今、カメラのキタムラで安いEFレンズを探したら?5,500円のEF35-135mm F4-5.6 USMを購入するとしたら
今、カメラのキタムラで安い中古レンズを探したら、どんなレンズが見つかるのでしょうか。新品の交換レンズは数万円から十数万円、Lレンズともなれば数十万円という製品も珍しくありません。一方、中古市場には数千円で販売されているキヤノンEFレンズが数多く存在します。安いレンズだから写りが悪いのでしょうか。それとも、古いという理由だけで価格が下がり、現在でも十分に撮影を楽しめるレンズが残っているのでしょうか。
2026年10月9日、カメラのキタムラで見つけたのが「キヤノン EF35-135mm F4-5.6 USM」です。中古ランクはB(並品)、販売価格は税込5,500円、送料は無料でした。1990年3月発売という、すでに36年以上前のレンズです。発売当時の価格は50,000円ですから、現在の中古販売価格はその約11%になっています。古い普及型ズームかと思いきや、実はキヤノンが初めてズームレンズにリアフォーカス方式を採用した、技術的にも重要な製品でした。
さらに興味深いのは、このレンズが現在のキヤノンのカメラでも使用できることです。EOS 5D Mark IIのようなフルサイズ一眼レフにも、2006年発売のEOS Kiss Digital XのようなAPS-C一眼レフにも装着できます。マウントアダプターを利用すればEOS Rシリーズでも使用可能です。ただし、フルサイズとAPS-Cでは画角が変わり、古いレンズならではの光学的な弱点もあります。5,500円という金額だけを見て便利な標準ズームだと考えると、実際の使い方が想像と異なる可能性があります。
今回は、カメラのキタムラで見つけたBランク5,500円のEF35-135mm F4-5.6 USMを、もし購入するとしたらどう楽しめるのかを考えます。発売当時の特徴、現在のレンズとの性能比較、中古商品の状態、APS-Cとフルサイズでの違い、野鳥や人物などの撮影用途まで詳しく検討します。実際に購入して撮影したレビューではなく、販売されている具体的な商品を題材に、古い交換レンズの現在の実用性を調べる企画です。
カメラのキタムラで見つけた5,500円の中古EFレンズ
EF35-135mm F4-5.6 USMがBランク5,500円で販売されていた
2026年10月9日に確認した商品は、カメラのキタムラの中古レンズ「キヤノン EF35-135mm F4-5.6 USM」です。商品番号は2448760057946、取扱店舗は北海道の千歳・北栄店で、中古ランクはB(並品)となっています。販売価格は税込5,500円、送料は無料です。さらに商品ページにはクーポンによる値引きの案内もありますが、実際の割引金額は適用条件によって変わるため、この記事では表示価格の5,500円を基準にします。
| 項目 | 商品情報 |
|---|---|
| 商品名 | キヤノン EF35-135mm F4-5.6 USM |
| 商品番号 | 2448760057946 |
| 中古ランク | B(並品) |
| 販売価格 | 5,500円(税込) |
| 送料 | 無料 |
| 取扱店舗 | 千歳・北栄店 |
| 付属品 | レンズフロントキャップ、レンズリアキャップ |
| 確認日 | 2026年10月9日 |
交換レンズはカメラ本体と異なり、記録メディアやバッテリーを必要としません。対応するカメラをすでに所有していれば、追加する費用は基本的にレンズの購入代金だけです。そのため、5,500円という価格で撮影可能な焦点距離が増えるとしたら、比較的少ない負担で機材を追加できることになります。もちろん、EFレンズを直接装着できる一眼レフを所有している場合と、マウントアダプターが必要なEOS Rシリーズを使用している場合では、必要な費用が変わります。
今回のレンズは、標準から中望遠まで使えるズームとして1990年に発売されました。現在ではRF24-105mmやRF-S18-150mmなど、広角側が広く、手ブレ補正も備えた製品が存在します。それでも5,500円という中古価格なら、最新レンズと同じ性能を求めることとは違った楽しみ方が考えられます。古いEF標準ズームの種類や特徴については、Canon EF標準ズームレンズ一覧と選び方でも紹介しています。
Bランクでもレンズ内のゴミや薄い曇りが記載されている
