OM SYSTEM PENを買ってはいけない理由7選|後悔しやすい人の特徴と購入前の注意点
「OM SYSTEM PENは買ってはいけないカメラなのか」「発売前から人気があるけれど、購入して後悔しないだろうか」。新型PENの購入を考えている方の中には、クラシカルなデザインに魅力を感じながらも、価格に見合った性能があるのか気になっている方も多いでしょう。
OM SYSTEM PENは、1959年に誕生したオリンパスPENの思想を受け継ぎ、電子ビューファインダーや像面位相差AF、防塵・防滴対応などを取り入れたマイクロフォーサーズのミラーレスカメラです。約2037万画素のLive MOSセンサー、121点オールクロス像面位相差AF、中央5.5段の5軸ボディ内手振れ補正を搭載し、日常のスナップから風景、人物、マクロ撮影まで幅広く対応します。
しかし、新型だからといって、すべての撮影性能が上位機種と同じというわけではありません。最高約30コマ/秒の高速連写ではAFと露出が固定され、鳥や乗り物の専用被写体認識AFも搭載されていません。4K動画は30pまでで、SDカードもUHS-I対応にとどまります。防滴性能もIPX1であり、OM-5 Mark IIなどのIP53対応機種とは異なります。
また、マイクロフォーサーズ特有のセンサーサイズによる高感度画質や背景ぼけの違い、可動式モニターの構造、使用するレンズによる重量バランスなども、購入後の満足度に影響します。外観が気に入ったという理由だけで購入すると、撮影目的によっては不満を感じる可能性があります。
この記事では、「OM SYSTEM PEN 買ってはいけない」と検索する方に向けて、購入を避けた方がよい人の特徴、公式仕様から分かる弱点、旧型PENやOM-5 Mark II、OM-3との違い、レンズキットの選び方、購入前に確認したい注意点を詳しく解説します。OM SYSTEM PENを選ぶべきか、ほかのカメラを選ぶべきか、撮影目的から判断していきます。
OM SYSTEM PENを買ってはいけない人の特徴
OM SYSTEM PENは、小型軽量のボディに多彩な撮影機能を搭載しています。しかし、カメラを選ぶ際に重要なのは、機能が多いことよりも、撮影したい被写体に必要な性能を備えていることです。特に、暗い場所での高画質撮影、本格的な動体撮影、高フレームレートの4K動画を重視する人は、購入前にほかの機種との違いを理解しておきたいところです。
暗い場所で高感度画質を最優先する人
OM SYSTEM PENを購入する際、最初に考えたいのがマイクロフォーサーズのセンサーサイズです。PENの撮像センサーは17.4×13.0mmの4/3型Live MOSで、35mmフルサイズの36×24mmと比較すると面積が小さくなります。この違いは、レンズの小型化だけでなく、高感度撮影や背景ぼけの特性にも関係します。
例えば、夜間の街中で歩いている人物を撮影する場合、人物の動きを止めるために速いシャッタースピードが必要になります。暗い環境でシャッタースピードを速くすると、十分な明るさを確保するためにISO感度を上げる必要があります。高感度ではノイズが増えたり、暗い部分の階調や細かな質感が失われたりすることがあります。
OM SYSTEM PENの標準ISO感度はISO200~25600です。この範囲まで設定できることと、高感度でも常に低ノイズで撮影できることは別です。特に、暗い室内で動く子どもやペット、夜間のイベントなどを頻繁に撮影する場合には、フルサイズ機との高感度画質の違いが気になる可能性があります。
一方、静止した夜景や建物なら、PENに搭載されている5軸ボディ内手振れ補正を活用し、シャッタースピードを遅くしてISO感度を抑える方法があります。しかし、手振れ補正では人物や動物そのものの動きを止められません。カメラの揺れを抑える機能と、被写体ブレを防ぐためのシャッタースピードは分けて考える必要があります。
暗い場所で撮影する機会が多く、できるだけノイズを減らしたい人には、より大きなセンサーを搭載した機種が向いている場合があります。ISO感度とノイズの関係については、高感度撮影とは?ISO感度とノイズの関係でも詳しく解説しています。
大きな背景ぼけや大幅なトリミングを重視する人
OM SYSTEM PENは、約2037万画素のセンサーを搭載しています。通常の風景や人物、旅行、街角スナップでは十分な解像度がありますが、大幅なトリミングを頻繁に行う人には物足りない場合があります。
