Canon EF24-70mm F2.8L USMを徹底解説|初代大三元の実力・II型との違い・中古選び
Canon EF24-70mm F2.8L USMは、24mmの広角から70mmの中望遠までをカバーし、ズーム全域でF2.8を維持するキヤノンEFマウントの大口径標準ズームです。
2002年に登場した古いレンズですが、24-70mm F2.8という現在まで続く大三元標準ズームの基本形を完成させた重要なモデルでもあります。
風景、スナップ、ポートレート、イベント、旅行など幅広い撮影に対応し、単焦点レンズを何本も交換せずに24mmから70mmまでをF2.8で使えることが最大の特徴です。
一方、質量は約950g。手ブレ補正も搭載していません。2012年には軽量化と高画質化を進めたEF24-70mm F2.8L II USMが登場し、現在のEOS RシステムにはRF24-70mm F2.8 L IS USMがあります。
現在あえて初代EF24-70mm F2.8L USMを選ぶなら、発売当時の評価だけでなく、II型やRF版との違い、中古価格、個体状態まで含めて考える必要があります。
この記事では、EF24-70mm F2.8L USMの仕様、画質、F2.8通しのメリット、ポートレートや風景での使い方、II型との違い、EOS Rでの使用、中古品の確認ポイントまで詳しく解説します。
- EF24-70mm F2.8L USMとは
- EF24-70mm F2.8L USMの主な仕様
- 24mmから70mmまで一本で撮影できる
- ズーム全域F2.8のメリット
- EF24-70mm F2.8L USMの画質
- 手ブレ補正は搭載していない
- リングUSMによるAF
- 防塵・防滴構造を採用
- ポートレートでの使い方
- 風景撮影での使い方
- EF24-70mm F2.8L II USMとの違い
- RF24-70mm F2.8 L IS USMとの違い
- EOS RシリーズでEF24-70mm F2.8L USMを使う
- EF24-70mm F2.8L USMの弱点
- 中古でEF24-70mm F2.8L USMを選ぶポイント
- 現在でもEF24-70mm F2.8L USMを買う価値はあるか
- まとめ
EF24-70mm F2.8L USMとは
24-70mm F2.8という大三元標準ズーム
EF24-70mm F2.8L USMは、広角24mmから中望遠70mmまでをズーム全域F2.8でカバーするLレンズです。
24mmでは広い風景や建物、室内を撮影でき、35mm前後ではスナップ、50mm前後では自然な画角、70mmでは人物撮影や被写体を切り取る撮影に対応できます。
この焦点域を一本でカバーできるため、標準ズームとして非常に汎用性があります。
さらに開放F値がズーム位置によって変化しないF2.8通しです。24mmでも70mmでもF2.8を使用できるため、露出管理がしやすく、暗い場所でもシャッタースピードを確保しやすくなります。
24-70mm F2.8は現在でもプロ向け標準ズームの代表的な仕様であり、EF24-70mm F2.8L USMはその初期を代表する一本です。
キヤノンの標準ズーム全体は、Canon EF標準ズームレンズ一覧で比較できます。
EF28-70mm F2.8L USMの後継として登場
EF24-70mm F2.8L USMは、EF28-70mm F2.8L USMの後継として2002年11月に発売されました。
先代は28mm始まりでしたが、EF24-70mmでは広角端が24mmまで拡大されました。
28mmと24mmの差は数字では4mmしかありませんが、広角側では画角の差が大きくなります。室内、建築、風景、集合写真などでは24mmまで使えることで撮影できる範囲が広がります。
デジタル一眼レフ時代の標準ズームとして24mm始まりを採用したことは、その後の24-70mm F2.8というカテゴリーにもつながっています。
