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Canon EF400mm F2.8L IS II USMレビュー|描写・AF・IS・中古購入の注意点

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Canon EF400mm F2.8L IS II USMレビュー|描写・AF・IS・中古購入の注意点 レンズ

Canon EF400mm F2.8L IS II USMレビュー|描写・AF・IS・中古購入の注意点

Canon EF400mm F2.8L IS II USMは、400mmという超望遠域と開放F2.8を組み合わせたEFマウントの大口径L単焦点レンズです。いわゆる「ヨンニッパ」のII型にあたり、スポーツ、野鳥、野生動物、航空機、報道など、被写体との距離を自由に縮められない撮影で強みを発揮します。

このレンズを語るとき、F2.8の大きな背景ボケや高い解像力だけに注目すると本質を見落とします。EF400mm F2.8L IS II USMの大きな特徴は、開放F2.8から実用性の高い描写、リングUSMによる高速AF、約4段分のIS、IS MODE 3、2枚の蛍石を使った光学系、そして先代から約1.5kg軽量化された約3,850gのボディを一つにまとめたことです。

もっとも、3.85kgは一般的な望遠レンズと比べれば依然として巨大です。RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMのような現代の超望遠ズームとは携帯性がまったく異なり、400mm固定という制約もあります。それでも400mm F2.8が必要な状況では、ズームやF5.6クラスでは代替しにくい描写と撮影条件があります。

ここではEF400mm F2.8L IS II USMのスペックを並べるだけで終わらせず、F2.8を使う意味、実写での解像感とボケ、AF、IS、スポーツや野鳥での運用、エクステンダーとの組み合わせ、III型やEF400mm F5.6L USMとの違い、中古購入時の注意点、EOS Rシリーズで使う場合まで詳しく解説します。

EF400mm F2.8L IS II USMの基本スペック

EF400mm F2.8L IS II USMは、12群16枚の光学系に蛍石レンズを2枚採用した超望遠単焦点です。絞り羽根は9枚の円形絞り、最小絞りはF32、最短撮影距離は2.7m、最大撮影倍率は0.17倍となっています。

焦点距離 400mm
開放F値 F2.8
最小絞り F32
レンズ構成 12群16枚
特殊光学系 蛍石レンズ2枚
絞り羽根 9枚・円形絞り
最短撮影距離 2.7m
最大撮影倍率 0.17倍
AF リングUSM
手ブレ補正 約4段分
ISモード MODE 1・2・3
フィルター 差し込み52mm
最大径×長さ 約163×343mm
質量 約3,850g

II型で約3,850gまで大幅に軽量化された

EF400mm F2.8L IS II USMの実用面で大きな変化となったのが軽量化です。先代EF400mm F2.8L IS USMは約5,370gありましたが、II型は約3,850gまで軽くなっています。差は約1,520gです。

それでも3.85kgあるため、一般的な撮影者が何時間も首から下げて歩くようなレンズではありません。しかし、5kgを大きく超える初代IS型と比べれば、一脚から持ち上げて被写体を追う、短時間手持ちする、撮影場所を移動するといった動作の負担は明確に変わります。

超望遠レンズでは重量の数字だけでなく重心も重要です。大きな前玉を持つ400mm F2.8では前方へ重量が集中しやすいため、総重量が1.5kg以上減ることは、単純な持ち運びだけでなくパンニングや構図変更にも影響します。

キヤノンの超望遠単焦点全体を比較する場合は、キヤノン大全から400mm、500mm、600mmクラスをまとめて確認できます。

2枚の蛍石とSWCで色収差と逆光性能を追求

光学系には蛍石レンズを2枚使用しています。超望遠では焦点距離が長くなるほど軸上色収差が目立ちやすく、明暗差の大きな輪郭に赤紫や緑の色づきが発生すると解像感まで損なわれます。EF400mm F2.8L IS II USMでは蛍石を積極的に使うことで、こうした色収差を強力に抑えています。

実写でも開放F2.8からピント面の輪郭が明瞭で、羽毛、ユニフォームの文字、人物の髪、航空機表面の細かなマーキングまで描写しやすいレンズです。絞らなければ解像しないタイプではなく、F2.8そのものを実用絞りとして使えるところにヨンニッパの価値があります。

