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Canon EF35-105mm F3.5-4.5レビュー|初期EF標準ズームの描写・使い方・中古選び

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Canon EF35-105mm F3.5-4.5レビュー|初期EF標準ズームの描写・使い方・中古選び 標準ズーム

Canon EF35-105mm F3.5-4.5レビュー|初期EF標準ズームの描写・使い方・中古選び

Canon EF35-105mm F3.5-4.5は、EFマウントが誕生した1987年に発売された最初期の標準ズームレンズです。35mmから105mmまでを1本でカバーし、広角寄りの35mm、標準の50mm前後、人物撮影に使いやすい85mm、さらに中望遠の105mmまで連続して使えます。現在主流の24-105mmほど広角側は広くありませんが、日常のスナップ、人物、風景、旅行などで使いやすい焦点域をまとめたレンズです。

現在の視点で見ると、手ブレ補正はなく、AF駆動もUSMやSTMより古い世代です。最短撮影距離も0.85mなので、最新の標準ズームほど近接撮影には強くありません。一方、プッシュプル式ズーム、400gの比較的扱いやすい重量、35-105mmという現在では珍しい焦点域など、初期EFレンズならではの特徴があります。

中古市場では低価格で見つかることもあり、EOS 5Dシリーズなどのフルサイズ一眼レフで古いEFレンズを楽しみたい場合にも候補になります。マウントアダプターを使えばEOS Rシリーズでも使用できるため、単に昔のフィルム一眼レフ用レンズとして終わった製品ではありません。ここではEF35-105mm F3.5-4.5の正式な仕様、焦点距離ごとの使い方、実写で表れやすい描写の特徴、AFや操作感、中古購入時の確認点まで詳しく見ていきます。

  1. EF35-105mm F3.5-4.5はEFマウント誕生時の標準ズーム
    1. 1987年3月にEOSシステムとともに登場した
    2. 正式仕様は11群14枚・最短0.85m・400g
  2. 35-105mmという焦点距離は標準から中望遠へ重点を置いている
    1. 35mmから105mmまで画角を連続して変えられる
    2. プッシュプル式ズームは現在の標準ズームとは操作が異なる
  3. 画質は最新レンズとは違うが絞りによる変化を楽しめる
    1. 開放F3.5-4.5では柔らかさがあり絞ると安定する
    2. 広角端の樽型と望遠側の糸巻き型は古いズームらしい特徴
  4. AFD駆動のAFは現在のUSMやSTMとは性格が異なる
    1. AF作動音は大きいが静止画なら使い道は残っている
    2. 前玉が回転するためCPLフィルターでは再調整が必要になる
  5. 最短撮影距離0.85mなので接写性能は高くない
    1. 0.85m・0.16倍なのでマクロ用途とは分けて考える
    2. 5枚絞りは現在の円形絞りとはボケの形が異なる
  6. フルサイズでは標準ズーム、APS-Cでは中望遠ズームになる
    1. フルサイズでは35-105mm本来の使いやすさを生かせる
    2. APS-Cでは約56-168mm相当となり性格が変わる
  7. EF28-105mmやEF28-135mmと比べると進化の過程が見える
    1. EF28-105mm F3.5-4.5 USMは28mmとUSMが大きな進化
    2. EF28-135mm F3.5-5.6 IS USMはISと135mmまで加わる
  8. 中古購入では光学状態より先に型名まで正確に確認したい
    1. カビ・曇り・バルサム・ズーム機構を確認する
    2. EOS Rシリーズでも使えるがアダプター分だけ全長は伸びる
  9. EF35-105mm F3.5-4.5が向いている撮影と向いていない撮影
    1. EOS 5Dシリーズで古いEFレンズを楽しむ用途と相性がいい
    2. 広角・高速AF・近接性能を重視するなら後年のレンズが使いやすい
  10. EF35-105mm F3.5-4.5は初期EFを実際に撮って楽しめる一本

EF35-105mm F3.5-4.5はEFマウント誕生時の標準ズーム

EF35-105mm F3.5-4.5を理解するうえで重要なのは、単に古い標準ズームというだけではなく、キヤノンがFDマウントからEFマウントへ移行した最初期に登場したレンズだという点です。現在まで続くEFシステムの出発点に近い一本であり、電子制御を前提としたEOSシステム初期の考え方を実際に使って体験できます。

