SIGMA 12mm F1.4 vs RF-S10-18mm|EOS R7・R50の星空撮影ではどちらが有利?
EOS R7やEOS R50で星空を撮影するなら、SIGMA 12mm F1.4 DC | ContemporaryとキヤノンRF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMのどちらが有利なのでしょうか。どちらもAPS-CのEOS Rシリーズに対応する超広角レンズですが、F1.4の明るさを持つ単焦点レンズと、10mmから18mmまで画角を変えられる純正ズームレンズでは、星空撮影で得られる結果が大きく異なります。
SIGMA 12mm F1.4は、35mm判換算で約19.2mm相当の画角を持ち、開放F1.4という明るさを利用できるレンズです。一方、RF-S10-18mmは約16~28.8mm相当をカバーし、12mmよりも広い範囲を撮影できます。特に10mmの超広角は、天の川を大きく取り入れた風景や、広い夜空と地上の景色を一緒に写したい場合に魅力があります。
しかし、星空撮影では画角の広さだけでレンズの優劣は決まりません。夜空は非常に暗く、星は地球の自転によって少しずつ画面内を移動します。シャッタースピードを長くすれば暗い星を写しやすくなる反面、星が点として写らず、線状に伸びてしまう可能性があります。そこで重要になるのが、レンズの開放F値です。
結論から言えば、三脚を使用して星を点像として鮮明に写す撮影では、SIGMA 12mm F1.4が明るさの面で大きく有利です。一方、星空を含む風景全体を広く写したい場合や、昼間の旅行撮影にも兼用したい場合には、RF-S10-18mmの10mmという画角とズームの自由度が生きてきます。
ただし、F1.4だから必ず画面全体の星がきれいに写る、10mmだから必ず天の川撮影に適している、という単純な関係でもありません。星空撮影では、開放付近のコマ収差、画面周辺の星像、周辺光量、焦点距離による星の流れ、カメラの高感度性能、そして撮影後の現像処理までが結果に関係します。
この記事では、SIGMA 12mm F1.4とRF-S10-18mmの仕様を比較しながら、EOS R7とEOS R50での星空撮影における違いを検討します。F値による露出差、星を点として写せるシャッタースピード、天の川の構図、周辺の星像、手ブレ補正の役割、具体的な撮影設定まで整理し、どちらのレンズがどのような撮影に向いているのかを解説します。
SIGMA 12mm F1.4とRF-S10-18mmの星空撮影性能を比較
焦点距離12mmと10-18mmでは写せる星空の広さが違う
SIGMA 12mm F1.4 DC | Contemporaryは、APS-C用の超広角単焦点レンズです。キヤノンRFマウント版をEOS R7やEOS R50に装着した場合、35mm判換算で約19.2mm相当の画角になります。シグマが公表しているRFマウント版の対角画角は96.4度で、広い夜空と地上の風景を一緒に収めやすい焦点距離です。
これに対してRF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMは、10mmから18mmまで焦点距離を変更できる超広角ズームレンズです。35mm判換算では約16~28.8mm相当となり、広角端の10mmではSIGMAの12mmよりも広い範囲を写せます。RF-S10-18mmの10mmにおける対角画角は107度30分なので、両者の画角には明確な差があります。
星空撮影でこの違いが重要になるのは、天の川や星座と地上の風景をどのように配置するかという場面です。例えば、山並みの上に広がる天の川を撮影するときには、画面に十分な空を確保しながら山の稜線を取り入れたい場合があります。10mmならカメラを大きく上へ向けなくても広い夜空を入れやすく、建物や木々を前景に配置する自由度も増えます。
一方、12mmは10mmほど広くありませんが、星景写真では依然として十分に広い画角です。画面の中で天の川を少し大きく見せたい場合や、周辺の不要な街明かりを構図から外したい場合には、12mmの方が扱いやすいこともあります。10mmと12mmの違いは数値としては2mmですが、超広角域ではこの差が画面に入る風景の範囲へ大きく影響します。
RF-S10-18mmは18mmまでズームできるため、天の川の一部や特定の星座を少し大きく写したい場合にも対応できます。ただし、望遠側へズームするほど開放F値は暗くなるため、星空撮影では画角の自由度と明るさを交換することになります。SIGMA 12mm F1.4は画角を変更できない代わりに、F1.4の明るさを常に利用できるという性格です。
キヤノンRFマウントに対応するSIGMAレンズ全体については、シグマRFマウントレンズ全10本|対応機種・フルサイズで使える?おすすめと選び方でも詳しく紹介しています。
F1.4とF4.5では取り込める光の量に約10倍の差がある
星空撮影において、SIGMA 12mm F1.4が持つ最大の強みは開放F値です。RF-S10-18mmの広角端10mmはF4.5なので、両者の開放F値には大きな違いがあります。レンズが取り込む光の量はF値の二乗に反比例するため、同じシャッタースピードで比較すると、F1.4はF4.5の約10.3倍の光を撮像面へ届けられる計算になります。
