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EF400mm F5.6L USMレビュー|400mm単焦点の画質・AF・野鳥撮影・中古購入の注意点

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EF400mm F5.6L USMレビュー|400mm単焦点の画質・AF・野鳥撮影・中古購入の注意点 超望遠単焦点

EF400mm F5.6L USMレビュー|400mm単焦点の画質・AF・野鳥撮影・中古購入の注意点

EF400mm F5.6L USMは、キヤノンEFマウントを代表する超望遠単焦点レンズの一つです。400mmという本格的な超望遠でありながら、質量は約1,250gに抑えられ、野鳥、航空機、スポーツ、鉄道などで手持ち撮影しやすいことが大きな特徴です。大口径のEF400mm F2.8L系と比べると明るさはF5.6ですが、その分だけ圧倒的に軽く、長時間のフィールド撮影でも取り回しやすい設計になっています。

発売は1993年5月です。光学系は6群7枚で、第2レンズにスーパーUD、第5レンズにUDレンズを使用し、超望遠で問題になりやすい色収差を抑えています。AFにはリングUSMを採用し、リアフォーカス方式と組み合わせることで高速かつ静かなピント合わせを実現しています。フルタイムマニュアルフォーカスにも対応し、AF後にフォーカスリングを操作して細かくピントを追い込めます。

一方で、手ブレ補正は搭載していません。最短撮影距離も3.5mと長く、近距離性能では後世の100-400mmやRF超望遠ズームに及びません。400mm単焦点なので被写体が近づいたときに画角を広げることもできず、撮影距離や被写体の動きを予測しながら使う必要があります。便利さを優先した超望遠ズームとは明確に性格が違います。

実写面では、開放F5.6から高いシャープネスとコントラストを持つことで知られています。特に野鳥の羽毛、航空機の機体表面、遠景の細部など、400mmで解像力を求める場面では単焦点らしい強みがあります。この記事では、EF400mm F5.6L USMの正確なスペック、実写画質、AF、400mmの使い方、手ブレ補正なしでの撮影、APS-CやEOS Rシリーズでの利用、100-400mmズームや400mm F2.8との違い、中古購入時の注意点まで詳しく解説します。

  1. EF400mm F5.6L USMの基本スペック
    1. 400mmとしては軽量な1,250gのL単焦点
    2. スーパーUDとUDレンズで色収差を抑えている
  2. 400mmという焦点距離の特徴
    1. 300mmより被写体を大きく写せる
    2. 400mmは背景を整理しやすく遠景を大きく配置できる
  3. 開放F5.6から高い解像力を使える
    1. 野鳥の羽毛や航空機の細部を開放から描写しやすい
    2. 歪曲収差や周辺光量も比較的穏やか
  4. リングUSMによる高速AF
    1. リアフォーカスとリングUSMで動体へ対応しやすい
    2. フォーカスリミッターでAFの移動範囲を制限できる
  5. 手ブレ補正を搭載していないことが最大の注意点
    1. 手持ちでは1/500秒以上を出発点に考える
    2. ファインダー像が安定しないことは撮影時の差になる
  6. 野鳥撮影での使い方
    1. 飛翔する鳥では軽さとAF速度が生きる
    2. 小鳥では400mmでも距離を詰めすぎないことが重要
  7. 航空機・スポーツ・鉄道でも400mm単焦点は使える
    1. 航空機では遠い機体を大きく写し高速AFを生かせる
    2. スポーツではF5.6の明るさが撮影条件を選ぶ
  8. 最短撮影距離3.5mは現在の基準では長い
    1. 近くの小鳥や花には3.5mの制限が出やすい
  9. APS-Cでは約640mm相当の画角になる
    1. APS-Cでは小さな野鳥や遠距離被写体をさらに大きく扱える
  10. EOS Rシリーズでもマウントアダプターで使える
    1. フルサイズEOS Rでは400mmの画角をそのまま使える
    2. APS-C EOS Rでは約640mm相当になりR7との相性が良い
  11. EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMとの違い
    1. 400mm単焦点は軽さとシンプルさ、100-400mmは柔軟性が強み
  12. EF400mm F2.8L系との違い
    1. F2.8は暗所と背景ボケ、F5.6は軽量性が大きな差になる
  13. 中古でEF400mm F5.6L USMを買うときの注意点
    1. AF・偏芯・カビ・三脚座まで確認する
  14. EF400mm F5.6L USMが向いている撮影者
  15. まとめ

