LP-E6NHは販売終了?後継LP-E6Pとの違い・対応機種・互換性を解説
キヤノンのLP-E6NHを予備バッテリーとして使っていると、「LP-E6NHは生産終了したのか」「これから買うならLP-E6Pなのか」「EOS R5やR6 Mark II、R7でもLP-E6Pを使えるのか」と気になるところです。
キヤノンオンラインショップではLP-E6NHが「販売終了」と表示されており、キヤノンはLP-E6PをLP-E6NHの後継機として案内しています。そのため、LP-E6系バッテリーの新しい中心はLP-E6Pへ移っています。ただし、キヤノン公式で確認できる表現は「販売終了」と「後継機」であり、「LP-E6NHの生産終了」という言葉だけを独立して確認する場合は、この違いを理解しておく必要があります。
LP-E6Pは2024年8月30日に発売されたバッテリーで、公称電圧7.2V、容量2130mAhです。容量自体はLP-E6NHと同じですが、EOS R5 Mark IIなど高い電力を必要とする新世代カメラへ対応するため、連続最大放電電流6.0Aに対応しています。単純に容量を増やしたバッテリーではなく、カメラへ供給できる電力を強化した後継モデルと考えると違いが分かりやすくなります。
互換性も広く、EOS R5、EOS R6 Mark II、EOS R6、EOS R7など既存のミラーレスだけでなく、EOS 5D Mark IV、5D Mark III、5D Mark II、6D Mark II、7D Mark II、90DなどLP-E6系を使う一眼レフでも使用できます。一方、EOS R5 Mark II、EOS R6 Mark III、EOS R6 Vのような新世代機ではLP-E6Pが標準バッテリーとなり、LP-E6NHやLP-E6Nを使用した場合には機能制限が生じます。
この記事では、LP-E6NHの販売終了とLP-E6Pへの移行、容量と放電性能の違い、EOS Rシリーズと一眼レフでの互換性、ファームウェア更新、充電器LC-E6の継続利用、新世代カメラで旧バッテリーを使った場合の制限まで詳しく整理します。
LP-E6NHは生産終了したのか
LP-E6NHからLP-E6Pへの移行を理解するには、最初に「販売終了」と「生産終了」を分けて考える必要があります。現在確認できるキヤノン公式情報では、LP-E6NHはオンラインショップで販売終了となり、LP-E6PはLP-E6NHの後継機として案内されています。この二つの事実から、今後のLP-E6系の中心がLP-E6Pへ移っていることが分かります。
キヤノンオンラインショップではLP-E6NHが販売終了
LP-E6NHは2020年7月30日に発売されたリチウムイオンバッテリーです。EOS R5やEOS R6の登場と同じ時期に投入され、その後EOS R6 Mark IIやEOS R7などでも標準的なバッテリーとして使用されてきました。
現在、キヤノンオンラインショップの商品ページにはLP-E6NHについて「販売終了」と表示されています。したがって、キヤノン公式ショップで新品LP-E6NHを通常の現行商品として購入する段階は終了しています。
ただし「販売終了」とメーカーの「生産終了」は言葉として同一ではありません。検索で「LP-E6NH 生産終了」と調べる場合、確認できる公式情報として重要なのは、LP-E6NHが公式ショップで販売終了となっていること、さらにLP-E6Pが公式に後継機と位置付けられていることです。
LP-E6PとLP-E6NHの基本的な違いは、LP-E6Pとは Canon純正バッテリーの特徴とLP-E6NHとの違いでも詳しく整理しています。
LP-E6PはLP-E6NHの公式な後継バッテリー
LP-E6Pは2024年8月30日に発売されました。キヤノンはアクセサリー情報でLP-E6Pを「LP-E6NHの後継機」と明記しています。LP-E6NHが販売終了となった後も、同じLP-E6系を使うカメラのための純正バッテリーがなくなるわけではなく、役割をLP-E6Pが引き継ぎます。
外形寸法はLP-E6NHとほぼ同じで、LP-E6系のバッテリー室へ装着できます。容量も2130mAhなので、数字だけを見るとLP-E6NHから大きく変わっていないように見えます。しかしLP-E6Pでは高性能化したカメラへ安定して電力を供給するため、放電能力が強化されています。