通常のRAW画像は5184×3888ピクセルです。例えば、画像の中央部分を縦横それぞれ半分の範囲で切り出すと、2592×1944ピクセル、約504万画素になります。遠くの野鳥や月を小さく撮影して大きく切り取る場合には、残る画素数が少なくなります。
OM SYSTEM PENには手持ちハイレゾショットや三脚ハイレゾショットが搭載されており、通常撮影より高い解像度の画像を生成できます。しかし、これらは複数の撮影情報を合成する方式なので、動く被写体を通常の高速シャッターで撮影する場合と同じようには使えません。野鳥の飛翔やスポーツなど、大きく動く被写体をハイレゾショットで撮影することには制約があります。
背景ぼけについても、マイクロフォーサーズの特性を理解する必要があります。同じ画角、同じF値、同じような撮影距離でフルサイズと比較した場合、マイクロフォーサーズは被写界深度が深くなりやすく、背景を大きくぼかす目的では不利になります。
例えば、25mm F1.8の単焦点レンズは35mm判換算約50mm相当の画角になります。人物や料理、日常のスナップには使いやすいレンズですが、フルサイズの50mm F1.8と同じ画角で撮影した場合、背景ぼけの大きさは異なります。フルサイズ特有の大きな背景ぼけを最優先する人は、この違いを重視した方がよいでしょう。
ただし、背景を大きくぼかすことだけが写真の画質ではありません。適度に被写界深度が深いことは、人物の顔全体や小物を鮮明に写す場合には利点になります。画質を構成する要素については、写真の画質とは?解像力・階調・色再現・ノイズの違いで詳しく解説しています。
4K60p動画や本格的な動画制作を重視する人
OM SYSTEM PENは4K動画に対応していますが、最高フレームレートは30pです。C4Kでは24p、通常の4Kでは30p、25p、24pに対応しています。フルHDでは60pや50pを選択できますが、4K60pや4K120pには対応していません。
例えば、動きの速いスポーツや動物を4Kで撮影し、滑らかなスローモーション映像に仕上げたい場合には、4K60p以上の撮影機能が役立ちます。OM SYSTEM PENでは、4Kの解像度を保ったまま60pや120pで記録することはできません。
一方、S&Q動画では最大120fpsの撮影に対応します。撮影解像度や再生フレームレートには制約がありますが、フルHDを利用したスローモーション表現などは可能です。したがって、動画そのものが不得意なカメラというわけではありません。
動画記録形式はH.264を使用するMOV形式です。OM-Log400やOM-Cinemaなどの画作りに関する機能も用意されていますが、高解像度・高フレームレートを中心とした動画専用機と同じ性能を期待すると、購入後に制約を感じることがあります。
OM SYSTEM PENは、静止画を中心にしながら旅行先の動画や日常の記録も楽しむ用途に向いています。動画を主目的とし、4K60p以上の記録や本格的な映像制作を重視する人は、動画性能を中心に設計された別の機種と比較する意味があります。
写真撮影中心のカメラと動画中心のカメラの違いについては、カメラ業界の6カテゴリーと撮影用途の違いでも紹介しています。
OM SYSTEM PENのスペックで見落としやすい3つの弱点
OM SYSTEM PENは、最高約30コマ/秒の連写、121点オールクロス像面位相差AF、防塵・防滴対応など、魅力的な数字や機能を備えています。しかし、実際の撮影では、それぞれの機能がどのような条件で利用できるのかを理解する必要があります。特に、高速連写のAF、SDカードへの記録、防滴性能は、スペック表の数字だけでは使い勝手を判断しにくい部分です。
最高約30コマ/秒でもAFと露出は固定される
OM SYSTEM PENの連写性能で注意したいのが、最高約30コマ/秒という数字です。この速度は電子シャッターを使用する静音連写Hモードで実現しますが、AFと露出が1コマ目の状態に固定されます。
例えば、走っている犬がカメラへ向かって近づいてくる場面では、連写中にも被写体までの距離が変化します。1コマ目の位置にピントを固定したまま連写すると、犬が近づくにつれてピントが合わなくなる可能性があります。撮影枚数が多いことと、すべての写真にピントが合うことは同じではありません。
AF追従が必要な場合には、最高約8コマ/秒の静音連写を利用する方法があります。被写体が前後に移動する撮影では、最高連写速度よりも、連写中にAFが追従するかどうかが重要です。
また、電子シャッターにはローリングシャッター歪みが発生する可能性があります。高速で動く自動車や鉄道、羽ばたく野鳥を撮影すると、被写体の形が変形したり、背景の直線が傾いたりする場合があります。電子シャッターの読み出し速度が関係するため、シャッタースピードを速くするだけで完全に解消できる現象ではありません。