これは露出段数では約3.37段分の差です。例えば、RF-S10-18mmのF4.5でISO6400、15秒の撮影を行う条件を考えると、SIGMA 12mm F1.4では同じシャッタースピードでISO感度を約10分の1に下げても、露出の明るさをほぼそろえられます。ISO6400に対して約ISO620という計算ですが、実際にはカメラで選択できるISO感度や撮影条件に合わせて調整することになります。
逆に、ISO感度を同じにした場合には、SIGMA 12mm F1.4で大幅に短いシャッタースピードを選べます。F4.5で15秒必要な明るさなら、F1.4では計算上約1.5秒で同程度の露出になります。ただし、星空撮影で実際にどのシャッタースピードを選ぶかは、星をどの程度点として写したいか、空の暗さ、周囲の光害、撮影する天体などによって変わります。
ここで重要なのは、明るいレンズを使えば必ずISO感度を下げなければならないということではありません。星を点像として写すためにシャッタースピードを短くすることもできますし、ISO感度を抑えてノイズを減らす方向へ設定することもできます。F1.4という明るさは、撮影者が露出を決める際の選択肢を増やします。
一方、RF-S10-18mmも星空を撮影できないレンズではありません。星景写真では三脚を使用することが一般的なので、F4.5でも長時間露光と高感度設定を組み合わせれば、明るい星や星座、月明かりのある風景などを撮影できます。ただし、暗い天の川の細部を短時間の露光で記録したい場合には、F値の差が結果へ強く影響します。
星空撮影に適したキヤノンの広角レンズ全体については、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも比較しています。
単焦点の光学設計とズームレンズの自由度はどちらを優先するか
SIGMA 12mm F1.4とRF-S10-18mmは、どちらも広い画角を実現するレンズですが、製品設計の目的が異なります。SIGMAは12mmという焦点距離に特化し、F1.4の明るさと開放付近からの描写性能を重視しています。一方、RF-S10-18mmは10~18mmという焦点距離をカバーしながら、小型軽量化、手ブレ補正、日常的な携帯性を組み合わせた製品です。
シグマは12mm F1.4の特徴として、3枚の非球面レンズと2枚のSLDガラスを採用し、開放F1.4から高い光学性能を目指した設計を紹介しています。さらに、星景写真で問題となるサジタルコマフレアについても、良好な補正を実現していると説明しています。星空撮影では小さな点光源が画面全体に分布するため、こうした収差補正は重要な要素です。
RF-S10-18mmも、UDレンズや非球面レンズを使用した光学設計を採用しています。しかし、F4.5-6.3という開放F値から分かるように、F1.4の大口径を目指した製品ではありません。10mmという広い画角とズームの自由度を持ちながら、質量約150gという軽さを実現していることが特徴です。
単焦点レンズだからズームレンズより必ず高画質になるとは限りませんが、SIGMA 12mm F1.4は星景撮影を想定した光学性能がメーカーから明示されています。ただし、メーカーが公表する設計上の特徴と、EOS R7やEOS R50で同じ条件で撮影した比較結果は区別する必要があります。画面四隅の星像やコマ収差の程度を厳密に比較するには、同じ空、同じ撮影条件で撮影したRAW画像の確認が必要です。
撮影する夜空に合わせて画角を頻繁に変更したい場合にはRF-S10-18mmが便利ですが、星の記録に必要な光量を優先する場合にはSIGMA 12mm F1.4の設計が魅力になります。この二つのレンズは単に焦点距離が近い製品というだけでなく、撮影者が何を優先するかによって選択が変わる組み合わせです。
超広角と撮影距離の違いが写真の構図へ与える影響については、被写体との距離で写真はどう変わる?撮影距離・焦点距離・構図の基本でも解説しています。
星空撮影ではF値とシャッタースピードが重要
星が流れる原因と500ルールの考え方
星空を撮影するとき、三脚を使用してカメラを固定していても、長時間露光を行うと星が線状に伸びて写ることがあります。これは地球が自転しているためで、撮影中に星の位置が少しずつ変化することが原因です。星を点として写したい場合には、この移動が目立たない範囲にシャッタースピードを収める必要があります。
星空撮影では、シャッタースピードの目安として「500ルール」が使われることがあります。これは、500を35mm判換算の焦点距離で割り、星が大きく流れずに写る露光時間の目安を求める方法です。例えばEOS R7に12mmを装着した場合、換算焦点距離は19.2mmなので、500÷19.2で約26秒になります。RF-S10-18mmの10mmでは換算16mmなので、500÷16で約31秒という計算です。
ただし、500ルールはフィルム時代から使われてきた大まかな目安であり、高画素のデジタルカメラで星を厳密な点像として写す条件を保証するものではありません。画像を大きく拡大すると、500ルールで求めた露光時間よりも短い時間で星の移動が見えることがあります。特にEOS R7は約3250万画素のAPS-Cセンサーを搭載しているため、細部まで確認する場合には星の流れが目立ちやすくなります。
より厳しい目安として「300ルール」を利用すると、SIGMA 12mm F1.4では300÷19.2で約15.6秒、RF-S10-18mmの10mmでは300÷16で約18.8秒となります。こちらも厳密な保証値ではありませんが、500ルールより短い露光時間を求められるため、星を点として写したい場合の出発点になります。
