EF70-200mm F2.8L IS II USMの重さは?初代・III型・RF版と比較
EF70-200mm F2.8L IS II USMは、70mmから200mmまでを開放F2.8でカバーする大口径望遠ズームです。レンズ単体の質量は約1,490gで、現在のレンズと比べれば明確に重量級ですが、数字だけを見て「重いレンズ」と判断すると、このレンズの性格を十分に捉えられません。
初代EF70-200mm F2.8L IS USMは約1,590g、II型は約1,490g、III型は約1,480gです。さらにRF70-200mm F2.8 L IS USMでは約1,070gまで軽量化されています。同じ70-200mm F2.8でも、世代によって設計思想と重量は大きく変化してきました。
EF70-200mm F2.8L IS II USMで重要なのは、約1,490gという質量の中に、19群23枚の光学系、蛍石1枚とUDレンズ5枚、約4段分のレンズ内手ブレ補正、リングUSM、インナーズーム、インナーフォーカス、三脚座などを収めている点です。軽さを優先した望遠ズームではなく、画質、明るさ、AF、耐久性、操作性をまとめて成立させるための重量と考えると、このレンズの位置付けが見えやすくなります。
| レンズ | 質量 | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 |
|---|---|---|---|
| EF70-200mm F2.8L IS USM | 約1,590g | 1.4m | 0.17倍 |
| EF70-200mm F2.8L IS II USM | 約1,490g | 1.2m | 0.21倍 |
| EF70-200mm F2.8L IS III USM | 約1,480g | 1.2m | 0.21倍 |
| RF70-200mm F2.8 L IS USM | 約1,070g | 0.7m | 0.23倍 |
| RF70-200mm F2.8 L IS USM Z | 約1,115g/約1,110g | 0.49m~0.68m | 最大0.3倍 |
EF70-200mm F2.8L ISシリーズの重さを正確に比較する
EF70-200mm F2.8L IS II USMの重量を考えるには、単独の1,490gだけを見るより、初代とIII型を並べる方が分かりやすくなります。初代からII型では100g軽量化され、III型ではさらに10g軽くなっています。世代交代のたびに劇的に軽くなったシリーズではありませんが、性能を維持しながら細かく重量が削られてきました。
初代EF70-200mm F2.8L IS USMは約1,590g
2001年に登場した初代EF70-200mm F2.8L IS USMの質量は約1,590gです。最大径は約86.2mm、全長は約197mmで、最短撮影距離は1.4m、最大撮影倍率は0.17倍でした。70-200mm F2.8という大口径ズームに手ブレ補正を組み込み、報道、スポーツ、イベント、人物撮影などへ対応するレンズとして設計されています。
II型との差は約100gです。100gだけを見ると小さく感じますが、カメラを構えた状態で数時間撮影する場合や、ボディと交換レンズを複数持ち歩く場合には積み重なってきます。初代の描写や使い方についてはEF70-200mm F2.8L IS USMの特徴でも詳しく紹介しています。
II型は約1,490gまで100g軽量化された
EF70-200mm F2.8L IS II USMの質量は約1,490gです。初代より約100g軽くなった一方、最大径は約88.8mm、全長は約199mmとなり、外形寸法自体はほぼ同じクラスに収まっています。軽量化だけを目的としたモデルではなく、光学設計、近接性能、手ブレ補正を含めて全面的に見直された世代です。
最短撮影距離は初代の1.4mから1.2mへ短縮され、最大撮影倍率も0.17倍から0.21倍へ高まりました。約100g軽くしながら撮影可能な距離を広げ、手ブレ補正も強化された点にII型の価値があります。描写やAFを含めた全体像はEF70-200mm F2.8L IS II USMレビューで掘り下げています。
III型は約1,480gでII型との差は10g
EF70-200mm F2.8L IS III USMの質量は約1,480gで、II型より約10g軽くなっています。II型とIII型では19群23枚、最短撮影距離1.2m、最大撮影倍率0.21倍、フィルター径77mm、最大径約88.8mm、全長約199mmと主要な数値が共通しています。
III型の主な変更はASCの採用を含むコーティングの改良、前後面へのフッ素コーティング、外装色などです。重量差だけで見るとII型とほぼ同等なので、II型からIII型への選択では10gの差より、逆光時の描写や中古価格の差を見る方が実用的です。両者の違いはEF70-200mm F2.8L IS III USMレビューでも確認できます。
EF70-200mm F2.8L IS II USMが1,490gになる理由