中古レンズを購入するとしたら、価格と同じくらい気になるのが商品の状態です。今回の販売ページには「現状渡し」と記載され、外観の小さなスレやキズ、レンズ内部のゴミ、わずかな曇り、ラバー部分の変色などが説明されています。Bランクの商品でも、36年以上前のレンズだけに経年による使用感があることは想定しておきたいところです。特に光学系の内部状態については、見た目だけでなく、実際の撮影画像に影響するかどうかが重要になります。
レンズ内に小さなゴミがあるからといって、そのゴミが撮影画像に黒い点として直接写るわけではありません。撮像素子表面のゴミとは異なり、レンズ内部の小さな異物は、通常の撮影では目立たないことも多くあります。ただし、大きな異物がある場合や、内部の曇りが光学面に広がっている場合には、コントラストの低下や逆光時のフレアなどに影響する可能性があります。販売ページで撮影への影響がないと説明されている箇所があっても、完全に新品同様の光学性能が保証されているという意味ではありません。
さらに、レンズは光学部品であると同時に機械部品でもあります。EF35-135mm F4-5.6 USMにはズーム機構、AF駆動用のUSM、電子制御の絞り機構があり、これらが正常に動作して初めて撮影に使えます。内部のゴミや曇りは撮影条件によって目立たない場合もありますが、AFが動かなかったり絞りが正常に制御できなかったりすれば、使い道は大きく制限されます。中古で購入するなら、外観の傷よりも、こうした機構の状態が重要になります。
安価なEFレンズは、同じ製品名でも保存状態や使用歴によって個体差があります。今回の商品は現物を装着して試写したものではないため、5,500円で販売されている個体の実際の描写までは分かりません。古いレンズを使用する際のAFや光学性能については、EFマウント高倍率ズームレンズの選び方でも取り上げています。
3,500円のEOS Kiss Digital Xと組み合わせると合計9,000円
同じ2026年10月9日に、カメラのキタムラでは中古BランクのEOS Kiss Digital X ボディ シルバーが3,500円で販売されていました。今回のEF35-135mm F4-5.6 USMと組み合わせたらどうなるでしょうか。EOS Kiss Digital XはキヤノンEFマウントのAPS-Cデジタル一眼レフなので、このレンズを直接装着できます。マウントアダプターは不要です。ボディ3,500円とレンズ5,500円を合計すると、9,000円になります。
| 組み合わせ | 価格 |
|---|---|
| EOS Kiss Digital X ボディ | 3,500円 |
| EF35-135mm F4-5.6 USM | 5,500円 |
| カメラ+レンズ合計 | 9,000円 |
| CFカード4GBの販売例 | 2,899円 |
| CFカードを含む合計 | 11,899円 |
CFカードについては、2026年10月9日に楽天市場で4GB・2,899円、送料無料の商品を確認しています。このカードがEOS Kiss Digital Xで正常に動作することまでは確認できていないため、表の金額は購入を想定した費用の試算です。また、CFカードリーダーなどを別途購入する場合には、その費用が加わります。EOS Kiss Digital Xの掲載商品にはバッテリーと充電器が付属しているため、これらを追加購入しなくても済む構成になっています。
興味深いのは、カメラ本体よりレンズのほうが2,000円高いことです。どちらも新品当時は数万円する製品でしたが、現在の中古価格ではカメラ本体のほうが安くなっています。これはデジタルカメラの世代交代が非常に速い一方、レンズは撮像素子や画像処理エンジンを持たず、新しいボディでも使い続けられることが関係していると考えられます。
11,899円という試算で一眼レフの撮影環境を構築できるなら、現在の新品ミラーレスカメラとは大きく違う価格帯です。ただし、EOS Kiss Digital XとEF35-135mm F4-5.6 USMの組み合わせには、広角不足や手ブレ補正がないという特徴もあります。実際にどんな撮影ができるかは、焦点距離とカメラ性能を合わせて考える必要があります。EOS Kiss Digital Xについては、EOS Kiss デジタルXは今でも使える?で基本性能を紹介しています。
1990年発売のEF35-135mm F4-5.6 USMは当時どんなレンズだったのか
発売時価格50,000円、キヤノン初のリアフォーカス式ズーム
