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Sigma FP2の動画性能を徹底解説|6Kオープンゲート・ProRes RAW・4K撮影

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Sigma FP2の動画性能を徹底解説|6Kオープンゲート・ProRes RAW・4K撮影 ミラーレス

Sigma FP2の動画性能を徹底解説|6Kオープンゲート・ProRes RAW・4K撮影

Sigma FP2は、6Kオープンゲート撮影、12bitのApple ProRes RAW、4K高フレームレート撮影に対応したフルサイズミラーレスカメラです。2026年10月23日に正式発表され、11月11日の発売が予定されています。初代Sigma fpの小型・軽量設計と拡張性を受け継ぎながら、動画の解像度、記録形式、AF性能、撮影支援機能を大幅に強化したモデルです。

動画性能で特に注目したいのは、フルサイズセンサーの3:2領域を利用する6Kオープンゲート記録です。一般的な16:9の横長動画だけでなく、YouTube Shortsなどの縦動画や映画向けの横長映像を、同じ撮影素材から制作できます。さらにProRes RAWによる高度なカラーグレーディング、4K/119.88pのクロップ撮影、ライカのL-Log、最大14.1ストップのダイナミックレンジなど、映像制作を支える機能が充実しています。

一方、Sigma FP2の動画性能を正しく理解するには、記録形式ごとのフレームレート、6K撮影と電子式手ブレ補正の関係、RAW記録に必要な外付けSSDなど、実際の撮影条件を把握することが重要です。6K/59.94pと6K ProRes RAWは同じ記録条件ではなく、4K/119.88pにも撮影範囲の制約があります。この記事ではシグマの公式仕様を基に、6Kオープンゲート、ProRes RAW、4K撮影、映像画質、AF、音声収録、撮影機材の構成まで詳しく解説します。

  1. Sigma FP2の6Kオープンゲート撮影とは
    1. 6Kオープンゲートは3:2の撮影領域を活用する
    2. 横動画と縦動画を同じ素材から制作できる
    3. 6K撮影は編集時のトリミングにも活用できる
  2. Sigma FP2の6K・4K・2K動画とフレームレート
    1. 6K/59.94pは高解像度と滑らかな動きを両立する
    2. 4K/119.88pはDCクロップ撮影で利用できる
    3. 24p・30p・60p・120pの選び方
  3. ProRes RAW・L-Log・H.264・H.265の違い
    1. 12bit Apple ProRes RAWの特徴と記録条件
    2. L-Logと最大14.1ストップのダイナミックレンジ
    3. H.264とH.265は通常の動画制作で使いやすい
  4. 動画画質を支える部分積層型センサーとAF性能
    1. 部分積層型CMOSセンサーで読み出し性能を強化
    2. 人物・犬・猫・鳥の被写体認識AFに対応
    3. 6K撮影と電子式手ブレ補正の関係
  5. 本格的な映像制作に対応する撮影支援機能
    1. 波形モニター・ゼブラ・フォルスカラーで露出を確認
    2. 32bitフロート録音と外部音声機器
    3. ディレクターズビューファインダーとアナモフィック撮影
  6. 記録メディア・外部接続・長時間撮影の実用性
    1. 約70GBの内蔵ストレージと外付けSSDの使い分け
    2. 2つのUSB-C端子とフルサイズHDMIの役割
    3. 連続記録時間と外部給電を考える
  7. Sigma FP2の動画撮影におすすめの設定と活用方法
    1. YouTube動画とVlogに適した撮影設定
    2. 映画風の映像制作では6KとL-Logを活用する
    3. 野鳥・動物・スポーツ動画ではAFと高フレームレートを使い分ける
  8. まとめ

Sigma FP2の6Kオープンゲート撮影とは

Sigma FP2の動画機能を象徴するのが、6Kオープンゲート撮影です。通常の動画撮影ではセンサーの上下を切り取って16:9などの横長映像を記録しますが、オープンゲート撮影ではセンサーの縦方向も広く利用します。FP2ではフルサイズセンサーの3:2領域を活用し、撮影後の編集で異なる画面比率へ対応できる素材を制作できます。

