遠くの被写体をより大きく捉えたいと考えたことはないだろうか。エクステンダーRF1.4×は、レンズの焦点距離を1.4倍に延長しながら、画質の低下を最小限に抑えるアクセサリーである。特に、野鳥撮影やスポーツ撮影において、より遠くのシーンを細部まで鮮明に捉えることが可能となり、超望遠撮影の新たな選択肢として注目されている。
エクステンダーRF1.4×で広がる撮影の可能性 焦点距離を活かした遠景撮影の魅力
焦点距離を延長することで、新たな撮影の可能性が広がる。エクステンダーRF1.4×は、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMやRF600mm F11 IS STMなどと組み合わせることで、手軽に超望遠撮影を実現する。シャープな画質を維持しながら、遠くの被写体に迫る方法を探ることで、よりダイナミックな写真表現が可能になる。
特徴的なスペック
- 光学設計と画質の向上
- RFレンズとの互換性と使用感
- 焦点距離とF値の影響
光学設計と画質の向上
エクステンダーRF1.4×は、キヤノンのRFマウントシステム専用に設計されたテレコンバーターであり、レンズの焦点距離を1.4倍に拡張する役割を持つ。従来のEF1.4×シリーズと比較して、RFマウントならではの短いフランジバックを活かした設計となっており、画質の劣化を最小限に抑えながら焦点距離を伸ばせる点が特徴である。内部には高屈折率ガラスや特殊コーティングが施されたレンズが組み込まれており、ゴーストやフレアを抑えつつ解像感の向上を実現している。また、エクステンダー使用時には開放F値が1段分暗くなるが、最新のRFレンズとの組み合わせにより、被写体のディテールをしっかりと捉えながら高画質を維持できる。特に、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMとの組み合わせでは、最大700mm相当の超望遠撮影が可能になり、スポーツや野鳥撮影などで威力を発揮する。さらに、エクステンダー自体の防塵防滴構造が強化されており、過酷な環境下でも安定した撮影が可能になっている。これにより、プロフェッショナルからハイアマチュアまで幅広いユーザーにとって、高い信頼性を持つアクセサリーとして活用できる。光学性能の向上だけでなく、AF性能の維持も重要なポイントであり、RFレンズとの組み合わせではデュアルピクセルCMOS AFが引き続き機能するため、エクステンダー使用時でも高速かつ正確なピント合わせが可能である。特に、RFレンズと組み合わせた場合、周辺部まで解像感を維持する工夫がされており、画像の歪みや収差を最小限に抑えている。
RFレンズとの互換性と使用感
エクステンダーRF1.4×は、RFマウントレンズ専用の設計となっており、対応するレンズでのみ使用できる仕様となっている。具体的には、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMやRF600mm F11 IS STM、RF800mm F11 IS STMなど、一部の望遠レンズに対応しており、それ以外のレンズでは装着ができない設計になっている。そのため、EFエクステンダーのように幅広いレンズに対応する汎用性はないものの、RFシステムに最適化された設計のため、AFの速度や精度が大幅に向上している。特に、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMと組み合わせる場合、望遠端500mm時にはエクステンダーを装着してもズーム範囲が300-700mmに制限されるが、それでも高い描写力を維持しながら焦点距離を延ばせる点は大きなメリットである。また、RF600mm F11 IS STMやRF800mm F11 IS STMと組み合わせることで、最大1120mmや1600mmといった超望遠撮影が可能になり、野鳥や月の撮影などにおいて手軽に長焦点距離を活用できる。エクステンダーの装着によって開放F値が1段分暗くなるが、EOS R5やR6のような最新のカメラボディでは、高感度性能の向上やボディ内手ブレ補正の強化により、手持ち撮影でも十分なシャッタースピードを確保できるようになっている。さらに、エクステンダーを使用することで撮影の幅が広がるだけでなく、カメラバッグのサイズを抑えながらより高倍率な撮影が可能になる点も大きな利点となる。
焦点距離とF値の影響