1987年3月にEOSシステムとともに登場した

EF35-105mm F3.5-4.5は1987年3月発売です。EOSシステムの初号機EOS 650と同じ時期に、EF35-70mm F3.5-4.5、EF50mm F1.8などとともに登場しました。発売時価格は44,700円で、当時のEOSユーザーが広角寄りから中望遠まで一本で撮影するための標準ズームという位置付けでした。

EFマウントはレンズとボディの電子通信を前提とした完全電子マウントで、絞りもボディ側から制御します。現在のEFレンズやRFシステムへつながる考え方は、この時代からすでに始まっていました。古いレンズでありながら、現在のEOSシステムとの歴史的なつながりが非常に分かりやすい一本です。

EFからRFまでキヤノンのカメラとレンズを体系的に確認する場合は、キヤノン大全で各シリーズを整理しています。

正式仕様は11群14枚・最短0.85m・400g

EF35-105mm F3.5-4.5は、後に登場したEF35-105mm F4.5-5.6やUSMモデル、さらにFD時代の35-105mmと混同されることがあります。型名が似ているため、中古販売ページや古い記事では仕様が混ざっている場合があります。

項目 EF35-105mm F3.5-4.5
発売年月 1987年3月
焦点距離 35-105mm
開放F値 F3.5-4.5
レンズ構成 11群14枚
絞り羽根 5枚
最小絞り F29
最短撮影距離 0.85m
最大撮影倍率 0.16倍
フィルター径 58mm
最大径×長さ 73.2×81.9mm
重量 400g
手ブレ補正 なし

35mmから105mmまで約3倍のズーム域を持ちながら、全長81.9mm、重量400gに収まっています。現在の小型RFズームと比べれば特別に軽量とはいえませんが、フルサイズ対応で105mmまで使える標準ズームとしては持ち歩きやすい大きさです。

ほかのEF標準ズームと焦点距離や世代を比較する場合は、Canon EF標準ズームレンズ一覧で24-70mm、24-105mm、28-105mm、28-135mmなどをまとめています。

35-105mmという焦点距離は標準から中望遠へ重点を置いている

現在のフルサイズ用標準ズームは24-70mmや24-105mmが中心なので、35mm始まりを見ると広角側が狭いと感じるかもしれません。実際、狭い室内、大きな建築物、広大な風景では24mmや28mmが使えるレンズの方が撮影しやすい場面があります。

一方、35-105mmは広角を必要以上に広げず、標準から中望遠へ重点を置いた焦点域です。街歩き、人物、ペット、鉄道、風景の一部を切り取る撮影では、35mmから105mmまでを一本で連続的に使えることが便利です。

35mmから105mmまで画角を連続して変えられる

35mm側では街並み、風景、人物と背景を一緒に入れた写真を撮影できます。24mmほど広角特有の強い遠近感が出にくいため、街中のスナップや人物を含めた旅行写真でも自然な画面を作りやすい焦点距離です。

50mm付近では日常のスナップ、料理、人物、小物などを自然な画角で撮影できます。85mm付近まで伸ばすと人物の上半身や顔を整理しやすくなり、105mmでは背景に写る範囲をさらに狭くして被写体を目立たせられます。

ズームレンズの利点は遠くの物を単純に拡大することだけではありません。同じ場所から写る範囲を変え、被写体と背景の関係を調整できることにあります。焦点距離による写る範囲の違いは、画角とは?焦点距離との関係と広角・標準・望遠の違いで詳しく解説しています。

プッシュプル式ズームは現在の標準ズームとは操作が異なる

EF35-105mm F3.5-4.5の特徴の一つがプッシュプル式ズームです。現在一般的な標準ズームではズームリングを回転させて焦点距離を変えますが、このレンズでは鏡筒を前後へ動かして35mmから105mmまで変更します。

初めて触ると独特ですが、慣れると広角側から望遠側まで一度の大きな動作で移動できます。被写体を見つけたあと素早く画角を変える静止画撮影では、この操作方法を使いやすく感じる人もいます。

一方、動画撮影で一定速度の滑らかなズームを行う用途には向きません。現在の動画向けレンズやパワーズームとは設計思想が異なります。静止画を一枚ずつ撮りながら焦点距離を変える、フィルム一眼レフ時代の操作感が色濃く残っています。

