EOS R7のErr70対策|ファームウェアVer.1.8.0の修正内容と更新方法
キヤノンEOS R7で撮影中に「Err70」が表示され、カメラが正常に動作しなくなる現象について、ファームウェアVer.1.8.0で修正が行われました。
今回の更新では、Bluetooth通信中にほかのBluetooth機器から干渉を受けた場合と、「高速連続撮影+」で撮影を繰り返した場合に発生することがあったErr70が修正されています。
特にEOS R7の高速連写機能を活用して野鳥、鉄道、航空機、スポーツなどを撮影する人にとって、撮影中のエラーは見逃せない問題です。一瞬のシャッターチャンスを捉えるためのカメラが、その瞬間に動作を停止してしまえば、どれほど優れたAF性能や連写速度を備えていても撮影を続けられません。
また、Err70はVer.1.8.0で初めて修正された問題ではありません。EOS R7では過去のファームウェアでも、異なる条件で発生するErr70への対応が行われてきました。
結論として、EOS R7を使用している場合は、現在のファームウェアバージョンを確認し、キヤノンが公表しているErr70の修正内容を把握することが重要です。
この記事では、Err70の具体的な発生条件、Ver.1.8.0で修正された内容、過去の更新履歴、Windows・Macを使った更新方法、更新後の確認項目まで詳しく解説します。
EOS R7のErr70とは?ファームウェアVer.1.8.0で修正された不具合
Err70は撮影中に発生することがあるエラー
Err70は、EOS R7の動作中に表示されることがあるエラーコードです。エラーが発生すると、撮影を中断しなければならない場合や、カメラが操作を正常に受け付けなくなる場合があります。
ただし、Err70という番号だけで原因が一つに決まるわけではありません。EOS R7のファームウェア更新履歴を確認すると、異なる条件で発生するErr70が複数回にわたって修正されています。
Ver.1.8.0で修正されたのは、Bluetooth通信中にほかのBluetooth機器から干渉を受けることで発生する場合があるErr70と、高速連続撮影+で撮影を繰り返した際にごくまれに発生するErr70です。
EOS R7は約3250万画素のAPS-Cセンサーを搭載し、メカシャッターで最高約15コマ/秒、電子シャッターで最高約30コマ/秒の高速連写に対応しています。
さらに、被写体検出AFやボディ内手ブレ補正を搭載しており、野鳥やスポーツ、鉄道、航空機といった動きのある被写体にも対応できるカメラです。
このような撮影では、被写体が目の前に現れる時間が短く、シャッターチャンスを逃すと同じ場面を撮り直せないことがあります。
そのため、撮影中のErr70は、単に画面にエラーが表示されるという問題にとどまりません。撮影を継続できなくなること自体が実用上の問題になります。
一方、高速連写中に撮影速度が落ちたからといって、必ずErr70が発生したという意味ではありません。
大量のRAW画像を連続して撮影すると、カメラ内部のバッファに画像データが蓄積されます。メモリーカードへの書き込みが追いつかなくなると、連続撮影可能枚数が減少し、連写速度が低下する場合があります。
こうした通常の処理による連写速度の変化と、Err70によってカメラの動作が中断される現象は区別する必要があります。
EOS R7の性能や撮影用途については、EOS R7の購入判断と特徴を解説した記事でも詳しく紹介しています。
Bluetooth通信中の干渉によるErr70を修正
Ver.1.8.0で修正された現象の一つは、Bluetooth通信中に発生する場合があるErr70です。
キヤノンは、ほかのBluetooth機器から干渉を受けることでErr70が発生することがある現象を修正したと公表しています。
EOS R7にはBluetooth通信機能が搭載されており、対応するスマートフォンとの連携などに利用できます。
Bluetoothは2.4GHz帯の電波を利用する無線通信方式です。スマートフォン、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、パソコンの周辺機器など、さまざまな製品がBluetooth通信を利用しています。
そのため、撮影場所によっては周辺に複数のBluetooth機器が存在することがあります。
今回の更新で修正されたのは、ほかのBluetooth機器からの干渉を受けた場合に、EOS R7でErr70が発生することがある現象です。