OM SYSTEM PENにはメカシャッターも搭載されています。電子シャッターで歪みが気になる場面では、撮影方式を変更することができます。ただし、メカシャッターによる通常の連写速度は約5コマ/秒なので、高速連写を必要とする人にとっては使い分けが必要です。
電子シャッターで発生する歪みの仕組みについては、ローリングシャッター現象と対策で詳しく解説しています。
UHS-I対応のSDカードとRAW連写の記録枚数に注意
OM SYSTEM PENの記録媒体はSD、SDHC、SDXCカードで、UHS-Iに対応しています。UHS-IIの高速転送性能を利用する設計ではありません。この仕様は、連写した画像をメモリーカードへ書き込む際の処理時間に関係します。
キヤノンやニコン、ソニーなどの上位機種では、UHS-II対応SDカードやCFexpressカードを採用するモデルがあります。こうした高速記録媒体を使用する機種と比較した場合、PENでは書き込み速度の上限が異なります。
メーカー公表の連続撮影可能枚数は、通常連写の最高速度でRAW約29枚、静音連写Hの最高約30コマ/秒ではRAW約20枚です。これはメーカー指定のカードや撮影条件で測定した目安であり、実際の枚数は設定や使用環境によって変わります。
静音連写Hで20枚を記録する時間は、単純計算では約0.67秒です。したがって、最高約30コマ/秒で長時間RAW連写を続ける用途には向いていません。シャッターを押し続けると、カメラ内部のバッファーがいっぱいになり、連写速度が低下する場合があります。
例えば、野鳥の飛翔をRAWで撮影する場合、飛び立つ前からシャッターを押し続けると、肝心の瞬間に連写速度が落ちる可能性があります。動体撮影では、いつ連写を開始するのかという操作も重要になります。
OM SYSTEM PENにはプロキャプチャー機能が搭載されており、シャッターを全押しする前の最大12コマまで記録できます。これを利用すれば、動き始める瞬間を残しやすくなりますが、AF固定などの制限があるモードもあるため、撮影条件に応じた選択が必要です。
連写と複数画像を使った撮影の違いについては、写真のスタッキングと複数画像処理の仕組みも参考になります。
防滴IPX1はOM-5 Mark IIやOM-3のIP53とは違う
OM SYSTEM PENは、PENシリーズとして初めて防滴性能を備えたことが特徴です。しかし、防滴性能の等級はIPX1であり、OM-5 Mark IIやOM-3などに採用されているIP53とは異なります。
IPX1は、垂直方向から落ちる水滴に対する保護性能を示す等級です。実際の撮影では風を伴う雨や斜め方向からの水滴、水しぶきなどが発生することがあります。IPX1という表示を見て、強い雨の中でも自由に撮影できると考えるのは適切ではありません。
また、OM SYSTEM PENの防滴性能は、メーカーが指定する防滴対応レンズとの組み合わせで発揮されます。カメラ本体が防滴対応でも、装着したレンズが防滴対応でなければ、システム全体を同じ条件で扱うことはできません。
例えば、街歩きや旅行中に突然小雨が降った場合、防滴対応のボディとレンズを使用していることは利点になります。一方、登山で長時間雨にさらされたり、波しぶきがかかる海岸で撮影したりする用途では、より高い耐環境性能を備えた機種が向いている場合があります。
OM-5 Mark IIはIP53に対応しており、アウトドア撮影を重視した設計です。OM-3も同様にIP53の防塵・防滴性能を備えています。撮影場所が山岳地帯や悪天候の屋外中心なら、防滴性能の違いは機種選びの重要なポイントになります。
新型PENで進化した防塵・防滴、ファインダー、AFなどの機能については、OM SYSTEM PENは何が変わった?新型PENの進化を解説で詳しく紹介しています。
OM SYSTEM PENのデザインと小型ボディで後悔するポイント
OM SYSTEM PENは、往年のPENシリーズを思わせるレンジファインダー風デザインが大きな特徴です。上部が比較的平らなクラシカルな外観は魅力ですが、見た目を優先して購入すると、モニターの動き方やグリップの形状、装着するレンズとの重量バランスが気になる場合があります。
背面モニターはバリアングル式ではない
OM SYSTEM PENの背面モニターは、3.0型約104万ドットの2軸可動式タッチ液晶です。上下方向の角度調整に加えて、横方向にも可動する構造ですが、一般的なバリアングル式モニターとは動き方が異なります。