現在では24-70mm F2.8はキヤノンだけでなく各社が主力として展開する焦点域ですが、EFシステムではこの初代が長期間中心的な役割を担いました。
歴代EFレンズについては、Canon EFレンズ一覧から確認できます。
EF24-70mm F2.8L USMの主な仕様
| 焦点距離 | 24-70mm |
|---|---|
| 開放F値 | F2.8 |
| 最小絞り | F22 |
| レンズ構成 | 13群16枚 |
| 絞り羽根 | 8枚・円形絞り |
| 最短撮影距離 | 0.38m |
| 最大撮影倍率 | 0.29倍 |
| フィルター径 | 77mm |
| 最大径×長さ | 約83.2×123.5mm |
| 質量 | 約950g |
| AF駆動 | リングUSM |
| 手ブレ補正 | 非搭載 |
| 防塵・防滴 | 対応 |
初代は約950gとかなり重い
EF24-70mm F2.8L USMの質量は約950gです。
標準ズームとして考えるとかなり重く、カメラボディを組み合わせれば1.5kgを超える構成になります。
例えばEOS 5Dシリーズなどのフルサイズ一眼レフへ装着すると、手に持ったときの重量感は明確です。
一方、24mmから70mmまでをF2.8でカバーすることで、24mm、35mm、50mm、85mmに近い画角を一本のズームで使えるため、複数の単焦点レンズを持ち歩く場合と比較すると機材構成を単純化できます。
重量だけで評価するレンズではなく、一本で対応できる撮影範囲との交換になります。
キヤノンの大口径ズームについては、Canon F2.8ズームレンズでも紹介しています。
フィルター径は77mm
フィルター径は77mmです。
EF70-200mm F2.8Lシリーズなど、同世代のキヤノン大口径Lズームにも77mmを採用した製品があります。
複数のレンズで77mm径を揃えている場合には、PLフィルター、NDフィルター、保護フィルターなどを共用できます。
後継のEF24-70mm F2.8L II USMではフィルター径が82mmへ拡大されているため、初代とII型ではフィルターをそのまま共用できません。
中古購入時にフィルター資産まで含めて考える場合には、この違いも確認しておきたいポイントです。
フィルターについては、カメラ用レンズフィルターの種類と選び方で詳しく解説しています。
24mmから70mmまで一本で撮影できる
24mmは風景・建築・室内で使いやすい
24mmはフルサイズでは本格的な広角域です。
広い風景、建築物、室内、集合写真など、撮影者がそれ以上後ろへ下がれない場所で広い範囲を写せます。
超広角ほど遠近感が極端にならないため、広角らしい広がりを得ながら比較的扱いやすい焦点距離でもあります。
旅行では建物全体を写し、風景では手前から遠景までを構図へ入れ、室内では限られた空間を広く見せるなど、多くの場面で利用できます。
標準ズームで24mmを使えることは、単に焦点距離の数字が広いだけでなく、レンズ交換を減らす意味でも重要です。
広角レンズの使い方については、Canon広角レンズの選び方も参考になります。
35mmから50mmはスナップに使いやすい
35mmから50mm付近は、日常のスナップ撮影に使いやすい焦点域です。
35mmでは被写体と周囲の環境を一緒に写しやすく、50mmでは余計な背景を整理しながら主題を明確にできます。
ズームリングを回すだけで両方を行き来できるため、街歩き、旅行、イベントなど撮影距離が頻繁に変わる場面では便利です。
単焦点レンズのように自分が移動して構図を調整することもできますが、移動できない場所ではズームによる調整が役立ちます。
F2.8を使えば、標準域でも背景をある程度ぼかして被写体を強調できます。
標準域の画角については、標準レンズの焦点距離と画角も参考になります。
70mmは人物撮影にも使える
望遠端70mmは、中望遠へ入る手前の焦点距離です。
人物へ近づきすぎず撮影できるため、24mmや35mmで顔を大きく写す場合より自然な遠近感を得やすくなります。
F2.8を使い、人物と背景の距離を取れば、背景をぼかしたポートレートも撮影できます。
