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Canon EF75-300mm F4-5.6 IS USM完全ガイド|世界初の手ブレ補正搭載一眼レフ用交換レンズ

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Canon EF75-300mm F4-5.6 IS USM完全ガイド|世界初の手ブレ補正搭載一眼レフ用交換レンズ 望遠ズーム

Canon EF75-300mm F4-5.6 IS USM完全ガイド|世界初の手ブレ補正搭載一眼レフ用交換レンズ

Canon EF75-300mm F4-5.6 IS USMは、1995年9月に発売されたEFマウントの望遠ズームレンズです。75mmから300mmまでを一本でカバーし、ポートレートからスポーツ、野鳥、航空機、鉄道まで幅広い被写体に対応します。

このレンズを語るうえで最も重要なのが、手ブレ補正機構「IS」です。EF75-300mm F4-5.6 IS USMは、35mm一眼レフカメラ用交換レンズとして世界で初めて手ブレ補正機構を搭載したレンズです。現在では望遠レンズに手ブレ補正が搭載されていることは珍しくありませんが、その流れの出発点となった歴史的な一本です。

手ブレ補正効果はシャッタースピード換算で約2段分。現在のIS搭載レンズと比べれば補正段数は小さいものの、フィルム時代の1995年に300mmの手持ち撮影を支援する機構をレンズへ内蔵したことには大きな意味がありました。

光学系は10群15枚、最短撮影距離1.5m、最大撮影倍率0.25倍、フィルター径58mm、質量650gです。AFにはマイクロUSMを採用しています。

現在の高性能望遠ズームとは設計思想も性能も異なります。しかし、キヤノンのIS技術がどこから始まったのかを知るうえで、EF75-300mm F4-5.6 IS USMは非常に重要なレンズです。

  1. EF75-300mm F4-5.6 IS USMの基本スペック
  2. 世界初の手ブレ補正搭載一眼レフ用交換レンズ
    1. 1995年にISという新しい仕組みをレンズへ搭載
    2. 振動ジャイロで手ブレを検出する
    3. 補正効果はシャッタースピード約2段分
  3. 75mmから300mmまでを一本でカバー
    1. 75mmでは人物撮影にも使いやすい
    2. 100mmから200mm付近は幅広い被写体へ対応
    3. 300mmでは遠くの被写体を大きく写せる
  4. F4-5.6の可変絞り
    1. ズームによって開放F値が変化する
    2. 望遠側では背景ボケを作りやすい
  5. 10群15枚の光学設計
    1. IS用の補正光学系を組み込んだ15枚構成
    2. 現在のレンズとは異なる時代の描写を楽しめる
  6. マイクロUSMによるAF
    1. AFにはマイクロUSMを採用
    2. 現代の動体AFとはボディ側の性能も大きく異なる
  7. 最短撮影距離1.5mと最大撮影倍率0.25倍
    1. 300mm側では被写体をかなり大きく写せる
    2. 焦点距離だけでは被写体の大きさは決まらない
  8. 650gという重量をどう見るか
    1. IS非搭載75-300mmより重い理由
    2. 現在なら650gは十分手持ちできる重量
  9. APS-Cでは約120-480mm相当の画角
    1. 望遠側が約480mm相当まで伸びる
    2. 野鳥撮影では300mmをさらに生かせる
  10. EF一眼レフで使う
    1. フィルムEOSではこのレンズ本来の時代を味わえる
    2. デジタル一眼レフならISO感度とISを組み合わせられる
  11. EOS Rシリーズでも使える
    1. マウントアダプターを介して装着する
    2. ボディー内手ブレ補正機との組み合わせ
  12. ポートレートで使うEF75-300mm F4-5.6 IS USM
    1. 75mmから135mm付近は人物を撮りやすい
    2. 200mmから300mmでは背景を大きく整理できる
  13. スポーツ撮影で使う
    1. 75-300mmズームで距離変化へ対応できる
    2. 動体ではISよりシャッタースピードを優先する
  14. 野鳥や動物撮影で使う
    1. 300mm側で離れた被写体を狙える
    2. 止まっている被写体ではISの効果を生かしやすい
  15. 中古で購入するときの確認ポイント
    1. ISが正常に作動するか確認する
    2. ズームリングとAFの動作を確認する
    3. カビ・曇り・絞りの動作も見る
  16. 後年のEF75-300mmシリーズとは別のレンズ
    1. 同じ75-300mmでも仕様は大きく異なる
    2. 世界初という意味では後継モデルでは代替できない
  17. EF75-300mm F4-5.6 IS USMを現在使う意味
    1. 最新性能ではなくISの原点を体験できる
    2. フィルム一眼レフから最新ミラーレスまで使える
  18. まとめ