バリアングル式モニターは、カメラの側面を軸として画面を開き、撮影者側やレンズ側へ向けられる構造です。自撮り動画や縦位置撮影、三脚を使用した動画撮影などで使いやすい特徴があります。
一方、OM SYSTEM PENの2軸可動式モニターは、通常のスナップ撮影でカメラの背面を中心に構図を確認する用途に適しています。ファインダーを中心に使う撮影では、モニターを大きく動かさなくても問題になりにくいでしょう。
しかし、自撮りを頻繁に行う場合や、カメラの横に立って動画を確認する場合には、モニターの可動範囲が撮影方法に合うか確認する必要があります。クラシカルな外観とモニターの操作性は、必ずしも両立するものではありません。
特に、Vlogや自撮り動画を中心に使用する予定がある場合は、バリアングル式モニターを搭載する機種と比較することで、購入後の不便を避けやすくなります。
カメラの外観と操作性の関係については、カメラデザインの美学と使いやすさで詳しく解説しています。
小さなグリップは大型望遠レンズとの組み合わせに注意
OM SYSTEM PENの質量は、バッテリーとメモリーカードを含めて約393gです。ボディのみでは約344gで、交換レンズ式ミラーレスとして比較的軽量です。この軽さは、街歩きや旅行などで持ち運ぶ場合に大きな魅力になります。
一方、軽量なカメラ本体がすべてのレンズに適しているわけではありません。小型単焦点や標準ズームではバランスがよくても、大型の超望遠ズームを装着すると、機材全体の重心がレンズ側へ移動します。
例えば、野鳥撮影で大型の望遠レンズを使用する場合、カメラのグリップが小さいと、右手だけで安定して保持することが難しくなる可能性があります。レンズ側を左手でしっかり支える必要があり、長時間の手持ち撮影では重量バランスが重要です。
また、手が大きい人や厚手の手袋を着用する人にとっては、大型グリップを備えた機種の方が操作しやすい場合があります。PENのクラシカルなデザインは、持ち歩きやすさと外観を重視した設計なので、OM-1シリーズのような大型グリップを持つカメラとは使用感が異なります。
望遠レンズを使用する機会が少なく、17mmや25mmなどの小型単焦点を中心に撮影するなら、PENの軽さを十分に生かせます。反対に、超望遠レンズを常用する場合には、ボディの形状まで含めて比較した方がよいでしょう。
焦点距離や撮影距離によって構図がどのように変わるのかは、被写体との距離と焦点距離の関係でも解説しています。
マイクロフォーサーズでもレンズによっては大型になる
OM SYSTEM PENの魅力として、小型軽量なマイクロフォーサーズシステムが挙げられます。確かに、マイクロフォーサーズには小型の標準ズームや単焦点が多く、カメラとレンズの合計重量を抑えやすい特徴があります。
例えば、新しいM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 IIIの質量は約125gです。PENと組み合わせると約518gとなり、旅行や日常の持ち歩きに適しています。35mm判換算28~84mm相当の画角をカバーする標準ズームとして、携帯性のよい構成です。
しかし、大口径のPROレンズや超望遠ズームを使用する場合には、レンズの重量が大幅に増えます。マイクロフォーサーズだからすべてのレンズが小さいと考えると、購入後に機材の大きさを負担に感じる可能性があります。
また、センサーサイズが小さいことで、同じ画角を得るために必要な焦点距離が短くなるという特徴がありますが、レンズの明るさや画質、光学構成によって製品の大きさは異なります。特にF2.8通しの望遠ズームや大口径単焦点などでは、小型化と光学性能のバランスが重要になります。
OM SYSTEM PENを購入する場合は、カメラ本体の重量だけでなく、普段使用する予定のレンズを装着した状態で、持ち歩きやすさを判断する必要があります。軽量な標準ズーム中心なのか、複数の単焦点を持ち歩くのか、大型望遠レンズを使用するのかによって、評価は変わります。
レンズの大きさとセンサーサイズの関係については、小さなイメージサークルとレンズの小型化でも紹介しています。
OM SYSTEM PENとPEN E-P7・OM-5 Mark II・OM-3を比較
OM SYSTEM PENを買うべきか判断するには、同じマイクロフォーサーズのカメラと比較することが重要です。特に旧型のOLYMPUS PEN E-P7、アウトドア性能を重視したOM-5 Mark II、上位モデルのOM-3は、それぞれ異なる特徴を持っています。どの機種を選ぶかによって、価格だけでなく撮影のしやすさや対応できる被写体も変わります。