レンズの大きさや重量、鏡筒形状と操作性の関係については、レンズの形状・重量と使いやすさでも詳しく紹介しています。

画質は最新レンズとは違うが絞りによる変化を楽しめる

EF35-105mm F3.5-4.5は、高画素デジタルカメラやソフトウェア補正を前提として設計された最新レンズではありません。画面の中央から四隅まで均一な解像力を求めると、現在の高性能標準ズームとの差は分かります。

その一方で、実際にこのレンズを長く使用している撮影者からは、中央部の解像感や発色を評価する声が見られます。開放ではやや柔らかく、少し絞るとシャープさが増していくため、絞りによって描写の変化を使い分ける楽しさがあります。

開放F3.5-4.5では柔らかさがあり絞ると安定する

35mm側の開放はF3.5、105mm側ではF4.5です。現在のF2.8通し標準ズームほど明るくありませんが、日中の街歩きや旅行では十分に使用できます。

開放では細部の描写が少し柔らかく感じられる場面があります。人物撮影ではそれを欠点と感じない場合もありますが、建築物や風景の細部まで解像させたい場合はF5.6からF8程度まで絞ることで画面全体が安定しやすくなります。

絞れば常に画質が上がり続けるわけではありません。さらにF値を大きくすると回折の影響も出るため、風景ならF5.6からF8前後を基準にし、必要な被写界深度に応じて調整する方法が使いやすくなります。

F値による明るさ、ボケ、解像感の変化については、F値を知れば広がるカメラの世界で詳しく解説しています。

広角端の樽型と望遠側の糸巻き型は古いズームらしい特徴

実際の使用例では、35mm側で樽型歪曲、105mm側では糸巻き型歪曲が確認されています。現在のレンズのようにカメラ内補正やRAW現像ソフトの専用プロファイルを前提とした時代ではないため、建築物や水平・垂直線が多い被写体では歪曲が分かりやすくなることがあります。

人物、花、ペット、自然風景など直線の少ない被写体では、歪曲が写真の印象を大きく左右しない場面もあります。古い標準ズームを使う場合は、数値上の完全な補正だけを追うより、どの焦点距離でどのような描写になるかを知って使い分ける方が実用的です。

近い世代の初期EFズームと比較したい場合は、EF35-70mm F3.5-4.5Aの特徴と使い方も参考になります。

AFD駆動のAFは現在のUSMやSTMとは性格が異なる

EF35-105mm F3.5-4.5はAFに対応していますが、後年のリングUSMやSTMを搭載したレンズと同じ静音性や滑らかさはありません。初期EF時代のAFD駆動を採用しており、AF動作時にはモーター音がはっきり聞こえます。

静止した人物、風景、街歩き、静物などでは現在でも撮影できますが、最新レンズと同じ感覚で高速動体を追い続ける用途には向きません。動画撮影ではAF作動音が録音される可能性もあります。

AF作動音は大きいが静止画なら使い道は残っている

初期EFレンズらしく、AFが動くとモーター音が明確に聞こえます。後年のUSMやSTMに慣れていると、最初はかなり古いAFだと感じます。

一方、風景、建築、静物、人物のポーズ撮影などでは、AFが高速で無音である必要はありません。ピントが正常に合う個体であれば、静止画用として現在でも利用できます。

古いEFレンズでは、ボディとの組み合わせによってライブビューAFの挙動に世代差が出る場合があります。EOS Rシリーズで使用する場合も、最新RFレンズと同じ速度や静音性を期待するより、初期AFレンズとして扱う方が分かりやすくなります。

EFレンズをEOS Rシリーズへ装着する方法や電子制御については、EOS RでEFレンズを使う方法で詳しく紹介しています。

前玉が回転するためCPLフィルターでは再調整が必要になる

EF35-105mm F3.5-4.5はフォーカス動作に伴って前部が回転する構造です。通常の保護フィルターではほとんど問題になりませんが、CPLフィルターのように回転角によって効果が変わるフィルターでは注意が必要です。

CPLフィルターで空の濃さや水面、ガラスの反射を調整したあとAFを動かすと、前玉と一緒にフィルターが回転し、効果が変化することがあります。ピントを合わせたあとCPLの角度を再確認する使い方が必要です。