大口径望遠ズームが重くなる最大の理由は、F2.8を70mmから200mmまで維持するために大きな光学系が必要になることです。さらにII型には手ブレ補正機構、高速AF、ズーム時に全長が変わらない鏡筒、三脚座などが組み込まれています。重量は一つの部品だけで生じているものではありません。
19群23枚と蛍石・UDレンズを使った光学系
EF70-200mm F2.8L IS II USMは19群23枚のレンズ構成を採用し、その中に蛍石1枚とUDレンズ5枚を配置しています。望遠域では倍率色収差や軸上色収差が画質へ現れやすく、200mm側で高い解像感とコントラストを維持するには、それらを光学系の段階で抑える必要があります。
F2.8通しの望遠ズームでは、単純にレンズ枚数を減らして軽くすれば同じ性能が得られるわけではありません。70mm、100mm、135mm、200mmの各焦点距離で画面中央だけでなく周辺まで安定させる必要があり、さらに開放F2.8でも実用できる画質が求められます。EFレンズの中でこうした大口径Lズームがどのような位置にあるのかはCanon神レンズ総合ガイドでも整理しています。
約4段分のレンズ内手ブレ補正とリングUSMを搭載
II型には約4段分の補正効果を持つレンズ内手ブレ補正が搭載されています。200mmでは小さな揺れがファインダー像へ大きく現れるため、手ブレ補正は撮影画像だけでなく、構図を安定させるうえでも効果があります。静止している人物、風景、舞台、室内などでは、シャッタースピードを下げざるを得ない場面で撮影の余裕を広げます。
AFにはリングUSMが使われています。大きなフォーカス群を高速で動かしながら、スポーツや人物撮影で必要となる素早い合焦を支える構成です。手ブレ補正とAFは重量を増やす要素ですが、1,490gの中には単純なガラスの重さだけでなく、望遠撮影を成立させる機構が含まれています。Canonの手ブレ補正の考え方はCanonの手ブレ補正を徹底解説でも詳しく扱っています。
1.2mまで寄れることで200mm側の用途が広がる
EF70-200mm F2.8L IS II USMの最短撮影距離はズーム全域で1.2m、最大撮影倍率は200mm時に0.21倍です。マクロレンズほど大きく写せるわけではありませんが、花、小物、料理の一部分、動物の顔などを離れた位置から切り取る用途には十分利用できます。
200mm F2.8と最短撮影距離付近を組み合わせると、被写体を大きく写しながら背景を狭く整理できます。70-200mmをスポーツ専用の望遠ズームとして考えると見落としやすい部分ですが、人物、花、風景の細部まで扱えることが、このクラスのレンズを一本持ち出す意味につながります。200mmという焦点距離の使い方は200mmレンズの使い道でも紹介しています。
1,490gの重さは実際の撮影でどう感じるのか
1,490gはレンズ単体の数値です。実際にはカメラボディ、バッテリー、ストラップを加えた状態で持つため、撮影システム全体では2kgを大きく超えることがあります。重要なのは「持ち上げられるか」ではなく、構え続ける時間、移動距離、撮影姿勢まで含めて考えることです。
短時間の手持ちと長時間の手持ちでは負担が変わる
数枚撮影してカメラを下ろす使い方なら、1,490gでも扱える場面は多くあります。左手で三脚座付近を支え、右手はグリップ操作に集中させると、レンズの重量を両手へ分散できます。鏡筒がズーミングで伸びないため、70mmから200mmへ変更しても前後バランスが大きく変化しない点も扱いやすさにつながります。
負担が大きくなるのは、ファインダーをのぞいたまま長時間待つ撮影です。舞台、鳥、競技、イベントなどでは次の瞬間に備えて構え続ける時間が長くなり、1,490gという数値以上に腕や肩へ負荷が蓄積します。レンズ重量とバランスの関係についてはレンズ設計と重量バランスでも詳しく解説しています。
スポーツやイベントではF2.8の明るさが重量に見合う場面がある
屋内スポーツ、体育館、舞台、夕方の競技などでは、70-200mm F2.8の重量を受け入れる意味が分かりやすくなります。F4より一段明るいため、同じISO感度なら一段速いシャッタースピードを選べます。手ブレ補正では止められない被写体自身の動きを抑えるには、F2.8の明るさが直接効いてきます。
被写体が遠いときには200mm、近づいたときには135mm、100mm、70mmへ戻せるため、撮影位置を自由に変えられない競技やイベントにも適しています。単焦点を複数本交換するより、1本を装着したまま画角を変えられることを考えると、重量があっても撮影全体の効率は高くなります。70-200mmという焦点域の実用性は70-200mmレンズの使い道で詳しく整理しています。
三脚座は三脚だけでなく一脚運用にも役立つ
EF70-200mm F2.8L IS II USMにはリング式三脚座が付属します。三脚へ固定するときにカメラ側のネジ穴を使うより、レンズ側の重心に近い位置で支えられるため、重量級レンズでも前後のバランスを取りやすくなります。縦位置と横位置の切り替えも、カメラを雲台から外さず三脚座を回転させて行えます。