6Kオープンゲートは3:2の撮影領域を活用する

オープンゲートとは、撮像センサーの広い領域を利用して映像を記録する方式です。一般的な16:9の動画では撮影段階で上下の情報が切り取られますが、3:2のオープンゲートでは縦方向の撮影範囲を広く残せます。Sigma FP2は有効約2450万画素の部分積層型フルサイズCMOSセンサーを搭載し、このセンサーを活用した最大6Kのオープンゲート記録に対応しています。

例えば、人物を画面中央に配置して撮影した場合、通常の16:9動画では人物の頭上や足元の余白が少なくなることがあります。3:2の素材なら上下方向の情報を残せるため、編集段階で人物の位置や余白を調整しやすくなります。画面の上部に文字を配置する動画や、被写体の移動に合わせて構図を変更する動画にも適した記録方式です。6Kオープンゲートの基本的な位置付けは、Sigma FP2完全ガイドでも紹介しています。

横動画と縦動画を同じ素材から制作できる

6Kオープンゲートの実用的な利点は、撮影後に複数のアスペクト比へ切り出せることです。YouTubeの通常動画では16:9、YouTube ShortsやInstagramリールでは9:16の縦長映像が一般的に使用されています。撮影時に3:2の素材を記録しておけば、編集ソフトでそれぞれの画面比率に合わせて構図を調整できます。

例えば、観光地の風景を撮影して通常のYouTube動画を制作し、同じ素材から短い縦動画を作成する使い方が考えられます。人物や建物などの主要被写体を中央付近へ配置すると、横長と縦長の両方へ切り出しやすくなります。縦動画では左右の広い範囲を切り取るため、撮影段階から縦方向の完成画面を意識した構図にすることが重要です。オープンゲートを使った複数形式の動画制作は、LUMIX S9完全ガイドでも解説しています。

6K撮影は編集時のトリミングにも活用できる

6Kで記録する利点は、オープンゲートによる画面比率の変更だけではありません。最終的に4K動画として書き出す場合、6K素材には完成映像の解像度を超える画素情報が含まれるため、編集段階で一部を切り出す余地が生まれます。人物の位置を調整したり、撮影時に広く写した風景から必要な範囲を選んだりする編集に利用できます。

動く人物を撮影した場合、編集画面の中で被写体を追うように切り出し位置を移動させる方法も有効です。固定したカメラで撮影した素材へ緩やかなズームやパンの動きを加えることもできます。トリミングによって利用できる画素数は減少するため、完成映像の解像度を考慮して切り出し範囲を決めます。6Kに対応する小型フルサイズ機の特徴は、SIGMA FP2・fp L・BFの比較記事でも整理しています。

Sigma FP2の6K・4K・2K動画とフレームレート

Sigma FP2は6K、4K、2Kの動画記録に対応し、撮影する解像度と記録形式に応じてフレームレートを選択できます。6Kでは最高59.94p、4KではDCクロップ時に最高119.88p、2Kでも最高119.88pに対応します。高解像度を重視する撮影と、動きの滑らかさやスローモーションを重視する撮影で、適切な設定を使い分けられます。

記録解像度 対応フレームレート 主な条件
6K 23.98、24、25、29.97、47.95、48、50、59.94p 電子式手ブレ補正は使用不可
4K 23.98、24、25、29.97、47.95、48、50、59.94p 通常の4K記録
4K DCクロップ 100、119.88pにも対応 撮影範囲が狭くなる
2K 23.98、24、25、29.97、47.95、48、50、59.94、100、119.88p 動画アスペクト比は16:9
6K ProRes RAW / RAW HQ 最高29.97p 外付けUSB SSDを使用
4K ProRes RAW / RAW HQ 最高59.94p 外付けUSB SSDを使用

シグマの仕様では47.95pはApple ProRes RAWおよびProRes RAW HQで利用するフレームレートであり、48pはH.264で使用できません。6K/59.94pに対応していても、その設定でProRes RAWを記録できるわけではありません。解像度だけでなく、フレームレートとコーデックの組み合わせを確認することが動画撮影の基本です。

