EOS R5の連写性能を徹底解説|20コマ/秒・12コマ/秒・バッファ・CFexpress
EOS R5の連写性能は、電子シャッターで最高約20コマ/秒、メカシャッターまたは電子先幕で最高約12コマ/秒に達します。約4500万画素の高画素機でありながら高速連写できることが、EOS R5の大きな特徴です。
ただし、「EOS R5は12コマ/秒」「電子シャッターなら20コマ/秒」と数字だけ覚えても、実際の撮影では思った速度が出ないことがあります。ドライブモード、シャッター方式、バッテリー残量、使用レンズ、温度、Wi-Fi、AF、メモリーカードなどによって連写速度や連続撮影可能枚数が変化するためです。
また、最高速度が最適とは限りません。飛んでいる野鳥と止まっている鳥、スポーツとポートレート、静かな場所での撮影では、必要な連写速度もシャッター方式も異なります。
この記事では、EOS R5の高速連続撮影+、電子シャッター20コマ/秒、メカシャッター12コマ/秒、バッファ、CFexpressカード、AF設定、被写体別の使い分けまで詳しく解説します。
EOS R5の連写速度を最初に整理する
高速連続撮影+では最高約12コマ/秒
EOS R5でメカシャッターまたは電子先幕を使用し、「高速連続撮影+」を選択すると、条件が整った状態で最高約12コマ/秒の連続撮影が可能です。
約4500万画素のフルサイズ画像を1秒間に最大約12枚記録するため、高画素と高速連写を同時に使えることがEOS R5の大きな特徴です。
野鳥が飛び立つ瞬間、スポーツで選手の姿勢が変化する瞬間、人物の表情が変わる瞬間など、一枚だけではタイミングを合わせにくい撮影で効果があります。
一方、最高約12コマ/秒は常に保証される固定速度ではありません。バッテリー、レンズ、温度などによって速度が下がる場合があります。この点を理解せずに「H+にしたから必ず12コマ/秒」と考えると、撮影現場で速度低下の原因が分かりにくくなります。
EOS R5全体の特徴については、EOS R5の性能と特徴でも詳しく紹介しています。
通常の高速連続撮影では最高約8コマ/秒または約6コマ/秒
EOS R5には「高速連続撮影+」だけでなく、通常の「高速連続撮影」もあります。
高速連続撮影では、電子先幕使用時に最高約8コマ/秒、メカシャッター使用時に最高約6コマ/秒となります。さらに低速連続撮影では最高約3コマ/秒です。
| ドライブモード | シャッター方式 | 最高連写速度 |
|---|---|---|
| 高速連続撮影+ | メカシャッター/電子先幕 | 約12コマ/秒 |
| 高速連続撮影+ | 電子シャッター | 約20コマ/秒 |
| 高速連続撮影 | 電子先幕 | 約8コマ/秒 |
| 高速連続撮影 | メカシャッター | 約6コマ/秒 |
| 低速連続撮影 | 各方式 | 約3コマ/秒 |
連写は速ければ速いほど便利というものでもありません。数秒間20コマ/秒で撮影すれば大量の画像が残り、撮影後の選別時間も増えます。
被写体の動きに合わせて3コマ/秒、6~8コマ/秒、12コマ/秒、20コマ/秒を使い分ける方が、撮影から整理まで含めて扱いやすくなります。キヤノン機全体の連写設定については、Canonカメラの連写設定でも解説しています。
電子シャッターでは最高約20コマ/秒まで上がる
EOS R5の最高連写速度を引き出す方法が電子シャッターです。電子シャッター使用時には最高約20コマ/秒で連続撮影できます。
メカシャッターのように物理的な幕を開閉する必要がないため、高速連写と静音撮影を両立できます。野鳥、動物、舞台、式典など、シャッター音を抑えたい場所では大きな利点があります。
20コマ/秒なら0.05秒ごとに1枚記録する計算になるため、鳥が羽を開く瞬間や選手のフォームなど、短時間で大きく姿勢が変化する被写体から好みの一枚を選びやすくなります。