スポーツや舞台では一脚との相性も高く、レンズとボディの重量を地面へ逃がしながら左右へ振れます。長時間の待機と撮影を繰り返す場面では、1,490gを常に腕だけで支える必要がなくなります。70-200mmと三脚座を使う撮影については70-200mm F2.8を使った人物撮影も関連します。
ほかの70-200mmと比べると1,490gはどの位置にあるのか
同じ70-200mmでも、手ブレ補正の有無、開放F値、マウント、ズーム方式によって重量は大きく変わります。EF70-200mm F2.8L IS II USMの1,490gを評価するには、単純な新旧比較だけでなく、何を残して何を軽くしたレンズなのかを見る必要があります。
手ブレ補正なしのEF70-200mm F2.8L USMは約1,310g
1995年に登場したEF70-200mm F2.8L USMは、手ブレ補正を搭載しないF2.8通しの望遠ズームで、質量は約1,310gです。II型より約180g軽く、古いレンズだから重いとは限らないことが分かります。手ブレ補正ユニットを持たない構成であることが、重量差の一因です。
70-200mm F2.8を明るさとズームだけで使うなら、この1,310gは現在でも特徴のある数値です。一方、200mmの手持ち撮影や暗所では、レンズ内手ブレ補正の有無が使い勝手へ影響します。非ISモデルの特徴はEF70-200mm F2.8L USMで詳しく紹介しています。
EF70-200mm F4L IS II USMなら約780gまで軽くなる
F2.8が必要ない撮影ではEF70-200mm F4L IS II USMという選択肢があります。質量は約780gなので、F2.8L IS II USMの約1,490gに対して約710g軽く、ほぼ半分に近い差があります。カメラバッグへ入れた時点でも、首や肩から下げた時点でも、差を感じやすい組み合わせです。
日中の風景、旅行、屋外スナップなどでF5.6やF8を中心に撮るなら、F2.8のために約710gを追加する必要性は小さくなります。反対に暗い舞台や屋内スポーツでは、F2.8とF4の一段差がシャッタースピードへ直結します。軽さと明るさの差を具体的に比較する場合はEF70-200mm F4L IS II USMも参考になります。
RF70-200mm F2.8は約1,070gまで軽量化された
RF70-200mm F2.8 L IS USMの質量は三脚座を除いて約1,070gです。EF70-200mm F2.8L IS II USMとの差は約420gで、約28%軽くなっています。収納時の全長も約146mmと短く、RFマウントの特性と伸縮式ズームを利用して携行性を大きく高めています。
一方、RF70-200mm F2.8 L IS USM Zはインナーズームを採用し、質量はホワイトが約1,115g、ブラックが約1,110gです。通常のRF70-200mm F2.8より少し重くなりますが、ズーム操作で全長が変化せず、EF70-200mm F2.8L IS II USMよりは約375~380g軽く仕上がっています。RF世代の70-200mmについてはRF70-200mm F2.8 L IS USMで詳しく紹介しています。
EOS RシリーズでEF70-200mm F2.8L IS II USMを使う
EF70-200mm F2.8L IS II USMはEF一眼レフだけで使うレンズではありません。マウントアダプターEF-EOS Rを介せばEOS Rシリーズでも使用できます。ここで重量を見る場合には、レンズ単体の1,490gにアダプター分も加わることを考える必要があります。
マウントアダプターを加えるとレンズ側だけで約1,600gになる
標準のマウントアダプターEF-EOS Rは約110gです。EF70-200mm F2.8L IS II USMの約1,490gと組み合わせると、ボディを除いたレンズとアダプターだけで約1,600gになります。RF70-200mm F2.8 L IS USMの約1,070gと比較すると、システム重量の差はさらに大きく感じられます。
その一方で、EFレンズをすでに所有している場合は、新しいRFレンズへ一式入れ替えず、そのままEOS Rシリーズへ移行できる利点があります。ボディを更新してもレンズ資産を継続できる点はEFシステムの強みです。接続方法や互換性についてはEOS RでEFレンズを使う方法で詳しくまとめています。
ミラーレスではAFの使い方も変わる
一眼レフでは独立した位相差AFセンサーを利用していたのに対し、EOS Rシリーズでは撮像面でピントを検出します。EF70-200mm F2.8L IS II USMをアダプター経由で装着しても電子接点を通じてAFや絞り制御が行われるため、EFレンズをミラーレスでも継続利用できます。
人物撮影では顔や瞳の検出を利用でき、スポーツや動物ではEOS Rボディ側の被写体検出や追従機能を使える機種があります。レンズ自体はII型のままでも、ボディ側の進化によって撮影方法が変わる点がEFレンズをEOS Rで使う特徴です。実際のEFレンズ運用についてはEOS R6 Mark IIでのEFレンズ活用でも紹介しています。