EF75-300mm F4-5.6 IS USMの基本スペック

製品名 EF75-300mm F4-5.6 IS USM
発売年月 1995年9月
発売時価格 88,000円
焦点距離 75-300mm
開放F値 F4-5.6
レンズ構成 10群15枚
絞り羽根 8枚
最小絞り F32-45
最短撮影距離 1.5m
最大撮影倍率 0.25倍
フィルター径 58mm
最大径×全長 78.5×138.2mm
質量 650g
AF駆動 マイクロUSM
手ブレ補正 約2段分

旧記事では質量約480g、手ブレ補正約2.5段、レンズ構成13群15枚としていましたが、EF75-300mm F4-5.6 IS USMの正しい仕様は650g、約2段、10群15枚です。

同じ75-300mmという焦点距離を持つEFレンズが複数存在するため、IS非搭載モデルや後年のIII型などと仕様を混同しないことが重要です。

世界初の手ブレ補正搭載一眼レフ用交換レンズ

1995年にISという新しい仕組みをレンズへ搭載

EF75-300mm F4-5.6 IS USM最大の特徴は、35mm一眼レフ用交換レンズとして世界で初めて手ブレ補正機構を搭載したことです。

現在では「IS付き」という表記を見ても特別なものには感じにくくなりました。しかし1995年当時、撮影時のカメラの揺れをレンズ自身が検出し、光学系を動かして補正するという仕組みは画期的でした。

特に望遠撮影では、焦点距離が長くなるほど小さなカメラの揺れが写真へ大きく現れます。300mmでは75mmより手ブレの影響が目立ちやすく、フィルム時代はISO感度を撮影途中で自由に変更することもできませんでした。

そのため、レンズ側で手ブレを補正できることは、手持ち望遠撮影の自由度を大きく広げる技術でした。

キヤノンのカメラとレンズの歴史については、キヤノン大全から年代ごとに確認できます。

振動ジャイロで手ブレを検出する

EF75-300mm F4-5.6 IS USMでは、振動ジャイロによってカメラの揺れを検出し、その揺れを打ち消す方向へ補正光学系を移動させます。

カメラ本体を完全に固定するのではなく、レンズ内部の光学系を動かすことで、フィルム面へ届く像の揺れを小さくする仕組みです。

現在のRFレンズにも続くキヤノンのレンズ内ISの基本的な考え方が、この時代にはすでに形になっていました。

デジタルカメラでは撮影直後に結果を確認できますが、フィルムでは現像するまで手ブレしているか確認できません。その時代に撮影時点で手ブレを減らせる機構が登場した意味は、現在以上に大きかったと考えられます。

ISの仕組みについては、手ブレ補正の仕組みと使い方で詳しく解説しています。

補正効果はシャッタースピード約2段分

EF75-300mm F4-5.6 IS USMの手ブレ補正効果は約2段分です。

例えば、手ブレの面だけを考えれば1/125秒程度が必要な条件で、約2段遅い1/30秒程度まで撮影可能範囲を広げるという考え方になります。

現在ではより強力な手ブレ補正を搭載するレンズがありますが、1995年の第一世代ISとして約2段という補正効果を実現したことが重要です。

また、ISが補正するのは撮影者によるカメラの揺れです。走る人や飛ぶ鳥など、被写体そのものの動きを止めることはできません。動体ではISがあっても十分なシャッタースピードを確保する必要があります。