Bluetooth通信そのものが使用できなくなる問題や、周囲の無線通信をすべて遮断する機能が追加されたという説明ではありません。
例えば、EOS R7をスマートフォンと接続しながら撮影しているときにErr70が発生した場合、Bluetooth通信の状態は確認する材料になります。
一方、Bluetoothを使用していない状態で発生したErr70については、今回公表されたBluetooth関連の修正項目だけで原因を説明することはできません。
また、Bluetooth通信を利用しているすべてのEOS R7で、この現象が発生していたという意味でもありません。
キヤノンが修正対象として挙げたのは、一定の条件で発生することがあった不具合です。
撮影時にスマートフォンとの連携を利用している場合は、ファームウェア更新後に普段の接続操作が正常に行えるか確認することで、基本的な動作状態を把握できます。
カメラの通信機能と撮影モードを含む基本操作については、キヤノンの撮影モードと設定を解説した記事も参考になります。
高速連続撮影+の繰り返しによるErr70を修正
Ver.1.8.0で修正されたもう一つの現象は、「高速連続撮影+」を繰り返し使用した際に、ごくまれにErr70が発生する問題です。
高速連続撮影+は、短時間に多くの写真を撮影するためのドライブモードです。
EOS R7では、高速連写を活用することで、動きの速い被写体のさまざまな瞬間を記録できます。
例えば野鳥撮影では、枝から飛び立つ瞬間、翼を大きく広げる瞬間、急激に方向を変える瞬間などを連続して撮影することがあります。
野鳥の動きは必ずしも予測できるものではありません。撮影者がシャッターボタンを押した瞬間だけでは、最も印象的な姿を捉えられない場合があります。
そのため、短い連写を何度も繰り返しながら撮影する方法が使われます。
今回の修正対象として示された条件は、高速連続撮影+で撮影を繰り返すという使い方です。
鉄道や航空機の撮影でも、列車や航空機が近づくにつれて複数回の連写を行う場合があります。
スポーツ撮影では、選手の動きを追いながら連写を繰り返すことがあります。
このような撮影では、一度の連写が正常に終了するだけでなく、その後も続けて撮影できることが重要です。
キヤノンは、今回の現象について「ごく稀に」と説明しています。すべてのユーザーが経験する問題ではありません。
また、何回連写すると発生するのか、何枚撮影すると発生するのかといった具体的な再現条件は公開されていません。
今回の更新は、EOS R7の最高連写速度を引き上げるものとして公表されたものではありません。特定の条件で発生することがあったErr70を修正する更新です。
連写の仕組みやドライブモードの違いについては、ドライブモードの種類と使い方を解説した記事でも詳しく取り上げています。
EOS R7でErr70が発生した場合に確認すること
ファームウェアのバージョンを確認する
EOS R7でErr70が発生した場合、最初に確認したい情報の一つがファームウェアのバージョンです。
Ver.1.8.0には、Bluetooth通信中のErr70と高速連続撮影+の繰り返しによるErr70の修正が含まれています。
そのため、使用中のEOS R7が古いファームウェアのままであれば、今回の修正が適用されていない可能性があります。
現在のファームウェアバージョンは、EOS R7のメニューから確認できます。
カメラ本体とレンズのファームウェアは別々に表示される場合があるため、EOS R7本体のバージョンを確認することが重要です。
すでにVer.1.8.0が適用されている場合は、同じバージョンを再度インストールする必要はありません。
古いバージョンを使用している場合は、キヤノンが公開している更新履歴と更新手順を確認します。
EOS R7では、過去のファームウェアでもErr70に関する修正が複数回行われています。
そのため、長期間更新していないカメラでは、Ver.1.8.0の修正内容だけでなく、それ以前のバージョンで行われた改善も関係します。
例えば、Ver.1.2.0では小さく写った被写体を撮影しているときに発生することがあったErr70が修正されています。
Ver.1.5.0でも、ファインダーやモニターの表示に関する現象、A+モードやAIフォーカスAFに関係するErr70などが修正されています。
これらの更新履歴から、Err70が複数の異なる条件で発生していたことがわかります。
