って散漫になりやすい場面でも、魚眼の湾曲を利用して周囲の線を一方向へまとめることで、強い視線誘導を作れます。
EF15mmを含む魚眼レンズの作例的な使い方は、EF魚眼レンズ完全ガイドも参考になります。
建築撮影では歪みを隠すより表現として利用する
建物の直線を大きく湾曲させて迫力を作る
一般的な建築写真では柱や壁をできるだけ直線として写すことが求められます。その用途だけを考えると、魚眼レンズは適していません。
しかし、建築物を記録するのではなく、造形そのものを強調する表現ならEF15mm F2.8は非常に強力です。
高層ビルの間から真上を向けば、複数の建物が画面中央へ向かって倒れ込むように写ります。階段や廊下を低い位置から撮れば、近くの部分が極端に広がり、遠くの部分が急激に小さくなります。
ドーム、トンネル、螺旋階段、橋、駅舎など、もともと曲線や放射状の構造を持つ建築物では魚眼の湾曲と形が重なり、通常の超広角とは大きく異なる写真になります。
建築と魚眼表現の違いを含めて超広角レンズを選ぶ場合は、Canon EF超広角単焦点レンズ一覧が参考になります。
狭い室内を写せるが不動産記録とは用途が違う
対角180度の画角があるため、狭い室内でも非常に広い範囲を一枚へ収められます。
部屋の隅から撮れば、壁、床、天井、家具まで一度に写し込めます。そのため、ライブハウス、車内、小さな店舗、狭い作業スペースなどを印象的に見せる用途には適しています。
一方、不動産物件の室内を形状どおり正確に見せたい場合には魚眼の湾曲が強すぎます。広いからという理由だけで魚眼を選ぶと、実際の部屋とは大きく異なる印象になります。
空間を正確に記録したいのか、空間を大胆に表現したいのかで使い分ける必要があります。
魚眼と通常の超広角の違いについては、EF魚眼レンズ完全ガイドで整理しています。
人物撮影では中心と周辺で顔の形が大きく変わる
人物を中央へ置けば魚眼でも顔の変形を抑えやすい
魚眼レンズで人物を撮ると、必ず顔が極端に変形するわけではありません。
人物の顔を画面中央付近へ置き、ある程度距離を取れば、顔そのものは比較的自然に見せながら周囲だけを魚眼らしく曲げられます。
例えば人物を中央へ立たせ、背景の建物や木々を周辺へ配置すると、人物を中心として世界が包み込むような構図になります。
一方、顔を画面端へ移動すると輪郭が大きく引き伸ばされます。これは失敗として避けることもできますが、意図的なコミカル表現として利用することもできます。
一般的なポートレートレンズとは目的がまったく異なるため、自然な人物写真を撮るレンズとしてではなく、環境と人物を一体化した特殊表現用として考えると使いやすくなります。
通常の人物撮影に適した焦点距離は、Canonポートレートレンズガイドで比較できます。
顔へ近づくと鼻や手を極端に大きくできる
魚眼らしさを積極的に利用するなら、人物へ思い切って近づく方法があります。
顔へ近づけば鼻や額が大きく見え、手をレンズの前へ出してもらえば手だけを巨大にできます。足元へカメラを置けば靴が非常に大きく、上半身が急速に小さく見えます。
普通のポートレートでは避ける遠近感を、表現の中心として利用します。
ミュージシャン、スポーツ、スケートボード、ダンス、イベント、集合写真など、勢いや非日常感を出したい場面では魚眼の誇張表現が効果的です。
撮影者と被写体の距離によって写真が大きく変わるため、ズームで構図を整える感覚より、自分自身が前後へ動いて構図を作るレンズです。
単焦点レンズならではの撮影方法については、キヤノン単焦点レンズ完全ガイドも参考になります。
星空・夜景では15mm F2.8を生かせる
広い空と地上景を一枚へ入れやすい
EF15mm F2.8 フィッシュアイは、星空を非常に広く取り込めるレンズです。
一般的な14mmや16mmの超広角でも広大な星空を写せますが、魚眼では対角180度というさらに特殊な範囲を一枚へ収められます。
地平線付近から頭上まで星を大きく取り込み、地上の木、山、建物などを一緒に写す構図を作れます。