手ブレと被写体ブレの違いについては、Canonの手ブレ補正を徹底解説でも確認できます。

75mmから300mmまでを一本でカバー

75mmでは人物撮影にも使いやすい

広角端は75mmです。フルサイズでは中望遠に近い画角となり、人物撮影にも使いやすい焦点距離です。

50mmより画角が狭いため、人物と少し距離を取りながら、背景へ入る範囲を整理できます。顔や上半身を中心としたポートレートでは、広角レンズのように被写体へ近づきすぎる必要がありません。

開放F値は75mm側でF4です。大口径単焦点のような極端に浅い被写界深度にはなりませんが、被写体と背景の距離を取れば、望遠らしい背景ボケを作れます。

85mm前後の中望遠による人物撮影については、ポートレート撮影の基本も参考になります。

100mmから200mm付近は幅広い被写体へ対応

100mmから200mm付近では、人物、動物、舞台、スポーツなど、少し離れた被写体を切り取る撮影に使えます。

75-300mmという4倍ズームなので、撮影位置を大きく変えなくても被写体の大きさを調整できます。単焦点望遠では被写体が近づいたときに画面からはみ出すことがありますが、ズームなら焦点距離を短くすることで対応できます。

スポーツイベントや動物園など、被写体までの距離を撮影者側で自由に変えられない場所では、ズームによる画角調整が大きな利点になります。

焦点距離と画角の関係については、焦点距離で変わる写真表現の世界で詳しく解説しています。

300mmでは遠くの被写体を大きく写せる

望遠端は300mmです。フルサイズでも十分に望遠らしい画角となり、遠くの被写体を画面内へ大きく配置できます。

野鳥、スポーツ、航空機、鉄道、動物園など、物理的に被写体へ近づけない場面で300mmが役立ちます。

画角が狭くなるため、背景の不要なものを画面外へ外しやすくなることも望遠撮影の特徴です。遠くにある背景の一部分だけを選び、被写体と組み合わせることもできます。

300mm側では開放F5.6となるため、曇天や夕方ではシャッタースピードを確保するためにISO感度を上げる必要がある場面もあります。

望遠レンズによる構図については、広角・標準・望遠の画角の違いでも確認できます。

F4-5.6の可変絞り

ズームによって開放F値が変化する

EF75-300mm F4-5.6 IS USMは、焦点距離によって開放F値が変わる可変絞りズームです。

75mm側ではF4、300mm側ではF5.6となります。70-200mm F2.8のようにズーム全域で同じ開放F値を維持するレンズとは異なり、望遠側へズームするほど使用できる最大開口が小さくなります。

この設計によって、F値固定の大口径望遠ズームよりレンズを小型化しやすくなります。

フィルム時代には高感度フィルムへ撮影途中で変更できなかったため、望遠側でF5.6になることは現在以上に撮影条件へ影響しました。その弱点を補うためにも、ISの搭載には大きな意味がありました。