EF400mm F5.6L USMの基本スペック

焦点距離 400mm
開放F値 F5.6
最小絞り F32
レンズ構成 6群7枚
特殊光学材料 スーパーUD 1枚・UD 1枚
絞り羽根 8枚
AF リングUSM
フォーカス方式 リアフォーカス
最短撮影距離 3.5m
最大撮影倍率 0.11倍
手ブレ補正 非搭載
フィルター径 77mm
最大径×長さ 約90×256.5mm
質量 約1,250g

400mmとしては軽量な1,250gのL単焦点

EF400mm F5.6L USMの特徴を理解するうえで、まず重要なのが約1,250gという質量です。400mm F2.8クラスは数kgに達するため、長時間の手持ち撮影や移動を伴う野鳥撮影では大きな負担になります。EF400mm F5.6L USMはF5.6へ抑えることでレンズ径と光学系を小さくし、400mm単焦点として非常に軽快な取り回しを実現しています。

全長は約256.5mmと長いものの、鏡筒は比較的細く、超望遠Lレンズとしては携帯しやすい部類です。野鳥や航空機では被写体を探しながらレンズを持ち続ける時間が長いため、重量差は単なるスペック以上に撮影効率へ影響します。

キヤノンEF超望遠単焦点全体の位置づけは、キヤノン大全から400mm・500mm・600mmなど各焦点距離のレンズを確認できます。

スーパーUDとUDレンズで色収差を抑えている

400mmのような長焦点レンズでは、色ごとにピント位置がずれる色収差が問題になりやすくなります。白い鳥の輪郭、航空機の銀色部分、逆光の枝など、高コントラスト部分で赤紫や緑の色づきが見えることがあります。

EF400mm F5.6L USMではスーパーUDレンズ1枚とUDレンズ1枚を使用し、二次スペクトルを抑える設計になっています。実写でも色収差はよく抑えられ、開放F5.6から輪郭の色にじみを少なくしながら細部を描写できます。

超望遠レンズで焦点距離と描写がどのように変わるかは、400mmレンズの使い道で詳しく解説しています。

400mmという焦点距離の特徴

400mmは、フルサイズで本格的な超望遠撮影へ入る焦点距離です。200mmや300mmでは被写体が小さく写る場面でも、400mmなら画面内で一段大きく配置できます。特に撮影者から被写体へ近づけない野鳥、航空機、スポーツ、鉄道では焦点距離そのものが撮影結果へ直接影響します。

300mmより被写体を大きく写せる

同じ撮影位置から同じ被写体を撮る場合、400mmは300mmより約1.33倍大きく写せます。野鳥では小さな体を画面内へ大きく配置でき、航空機では遠い機体をより迫力ある大きさで記録できます。

一方で、400mmは画角が狭いため、被写体をファインダー内へ導入する難しさも増します。飛翔する鳥や接近する航空機では、300mmの方が追いやすい場面があります。焦点距離が長ければ常に有利ということではなく、被写体の大きさと追従性の両方を見る必要があります。

300mmとの差は、300mmと400mmの違いで野鳥・飛行機・スポーツ別に詳しく比較しています。

400mmは背景を整理しやすく遠景を大きく配置できる

400mmでは写る範囲が狭いため、背景へ余計なものを入れず主役を切り取りやすくなります。鳥の後ろにある枝、スポーツ選手の周囲にいる観客、航空機の周囲の空などを整理し、被写体そのものへ視線を集めやすくなります。

風景でも400mmは使えます。遠くの山肌、建物、太陽や月、霧の中の木々などを大きく切り取り、広角とはまったく異なる密度の高い構図を作れます。焦点距離が長いから遠近感そのものが変わるのではなく、遠くから撮影することで背景と被写体の距離関係が圧縮されて見えることが重要です。

望遠を使った構図づくりは、400mmレンズの使い道で実際の撮影ジャンル別に確認できます。

開放F5.6から高い解像力を使える

EF400mm F5.6L USMは、開放から高いシャープネスを出しやすいレンズとして長く評価されています。F5.6という開放F値自体が大口径ではないこともあり、無理に明るさを追わず、400mmで解像力と軽量化を両立する設計になっています。