6K/59.94pは高解像度と滑らかな動きを両立する

Sigma FP2は6Kで最高59.94pの動画記録に対応しています。一般的な23.98pや29.97pと比較すると、1秒間に記録する映像のコマ数が多いため、動きの速い被写体を滑らかに表現できます。歩く人物、走行する乗り物、水の流れ、スポーツなど、動きを重視する映像に適しています。

59.94pの素材を同程度のフレームレートで再生すれば滑らかな動画になり、29.97pのタイムラインで半分の速度にすれば約2倍のスローモーション素材として利用できます。6Kの高解像度素材を利用できるため、スローモーションと構図調整を組み合わせる制作にも対応します。記録形式によって選択できるフレームレートが変わる点は、撮影設定を決める際の重要な条件です。従来のfpシリーズとの動画性能の違いは、SIGMA FP2・fp L・BFの性能比較で確認できます。

4K/119.88pはDCクロップ撮影で利用できる

Sigma FP2の4K撮影では、通常の最高59.94pに加えて、DCクロップモードで100pと119.88pを選択できます。119.88pの映像を29.97pのタイムラインで再生すれば、約4倍のスローモーション表現が可能です。スポーツ、動物、水しぶき、髪の動きなど、肉眼では捉えにくい瞬間をゆっくり見せる映像に利用できます。

ここで重要なのは、4K/119.88pがフルサイズ全域での撮影ではないことです。DCクロップでは撮影範囲が約1.5倍相当の画角になるため、同じレンズを使用しても通常のフルサイズ撮影と比較して狭い範囲が写ります。例えば50mmレンズでは、フルサイズ換算で約75mm相当の画角として考えられます。動画の画角とレンズ選びの関係については、マイクロフォーサーズ・Xマウント・Lマウント比較でも解説しています。

24p・30p・60p・120pの選び方

24p前後のフレームレートは映画的な動きの表現に利用され、29.97pは一般的な動画制作で広く使われています。59.94pは動きの滑らかさを重視する撮影に適しており、119.88pはスローモーション素材を制作する場合に効果を発揮します。Sigma FP2では動画の完成形を先に決め、その目的に合わせてフレームレートと記録形式を選択する方法が合理的です。

例えば、人物へのインタビューなら23.98pや29.97pを基本とし、歩きながら紹介する動画では59.94pを選ぶ構成が考えられます。動物が飛び跳ねる瞬間や製品の動作をゆっくり見せたい場合には、4K DCクロップの119.88pが候補になります。高フレームレートでは1コマ当たりの露光時間も短くなりやすいため、照明や被写体の明るさも考慮して設定します。動く被写体と撮影設定の関係は、動物検出AFの仕組みとおすすめ設定でも紹介しています。

ProRes RAW・L-Log・H.264・H.265の違い

Sigma FP2の動画記録では、Apple ProRes RAW HQ、Apple ProRes RAW、H.264、H.265を利用できます。さらにライカが開発したL-Logに対応し、カラーグレーディングを前提とした映像制作にも適した構成です。撮影後の色調整をどこまで行うか、ファイルサイズをどの程度に抑えるか、どの編集ソフトを使用するかによって適した記録方式が変わります。

12bit Apple ProRes RAWの特徴と記録条件

Apple ProRes RAWは、撮像センサーから得られる画像情報をRAW形式で記録しながら、圧縮によってデータを扱いやすくする動画コーデックです。Sigma FP2は12bitのApple ProRes RAWとProRes RAW HQに対応し、撮影後の色調整や階調表現を重視した制作に利用できます。ProRes RAW HQは品質を重視する設定であり、通常のProRes RAWと比較して記録データ量が大きくなる方式です。

FP2でProRes RAWまたはProRes RAW HQを記録する場合は、USB-C接続の外付けSSDを使用します。約70GBの内蔵ストレージやSDカードが搭載されていても、ProRes RAWをそれらへ直接保存する運用には対応していません。また、ProRes RAWの記録上限は6Kで29.97p、4Kで59.94pとなっており、6K/59.94pとRAW収録を同時に選択することはできません。RAW動画を重視する場合の機材構成については、Sigma FP2の購入前に確認したい特徴と注意点でも整理しています。