この構造は現在のインナーフォーカス式レンズではあまり意識しない部分ですが、古いAFズームでは珍しくありません。初期EFレンズを使う場合は、画質だけでなくこうした操作上の違いも含めて楽しむことになります。

マウントアダプター使用時の焦点距離や画角については、マウントアダプターで画角は変わる?で整理しています。

最短撮影距離0.85mなので接写性能は高くない

EF35-105mm F3.5-4.5の最短撮影距離はズーム全域で0.85m、最大撮影倍率は0.16倍です。現在の標準ズームには0.3m前後まで寄れる製品もあるため、それらと比べると接写性能には大きな差があります。

料理をテーブル越しに大きく撮る、小型アクセサリーを画面いっぱいに写す、花のしべへ大きく接近するといった用途では扱いにくさがあります。一方、105mm側を利用して少し離れた位置から花や小物を切り取る撮影は可能です。

0.85m・0.16倍なのでマクロ用途とは分けて考える

最短撮影距離0.85mは、レンズ先端から被写体まで85cmという意味ではありません。カメラ内部の撮像面から被写体までの距離です。実際のレンズ先端から被写体までの距離はそれより短くなります。

最大撮影倍率0.16倍なので、等倍マクロの1.0倍はもちろん、0.5倍のハーフマクロとも大きな差があります。花全体、人物の顔、小物などは撮影できますが、昆虫の複眼や時計の細かな文字を大きく写すような撮影には専用マクロレンズが適しています。

最短撮影距離と最大撮影倍率の違いは、マクロレンズとは?特徴・選び方・使い方で詳しく解説しています。

5枚絞りは現在の円形絞りとはボケの形が異なる

EF35-105mm F3.5-4.5の絞り羽根は5枚です。現在のレンズでは7枚、9枚、11枚などの円形絞りが増えていますが、このレンズは初期EFらしいシンプルな5枚構成です。

開放付近では絞り羽根の形が目立ちにくいものの、少し絞ると点光源のボケが多角形になりやすくなります。夜景やイルミネーションを背景にした人物撮影では、現在の円形絞りレンズとは異なる見え方になります。

105mm側で被写体へ近づき、背景までの距離を十分に取れば、F4.5でも背景をぼかすことはできます。F1.4やF2.8の大口径レンズほど強いボケ量はありませんが、焦点距離と撮影距離を使えば中望遠らしい背景整理が可能です。

絞り羽根の枚数とボケの形の関係は、絞り羽根の枚数でボケはどう変わる?で詳しく紹介しています。

フルサイズでは標準ズーム、APS-Cでは中望遠ズームになる

EF35-105mm F3.5-4.5はフルサイズ対応EFレンズです。EOS 5DシリーズやEOS 6Dシリーズなどでは35-105mmとして使えますが、キヤノンAPS-C機では約1.6倍相当の画角になるため、約56-168mm相当になります。

同じレンズでもセンサーサイズによって用途がかなり変わります。中古レンズを選ぶ場合は、焦点距離の数字だけを見るより、実際に装着するボディでどの画角になるかまで考える必要があります。

フルサイズでは35-105mm本来の使いやすさを生かせる

フルサイズでは35mm側を街歩きや風景、50mm前後を日常のスナップ、85mmから105mmを人物や中望遠として使えます。一本で撮れる範囲が広く、広角より標準から中望遠を多く使う撮影では扱いやすい構成です。

EOS 5Dシリーズのような一眼レフなら、アダプターを挟まず直接装着できます。光学ファインダーを見ながらプッシュプル式ズームで画角を決め、AFDモーターでピントを合わせるという、デジタル一眼レフでも初期EFの感覚をそのまま残した撮影ができます。

古いフルサイズ一眼レフを現在使う魅力については、EOS 5D Mark IIを今あえて使う理由でも詳しく紹介しています。

APS-Cでは約56-168mm相当となり性格が変わる

キヤノンAPS-Cでは約1.6倍相当の画角になるため、35mm側でも約56mm相当です。フルサイズでは広角寄りだった35mmが標準画角になり、105mm側では約168mm相当の中望遠まで伸びます。

そのためAPS-Cでは旅行用の万能標準ズームという性格が弱くなります。室内や広い風景では狭く感じやすい一方、人物、花、鉄道、動物、少し離れた被写体を撮る場合には便利な焦点域です。