| 比較項目 | OM SYSTEM PEN | PEN E-P7 | OM-5 Mark II | OM-3 |
|---|---|---|---|---|
| 有効画素数 | 約2037万 | 約2030万 | 約2037万 | 約2037万 |
| センサー | 4/3型Live MOS | 4/3型Live MOS | 4/3型Live MOS | 積層型Live MOS |
| 電子ビューファインダー | 搭載 | 非搭載 | 搭載 | 搭載 |
| AF方式 | 像面位相差+コントラスト | コントラスト | 像面位相差+コントラスト | 像面位相差+コントラスト |
| 防滴性能 | IPX1 | 非対応 | IP53 | IP53 |
| 記録媒体 | UHS-I | UHS-II対応 | UHS-II対応 | UHS-II対応 |
| 質量(電池・カード含む) | 約393g | 約337g | 約418g | 約496g |
旧型PEN E-P7の方が軽量で十分な場合もある
OM SYSTEM PENと直接比較したい機種が、OLYMPUS PEN E-P7です。PEN E-P7は2021年に登場したマイクロフォーサーズのミラーレスカメラで、クラシカルな外観と小型軽量ボディを特徴としています。
新型PENでは約236万ドットの電子ビューファインダーが搭載され、121点オールクロス像面位相差AF、人物・犬・猫へのAI被写体認識、防滴性能などが追加されています。こうした機能を必要とする人には、新型を選ぶ意味があります。
一方、PEN E-P7は約337gと軽量で、新型より約56g軽くなっています。電子ビューファインダーを必要とせず、背面モニターを中心に日常のスナップを撮影する人には、旧型の軽さが魅力になる場合があります。
さらに、PEN E-P7はUHS-II対応SDカードを利用できるため、記録媒体の仕様では新型より優れている部分もあります。新型PENがすべての機能で旧型を上回るわけではありません。
静止した風景や料理、街角のスナップなどを中心に撮影し、像面位相差AFや防滴性能を必要としない場合、PEN E-P7でも十分な場合があります。特に、中古価格との差が大きい場合には、新型に追加された機能へどれだけ価値を感じるかが重要です。
両機種の性能差については、OM SYSTEM PEN完全ガイド|特徴・性能・画質・メリットとデメリットでも詳しく解説しています。
雨や登山を重視するならOM-5 Mark IIが候補になる
OM-5 Mark IIは、登山や旅行、自然風景など、屋外での撮影を重視したミラーレスカメラです。OM SYSTEM PENと同じマイクロフォーサーズを採用していますが、耐環境性能やボディ形状に違いがあります。
最も大きな違いは防滴性能です。OM SYSTEM PENがIPX1なのに対し、OM-5 Mark IIはIP53に対応しています。雨や雪の中で撮影する可能性が高い場合には、こうした性能差が重要になります。
また、OM-5 Mark IIは中央6.5段のボディ内手振れ補正を搭載しています。PENの中央5.5段と比較すると、公表されている補正段数に差があります。ただし、実際の補正効果は使用するレンズや撮影条件によって変わります。
OM-5 Mark IIは一眼レフスタイルのボディを採用し、右手で保持するためのグリップも備えています。望遠レンズを装着する場合や、長時間カメラを構える用途では、こうした形状が使いやすさに影響します。
一方、OM SYSTEM PENはレンジファインダー風のデザインで、よりコンパクトに持ち歩けることが魅力です。街歩きや日常のスナップではPENの外観と軽さを重視し、登山や厳しい屋外環境ではOM-5 Mark IIの耐環境性能を重視するという選び方が考えられます。
マイクロフォーサーズシステムの特徴や他のレンズマウントとの違いについては、マイクロフォーサーズ・Xマウント・Lマウント比較でも紹介しています。
高速連写や高度な被写体認識を求めるならOM-3が有力
OM SYSTEM PENと同じようにクラシカルな外観を持つカメラとして、OM SYSTEM OM-3があります。OM-3は2025年に登場した上位モデルで、フィルム一眼レフを思わせる外観に積層型Live MOSセンサーを組み合わせています。
OM SYSTEM PENとの大きな違いは、動体撮影への対応力です。OM-3は積層型センサーによる高速読み出しを生かし、電子シャッターでの高速連写や高度な被写体認識AFに対応しています。