F2.8なので星を止めて写すためのシャッタースピードを確保しやすく、F4魚眼よりISO感度を抑えられる場面があります。
ただし画角が非常に広いため、街灯、車の光、月など意図しない強い光源も画面へ入りやすくなります。構図を決めるときは四隅まで確認する必要があります。
魚眼とF2.8の組み合わせについては、Canon EF魚眼レンズ完全ガイドでも詳しく紹介しています。
魚眼だから星が自動的に点で写るわけではない
15mmという短い焦点距離では、標準レンズや望遠レンズより長いシャッタースピードを使っても星の移動が目立ちにくくなります。
しかし、どれだけ長時間露光しても星が点のままになるわけではありません。地球が回転しているため、露光時間を延ばせば星は少しずつ線として写ります。
高画素機では拡大したときに星の流れが分かりやすくなるため、撮影した画像を確認しながらシャッタースピードを調整する必要があります。
F2.8を利用して必要な光量を確保し、ISO感度とシャッタースピードのバランスを取ることが重要です。
開放F値とISO、シャッタースピードの基本は、F値と明るさの関係で確認できます。
APS-CでEF15mm F2.8を使うと魚眼効果が弱くなる
EOS 7Dなどでは中央部分だけを使う
EF15mm F2.8 フィッシュアイはEFレンズなので、EFマウントのAPS-C一眼レフにも装着できます。
キヤノンAPS-Cでは画角が約1.6倍相当になるため、15mmはおおむね24mm相当の範囲を切り出すことになります。
ただし、普通の24mmレンズと同じ写りになるわけではありません。レンズそのものは魚眼なので、魚眼特有の投影と湾曲は残ります。
フルサイズで得られる対角180度の外周部分がAPS-Cセンサーでは切り落とされるため、魚眼らしい極端な湾曲は弱くなります。
EF15mm F2.8本来の対角魚眼表現を最大限に使いたいならフルサイズが適しています。APS-Cでは「魚眼の中央部分を切り出した特殊な超広角」と考えると理解しやすくなります。
EF15mmを含むEF魚眼のセンサーサイズによる違いは、EF魚眼レンズ完全ガイドで詳しく解説しています。
APS-Cだから焦点距離が24mmへ変わるわけではない
APS-Cへ装着してもレンズの焦点距離は15mmのままです。
「約24mm相当」という数字は、フルサイズカメラで24mm前後を使用したときに近い撮影範囲になるという画角換算です。
特に魚眼レンズの場合は投影方式そのものが一般的な広角レンズと異なるため、「15mm×1.6=普通の24mm」と単純に考えると写りを誤解しやすくなります。
フルサイズとAPS-Cの違いは、センサーがレンズの像のどこまでを記録するかにあります。
APS-Cでは中央部分だけを使用するため、EF15mmの最も特徴的な周辺部が切り取られます。
フルサイズ・APS-Cと焦点距離の関係を含めてキヤノン機材を探す場合は、キヤノン大全も参考になります。
EOS RシリーズでもEF15mm F2.8を使える
EF-EOS RアダプターでフルサイズEOS Rへ装着できる
EF15mm F2.8 フィッシュアイはEFマウントですが、マウントアダプターEF-EOS Rを使用すればEOS Rシリーズでも利用できます。
EOS R5、R6系、R8、RPなどのフルサイズEOS Rなら、フルサイズセンサーを使ってEF15mm本来の対角180度の魚眼表現を楽しめます。
通常のEF-EOS Rアダプターには焦点距離を変える光学系が入っていないため、15mm F2.8というレンズの基本特性は変わりません。
一眼レフ用の古いEFレンズでも、EOS RではEVFで露出を確認しながら撮影できるため、特殊な魚眼構図を作りやすい面もあります。
EFレンズをEOS Rシリーズで使う仕組みについては、EFレンズをEOS Rシリーズで使う方法で詳しく解説しています。
EOS R7やR10ではAPS-Cクロップになる