レンズコーティングにはSWCが採用され、デジタルカメラで問題になりやすい反射によるフレアやゴーストも抑えています。前面と最後面にはフッ素コーティングも施され、汚れを落としやすい構造です。

EFレンズ全体から超望遠単焦点の位置づけを見る場合は、Canon EFレンズ一覧で焦点距離別に確認できます。

400mm F2.8が生み出す描写

EF400mm F2.8L IS II USMを選ぶ最大の理由は、400mmとF2.8を同時に使えることです。400mmという長い焦点距離だけなら軽いレンズやズームでも実現できますが、開放F2.8まで確保すると撮影できる条件と写真の見え方が大きく変わります。

開放F2.8から高い解像力を使える

実写レビューでも、このレンズはF2.8から中央だけでなく画面周辺まで高い解像力を持つことで評価されています。F4へ絞ったときに劇的にシャープになるタイプではなく、開放から細部を出しやすいため、光量の少ないスポーツや野鳥でF2.8をためらわず使えます。

これは超望遠撮影では非常に重要です。例えば夕方に飛ぶ鳥を1/2000秒で止めたい場合、F5.6のレンズとF2.8のレンズでは同じシャッタースピードを維持するとISO感度に2段の差が生じます。F5.6でISO12800が必要な状況なら、理論上F2.8ではISO3200まで下げられます。

逆にISO感度を同じにすれば、F2.8によってシャッタースピードを4倍まで速くできます。超望遠で動体を撮る場合、この差はボケ量より実用面で大きく、被写体ブレを止められるかどうかに直結します。

軽量な400mm単焦点との違いを見るなら、EF400mm F5.6L USMとの比較が分かりやすくなります。

400mmとF2.8による大きな背景ボケ

400mmはそれ自体が背景を大きく引き寄せる焦点距離です。そこへF2.8の浅い被写界深度が加わることで、被写体の前後を大きくぼかし、背景を色面に近い状態まで整理できます。

スポーツ撮影では観客席、広告、フェンスなど背景に多くの情報が入ります。F5.6では輪郭がある程度残る条件でも、400mm F2.8なら背景を大きくぼかして選手を浮き上がらせやすくなります。

野鳥でも同様です。枝が入り組んだ林や草地では背景がうるさくなりやすいものの、被写体との距離、背景までの距離、F2.8を組み合わせることで羽毛や瞳だけを強調できます。

ただし、F2.8ならどの距離でも背景が完全に溶けるわけではありません。被写体が遠ければ被写界深度も増え、背景が被写体のすぐ後ろにあれば形が残ります。400mm F2.8のボケを最大限使うには、被写体と背景の距離まで見る必要があります。

さらに長い焦点距離で背景圧縮を狙うレンズとしては、EF600mm F4L IS II USMも比較対象になります。

スポーツ撮影で強い理由

400mm F2.8は長年フィールドスポーツで使われてきた代表的な焦点距離です。サッカー、ラグビー、野球、陸上など、撮影者が競技エリアへ自由に入れない環境では、400mmという距離とF2.8の明るさが大きな武器になります。

F2.8はナイターや曇天でシャッタースピードを維持しやすい

昼間の晴天下ならF5.6でも1/2000秒を確保できますが、曇天、夕方、ナイターになると状況が変わります。スポーツでは手ブレより被写体ブレが問題になるため、ISが強力でも選手の動きを止めるには高速シャッターが必要です。

400mm F2.8なら、F4より1段、F5.6より2段多く光を取り込めます。ISO感度を必要以上に上げずに1/1000秒、1/1600秒、1/2000秒といった高速シャッターを維持しやすく、暗い競技場でF2.8が直接的な意味を持ちます。

リングUSMによるAFも高速で、フォーカスリミッターを利用すればピント探索範囲を限定できます。遠距離の選手だけを狙う場面では不要な近距離側までAFが移動するのを防げるため、復帰を速められます。

300mmという一段短い焦点距離を選ぶ場合との違いは、EF300mm F4L IS USMレビューを見ると、画角と機動性の違いを比較できます。

Focus PresetとAFストップが超望遠撮影を支える

EF400mm F2.8L IS II USMには、通常のAFだけでなくFocus Presetが搭載されています。あらかじめ任意の距離を記憶させておき、レンズ前方の再生リングを操作することで、その距離付近へ素早く戻せます。