EOS R5 Mark IIがLP-E6Pを標準採用したことは、この世代交代を分かりやすく示しています。高画素センサー、高速読み出し、高速連写、動画、ネットワーク機能などを同時に動かす新しいカメラでは、容量だけでなく瞬間的・継続的に供給できる電力も重要になっています。
EOS R5 Mark IIでLP-E6PとLP-E6NHを使用した際の違いは、EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちは?LP-E6P・LP-E6NHの違いと長時間撮影の電源対策でも詳しく解説しています。
LP-E6PとLP-E6NHは容量が同じでも電力供給能力が違う
LP-E6PとLP-E6NHは、どちらも公称電圧7.2V、容量2130mAhです。充電時間もLC-E6を使用した場合は約3時間で、サイズも約38.4×21.0×56.8mmと共通しています。質量はLP-E6NHが約80g、LP-E6Pが約82gなので、携帯時に意識するほどの差ではありません。
大きな違いはLP-E6Pが連続最大放電電流6.0Aへ対応していることです。バッテリー容量を水槽の大きさに例えるなら、2130mAhは蓄えられる電力量に関係し、放電能力は必要なときにどれだけ大きな電力をカメラへ送り出せるかに関係します。
高速連写、画像処理、ネットワーク通信、高フレームレート動画、アクセサリーへの給電などを同時に行う新しいカメラでは、バッテリー残量があるだけでは足りず、必要な電力を安定して供給できることが重要です。このためEOS R5 Mark IIやEOS R6 Mark IIIでは、古いLP-E6系を装着できても機能が制限される場合があります。
EOS Rシリーズ全体の世代や各モデルの位置付けは、EOS Rシリーズ徹底解説|R1・R5・R6・R8 Mark IIの違いと選び方で確認できます。
LP-E6PはEOS R5・R6 Mark II・R6・R7で使える
LP-E6NHを使用してきたEOS Rシリーズでは、後継のLP-E6Pを利用できる機種が多くあります。ただし機種によってファームウェア更新の必要性や本体内充電への対応が異なります。新しいバッテリーを装着できることと、従来と同じ性能を完全に利用できることは分けて確認する必要があります。
EOS R5・R6 Mark II・R6・R7はファームウェア更新が重要
EOS R5、EOS R6 Mark II、EOS R6、EOS R7ではLP-E6Pを使用できます。キヤノンは、これらのカメラでLP-E6Pを使用する場合、対応ファームウェアへ更新することでLP-E6NH使用時と同じ連続撮影速度で撮影でき、カメラ本体内での充電にも対応すると案内しています。
つまり、LP-E6NHの販売終了後にLP-E6Pへ切り替えても、EOS R5やR7を買い替える必要はありません。対応ファームウェアを使用することで、新しい純正バッテリーを既存ボディへ引き継げます。
特にEOS R7は野鳥やスポーツで高速連写を利用する機会が多いため、連写速度に関する条件は重要です。LP-E6Pを装着しただけで判断せず、カメラ側のファームウェアがLP-E6Pへ対応しているかが実用上のポイントになります。
EOS R7の連写や基本性能については、EOS R7の性能と魅力|3250万画素・高速連写・4K60Pを徹底解説で詳しく紹介しています。
EOS RとEOS RaではLP-E6として動作する
初代EOS RとEOS RaでもLP-E6Pは使用可能です。ただし、キヤノンの案内ではLP-E6Pを装着した場合にLP-E6として動作し、カメラ本体内での充電には対応しません。
EOS RはLP-E6Nを標準的に使っていた初期のRFマウント機であり、その後登場したLP-E6NHやLP-E6Pを前提として設計された世代ではありません。そのため物理的に装着して撮影できても、新しいバッテリーが持つすべての機能を利用する形にはなりません。
この違いは「LP-E6P対応機種」という一覧だけを見ると見落としやすい部分です。同じLP-E6系のバッテリー室を持っていても、世代によって本体内充電、連写、電力管理の扱いが異なります。
初代EOS Rを含むEOS Rシステムの変化は、EOS Rシリーズ完全ガイド|現行機種・歴代モデル・RFマウントの選び方で詳しく整理しています。
EOS R6 Mark IIではLP-E6Pを新しい予備バッテリーとして共用できる
EOS R6 Mark IIはもともとLP-E6NHを使用するカメラですが、LP-E6Pにも対応しています。対応ファームウェアへ更新すると、LP-E6NH使用時と同じ連続撮影速度で利用でき、本体内充電にも対応します。