現在のバージョンを確認することは、どの修正が適用された状態なのかを理解するための基本になります。
また、エラーが発生した日時と、そのときのファームウェアバージョンを記録しておくと、更新前後の状況を比較する際に役立ちます。
EOS R7の機能や撮影上の注意点については、EOS R7の欠点と弱点を解説した記事でも紹介しています。
Bluetooth使用中か高速連写中かを切り分ける
Ver.1.8.0では、Err70が発生することがあった条件が二つ示されています。
一つはBluetooth通信中の干渉、もう一つは高速連続撮影+による撮影の繰り返しです。
エラーが発生した場合には、そのときの撮影状況を確認することで、どちらの条件に関係している可能性があるのかを整理できます。
Bluetooth通信中に発生した場合は、スマートフォンとの接続状態や、周辺で使用していたBluetooth機器などが確認材料になります。
高速連続撮影+を使用していた場合は、ドライブモード、シャッター方式、撮影枚数、連写を繰り返した回数などが確認材料になります。
特に高速連写の場合は、バッファの容量やメモリーカードへの書き込みによる通常の撮影制限と、Err70による撮影停止を区別する必要があります。
例えば、大量のRAW画像を連続して撮影すると、カメラ内部に一時的に画像データが蓄積されます。
メモリーカードへの書き込みが追いつかなくなると、連写速度が低下したり、次の撮影まで待ち時間が生じたりする場合があります。
これはカメラの画像処理と記録に関係する動作です。
一方、Err70はカメラがエラーとして表示するものであり、単に連写速度が低下した状態とは異なります。
また、AFが被写体を捉えられず、ピント合わせに時間がかかる現象もErr70とは別に確認する必要があります。
背景と被写体のコントラストが低い場合や、被写体が非常に小さく写っている場合には、AFの動作が不安定に感じられることがあります。
こうした通常の撮影条件による動作と、カメラがErr70を表示して正常な撮影を続けられなくなる現象では、確認すべき内容が異なります。
EOS R7のシャッター方式と連写の関係については、電子シャッターの特徴と高速撮影を解説した記事も参考になります。
Err70が繰り返される場合は発生状況を記録する
Err70が繰り返し発生する場合は、共通する条件があるかどうかを確認することが重要です。
例えば、特定のレンズを装着したときだけ発生するのか、撮影モードに関係なく発生するのか、電源を入れてすぐに発生するのかなどです。
今回のVer.1.8.0ではBluetoothと高速連続撮影+に関係するErr70が修正されていますが、将来にわたってすべてのErr70が発生しなくなることまで保証されているわけではありません。
ファームウェア更新後にもエラーが発生した場合には、更新前と同じ条件だったのか、別の条件で発生したのかを整理します。
記録する情報としては、発生日時、使用レンズ、バッテリーの状態、メモリーカード、撮影モード、Bluetoothの接続状態、連写設定などが考えられます。
エラーメッセージが表示された画面をスマートフォンで撮影しておけば、あとから表示内容を確認できます。
撮影中のエラーは、カメラの電源を入れ直したあとでは表示が残らない場合があります。
そのため、発生したときの情報を記録することには意味があります。
同じ操作をすると再発するのか、異なる撮影条件でも発生するのかを比較することで、状況を整理しやすくなります。
ファームウェアが最新であることは重要ですが、最新バージョンであればすべてのトラブルが解消するという意味ではありません。
今回の更新で具体的に公表されている修正内容と、実際に発生した現象を照らし合わせて確認する必要があります。
更新後もErr70が繰り返される場合には、こうした情報をキヤノンのサポートへ伝えることで、状況を説明しやすくなります。
撮影設定の基本項目については、キヤノンのシャッタースピード設定を解説した記事でも詳しく紹介しています。
Ver.1.8.0で追加されたErr70以外の改善内容
RF-S7.8mm F4 STM DUAL使用時の表示設定を改善
Ver.1.8.0では、Err70の修正に加えて、RF-S7.8mm F4 STM DUALを使用した場合の表示設定も改善されています。
RF-S7.8mm F4 STM DUALは、通常の単焦点レンズやズームレンズとは異なり、立体的な映像表現を目的とした特殊なレンズです。