EF35-135mm F4-5.6 USMは1990年3月に発売されたレンズで、発売時価格は50,000円でした。キヤノンの公式資料では、広角から中望遠までをカバーする高倍率標準ズームとして紹介されています。35mmから135mmまでを約3.9倍のズーム比でカバーするだけでなく、キヤノンがズームレンズとして初めてリアフォーカス方式を採用した製品であることが、技術的な特徴です。
リアフォーカス方式は、絞りよりも後方に配置されたレンズ群を移動させてピントを合わせる仕組みです。従来のズームレンズでは、ピント合わせのために大きなレンズ群を動かす必要があり、駆動機構の小型化や高速化が課題でした。リアフォーカスでは比較的小さなレンズ群を動かせるため、AFの応答性やレンズ全体の設計自由度を高めることができます。キヤノンは、この製品の開発によってズームレンズのリアフォーカス技術が確立され、その後の多群ズーム、とりわけ望遠ズームの発展に貢献したと説明しています。
つまり、EF35-135mm F4-5.6 USMは単なる古い便利ズームではありません。キヤノンのEFレンズ開発において、新しいピント合わせの方式を実用化した歴史的な製品でもあります。現在ではインナーフォーカスやリアフォーカスを採用した交換レンズが数多く存在しますが、1990年当時はまだ技術開発の過程にありました。36年前のレンズを5,500円で購入するとしたら、このようなレンズ技術の歴史を実物で体験するという楽しみもあります。
EFマウントには、1987年の誕生から現在まで多くの光学技術が投入されてきました。リアフォーカスやUSMの採用によって、ピント合わせの速さだけでなく、レンズの大きさや操作性も変わっています。EFレンズの種類と世代による違いについては、Canon EF標準ズームレンズ一覧でも確認できます。
リングUSMと非球面レンズを採用した本格的な設計
EF35-135mm F4-5.6 USMは、AF駆動にリング型USMを採用しています。USMは超音波モーターを意味し、リング型はフォーカス機構を直接駆動する方式です。このレンズではフルタイムマニュアルフォーカスにも対応しており、AFでピントを合わせた後、フォーカスリングを操作してピント位置を微調整できます。現在の一部の安価なSTMレンズとは異なり、AF駆動を電子的に制御するだけでなく、機械的な操作感も残しています。
光学系には12群14枚のレンズが使われ、そのうち1枚にはガラスモールド非球面レンズを採用しています。非球面レンズは、球面レンズだけでは補正しにくい収差を改善しながら、光学系を小型化するための重要な技術です。キヤノンの公式資料では、この非球面レンズによって非点収差を補正し、シャープな描写とコンパクトな設計を目指したと説明されています。現在では比較的安価なレンズにも非球面レンズが使われていますが、1990年当時は製品の特徴として訴求できる技術でした。
| 項目 | EF35-135mm F4-5.6 USM |
|---|---|
| 発売年月 | 1990年3月 |
| 発売時価格 | 50,000円 |
| 対応マウント | キヤノンEF |
| 対応撮像範囲 | 35mmフルサイズ |
| 焦点距離 | 35〜135mm |
| 開放F値 | F4〜5.6 |
| レンズ構成 | 12群14枚 |
| 非球面レンズ | ガラスモールド非球面レンズ1枚 |
| 絞り羽根 | 5枚 |
| 最小絞り | F32 |
| 最短撮影距離 | 0.75m |
| 最大撮影倍率 | 0.15倍 |
| AF駆動 | リングUSM |
| フォーカス方式 | リアフォーカス |
| フルタイムMF | 対応 |
| 手ブレ補正 | なし |
| フィルター径 | 58mm |
| 最大径×長さ | 72×86.4mm |
| 重量 | 425g |
重量425gは、現在の小型標準ズームと比較すると特別に軽いわけではありません。しかし、リングUSMやリアフォーカス機構を備えた1990年の約3.9倍ズームとして考えると、コンパクトにまとめられた設計です。鏡筒の作りやズームリング、フォーカスリングの操作感など、現代のレンズとは異なる部分も楽しめそうです。ただし長年使用された中古レンズでは、製造時の性能を完全に維持しているとは限りません。
キヤノンのEFレンズにはリングUSM、マイクロUSM、STMなどさまざまなAF駆動方式があります。技術の違いと撮影への影響については、EF28-105mm F3.5-4.5 USMの特徴も比較対象になります。
当時の評判はAFの使いやすさと画質への評価が分かれる