例えばサッカーでゴール前と中央付近を行き来しながら撮影する場合や、野鳥が頻繁に止まる枝が決まっている場合など、一定距離へ素早く戻りたい撮影で使えます。

レンズ前方にはAFストップボタンも配置され、AF動作を一時的に止められます。超望遠では被写体と撮影者の間へ別の選手や枝が入ることがあり、AFが手前へ乗り移りそうな場面で操作できます。

こうした操作機構は、単に光学性能だけを高めたレンズではなく、長時間のスポーツや野生動物撮影を前提に設計されていることを示しています。

EF400mm F2.8L ISシリーズを含むキヤノンの超望遠単焦点は、キヤノン大全から世代ごとに確認できます。

野鳥撮影でのEF400mm F2.8L IS II USM

野鳥撮影では600mm前後を好む撮影者も多く、400mmだけでは短く感じる場面があります。しかし、400mm F2.8には600mm F4とは異なる使い方があります。

暗い森林や夕方ではF2.8が大きな武器になる

森林内では日中でも光量が少なく、鳥を止めるために1/1000秒以上を使うとISO感度が急激に上がります。こうした環境では、F2.8を使えることが大きな意味を持ちます。

400mmなので600mmより画角は広くなりますが、飛翔する鳥をファインダー内へ捕捉しやすい面もあります。小鳥を遠距離から大きく撮る場合には焦点距離不足を感じやすい一方、中型から大型の鳥、近距離へ来る野鳥、飛翔撮影では400mmの方が扱いやすい場合があります。

最短撮影距離は2.7mなので、400mmクラスとして近距離にも対応できます。最大撮影倍率は0.17倍で、マクロ的な倍率ではありませんが、比較的近くへ来た鳥や動物を大きく写せます。

実際の野鳥撮影でズームを使う場合の機動性は、RF100-500mmを使った野鳥撮影と比較すると、400mm単焦点との性格差が分かりやすくなります。

400mm固定は強みでも弱点でもある

EF400mm F2.8L IS II USMはズームできません。遠くの鳥へ近づくことも、急に近づいてきた鳥へ100mmまで引くこともできないため、構図の自由度は超望遠ズームより低くなります。

一方、400mmという一つの焦点距離を前提に撮影位置を決められる状況では、ズームリング操作が不要で、被写体追従へ集中できます。競技場の定位置、観察場所が決まっている野鳥撮影、航空祭などでは、この固定焦点距離が大きな欠点にならないこともあります。

RF100-500mmのようなズームは、被写体を探す段階で広角側へ戻し、見つけてから望遠側へ伸ばせます。400mm F2.8はこの機動性と引き換えに、F2.8の明るさと大きなボケを得るレンズです。

軽量な400mm単焦点という別方向の選択肢は、EF400mm F5.6L USMで確認できます。

約4段分のISと3つの補正モード

400mmという超望遠では、ファインダー内のわずかな揺れも大きく見えます。EF400mm F2.8L IS II USMは約4段分のISを搭載し、MODE 1、MODE 2、MODE 3を使い分けられます。

MODE 1・2・3は撮影方法に合わせて使う

MODE 1は一般的な静止撮影向けで、複数方向のカメラの揺れを補正します。止まっている野鳥、動物、遠景、人物などを撮る場合に使いやすいモードです。

MODE 2は流し撮りへ対応します。撮影者が被写体を追って一定方向へカメラを振る動きを検出し、その動きを妨げにくい補正を行います。自動車、航空機、鉄道、走る選手などを低速シャッターで流す場合に向いています。

MODE 3は動体追従を考えた方式で、構えている間にファインダー像を常時固定するのではなく、露光のタイミングで補正効果を働かせます。動きが不規則な被写体を追うとき、補正によるファインダー像の動きに引っ張られにくいことが特徴です。

スポーツや飛翔する鳥では1/1600秒や1/2000秒といった高速シャッターを使うため、「4段分のISがあるから1/100秒でも撮れる」という考え方にはなりません。ISはカメラの揺れを抑えますが、選手や鳥自身の動きは止められないためです。