野鳥の羽毛や航空機の細部を開放から描写しやすい

400mmを使う撮影では、被写体そのものが遠いため、わずかな解像力差が写真の印象へ大きく影響します。鳥の羽毛、航空機のマーキング、スポーツ選手の表情など、遠距離の細部をどこまで残せるかが重要です。

EF400mm F5.6L USMはF5.6から高いコントラストとシャープネスを持ち、十分なシャッタースピードを確保できれば開放のまま積極的に使えます。F8へ絞ると被写界深度は少し広がりますが、解像力だけを目的に大きく絞る必要性は小さく、むしろ超望遠ではシャッタースピードを落とさないことの方が重要です。

遠距離撮影での400mmの使い方は、400mmレンズの撮影方法でも詳しく解説しています。

歪曲収差や周辺光量も比較的穏やか

400mm単焦点なので、広いズーム域をカバーする望遠ズームより光学設計を焦点距離へ集中できます。実写では歪曲収差は非常に小さく、建物や航空機の直線が大きく変形するようなレンズではありません。

周辺光量低下も開放で多少見られますが、人物や野鳥では四隅が少し暗くなることで被写体へ視線が集まる場合があります。風景や均一な空で四隅の明るさを揃えたい場合は、F8程度へ絞るか現像時に補正すると扱いやすくなります。

超望遠ズームで同じ400mmを使ったときの描写との比較には、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMが参考になります。

リングUSMによる高速AF

AF駆動にはリングUSMを採用しています。EF400mm F5.6L USMが野鳥やスポーツで長く使われてきた理由の一つが、このAF性能です。超望遠単焦点では被写体を見つけたあと素早くピントを合わせる必要があり、AFの立ち上がりと追従性が重要になります。

リアフォーカスとリングUSMで動体へ対応しやすい

リアフォーカス方式では、比較的小さな後方レンズ群を動かしてピントを合わせます。大きな前玉全体を動かす方式よりフォーカス系を軽くでき、リングUSMと組み合わせることで高速なAFを実現しています。

野鳥が枝から飛び立つ場面、航空機が高速で通過する場面、スポーツ選手が走ってくる場面など、AF-C相当の連続AFで追従しやすいレンズです。現在のRF超望遠と比べれば世代差はありますが、AFモーターそのものは古い廉価EFレンズとは大きく異なります。

EFレンズを現在のカメラで使う意味は、EFレンズは今後も使える?で詳しく整理しています。

フォーカスリミッターでAFの移動範囲を制限できる

フォーカス範囲は3.5m〜無限遠と8.5m〜無限遠を切り替えられます。遠距離の野鳥、飛行機、スポーツなど近距離へピントを合わせる必要がない場面では8.5m〜無限遠へ設定することで、AFが近距離側まで大きく迷うのを防げます。

400mmでは一度AFが背景へ抜けると、被写体を再び捕捉するまで時間がかかることがあります。被写体までの距離が分かっている場合にフォーカスリミッターを使うと、動体撮影でのAF効率を高められます。

AFとMFを撮影状況で使い分ける方法は、AFとMFの違いと使い分けで詳しく解説しています。

手ブレ補正を搭載していないことが最大の注意点

EF400mm F5.6L USMにはISがありません。400mmではわずかなカメラの揺れでも画面内で大きく見えるため、手持ち撮影ではシャッタースピード管理が重要です。

手持ちでは1/500秒以上を出発点に考える

フルサイズで400mmを手持ちする場合、静止した被写体でも1/500秒前後を出発点にすると安定しやすくなります。高画素ボディや不安定な姿勢では1/800秒や1/1000秒を使う場面もあります。

野鳥、航空機、スポーツでは被写体自体が動くため、1/1000秒から1/2000秒以上を使うことも珍しくありません。この場合はISがあっても被写体ブレは止められないため、EF400mm F5.6L USMのIS非搭載が必ずしも致命的になるわけではありません。十分な光量がある屋外で高速シャッターを使う撮影なら、レンズの軽さを優先する意味があります。