EF35-135mm F4-5.6 USMを実際に使用した人の記録を見ると、現在でも撮影できることを評価する声がある一方、望遠側の開放画質や逆光でのコントラストに不満を持つ声もあります。2018年に公開された個人の使用記録では、望遠端135mmの開放描写は柔らかいものの、絞ることで改善すると報告されています。また、2022年にEOS 6Dとの組み合わせで試写した記録でも、画面の中央付近は実用的である一方、周辺の描写や望遠端の周辺光量には改善の余地があると評価されています。
これらは発売当時の雑誌レビューではなく、発売から長期間経過したレンズを使用した人の評価です。個体状態や撮影条件によっても結果は変わりますが、現在使う場合の参考になります。特に、リングUSMによるAFの使い勝手はこのレンズの特徴として挙げられており、1990年のズームレンズとしては意欲的な設計だったことが分かります。一方、シャープネスや逆光耐性を最新の高性能レンズと同じ基準で比較すると、弱点が目立つ可能性があります。
今回の5,500円の商品については、販売ページにレンズ内部のゴミやわずかな曇りが記載されています。したがって、過去のレビューで良好な画質が報告されていたとしても、その結果が今回の個体でも得られるとは限りません。新品当時の光学性能、発売後の使用者による評価、現在販売されている中古個体の状態は、それぞれ分けて考える必要があります。
古いEFレンズには、開放ではやや柔らかく、F8付近まで絞ると解像感が改善するタイプの製品もあります。どの絞り値で良い結果が得られるかを実際に比較すること自体が、中古レンズを使用する楽しみの一つです。同じ焦点域を持つ後年の製品については、EF28-135mm F3.5-5.6 IS USMレビューも参考になります。
APS-CとフルサイズではEF35-135mmの使い方が大きく変わる
EOS Kiss Digital Xでは換算56〜216mm相当になる
EF35-135mm F4-5.6 USMは、35mmフルサイズに対応したEFレンズです。そのため、APS-CのEOS Kiss Digital Xでも使用できます。ただし、キヤノンのAPS-Cでは撮像素子がフルサイズより小さいため、35mm判換算の画角は焦点距離の約1.6倍相当になります。35mm側は約56mm相当、135mm側は約216mm相当です。フルサイズでは広角から中望遠のズームとして使われていたレンズが、APS-Cでは標準から望遠のズームへと性格を変えます。
ここで特に重要なのが広角側です。1990年当時の35mmフィルム一眼レフでは、焦点距離35mmは広角として利用されていました。しかしEOS Kiss Digital Xでは56mm相当になるため、広い風景や室内全体を撮影するには画角が狭くなります。建物の前で集合写真を撮りたい場合や、大きな景色を一枚に収めたい場合には、後ろへ下がる必要があります。移動できる場所なら対応できますが、壁や障害物がある室内では難しいこともあります。
一方、望遠端が約216mm相当になることは、人物や少し離れた被写体を撮るうえで利点です。公園で花を撮る、離れた位置から人物を撮る、街の中にある看板や建物の一部分を切り取るといった撮影なら、この画角を利用できます。遠くの鳥をある程度大きく写すこともできますが、野鳥用の超望遠レンズほどの倍率はありません。
カメラ本体とレンズの相性は、単純にマウントが合うかどうかだけで決まりません。焦点距離が変わらなくても、撮像素子の大きさによって写る範囲が変わるからです。APS-C用レンズとEFレンズの使い分けは、EOS Kiss Digital Xのレンズ選びでも詳しく考えられるテーマです。
EOS 5D Mark IIなら35mmから135mmまで本来の画角で使える
フルサイズ一眼レフのEOS 5D Mark IIへ装着すると、EF35-135mm F4-5.6 USMは35mmから135mmまでをそのままの画角で使用できます。35mmでは街並みや日常の風景を撮り、50mm付近では標準レンズとして自然な構図を作り、85mmから135mmでは人物や遠くの被写体を大きく写せます。APS-Cでは不足する広角域が使えるため、レンズが本来想定していた標準ズームとしての特徴を生かしやすくなります。
EOS 5D Mark IIは2008年発売なので、1990年発売のEF35-135mmとは18年の世代差があります。それでもEFマウントの基本的な互換性によって、同じレンズを使用できます。EFマウントが長期間維持されてきたことは、中古レンズを楽しむうえで非常に大きな利点です。EOS 5D Mark IIの約2,110万画素という解像力では、古いレンズの周辺画質や開放描写の特徴も見えやすくなります。最新の高性能ズームと同じ均一な解像感を期待するより、焦点距離や絞りによる描写の変化を比べる使い方が考えられます。