エクステンダーRF1.4×を使用すると、焦点距離が1.4倍に伸びるが、それと引き換えにF値が1段分暗くなる特性がある。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMでは、エクステンダーを装着することで最大700mm相当の画角が得られるものの、開放F値は実質的にF8-10となる。そのため、シャッタースピードの確保やISO感度の設定に注意が必要となる。ただし、EOS R5やR6のような最新のカメラでは、高感度性能が向上しているため、F値が暗くなっても実用範囲内での撮影が可能である。また、エクステンダーRF1.4×は光学性能が向上しており、解像感やコントラストの低下が最小限に抑えられているため、実際の撮影ではほとんど画質の劣化を感じることなく使用できる。特に、野鳥や航空機などの撮影では、被写体との距離を縮めることが難しい場合が多いため、エクステンダーの有無が大きな違いを生む。超望遠撮影では、少しでも長い焦点距離が求められるため、エクステンダーの活用は有効な手段となる。また、手ブレ補正が搭載されているレンズと組み合わせることで、手持ち撮影でも安定した画質を確保できる点も魅力の一つである。結果として、エクステンダーRF1.4×は特定のRFレンズに最適化された設計となっており、焦点距離の延長と高い光学性能を両立しながら、多様な撮影シーンで活用できる優れたアクセサリーとなっている。
スペック
- エクステンダー使用時の解像感
- AF速度と精度の変化
- RFエクステンダーのサイズと重量
- エクステンダーの防塵防滴性能
- エクステンダーとカメラボディの互換性
- 手ブレ補正との組み合わせ効果
- エクステンダーを活かす撮影シーン
- エクステンダーの実際の使用感
エクステンダー使用時の解像感
エクステンダーRF1.4×を使用することで焦点距離が1.4倍に伸びるが、それに伴う解像感の低下がどの程度か気になるところである。一般的にエクステンダーを装着すると、レンズ単体に比べて若干の解像度低下が発生するが、RFエクステンダーはキヤノンの最新の光学設計によって、この低下を最小限に抑えている。特にRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMやRF600mm F11 IS STM、RF800mm F11 IS STMなどとの組み合わせでは、中央部の解像感がほとんど変わらず、細部の描写力も維持されるように設計されている。エクステンダーを使用すると、特に周辺部の解像度がわずかに低下する傾向にあるが、RFエクステンダーでは非球面レンズや高屈折率ガラスを適切に配置し、画面全体での画質劣化を抑えている。そのため、超望遠撮影時にも細かいディテールを捉えた写真を撮影することが可能であり、被写体が遠くにいても輪郭がシャープに写るのが特徴となる。特に野鳥撮影やスポーツ撮影の場面では、被写体の細かな羽毛やユニフォームの質感をしっかりと描写することができ、通常のレンズ単体での撮影に比べても十分な解像度を維持できる。画質をさらに向上させるためには、可能な限り開放F値ではなく1段絞ることでよりシャープな画像を得ることができ、解像度を最大限に活かすことが可能となる。
AF速度と精度の変化
エクステンダーRF1.4×を装着した際のAF速度や精度の変化は、実際の撮影で非常に重要な要素となる。一般的にエクステンダーを使用すると、F値が暗くなるため、AF速度が若干遅くなる傾向にあるが、RFエクステンダーはRFレンズとの通信を最適化し、従来のEFエクステンダーよりも高速なAFを実現している。特にデュアルピクセルCMOS AFを搭載したEOS R5やR6などの最新機種では、エクステンダーを使用してもAFの精度が大きく落ちることはなく、動体追従性能も高いレベルで維持されている。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMにエクステンダーを装着した場合、最大700mm相当の焦点距離を得られるが、AFの速度低下は最小限に抑えられており、動いている被写体へのピント合わせもスムーズに行える。特にスポーツや野鳥撮影のように、高速で移動する被写体を狙う場合には、AFの速度や精度が求められるが、RFシステムではエクステンダーを使用してもその性能を十分に発揮できる。さらに、最新のカメラボディでは被写体認識AFが進化しており、エクステンダー装着時でも人物や動物の瞳を検出しやすくなっているため、従来のエクステンダーに比べて格段に使いやすくなっている。
RFエクステンダーのサイズと重量
エクステンダーRF1.4×はコンパクトな設計となっており、持ち運びのしやすさが大きなメリットとなる。エクステンダー自体の重量は約225gであり、カメラバッグの中に入れてもほとんど負担にならないサイズ感となっている。特に超望遠撮影を目的とする場合、大型の望遠レンズを持ち歩くと重量が増えるため、エクステンダーを利用して焦点距離を伸ばすことは、機材の軽量化という観点でも非常に有効である。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMとエクステンダーRF1.4×の組み合わせであれば、700mm相当の撮影が可能になりながらも、単体の超望遠レンズよりも軽量で済むという利点がある。これにより、長時間の撮影でも負担が少なくなり、特に野外撮影やトレッキングを伴う撮影シーンで重宝する。さらに、エクステンダーを使用することで、レンズ交換の回数を減らすことができ、埃や湿気の影響を受けにくくなる点も見逃せないポイントである。特に過酷な環境下では、頻繁なレンズ交換を避けることが重要であり、その意味でもエクステンダーの導入は撮影の効率を高める上で非常に有益なアイテムとなる。