EOS R7やR10などAPS-CセンサーのEOS RシリーズへEF15mm F2.8を装着する場合も、EF-EOS Rアダプターを使用します。
この場合はAPS-Cセンサーなので、EF一眼レフのAPS-C機と同様にレンズの中央部分だけを記録します。
フルサイズEOS Rのような対角180度の魚眼にはならず、魚眼効果も弱くなります。
EOS R7でEF15mmを使うこと自体には意味がありますが、「EF15mm F2.8の本来の魚眼表現を使いたい」という目的なら、フルサイズEOS Rとの組み合わせが分かりやすくなります。
EOS RとEFレンズの互換性については、Canon RF・EF互換性ガイドも参考になります。
EF8-15mm F4L フィッシュアイ USMとの違い
EF15mm F2.8は対角魚眼専用の単焦点
EF15mm F2.8 フィッシュアイの後に登場したEF8-15mm F4L フィッシュアイ USMは、8mmから15mmをカバーする魚眼ズームです。
フルサイズでは8mm側で円形の全周魚眼、15mm側で画面いっぱいの対角魚眼を使い分けられます。
EF15mm F2.8は15mm固定なので、全周魚眼撮影はできません。
その代わり構造はシンプルで、最初から「対角魚眼だけを撮るレンズ」として迷わず使えます。
全周魚眼の円形画像まで必要ならEF8-15mm F4Lが必要です。普通の長方形画面いっぱいに魚眼効果を出せれば十分なら、EF15mm F2.8でも目的を満たせます。
2本の魚眼レンズの違いは、EF8-15mm F4LとEF15mm F2.8の比較で詳しく解説しています。
EF15mmはF2.8と約330gが大きな武器になる
EF8-15mm F4L フィッシュアイ USMはズーム、Lレンズ、USMといった機能を備えていますが、開放F値はF4です。
EF15mm F2.8は一段明るいF2.8で、質量も約330gです。
夜景や星景で明るさを優先する場合、また魚眼をサブレンズとして軽く持ち歩きたい場合にはEF15mmの特徴が生きます。
一方、AF機構は古く、EF8-15mmのUSMのような現代的な高速AFを期待するレンズではありません。
魚眼では被写界深度が深く、風景や建築で高速AFが必須になる場面は少ないため、用途次第では古いAF機構が大きな問題にならないこともあります。
Canon EF魚眼を用途別に選ぶ場合は、EF魚眼レンズ完全ガイドが参考になります。
中古EF15mm F2.8 フィッシュアイを選ぶポイント
最優先で前玉の傷とコーティングを確認する
EF15mm F2.8 フィッシュアイは発売から長い時間が経過しているため、中古では個体差があります。
最も確認したいのが張り出した前玉です。
普通のレンズのように保護フィルターを常用しにくい構造なので、使用中に前玉を物へ接触させた個体も考えられます。
細かなホコリ程度より、大きな傷、コーティングの剥がれ、カビ、クモリなどを確認します。
魚眼では強い光源が画面へ入りやすいため、前玉の状態が悪い個体ではフレアやコントラスト低下が目立つ可能性があります。
EFレンズを中古で探すときは、キヤノン大全から同世代のEFレンズも比較できます。
AF・絞り・フォーカスリングも実際に動かす
EF15mm F2.8は古いAFD方式を採用しているため、中古ではAFが正常に動くかを実際に確認したいところです。
近距離から遠距離までAFさせ、途中で止まる、異常音が出る、合焦できないといった症状がないかを確認します。
絞りも開放だけでなく絞った状態で撮影し、エラーが出ないかを見ます。
フォーカスリングの動き、マウント部分のガタ、電子接点の状態も確認します。
魚眼は遠景だけでなく0.2mまで寄れるため、近距離側でもAFやMFを試しておくと安心です。
EF単焦点全体の特徴を比較する場合は、キヤノン単焦点レンズ完全ガイドも参考になります。
専用キャップの有無も確認したい
魚眼レンズは前玉が張り出しているため、保管時のキャップは一般的なレンズ以上に重要です。