ただし、EOS 5D Mark IIにはボディ内手振れ補正がなく、EF35-135mm F4-5.6 USMにもレンズ内手ブレ補正は搭載されていません。望遠端135mmで手持ち撮影するときは、シャッタースピードを十分に確保する必要があります。手ブレを抑える目安として1/160秒や1/250秒程度から考え、撮影姿勢や被写体の動きに合わせて調整する方法があります。F5.6という望遠側の開放F値も、薄暗い場所では制約になります。
一方で、晴れた日のスナップや旅行写真なら、F8程度へ絞って十分なシャッタースピードを確保できる場面も多くあります。35mmから135mmという焦点距離を一本で使えるので、古いフルサイズ一眼レフで気軽に撮り歩く用途には合っています。EOS 5D Mark IIを現在使う魅力は、EOS 5D Mark IIを今あえて使う理由でも紹介しています。
EOS Rシリーズではマウントアダプターが必要になる
EOS R5、EOS R6、EOS R7、EOS R50などのRFマウント機へEF35-135mm F4-5.6 USMを装着する場合には、マウントアダプターEF-EOS Rが必要です。EFレンズは一眼レフ用に設計されているため、RFマウントのボディへ直接装着することはできません。アダプターを介して電子接点を接続することで、AFや絞り制御を利用できます。
フルサイズのEOS R5などでは35〜135mmの画角を使用でき、APS-CのEOS R7やR50では換算約56〜216mm相当になります。撮像素子による画角の違いは一眼レフと同じですが、AFの仕組みは変わります。EOS Rシリーズには撮像素子を使ったAFや被写体検出機能があり、古いEFレンズでもカメラ側のAF機能を利用できます。ただし、レンズ側の駆動性能は1990年のリングUSMによって決まるため、最新RFレンズと同じ速度や追従性能を期待するものではありません。
また、マウントアダプターを追加すれば、レンズ全体の長さと重量が増えます。EF35-135mmは425gなので、アダプターを含めた構成では500gを超えることになります。最新のRF24-105mm F4-7.1 IS STMは約395gなので、フルサイズEOS Rでは純正RFレンズのほうが軽く、さらにレンズ内手ブレ補正も使えます。5,500円の古いEFレンズが安いことは確かですが、アダプターを新たに購入する場合には、価格差が小さくなることも考えられます。
すでにEF-EOS Rアダプターを所有しているなら、古いEFレンズを追加する負担は小さくなります。反対にアダプターを持っていない場合は、レンズ以外の費用も比較対象になります。EFレンズをEOS Rシリーズで使用する仕組みや特徴については、EOS RでEFレンズを使う方法で詳しく解説しています。
最新の標準ズームと比較すると何が違うのか
RF24-105mm F4-7.1 IS STMは広角と手ブレ補正で有利
フルサイズEOS RシリーズでEF35-135mm F4-5.6 USMと比較するなら、RF24-105mm F4-7.1 IS STMが分かりやすい製品です。RF24-105mmは2020年発売の比較的新しい標準ズームで、24mmから105mmまでをカバーし、光学式手ブレ補正ISとSTMによるAF駆動を備えています。重量は約395gで、36年前のEF35-135mmより約30g軽くなっています。レンズ内手ブレ補正を持たない古いEFズームとの違いは大きく、特に手持ち撮影のしやすさでは現代のレンズに利点があります。
| 項目 | EF35-135mm USM | RF24-105mm STM |
|---|---|---|
| 発売年 | 1990年 | 2020年 |
| 焦点距離 | 35〜135mm | 24〜105mm |
| 開放F値 | F4〜5.6 | F4〜7.1 |
| AF駆動 | リングUSM | STM |
| 手ブレ補正 | なし | あり |
| 最短撮影距離 | 0.75m | AF時最短0.2m |
| 最大撮影倍率 | 0.15倍 | AF時最大0.4倍 |
| 重量 | 425g | 395g |
| EOS Rへの装着 | アダプター必要 | 直接装着 |