実際には星の位置や撮影方向、センサーの画素ピッチ、鑑賞する画像の大きさなども影響します。星の流れをどこまで許容するかは撮影目的によって変わるため、10秒、15秒、20秒などの複数の条件で撮影し、画像を拡大して比較する方法が役立ちます。
星空撮影に必要な広角レンズの選び方については、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも取り上げています。
同じ15秒露光でもF1.4とF4.5ではノイズの条件が異なる
星を点像として写すためにシャッタースピードを15秒へ固定した場合、SIGMA 12mm F1.4とRF-S10-18mm F4.5では、撮像面に取り込める光の量が約10倍異なります。この差は、夜空の暗い部分や天の川の淡い光を記録するときに重要です。空の明るさをほぼ同じに仕上げるなら、RF-S10-18mmではSIGMAよりも高いISO感度を設定する必要が生じます。
例えば、F1.4、15秒、ISO800で得られる露出の明るさを基準にすると、F4.5、15秒では計算上ISO8000程度が必要になります。実際の写真の明るさは空の状態や現像処理によっても変わりますが、同じ露光時間で比較したときに、明るいレンズほど低いISO感度を選べることは大きな違いです。
ただし、ISO感度を高くしたこと自体が、撮像センサーに取り込まれる光子の数を減らすわけではありません。重要なのは、同じ露光時間に取り込まれた光の量です。F4.5ではF1.4より光量が少ないため、暗い星や天の川の淡い部分では信号に対するノイズの割合が不利になりやすくなります。ISO感度を上げて画面を明るくしても、取り込めなかった光の情報を後から増やせるわけではありません。
この違いは、画像を縮小してスマートフォンで見る場合よりも、大きなモニターで表示したり、星の細部を拡大したりするときに目立つ場合があります。EOS R7の高画素を生かして星空を細かく記録したい場合には、F1.4の明るさが役立ちます。一方、写真全体を小さく表示する用途や、比較的明るい星座を記録する用途では、F4.5でも目的を満たせる場合があります。
また、F1.4で撮影した写真が必ずF4.5より見栄えするという意味でもありません。明るい街灯や月が画面に入る条件では、開放F1.4で撮影すると明部が過度に明るくなったり、周辺光量の低下が目立ったりする場合があります。星空撮影では、レンズの明るさを生かしつつ、撮影環境に合わせて露出を決めることが重要です。
夜空の撮影に向くレンズの特徴については、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも詳しく紹介しています。
長時間露光と高ISOのどちらで対応するか
RF-S10-18mmのF4.5という開放F値を補う方法として、シャッタースピードを長くするか、ISO感度を上げるという選択があります。しかし、星を点として記録する撮影では、シャッタースピードを自由に延長することはできません。露光時間が長くなるほど星が移動するため、暗いレンズの光量不足をシャッタースピードだけで補おうとすると、星が線状に写りやすくなります。
例えば、SIGMA 12mm F1.4で15秒の露出を行う条件を、RF-S10-18mmのF4.5で同じISO感度のまま再現しようとすると、計算上約155秒の露光が必要になります。これは約2分35秒に相当するため、通常の固定三脚による撮影では星が明確に移動して写ります。つまり、両者のF値の違いは、単純にシャッタースピードを延ばすだけでは解消できません。
RF-S10-18mmで星を点として写したい場合には、ISO感度を高めに設定するほか、複数枚の画像を撮影して合成する方法もあります。星の位置をそろえて複数の画像を重ねるスタック処理では、単一の画像だけで仕上げる場合よりもノイズを抑えられることがあります。ただし、地上の風景と星の動きは異なるため、星空と地上を一度に自然に合成するには処理上の工夫が必要です。
また、赤道儀を使用して星の動きを追尾すれば、固定三脚よりも長い露光時間を利用できる場合があります。しかし、星を追尾すると地上の景色が相対的に動くため、山や建物と星空を一枚で同時に止めることは難しくなります。こうした撮影では星空と地上を別々に撮影し、あとから合成する方法が利用されることがあります。
一方、星を点として止める必要がない比較明合成や星の軌跡撮影では、RF-S10-18mmの暗さが大きな欠点にならない場合があります。むしろ10mmの広さによって、北極星を中心とした星の回転や、広い夜空に伸びる光跡をダイナミックに写せます。星空撮影といっても、星を点で写す写真と軌跡として写す写真では、レンズに求められる性能が異なります。
撮影する被写体と構図の関係については、被写体との距離で写真はどう変わる?撮影距離・焦点距離・構図の基本でも解説しています。
星像と周辺画質ではどこに違いが出るのか
SIGMA 12mm F1.4はコマ収差を意識した光学設計
星空撮影では、画面中央の解像力だけでレンズの性能を判断することはできません。星は画面内の小さな点光源として写るため、通常の風景写真では気づきにくい収差が目立つことがあります。特に問題となるのがコマ収差や非点収差で、画面周辺の星が鳥の羽のように広がったり、点ではなく細長い形になったりすることがあります。