APS-Cで広角から標準域まで一本で使うなら18mm始まりのEF-S標準ズームの方が適しています。EFとEF-Sの違いについては、Canon EF-Sレンズ完全ガイドで詳しく整理しています。

EF28-105mmやEF28-135mmと比べると進化の過程が見える

EF35-105mm F3.5-4.5の後、キヤノンの標準ズームは広角化、AFの高速静音化、手ブレ補正搭載へ進んでいきました。中古EFズームとして実用性を重視する場合、後年の28mm始まりのモデルと比較すると、EF35-105mmを選ぶ理由が明確になります。

EF28-105mm F3.5-4.5 USMは28mmとUSMが大きな進化

EF28-105mm F3.5-4.5 USMは、望遠端105mmを維持しながら広角端を35mmから28mmまで広げています。旅行、室内、建築、集合写真などでは、35mmと28mmの画角差はかなり大きく感じます。

さらにUSMを搭載したことで、AFの速度と静音性も初期AFD世代から進化しました。標準ズームとしての純粋な実用性を比較すれば、28-105mmの方が幅広い場面へ対応できます。

EF35-105mmを選ぶ理由は、後継世代より便利だからというものではありません。初期EFのプッシュプル操作、35mm始まりの焦点域、AFD駆動、古い光学設計を実際に楽しめることにあります。

両者を比較する場合は、EF28-105mm F3.5-4.5 USMの記事で28mm始まりとUSMの特徴を確認できます。

EF28-135mm F3.5-5.6 IS USMはISと135mmまで加わる

EF28-135mm F3.5-5.6 IS USMになると、標準ズームとしてさらに多機能になります。広角端28mm、望遠端135mmまでカバーし、手ブレ補正ISとUSMを搭載しています。

EF35-105mmと比較すると、広角側は7mm広く、望遠側も30mm長くなります。旅行で一本だけ持ち歩く用途や、広角から中望遠まで頻繁に使う撮影では28-135mmの方が便利です。105mmを超える焦点距離が必要な人物、鉄道、風景の切り取りでも差があります。

一方、機能が増えた分だけレンズは大きくなります。EF35-105mmにはISもUSMもありませんが、400gで35-105mmを使えるシンプルな構成です。古いズームを楽しむことが目的なら、単純な機能比較だけでは決まりません。

EF28-135mmの特徴については、EF28-135mm F3.5-5.6 IS USMレビューで詳しく紹介しています。

中古購入では光学状態より先に型名まで正確に確認したい

EF35-105mmという焦点距離には複数のモデルがあります。F3.5-4.5、F4.5-5.6、F4.5-5.6 USMなどがあり、見た目や名称が似ています。購入する際は「EF35-105mm」という部分だけを見ず、F値まで含めて型名を確認する必要があります。

F3.5-4.5モデル自体も発売から長期間が経過しているため、個体差が大きくなっています。新品時の性能差より、現在の保管状態や使用歴の方が撮影結果へ影響する場合があります。

カビ・曇り・バルサム・ズーム機構を確認する

中古レンズでは、外装の擦り傷より光学系の状態が重要です。小さなチリは古いズームレンズでは珍しくありませんが、強い曇り、広範囲のカビ、コーティング劣化などは逆光時のコントラストや解像感へ影響します。

プッシュプルズームについては、35mmから105mmまで動かしたときに極端な引っかかりがないかを見ます。古い個体では鏡筒の抵抗感に差があり、軽すぎて勝手に動く個体や、逆に重くなっている個体も考えられます。

AFは近距離から遠距離、遠距離から近距離の両方向を動かし、途中で止まらないかを確認します。このレンズは正常でもAF音が大きいので、単に音がすることと異常動作を分けて見る必要があります。

同じ初期EF世代の中古レンズを比較する場合は、EF35-70mm F3.5-4.5Aも参考になります。

EOS Rシリーズでも使えるがアダプター分だけ全長は伸びる

EF35-105mm F3.5-4.5はEF-EOS Rマウントアダプターを介してEOS Rシリーズへ装着できます。アダプターに補正レンズが入っていないため、フルサイズEOS Rで使う限り焦点距離35-105mm自体は変化しません。

EOS R7やEOS R10などAPS-C機では約56-168mm相当になりますが、これはマウントアダプターが画角を変えているのではなく、センサーサイズによる違いです。