24mmと35mmでは、広角側の画角に大きな差があります。室内、建物、旅行先の風景などを一枚へ収めたい場合には24mmのほうが便利です。また、近接撮影性能もRF24-105mmが有利で、料理や小物、花などを大きく撮影する場合には、最短撮影距離0.75mのEF35-135mmより撮影の自由度があります。一方、EF35-135mmは望遠端が135mmまで伸び、F5.6を使用できるため、105mm F7.1のRFレンズとは異なる特徴を持っています。
両者は焦点距離も設計年代も異なるため、同じレンズを単純に新旧で置き換えた関係ではありません。古いEFレンズの魅力は、少ない費用で現在も使用できる点と、最新のRFレンズとは異なる描写や操作感を楽しめることです。EOS Rシリーズのレンズ構成を考えるうえでは、EF標準ズームレンズの比較も参考になります。
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMはAPS-Cで大きな差が出る
EOS R50やEOS R7などのAPS-Cミラーレスでは、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMが強力な比較対象になります。RF-S18-150mmは2022年発売で、APS-Cに最適化されたズームレンズです。35mm判換算約29〜240mm相当をカバーし、重量は約310g、レンズ内手ブレ補正も搭載しています。対してEF35-135mmをAPS-Cで使用すると換算56〜216mm相当で、重量は425gです。さらにEOS Rシリーズではマウントアダプターも必要になります。
最も大きな違いは広角側です。RF-S18-150mmなら、18mmで広い風景や室内を撮影できますが、EF35-135mmの35mm側では同じ範囲を写すことができません。望遠側ではRF-S18-150mmの150mmがわずかに長く、撮影可能な画角は全体として現代のRF-Sレンズのほうが広くなっています。また、最短撮影距離はRF-S18-150mmの広角側で0.17mと短く、近接撮影の自由度にも差があります。古いEFズームをAPS-C用の一本だけのレンズとして選ぶ場合には、この広角不足が大きな問題になります。
その一方、RF-S18-150mmはAPS-C用に設計されたレンズであり、EF35-135mmはフルサイズにも対応しています。EFレンズをEOS Kiss Digital XやEOS 5D Mark IIなど複数の一眼レフで使い分けたい場合には、EF35-135mmにも用途があります。また、価格が5,500円なら、広角レンズを別に所有している人が中望遠を追加するという考え方もできます。
現代のAPS-Cズームの使い勝手を基準にすると、EF35-135mmが不便な場面は少なくありません。しかし、古いレンズと現在のレンズでどれほど光学設計や機能が変化したのかを比較することも、この企画の目的です。RF-S18-150mmの特徴については、RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMの解説でも紹介しています。
EF28-135mm F3.5-5.6 IS USMと比べると手ブレ補正がない
同じEFマウントで焦点距離が近い製品には、1998年発売のEF28-135mm F3.5-5.6 IS USMがあります。こちらは28mmから135mmまでをカバーし、レンズ内手ブレ補正ISを搭載しています。重量は549gとEF35-135mmの425gより重いものの、広角側が28mmまで使えることと、約2段分の手ブレ補正を備えている点が大きな違いです。EOS 5D Mark IIのようなボディ内手振れ補正のない一眼レフでは、手持ち撮影の使い勝手に差が出ます。
EF35-135mmが登場した1990年には、交換レンズ用の光学式手ブレ補正はまだ一般的ではありませんでした。そのため、手ブレを防ぐにはシャッタースピードを速くするか、三脚などを使用する方法が中心でした。1998年のEF28-135mmではISが追加され、標準ズームでも手持ち撮影を安定させるという考え方が進んでいます。この8年間の変化を見るだけでも、EFレンズの機能が進化してきたことが分かります。
望遠端135mmで手持ち撮影する場合、十分な明るさがあれば手ブレ補正のないEF35-135mmでも撮影できます。しかし、夕方や屋内ではシャッタースピードが低下しやすく、F5.6の明るさも制約になります。EOS Kiss Digital Xのように高感度性能が限られたボディでは、さらに撮影条件を選ぶことになります。手ブレ補正のあるレンズは、こうした場合にシャッタースピードを下げやすくなる一方、動く人物や動物の被写体ブレを防ぐものではありません。