F値については、F値で変わる明るさ・ボケ・被写界深度で詳しく解説しています。

望遠側では背景ボケを作りやすい

300mm側ではF5.6ですが、焦点距離そのものが長いため、条件を整えれば背景を大きくぼかせます。

被写体へある程度近づき、背景を被写体から十分離すことで、F5.6でも背景の形を大きく崩せます。

大きな背景ボケは開放F値だけで決まるものではありません。焦点距離、撮影距離、被写体と背景の距離が組み合わさって変化します。

そのため、300mm F5.6だからボケないということではありません。望遠ならではの狭い画角と背景整理を利用することで、被写体を目立たせる写真を作れます。

背景ボケの仕組みについては、F値と背景ボケの関係も参考になります。

10群15枚の光学設計

IS用の補正光学系を組み込んだ15枚構成

EF75-300mm F4-5.6 IS USMのレンズ構成は10群15枚です。

レンズ内部には通常のズームやフォーカスのための光学系に加えて、手ブレ補正を行うための光学系が組み込まれています。

ISは単純な電子処理ではなく、実際にレンズ内部の光学系を動かして像のブレを補正します。そのため、IS非搭載の同クラスレンズとは内部構造も重量も異なります。

世界初の技術を市販の交換レンズへ組み込むため、650gという重量になっています。当時の75-300mmクラスとしては軽量性だけを優先したレンズではありません。

EFレンズの歴史については、キヤノン大全から各世代を確認できます。

現在のレンズとは異なる時代の描写を楽しめる

1995年設計のレンズなので、現在の高性能RF望遠ズームと同じ基準で比較すれば、解像力、周辺画質、色収差、逆光耐性などで世代差があります。

現在のレンズはデジタル高画素センサーでの使用を前提として設計されていますが、EF75-300mm F4-5.6 IS USMはフィルムEOSの時代に誕生しました。

そのため、最新レンズと競わせるよりも、1990年代のEF望遠ズームがどのような描写をするのかを楽しむ方が、このレンズの性格に合っています。

古いEFレンズを現代のデジタルEOSやEOS Rシリーズで使えば、フィルム時代には確認できなかった細かな描写も見ることができます。

歴代EFレンズについては、キヤノン大全でモデルごとに紹介しています。

マイクロUSMによるAF

AFにはマイクロUSMを採用

EF75-300mm F4-5.6 IS USMのAF駆動にはマイクロUSMが採用されています。

USMは超音波を利用したAFモーターで、従来のモーターと比べて静粛性を意識した機構です。

EFレンズではリングUSMを搭載した上位モデルも多く存在しますが、このレンズに搭載されているのはマイクロUSMです。同じ「USM」という名称でも内部構造や操作性は同じではありません。

1990年代の望遠ズームとして、静かなAF駆動とISを組み合わせたことがこのレンズの特徴です。

USMの種類については、USMの仕組みと種類で詳しく解説しています。

現代の動体AFとはボディ側の性能も大きく異なる

レンズのAF性能を考えるときには、レンズだけでなく使用するカメラボディも重要です。

1995年当時のフィルムEOSと現在のEOS Rシリーズでは、被写体検出やAF追従の仕組みそのものが大きく異なります。

古いEFレンズをマウントアダプター経由でEOS Rシリーズへ装着すれば、ボディ側の新しいAF機能を利用できる組み合わせがあります。ただし、レンズ内部のフォーカス駆動そのものが現代の最新モーターへ変わるわけではありません。

レンズとボディの双方がAF性能へ影響すると考える必要があります。

AFの基本については、AFとMFの違いと使い分けで確認できます。

最短撮影距離1.5mと最大撮影倍率0.25倍

300mm側では被写体をかなり大きく写せる

最短撮影距離は1.5m、最大撮影倍率は0.25倍です。

等倍撮影ができるマクロレンズには及びませんが、最大0.25倍は約1/4倍に相当します。望遠ズームとしては、花や比較的大きな昆虫、小物などを大きく写す用途にも利用できます。

300mmという長い焦点距離を使えば、被写体から距離を保ちながら大きく撮影できます。近づくと逃げる生き物や、花壇の奥にある花などにも対応しやすくなります。

望遠マクロ的な使い方では、背景が狭く切り取られるため、花などの背景を大きくぼかした写真も作れます。

撮影倍率については、最短撮影距離と最大撮影倍率の違いで詳しく解説しています。

焦点距離だけでは被写体の大きさは決まらない

同じ300mmでも、最短撮影距離やレンズのフォーカス設計によって最大撮影倍率は異なります。

焦点距離が長ければ必ず被写体を大きく写せるわけではありません。被写体へどこまで近づけるかも重要です。

EF75-300mm F4-5.6 IS USMでは1.5mまでピントを合わせられ、最大撮影倍率0.25倍を実現しています。

遠距離では望遠ズームとして使い、近距離ではクローズアップに利用できるため、75-300mmという焦点距離以上に撮影範囲は広くなっています。

レンズの撮影倍率については、マクロレンズと最大撮影倍率も参考になります。

650gという重量をどう見るか

IS非搭載75-300mmより重い理由

EF75-300mm F4-5.6 IS USMの質量は650gです。

75-300mmクラスとして見ると、特別に軽いレンズではありません。IS非搭載のEF75-300mmシリーズには500gを下回るモデルもあるため、比較すると重量差があります。