L-Logと最大14.1ストップのダイナミックレンジ

Sigma FP2はライカ社のL-Logに対応しています。Log撮影は明るい部分から暗い部分までの階調情報を広く残し、編集段階でコントラストや色を調整するための撮影方式です。撮影直後の映像は低コントラストで淡い色に見えることがありますが、カラーグレーディングによって作品に適した明るさや色調へ仕上げます。

シグマが公表している最大14.1ストップのダイナミックレンジは、4KフルサイズのL-Log撮影時の数値です。メーカーはISO1250以上でハイライト側に7段分の余裕を確保する設計を説明しており、明暗差の大きい場面で階調を扱うための重要な特徴となっています。例えば、明るい窓と暗い室内が同時に写るインタビューや、強い日差しの下で撮影する風景動画では、明部と暗部のバランスを調整する編集に役立ちます。FP2の映像機能全体については、Sigma FP2完全ガイドでも解説しています。

H.264とH.265は通常の動画制作で使いやすい

Sigma FP2はH.264とH.265を使用したMOV動画記録にも対応しています。H.264は多くの編集ソフトや動画再生環境で扱われている圧縮方式であり、撮影から編集、公開までを一般的な環境で進めやすいことが特徴です。H.265は高い圧縮効率を持つ方式であり、同程度の画質を維持しながらデータ容量を抑えたい場合に利用できます。

例えば、撮影した動画を短時間で編集してYouTubeに公開する用途では、H.264やH.265を利用する構成が実用的です。色調整を重視した作品制作ではL-Logを組み合わせ、さらにRAW素材が必要な制作ではProRes RAWを選択する方法が考えられます。ProRes RAWは撮影から編集までの工程を含めて運用する形式であり、通常の圧縮動画とは保存容量や編集作業の負担が異なります。小型フルサイズカメラの記録方式の選び方は、LUMIX S9の動画機能の解説でも比較できます。

動画画質を支える部分積層型センサーとAF性能

Sigma FP2の動画性能は、6Kという解像度だけで決まるものではありません。映像の読み出し速度、ローリングシャッター歪み、オートフォーカス、手ブレ補正なども、実際の動画の完成度へ大きく関係します。FP2は約2450万画素の部分積層型CMOSセンサーと位相差・コントラスト検出方式のAFを組み合わせ、従来のfpシリーズから動画撮影時の対応力を高めています。

部分積層型CMOSセンサーで読み出し性能を強化

Sigma FP2は35.9×23.9mmの部分積層型フルサイズCMOSセンサーを搭載しています。部分積層型はセンサーの高速読み出しを実現するための構造であり、シグマは初代fpと比較してローリングシャッター歪みを大幅に低減したと説明しています。高速読み出しは、動きの速い被写体を撮影する動画や高フレームレート記録に関係する重要な性能です。

ローリングシャッター歪みは、画面の上部と下部を異なる時点で読み出すことによって発生します。カメラを素早く左右へ振った場合に建物の柱が斜めに写ったり、高速で移動する被写体の形が変形して見えたりする現象です。FP2の部分積層型センサーは、このような歪みを減らす方向で設計されており、動きのある映像を制作する際の特徴となっています。従来のfpシリーズとセンサー構造を比較したい場合は、SIGMA FP2・fp L・BFの画質とセンサーの違いが参考になります。

人物・犬・猫・鳥の被写体認識AFに対応

Sigma FP2は位相差検出方式とコントラスト検出方式を組み合わせたハイブリッドAFを採用しています。被写体認識では人物、犬、猫、鳥に対応し、瞳認識機能も搭載されています。動画撮影ではコンティニュアスAFや追尾AFを使用できるため、動いている被写体へピントを合わせながら撮影する構成が可能です。

例えば、人物がカメラに向かって歩く場面や、犬が動き回る場面では、撮影者が常に手動でピントを調整する負担を減らせます。鳥の撮影では被写体認識を利用して、小さく動く被写体の追尾を補助できます。撮影する鳥の大きさ、周囲の枝、背景との距離などによってAFの働き方が変わるため、被写体の位置を適切に指定する操作も重要です。鳥や動物の認識AFについては、動物検出AFとは?鳥・犬・猫を追尾する仕組みとおすすめ設定で詳しく紹介しています。