レンズ内ISとシャッタースピードの考え方は、Canonの手ブレ補正を徹底解説で詳しく整理しています。

エクステンダーとの相性

400mm F2.8は単体でも強力ですが、エクステンダーによって560mm F4、800mm F5.6へ拡張できることも大きな特徴です。

1.4倍で560mm F4、2倍で800mm F5.6になる

EXTENDER EF1.4×を装着すると焦点距離は560mm、開放F値はF4になります。400mmでは少し短い野鳥や野生動物撮影で、明るさを1段失うだけで600mmに近い画角まで伸ばせます。

EXTENDER EF2×では800mm F5.6となります。非常に遠い小型の野鳥、月、航空機などを大きく写せる一方、光量は2段減少します。また、1.4倍より画質とAFへの影響が大きくなるため、常に2倍を付けた方が有利とは限りません。

実写では1.4倍でも開放時に若干の解像感低下や色収差増加が見られ、2倍ではその影響がさらに分かりやすくなります。元のEF400mm F2.8L IS II USMが非常に高い解像力を持つため実用性はありますが、単体400mmの画質をそのまま800mmで維持できるわけではありません。

野鳥撮影では400mmで被写体を捕捉できる距離なら単体を優先し、距離が足りないときに1.4倍、さらに焦点距離が必要な条件で2倍という考え方が扱いやすくなります。

対応レンズやF値の変化については、EFエクステンダーの使い方で詳しく解説しています。

初代IS型・II型・III型の違い

EF400mm F2.8L ISシリーズは世代ごとに軽量化と手ブレ補正性能が進化しています。中古でII型を検討する場合、初代IS型やIII型との違いを把握すると位置づけが分かりやすくなります。

初代IS型から約1.5kg軽くなったII型

EF400mm F2.8L IS USMは約5,370g、II型は約3,850gです。約1,520gの差は非常に大きく、II型で400mm F2.8を短時間手持ちする現実性が大きく向上しました。

最短撮影距離も初代IS型の3mからII型では2.7mへ短縮され、手ブレ補正も約2段分から約4段分へ強化されています。さらにMODE 3が加わり、動体撮影を意識した補正方法が増えました。

光学系も初代IS型の蛍石1枚とUD2枚から、II型では蛍石2枚を使う構成へ変更されています。単純に重量だけを減らした更新ではなく、光学、IS、操作系まで大きく手が入った世代です。

EF400mmシリーズの各世代は、キヤノン大全のEF超望遠単焦点一覧から確認できます。

III型はさらに約1kg軽い

後継のEF400mm F2.8L IS III USMは約2,840gまで軽量化されました。II型との差は約1,010gです。II型が初代IS型から大きく軽量化されたにもかかわらず、III型ではさらに約1kg減っています。

超望遠では1kgの差が構えやすさ、パンニング、移動、肩への負担に直結します。手持ちを多用する撮影ではIII型の優位性が明確です。

一方、中古市場ではII型とIII型の価格差が大きくなることがあります。II型も開放F2.8から非常に高い描写力を持ち、約4段分のIS、高速AF、エクステンダー対応という実用性能があります。3.85kgを許容できる運用なら、III型だけを基準に考える必要はありません。

III型の軽量化や撮影性能については、EF400mm F2.8L IS III USMレビューで詳しく比較できます。

EF400mm F5.6L USMとの違い

同じ400mm単焦点でも、EF400mm F2.8L IS II USMとEF400mm F5.6L USMでは設計目的が大きく異なります。

機動力のF5.6、明るさとボケのF2.8

EF400mm F5.6L USMは約1,250gで、EF400mm F2.8L IS II USMの約3分の1です。野鳥を探しながら長時間歩く場合、飛んでいる鳥を素早く振って追う場合にはF5.6Lの軽さが大きな利点になります。

一方、F2.8とF5.6では光量に2段の差があります。夕方や森林内で同じシャッタースピードを使えば、ISO感度は理論上4倍変わります。背景ボケにも大きな差があり、400mm F2.8は複雑な背景から被写体を強く分離できます。

またEF400mm F5.6L USMにはISがありません。高速シャッターを使う飛翔撮影では大きな問題にならない場合がありますが、止まっている被写体を低速シャッターで撮る場合にはII型のISが有利です。

つまり同じ400mmでも、持ち歩きながら瞬時に構える撮影と、撮影場所を決めてF2.8の光量と描写を使う撮影では求めるレンズが変わります。

軽量400mmの特徴については、EF400mm F5.6L USMレビューで詳しく解説しています。

EOS Rシリーズで使うEF400mm F2.8L IS II USM

EF400mm F2.8L IS II USMはEFマウントレンズなので、EOS Rシリーズへ直接取り付けることはできません。マウントアダプター EF-EOS Rを介して使用します。