85mm単焦点ほど強い中望遠効果はありませんが、全身、上半身、周囲を含めた人物写真を一本で撮影できることが24-70mmズームの強みです。
イベント撮影では24mmで会場全体を写し、70mmで人物へ寄るという使い方もできます。
ポートレート用焦点距離については、Canonポートレートレンズの選び方で詳しく紹介しています。
ズーム全域F2.8のメリット
70mmまでズームしてもF2.8を維持する
EF24-70mm F2.8L USMでは、24mmでも70mmでも開放F値はF2.8です。
一般的な標準ズームではF3.5-5.6やF4-7.1のように、望遠側へズームすると開放F値が暗くなる製品があります。
F2.8通しなら、ズーム位置を変更しても最大開口が変化しません。
マニュアル露出で撮影している場合にも、ズームしたことを理由に露出条件を変更する必要がありません。
イベント、結婚式、舞台、報道、スナップなど撮影テンポを重視する場面では、この扱いやすさが大きな利点になります。
F値の意味については、F値とは?明るさ・ボケ・被写界深度の関係で詳しく解説しています。
暗所でシャッタースピードを確保しやすい
F2.8はF4より1段明るいため、同じISO感度なら一段速いシャッタースピードを使用できます。
例えばF4で1/60秒となる場面なら、F2.8では理論上1/125秒を使用できます。
EF24-70mm F2.8L USMには手ブレ補正がないため、この明るさは特に重要です。
静止した被写体ならカメラを固定する方法もありますが、人物や動物では被写体そのものが動くため、シャッタースピードを確保する必要があります。
F2.8は単に背景をぼかすためだけでなく、暗所で被写体ブレを減らすためにも役立ちます。
シャッタースピードについては、シャッタースピードの決め方も参考になります。
EF24-70mm F2.8L USMの画質
非球面レンズとUDレンズを採用
光学系は13群16枚で、非球面レンズとUDレンズを採用しています。
24mmから70mmまで幅広い焦点距離をF2.8でカバーするズームレンズでは、歪曲収差、色収差、球面収差など複数の収差を補正する必要があります。
特に広角24mm側では画面周辺、70mm側では色収差などが画質へ影響しやすくなります。
EF24-70mm F2.8L USMは、当時のプロ向け標準ズームとしてズーム全域で安定した描写を得ることを目的に設計されました。
現在の高画素ミラーレス用レンズと同じ基準で見るものではありませんが、適切な絞りと撮影条件なら現在でも十分実用的です。
レンズの収差については、レンズの光学性能と収差で詳しく解説しています。
開放F2.8を使う意味がある
大口径標準ズームを選ぶ以上、F2.8を実際の撮影で使用できるかは重要です。
人物撮影では背景をぼかし、スナップでは暗い場所でシャッタースピードを確保し、イベントではISO感度の上昇を抑えるなど、F2.8を使う場面は多くあります。
風景撮影のように画面全体の解像感を重視する場合は、F5.6からF8程度まで絞る使い方もできます。
常にF2.8で撮影する必要はありません。
必要なときにF2.8を選択でき、必要に応じて絞れることが大口径ズームの強みです。
絞りによる画質の変化については、レンズを絞ると画質はどう変わるかも参考になります。
0.38mまで寄れる
最短撮影距離はズーム全域で0.38mです。
最大撮影倍率は0.29倍となり、標準ズームとして比較的被写体へ寄って撮影できます。
料理、花、小物などを撮影する場合、マクロレンズほど大きくは写せませんが、日常的なクローズアップ撮影には便利です。
70mm側で被写体へ寄れば、背景をぼかしながら被写体を大きく写すこともできます。
旅行で標準ズーム一本だけを持ち歩く場合には、風景から小物まで対応できる撮影倍率の高さが役立ちます。
さらに大きく写したい場合は、Canonマクロレンズ一覧も確認できます。
手ブレ補正は搭載していない
IS非搭載は現在では大きな違いになる