RFへ交換するかEF II型を残すかは重量差だけでは決まらない
RF70-200mm F2.8 L IS USMは約1,070gで、EF II型とアダプターの組み合わせより大幅に軽くなります。最短撮影距離も0.7mまで短縮されており、携行性と近接性能ではRF側の進化が明確です。一方、EF II型はインナーズームで全長が変わらず、EF一眼レフとEOS Rシリーズの両方で使えます。
EOS 5Dシリーズなどの一眼レフを残しながらEOS Rも使う場合、EF70-200mm F2.8L IS II USM一本を両方へ装着できることには大きな意味があります。RFレンズはEOS R専用なので、一眼レフとの共用はできません。RF世代のインナーズーム型まで含めて比較する場合はRF70-200mm F2.8 L IS USM Zも確認できます。
EF70-200mm F2.8L IS II USMを中古で見るときの確認点
EF70-200mm F2.8L IS II USMは長期間販売されたレンズなので、中古市場では使用歴の異なる個体が混在します。同じ外観ランクでも、AF、手ブレ補正、ズームリング、フォーカスリングの状態には差があります。約1,490gという重量級レンズだけに、落下や衝撃を受けた痕跡も確認材料になります。
AFと手ブレ補正は実際の動作状態が重要
AFでは近距離から遠距離、遠距離から近距離へ大きくピント位置を移動させたときの動作を見ます。リングUSMが素早く動き、途中で停止したり異常な音が出たりしないかが確認点です。AF後にピント位置が安定しているかも重要になります。
手ブレ補正はスイッチを入れてファインダー像の変化を見ると状態を確認しやすくなります。作動開始時の音だけで判断せず、200mmで静止した被写体を狙い、像が安定するかを見る方が実用的です。II型とIII型を中古で比較する場合はEF70-200mm F2.8L IS III USMとII型の違いも関連します。
鏡筒・三脚座・レンズ内部まで見る
白い鏡筒は擦れや塗装の傷が見えやすいため、外観から使用量を想像しやすいレンズです。フード取り付け部、フィルター枠、マウント周辺、スイッチ類の摩耗も確認材料になります。三脚座は取り外されている中古品もあるため、付属の有無によって実際の運用性が変わります。
内部では大きなゴミだけでなく、曇りやカビ、強い傷の有無が重要です。小さなチリが撮影画像へ直ちに影響するとは限りませんが、広範囲の曇りやカビはコントラストへ影響する可能性があります。EFレンズ全体から中古候補を考える場合はキヤノン大全から関連するEFレンズを比較できます。
1,490gを許容できる撮影内容かで価値が大きく変わる
EF70-200mm F2.8L IS II USMは、軽量な望遠ズームを探している人に対して1,490gという数字を隠せるレンズではありません。旅行で一日中歩きながら撮影する場合、F4モデルやRFモデルの軽さには明確な利点があります。収納時の大きさも含め、持ち出す頻度へ重量が影響する可能性があります。
一方、人物、舞台、スポーツ、イベントなどでF2.8を使い、70mmから200mmまで頻繁に画角を変えるなら、1本で対応できる範囲は広くなります。200mmを超える焦点距離が常に必要なら70-200mmとは用途が変わるため、400mmまで使えるレンズとの比較も必要になります。望遠側をさらに伸ばす撮影については100-400mmレンズの使い道で違いを整理しています。
まとめ
EF70-200mm F2.8L IS II USMの質量は約1,490gです。初代EF70-200mm F2.8L IS USMの約1,590gから約100g軽くなり、後継のIII型は約1,480gなので、EF世代の手ブレ補正付き70-200mm F2.8はおおむね1.5kg級のレンズとして設計されてきました。
II型は19群23枚の光学系に蛍石1枚とUDレンズ5枚を使用し、約4段分のレンズ内手ブレ補正、リングUSM、インナーズーム、最短撮影距離1.2m、最大撮影倍率0.21倍を備えています。1,490gという重量は、F2.8の明るさ、高い描写性能、AF、手ブレ補正、堅牢な鏡筒を一つにまとめた結果でもあります。
軽さを重視すればEF70-200mm F4L IS II USMは約780g、RF70-200mm F2.8 L IS USMは約1,070gまで軽くなります。一方、EF II型にはズームしても全長が変わらない構造、EF一眼レフとEOS Rシリーズの両方で使える互換性、F2.8通しの明るさがあります。
EF70-200mm F2.8L IS II USMの重さを見るときには、1,490gという数字だけで終わらせず、その重量によって何が得られるのかまで見る必要があります。長時間の携行では負担になる一方、人物、スポーツ、舞台、イベントなど、撮影位置を変えにくく、明るさと焦点距離の自由度が必要な場面では、現在でも実用性の高い望遠ズームです。