SIGMA 12mm F1.4 DC | Contemporaryは、シグマが星景撮影への対応を明示しているレンズです。3枚の非球面レンズと2枚のSLDガラスを使用し、開放F1.4から高い描写性能を目指した光学設計を採用しています。さらに、サジタルコマフレアを良好に補正していることがメーカーから説明されています。これは、星空の周辺描写を重視する人にとって注目したい特徴です。
ただし、コマ収差を補正しているという説明が、画面四隅まで完全な点像になることを保証するわけではありません。実際の星像はレンズの製造個体差、ピント位置、絞り、撮影条件などによって変わります。また、画面中央にピントを合わせたときに周辺でも最良の星像になるとは限らず、像面湾曲などの影響によって周辺のピント状態が変化する場合があります。
星空撮影では、開放F1.4の画像だけでなく、F2やF2.8まで絞った画像を比較することにも意味があります。絞ることで収差が抑えられ、画面周辺の星が引き締まる場合がありますが、その分だけ取り込める光は減ります。F1.4の明るさを最大限に使うか、少し絞って周辺画質を優先するかは、撮影する星空と求める仕上がりによって選択が変わります。
レンズのF値と星景撮影への適性については、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも詳しく紹介しています。
RF-S10-18mmは10mmの周辺描写と歪曲補正に注目
RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMは、10mmという超広角を約150gの小型軽量ボディに収めたレンズです。キヤノンはカメラ側の電子歪曲収差補正を活用した設計によって、小型化と広い画角を両立していると説明しています。この設計は日常の風景撮影や旅行では携帯性という利点がありますが、星空撮影では画像周辺の描写と補正処理の関係を考える必要があります。
超広角レンズでは、画面周辺の像が引き伸ばされやすく、光学的な歪曲をデジタル補正する際には画像の一部が変形・再配置されます。星空のように小さな点光源が画面全体へ分布する被写体では、こうした補正後の星像や周辺の描写が気になる場合があります。ただし、補正があるから必ず星像が悪くなるという意味ではなく、実際の結果はレンズの光学性能とカメラの画像処理を合わせて確認する必要があります。
また、RF-S10-18mmは開放F4.5から始まるレンズなので、SIGMA 12mm F1.4のようにF1.4付近の収差を評価する製品ではありません。広角端のF4.5は、明るさの面では不利ですが、レンズの設計上は大口径単焦点とは異なる条件になります。星空撮影では、単にF値の差を見るだけでなく、実際に使う開放絞りで周辺の星がどのように写るかを確認することが重要です。
特にEOS R7では約3250万画素という高い画素数によって、周辺の描写を細かく確認できます。星を大きく拡大して見ると、画面中央と周辺で星の形が異なったり、ピント位置によって星像の変化が見えたりする場合があります。RF-S10-18mmを使用する際は、10mmの超広角を生かしつつ、写真全体でどの程度の描写が得られるかを確認することが重要です。
EOS Rシリーズで使用できる広角レンズの選択肢については、シグマRFマウントレンズ全10本|対応機種・フルサイズで使える?おすすめと選び方でも紹介しています。
周辺光量落ちは星空の仕上がりにどう影響するか
星空撮影では、レンズの周辺光量も仕上がりに影響します。周辺光量落ちとは、画面中央に比べて周辺部分が暗く写る現象です。特に大口径レンズを開放付近で使用すると目立つ場合があり、空が均一な明るさで写っているときには、画面四隅が暗くなる状態として確認できます。
SIGMA 12mm F1.4は開放F1.4という明るさを持つため、星空を撮影するときに大きな光量を利用できます。しかし、周辺まで中央と同じ明るさで写るかどうかは、レンズの光学設計や絞りによって変わります。周辺光量落ちをデジタル補正で明るくした場合には、同時に周辺部分のノイズも目立ちやすくなることがあります。
RF-S10-18mmでも周辺光量落ちは確認対象になりますが、両者の周辺減光量を具体的な数値で比較するには、同じカメラと同じ露出条件で撮影したRAWデータが必要です。メーカーの仕様表だけでは、星空を撮影したときにどちらの周辺がどの程度暗くなるかを厳密に判断できません。
また、星空の明るさは空全体で均一とは限りません。地平線に近い部分には街明かりや大気の影響が入りやすく、天頂付近とは明るさや色が異なる場合があります。撮影画像で周辺が暗く見えたとしても、そのすべてがレンズの周辺光量落ちによるものとは限りません。星空撮影では、空の明るさの変化とレンズの光学的な特性を区別して確認することが重要です。
どちらのレンズでも、撮影後のRAW現像で周辺光量を調整できます。ただし、暗く記録された部分を後から明るくするとノイズも強調される可能性があるため、撮影時にできるだけ十分な光を取り込むことが基本になります。SIGMA 12mm F1.4の明るさは、この点でも露出設定の自由度を確保する要素になります。
星空撮影におけるレンズ選びと周辺描写については、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも紹介しています。
EOS R7とEOS R50では星空撮影の条件が変わる
EOS R7の約3250万画素では星の流れとピントに注意