同じ135mmまで使える標準ズームでも、発売年代によって設計思想は変わります。EF35-135mmはリアフォーカスの技術を実用化したレンズであり、EF28-135mmは手ブレ補正を搭載した高倍率標準ズームです。後年のEFズームと比較すると、5,500円のレンズがどの時代の性能を持っているのかが分かりやすくなります。EF28-135mmについてはEF28-135mm F3.5-5.6 IS USMレビューでも詳しく取り上げています。
5,500円のEF35-135mmを今購入したら何を撮影できるか
人物・街歩き・風景では焦点距離を使い分けて楽しめる
EF35-135mm F4-5.6 USMを現在使うとしたら、最初に試してみたいのは人物や街歩きの撮影です。フルサイズなら35mmで周囲の景色を入れたスナップを撮り、50mm付近で自然な画角の写真を作り、85mmから135mmで人物や建物の一部分を切り取ることができます。レンズ交換をせずに焦点距離を変えられるため、一つの場所で異なる構図を作る楽しみがあります。APS-Cでは広角側が不足しますが、標準から望遠のレンズとして使えば、被写体を整理した写真を撮りやすくなります。
人物撮影では、135mm側を使って少し離れた位置から顔や上半身を写す方法が考えられます。F5.6なので、F1.8やF2.8の大口径レンズほど大きなボケは期待できませんが、望遠側で背景との距離を取ることで、人物を目立たせる構図は作れます。古い5枚羽根の絞りは、絞った際の背景の点光源の形状にも特徴が出る可能性があります。ボケがなめらかな円形になることを最優先した現代のレンズとは、異なる描写を楽しめそうです。
また、35mmから135mmの範囲を一つの被写体で撮り比べることもできます。例えば同じ人物をほぼ同じ大きさで写す場合、35mmでは近づいて撮り、135mmでは離れて撮る必要があります。その結果、背景の写る範囲や遠近感の印象が変わります。ズームレンズ一本で撮影距離と構図の関係を学べることは、古いレンズを使う楽しみの一つです。EOS 5D Mark IIと組み合わせれば、フルサイズでの35〜135mmという焦点域をそのまま体験できます。
同じEFレンズでも撮影距離と絞りを変えれば、写真の印象は大きく変わります。最新レンズと比べて周辺画質が弱い場合でも、主被写体の位置や絞りを調整することで、撮影の目的に合った写真を作れます。古いフルサイズ一眼レフを使った撮影については、EOS 5D Mark IIを今あえて使う理由も参考になります。
野鳥撮影は近くに止まった鳥なら狙えるが望遠不足になりやすい
野鳥撮影に使用する場合、EF35-135mm F4-5.6 USMの135mmという焦点距離は長いとはいえません。APS-CのEOS Kiss Digital Xでは換算約216mm相当になるため、近くの枝に止まった鳥や、大きなサギなどを撮影する用途には利用できます。一方、遠くの小鳥を大きく写すには望遠域が不足し、トリミングすると約1,010万画素の解像力では細部が失われやすくなります。現在の野鳥撮影で使われる400mm、500mm、600mmクラスのレンズとは、撮影できる距離や画面に占める鳥の大きさが異なります。
さらに、レンズには手ブレ補正がありません。EOS Kiss Digital XのようなAPS-C一眼レフでは、望遠端135mmで撮影するときに1/250秒程度以上を一つの目安とし、被写体の動きに応じてさらに速くする必要があります。止まっている鳥でも頭や体を細かく動かしているため、十分なシャッタースピードを確保したいところです。暗い林の中ではF5.6という開放F値が制約になり、ISO感度を上げると古いカメラのノイズが目立つ場合があります。
飛翔する野鳥の撮影は、さらに難しくなります。EOS Kiss Digital XのAFは9点で最高約3コマ/秒の連写なので、現在の被写体検出AFを搭載したミラーレスと比べれば、撮影者自身が鳥をAFフレーム内に捉え続ける必要があります。レンズのAFも1990年のリングUSMであり、高速で動く小鳥を追い続ける用途を前提に設計された最新望遠レンズとは異なります。飛んでいる鳥を撮影できないというわけではありませんが、撮影できる場面が限られます。