エクステンダーの防塵防滴性能
エクステンダーRF1.4×は防塵防滴性能に優れており、厳しい環境下でも安心して使用できる設計になっている。特に野外での撮影では雨や砂埃の影響を受けやすいため、防塵防滴構造は非常に重要なポイントとなる。エクステンダー本体にはシーリング処理が施されており、RFレンズやカメラボディと装着した際に隙間から水滴や埃が入りにくい構造になっている。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMとの組み合わせでは、レンズ自体が防塵防滴構造を持っているため、エクステンダーを装着してもその性能を維持できる。また、野鳥撮影やスポーツ撮影など屋外で長時間使用する場合には、突然の天候変化にも対応できる防塵防滴性能が求められるが、エクステンダーRF1.4×はそうした状況でも問題なく使用可能である。ただし、完全防水ではないため、強い雨や砂埃の多い環境ではレインカバーを併用することでより安全に使用できる。さらに、マウント部分にはゴム製のシーリングが施されており、装着時の密閉性を高めることで内部への異物混入を防ぐ工夫がされている。このような構造により、厳しい環境でも安心して使用できる点が、エクステンダーRF1.4×の大きな魅力となる。
エクステンダーとカメラボディの互換性
エクステンダーRF1.4×はRFマウント専用に設計されており、対応するレンズとカメラボディでのみ使用できる仕様となっている。EFマウントのエクステンダーとは異なり、RFレンズの光学設計に最適化されているため、EFレンズをRFマウントアダプター経由で使用する場合には装着できない点に注意が必要である。現時点でエクステンダーRF1.4×に対応しているレンズは、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM、RF600mm F11 IS STM、RF800mm F11 IS STMなど限られたモデルのみとなっており、すべてのRFレンズで使用できるわけではない。その理由として、エクステンダーを装着することでレンズ後部の光学系が変わるため、対応レンズの設計上、物理的に干渉しないようになっていることが挙げられる。例えば、RF70-200mm F2.8L IS USMのようなレンズでは、エクステンダーを装着するスペースが確保されていないため、使用ができない。また、カメラボディとの相性も重要であり、EOS R5やR6などの最新機種ではエクステンダーを装着した状態でも高速AFが可能だが、初期のEOS RやRPではAFの精度が若干低下する可能性がある。そのため、エクステンダーを使用する際には、カメラボディとレンズの互換性を確認し、最適な組み合わせで使用することが重要となる。
手ブレ補正との組み合わせ効果
エクステンダーRF1.4×を使用することで焦点距離が1.4倍に伸びるが、それに伴い手ブレの影響も大きくなるため、手ブレ補正との組み合わせが重要となる。RFマウントのレンズには強力な光学手ブレ補正（IS）が搭載されているものが多く、特にRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMのようなレンズでは、エクステンダーを装着しても高い手ブレ補正効果を発揮することができる。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMは単体で約5段分の手ブレ補正効果を持っているが、エクステンダーを装着すると焦点距離が伸びるため、手ブレの影響をさらに受けやすくなる。そのため、手持ち撮影時にはシャッタースピードを意識し、1/焦点距離以上の速度を確保することが推奨される。また、EOS R5やR6のようなボディ内手ブレ補正（IBIS）を搭載したカメラでは、エクステンダー装着時でも光学補正とボディ内補正を組み合わせることで、より安定した撮影が可能となる。特に超望遠域では三脚や一脚を使用することで、手ブレを最小限に抑えつつ高解像度の撮影ができるようになる。超望遠撮影ではわずかなブレが大きく影響するため、エクステンダーを活用する際には手ブレ補正の効果を最大限に活かすことが、安定した撮影を行う上で非常に重要なポイントとなる。
エクステンダーを活かす撮影シーン