EOS R7は約3250万画素のAPS-Cセンサーを搭載するカメラです。高画素によって細かな風景や星空を記録しやすい一方、撮影画像を大きく拡大すると、星の流れやピントのずれも確認しやすくなります。SIGMA 12mm F1.4とRF-S10-18mmを比較する際にも、単純に画角やF値だけでなく、EOS R7の画素数を踏まえた撮影条件を考える必要があります。
例えば500ルールによるシャッタースピードの目安では、12mmなら約26秒、10mmなら約31秒という数値になります。しかし、EOS R7の画像を等倍表示で確認する場合、これらの時間では星の動きが見える可能性があります。高画素センサーで星を細かく記録したい場合には、より短い露光時間を選び、その分をF値やISO感度で補う方法が考えられます。
この条件では、SIGMA 12mm F1.4の明るさが役立ちます。例えば15秒程度の露光時間へ制限した場合でも、F1.4ならF4.5より多くの光を取り込めるため、ISO感度を抑えながら星を記録できます。反対に、RF-S10-18mmでは10mmの広い画角によって星の移動が比較的小さく見えるという利点がありますが、F4.5の暗さを補う露出設定が必要です。
EOS R7にはボディ内手ブレ補正も搭載されていますが、三脚に固定して星を点として撮影するときには、手ブレ補正だけで星の動きを止められるわけではありません。星の流れは地球の自転によって生じるため、カメラの揺れを補正する機能とは別の問題です。固定三脚での長時間露光では、使用機材や撮影条件に応じて手ブレ補正設定を確認する必要があります。
高画素カメラで星空を撮影するときには、光量、露光時間、ピント精度のバランスが重要です。EOS R7の画素数を生かしたい場合には、SIGMAの明るさが大きな利点になる一方、RF-S10-18mmの10mmによる広い構図も魅力になります。
EOS Rシリーズで使用できる星空撮影向けレンズについては、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも詳しく比較しています。
EOS R50では軽さと高感度設定が重要になる
EOS R50は約2420万画素のAPS-Cセンサーを搭載する小型軽量カメラです。EOS R7よりも画素数は少ないものの、星空撮影に十分な解像度を備えています。SIGMA 12mm F1.4とRF-S10-18mmのどちらもRFマウント版を直接装着できるため、マウントアダプターなしで星空撮影に使用できます。
EOS R50で特に魅力となるのは、持ち運びやすさです。旅行先で星空を撮影する場合には、カメラ本体だけでなく、交換レンズ、三脚、予備バッテリーなども携帯する必要があります。RF-S10-18mmは約150gと非常に軽く、カメラと組み合わせても負担を抑えやすいレンズです。一方、SIGMA 12mm F1.4のRFマウント版は約250gなので、RF-S10-18mmより約100g重くなります。
ただし、星空撮影での明るさを考えると、100gの重量差だけで判断することは難しくなります。SIGMA 12mm F1.4は開放F1.4を利用できるため、星を点として記録するために露光時間を短くした場合でも、十分な光量を確保しやすくなります。RF-S10-18mmでは高感度設定や複数枚合成を利用する場面でも、SIGMAなら比較的低いISO感度で撮影できる可能性があります。
EOS R50にはボディ内手ブレ補正が搭載されていません。一方、RF-S10-18mmには光学式手ブレ補正が搭載されているため、昼間の風景撮影や旅行中の手持ち撮影では便利です。しかし、三脚に固定して星を長時間露光する場合には、レンズ内手ブレ補正によって地球の自転による星の動きを止められるわけではありません。
EOS R50で星空撮影を行う場合は、昼間も含めた旅行用レンズとしての携帯性を優先するのか、夜空を撮影するときの光量を優先するのかが選択のポイントになります。RF-S10-18mmは旅行用超広角ズームとして幅広く使えますが、暗い天の川を鮮明に写すことを重視するならSIGMA 12mm F1.4の明るさが魅力です。
キヤノンRFマウントのSIGMAレンズについては、シグマRFマウントレンズ全10本|対応機種・フルサイズで使える?おすすめと選び方でも詳しく解説しています。
ボディ内手ブレ補正とレンズ内ISは星を止める機能ではない
EOS R7にはボディ内手ブレ補正が搭載されており、RF-S10-18mmにはレンズ内光学式手ブレ補正が搭載されています。キヤノンはRF-S10-18mmの手ブレ補正効果を約4.0段分とし、EOS R7との協調制御では約6.0段分の効果を公表しています。これに対して、SIGMA 12mm F1.4にはレンズ内光学式手ブレ補正はありません。
この仕様だけを見ると、手ブレ補正を搭載するRF-S10-18mmの方が暗い場所で有利に感じられるかもしれません。しかし、星空撮影では手ブレ補正の役割を正確に理解する必要があります。通常の手ブレ補正はカメラの揺れを抑える機能であり、地球の自転によって星が画面内を移動する現象を止めるものではありません。
三脚にカメラを固定して15秒や20秒の長時間露光を行う場合、重要になるのはカメラの振動を抑えることと、星の移動が許容範囲に収まる露光時間を選ぶことです。手ブレ補正によって手持ちで撮影できるシャッタースピードが遅くなることと、三脚固定で星を点像として記録できる時間が長くなることは同じではありません。