そのためEOS R6 Mark IIと、LP-E6Pを標準とするEOS R5 Mark IIやEOS R6 Mark IIIを複数所有する場合、LP-E6Pへ予備バッテリーをまとめやすくなります。カメラごとに別形式の予備電池を持つ必要が少なくなり、撮影現場で管理しやすくなります。
一方、手元のLP-E6NHが正常に使えている場合、EOS R6 Mark IIではそのまま使用できます。LP-E6NHが販売終了したことによって、所有中の正常なバッテリーが突然使えなくなるわけではありません。追加購入や交換が必要になった時点でLP-E6Pが後継候補になります。
EOS R6 Mark IIの基本設定や運用については、EOS R6 Mark IIのおすすめ設定 静止画と動画で迷わない基本と実践で紹介しています。
新世代EOSではLP-E6NHを使うと機能制限がある
LP-E6Pへの移行で重要なのが、新しいカメラほどLP-E6Pを前提に設計されていることです。LP-E6NHやLP-E6Nを装着できるモデルでも、Wi-Fi、連写、動画、アクセサリー、冷却機能などが制限されることがあります。バッテリーの形が同じだから完全互換と考えると、撮影現場で必要な機能が使えない可能性があります。
EOS R5 Mark IIではLP-E6Pが標準バッテリー
EOS R5 Mark IIにはLP-E6Pが標準バッテリーとして採用されています。LP-E6NHとLP-E6Nも装着して撮影できますが、機能制限があり、撮影可能枚数もLP-E6P使用時より少なくなります。
代表的な制限としてネットワーク機能があります。LP-E6NHやLP-E6Nを使用した場合、Wi-Fiや有線LANを利用できない条件があります。高速な画像転送やネットワーク撮影を前提とする運用では、単に撮影できるかだけで判断できません。
またEOS R5 Mark IIは約4500万画素、高速連写、8K動画など処理負荷の高い機能を備えています。この高性能化へ対応するためにLP-E6Pの放電性能が必要になっています。LP-E6NHを予備として残すことは可能ですが、R5 Mark IIの機能を広く使う場合はLP-E6Pが基準になります。
EOS R5 Mark IIの特徴や高性能化の内容は、EOS R5 Mark IIは買ってはいけない?後悔しやすい人と買う価値がある人で詳しく解説しています。
EOS R6 Mark IIIではWi-Fiや連写性能に制限が出る
EOS R6 Mark IIIもLP-E6Pを標準バッテリーとして使用します。LP-E6NHとLP-E6Nを装着することはできますが、Wi-Fiが使用できず、撮影可能枚数や連続撮影速度が低下する場合があります。古いLP-E6は使用できません。
さらにLP-E6NHやLP-E6Nを装着した状態では、バッテリー残量を1%単位で表示できず、バッテリーの登録機能も使用できません。形状が共通していて撮影自体が可能でも、電源管理までLP-E6Pと同じになるわけではありません。
EOS R6 Mark IIIは約3250万画素、高速連写、7K動画などを備え、R6 Mark IIより処理負荷が増えています。こうした新世代機では、旧バッテリーを緊急用や予備として残す使い方と、カメラの性能を制限なく使うバッテリーを分けて考える必要があります。
EOS R6 Mark IIIの性能については、EOS R6 Mark III徹底解説|3250万画素フルサイズと7K動画のスタンダード機で詳しく紹介しています。
EOS R6 Vでは冷却ファンやWi-Fiにも影響する
動画撮影を重視したEOS R6 VでもLP-E6Pが標準です。LP-E6NHとLP-E6Nは使用できますが、冷却ファン設定が使用できない、Wi-Fiが使用できない、一部アクセサリーが使用できないといった制限があります。また、旧バッテリーでは残量を最後まで使い切れない条件もあります。
EOS R6 Vは長時間動画、7K、4K120Pなど高負荷な動画撮影を想定したカメラです。冷却機能を含めてカメラ全体の消費電力が大きいため、バッテリーの放電性能がシステムの機能へ直接影響します。
写真中心の旧世代EOSでは「電池が入って撮影できれば使える」という感覚でも大きな問題になりにくい場面がありました。しかし動画機では、冷却、通信、アクセサリー給電、長時間記録が同時に関係するため、LP-E6Pを使用する意味がより大きくなります。