例えば、野鳥の飛翔や航空機、モータースポーツなどを撮影する場合、被写体の動きに合わせてピントを追従しながら連写できることが重要です。OM SYSTEM PENにも像面位相差AFがありますが、専用のAI被写体認識は人物・犬・猫に限られています。
OM-3は鳥や乗り物などへの認識機能を備えており、動体撮影を中心に使う人には大きな利点になります。高速連写時の電子シャッター歪みについても、積層型センサーの高速読み出しが役立ちます。
また、OM-3はIP53対応の防塵・防滴性能を備え、アウトドア撮影にも対応しやすい構成です。一方、ボディの大きさや重量、価格帯はPENとは異なります。
日常のスナップを中心に、軽量なカメラで写真を楽しみたい人にはPENが適している場合があります。しかし、クラシカルな外観を維持しながら本格的な野鳥やスポーツ撮影も行いたい場合には、OM-3を比較対象にする価値があります。
クラシカルなデザインを持つカメラの特徴については、デザインに魅力を感じるミラーレスカメラ8機種でも紹介しています。
OM SYSTEM PENのレンズキットを選ぶときの注意点
OM SYSTEM PENには、ボディ単体、14-42mmレンズキット、ダブルズームキットという販売形態があります。初めてマイクロフォーサーズを購入する人と、すでに交換レンズを所有している人では、必要な組み合わせが異なります。カメラ本体の価格だけで判断すると、購入後にレンズを追加することになり、予定していた予算を超える可能性があります。
14-42mm F3.5-5.6 IIIは便利だが明るいレンズではない
OM SYSTEM PENと同時に発表されたM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 IIIは、35mm判換算28~84mm相当をカバーする標準ズームレンズです。広角から中望遠まで使用できるため、旅行、街角スナップ、風景、人物などの撮影に適しています。
このレンズの特徴は、約125gという軽量設計と、防滴IPX1に対応することです。OM SYSTEM PENと組み合わせれば、カメラとレンズを含む重量を約518gに抑えられます。
しかし、開放F値は広角端F3.5、望遠端F5.6であり、暗い場所での撮影では大口径単焦点と比較して不利になります。例えば、夜の街で人物を撮影する場合、シャッタースピードを確保するためにISO感度を上げる必要が生じることがあります。
また、標準ズームでは背景を大きくぼかしたポートレートにも限界があります。人物撮影で大きな背景ぼけを求める場合には、17mm F1.8や25mm F1.8、45mm F1.8などの単焦点レンズが候補になります。
一方、新型14-42mmは最大撮影倍率が35mm判換算0.53倍相当となっており、近接撮影を楽しめる特徴があります。料理や小物、花などへ近づいて撮影する場合には便利です。
OM SYSTEM PENの標準ズームキットは幅広い用途へ対応できますが、暗所撮影や大きな背景ぼけを最優先する人は、最初から明るい単焦点を組み合わせる方法もあります。色の再現や撮影時の仕上がりについては、ホワイトバランスと色温度の使い分けで詳しく解説しています。
ダブルズームキットでも本格的な野鳥撮影には不足する場合がある
OM SYSTEM PENのダブルズームキットには、14-42mm F3.5-5.6 IIIに加え、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 Rが付属します。広角から望遠まで2本のレンズでカバーできるため、初めてマイクロフォーサーズを購入する人には便利な構成です。
40-150mmは35mm判換算80~300mm相当の画角になります。運動会や旅行先で少し離れた人物を撮影したり、動物園の動物を大きく写したりする場合には役立ちます。
一方、野鳥撮影を本格的に始める場合には、300mm相当でも焦点距離が不足することがあります。特に、小さな野鳥が遠くの枝に止まっている場面では、撮影した画像を大きくトリミングする必要が生じる可能性があります。
OM SYSTEM PENは約2037万画素なので、トリミングを大幅に行うと、最終的に残る画素数が少なくなります。鳥の姿を大きく記録したい場合には、より長い焦点距離の望遠レンズを検討する意味があります。
ただし、望遠レンズを大型化すると、PENの小型ボディとの重量バランスが変わります。さらに、PENには鳥の専用被写体認識AFがないため、飛翔する野鳥を中心に撮影したい人は、レンズだけでなくカメラ本体の性能も比較する必要があります。