アダプターを使ってAF・絞り・ISを利用できる

純正マウントアダプター EF-EOS Rは補正光学系を持たず、EFマウントとRFマウントのフランジバック差を埋める構造です。そのためフルサイズEOS Rへ装着した場合、400mm F2.8という焦点距離と開放F値は変わりません。

電子接点も中継されるため、AF、絞り制御、レンズ内ISといったEFレンズの電子機能を利用できます。EOS Rシリーズの被写体検出AFと400mm F2.8の高速なリングUSMを組み合わせられるため、一眼レフ時代とは異なる撮影方法も可能になります。

特に野鳥では、瞳や被写体を検出して追従するミラーレスAFと400mm F2.8を組み合わせることで、ファインダー内の特定AFポイントへ鳥を合わせ続ける負担を減らせます。

ただし、レンズだけで約3.85kgあるため、アダプターの重量や長さは全体から見れば小さくても、カメラをレンズマウントだけで支える扱いは避ける必要があります。大型超望遠ではレンズ側の三脚座を中心に機材を支えるのが基本です。

EFレンズをEOS Rシリーズで使う仕組みについては、EOS RでEFレンズを使う方法で詳しく解説しています。

3.85kgをどう扱うか

EF400mm F2.8L IS II USMは「先代より軽い」ことと「軽いレンズである」ことを混同すると運用を誤ります。3.85kgはボディを含めれば4kgを大きく超える構成となり、持ち歩き方や支持方法を考える必要があります。

一脚運用との相性が高い

スポーツ撮影では一脚との組み合わせが現実的です。一脚なら重量を地面へ逃がしながら、左右へのパンや上下方向の構図変更を素早く行えます。三脚より移動しやすく、手持ちより腕への負担を減らせます。

野鳥撮影でも、観察場所がある程度決まっている場合は一脚や三脚が使いやすくなります。林道を歩きながら次々に被写体を探す撮影では3.85kgが大きな負担となるため、軽量ズームやF5.6クラスの方が撮影機会そのものを増やせる場合があります。

短時間なら手持ちも可能ですが、400mmではレンズを振って被写体を追い続けるため、単に3.85kgを持ち上げるだけとは負担が異なります。撮影ジャンルによって「持てるか」より「数時間この動作を続けられるか」が重要です。

手ブレ補正と一脚の組み合わせについては、Canonの手ブレ補正を徹底解説で撮影方法別に整理しています。

中古でEF400mm F2.8L IS II USMを選ぶ場合

EF400mm F2.8L IS II USMは新品販売時に非常に高価だったプロ向けレンズですが、中古では現実的な価格帯へ下がった個体もあります。ただし、大型超望遠は一般的な単焦点より確認する項目が多くなります。

光学系だけでなくIS・AF・操作系まで確認する

最初に見るのは前玉だけではありません。蛍石を含む大型光学系の内部にカビ、広範囲のクモリ、大きな傷がないかを確認します。わずかなホコリだけなら実写へ影響しない場合もありますが、クモリは逆光時のコントラスト低下につながります。

AFは近距離から無限遠まで動かし、異音、引っ掛かり、極端に遅い動作がないかを見ます。フォーカスリミッター、AFストップ、Focus Preset、再生リングなど、一般的なレンズにはない操作部もあるため、一通りの動作確認が重要です。

ISはMODE 1、2、3それぞれで動作を確認します。IS作動時には内部ユニットの動作音が聞こえることがありますが、不規則な大音量や像の大きな跳ねが続く場合は状態を慎重に見ます。

三脚座、フード固定部、ストラップ取り付け部、鏡筒の打痕も確認対象です。プロ用途で使用されていた個体では外装傷が多くても光学性能が正常な場合がありますが、大きな衝撃跡がある個体は内部への影響も考える必要があります。

EF超望遠レンズ全体を中古で比較する場合は、Canon EFレンズ一覧から400mm以外の選択肢も確認できます。

修理対応と付属品も価格に含めて考える

古いプロ向け超望遠を中古で選ぶ場合、購入価格だけで判断しにくい部分があります。故障した場合の修理対応状況、部品供給、専門店でのメンテナンス可否まで含めて考える必要があります。