EOS R6 Vの動画機能や冷却構造については、EOS R6 Vは動画時代の本命か?フルサイズVシリーズで変わる撮影体験で詳しく紹介しています。
LP-E6Pは一眼レフでも使える
LP-E6Pは新しいEOS R専用バッテリーではありません。LP-E6系を採用してきた多くのEOS一眼レフでも使用できます。EOS Rシリーズへ移行した後も古い一眼レフを残している場合、一つのLP-E6Pを複数の世代で共用できる点は大きな特徴です。
EOS 5DシリーズでもLP-E6Pを使用できる
LP-E6PはEOS 5D Mark IV、EOS 5D Mark III、EOS 5D Mark II、EOS 5Ds、EOS 5Ds Rなどで使用できます。これらは長年LP-E6系を採用してきた代表的な一眼レフです。
特にEOS 5D Mark IIは初代LP-E6の時代に登場したカメラですが、現在のLP-E6Pまで同系統のバッテリーを利用できます。カメラ本体の世代は大きく離れていても、物理的なバッテリー規格が長期間維持されてきたことが分かります。
一眼レフでLP-E6Pを使っても、EOS R5 Mark IIのような新機能が追加されるわけではありません。古いカメラでは新しい放電性能を必要とする機能がないため、後継純正バッテリーとして使用する意味合いが中心になります。
EOS 5D Mark IIを現在使う場合の特徴については、EOS 5D Mark IIを今あえて使う理由|最新ミラーレスにはない撮影の楽しさで詳しく紹介しています。
EOS 6D・6D Mark IIでもLP-E6Pを共用できる
EOS 6DとEOS 6D Mark IIもLP-E6Pの使用可能機種に含まれています。6Dシリーズは比較的小型なフルサイズ一眼レフとして長く使われてきたため、EOS Rシリーズと併用しているユーザーも少なくありません。
たとえばEOS R6 Mark IIIをメイン機、EOS 6D Mark IIを予備機として持つ場合でも、LP-E6Pを両方へ使用できます。R6 Mark IIIではLP-E6Pの高い放電性能を利用し、6D Mark IIでは従来のLP-E6系バッテリーとして利用する形になります。
バッテリーを共通化できると、撮影旅行やイベントで予備電池の種類を減らせます。古いカメラを保有し続ける場合、LP-E6NHの販売終了を理由に専用の古いバッテリーを探し続ける必要はなく、LP-E6Pへ移行できます。
EOS 6D Mark IIの現在の実用性については、EOS 6D Mark IIレビュー|画質・AF・EFレンズとの相性・中古選びを詳しく解説で紹介しています。
EOS 7D系やEOS 90DなどAPS-C一眼レフにも対応する
LP-E6PはEOS 7D、EOS 7D Mark II、EOS 90D、EOS 80D、EOS 70D、EOS 60D、EOS 60Daでも使用できます。APS-C一眼レフでもLP-E6系は長く使われてきたため、野鳥や鉄道撮影で旧ボディを現役で使用している場合にも後継バッテリーを確保できます。
EOS 90Dは約3250万画素のAPS-Cセンサーと最高約10コマ/秒の連写を備える一眼レフで、EF・EF-Sレンズを直接使えることから現在も使い続けやすい機種です。LP-E6Pへ対応していることで、純正バッテリーの世代交代後も電源を確保できます。
EOS R7とEOS 90Dを併用している場合にもLP-E6Pを共通化できます。R7では対応ファームウェアによって連写速度や本体内充電へ対応し、90Dでは従来型のLP-E6系バッテリーとして使用できます。
EOS 90Dの性能については、Canon EOS 90Dは約3250万画素と10コマ/秒を両立したAPS-C一眼レフで詳しく紹介しています。
充電器LC-E6はLP-E6Pでもそのまま使える
バッテリーがLP-E6NHからLP-E6Pへ移行すると、充電器まで買い替える必要があるのか気になります。LP-E6Pは従来のLC-E6に対応しているため、LP-E6NHを使ってきた環境から充電器まで総入れ替えする必要はありません。一方、本体内USB充電についてはカメラの世代によって条件が異なります。
LC-E6はLP-E6P・LP-E6NH・LP-E6N・LP-E6を充電できる
キヤノンのバッテリーチャージャーLC-E6は、LP-E6P、LP-E6NH、LP-E6N、LP-E6に対応しています。LP-E6NHを使用していたときの純正充電器を、そのままLP-E6Pでも利用できます。