エクステンダーRF1.4×は特に超望遠撮影が求められるシーンで効果を発揮し、野鳥撮影やスポーツ撮影、さらには月や天体の撮影にも適している。野鳥撮影では被写体との距離を詰めることが難しいため、エクステンダーを活用することでより大きく鳥をフレームに収めることができる。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMにエクステンダーを装着すれば最大700mm相当の画角が得られるため、小さな野鳥でも繊細なディテールまで捉えることが可能になる。また、RF600mm F11 IS STMやRF800mm F11 IS STMとの組み合わせでは、エクステンダーを使用することでそれぞれ840mmや1120mmといった超望遠域での撮影が可能となり、遠くの被写体を大きく写せるため、野鳥や野生動物を撮影する際の選択肢が大きく広がる。スポーツ撮影でもエクステンダーは有効で、特にフィールドの端から選手を狙う際には焦点距離の延長が役立つ。例えば、サッカーや野球の試合では選手が遠くにいることが多いため、より大きく被写体を切り取るためには望遠レンズとエクステンダーの組み合わせが理想的となる。さらに、天体撮影にもエクステンダーは適しており、月のクレーターや木星の衛星といった細かい部分を捉える際には、エクステンダーを活用することで解像感を損なわずにより詳細な撮影が可能となる。ただし、エクステンダーを使用するとF値が暗くなるため、特に夜間撮影ではISO感度を調整しながらノイズを抑えつつ適正露出を確保することが重要であり、また、三脚やリモートシャッターを活用してブレを防ぐ工夫も必要となる。
エクステンダーの実際の使用感
エクステンダーRF1.4×を実際に使用すると、焦点距離を伸ばせるメリットを強く実感することができるが、その一方でいくつかの注意点もある。まず、エクステンダーを装着するとF値が1段暗くなるため、明るい環境での撮影には適しているものの、室内や曇天時にはISO感度を適切に調整しなければならない。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMでは望遠端でF7.1となるが、エクステンダーを装着するとF10になるため、シャッタースピードを確保するためにISOを上げる必要がある。ただし、最近のEOS Rシリーズのカメラは高感度性能が優れているため、ISO3200や6400といった設定でも実用的な画質を維持できる。また、エクステンダーを装着するとAFの速度が若干低下するが、EOS R5やR6などの最新機種では被写体認識AFが進化しているため、エクステンダーを装着した状態でも人物や動物の瞳を正確に検出することができる。特に野鳥やスポーツなど動きの速い被写体を撮影する際には、AFの応答性を向上させるためにカメラのAF設定を最適化することが重要である。さらに、エクステンダーを使用することでレンズ自体の重量バランスが変わるため、手持ち撮影の際には安定したホールドを意識する必要があり、長時間の撮影では一脚や三脚を併用するとより快適に撮影を続けることができる。画質に関しては、RFエクステンダーは従来のEFエクステンダーと比較して光学性能が向上しており、解像感やコントラストの低下を最小限に抑えながら焦点距離を伸ばせるため、画質を優先する撮影でも十分に活用できる点が魅力となる。
エクステンダーRF1.4×のメリットとデメリット
- エクステンダー使用のメリット
- エクステンダー使用のデメリット
- エクステンダーを選ぶ際のポイント
エクステンダー使用のメリット
エクステンダーRF1.4×を使用する最大のメリットは、レンズを買い替えることなく焦点距離を伸ばせる点である。特に超望遠撮影では焦点距離が重要であり、エクステンダーを使うことで野鳥やスポーツ、天体撮影などの分野でより大きく被写体を捉えることができる。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMにエクステンダーを装着することで、最大700mm相当の超望遠撮影が可能になり、より遠くの被写体に寄ることができる。また、RF600mm F11 IS STMやRF800mm F11 IS STMとの組み合わせでは、それぞれ840mmや1120mmの超望遠撮影が可能になり、野鳥や航空機、月面撮影などで威力を発揮する。さらに、レンズの買い足しをせずに焦点距離を延長できるため、コストパフォーマンスの面でも大きなメリットがある。高額な超望遠レンズを購入するよりも、手持ちのレンズにエクステンダーを追加する方がコストを抑えられ、携行時の重量や機材の総量も少なくできる点が魅力となる。エクステンダーを装着することで手ブレの影響が大きくなるが、RFマウントのレンズは強力な手ブレ補正機構を備えているため、エクステンダーを装着しても安定した撮影が可能となる。特にEOS R5やR6のようなボディ内手ブレ補正を搭載したカメラと組み合わせることで、手持ちでもブレを抑えながら高精細な撮影が可能になる。加えて、エクステンダーRF1.4×はキヤノンの最新光学技術が採用されており、従来のEFエクステンダーと比べても画質の劣化が少なく、中心部の解像感を維持しながら焦点距離を延長できる点が優れている。光学的なコーティング技術により、ゴーストやフレアの発生を最小限に抑えつつ、コントラストの高いシャープな描写を実現しているため、エクステンダーを使用しても画質を極端に損なうことなく撮影ができる点も大きな利点となる。