その理由の一つが手ブレ補正機構です。振動を検知する仕組みと、実際に移動する補正光学系を鏡筒内部へ追加する必要があります。

現在ではISを搭載しながら軽量なレンズも多く存在しますが、1995年に世界初の一眼レフ用手ブレ補正交換レンズを実現した初期モデルとして見る必要があります。

EFレンズ各世代の違いについては、キヤノン大全から比較できます。

現在なら650gは十分手持ちできる重量

650gという数字だけを見ると軽量レンズではありませんが、現在の高性能望遠ズームには1kgを超える製品も多くあります。

そのため、現在の基準で見れば650gは手持ち撮影が現実的な重量です。

フルサイズ一眼レフと組み合わせても、300mm F2.8のような大型望遠単焦点とはシステム全体の重量が大きく異なります。

旅行、動物園、鉄道、スポーツ観戦など、三脚を設置せず移動しながら撮影する用途にも使えます。

望遠レンズの選び方については、キヤノン大全からEF・RF望遠レンズを確認できます。

APS-Cでは約120-480mm相当の画角

望遠側が約480mm相当まで伸びる

キヤノンAPS-C機へ装着すると、35mm判換算では約120-480mm相当の画角になります。

レンズそのものの焦点距離が変化するわけではありませんが、APS-Cではフルサイズより写る範囲が狭くなるため、300mm側では約480mm相当の画角になります。

遠くの野鳥、航空機、スポーツなどを大きく捉えたい場合には、APS-Cとの組み合わせが有効です。

一方、75mm側でも約120mm相当になるため、フルサイズで使ったときのような中望遠域はなくなります。室内や近距離の人物撮影では画角が狭く感じられます。

APS-Cとフルサイズの画角差については、APS-Cとフルサイズの違いで詳しく解説しています。

野鳥撮影では300mmをさらに生かせる

APS-Cで約480mm相当の画角になることで、小さな野鳥を画面内へ大きく配置しやすくなります。

フルサイズ300mmでは被写体が小さく写る距離でも、APS-Cなら写る範囲が狭くなるため被写体が画面内で大きく見えます。

一方で画角が狭くなるほど、飛んでいる鳥をファインダーへ入れ続ける難易度は上がります。

止まりものと飛翔では必要な画角やシャッタースピードも異なるため、単純に焦点距離が長いほど撮りやすいわけではありません。

野鳥を含む望遠撮影については、野生動物撮影の基本も参考になります。

EF一眼レフで使う

フィルムEOSではこのレンズ本来の時代を味わえる

EF75-300mm F4-5.6 IS USMは、フィルムEOSの時代に登場しました。

フィルムでは撮影途中にISO感度を自由に変えることができないため、暗くなったからISO感度を上げるという現在のデジタルカメラの使い方はできません。

その環境で望遠撮影を行う際、約2段分のISが得られることには大きな価値がありました。

1990年代のEOSボディと組み合わせれば、世界初のIS望遠ズームが登場した当時の撮影システムをそのまま体験できます。

歴代EOS一眼レフについては、キヤノン大全から年代順に確認できます。

デジタル一眼レフならISO感度とISを組み合わせられる

EOS 5Dシリーズ、EOS 6Dシリーズなどのフルサイズデジタル一眼レフでは、75-300mm本来の画角で使用できます。

フィルム時代と異なり、撮影中にISO感度を自由に変更できるため、ISと高感度撮影を組み合わせられます。

手ブレしそうならISを使い、動く被写体ならISO感度を上げて高速シャッターを確保するといった使い分けができます。

同じレンズでも、フィルムEOSで使う場合とデジタルEOSで使う場合では、撮影時の自由度が大きく異なります。

EOS一眼レフ各モデルについては、キヤノン大全でまとめて紹介しています。

EOS Rシリーズでも使える