EF24-70mm F2.8L USMにはレンズ内手ブレ補正機構がありません。
同じF2.8標準ズームでも、現在のRF24-70mm F2.8 L IS USMには手ブレ補正が搭載されています。
静止した風景、建築、夜景などでは、手ブレ補正があれば低速シャッターを使用しやすくなります。
初代EF24-70mmでは、必要に応じてISO感度を上げる、シャッタースピードを速くする、三脚を使用するなどの対応が必要です。
一方、人物や動物など被写体が動く撮影では、手ブレ補正があっても被写体ブレは止まりません。この場合はF2.8の明るさを利用してシャッタースピードを確保する方が重要です。
手ブレ補正については、手ブレ補正の仕組みと使い方で詳しく解説しています。
ボディ内手ブレ補正搭載EOS Rとの組み合わせ
EOS R5やEOS R6シリーズなどボディ内手ブレ補正を備えたEOS Rへ、マウントアダプターを介してEF24-70mm F2.8L USMを装着する使い方もできます。
この場合、レンズ自体にISがなくても、ボディ側の補正を利用できます。
初代EF24-70mmの弱点だった手持ち低速撮影を、現代のボディ側機能で補える点は興味深いところです。
一方、約950gのレンズにマウントアダプターが加わるため、RF24-70mmと比較して軽量な構成になるわけではありません。
すでにEF24-70mmを所有している場合には、EOS Rでも引き続き活用できるという意味が大きくなります。
EFレンズをEOS Rで使う方法は、EOS RでEFレンズを使う方法で詳しく紹介しています。
リングUSMによるAF
静止画中心なら現在でも実用的
AF駆動にはリングUSMを採用しています。
EF時代の上位レンズで広く採用された方式で、高速AFとフルタイムマニュアルフォーカスに対応します。
AFでピントを合わせた後でも、フォーカスリングを操作してピント位置を微調整できます。
EOS 5Dシリーズなどの一眼レフではもちろん、マウントアダプターを介したEOS RシリーズでもAFを利用できます。
最新RFレンズのNano USMとは世代が異なりますが、静止画中心なら現在でも実用できます。
USMやSTMなどの違いについては、STM・USM・VCMの違いで詳しく解説しています。
動画中心なら最新RFレンズが有利
EF24-70mm F2.8L USMが発売された2002年は、一眼レフによる動画撮影が一般化する以前です。
そのため動画撮影時の滑らかなAF移動やフォーカスブリージングなどを最優先して設計されたレンズではありません。
現在EOS Rシリーズで動画を中心に撮影するなら、Nano USMを採用したRFレンズなど新しい世代が扱いやすくなります。
一方、静止画を中心に使用し、すでにEFレンズ資産を持っている場合には、初代EF24-70mmを活用する余地があります。
古いEFレンズだからEOS Rで使えないということではなく、用途によって世代差がどこに影響するかを考えることが重要です。
EOS R用標準ズームについては、Canon RF標準ズームレンズ一覧も参考になります。
防塵・防滴構造を採用
Lレンズらしい堅牢性を備える
EF24-70mm F2.8L USMは防塵・防滴構造を採用しています。
報道、イベント、屋外撮影など、撮影条件を選びにくいプロ用途を意識した設計です。
鏡筒も小型軽量を最優先したレンズとは異なり、約950gという重量を含めて堅牢性を感じる構成になっています。
中古市場では長期間業務用途で使用された個体も存在するため、「Lレンズだから丈夫」という理由だけで状態を判断することはできません。
外観の傷、ズームリング、マウント、スイッチ類など、実際の使用状態を確認する必要があります。
Lレンズの特徴については、Canon Lレンズとは?特徴とラインアップも参考になります。
古い個体ではゴム部品なども確認したい
発売から20年以上経過しているため、中古では光学系以外の経年変化も確認したいところです。
ズームリングやフォーカスリングのゴムが白化していないか、ベタつきがないか、操作時に引っ掛かりがないかを確認します。