LP-E6PとLP-E6NHの充電時間は、LC-E6使用時で約3時間です。LP-E6とLP-E6Nは約2時間30分なので、新旧バッテリーによって充電時間は多少異なります。
複数世代のEOSを持っている場合、同じLC-E6で旧バッテリーと新しいLP-E6Pを充電できるため、充電環境を統一しやすくなります。長年キヤノン機を使ってきたユーザーにとって、バッテリー形状だけでなく充電器も継続利用できる点は実用上大きな意味があります。
LP-E6P採用機であるEOS R5 Mark IIの電源運用は、EOS R5 Mark IIのバッテリー持ちは?LP-E6P・LP-E6NHの違いと長時間撮影の電源対策でも詳しく整理しています。
カメラ本体内充電は機種とファームウェアで条件が変わる
LC-E6で外部充電できることと、カメラ本体内でUSB充電できることは別の条件です。EOS R5、R6 Mark II、R6、R7では、LP-E6P対応のファームウェアへ更新することで本体内充電に対応します。
一方、初代EOS RとEOS RaではLP-E6PをLP-E6として扱うため、本体内充電は利用できません。外部のLC-E6で充電してからカメラへ入れる運用になります。
複数のカメラを共用していると「同じバッテリーだから充電方法も同じ」と考えやすいですが、USB充電の対応はボディ側の電源制御にも依存します。旅行先でUSB充電だけを前提にする場合には、所有機種の対応状態を個別に確認する必要があります。
EOS R5でLP-E6Pを使用する場合の基本性能や世代差は、Canon EOS R5とは|4500万画素・高速連写・AF・8K動画を備えた高性能フルサイズミラーレスで確認できます。
LP-E6Pも消耗品なので劣化状態を確認する
LP-E6Pは充電式リチウムイオン電池で、仕様上の充放電回数は約500回です。これは500回で必ず使用不能になるという意味ではありませんが、充放電と時間経過によって容量や性能は徐々に低下します。
対応するEOSではバッテリー情報から劣化度を確認できます。撮影可能枚数が新品時より明らかに減った、寒い場所で急激に残量が減る、連写や動画で電源が安定しないといった症状がある場合は、バッテリー状態も確認対象になります。
長期間使わない場合、キヤノンは涼しく乾燥した場所へ保管し、長期保管時にはフル充電のままにせず50%程度を目安にするよう案内しています。また長期間放置すると過放電によって充電できなくなる可能性があるため、使わない予備バッテリーも定期的な状態確認が必要です。
高速連写では電源状態が撮影条件へ影響するため、EOS R6 Mark IIの連写設定|40コマ/秒・12コマ/秒・RAWバーストを使い分けるも関連して確認できます。
LP-E6NH販売終了後はどのバッテリーを使うのか
LP-E6NHの販売終了後も、LP-E6系を採用したカメラが使えなくなるわけではありません。所有しているLP-E6NHが正常なら対応機種で引き続き利用でき、追加や交換では後継のLP-E6Pへ移行できます。ただし新旧カメラで機能制限が異なるため、所有しているボディの組み合わせから考える必要があります。
手元のLP-E6NHは対応カメラで引き続き使える
LP-E6NHの公式販売が終了しても、バッテリー自体に使用期限が設定されて突然認識されなくなるわけではありません。EOS R5、R6 Mark II、R6、R7や対応一眼レフでは、正常なLP-E6NHをそのまま使用できます。
特にEOS R7やR6 Mark IIのようにLP-E6NHを前提として設計された世代では、既存バッテリーを処分してすべてLP-E6Pへ交換する必要はありません。撮影可能枚数や劣化状態を確認しながら使い、追加購入が必要になった際にLP-E6Pへ切り替える形で運用できます。
バッテリーは消耗品なので、新旧の型番以上に個体の劣化状態が撮影時間へ影響します。新しいLP-E6Pをメインにし、状態の良いLP-E6NHを予備へ回すといった構成も可能です。
EOS R7を長時間の野鳥や連写撮影へ使う場合の注意点は、EOS R7の欠点と弱点|高画素APS-Cを使う前に知っておきたい注意点で詳しく紹介しています。
新しく純正予備バッテリーを追加するならLP-E6Pへ移行できる