レンズ内ISとボディ側の補正、被写体ブレの違いは、Canonの手ブレ補正を徹底解説で詳しく紹介しています。

ファインダー像が安定しないことは撮影時の差になる

IS付き望遠レンズでは、シャッターボタンを半押しするとファインダー内の像も安定し、AFポイントを鳥の目や航空機の機体へ置きやすくなります。EF400mm F5.6L USMにはその補助がないため、手持ちではファインダー像が細かく揺れます。

この違いはシャッターを切った写真だけでなく、被写体を追う段階にも影響します。特に小さな野鳥を400mmで追う場合、IS付き100-400mmやRF100-500mmの方が構図を決めやすい場面があります。反対に、十分なシャッタースピードを使い、動体を素早く振る撮影では、軽い400mm単焦点の方が扱いやすいと感じる撮影者もいます。

IS付きの400mmまで使えるズームとの違いは、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMで確認できます。

野鳥撮影での使い方

EF400mm F5.6L USMが特に知られている用途が野鳥撮影です。400mmという焦点距離、高い解像力、高速AF、比較的軽い重量を組み合わせており、歩きながら鳥を探す撮影との相性があります。

飛翔する鳥では軽さとAF速度が生きる

飛んでいる鳥を追う場合、重いレンズを何度も振り続ける必要があります。1,250gのEF400mm F5.6L USMは400mmクラスとして比較的軽く、飛翔方向へ素早くレンズを振りやすいことが利点です。

一方、単焦点なので鳥が近づくと全身が入らなくなることがあります。ズームレンズなら400mmから300mmや200mmへ戻せますが、このレンズでは撮影者が下がるしかありません。距離変化が大きい場所では100-400mmの方が対応しやすく、遠距離の鳥を中心に狙うなら400mm単焦点の強みが出ます。

野鳥撮影で400mmを使う具体的な場面は、400mmレンズの使い道で詳しく解説しています。

小鳥では400mmでも距離を詰めすぎないことが重要

ヤマガラ、シジュウカラ、メジロのような小鳥は400mmでも撮影距離によっては画面内で小さくなります。しかし、焦点距離を伸ばすために無理に近づくと鳥を警戒させ、自然な行動を撮れなくなることがあります。

400mmは被写体へ必要以上に近づかず、一定距離を保って撮るためにも使える焦点距離です。鳥が日常的に現れる枝や水場をあらかじめ確認し、背景と光が整う位置で待つ撮影にも向いています。

300mmと400mmで鳥の大きさや追いやすさがどう変わるかは、300mmと400mmの違いで比較できます。

航空機・スポーツ・鉄道でも400mm単焦点は使える

400mmは野鳥だけの焦点距離ではありません。撮影位置を自由に変えられない航空機、スポーツ、鉄道でも有効です。

航空機では遠い機体を大きく写し高速AFを生かせる

空港周辺では撮影場所と滑走路の距離が決まっており、機体へ近づくことはできません。400mmなら遠い位置にいる航空機を大きく写し、離陸時の脚や翼、塗装など細部を記録できます。

リングUSMによるAFは動く航空機にも対応しやすく、快晴の日中ならF5.6でも高速シャッターを確保できます。逆に機体が急速に近づいてくる場所では、単焦点ゆえに構図が窮屈になることがあります。飛行経路がある程度読める撮影場所で使いやすいレンズです。

航空機やスポーツで400mmを使う考え方は、400mmレンズの使い道で詳しく紹介しています。

スポーツではF5.6の明るさが撮影条件を選ぶ

屋外の昼間ならF5.6でも1/1000秒以上を確保しやすく、サッカー、野球、陸上競技などで遠くの選手を大きく写せます。400mmの狭い画角を使うことで、選手一人の表情や動きを背景から切り離せます。

一方、夕方や照明下ではF5.6が制約になります。F2.8なら2段明るいため、同じISO感度でシャッタースピードを4倍にできます。プロスポーツで400mm F2.8が使われる理由の一つは、この明るさにあります。EF400mm F5.6L USMは明るさを譲る代わりに軽量化しているため、どちらを重視するかで用途が変わります。

400mm F2.8との違いは、EF400mm F2.8L IS II USMで確認できます。

最短撮影距離3.5mは現在の基準では長い

EF400mm F5.6L USMの最短撮影距離は3.5m、最大撮影倍率は0.11倍です。現在の望遠ズームと比べると近接性能は明確に弱く、近距離の花や小動物を大きく撮る用途には向きません。