ズーム鏡筒のガタ、マウント部分の摩耗、スイッチ類の動作なども見ておきます。
外装の細かな傷は実写へ影響しませんが、操作部分に大きな劣化がある個体は長期使用で不便になる可能性があります。
古いプロ向けレンズでは外観のきれいさだけでなく、実際に動作する部分の状態を重視したいところです。
中古レンズの確認方法は、中古レンズ購入時のチェックポイントでも紹介しています。
ポートレートでの使い方
70mm F2.8で人物と背景を分離する
ポートレートでは70mm側のF2.8が使いやすくなります。
被写体から少し距離を取り、背景までの距離も確保すると、人物を背景から分離した写真を作れます。
85mm F1.2やF1.4のような単焦点ほど大きなボケにはなりませんが、ピントの許容範囲を確保しながら背景を整理できます。
人物が動いたり撮影距離が変わったりする場合には、ズームで構図を調整できることが単焦点にはない利点です。
屋外ポートレート、イベント、結婚式などでは70mmから広角側まで瞬時に変更できることが役立ちます。
人物撮影のレンズ選びについては、Canonポートレートレンズの選び方も参考になります。
24mmなら環境を含めた人物写真を撮れる
24mm側では、人物だけでなく周囲の風景や建物も含めた構図を作れます。
旅行先、店舗、仕事場、街中など、その人物がどこにいるのかを写真に残したい場合に使いやすい画角です。
一方、人物の顔へ近づきすぎると広角特有の遠近感が強くなります。
顔のアップを24mmで撮るより、人物を画面の中心付近に置き、ある程度距離を取って周囲まで写す使い方が自然です。
一本のレンズで70mmの人物中心の写真と24mmの環境ポートレートを撮り分けられることが24-70mmの強みです。
広角ポートレートについては、広角レンズでポートレートを撮る方法も参考になります。
風景撮影での使い方
24mmで広く写し70mmで切り取る
風景撮影では24mmから70mmまでのズーム範囲をそのまま活用できます。
24mmでは目の前の景色を広く写し、35mmや50mmでは自然な遠近感でまとめ、70mmでは山の一部、建物、夕日などを切り取れます。
広角ズームと望遠ズームの中間を一本で担当できるため、旅行や登山でレンズ交換を減らしたい場合にも便利です。
画面全体へピントを合わせたい場合はF5.6からF8程度まで絞り、必要に応じて三脚を利用します。
手ブレ補正がないため、夕方や夜景ではシャッタースピードに注意が必要です。
風景撮影用レンズについては、Canon風景撮影レンズの選び方も参考になります。
24mmだけでは足りない場面もある
24mmは広角ですが、超広角ではありません。
大きな建物を近距離から撮影する場合や、狭い室内でさらに広い範囲を写したい場合には16mmや14mmなどの超広角レンズが必要になることがあります。
一方、24mm始まりだからこそ70mmまでF2.8でカバーでき、標準ズームとして高い汎用性を実現しています。
旅行で一本だけ持つなら24-70mm、超広角表現を重視するなら別途広角ズームを追加するという構成が考えられます。
すべてを一本でカバーするより、撮影目的によってレンズを組み合わせる方が合理的な場合もあります。
超広角レンズについては、Canon超広角レンズ一覧も参考になります。
EF24-70mm F2.8L II USMとの違い
II型は約805gまで軽量化
後継のEF24-70mm F2.8L II USMは2012年に発売されました。
初代の約950gに対し、II型は約805gです。
約145g軽量化されており、長時間の手持ち撮影では違いを感じやすくなります。
さらにII型では光学設計を刷新し、高画素デジタルカメラへの対応を進めています。
初代から10年後のモデルだけに、単なる外装変更ではなく、画質と携帯性を大きく見直した後継機です。
EFマウントで性能を優先して24-70mm F2.8を選ぶ場合には、基本的にII型が上位の選択肢になります。