マウントアダプターを介して装着する

EF75-300mm F4-5.6 IS USMはEFマウントレンズなので、EOS Rシリーズへ直接装着することはできません。

EF-EOS R系のマウントアダプターを介することで、EOS Rシリーズでも使用できます。

焦点距離や開放F値、最短撮影距離など、レンズそのものの光学特性が変わるわけではありません。1995年に発売されたレンズを現在のフルサイズミラーレスへ装着して使用できます。

EOS Rシリーズではデジタル一眼レフとはAF方式が異なるため、古いEFレンズを新しいボディで使うという別の楽しみ方もできます。

EFレンズとRFマウントについては、キヤノン大全から関連機種を確認できます。

ボディー内手ブレ補正機との組み合わせ

EF75-300mm F4-5.6 IS USMにはレンズ内ISが搭載されています。

EOS Rシリーズにはボディー内手ブレ補正を搭載する機種もあり、古いEFレンズと新しいボディーを組み合わせられます。

現在のRFレンズと同等の協調補正になるわけではありませんが、1995年のレンズをデジタルミラーレスで使用できること自体がEFシステムの長い歴史を感じさせます。

最新レンズの性能だけを求める用途とは異なり、初期ISレンズを実際に撮影へ使ってみたい場合には興味深い組み合わせです。

ボディー内手ブレ補正については、手ブレ補正の仕組みと種類で詳しく解説しています。

ポートレートで使うEF75-300mm F4-5.6 IS USM

75mmから135mm付近は人物を撮りやすい

ポートレートでは75mmから135mm付近が使いやすい焦点域です。

人物と適度な距離を取りながら、背景の範囲を整理できます。焦点距離を変えられるため、全身、上半身、顔を中心とした構図へ柔軟に対応できます。

単焦点85mmのようなF1.8やF1.2の大きなボケは得られませんが、望遠ズームならではの撮影距離と背景整理を利用できます。

屋外で背景まで距離を取れば、F4からF5.6でも人物を背景から分離できます。

人物撮影については、ポートレート写真を変える撮影テクニックも参考になります。

200mmから300mmでは背景を大きく整理できる

撮影距離を十分に確保できる屋外では、200mmから300mmを人物撮影に使うこともできます。

画角が狭くなるため、背景の中から必要な部分だけを選びやすくなります。遠くの木々や建物などを背景へ大きく取り込み、人物を目立たせることができます。

被写体からかなり離れる必要があるため、狭い場所には向きません。公園や河川敷など、十分な撮影距離がある場所で使いやすい撮り方です。

背景の整理方法については、背景処理で写真の印象を変える方法でも詳しく解説しています。

スポーツ撮影で使う

75-300mmズームで距離変化へ対応できる

スポーツでは被写体が撮影者へ近づいたり遠ざかったりします。

300mm単焦点では近づいてきた選手が画面からはみ出す場合がありますが、75-300mmズームなら焦点距離を短くして構図を調整できます。

グラウンド、競技場、運動会など、撮影位置を自由に移動できない状況でもズームが役立ちます。

一方、望遠端はF5.6なので、曇天や夕方にはISO感度を上げて高速シャッターを維持する必要があります。

動体撮影でのピント合わせについては、AFとMFの違いと使い分けも参考になります。

動体ではISよりシャッタースピードを優先する

スポーツ撮影では、ISがあれば高速で動く選手まで止められるわけではありません。

ISが補正するのはカメラの揺れなので、選手の動きを止めるには高速なシャッタースピードが必要です。

例えば走る人物を止める場合には1/1000秒前後が必要になることもあります。このような条件では、ISによってシャッタースピードを遅くするよりISO感度を上げて高速シャッターを維持する方が重要です。