アダプターを挟むと一眼レフへ直接装着した場合より全長は伸びます。そのため古いレンズの小ささを最大限生かしたいなら一眼レフとの組み合わせが分かりやすく、ミラーレスでは電子ビューファインダーやボディ側機能を利用できる点が魅力になります。

EFレンズをRFマウントで使ったときの焦点距離とクロップの関係は、マウントアダプターで画角は変わる?で詳しく整理しています。

EF35-105mm F3.5-4.5が向いている撮影と向いていない撮影

EF35-105mm F3.5-4.5は、現在の高性能標準ズームを安く置き換えるためだけに選ぶと弱点が目立ちます。広角端35mm、手ブレ補正なし、AFD駆動、最短0.85mという仕様には明確な世代差があります。

一方、初期EFレンズの操作感を楽しみたい人、中古EFレンズを低価格で試したい人、35mmから105mmという焦点域を好む人には現在でも使い道があります。何を重視するかによって評価が大きく変わるレンズです。

EOS 5Dシリーズで古いEFレンズを楽しむ用途と相性がいい

フルサイズ一眼レフへ直接装着すると、このレンズ本来の35-105mmをそのまま使えます。35mmで街並みを撮り、50mm付近で日常を切り取り、85mmから105mmで人物や遠景を撮るという使い方が一本でできます。

EOS 5D Mark IIのようなボディとの組み合わせでは、光学ファインダー、ミラー、シャッター音、プッシュプルズーム、初期EFのAF作動音まで含めて、現在のミラーレスとは大きく異なる撮影体験になります。

撮影結果だけを最短距離で得ることが目的なら新しいレンズの方が便利ですが、古い機材を実際に使いながらEOSの歴史を楽しむ用途では、このレンズならではの価値があります。

古いフルサイズEOSを現在使う魅力は、EOS 5D Mark IIを今あえて使う理由でも詳しく紹介しています。

広角・高速AF・近接性能を重視するなら後年のレンズが使いやすい

狭い室内を広く撮りたい場合、35mm始まりは不利です。24mmや28mmまで使える標準ズームの方が、後ろへ下がれない場所では構図を作りやすくなります。

スポーツや動物など素早く動く被写体をAFで追い続ける用途、動画で静かなAFを使う用途、料理や小物へ近づく用途でも、後年のUSM、STM、近接性能の高い標準ズームの方が使いやすくなります。

つまりEF35-105mm F3.5-4.5は、最新レンズと機能で競う製品ではありません。古いEF標準ズームとしての性格を理解したうえで使うと、35-105mmという焦点域と初期EFならではの操作感を楽しめます。

現在選べるEF標準ズームを広く比較する場合は、Canon EF標準ズームレンズ一覧で焦点距離、F値、IS、USMなどの違いを確認できます。

EF35-105mm F3.5-4.5は初期EFを実際に撮って楽しめる一本

Canon EF35-105mm F3.5-4.5は、1987年3月にEOSシステムとともに登場した最初期のEF標準ズームです。焦点距離35-105mm、開放F3.5-4.5、11群14枚、絞り羽根5枚、最短撮影距離0.85m、最大撮影倍率0.16倍、フィルター径58mm、重量400gという構成になっています。

現在の基準では、35mm始まり、手ブレ補正なし、AFD駆動、0.85mの最短撮影距離などに古さがあります。開放ではやや柔らかさがあり、焦点距離によって歪曲も変化します。高速静音AFや強力な補正、近接性能を必要とする撮影なら、後年のEF28-105mm、EF28-135mm、24-105mm系などの方が実用的です。

一方、35mm、50mm、85mm、105mmという撮影で使いやすい画角を一本で移動でき、プッシュプル式ズームによって現在とは異なる操作感を楽しめます。フルサイズ一眼レフなら35-105mmをそのまま使用でき、APS-Cでは約56-168mm相当の中望遠ズームになります。EOS Rシリーズでもマウントアダプターを利用して使えます。

EF35-105mm F3.5-4.5を選ぶ理由は、最新性能を低価格で手に入れることだけではありません。EFマウントが始まった時代のレンズを現在のデジタルカメラで実際に使い、その焦点域、描写、AF音、ズーム操作まで含めて撮影することにあります。状態の良い中古個体を見つけられれば、初期EOSのレンズ設計を体験できる一本として、現在でも十分に楽しめます。

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