II型については、EF24-70mm F2.8L II USMで詳しく解説しています。
最大撮影倍率は初代の方が高い
興味深い違いが最大撮影倍率です。
初代EF24-70mm F2.8L USMは最大0.29倍ですが、II型は最大0.21倍です。
II型は高画質化、軽量化、小型化を進めていますが、被写体をどれだけ大きく写せるかという点では初代が有利です。
花、料理、小物などへ寄って撮影する機会が多い場合には、初代の0.29倍という倍率は現在でも魅力があります。
もちろん最大撮影倍率だけでレンズ全体の優劣は決まりません。
画質、重量、AF、価格などを含めて比較する必要があります。
近接撮影を重視する場合は、Canonマクロレンズ一覧も確認できます。
フィルター径は77mmから82mmへ拡大
初代は77mmですが、II型は82mmフィルターを使用します。
すでに77mmのPLフィルターやNDフィルターを複数所有している場合には、初代の方が既存アクセサリーを利用しやすい場合があります。
II型へ移行すると、82mmフィルターを新たに用意する必要があります。
一方、レンズそのものの光学性能や重量ではII型に大きな進化があります。
中古で価格差を比較するときは、レンズ本体だけでなく必要なフィルター類まで含めて総額を見る方法もあります。
フィルター径の違いについては、レンズフィルターの選び方も参考になります。
RF24-70mm F2.8 L IS USMとの違い
RF版は5段分の手ブレ補正を搭載
RF24-70mm F2.8 L IS USMは2019年に発売されたEOS Rシステム用の大口径標準ズームです。
大きな違いはレンズ内手ブレ補正を搭載していることです。
EF初代とEF II型はいずれもISを搭載していませんが、RF版では手持ち撮影への対応が強化されています。
静止した風景、建築、夜景、室内などでは、F2.8とISを組み合わせることで撮影できる条件が広がります。
EOS Rシステムだけを使用し、新品または比較的新しい標準ズームを選ぶならRF版の利便性は高くなります。
RF標準ズーム全体は、Canon RF標準ズームレンズ一覧で比較できます。
RF版も約900gあり極端に軽いわけではない
RF24-70mm F2.8 L IS USMの質量は約900gです。
初代EF24-70mm F2.8L USMの約950gより軽いものの、その差は約50gです。
RF版にはISが追加され、光学系も15群21枚と大型化しているため、F2.8標準ズームとして一定の重量があります。
小型軽量を最優先する場合には24-105mm系やF2.8以外の標準ズームも比較対象になります。
RF版の強みは単純な軽量化ではなく、最新の光学設計、IS、Nano USM、EOS Rへの直接装着などを含めた総合性能です。
RFとEFの違いについては、RFレンズとEFレンズの違いも参考になります。
EOS RシリーズでEF24-70mm F2.8L USMを使う
マウントアダプター EF-EOS Rで使用できる
EF24-70mm F2.8L USMは、マウントアダプター EF-EOS Rを使用することでEOS Rシリーズへ装着できます。
AF、絞り制御などの電子機能も利用できます。
すでに初代EF24-70mmを所有している場合、EOS Rへ移行したからといってすぐRF24-70mmへ買い替える必要はありません。
まずEFレンズをアダプター経由で使い、必要性を感じてからRFレンズへ移行する方法もあります。
一方、新規にEOS R用レンズとして中古初代を購入する場合には、950gのレンズにアダプターが加わることも考慮したいところです。
マウントアダプターについては、EF-EOS Rのメリットとデメリットで詳しく解説しています。
APS-C EOS Rでは約38-112mm相当
EOS R7、R10、R50、R50 VなどAPS-CセンサーのEOS Rへ装着した場合、35mm判換算では約38-112mm相当の画角になります。