6K撮影と電子式手ブレ補正の関係

Sigma FP2には動画用の電子式手ブレ補正が搭載されています。電子式手ブレ補正は映像の撮影領域を利用して揺れを軽減する方式であり、歩行中の小さな振動や手持ち撮影時の揺れを抑えるために利用します。FP2では6K動画撮影と電子式手ブレ補正を併用できないため、6Kで撮影する場合は支持機材や撮影方法による安定化を考えます。

FP2はセンサーを動かす方式のボディ内光学式手ブレ補正を搭載していません。6Kオープンゲートを使う場合は三脚やジンバルを利用する方法が有効であり、手持ち撮影ではレンズ側の光学式手ブレ補正も選択材料になります。また、FP2はGyroflowに対応しているため、ジャイロ情報を利用した撮影後の手ブレ補正という選択肢も備えています。レンズとカメラの補正方式の関係については、ミラーレスマウントと手ブレ補正の違いでも説明しています。

本格的な映像制作に対応する撮影支援機能

Sigma FP2は小型フルサイズカメラでありながら、映画やドキュメンタリー制作を意識した撮影支援機能を搭載しています。露出確認用の波形モニター、ゼブラパターン、フォルスカラー表示、ディレクターズビューファインダー機能などを備え、撮影時に映像の状態を確認できます。撮影後のカラーグレーディングを重視する場合には、こうした撮影中の確認機能が重要な役割を果たします。

波形モニター・ゼブラ・フォルスカラーで露出を確認

Sigma FP2には輝度レベルを確認するための波形モニター、ヒストグラム、ゼブラパターン、フォルスカラー表示が搭載されています。波形モニターは画面内の明るさの分布を視覚的に確認するための機能であり、ゼブラパターンは設定した輝度条件に該当する領域を表示します。フォルスカラーは明るさを色分けして示す機能で、人物の顔や背景の露出を整理する際に役立ちます。

例えば、窓の近くで人物を撮影する場合、人物の顔へ適切な露出を合わせながら、窓の外の明るい部分がどの程度残っているかを確認できます。L-Logで撮影するときは、通常の完成映像と見え方が異なるため、映像の印象だけでなく輝度情報を使った確認が効果的です。複数のカットを同じ明るさの基準で収録すれば、編集段階で映像の色や露出を揃える作業も進めやすくなります。動画撮影の支援機能が充実したカメラの例は、ソニーCinema Line FX5の解説記事でも確認できます。

32bitフロート録音と外部音声機器

Sigma FP2は32bitフロート音声記録に対応しています。32bitフロート録音は広いダイナミックレンジを扱える音声記録方式であり、小さな音と大きな音の差が大きい場面での音声制作に活用できます。シグマの仕様では32bitフロートで4チャンネル96kHz、または2チャンネル192kHzの録音が可能です。

この機能を利用するには、別売のホットシューユニットHU-21を装着し、対応するパナソニック製DMW-XLR2またはDMW-DMS1を組み合わせます。カメラ本体の内蔵マイクだけで32bitフロート録音を使用する構成ではありません。人物へのインタビュー、ライブ演奏、周囲の音量が急激に変化する撮影などでは、音声入力機器と記録方式を組み合わせることが重要です。動画用アクセサリーと撮影システム全体の考え方は、Sigma FP2完全ガイドでも紹介しています。

ディレクターズビューファインダーとアナモフィック撮影

Sigma FP2にはディレクターズビューファインダー機能が搭載されています。この機能は映像制作で使用する各種シネマカメラの撮影範囲をシミュレーションし、レンズと画角の関係を確認するためのものです。FP2ではARRI ALEXA 35 XtremeやソニーVENICE 2、BURANOなどの機材に対応し、映像制作の事前確認にも利用できます。

アナモフィックレンズを使用する撮影では、圧縮された映像を適切な比率で表示するデスクイーズ機能にも対応しています。倍率は1.25倍、1.3倍、1.33倍、1.5倍、1.6倍、1.65倍、1.8倍、2.0倍から選択できます。一般的な写真用レンズでの動画撮影とは異なり、映画向けの横長画面や特殊なレンズを使う制作でも構図を確認できる点が特徴です。FP2の動画向け機能と初代fpの関係については、SIGMA FP2・fp L・BFの比較記事でも整理しています。