キヤノンがLP-E6PをLP-E6NHの後継機として案内しているため、対応するカメラで新しい純正予備バッテリーを追加する場合、LP-E6Pへ移行できます。EOS R5、R6 Mark II、R6、R7ではファームウェア条件を満たすことで従来に近い運用が可能です。
一眼レフでもEOS 5D、6D、7D系や90Dなど多くのモデルがLP-E6Pへ対応しているため、古いカメラを残しながら将来EOS R5 Mark IIやR6 Mark IIIへ移行する場合にもバッテリーを共用できます。
この互換性は、長期間使われてきたLP-E6系の大きな特徴です。LP-E6からLP-E6N、LP-E6NH、LP-E6Pと世代が変わっても、多くの機種で物理規格を引き継いでいます。ただし新世代ボディほど電力要求が高くなるため、古いバッテリーを新しいカメラへ使う方向では制限が増えています。
LP-E6系を使用する一眼レフの代表例であるEOS 90Dについては、Canon EOS 90Dは約3250万画素と10コマ/秒を両立したAPS-C一眼レフでも紹介しています。
LP-E6・LP-E6N・LP-E6NH・LP-E6Pは同じ扱いではない
LP-E6系は形状が共通しているモデルが多いため、すべて完全互換と考えやすいシリーズです。しかし実際には世代によって容量、放電性能、本体内充電、連写、通信、動画、アクセサリー給電などに違いがあります。
古い一眼レフへ新しいLP-E6Pを入れる方向では対応範囲が広い一方、新しいEOS R6 Mark IIIやR6 Vへ古いLP-E6を入れることはできません。LP-E6NHやLP-E6Nは使用可能でも機能制限があります。カメラの高性能化に伴って、同じ形状でも要求される電力が変化しているためです。
今後LP-E6Pを基準にしたEOSが増えるほど、予備バッテリーの選択では単に装着できるかだけでなく、カメラの全機能を利用できるかが重要になります。古いEOSと新しいEOSを同時に所有する場合は、新しいLP-E6Pを共通バッテリーとして使い、旧バッテリーを対応する旧世代機の予備として残す構成が分かりやすくなります。
新世代でLP-E6Pを標準採用するEOS R6 Mark IIIについては、EOS R6 Mark III徹底解説|3250万画素フルサイズと7K動画のスタンダード機で詳しく解説しています。
まとめ
LP-E6NHについてキヤノン公式で確認できる状態は、オンラインショップでの「販売終了」です。同時にキヤノンはLP-E6PをLP-E6NHの後継機として案内しており、LP-E6系バッテリーの中心はLP-E6Pへ移っています。「LP-E6NH 生産終了」と検索した場合には、販売終了と後継機への移行が確認できる事実として重要です。
LP-E6Pは公称電圧7.2V、容量2130mAhで、容量はLP-E6NHと同じです。大きな違いは高性能カメラへ電力を供給する能力で、LP-E6Pは連続最大放電電流6.0Aへ対応しています。EOS R5 Mark II、EOS R6 Mark III、EOS R6 VなどではLP-E6Pが標準となり、LP-E6NHやLP-E6Nを使うとWi-Fi、連写、冷却、アクセサリーなどに制限が生じる場合があります。
EOS R5、EOS R6 Mark II、EOS R6、EOS R7でもLP-E6Pを使用でき、対応ファームウェアへ更新するとLP-E6NH使用時と同じ連続撮影速度や本体内充電を利用できます。初代EOS RとEOS RaではLP-E6として動作するため、本体内充電には対応しません。
一眼レフへの互換性も広く、EOS 5D Mark IV、5D Mark III、5D Mark II、6D Mark II、6D、7D Mark II、7D、90D、80D、70D、60DなどでLP-E6Pを使用できます。古い一眼レフと新しいEOS Rシリーズを併用する場合にも、LP-E6Pを共通バッテリーとして使える構成があります。
充電器については従来のLC-E6がLP-E6Pに対応しています。LP-E6NHからLP-E6Pへ移行しても、LC-E6まで買い替える必要はありません。LP-E6PとLP-E6NHはいずれもLC-E6で約3時間の充電時間となります。
手元のLP-E6NHが正常に動作している場合は、対応するEOSで引き続き使用できます。販売終了によって既存のLP-E6NHが使えなくなるわけではありません。新しい予備バッテリーや劣化したバッテリーの交換では、公式な後継機であるLP-E6Pへ移行できるため、LP-E6NHの販売終了後もLP-E6系カメラの電源を継続して確保できます。