フルサイズでは24mmから始まる標準ズームですが、APS-Cでは広角域がなくなり、標準から中望遠を中心としたズームになります。
人物撮影では使いやすい範囲ですが、風景や室内で広く写したい場合には38mm相当では不足することがあります。
APS-Cで使用する場合は、EF24-70mm本来の24mm広角を生かせないことを理解して選ぶ必要があります。
一方、70mm側は約112mm相当となるため、人物撮影ではより望遠効果を得られます。
APS-Cとフルサイズの画角差については、APS-Cとフルサイズの違いも参考になります。
EF24-70mm F2.8L USMの弱点
950gという重量
現在このレンズを使ううえで最も分かりやすい弱点は重量です。
標準ズーム一本だけで約950gあります。
旅行や散歩で一日中持ち歩く場合には負担を感じやすく、軽量なミラーレスボディへ装着するとレンズ側へ重心が偏ります。
一方、重量を減らすためにF4ズームへ変更するとF2.8の明るさは失われます。
大口径標準ズームを必要とするかどうかで、この重量を許容できるかが変わります。
軽量標準ズームについては、Canon標準ズームレンズの選び方も参考になります。
手ブレ補正がない
レンズ内ISがないことも、現在の基準では弱点になります。
F2.8なので暗所には比較的強いものの、静止した被写体を低速シャッターで撮る場合にはIS搭載レンズが有利です。
EOS R5やR6系などIBIS搭載ボディならある程度補えますが、一眼レフではレンズ側のISがない状態で使用します。
人物やイベントでは高速シャッターを使うため大きな問題にならない場合もあります。
風景、夜景、室内撮影を手持ちで行う機会が多いほど、IS非搭載の影響は大きくなります。
手持ち撮影については、手ブレ補正とシャッタースピードも参考になります。
高画素機ではII型やRF版との性能差が出やすい
EF24-70mm F2.8L USMは2002年発売です。
当時のフィルムカメラや初期デジタル一眼レフも視野に入れた設計であり、現在の高画素機を前提として開発されたレンズではありません。
高画素センサーで画面周辺まで細部を厳密に比較すると、II型やRF版の新しい光学設計が有利です。
一方、通常の写真鑑賞やWeb掲載ですべての差が決定的になるわけではありません。
初代を選ぶ場合は、最新レンズと同等の性能を低価格で得るという考え方より、価格と用途のバランスを見る方が適しています。
高画素機とレンズの関係については、高画素カメラに必要なレンズ性能も参考になります。
中古でEF24-70mm F2.8L USMを選ぶポイント
レンズ内部のカビとクモリを確認する
発売から長期間経過しているため、中古ではカビやクモリを最初に確認します。
細かなチリは古いズームレンズでは珍しくありませんが、広範囲のクモリやカビは逆光時のコントラスト低下などにつながります。
前玉だけでなく後玉も確認し、可能なら実写で逆光や絞り込んだ写真も確認します。
外観がきれいでも光学系が良好とは限りません。
中古価格が安い個体ほど、価格差の理由が単なる外装傷なのか、光学系や機構の問題なのかを区別することが重要です。
レンズ内部の状態については、レンズのカビ・クモリ・チリの違いも参考になります。
AFとズーム機構を確認する
AFは24mmと70mmの両方で確認します。
近距離と遠距離の被写体を交互に狙い、AFが正常に移動するか、異常な音がないかを確認します。
ズームリングも24mmから70mmまで何度か動かし、途中で引っ掛かったり極端に重くなったりしないかを見ます。
長期間使われた業務用レンズでは、鏡筒部分にガタが生じている場合もあります。
初代EF24-70mmは重量のあるズームレンズなので、落下や強い衝撃を受けた形跡がないかも確認したい部分です。
中古レンズの確認項目は、中古レンズの選び方でも詳しく紹介しています。
付属フードの状態も確認する
EF24-70mm F2.8L USMは大口径標準ズームなので、逆光撮影ではフードを使用する意味があります。
中古では純正フードが付属しているかも確認しておくとよいでしょう。