その反面、電子シャッターは動きの速い被写体で形が歪むローリングシャッター現象や、人工照明下で明暗の縞が出る現象に注意が必要です。20コマ/秒という速度だけで電子シャッターを固定するのではなく、撮影環境を見て選択します。
電子シャッターの性格については、電子シャッターの特徴と注意点でも詳しく扱っています。
EOS R5ではシャッター方式の使い分けが重要
メカシャッターは高速動体でも形を安定させやすい
メカシャッターでは物理的なシャッター幕を使用して露光します。EOS R5では高速連続撮影+で最高約12コマ/秒に対応します。
電子シャッターの20コマ/秒より速度は低くなりますが、高速で横切る被写体や回転する物体などでは電子シャッター特有の歪みを避けやすい利点があります。
スポーツ、モータースポーツ、飛翔する野鳥などでは、20コマ/秒が必要なのか、被写体の形を安定して記録する方を重視するのかを考えます。
連写速度だけを見ると電子シャッターが上ですが、完成した一枚の形まで含めるとメカシャッターが適する場面もあります。
物理シャッターの基本については、メカシャッターの仕組みと特徴で詳しく解説しています。
電子先幕は12コマ/秒と扱いやすさを両立できる
電子先幕では露光開始を電子的に行い、終了時に機械式の後幕を使用します。EOS R5では高速連続撮影+を使用すると最高約12コマ/秒に対応します。
メカシャッターと同じ最高約12コマ/秒ですが、シャッター動作を一部電子化することで撮影時の振動を抑えやすい特徴があります。
野鳥や人物、一般的な動体撮影で、電子シャッター20コマ/秒まで必要としない場合には使いやすい選択肢です。
高速連写を行う場合はシャッター方式だけでなく、シャッタースピードそのものも重要です。20コマ/秒で連写しても1枚ごとのシャッタースピードが遅ければ、被写体ブレした画像を大量に残すことになります。
シャッタースピードの基本と被写体別の考え方については、Canonカメラのシャッタースピード設定も参考になります。
高速連続撮影+で12コマ/秒が出ない理由
バッテリー残量や種類で連写速度が変わる
EOS R5の高速連続撮影+は、カメラをH+に設定するだけで常に約12コマ/秒になるわけではありません。
LP-E6NH使用時には、常温環境、対応レンズ、十分なバッテリー残量など複数の条件が関係します。バッテリー残量が減った場合やバッテリーが劣化している場合には、連写速度が低下することがあります。
ファインダーやモニターに表示される高速連続撮影+のアイコン状態を見ることで、現在どの程度の速度で撮影できる状態なのかを判断できます。
野鳥やスポーツのように長時間待機してから突然連写する撮影では、撮影開始時だけでなく途中のバッテリー残量にも注意が必要です。
EOS R5の電源管理については、EOS R5のバッテリー持ちと電源対策で詳しく解説しています。
使用レンズやサーボAFでも速度は変化する
高速連続撮影+の速度には使用レンズも関係します。RFレンズだけでなく一部のEFレンズでも高速連写を利用できますが、すべてのレンズが同じ条件になるわけではありません。
また、サーボAFでは被写体の状態や使用レンズによって連写速度が低下することがあります。
AFは単純にカメラが被写体を認識するだけではなく、レンズ内のフォーカス群を実際に動かし、次の撮影までにピント位置を更新する必要があります。そのため高速連写ではボディとレンズの連携も重要になります。
古いEFレンズをマウントアダプター経由で使う場合にもAF撮影はできますが、連写速度を重視する場合はレンズごとの特性まで確認した方が確実です。
EOS R5とEFレンズの組み合わせについては、EOS R5でEFレンズを使う方法と特徴で詳しく扱っています。
EOS R5の連写ではバッファとカードが重要
バッファがいっぱいになると連写速度が落ちる
EOS R5で高速連写した画像は、撮影した瞬間にすべてメモリーカードへ直接保存されるわけではありません。まずカメラ内部のバッファメモリーへ一時的に保存され、その後カードへ書き込まれます。