記録メディア・外部接続・長時間撮影の実用性

Sigma FP2の動画制作では、カメラ本体の性能に加えて記録メディアと外部接続の構成が重要です。FP2は約70GBの内蔵メモリー、UHS-II対応SDXCカード、USB 3.2接続のポータブルSSDに対応し、撮影内容に応じて保存先を選択できます。USB-C端子を2基、フルサイズHDMI端子を1基備えており、外部機器を組み合わせたシステム構築にも対応しています。

約70GBの内蔵ストレージと外付けSSDの使い分け

Sigma FP2には約70GBの内蔵ストレージが搭載されています。メモリーカードを使用しない撮影や、カードの空き容量が不足した場合の記録先として利用できることが特徴です。さらにUHS-II対応のSDXCカードスロットを備えるため、一般的な動画記録では用途に合わせてメディアを選べます。

ProRes RAWおよびProRes RAW HQを記録する場合には、USB 3.2接続の外付けSSDを使用します。RAW動画では記録データ量が大きくなるため、SSDの書き込み速度だけでなく容量の確保も重要です。撮影後の素材を編集用パソコンへ移動する場合、外付けSSDをそのまま接続できる構成はデータ管理の面でも便利です。RAW動画を使用する際の機材準備については、Sigma FP2は買ってはいけない?後悔する人の特徴でも扱っています。

2つのUSB-C端子とフルサイズHDMIの役割

Sigma FP2には機能の異なる2基のUSB-C端子が搭載されています。USB 2.0対応のポート1は専用電子ビューファインダー、オーディオ機器、ケーブルレリーズ、充電や給電に使用します。USB 3.2対応のポート2はストレージ接続、映像・音声関連の接続、充電や給電に対応し、外付けSSDを利用する動画撮影では重要な端子となります。

HDMI端子にはフルサイズのType A端子が採用され、仕様上はHDMI 2.1に対応しています。カメラを外部モニターへ接続する場合、ケーブルの接続方法や端子の保持方法も考慮する必要があります。また、FP2は3.5mm外部マイク入力を備え、同じ端子をタイムコード入力として使用する構成です。動画撮影時の外部機器接続と電源管理については、カメラのUSB給電とUSB充電の違いでも詳しく解説しています。

連続記録時間と外部給電を考える

Sigma FP2の公式仕様では動画の連続記録時間は最長2時間です。また、付属のBP-91バッテリーを使用した連続動画撮影可能時間は約130分とされています。前者は動画記録の時間上限、後者は電源としてのバッテリー持続時間を示す数値であり、それぞれ意味が異なります。

長時間のインタビューや定点撮影では、保存容量と電源の両方を確保することが重要です。FP2はUSB PD給電に対応しており、シグマは27W以上に対応するUSB ACアダプターを推奨しています。外部SSD、音声機器、モニターなどを接続する撮影では、ケーブルの配置や給電方法を含めて撮影システムを構成します。長時間撮影に必要な電源管理の基本は、カメラのUSB給電とUSB充電の違い|USB PD・モバイルバッテリー・長時間撮影でも確認できます。

Sigma FP2の動画撮影におすすめの設定と活用方法

Sigma FP2の動画機能は、すべてを最高解像度や最高フレームレートに設定することが目的ではありません。撮影する被写体、完成する動画の形式、編集環境に合わせて設定を組み合わせることで、6KオープンゲートやProRes RAWの特徴を生かせます。通常のYouTube動画、縦動画、スローモーション、カラーグレーディングを重視する映像制作では、それぞれ適した設定が異なります。

YouTube動画とVlogに適した撮影設定

通常のYouTube動画を制作する場合、4K/29.97pまたは4K/59.94pを基本とする設定が考えられます。人物がカメラに向かって話す場面や固定撮影では29.97p、動きの多い場面では59.94pを利用すると、映像の目的に応じた仕上がりを作れます。撮影後に大きな色調整を行わない場合は、H.264やH.265を利用する構成が扱いやすいでしょう。