古い個体ではフード取り付け部の摩耗やガタがある場合があります。
レンズ本体の光学性能が正常でも、フードが固定できなければ撮影中に扱いにくくなります。
中古価格を比較する際には、本体だけでなくフード、前後キャップ、ケースなどの付属品も含めて判断すると実際の総額を比較しやすくなります。
レンズフードについては、レンズフードの効果と必要性も参考になります。
現在でもEF24-70mm F2.8L USMを買う価値はあるか
安価な中古ならF2.8標準ズーム入門になる
現在のEF24-70mm F2.8L USMは、最新性能を求めて選ぶレンズではありません。
II型は軽量で光学性能が向上し、RF版にはISも搭載されています。
一方、中古価格が十分に安ければ、24-70mm F2.8という大口径標準ズームを試すための選択肢になります。
F4標準ズームや可変F値ズームしか使ったことがない場合、ズーム全域F2.8による露出の安定性や背景ボケを体験できます。
状態の良い個体を低価格で入手できるなら、EFシステムを楽しむレンズとして価値が残っています。
中古EFレンズ全体から探す場合は、Canon EFレンズ一覧も利用できます。
価格差が小さければII型を優先したい
初代とII型の中古価格差が小さい場合には、II型を優先する意味が大きくなります。
約145gの軽量化、新しい光学設計、高画素機への適性など、実際の使用でメリットを感じやすいためです。
初代を選ぶなら、「初代だから安い」という価格上のメリットが必要です。
初代とII型がほぼ同じ価格で、両方とも状態が同程度なら、通常はII型の方が選びやすくなります。
反対に初代が大幅に安い場合は、24-70mm F2.8を低予算で導入できることが大きな魅力です。
II型の特徴は、EF24-70mm F2.8L II USMで詳しく紹介しています。
すでに所有しているならEOS Rでも活用できる
すでにEF24-70mm F2.8L USMを所有している場合は、EOS Rへ移行してもマウントアダプター経由で使い続けられます。
AFや絞り制御を利用できるため、RF24-70mmへすぐ買い替えなくても撮影できます。
ボディ内手ブレ補正を持つEOS Rと組み合わせれば、レンズにISがない点も一部補えます。
実際にアダプター経由で使用し、重量やAF、画質に不満が出てからRF版へ移行する方法もあります。
EFレンズ資産を生かせることはEOS Rシステムの特徴のひとつです。
EFからRFへの移行については、EOS RでEFレンズを使う方法も参考になります。
まとめ
Canon EF24-70mm F2.8L USMは、2002年に発売されたキヤノンEFマウントの大口径標準ズームです。
24mmから70mmまでをズーム全域F2.8でカバーし、風景、スナップ、人物、旅行、イベントなど幅広い撮影へ対応できます。
光学系は13群16枚。最短撮影距離は0.38m、最大撮影倍率は0.29倍、フィルター径は77mmです。
リングUSM、防塵・防滴構造などLレンズらしい仕様を備える一方、手ブレ補正は搭載していません。
最大の弱点は約950gという重量です。後継のEF24-70mm F2.8L II USMは約805gまで軽量化され、光学系も刷新されました。
EOS R用のRF24-70mm F2.8 L IS USMではレンズ内手ブレ補正も追加されており、現在の性能だけを比較すれば新しいモデルが有利です。
それでも初代には、24-70mm F2.8という基本性能、0.29倍の最大撮影倍率、77mmフィルター、そして中古価格という独自の選択理由があります。
特に状態の良い個体が安価なら、EFマウントで大三元標準ズームを体験するための一本として現在でも利用できます。
すでに所有している場合には、マウントアダプターを介してEOS Rシリーズでも継続使用できます。
最新レンズと真正面から性能を競う製品ではありませんが、キヤノンEFシステムの大口径標準ズームを代表した一本として、現在の中古市場でも検討する意味が残っています。