連写によって生成されるデータ量がカードへの書き込み速度を上回ると、バッファ内の画像が増えていきます。バッファがいっぱいになると、新しい画像を受け入れる空きがなくなるため連写速度が低下します。
EOS R5は約4500万画素あるため、RAWでは1枚あたりのデータ量も大きくなります。最高速度だけではなく「何秒間その速度を維持できるか」が連写撮影では重要です。
野鳥が枝に止まっている間ずっとシャッターを押し続けるより、飛び立ちそうな動きが見えた瞬間に短く連写した方が、バッファを温存できます。
バッファとカードの関係については、高速連写とバッファの仕組みでも詳しく解説しています。
CFexpressカードはRAW高速連写で有利
EOS R5にはCFexpressカードスロットとSDカードスロットが搭載されています。どちらも静止画撮影に使用できますが、高画素RAWを長く連写する場合はCFexpressカードの高速な書き込み性能が有利になります。
キヤノンの試験条件では、約12コマ/秒の撮影時、通常RAWの連続撮影可能枚数は一般的なSDカードより高速SDカード、さらにCFexpressカードの方が多くなります。
C-RAWを使えば通常RAWよりファイルサイズを小さくできるため、連続撮影可能枚数を増やしやすくなります。連写後のカードへの書き込み完了も早くなり、次の連写へ移りやすくなります。
「CFexpressなら画質が上がる」という意味ではありません。高速カードの利点は、連写中や連写後のデータ処理を速くできることです。
EOS R5の高画素と高速連写を含めた特徴は、EOS R5の特徴と実力でもまとめています。
RAW・C-RAW・JPEGで連続撮影可能枚数が変わる
EOS R5で連写枚数を伸ばしたい場合は、記録形式も重要です。
通常RAWは情報量を多く残せますがファイルサイズが大きく、バッファを消費しやすくなります。C-RAWはRAW現像の自由度を残しながらファイルサイズを小さくできるため、高速連写との相性が良い記録形式です。
JPEGだけで撮影すればさらにデータ量を抑えやすくなりますが、ホワイトバランスや露出を後から大きく調整する場合にはRAWの方が自由度があります。
野鳥撮影などで「後からトリミングし、露出やシャドウも調整したい」「それでも連写枚数を確保したい」という場合には、C-RAWが一つの選択肢になります。
EOS R5の約4500万画素をどのように撮影へ生かすかについては、EOS R5の高画素を生かす撮影方法も参考になります。
EOS R5の連写とAFを組み合わせる
動体ではサーボAFと被写体検出を使う
連写速度だけを20コマ/秒にしても、被写体へピントが合っていなければ成功率は上がりません。
動いている被写体ではサーボAFを使い、被写体との距離変化に合わせてピントを更新し続けます。EOS R5はデュアルピクセルCMOS AF IIを搭載しており、人物や動物などの被写体検出を利用できます。
高速連写の役割は「ピントを合わせること」ではなく、「ピントを追従させながら時間方向に複数の瞬間を残すこと」です。AFと連写は別々の機能ですが、動体撮影では両方を組み合わせて使います。
特に野鳥では、鳥を認識したあとも枝の前後を移動したり、突然飛び出したりします。AFが追従できる状態を作ってから連写を開始することが重要です。
EOS R5を実際の野鳥撮影で使用した例は、EOS R5とRF100-500mmの野鳥撮影実践記録で紹介しています。
撮影対象ごとのEOS R5連写設定
野鳥は短い連写を繰り返す
野鳥撮影では連写が非常に有効です。特に飛び立ち、水浴び、羽ばたき、着地などは短時間で姿勢が大きく変わります。
電子シャッターの20コマ/秒を使えば羽の位置を細かく残せますが、高速な羽ばたきでは電子シャッターによる歪みが目立つ場合があります。その場合はメカシャッターや電子先幕の12コマ/秒へ切り替えます。