ダブルズームキットは旅行や一般的な望遠撮影には便利ですが、本格的な野鳥撮影を始めるための完成形とは限りません。望遠撮影における解像度と被写体の細部の関係については、マクロ撮影と高画素カメラの解像性能でも関連する考え方を紹介しています。
単焦点やサードパーティーレンズを使うなら互換性を確認する
OM SYSTEM PENはマイクロフォーサーズ規格を採用しているため、M.ZUIKO DIGITALのレンズだけでなく、同規格に対応するサードパーティー製レンズも購入候補になります。
例えば、小型の広角単焦点を使用すれば街角スナップ、標準単焦点なら人物や料理、中望遠単焦点ならポートレートなど、焦点距離に応じた撮影を楽しめます。ズームレンズとは異なり、撮影者が移動して構図を決めることも単焦点レンズの楽しさです。
マイクロフォーサーズには、オートフォーカス対応レンズだけでなく、マニュアルフォーカス専用の製品もあります。レンズによって電子接点の有無や絞りの操作方式が異なるため、購入時にはカメラとの対応関係を確認する必要があります。
特に注意したいのが、OM SYSTEM独自の撮影機能との組み合わせです。深度合成などは対応レンズが指定されているため、マイクロフォーサーズ規格のレンズならすべて同じ機能を利用できるわけではありません。
また、防滴性能を重視する場合は、レンズ側が防滴対応であることも重要です。カメラ本体がIPX1に対応していても、防滴非対応のレンズを装着した状態では、システム全体を同じ防滴条件で考えることはできません。
購入価格だけでレンズを選ぶと、AF非対応や防滴非対応、特定の撮影機能が使えないなど、購入後に不便を感じる可能性があります。対応規格と使用目的を確認して選ぶことが重要です。
カメラメーカーごとのレンズシステムや対応関係については、カメラメーカー一覧とレンズシステムの特徴でも紹介しています。
OM SYSTEM PENの購入前に確認したい価格・納期・バッテリー
OM SYSTEM PENは2026年10月30日に発売予定のカメラですが、発売前から予約が集中しています。購入後に後悔しないためには、性能だけでなく、実際に入手できる時期や予備バッテリー、レンズを含めた総額も考える必要があります。特に、新製品を発売直後に購入したい場合は、販売価格と納期の両方が重要です。
予約が集中しており購入してもすぐに届くとは限らない
OMデジタルソリューションズは、OM SYSTEM PENの発売日を2026年10月30日と発表しています。一方、予約注文が非常に多く、製品やカラーによっては2027年春以降の納品になる可能性があることも案内しています。
これは、発売日にすべての購入希望者が製品を受け取れるわけではないことを意味します。予約時期や販売店、ボディのカラー、レンズキットの種類などによって、実際に商品が届くまでの期間が異なる可能性があります。
例えば、旅行やイベントのために新しいカメラを購入したい場合、必要な日までに届かなければ、撮影目的を果たせません。新型PENを購入すること自体が目的なら待つ選択肢もありますが、撮影予定に合わせてカメラが必要な場合は納期が重要になります。
また、納期が長いことを理由に、ほかの販売ルートで高い価格の商品を購入する場合には、価格差が問題になります。予約を維持する場合と、別の機種を購入する場合で、どちらが自分の用途に合っているかを考える必要があります。
納期の案内は、メーカーや販売店の出荷状況によって変わります。発売日が決まっていることと、個々の購入者へ届く日が確定していることは別です。
OM SYSTEM PENの供給状況や過去の人気カメラの納品実績については、OM SYSTEM PENの納期はいつ?過去のPENと人気カメラの納品実績から検証で詳しく解説しています。
本体価格だけでなくレンズとアクセサリーの総額を考える
OM SYSTEM PENの購入時には、ボディ単体の販売価格だけでなく、使用するレンズやアクセサリーまで含めた総額を確認する必要があります。
すでにマイクロフォーサーズのレンズを所有している人なら、ボディ単体を購入して手持ちのレンズを活用できます。一方、初めてマイクロフォーサーズを購入する場合には、少なくとも撮影用のレンズが必要です。
標準ズームキットなら日常撮影を始めやすく、ダブルズームキットなら望遠まで対応できます。しかし、暗い室内での人物撮影を重視する場合には、キットレンズとは別に明るい単焦点が必要になることもあります。
さらに、予備バッテリーやSDカード、カメラバッグなどを購入すると、機材全体の費用は増えます。特に長時間の旅行や撮影イベントでは、バッテリーの運用を考える必要があります。