EOS R7に装着することで、対応する撮影方式を利用できます。
今回のファームウェアでは、このレンズを使用した際の表示に関する改善が行われています。
さらに、新たに選択できるアスペクト比として「3:2」と「1:1」が追加されています。
アスペクト比とは、画像の横幅と縦幅の比率です。
3:2は一般的な写真で広く使用される比率で、1:1は縦横が等しい正方形の画像形式です。
今回の変更は、RF-S7.8mm F4 STM DUAL使用時の機能改善として案内されている点が重要です。
EOS R7のすべての撮影モードに共通する新機能が一律に追加されたという説明ではありません。
RF-S7.8mm F4 STM DUALを使用していないユーザーにとっては、Bluetoothと高速連続撮影+のErr70修正のほうが直接関係する可能性があります。
一方、この特殊レンズを使用している場合には、表示設定とアスペクト比の選択肢についても確認する意味があります。
RF-Sレンズには、標準ズームや望遠ズーム、広角ズームに加えて、特殊な撮影用途に対応する製品もあります。
RF-Sレンズ全体の特徴については、RF-Sレンズの種類と特徴を解説した記事でも紹介しています。
その他の動作安定性も向上
Ver.1.8.0の変更内容には、「その他動作安定性を向上しました」という項目も含まれています。
これは、メーカーが個別に列挙した変更内容とは別に、カメラの動作安定性に関する改善を実施したことを示すものです。
ただし、どの内部処理に変更が加えられたのか、どの撮影条件で改善が現れるのかという詳細は明記されていません。
そのため、この項目を根拠に、特定のAF機能が高速化した、画質が向上した、連写性能が上がったといった効果を追加で読み取ることはできません。
ファームウェア更新では、新機能の追加や特定の不具合修正だけでなく、既存機能を安定して動作させるための変更が行われることがあります。
EOS R7は、静止画の高速連写、動画撮影、被写体検出AF、ボディ内手ブレ補正、無線通信など、多くの機能を搭載しています。
これらの機能は、カメラ内部のソフトウェアによって制御されています。
撮影条件によっては複数の機能が同時に動作するため、機能同士の組み合わせも含めて安定した制御が求められます。
今回の更新では、Bluetooth通信中の干渉と高速連続撮影+という具体的な条件に対応したうえで、動作安定性の向上も実施されています。
カメラの性能を考えるときには、センサーの画素数や連写速度だけでなく、実際の撮影で安定して使用できるかどうかも重要な要素になります。
EOS R7の動画機能や撮影時の特徴については、EOS R7の動画性能と4K撮影に関する記事でも扱っています。
過去のファームウェアでもErr70の修正が行われている
EOS R7のErr70対策は、Ver.1.8.0で初めて行われたものではありません。
キヤノンのファームウェア更新履歴を確認すると、過去のバージョンでもErr70に関係する修正が複数回実施されています。
例えば、Ver.1.2.0では、小さく写った被写体を撮影しているときに、ごくまれにErr70が発生することがある現象が修正されています。
さらにVer.1.5.0では、ファインダーやモニターに画像が正常に表示されず、操作を受け付けなくなる現象が修正されました。この現象では、Err70が表示される場合もあったとされています。
同じVer.1.5.0では、A+モードまたはAIフォーカスAFを設定して撮影したときにErr70が発生することがある現象についても修正されています。
そしてVer.1.8.0では、Bluetooth通信中の干渉と高速連続撮影+の繰り返しが新たな修正対象として明記されました。
これらの履歴からわかるのは、同じErr70というエラーコードでも、発生する条件が複数存在していたことです。
例えば、小さな被写体を撮影しているときの現象と、Bluetooth通信中の干渉による現象では、発生条件が異なります。
また、ファームウェアを長期間更新していないEOS R7では、Ver.1.8.0の変更内容に加え、それ以前のバージョンで行われた修正内容も関係します。
更新履歴を読むことは、現在のファームウェアで何が改善されているのかを理解するための材料になります。
撮影時のAF方式や動作の違いについては、STMとUSMの違いやピント合わせについて解説した記事も参考になります。
EOS R7をファームウェアVer.1.8.0へ更新する方法
Windows・Macで更新ファイルを準備する