そのため、星を点として撮影する用途に限れば、RF-S10-18mmの手ブレ補正がF4.5の暗さを完全に補うことはできません。SIGMA 12mm F1.4では、手ブレ補正を搭載していなくても、三脚を使用する星空撮影において大口径の明るさを利用できます。もちろん、昼間や夜間の手持ち風景撮影ではRF-S10-18mmの手ブレ補正が役立つ場面もあります。
星空撮影におけるレンズ選びでは、手ブレ補正の段数だけで有利不利を判断せず、撮影対象が動くのか、カメラが動くのかを区別することが重要です。星を点像として撮影するなら、露光時間を抑えながら十分な光を取り込めるレンズの明るさが大きな意味を持ちます。
夜間撮影とレンズの選び方については、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも紹介しています。
天の川・星座・星の軌跡ではどちらのレンズが向いているか
天の川を鮮明に写すならSIGMA 12mm F1.4が有利
天の川を撮影する場合、星の明るさだけでなく、空に広がる淡い光の濃淡をどこまで記録できるかが重要です。天の川は無数の星と星間物質によって複雑な模様を形成していますが、光害の多い場所では肉眼で確認しにくく、写真でも淡い部分がノイズに埋もれやすくなります。そのため、短時間で多くの光を取り込めるレンズは、天の川撮影で大きな利点があります。
SIGMA 12mm F1.4はRF-S10-18mmのF4.5に対して約10倍の光を取り込めるため、同じ露光時間で比較した場合には、淡い天の川の記録に有利です。例えばEOS R7で15秒の露光を行う条件では、RF-S10-18mmで高いISO感度を必要とする場合でも、SIGMAならISO感度を下げる余地があります。星を点として写したい場合には露光時間をむやみに延ばせないため、この明るさの差が重要です。
また、シグマが12mm F1.4でサジタルコマフレアの良好な補正をうたっていることも、星空撮影では注目したい点です。天の川を画面いっぱいに写す場合、中央だけでなく周辺の星も細かな点として記録できることが望まれます。画面周辺の収差が目立つと、星が広がったり、形が崩れたりするため、開放付近での周辺描写が重要になります。
ただし、天の川を大きく取り入れた構図では、RF-S10-18mmの10mmという広い画角も魅力です。SIGMAの12mmでは画面外へ切れてしまう山並みや建物を、10mmなら一緒に収められる場合があります。天の川の淡い部分をより鮮明に記録したいのか、広い夜空と地上の景色を一枚へ収めたいのかによって、レンズ選びの優先順位が変わります。
星空の暗い部分を記録するには、レンズだけでなく撮影場所の条件も重要です。月明かりや街明かりが強い場所では、F1.4のレンズを使用しても空の背景が明るくなり、天の川のコントラストが低下します。レンズの明るさを生かすには、できるだけ空が暗い場所を選び、撮影したい方向と月の位置を確認することが役立ちます。
天の川撮影に適したレンズの特徴については、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも詳しく解説しています。
星座と地上の風景を広く写すならRF-S10-18mmも魅力
星座や夜空全体を広く写す撮影では、RF-S10-18mmの10mmという画角が魅力になります。例えば、山の稜線の上に星座が広がる風景や、大きな建築物を前景に配置した星景写真では、カメラを後ろへ下げられない場所もあります。こうした場面で10mmの超広角を利用すれば、12mmよりも広い範囲を一枚に収められます。
星空と地上の風景を組み合わせる場合、必ずしも暗い天の川の細部を最大限に記録することが目的とは限りません。例えば月明かりに照らされた山並みと明るい星座、街の夜景と夜空、夕暮れから夜へ変化する空などでは、地上の風景と星の位置関係が写真の中心になります。RF-S10-18mmなら、10mmから18mmまで画角を変更できるため、星座の大きさや地上の景色に合わせて構図を調整できます。
また、星の軌跡を撮影する場合にも、RF-S10-18mmの10mmは有利です。北極星を中心に星が回転するような写真では、広い範囲を写すほど長い光跡を画面に取り入れやすくなります。複数枚の写真を比較明合成する方法なら、一枚ごとの露光時間を調整しながら長時間の星の動きを記録できるため、単純にF1.4の明るさだけが決定的な条件にはなりません。
一方、星座を画面の中央へ大きく配置したい場合には、12mmや18mmといった少し狭い画角の方が扱いやすくなることもあります。超広角では広い範囲を収められる反面、特定の星座が小さく写るため、撮影後に大きくトリミングする必要が生じる場合があります。どの星座を主役にするか、地上の風景をどこまで入れるかによって、適した画角は変わります。
RF-S10-18mmの大きな利点は、この画角の調整をレンズ交換なしで行えることです。夜間の屋外では暗さや寒さによってレンズ交換が難しい場合もあるため、10~18mmの範囲を一本でカバーできることには実用的な意味があります。
広角レンズと構図の関係については、被写体との距離で写真はどう変わる?撮影距離・焦点距離・構図の基本でも紹介しています。
星の軌跡を撮影するなら大口径F1.4だけが条件ではない
星空撮影には、星を点として記録する方法と、星の動きを線として表現する方法があります。星の軌跡を撮影する場合には、地球の自転によって星が移動することを積極的に利用します。そのため、点像撮影で問題となる星の流れが、作品の表現そのものになります。