エクステンダー使用のデメリット
エクステンダーRF1.4×を使用する際には、いくつかのデメリットも考慮する必要がある。まず、エクステンダーを装着するとF値が1段分暗くなるため、明るさが求められる環境ではシャッタースピードの確保が難しくなる。例えば、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMの望遠端ではF7.1となるが、エクステンダーを装着するとF10となり、光量が減るためISO感度を上げる必要が出てくる。そのため、曇天時や室内、夕方以降の撮影では、ノイズの影響を受けやすくなる可能性がある。また、エクステンダーを使用するとAF速度が若干低下し、特に暗い環境ではピントの合焦が遅くなることがある。EOS R5やR6のような最新のカメラではデュアルピクセルCMOS AFが強化されているため、エクステンダー使用時でも比較的高速なAFが可能だが、被写体が動くスポーツや野鳥撮影では、エクステンダー装着時のAF遅延を意識する必要がある。さらに、エクステンダーはすべてのRFレンズに対応しているわけではなく、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM、RF600mm F11 IS STM、RF800mm F11 IS STMなどの一部のレンズでしか使用できないため、汎用性が限られている。特にRF70-200mm F2.8L IS USMのようなレンズでは物理的に装着ができないため、購入前に対応レンズを確認する必要がある。また、エクステンダーを装着することで、レンズとカメラの重量バランスが変わるため、長時間の撮影では手持ちの負担が増える可能性がある。そのため、特に超望遠域での撮影では三脚や一脚を併用することで安定した撮影ができるように工夫することが重要となる。
エクステンダーを選ぶ際のポイント
エクステンダーRF1.4×を選ぶ際には、使用するレンズとの相性や撮影スタイルを考慮することが重要である。まず、エクステンダーはすべてのRFレンズに対応しているわけではなく、限られたレンズでのみ使用可能であるため、対応レンズをしっかりと確認する必要がある。特に、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMやRF600mm F11 IS STM、RF800mm F11 IS STMなどの望遠レンズと組み合わせることで最も効果を発揮するため、それらのレンズを所有している場合はエクステンダーの導入を検討する価値がある。また、エクステンダーを使用することでF値が暗くなるため、シャッタースピードを確保しやすい明るい環境での撮影が適している。特に野鳥撮影やスポーツ撮影などでは、光量が十分にある屋外環境で使用することで、AF速度の低下を抑えながら高精細な撮影が可能になる。さらに、カメラボディの性能も重要な要素となり、EOS R5やR6のような最新のカメラでは高感度耐性やAF性能が向上しているため、エクステンダーを装着しても実用的な撮影が可能となる。一方で、初期のEOS RやRPではエクステンダー装着時にAF速度が低下する可能性があるため、使用するボディの性能を考慮することも大切である。エクステンダーを選ぶ際には、どのような撮影シーンで使用するかを明確にし、手ブレ補正機能が強力なレンズと組み合わせることで、手持ち撮影時の安定感を向上させることができる。エクステンダーのメリットとデメリットを理解した上で、適切な組み合わせを選ぶことで、より効果的にエクステンダーを活用することができる。
エクステンダーRF1.4×の活用術
- エクステンダーと動体撮影の相性
- エクステンダーのメンテナンス方法
- エクステンダー使用時の画質向上テクニック
エクステンダーと動体撮影の相性