中古購入時には前後キャップがそろっているかを確認したいところです。
専用形状のキャップが欠品していると、保管中に前玉を傷つける危険が増えます。
レンズ本体が安くても、欠品部品を後から探すことになると手間や費用が増える場合があります。
また、後部にはゼラチンフィルターを使用するためのホルダーがあります。一般的なねじ込み式前面フィルターとは使い方が異なる点も理解しておきたいところです。
特殊なEFレンズを含めた機材選びは、キヤノン大全から確認できます。
EF15mm F2.8 フィッシュアイが向いている人
普通の超広角では得られない写真を撮りたい人に向く
EF15mm F2.8 フィッシュアイは、標準ズームの広角端を少し広くしたい人向けのレンズではありません。
直線が曲がること、手前が巨大になること、周辺部が大きく変形することを積極的に利用するためのレンズです。
風景、建築、星空、ライブ、スポーツ、ペット、人物、イベントなどを普通とは違う視点で撮りたい場合に価値があります。
一方、建物を正確な形で記録したい場合や、自然な人物写真だけを撮りたい場合には通常の超広角や標準レンズの方が使いやすくなります。
魚眼レンズは万能ではありませんが、他のレンズでは代用できない表現を一発で作れる点が最大の魅力です。
一般的な超広角との違いは、Canon EF超広角単焦点レンズ一覧で比較できます。
小型のF2.8対角魚眼を探している人には今も特徴がある
EF15mm F2.8 フィッシュアイは古いレンズですが、15mm F2.8、フルサイズ対角180度、約330gという組み合わせ自体には現在でも明確な特徴があります。
最新レンズのようなAF性能や補正機能を求めるレンズではありません。
しかし魚眼写真では、AF速度より画角、投影、被写体との距離、カメラの向きが写真へ与える影響の方が大きい場面があります。
全周魚眼は使わない、F4よりF2.8が欲しい、できるだけ小さく軽いEF魚眼を持ち歩きたいという条件なら、EF15mm F2.8の特徴は分かりやすくなります。
EF8-15mmを含めた選択については、Canon EF魚眼レンズ完全ガイドも参考になります。
まとめ|EF15mm F2.8 フィッシュアイは対角180度をF2.8で楽しめる小型魚眼
EF15mm F2.8 フィッシュアイは、焦点距離15mm、開放F2.8、フルサイズで対角180度をカバーするEFマウントの魚眼単焦点です。
レンズ構成は7群8枚、最短撮影距離0.2m、質量約330g。後発のEF8-15mm F4L フィッシュアイ USMのような全周魚眼やズーム機構はありませんが、F2.8の明るさと小型軽量という別の特徴を持っています。
風景では水平線を大きく曲げ、建築では柱や壁を放射状に配置し、人物では近距離から遠近感を誇張し、星景では対角180度の空を一枚へ取り込めます。
魚眼レンズを使うポイントは、歪みを欠点として消そうとしないことです。画面中心では比較的自然に見え、周辺へ行くほど湾曲が強くなる性質を理解し、どこを自然に残し、どこを大きく曲げるかを決めることで写真を作ります。
APS-Cへ装着すると中央部分だけが使われるため、本来の対角180度の魚眼効果は弱くなります。EF15mm F2.8の特徴を最大限に利用するなら、フルサイズEOS一眼レフ、またはEF-EOS Rアダプターを介したフルサイズEOS Rとの組み合わせが適しています。
中古では前玉の傷、カビやクモリ、AF、絞り、専用キャップの状態を確認したいところです。発売から長い年月が経過しているため、価格だけでなく個体状態を優先して選ぶ必要があります。
EF15mm F2.8 フィッシュアイは、普通のレンズで撮れる写真を少し広くするためのレンズではありません。普通のレンズでは作れない写真そのものを撮るための一本です。
EF15mm F2.8を含むEF魚眼レンズの比較は、Canon EF魚眼レンズ完全ガイド、キヤノンのカメラ・EF・RFレンズ全体はキヤノン大全から確認できます。