近くの小鳥や花には3.5mの制限が出やすい

鳥が急に近くの枝へ止まった場合でも、3.5m以内ではピントを合わせられません。公園の人慣れした鳥や庭に来る小鳥を近距離から撮る場合、この制限を感じることがあります。

後世のEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMは0.98mまで寄れるため、400mmで近接撮影できる範囲が大幅に広がっています。RF100-400mm F5.6-8 IS USMもさらに軽量で近距離撮影に強く、現代レンズとの世代差が大きく現れる部分です。

近接性能を含めた100-400mmとの違いは、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMで詳しく比較できます。

APS-Cでは約640mm相当の画角になる

EF400mm F5.6L USMはフルサイズ対応EFレンズなので、EOS 90D、EOS 7D系、EOS Kiss系などCanon APS-C一眼レフでも使用できます。APS-Cでは35mm判換算約640mm相当の画角になります。

APS-Cでは小さな野鳥や遠距離被写体をさらに大きく扱える

400mmが約640mm相当の画角になるため、フルサイズでは鳥が小さく写る距離でも、画面内で被写体を大きく配置しやすくなります。野鳥、月、航空機などでは非常に有効な画角です。

一方、約640mm相当まで狭くなると、飛んでいる鳥をファインダーへ入れる難しさも増します。被写体を見失いやすく、少しレンズを振っただけでも構図が大きく動きます。画角の大きさだけを見てAPS-Cが常に使いやすいわけではありません。

APS-Cで300mmと400mmを使った場合の違いは、300mmと400mmの違いで詳しく解説しています。

EOS Rシリーズでもマウントアダプターで使える

EF400mm F5.6L USMはEFマウントなので、EOS R5、R6シリーズ、R7、R8、R10などのRFマウントボディへ直接装着することはできません。マウントアダプター EF-EOS Rを使えば、AFや電子絞りを利用しながら撮影できます。

フルサイズEOS Rでは400mmの画角をそのまま使える

標準のEF-EOS Rには倍率を変える光学系が入っていないため、フルサイズEOS Rでは400mm F5.6として使用します。レンズ本来の焦点距離や開放F値は変化しません。

EOS Rシリーズでは撮像面AFと被写体検出を使えるため、古い一眼レフ時代とはピント合わせの体験が変わります。鳥の瞳検出などに対応するボディでは、リングUSMのAFを利用しながら被写体認識を組み合わせられます。

EFレンズをEOS Rへ装着する基本は、EOS RでEFレンズを使う方法で詳しく解説しています。

APS-C EOS Rでは約640mm相当になりR7との相性が良い

EOS R7やR10へ装着すると約640mm相当の画角になります。特にR7は高画素APS-Cとボディ内手振れ補正を搭載しているため、レンズ側にISがないEF400mm F5.6L USMの弱点をある程度補えます。

一方、ボディ内手振れ補正を使っても被写体ブレは止まりません。飛翔する鳥や航空機では高速シャッターが必要であり、F5.6の光量を考えながらISO感度を調整します。

マウントアダプター使用時の焦点距離と画角の考え方は、マウントアダプターで画角は変わる?で詳しく紹介しています。

EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMとの違い

現在EF400mm F5.6L USMを検討するとき、直接比較されやすいのがEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMです。望遠端は同じ400mm F5.6ですが、使い方は大きく異なります。

400mm単焦点は軽さとシンプルさ、100-400mmは柔軟性が強み

EF400mm F5.6L USMは約1,250gで、100-400mm II型の約1,570gより軽くなっています。単焦点なのでズーム機構がなく、400mmを常用する撮影ではシンプルです。長時間の飛翔撮影や歩きながら鳥を探す場合、300g以上の差は実感しやすくなります。

一方、100-400mm II型は100mmから400mmまで自由に画角を変更でき、4段分のIS、0.98mの最短撮影距離、高いAF性能を備えます。被写体との距離が変わる野鳥、航空機、鉄道ではズームの方が対応しやすい場面が増えます。