そのため、このレンズで野鳥を撮るなら、餌台や水飲み場など、鳥が現れる位置をある程度予測できる場所が向いています。定点で待ちながら近くへ来た鳥を撮る方法なら、焦点距離やAF性能の制約を小さくできます。本格的に離れた野鳥を撮るなら、EF75-300mmなどの長い望遠レンズが比較対象になります。焦点距離による撮影範囲の違いについては、Canon 75-300mmレンズ比較でも紹介しています。
周辺減光・解像力・逆光耐性を比較する楽しみがある
36年前のレンズを現在使うなら、光学的な特徴を調べること自体を楽しめそうです。EF35-135mm F4-5.6 USMは、現代の高性能ズームのように画面全体で均一な解像力を得ることを最優先した製品ではありません。過去の実写レビューでは、望遠端の開放描写が柔らかいことや、逆光時のコントラスト低下、焦点距離による歪曲収差などが指摘されています。一方、絞ることで画質が改善するという報告もあり、撮影条件によって評価が変わるレンズです。
周辺減光についても、フルサイズとAPS-Cで見え方が異なります。EF35-135mmはフルサイズ対応のレンズなので、APS-Cではレンズが作る像の中央部分を利用します。このため、フルサイズで目立つ画面最外周の周辺減光や解像力の低下を避けられる場合があります。ただし、APS-Cだから周辺減光が完全になくなるわけではありません。焦点距離や開放F値、撮影条件によっては周辺光量の差が残ります。
実際に使用するとしたら、35mm、70mm、135mmで同じ被写体を撮り、開放、F5.6、F8、F11などの絞り値を比較する方法が考えられます。画面中央と四隅の解像力を確認し、どの焦点距離で描写が変わるのかを調べます。また、逆光で樹木や建物を撮影し、ゴーストやフレアがどのように現れるかを見ることもできます。こうした比較は最新レンズとの優劣を決めるだけでなく、レンズの光学設計による個性を理解する材料になります。
一方、今回の中古商品にはレンズ内部のゴミや薄い曇りが記載されています。実際の写りに変化があったとしても、それが製品本来の光学性能によるものなのか、中古個体の状態によるものなのかを分けて考える必要があります。特に逆光時のコントラスト低下は、レンズの設計だけでなく内部の曇りによって悪化する場合があります。古いレンズの光学性能を調べるうえでは、個体状態の影響も大切です。比較対象となるEFレンズの描写については、EF28-135mm F3.5-5.6 IS USMの画質と弱点でも取り上げています。
まとめ
2026年10月9日、カメラのキタムラで見つけた中古Bランクの「EF35-135mm F4-5.6 USM」は税込5,500円、送料無料の商品でした。1990年3月発売、当時の価格は50,000円で、キヤノンが初めてズームレンズにリアフォーカス方式を採用した歴史的なレンズです。リングUSMによるAF、ガラスモールド非球面レンズ、35〜135mmの約3.9倍ズームを備え、当時のEFレンズ技術の発展を知るうえでも興味深い製品です。
今回の商品は、外観の小キズやスレ、レンズ内部のゴミ、わずかな曇りなどが記載されたBランク品です。レンズとしての設計は魅力的ですが、現在販売されている個体が発売時の光学性能を維持しているとは限りません。購入するとしたら、リングUSMの動作、ズームや絞りの状態、レンズ内部の状態などが実用性を左右します。価格が5,500円であることと、撮影時に正常に使えることは、別々に確認する項目です。
フルサイズ一眼レフなら35mmから135mmまでを標準ズームとして利用でき、風景、街歩き、人物など幅広い撮影を楽しめます。一方、APS-Cでは換算約56〜216mm相当になるため、広角域が不足する代わりに望遠側を利用しやすくなります。野鳥撮影については、近くに止まった鳥なら撮影対象になりますが、遠くの小鳥や飛翔する鳥には焦点距離やAFの制約があります。最新のRF-S18-150mmのようなレンズと比較すると、手ブレ補正、広角域、近接性能などに大きな差があります。
それでも、5,500円という価格から古いEFレンズの世界を楽しめることには意味があります。同じ日に3,500円で販売されていたEOS Kiss Digital Xと組み合わせれば、カメラとレンズで9,000円です。さらに記録媒体を加えると費用は増えますが、かつて数万円で販売されていた一眼レフと交換レンズを、現在では比較的少ない予算で組み合わせられます。1990年のレンズと2006年のデジタル一眼レフを使って、2026年に写真を撮るとしたらどうなるのか。最新カメラの性能だけを比較していては見えてこない、交換レンズの歴史と撮影の楽しみ方を考えられる組み合わせです。