星の軌跡を撮影する方法には、長時間露光で一枚の写真に軌跡を記録する方法と、短い露光を繰り返して撮影した画像を比較明合成する方法があります。比較明合成では、複数枚の画像に記録された明るい星の位置を重ね合わせることで、星の移動を連続した線として表現できます。この方法では、一枚ごとの露光時間を比較的短く設定できるため、撮像センサーの発熱や明るい空の影響を管理しやすくなる場合があります。
RF-S10-18mmはF4.5という開放F値ですが、比較明合成による星の軌跡撮影では、F1.4の明るさを持つSIGMAほど大きな差が出ない場面もあります。例えば、明るい星の軌跡を画面いっぱいに配置することが目的なら、10mmの画角によって広い範囲の星の動きを記録できます。また、18mmまでズームできるため、星の回転を画面の一部へ集中させる構図にも対応できます。
ただし、暗い星まで多く記録したい場合には、やはりF1.4の明るさが役立ちます。星の軌跡撮影でも、どの程度暗い星を写したいかによって必要な露出が変わります。明るい星だけで十分なのか、細かな星の軌跡まで大量に記録したいのかによって、レンズに求める明るさは異なります。
また、長時間の屋外撮影ではレンズの結露が問題になることがあります。星の軌跡撮影は長時間カメラを固定する場合が多く、気温や湿度によってレンズ前面に水滴が付着すると、撮影途中から画像が曇ってしまう可能性があります。レンズヒーターなどを使用して結露を防ぐことは、レンズの明るさや画角と同じくらい実用的な対策になります。
星空撮影での結露対策については、寒さにも強いレンズヒーター|結露を防ぎ快適な撮影環境を実現で詳しく解説しています。
EOS R7・R50での実用的な星空撮影設定
SIGMA 12mm F1.4で星を点として撮影する設定例
EOS R7やEOS R50にSIGMA 12mm F1.4を装着して星を点として撮影する場合、基本となるのは三脚の使用とマニュアル露出です。撮影モードをMに設定し、絞りをF1.4、シャッタースピードを10~15秒程度、ISO感度を800~3200程度から試す方法が考えられます。これらは撮影開始時の目安であり、実際の設定は空の明るさや月明かり、撮影場所の光害などによって調整する必要があります。
F1.4という大口径を利用する場合、シャッタースピードを短めにして星の流れを抑えることができます。例えばEOS R7では高画素によって星の移動が目立ちやすくなるため、15秒で星が伸びて見える場合には10秒程度へ短縮する方法があります。露出が不足する場合にはISO感度を上げることで、画面全体の明るさを調整できます。
ピント合わせは、通常の風景撮影以上に慎重に行う必要があります。星は非常に小さな点として写るため、わずかなピントのずれでも星像が大きく広がる場合があります。明るい星や遠方の光点を利用してピントを確認し、拡大表示で星ができるだけ小さく写る位置へ調整します。無限遠の位置へフォーカスリングを回しただけで必ず正確にピントが合うとは限らないため、実際の画像で確認することが重要です。
また、RAW形式で記録しておくと、撮影後にホワイトバランスや露出、ノイズ低減などを調整しやすくなります。星空は暗部が多く、地上の街明かりや大気の状態によって色も変化するため、JPEGだけで仕上げる場合よりもRAW現像の自由度が役立ちます。
F1.4で周辺の星像が気になる場合には、F2やF2.8でも撮影して比較する方法があります。絞ることで周辺描写が変化する場合がありますが、その分だけ光量が減るため、シャッタースピードやISO感度とのバランスを再調整する必要があります。最初から最適な設定を一つに決めるより、同じ構図で複数の露出条件を試すことが、レンズの特徴を把握する近道になります。
キヤノンの星空撮影向けレンズについては、Canonの星空撮影おすすめレンズ|キヤノンRF・EF広角レンズの選び方でも紹介しています。
RF-S10-18mmで広い夜空を撮影する設定例
RF-S10-18mmをEOS R7やEOS R50に装着して星空を撮影する場合、広角端10mmの開放F値はF4.5です。三脚を使用し、撮影モードをM、絞りをF4.5、シャッタースピードを15~20秒程度、ISO感度を3200~12800程度から試す方法があります。SIGMA 12mm F1.4に比べて光量が少ないため、空が暗い場所で天の川の細部を記録したい場合には高いISO感度が必要になることがあります。
10mmという画角には、星の移動が12mmより小さく写りやすいという利点があります。星を点として撮影するための露光時間を考えるときにも、焦点距離が短い方が同じ露光時間で星の移動が目立ちにくくなります。ただし、EOS R7の高画素画像を大きく拡大する場合には、10mmでも長時間露光による星の流れが確認できる可能性があるため、実際の画像を確認して調整することが重要です。
また、RF-S10-18mmはズームレンズなので、撮影する星座や地上の風景に合わせて画角を変更できます。10mmで広い夜空を収め、12mmや14mmで星座を少し大きく見せ、18mmで特定の部分を切り取るといった撮影が可能です。ただし、ズームすると開放F値も変化するため、望遠側では10mmのF4.5よりも暗くなります。星空撮影で露出を一定に保ちたい場合には、焦点距離を変更したあとにF値も確認する必要があります。
RF-S10-18mmには光学式手ブレ補正が搭載されていますが、三脚を使用した長時間露光では、カメラとレンズの取扱説明書に従って手ブレ補正設定を確認します。シャッター操作による振動を避けるため、セルフタイマーやリモート撮影を利用することも役立ちます。