静止した被写体と動く被写体ではISの使い方が異なります。

手ブレと被写体ブレについては、手ブレ補正の基本で確認できます。

野鳥や動物撮影で使う

300mm側で離れた被写体を狙える

野鳥や動物撮影では300mm側が中心になります。

動物園なら柵の外から動物を大きく写し、野外では近づけない鳥や小動物を離れた位置から撮影できます。

現在の野鳥撮影では500mmや600mm以上も一般的ですが、鳥との距離が近い公園や餌場などでは300mmでも撮影できます。

APS-Cボディなら約480mm相当の画角となるため、小さな鳥をさらに大きく捉えやすくなります。

野鳥や動物撮影については、野生動物撮影の基本とレンズ選びも参考になります。

止まっている被写体ではISの効果を生かしやすい

枝に止まっている鳥や動物園で静止している動物では、ISの効果を利用しやすくなります。

300mmではわずかなカメラの揺れでもファインダー像が動きやすいため、手ブレ補正があることで構図を安定させやすくなります。

一方、飛んでいる鳥や走る動物では高速シャッターが必要なので、ISだけに頼ることはできません。

被写体の状態によって、ISを生かす撮影とシャッタースピードを優先する撮影を使い分ける必要があります。

望遠撮影時の手ブレ補正については、Canon ISの使い方で詳しく解説しています。

中古で購入するときの確認ポイント

ISが正常に作動するか確認する

EF75-300mm F4-5.6 IS USMは1995年発売です。現在中古で流通している個体は製造から長い年月が経過しています。

このレンズを選ぶ際に特に確認したいのがISです。シャッター半押しなどでISを作動させ、ファインダー像の揺れが安定するかを確認します。

異常な振動、大きな異音、像が不自然に動く症状がないかも確認したいところです。

このレンズはISそのものが最大の特徴なので、光学系だけでなく補正機構の状態まで見ることが重要です。

ISの仕組みについては、Canonの手ブレ補正を徹底解説で確認できます。

ズームリングとAFの動作を確認する

75mmから300mmまでズームリングを動かし、不自然な引っ掛かりや極端な重さがないか確認します。

AFも近距離から遠距離、遠距離から近距離へ何度か動かし、途中で止まらないか、不自然な音が出ないかを確認します。

一度AFが動いただけでは、全域で正常に動作しているか判断できません。焦点距離も75mm側と300mm側の両方で試すと状態を把握しやすくなります。

古いAFレンズでは機械部分と電子部分の両方を確認することが重要です。

AFについては、USMの仕組みと種類も参考になります。

カビ・曇り・絞りの動作も見る

古いレンズではカビや曇りも確認します。

前玉や後玉だけでなく、光を通して内部に白い曇りやカビがないかを見ます。多少の細かなホコリは古いズームレンズでは珍しくありませんが、広範囲の曇りやカビは描写へ影響することがあります。

カメラへ装着して絞り値を変更し、正常に撮影できるかも確認します。EFレンズは絞りを電子制御するため、電子接点の状態も重要です。

外観の傷だけで判断せず、光学系、IS、AF、絞りを総合的に確認した方が実用品として選びやすくなります。

歴代EFレンズについては、キヤノン大全から各モデルを確認できます。

後年のEF75-300mmシリーズとは別のレンズ

同じ75-300mmでも仕様は大きく異なる

キヤノンにはEF75-300mm F4-5.6という名称を持つレンズが複数存在します。

IS非搭載モデル、USMモデル、II型、III型などがあり、焦点距離と開放F値が同じだからといって同じレンズではありません。

EF75-300mm F4-5.6 IS USMは、その中でも1995年に登場したIS搭載モデルです。特に世界初の一眼レフ用手ブレ補正交換レンズという歴史的な位置づけが、ほかの75-300mmとは大きく異なります。