エクステンダーRF1.4×は、動体撮影において非常に有効なアクセサリーであり、特にスポーツや野鳥撮影など、被写体が高速で移動するシーンではその効果を最大限に発揮する。例えば、野鳥撮影では被写体に近づくことが難しく、エクステンダーを使用することでより大きく捉えることができるが、動きが速いためピント合わせが重要となる。EOS R5やR6のような最新機種では、デュアルピクセルCMOS AFが高精度に機能し、エクステンダーを装着してもAFの追従性能が落ちにくいが、それでも焦点距離が長くなることで被写界深度が浅くなり、ピントがシビアになるため、フォーカスモードを「拡張AFエリア」や「ゾーンAF」に設定するとより安定したピント合わせが可能になる。スポーツ撮影では、サッカーや野球などの競技で選手がフィールドの端から端まで素早く移動するため、エクステンダーを活用することで遠くのプレーをよりクリアに撮影できるが、AF速度の低下を防ぐためにAF速度優先の設定を活用すると、被写体へのピント合わせがスムーズになる。さらに、連写モードを活用することで、一瞬の動きを逃さずに撮影できるため、エクステンダーを使用する際にはカメラの連写性能をフルに活かすことが大切である。加えて、エクステンダーを装着するとF値が暗くなるため、シャッタースピードを確保するためにISO感度を適切に設定し、できるだけ速いシャッターを切ることで被写体ブレを防ぐことが可能になる。
エクステンダーのメンテナンス方法
エクステンダーRF1.4×を長く使用するためには、適切なメンテナンスが必要となる。特にエクステンダーはレンズとカメラの間に装着するアクセサリーのため、ホコリや汚れが付着しやすく、定期的な清掃を行うことで光学性能を維持することが重要となる。まず、エクステンダーのレンズ面はデリケートなため、クリーニングにはブロアーを使用してホコリを飛ばし、レンズクリーニングティッシュやマイクロファイバークロスを使ってやさしく拭き取ると良い。汚れがひどい場合にはレンズクリーニング液を少量つけて拭き取ることで、指紋や油分をしっかりと除去することができる。また、マウント部分も重要なメンテナンスポイントであり、電子接点部分に汚れが付着すると通信エラーの原因となるため、清潔に保つことが求められる。電子接点部分の掃除には、柔らかい布や無水エタノールを少量含ませた綿棒を使うと効果的である。さらに、防塵防滴構造を備えているとはいえ、完全防水ではないため、雨天で使用した後は乾いた布で水分を拭き取り、ケースや防湿庫で保管することで湿気によるカビの発生を防ぐことができる。特に夏場や湿気の多い環境では、防湿剤を入れたケースで保管することで長期間の使用にも耐えうる状態を維持できる。エクステンダーはコンパクトな機材でありながら、光学性能に影響を与える部分が多いため、定期的な清掃と適切な保管を心がけることで、長く高品質な撮影を楽しむことができる。
エクステンダー使用時の画質向上テクニック
エクステンダーRF1.4×を使用することで焦点距離を延ばせるが、画質を最大限に維持するためにはいくつかの工夫が必要となる。まず、エクステンダーを装着するとF値が暗くなるため、明るい環境での撮影が理想的であり、可能な限り日中の十分な光量が確保できるシーンで使用することで、低ISOで撮影できるため画質の劣化を防ぐことができる。特に朝夕の光が柔らかい時間帯では、露出補正を適切に行い、ハイライト部分が飛ばないように設定することが重要となる。また、シャープな画像を得るためには、開放F値で撮影するよりも1段絞ることで解像感を向上させることができるため、例えばRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMにエクステンダーを装着した場合、F11よりもF13に設定するとよりシャープな画像を得やすくなる。さらに、手ブレを抑えるためにはカメラの手ブレ補正機能を最大限に活用し、可能であれば三脚や一脚を使用して撮影するとより高精細な画像を得ることができる。特に超望遠域ではわずかな揺れが画質に影響を与えるため、手持ち撮影時にはシャッタースピードを1/焦点距離以上に設定し、ミラーショックのない電子シャッターを活用することでよりブレの少ない撮影が可能となる。また、エクステンダーを装着するとコントラストが低下することがあるため、カメラのピクチャースタイルをカスタマイズし、コントラストを少し強めに設定することで、よりメリハリのある画像を得ることができる。さらに、RAW撮影を活用することで、後処理でシャープネスやノイズリダクションを適切に調整し、エクステンダー使用時でもクリアな画質を保つことができる。
まとめ
エクステンダーRF1.4×は、焦点距離を1.4倍に伸ばしながら高い解像度を維持できる便利なアクセサリーである。特に野鳥撮影やスポーツ撮影、天体撮影など、遠くの被写体をより大きく写したい場面で威力を発揮する。対応レンズが限定されているものの、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMやRF600mm F11 IS STM、RF800mm F11 IS STMとの組み合わせでは抜群の効果を発揮し、長焦点レンズの代替として活用できる。AF速度やF値の変化を考慮しつつ、光量が十分な環境で使用することで、シャープな画質を維持しながら被写体に迫ることが可能となる。手ブレ補正やカメラの設定を工夫しながら撮影すれば、エクステンダーを最大限に活かした高精細な写真が得られる。