RF-S10-18mmで特に生かしたいのは、10mmの広さを利用した星景写真です。F4.5という暗さを理解したうえで、夜空と地上の風景を一枚へ収める構図を考えることで、このレンズならではの写真を撮影できます。
広角レンズの構図と撮影距離については、被写体との距離で写真はどう変わる?撮影距離・焦点距離・構図の基本でも詳しく紹介しています。
結露・ピントずれ・振動を防ぐための準備
星空撮影では、レンズの性能だけでなく撮影環境への準備も重要です。夜間の屋外では気温が下がりやすく、湿度が高い場合にはレンズの前面に結露が発生することがあります。特に長時間の星の軌跡撮影やタイムラプス撮影では、撮影を開始したときには正常でも、途中からレンズが曇ってしまう可能性があります。
レンズが曇ると星の光が散乱し、画像全体のコントラストが低下します。SIGMA 12mm F1.4の明るさやRF-S10-18mmの広い画角を生かしていても、前玉に水滴が付着すれば鮮明な星空を撮影できません。こうした状況ではレンズヒーターを使用し、前玉付近の温度を適切に保つことで結露を抑える方法があります。
また、星空撮影ではピントのずれにも注意が必要です。撮影開始時に正確にピントを合わせても、気温の変化や機材への接触などによって、ピント位置が変わる場合があります。特に長時間カメラを設置する場合には、途中で撮影画像を拡大し、星像が大きくなっていないか確認することが役立ちます。
三脚の安定性も重要です。風の強い場所では、カメラやレンズがわずかに揺れるだけでも星像がぼける可能性があります。三脚の脚を適切に設置し、必要以上にセンターポールを伸ばさないなど、機材が揺れにくい状態を作ることが基本になります。また、撮影時にシャッターボタンを直接押すと振動が発生する場合があるため、セルフタイマーやリモート撮影を利用する方法もあります。
さらに、夜間撮影ではバッテリーの消耗も考慮する必要があります。低温下ではバッテリーの性能が低下する場合があり、長時間の露光や画像確認を繰り返すと電池残量が減っていきます。予備バッテリーを準備しておくことや、撮影時間に合わせた電源管理を行うことも、安定して撮影を続けるための要素です。
星空撮影における結露対策とレンズヒーターの使い方については、寒さにも強いレンズヒーター|結露を防ぎ快適な撮影環境を実現で詳しく解説しています。
まとめ
SIGMA 12mm F1.4 DC | ContemporaryとRF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMは、どちらもEOS R7やEOS R50で使用できる超広角レンズですが、星空撮影における強みは明確に異なります。SIGMA 12mm F1.4は開放F1.4の明るさを持つ単焦点レンズであり、RF-S10-18mmは10~18mmの画角を変更できる小型軽量ズームレンズです。
両者の最大の違いは、取り込める光の量です。SIGMA 12mm F1.4は、RF-S10-18mmの広角端F4.5に対して約10.3倍の光を取り込めます。これは露出段数では約3.37段分に相当し、星を点として写すためにシャッタースピードを制限する撮影では、大きな利点になります。暗い天の川の細部を記録したい場合や、ISO感度を抑えてノイズを減らしたい場合には、SIGMA 12mm F1.4が有利です。
一方、RF-S10-18mmには10mmという広い画角があります。EOS R7やEOS R50では35mm判換算で約16mm相当となり、SIGMA 12mm F1.4の約19.2mm相当より広い範囲を写せます。山並みや建物を前景に入れた星景写真、広い星座の配置、星の軌跡撮影などでは、この画角の広さが魅力になります。また、18mmまでズームできるため、撮影場所や構図に合わせて画角を調整できることも利点です。
周辺の星像については、SIGMA 12mm F1.4がサジタルコマフレアの良好な補正をうたっていることが注目点です。ただし、実際にどちらのレンズが画面四隅まで鮮明な星を記録できるかを厳密に比較するには、同じ撮影条件で撮影した画像が必要です。メーカーの設計上の特徴と実際の比較結果を区別することも重要になります。
EOS R7では約3250万画素の高画素センサーによって星の流れやピントのずれが目立ちやすくなるため、露光時間とピント精度の管理が重要です。EOS R50では小型軽量なシステムを組みやすく、RF-S10-18mmの約150gという軽さが旅行撮影で役立ちます。一方、SIGMA 12mm F1.4のRFマウント版も約250gなので、大口径超広角レンズとしては持ち運びやすい構成です。
また、RF-S10-18mmには光学式手ブレ補正が搭載されていますが、手ブレ補正は地球の自転による星の移動を止める機能ではありません。星を点として撮影する場合には、三脚を使用して露光時間を適切に設定する必要があります。レンズの明るさ、焦点距離、星の流れ、撮影目的の関係を理解することで、どちらのレンズが必要なのかを判断しやすくなります。
暗い天の川を短い露光時間で鮮明に記録したいならSIGMA 12mm F1.4、広い夜空と地上の風景を組み合わせた星景写真を撮りたいならRF-S10-18mmが有力な選択肢です。星を点として撮影するのか、星の軌跡を表現するのか、昼間の旅行撮影にも使うのかによって、優先すべき性能は変わります。二つのレンズは焦点距離が近くても、星空撮影で得られる表現と使い方が異なる製品です。