EOS R7のファームウェアVer.1.8.0は、キヤノンのサポートページからダウンロードできます。
パソコンを使用する場合は、Windows用とmacOS用のダウンロードページが用意されています。
Windows用はZIP形式、macOS用はDMG形式で配布されています。使用するパソコンに適したファイルを選びます。
Windowsでは、ダウンロードしたZIPファイルを右クリックし、「すべて展開」を選ぶことで展開できます。
展開したフォルダーには、EOS R7のファームウェアファイルと、ファームウェア変更手順書が入っています。
Ver.1.8.0のファームウェアファイル名は「EOSR7180.FIR」です。
更新の際に使用するのは、このFIRファイルです。ダウンロードしたZIPファイルをそのままカメラへコピーする手順ではありません。
macOSの場合も、DMGファイルを開いてファームウェアファイルを取り出します。
カメラ本体の更新であるため、レンズのファームウェアと混同しないことも重要です。
また、更新ファイルには日本語を含む複数の言語で記載された変更手順書が付属しています。
実際の操作では、EOS R7用の変更手順書に記載されている手順を使用します。
古いファームウェアから更新する場合に、すべての中間バージョンを個別にインストールする必要はありません。
なお、EOS R7ではVer.1.7.1でカメラ単体によるインターネット経由のファームウェア更新機能も追加されています。利用できる更新方法は、現在のカメラの状態と通信設定によって異なります。
更新ファイルをパソコンで準備する場合は、メモリーカードを使う方法が基本となります。
EOS Rシリーズ全体の仕組みについては、EOS Rシステムの特徴と構成を解説した記事でも紹介しています。
メモリーカードを使ってカメラ本体を更新する
パソコンでファームウェアを準備したら、EOS R7に対応したメモリーカードへファイルを保存します。
更新時には、指定されたファームウェアファイルをカードに保存することが必要です。更新に使うカードには、更新対象のファームウェアファイルだけを置く方法が案内されています。
複数のファームウェアファイルが混在している場合は、意図したファイルを選択できない原因になることがあります。
メモリーカードに撮影済みの画像が保存されている場合は、初期化による消去にも注意が必要です。
また、ファームウェアの更新には、十分に充電された専用バッテリーパック、または対応する専用ACアダプターキットを使用します。
カメラのファームウェア更新中に電源が切れると、カメラが正常に起動しなくなるおそれがあります。
キヤノンは、更新中に電源スイッチをOFFにしないこと、カードスロットカバーを開けないこと、ボタンやダイヤルを操作しないことを注意事項として挙げています。
ファームウェアを保存したメモリーカードをカメラへ挿入したら、カメラのメニューからファームウェア更新の操作を進めます。
更新画面では、変更対象のファームウェアファイルが選択されていることを確認し、画面の案内に従って実行します。
更新中はカメラの操作を行わず、処理が完了するまで待ちます。
更新完了後には、カメラのファームウェア情報を再び表示し、Ver.1.8.0になっていることを確認します。
このバージョン確認が、更新作業の結果を判断する基本になります。
カメラが正常に起動することを確認したら、通常の撮影設定に戻し、静止画撮影やAFなどの基本動作を確認します。
EOS R7では設定項目が多いため、更新前に頻繁に使用する撮影設定を把握しておくことも役立ちます。
カメラの連写設定については、ドライブモードの違いと使い方を解説した記事も参考になります。
更新中の電源トラブルとファイルの認識エラーに注意する
ファームウェア更新で特に注意したいのは、更新処理の途中で電源が切れることです。
キヤノンの案内では、更新中の電源断によってカメラの電源が入らなくなり、撮影できなくなる可能性が示されています。
そのため、バッテリー残量が少ない状態での更新や、不安定な電源環境での更新は避けたいところです。
メモリーカードを使う場合には、ファームウェアファイルを正しく保存することも重要です。
EOS R7用のファームウェアファイルは「EOSR7180.FIR」です。
ファイルの拡張子を変更したり、圧縮ファイルのままコピーしたりすると、カメラが更新対象として認識できない場合があります。
また、ほかのカメラ機種用のファームウェアを使用することはできません。