特にISユニットやAF駆動系は、単純な外装部品より修理費が大きくなりやすい部分です。購入価格が安くても、重要機構に問題がある個体では結果的に負担が大きくなる可能性があります。

純正フード、専用レンズケース、差し込み式フィルターホルダーなどの付属状態も確認対象です。大型超望遠の専用品は一般的な52mmや77mmフィルターのように簡単に代用品を見つけられない場合があります。

400mm F2.8の後継モデルまで含めて比較する場合は、EF400mm F2.8L IS III USMレビューも世代差の判断材料になります。

EF400mm F2.8L IS II USMが向いている撮影

このレンズは巨大で高価だったプロ向けレンズなので、単純なスペックだけを見ると過剰に感じることがあります。しかし、400mm F2.8が必要な場面は明確です。

暗い環境で高速シャッターが必要な動体撮影

最も特徴を生かせるのは、十分な光量を確保できない環境で高速シャッターが必要な撮影です。ナイタースポーツ、曇天の競技、早朝や夕方の野生動物、暗い森林内の野鳥などが代表例です。

こうした場面ではF2.8によってISO感度を2段下げられることが、画質に直接影響します。また、背景を大きくぼかせるため、複雑な競技場や自然環境から被写体を分離できます。

一方、晴天の日中にF8で航空機を撮る、野鳥を探して山道を一日歩く、100mmから500mmを頻繁に使い分けるという撮影なら、このレンズのF2.8より軽さやズームの方が重要になる場合があります。

つまりEF400mm F2.8L IS II USMは、400mmという数字だけを目的にするレンズではありません。「400mmでF2.8が必要」という条件がある撮影で存在感を発揮します。

焦点距離を優先して600mmまで伸ばす場合との違いは、EF600mm F4L IS II USMを見ると分かりやすくなります。

まとめ

Canon EF400mm F2.8L IS II USMは、400mm F2.8という大口径超望遠の描写力と実用性を大きく引き上げたII型です。12群16枚の光学系に蛍石レンズを2枚採用し、開放F2.8から高い解像力と色収差の少ない描写を狙っています。

焦点距離400mm、開放F2.8、最短撮影距離2.7m、最大撮影倍率0.17倍、約4段分のIS、リングUSM、3種類のISモードを備え、重量は約3,850gです。初代EF400mm F2.8L IS USMの約5,370gから約1,520g軽量化され、超望遠としての機動性が大きく改善されています。

画質面ではF2.8を単なる非常用の開放絞りとして扱う必要がなく、スポーツや野鳥で積極的に使えます。F5.6クラスと比べて2段明るいため、同じシャッタースピードならISO感度を4分の1に抑えられ、同じISOなら4倍速いシャッターを選べます。暗い環境で動体を止める撮影では、この差が大きく効きます。

背景ボケも400mm F2.8ならではです。被写体と背景の距離を取れば、競技場の観客席、森の枝、草地など複雑な背景を大きくぼかし、ピント面だけを強く浮かび上がらせられます。

一方、約3.85kgという重量は依然として大きく、長時間歩きながら撮影する用途では軽量な400mm F5.6や超望遠ズームの方が機動力に優れます。400mm固定なので、突然近づいた被写体へズームアウトすることもできません。

EXTENDER EF1.4×を使えば560mm F4、EF2×なら800mm F5.6として利用でき、野鳥や遠距離撮影へ焦点距離を拡張できます。ただし、エクステンダーでは画質、AF、明るさへの影響も生じるため、400mm単体の性能を基準に必要な場面だけ追加する運用が扱いやすくなります。

EOS Rシリーズでもマウントアダプター EF-EOS Rを介して使用でき、AF、電子絞り、レンズ内ISを活用できます。ミラーレスの被写体検出AFと組み合わせることで、EF一眼レフ時代とは異なる追従方法でこのレンズを使えることも現在の大きな意味です。

後継のEF400mm F2.8L IS III USMは約2,840gまで軽量化されていますが、II型も開放F2.8からの高い描写、高速AF、4段分のIS、エクステンダー対応という主要性能を備えています。重量を許容できる撮影環境なら、400mm F2.8という大口径超望遠ならではの画質と撮影領域を今でも十分に生かせる一本です。

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