止まっている鳥を何秒間も連写する必要はありません。頭を動かした瞬間、飛びそうな姿勢になった瞬間、羽を広げた瞬間など、変化が起きたところだけ短く連写すると画像整理も容易になります。
EOS R5と望遠レンズを使った実際の野鳥撮影については、EOS R5で撮る野鳥撮影も参考になります。
スポーツはシャッタースピードと連写をセットで考える
スポーツでは連写速度に目が向きやすいですが、先に確保したいのはシャッタースピードです。
走っている選手や高速で動く競技を止めるには、1/1000秒前後やそれ以上の高速シャッターが必要になる場面があります。20コマ/秒で撮影しても1枚ごとの画像が被写体ブレしていれば意味がありません。
シャッタースピードを決め、必要なF値を選び、不足する光量をISO感度で補います。そのうえで、動きの変化が大きい場面には12コマ/秒や20コマ/秒を使います。
競技全体を連写し続けるより、ジャンプ、シュート、インパクト、ゴール前など、動作の頂点を予測して短く連写する方が効率的です。
動体を止めるシャッタースピードについては、シャッタースピード設定ガイドで詳しく解説しています。
ポートレートでは高速連写+が必須とは限らない
人物撮影でも連写は役立ちます。瞬き、視線、笑顔、髪の動きなどは一瞬で変化するため、数枚続けて撮ると自然な表情を選びやすくなります。
一方、ポートレートで毎回20コマ/秒を使うと、ほとんど同じ写真が大量に残ることがあります。
通常の高速連続撮影や低速連続撮影でも十分な場面が多く、人物の動きが大きい撮影だけ高速連続撮影+を使うという方法があります。
連写速度を落とすことでシャッターを押す時間と枚数の関係も把握しやすくなり、撮影後の選別量も抑えられます。
EOS R5の高画素と連写を人物撮影まで含めて考える場合は、EOS R5の撮影性能も参考になります。
EOS R5の連写設定で失敗しないための考え方
20コマ/秒を常用する必要はない
EOS R5の20コマ/秒は強力ですが、連写設定の目的は最高速度を使うことではありません。
被写体の変化が小さいなら3コマ/秒でも十分です。一般的な動体なら6~12コマ/秒で撮影できる場面が多く、非常に短い瞬間を細かく残したい場合には20コマ/秒が有効です。
電子シャッター20コマ/秒、メカシャッターまたは電子先幕12コマ/秒、通常高速連写、低速連写を使い分けることで、EOS R5の連写性能を実際の撮影へ生かせます。
連写速度を落とすことは性能を使わないという意味ではなく、被写体に必要な速度を選択することです。
キヤノンのカメラやレンズを含めてEOS R5を位置付けたい場合は、キヤノン大全から関連記事を確認できます。
EOS R5の連写は速度・AF・カード・タイミングで決まる
EOS R5の連写性能を引き出すためには、最高連写速度だけでなく複数の要素をまとめて考える必要があります。
電子シャッターなら最高約20コマ/秒、メカシャッターと電子先幕なら高速連続撮影+で最高約12コマ/秒です。一方、バッテリー残量、温度、レンズ、サーボAFなどによって実際の速度は変化します。
さらに約4500万画素の画像を連続して記録するため、バッファとメモリーカードの書き込み速度も重要です。RAWを長く連写するならCFexpressカードが有利になり、データ量を減らしたい場合はC-RAWも選択肢になります。
撮影時には、まず被写体ブレを防ぐシャッタースピードとAFを決め、そのうえで必要な連写速度を選びます。そして決定的な動きが起こる前後だけ短く連写します。
EOS R5の連写性能は、単に1秒間に大量の写真を撮るための機能ではありません。約4500万画素の高解像度とAF追従を利用しながら、肉眼では選びきれない一瞬の違いを複数の画像として残し、その中から最も良い一枚を選ぶための機能です。
EOS R5を含むEOS Rシリーズ、EF・RFレンズの記事は、キヤノン大全からまとめて確認できます。