ファイルが表示されない場合には、ダウンロードしたファイルがEOS R7用であること、正常に展開されていること、メモリーカードへ正しくコピーされていることを確認します。
更新中は、カードスロットカバーの開閉やバッテリーの取り外しを行いません。
更新後にカメラの電源を入れ直したときは、まずファームウェアのバージョンを確認します。
更新が正常に完了していない、あるいはエラーが表示されている場合は、表示内容を確認する必要があります。
ファームウェア更新そのものが途中で停止した場合と、更新後の通常撮影でErr70が発生した場合は、状況が異なります。
更新中のトラブルが発生した場合には、キヤノンが提供する手順書とサポート情報に沿って対応することが重要です。
EOS R7はデュアルカードスロットを備えていますが、更新に使用するカードの保存内容やスロットの状態を確認したうえで、指定された方法で更新を進めます。
EOS R7の撮影性能と注意点については、EOS R7の欠点と弱点を解説した記事でも詳しく紹介しています。
EOS R7のErr70をさらに詳しく理解する
Err70が表示される原因は一つに限定されない
EOS R7のファームウェア更新履歴を見ると、Err70という同じエラーコードに対して、複数の異なる条件で修正が行われていることがわかります。
Ver.1.2.0では、小さく写った被写体を撮影しているときに、ごくまれにErr70が発生する現象が修正されました。
Ver.1.5.0では、ファインダーやモニターに画像が正常に表示されず、操作を受け付けなくなる現象が修正されています。また、A+モードやAIフォーカスAFで撮影したときにErr70が発生することがある現象も修正対象となりました。
そしてVer.1.8.0では、Bluetooth通信中の干渉と高速連続撮影+の繰り返しによるErr70が修正されています。
こうした履歴から、Err70を一つの部品や機能の不具合に結び付けることは適切ではありません。
例えば、高速連写を行っている最中にErr70が発生した場合でも、それが連写動作に関する不具合なのか、同時に使用していた別の機能が関係しているのかは、発生条件を確認する必要があります。
EOS R7は、高速連写、被写体検出AF、ボディ内手ブレ補正、無線通信、画像処理、メモリーカードへの記録など、さまざまな機能を同時に動作させるカメラです。
特に動体撮影では、AFが被写体を追跡しながら、短時間に大量の画像を撮影し、それらをメモリーカードへ記録する処理が並行して行われます。
こうした複数の処理を制御しているのがカメラ内部のファームウェアです。
メーカーがファームウェアを更新することで、カメラの基本仕様を変更することなく、特定の動作条件に関係する問題を修正できる場合があります。
そのため、Err70への対応を考えるときは、カメラの現在のバージョンと、メーカーが公表している修正履歴を照らし合わせることが重要です。
EOS R7の性能や撮影用途については、EOS R7の購入判断と特徴を解説した記事でも取り上げています。
エラー表示と通常の撮影制限を区別する
EOS R7を使用していると、撮影中に連写速度が低下したり、シャッターを押してもすぐに次の撮影ができなかったりする場合があります。
こうした現象のすべてがErr70に関係しているわけではありません。
例えば、大量のRAW画像を連続して撮影すると、カメラ内部のバッファに画像データが蓄積されます。
バッファは、撮影された画像をメモリーカードへ記録するまで一時的に保持するための領域です。
撮影する速度に対してメモリーカードへの書き込みが追いつかなくなると、バッファの空き容量が少なくなり、連続撮影可能枚数が制限されることがあります。
この場合、連写速度が低下すること自体はカメラの通常動作として起こり得ます。
一方、Err70はカメラがエラーとして表示するものであり、バッファの制約とは区別して確認する必要があります。
また、AFが被写体を捉えられずピント合わせに時間がかかる現象も、Err70とは別に考える必要があります。
背景と被写体のコントラストが低い場合や、被写体が非常に小さく写っている場合、AFの動作が不安定に感じられることがあります。
さらに、レンズのフォーカス制限やカメラ側のAF設定によって、期待した位置にピントが合わないこともあります。
これらの現象と、カメラがErr70を表示して撮影を継続できなくなる現象では、確認する項目が異なります。