ズーム側の特徴は、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMレビューで詳しく確認できます。

EF400mm F2.8L系との違い

焦点距離は同じ400mmでも、F2.8とF5.6では二段の光量差があります。これは超望遠撮影では非常に大きな違いです。

F2.8は暗所と背景ボケ、F5.6は軽量性が大きな差になる

400mm F2.8なら、F5.6と同じISO感度でシャッタースピードを4倍にできます。夕方のスポーツ、曇天の野鳥、照明下の競技などでは大きな利点です。背景ボケもさらに大きく、遠距離からでも被写体を強く分離できます。

その代わり400mm F2.8は非常に大きく重く、価格も高くなります。EF400mm F5.6L USMは明るさを抑えることで約1,250gまで軽量化し、手持ちでフィールドを移動する撮影へ重点を置いています。

400mm F2.8の光学性能や手ブレ補正との違いは、EF400mm F2.8L IS II USMで詳しく解説しています。

中古でEF400mm F5.6L USMを買うときの注意点

発売から長期間が経過しているため、中古では光学性能そのものより個体状態が重要です。Lレンズは耐久性を意識した設計ですが、長期間の使用、湿気、落下、保管状態によって差が出ます。

AF・偏芯・カビ・三脚座まで確認する

購入前には近距離と遠距離を交互にAFで合わせ、リングUSMが滑らかに動作するか確認します。異音、途中停止、AFが大きく迷う症状がある個体は慎重に判断します。

遠景をF5.6で撮影し、画面左右の解像力も確認します。片側だけ極端に甘い場合は偏芯の可能性があります。内部のカビ、くもり、大きな傷、絞り動作、フォーカスリング、内蔵フード、三脚座の固定状態も確認します。

古いEFレンズを中古で選ぶ考え方は、EFレンズは今後も使える?で詳しく整理しています。

EF400mm F5.6L USMが向いている撮影者

EF400mm F5.6L USMは、400mmを頻繁に使う人ほど特徴を生かしやすいレンズです。焦点距離を変えられないため、100mmや200mmも使いたい人には100-400mmズームの方が扱いやすくなります。

一方、遠距離の野鳥、航空機、スポーツ、鉄道などでほとんど400mmを使い、機材の軽さと解像力を重視する場合には単焦点の意味があります。特に高速シャッターを使う日中撮影ではIS非搭載の影響も小さくなり、高いAF性能とシャープな描写を生かせます。

現在のRFシステムへ移行していても、EF-EOS Rを介して使えるため、EF一眼レフとEOS Rシリーズをまたいで運用できます。RF400mm F2.8やRF100-500mmの価格や重量と比較すると、中古EF400mm F5.6L USMには異なる導入しやすさがあります。

まとめ

EF400mm F5.6L USMは、400mm F5.6、6群7枚、スーパーUD1枚・UD1枚、8枚絞り、リングUSM、リアフォーカス、最短撮影距離3.5m、最大撮影倍率0.11倍、77mmフィルター、約1,250gという仕様を持つ超望遠単焦点レンズです。

最大の特徴は、400mmとして比較的軽量でありながら、開放F5.6から高い解像力とコントラストを持つことです。リングUSMによるAFも高速で、野鳥、航空機、スポーツなど動体撮影へ対応しやすく、400mmを手持ちで振り回す撮影では1,250gという重量が大きな利点になります。

一方、ISを搭載していないため、手持ちでは十分なシャッタースピードが必要です。静止した被写体でも1/500秒前後を出発点とし、野鳥やスポーツでは1/1000秒以上を使う場面が増えます。最短撮影距離3.5mという制約も大きく、近くの小鳥や花、小物を撮る用途には向きません。

APS-Cでは約640mm相当の画角となり、小さな野鳥や遠距離の航空機をさらに大きく写せます。EOS RシリーズでもEF-EOS Rを介して使用でき、対応するミラーレスの被写体検出AFを活用できます。

EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMと比べると、ズーム、IS、近接性能では100-400mmが有利ですが、EF400mm F5.6L USMはより軽く、400mmへ特化した単焦点ならではのシンプルさがあります。400mm F2.8L系と比べると暗い一方、重量と価格の負担を大幅に抑えられます。

中古購入では、リングUSM、光学系、偏芯、絞り、内蔵フード、三脚座まで確認する必要があります。状態の良い個体であれば、400mmを軽快に持ち歩きながら高い解像力を使える、現在も特徴の明確なEF超望遠単焦点です。

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