中古販売ページでは名称が省略されることもあるため、「IS USM」まで型番を確認することが重要です。

EFレンズの各モデルについては、キヤノン大全で個別に確認できます。

世界初という意味では後継モデルでは代替できない

純粋な撮影性能だけを見るなら、後年の高性能望遠ズームにはEF75-300mm F4-5.6 IS USMを上回る製品が数多くあります。

しかし、「キヤノンのISがどこから始まったのか」という歴史的な意味は、後継レンズでは置き換えられません。

1995年の時点で、振動ジャイロと補正光学系を交換レンズの中へ組み込み、実際に市販したことにこのレンズの価値があります。

現在のRF望遠レンズまで続くキヤノンの手ブレ補正技術を遡ると、このEF75-300mm F4-5.6 IS USMへたどり着きます。

キヤノンのEFからRFまでの流れは、キヤノン大全でまとめて紹介しています。

EF75-300mm F4-5.6 IS USMを現在使う意味

最新性能ではなくISの原点を体験できる

現在このレンズを選ぶ理由を、最新レンズとの性能比較だけで考えると分かりにくくなります。

最新のRF望遠ズームには、より高速なAF、強力なIS、高い解像力、優れた逆光耐性などがあります。

EF75-300mm F4-5.6 IS USMの魅力は、その競争とは別のところにあります。現在では当たり前になったレンズ内手ブレ補正が、交換レンズとして初めて実用化された時代の製品を実際に使えることです。

ファインダーをのぞき、ISを作動させ、300mmで手持ち撮影をすると、現在の望遠レンズへつながる技術の出発点を体験できます。

歴代キヤノンレンズの技術については、キヤノン大全から年代を追って確認できます。

フィルム一眼レフから最新ミラーレスまで使える

1995年のフィルムEOS用として登場したレンズですが、EFマウントが長期間維持されたことで、その後のデジタル一眼レフでも使用できます。

さらにEF-EOS R系マウントアダプターを介せばEOS Rシリーズでも使用できます。

一つのレンズをフィルムEOS、デジタル一眼レフ、フルサイズミラーレスという異なる世代のカメラへ装着できることも、EFマウントの歴史の長さを感じさせます。

1995年当時と現在では、カメラ側のAF、高感度性能、連写性能などが大きく変わっています。同じレンズを異なる世代のカメラで使い比べることも、このレンズの楽しみ方です。

歴代EOSとEFレンズについては、キヤノン大全でまとめて確認できます。

まとめ

Canon EF75-300mm F4-5.6 IS USMは、1995年9月に発売されたEFマウントの望遠ズームレンズです。

最大の特徴は、35mm一眼レフカメラ用交換レンズとして世界で初めて手ブレ補正機構を搭載したことです。振動ジャイロでカメラの揺れを検出し、補正光学系を移動させることで約2段分の手ブレ補正効果を実現しました。

焦点距離は75-300mm、開放F値はF4-5.6、光学系は10群15枚です。最短撮影距離1.5m、最大撮影倍率0.25倍、フィルター径58mm、最大径78.5mm、全長138.2mm、質量650gという仕様です。

AFにはマイクロUSMを採用し、75mmでは人物撮影、300mmでは野鳥、スポーツ、航空機、鉄道など、一本で幅広い望遠撮影に対応します。

APS-Cでは約120-480mm相当の画角となり、さらに望遠寄りの撮影へ利用できます。EF一眼レフだけでなく、マウントアダプターを介してEOS Rシリーズでも使用できます。

現在の高性能望遠ズームと比較すれば、AF、手ブレ補正、光学性能などに大きな世代差があります。しかしEF75-300mm F4-5.6 IS USMの価値は、単なる性能比較だけでは決まりません。

現在のEF・RFレンズへ続くキヤノンのIS技術は、このレンズから本格的に始まりました。望遠撮影に手ブレ補正を組み込むという現在では当たり前の考え方を、市販の一眼レフ用交換レンズとして形にした歴史的な一本です。

キヤノンの歴代EOS、EFレンズ、RFレンズについては、キヤノン大全でまとめて紹介しています。

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