トラブルを整理する際には、エラーコードが実際に表示されたかどうかが一つの重要な判断材料です。
EOS R7の高速撮影に関する動作については、電子シャッターと高速連写の特徴を解説した記事も参考になります。
野鳥やスポーツ撮影で安定性が重要になる理由
EOS R7は、APS-Cセンサーと高速連写機能を生かし、野鳥やスポーツなどの撮影に使用できるカメラです。
特に野鳥撮影では、被写体の動きが予測しにくく、シャッターチャンスが短い場合があります。
例えば、枝に止まっている鳥が飛び立つ瞬間や、飛行中に急激に方向を変える瞬間は、撮影者があらかじめ正確に予測することが難しい場面です。
こうした状況では、AFによる被写体追跡と高速連写を組み合わせることで、複数の瞬間を記録できます。
しかし、連写を繰り返す最中にエラーが発生すれば、その後の撮影を継続できなくなる可能性があります。
スポーツ撮影でも事情は同じです。
選手がゴールへ向かう瞬間、ジャンプする瞬間、ボールを捉える瞬間など、撮影者にとって重要な場面は短時間で終わります。
こうした撮影では、最高連写速度だけでなく、繰り返し撮影した際にもカメラが安定して動作することが求められます。
Ver.1.8.0で修正された高速連続撮影+に関するErr70は、このような撮影スタイルと関係する内容です。
今回の修正は、特定の条件でごくまれに発生するErr70への対応です。
カメラが安定して撮影を続けられることは、高速連写を活用するうえで重要な要素になります。
野鳥撮影におけるEOS Rシリーズの設定については、EOS R6 Mark IIの野鳥撮影設定を解説した記事も参考になります。
EOS R7のファームウェア更新で確認したい撮影設定
高速連続撮影+と電子シャッターの設定を確認する
EOS R7で高速連写を使用する場合は、ドライブモードとシャッター方式の組み合わせを把握しておくことが重要です。
EOS R7は、メカシャッターで最高約15コマ/秒、電子シャッターで最高約30コマ/秒の連続撮影に対応しています。
ただし、これらの数値はカメラの撮影条件によって変わる場合があります。使用するレンズやバッテリーの状態、撮影設定などによって、最高連写速度で動作しないこともあります。
今回のVer.1.8.0で修正されたErr70は、「高速連続撮影+で撮影を繰り返した際」に発生することがあった現象です。
このため、更新前後の動作を比較する際には、単に電子シャッターを使用しているかどうかだけでなく、実際に選択しているドライブモードも確認する必要があります。
例えば、電子シャッターを選択していても、ドライブモードが1枚撮影になっていれば、高速連続撮影+で繰り返し撮影する場合とは動作条件が異なります。
また、高速連続撮影+を選択していても、シャッターボタンを短時間だけ押す場合と、長時間押し続ける場合では撮影枚数が変わります。
繰り返し撮影した場合の動作を確認するには、連写を開始して終了する操作を複数回行い、通常どおり撮影を継続できるかを確認します。
その際、メモリーカードへの書き込みが完了していない状態で連写を繰り返すと、バッファの状態によって連写速度が変化する場合があります。
これはErr70とは別の問題として確認する必要があります。
Ver.1.8.0の修正内容を理解するためには、高速連続撮影+というドライブモードと、EOS R7の連写性能そのものを区別して考えることが役立ちます。
シャッター方式と高速撮影の関係については、電子シャッターの特徴と高速連写を解説した記事でも紹介しています。
レンズやメモリーカードを変えた場合の動作も確認する
EOS R7でErr70が発生した場合、使用していたレンズやメモリーカードを記録しておくことも、状況を整理する材料になります。
EOS R7はRFマウントを採用しており、RFレンズやRF-Sレンズを直接装着できます。また、対応するマウントアダプターを使用すればEFレンズやEF-Sレンズも装着できます。
撮影に使用するレンズが変われば、AF駆動方式や手ブレ補正の動作、カメラとの通信内容なども変わります。
ただし、レンズを交換したあとにErr70が発生したからといって、そのレンズが原因だと判断できるわけではありません。
今回のVer.1.8.0で公表されたErr70の修正項目も、特定の交換レンズの故障を原因として説明したものではありません。
重要なのは、エラーが発生したときの使用条件を把握することです。
同じレンズで繰り返し発生するのか、別のレンズでも発生するのかという情報は、トラブルの発生条件を確認する材料になります。