Vlogではカメラを手に持つ機会が多くなるため、手ブレ補正と画角の関係が重要です。FP2は6K撮影中に電子式手ブレ補正を使えないため、手持ち撮影を中心にする場合は4K記録と電子式手ブレ補正を組み合わせる方法が候補になります。さらに小型のLマウントレンズを選ぶことで、カメラ本体の携帯性を生かせます。小型フルサイズ機と動画撮影の関係については、LUMIX S9完全ガイドでも紹介しています。

映画風の映像制作では6KとL-Logを活用する

映画的な雰囲気を持つ映像を制作する場合、23.98pや24pを使用し、被写体の動きを意識した撮影を行う方法が考えられます。6Kオープンゲートを使用すれば、撮影後に横長の映画的な画面比率へ編集でき、構図の調整にも余裕が生まれます。さらにL-Logで撮影すれば、カラーグレーディングによって作品全体の色調やコントラストを統一できます。

例えば、人物を自然光で撮影する短編映像では、明るい空と暗い背景が混在する場面をL-Logで記録し、編集段階で階調を調整する方法が考えられます。ProRes RAWを使う場合は6K/29.97p以下の設定と外付けSSDを組み合わせ、RAW素材を扱う編集環境を用意します。FP2の小型ボディは三脚やリグへ組み込む構成にも適しており、用途に合わせて撮影機材を増やせることが特徴です。小型フルサイズ機と本格的な動画制作の違いについては、Sigma FP2完全ガイドでも解説しています。

野鳥・動物・スポーツ動画ではAFと高フレームレートを使い分ける

野鳥や動物を撮影する場合、Sigma FP2の被写体認識AFと高フレームレート記録を組み合わせる方法が有効です。鳥の認識AFを利用して被写体へのピント合わせを補助しながら、4K/59.94pで動きの滑らかな映像を記録できます。羽ばたきや水浴びなどの瞬間をゆっくり見せたい場合は、4K DCクロップの119.88pが候補になります。

野鳥撮影では望遠レンズを使用するため、DCクロップによる画角の変化も撮影結果に関係します。例えば300mmレンズをDCクロップで使用すると、フルサイズ換算で約450mm相当の画角になり、遠くの鳥を大きく捉えやすくなります。被写体が素早く動く場合には画面内へ収める難しさも増えるため、AFの設定だけでなく三脚や雲台を利用した安定した追従操作が重要です。鳥の認識と追尾の基本については、動物検出AFとは?鳥・犬・猫を追尾する仕組みとおすすめ設定でも紹介しています。

まとめ

Sigma FP2は、6Kオープンゲート、12bit Apple ProRes RAW、最大4K/119.88pのクロップ撮影、L-Logなど、本格的な動画制作に対応する機能を小型フルサイズボディへ搭載したカメラです。3:2のオープンゲート記録によって横動画と縦動画を同じ素材から制作でき、6Kの高解像度を生かした構図調整にも対応します。さらに部分積層型センサー、位相差AF、鳥を含む被写体認識機能によって、動きのある映像への対応力も強化されています。

動画記録では6K/59.94pに対応する一方、ProRes RAWの6K記録は最高29.97pであり、外付けUSB SSDが必要です。4K/119.88pはDCクロップ撮影に限定され、6K撮影では電子式手ブレ補正を使用できません。また、最大14.1ストップのダイナミックレンジは4KフルサイズのL-Log撮影時の数値であり、32bitフロート録音には対応する別売アクセサリーが必要です。

Sigma FP2の動画性能を最大限に活用するためには、撮影する映像の目的を決め、解像度、フレームレート、コーデック、手ブレ補正、記録メディアを組み合わせることが重要です。日常的なYouTube動画では4KとH.264・H.265、本格的な映像制作では6KオープンゲートとL-Log、RAW素材を使う作品制作ではProRes RAWという使い分けが考えられます。小型ボディを中心に必要な機材を組み合わせられるSigma FP2は、手軽な動画撮影から高度なポストプロダクションまで、幅広い映像制作に対応するフルサイズカメラです。

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