OM SYSTEM PENのバッテリーにはBLS-7が採用され、メーカー公表の撮影可能枚数はCIPA基準で約410枚です。撮影条件によって枚数は変動するため、旅行中に大量撮影を行う場合には予備バッテリーが役立つことがあります。
また、BLS-7用の充電器BCS-7は別売りです。PENはUSBによる本体内充電と給電に対応していますが、USB PDには対応していません。使用する電源機器や充電方法まで含めて考えることが重要です。
OM SYSTEM PENの予約人気と納期については、OM SYSTEM PENが予約殺到!発売前から人気の理由でも紹介しています。
OM SYSTEM PENを買って後悔しない人の共通点
OM SYSTEM PENを買って後悔しにくいのは、カメラの小型軽量なデザインを重視し、日常のスナップや旅行、人物、風景などを中心に撮影する人です。約393gのボディに小型の単焦点や標準ズームを組み合わせれば、気軽に持ち歩けるシステムになります。
また、電子ビューファインダーを使って写真を撮影したい人や、カラー・モノクロプロファイルコントロールなどの機能を楽しみたい人にも向いています。カメラ内で色や階調を調整することで、撮影時に自分好みの写真表現を作ることができます。
OM SYSTEM PENには、ライブND、手持ちハイレゾショット、深度合成、ライブコンポジット、星空AFなども搭載されています。これらの機能を使えば、通常のスナップ撮影だけでなく、風景、マクロ、夜景、星空撮影にも挑戦できます。
一方、鳥や乗り物の専用被写体認識AF、高速連写時のAF追従、大幅なトリミングを前提とした高画素撮影、4K60p動画、IP53の防滴性能などを必要とする人には、より適した機種があります。
重要なのは、OM SYSTEM PENを購入する目的です。クラシカルな外観と携帯性に魅力を感じ、日常的に写真を撮影したい人にとっては、PENらしい使い方ができるカメラです。しかし、見た目が気に入ったという理由だけで選び、後から本格的な野鳥撮影や動画制作を始めようとすると、機能の制約が気になる可能性があります。
初めてレンズ交換式カメラを購入する場合には、撮りたい写真から必要な機材を選ぶことも大切です。カメラを欲しくなる理由と機種選びの考え方については、友人のミラーレスで撮った写真を見て欲しくなったカメラの選び方でも紹介しています。
まとめ
OM SYSTEM PENは、クラシカルなデザインと小型軽量ボディに、電子ビューファインダー、121点オールクロス像面位相差AF、5軸ボディ内手振れ補正、防塵・防滴対応などを組み合わせたマイクロフォーサーズのミラーレスカメラです。従来のPENシリーズから撮影機能が充実し、日常のスナップだけでなく、風景やマクロ、夜景などにも対応できる特徴があります。
一方、購入前に確認したい弱点もあります。約2037万画素という解像度、マイクロフォーサーズの高感度画質や背景ぼけの特性、最高約30コマ/秒の連写でAFと露出が固定されること、RAW連写の継続枚数、UHS-I対応のSDカード、4K30pまでの動画性能、IPX1という防滴等級などです。
特に、暗い場所で動く人物を高画質で撮影したい人、鳥や乗り物を高度な被写体認識AFで追いたい人、大幅なトリミングを多用する人、4K60p以上の動画を撮影したい人、厳しい悪天候で撮影する人は、ほかの機種との比較が重要になります。
旧型PEN E-P7と比較すると、EVFや像面位相差AF、防滴性能などが進化しています。一方、軽量性やUHS-II対応など旧型が優れている部分もあります。OM-5 Mark IIはアウトドア性能、OM-3は積層型センサーと本格的な動体撮影性能が特徴であり、撮影目的によって適した機種が異なります。
レンズ選びでは、標準ズームの携帯性、明るい単焦点の撮影表現、望遠レンズの重量バランスなどを考える必要があります。さらに、予約の集中による納期や、予備バッテリー、充電器などの追加費用も購入判断に影響します。
OM SYSTEM PENを買ってはいけない人は、デザインに魅力を感じながらも、自分の撮影目的に必要な機能が不足している人です。反対に、小型軽量なカメラで街歩きや旅行、人物、風景を撮影し、PENならではのデザインや写真表現を楽しみたい人には、十分に魅力のある選択肢です。
カメラの価値は、画素数や連写速度の数字だけでは決まりません。OM SYSTEM PENの得意な撮影と不得意な撮影を理解し、自分が実際に撮りたい写真に必要な機能を確認することが、購入後に後悔しないための重要なポイントです。