メモリーカードについても同様です。EOS R7はSDメモリーカード用のデュアルスロットを搭載しています。
高速連写では、撮影した大量の画像データをメモリーカードへ記録する必要があります。カードの書き込み速度や記録する画像形式によって、連続撮影可能枚数や撮影後の書き込み時間が変わる場合があります。
こうした通常の記録動作と、Err70が表示される異常動作を区別しておくことが重要です。
ファームウェア更新後にトラブルが発生した場合には、使用レンズ、カード、撮影設定、エラー表示を組み合わせて記録しておくことで、状況を説明しやすくなります。
EFレンズとRFマウントの組み合わせについては、キヤノンのRF・EFレンズ互換性を解説した記事でも取り上げています。
更新後の設定とエラー発生時の条件を記録する
ファームウェア更新後にEOS R7の動作を確認する場合は、現在の設定を把握したうえで、普段どおりの撮影を行うことが基本になります。
特に高速連続撮影+やBluetooth通信を使用する人は、それらの機能が正常に動作するか確認できます。
更新前にErr70が発生したことがある場合には、発生時の条件と更新後の条件を比較することで、動作の変化を整理しやすくなります。
例えば、高速連続撮影+を繰り返したときにErr70が発生していたのであれば、更新後も同じドライブモードで通常の撮影が継続できるか確認する方法があります。
Bluetooth通信中に発生していたのであれば、使用していたスマートフォンとの接続や通信操作を確認する方法があります。
ただし、Ver.1.8.0で修正された現象はいずれも、特定の条件で発生することがあった不具合です。
短時間の確認でエラーが発生しなかったことだけで、すべての条件で問題が発生しないと結論付けることはできません。
一方、更新後のファームウェアバージョンがVer.1.8.0になっていれば、キヤノンが公開した修正内容を含むバージョンが適用されたことを確認できます。
そのうえで、通常の撮影が継続できること、AFや連写などの基本動作に問題がないことを確認します。
更新後にもErr70が繰り返される場合には、発生日時、使用レンズ、メモリーカード、バッテリー、ドライブモード、シャッター方式、Bluetooth接続状態などを記録しておくと、メーカーへ相談する際の資料になります。
ファームウェアはカメラの機能を制御する重要なソフトウェアです。新しいバージョンが公開された際には、変更内容を確認し、撮影に関係する改善点を把握しておくことが、カメラを長く使ううえでも役立ちます。
EOS R7の撮影性能と活用方法については、EOS R7の特徴と購入判断を解説した記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
EOS R7のファームウェアVer.1.8.0は、2026年3月17日に公開されました。
今回の更新では、Bluetooth通信中にほかのBluetooth機器からの干渉を受けてErr70が発生することがある現象と、高速連続撮影+で撮影を繰り返した際にごくまれにErr70が発生する現象が修正されています。
また、RF-S7.8mm F4 STM DUAL使用時の表示設定の改善と、アスペクト比3:2および1:1の選択肢追加、その他の動作安定性向上も含まれています。
Err70は過去のファームウェアでも異なる条件に関する修正が行われており、エラーコードが同じでも発生条件は一つとは限りません。
特にVer.1.2.0やVer.1.5.0でもErr70に関する修正が行われています。Ver.1.8.0には、それ以前の更新内容も含まれています。
現在使用しているEOS R7のファームウェアが古い場合には、バージョンと更新履歴を確認することが重要です。
WindowsやMacで更新ファイルをダウンロードする場合は、EOS R7専用のファームウェア「EOSR7180.FIR」を使用します。
更新中は十分な電源を確保し、カメラの電源を切ったり、カードスロットカバーを開けたりしないよう注意が必要です。
更新が完了したら、カメラ本体のバージョンがVer.1.8.0になっていることを確認します。
Bluetooth通信を使用する人、高速連続撮影+を頻繁に使う人にとって、今回のErr70修正は直接関係する更新内容です。
EOS R7の高速連写性能を安定して活用するためにも、現在のファームウェアと公表されている改善内容を把握しておくことが重要です。


