当サイトでは、運営維持のためにアフィリエイトリンク(Amazonアソシエイトを含む)を使用しています。リンクを通じて商品をご購入いただくと、販売元から当サイトに手数料が入る場合があります。より良いコンテンツを提供いたしますので、ご理解いただけますと幸いです。

Canon RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USM比較|描写・ボケ・AF・違いを徹底解説

スポンサーリンク
Canon RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USM比較|描写・ボケ・AF・違いを徹底解説 中望遠単焦点

Canon RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USM比較|描写・ボケ・AF・違いを徹底解説

Canonの85mm F1.2は、ポートレート用大口径中望遠として長く特別な位置を占めてきたレンズです。EF85mm F1.2L II USMは一眼レフ時代を代表する一本であり、RF85mm F1.2 L USMはその焦点距離と明るさを受け継ぎながら、RFマウント専用の新しい光学設計へ刷新されています。同じ85mm F1.2でも、単純なマウント変更ではなく、描写、AF、サイズ、操作性まで性格はかなり異なります。

特に大きな違いは開放F1.2での描写です。EF85mm F1.2L II USMも開放から実用できる描写力を持っていますが、RF85mm F1.2 L USMは色収差を大幅に抑えながら、画面中心だけでなく周辺まで高い解像力を狙った設計になっています。F1.2で人物の瞳へピントを合わせたとき、背景を大きくぼかしながら髪やまつ毛を細かく描き出すという方向では、RF世代の進化が分かりやすく表れます。

一方、EF85mm F1.2L II USMには別の魅力があります。全長84mmという非常に短い鏡筒にF1.2の大口径を収め、独特の重量感と描写を持っています。EOS一眼レフで直接使えるだけでなく、マウントアダプターを介せばEOS RシリーズでもAFや絞り制御を利用できます。中古市場ではRF85mm F1.2 L USMより導入しやすい価格帯の個体もあり、F1.2の世界を体験する方法として現在も存在感があります。

この記事では、RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USMを、スペックだけで比較するのではなく、実写で現れる解像感、ボケ、色収差、AF、EOS Rシリーズで使った場合の違い、サイズと重量、中古購入時の確認点まで掘り下げます。

  1. RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USMの基本スペックを比較
    1. RF85mm F1.2 L USMは新しい光学系へ全面刷新されている
    2. EF85mm F1.2L II USMは少ないレンズ枚数でF1.2を実現している
  2. F1.2の描写はRFとEFでどこが違うのか
    1. RF85mm F1.2 L USMは開放から高い解像とコントラストを出す
    2. EF85mm F1.2L II USMは開放で収差を少し残した描写になる
    3. EFは暖色でRFは寒色という単純な違いではない
  3. ボケ量は同じF1.2でも「質」の違いが出る
    1. RFは9枚円形絞り、EFは8枚円形絞り
    2. RFはボケの色にじみを抑えやすくEFは開放で色が出ることがある
  4. AF性能はRF85mm F1.2 L USMが扱いやすい
    1. RF85mmはEOS Rの瞳検出と組み合わせやすい
    2. EF85mm F1.2L II USMはAF移動量が大きいと時間がかかる
  5. サイズと重量は数字だけでは判断しにくい
    1. EOS Rで使うとEF85mmの小ささという利点は減る
    2. RF85mmもEF85mmも軽快な85mmではない
  6. 最短撮影距離はRFが少し有利だが接写向けではない
    1. 人物と小物を一本で撮るならRF85mm F2との性格差が大きい
  7. 手ブレ補正はどちらもレンズ内には搭載していない
    1. ボディ内手振れ補正を搭載したEOS Rでは両方とも使いやすくなる
  8. EF85mm F1.2L II USMをEOS Rで使う価値
    1. マウントアダプター自体で画質や焦点距離は変わらない
    2. EF85mmはマニュアルフォーカスも電子式である
  9. 防塵・防滴の違いも見落としやすい
    1. 屋外撮影が多いならRF85mmの構造が扱いやすい
  10. RF85mm F1.4 L VCMの登場で85mm選びはさらに変わった
    1. F1.2を必要としないならRF85mm F1.4 L VCMも比較対象になる
  11. 中古でEF85mm F1.2L II USMを選ぶときの確認点
    1. AF・MF・前玉・内部曇りをまとめて確認する
    2. EF版は価格だけでなくアダプター込みの総重量を見る
  12. RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USMは同じ85mm F1.2でも別の性格を持つ

RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USMの基本スペックを比較

両レンズは焦点距離85mm、開放F1.2という中心的な仕様を共有しています。しかし、内部の光学構成、最短撮影距離、絞り羽根、サイズなどを見ると、RF85mm F1.2 L USMがEF版をそのままRF化したレンズではないことが分かります。

項目 RF85mm F1.2 L USM EF85mm F1.2L II USM
焦点距離 85mm 85mm
開放F値 F1.2 F1.2
レンズ構成 9群13枚 7群8枚
絞り羽根 9枚・円形絞り 8枚・円形絞り
最短撮影距離 0.85m 0.95m
最大撮影倍率 0.12倍 0.11倍
フィルター径 82mm 72mm
最大径×長さ 約103.2×117.3mm 約91.5×84mm
質量 約1,195g 約1,025g
レンズ内手ブレ補正 なし なし
AF駆動 リングUSM USM
マウント RF EF

RF85mm F1.2 L USMは新しい光学系へ全面刷新されている

RF85mm F1.2 L USMは9群13枚で、BR光学素子、UDレンズ、研削非球面レンズを組み合わせています。F1.2のような大口径レンズでは、ピント面の前後に紫や緑の色付きが現れる軸上色収差が問題になりやすいのですが、RF85mmではこの部分を強く抑えることが設計上の大きなテーマになっています。

結果として、開放F1.2でも輪郭部に色にじみが出にくく、ピント面のコントラストを高く保ちやすくなっています。これは単純なシャープネスの数値だけではなく、人物の瞳、髪、アクセサリーなど細かな部分の輪郭が濁りにくいことにつながります。

キヤノンの85mmレンズ全体の位置付けについては、キヤノンの85mm単焦点レンズ究極ガイドで詳しく整理しています。

EF85mm F1.2L II USMは少ないレンズ枚数でF1.2を実現している

EF85mm F1.2L II USMは7群8枚という比較的シンプルな構成です。大径の非球面レンズとフローティング機構を使い、F1.2という非常に大きな開口を実現しています。RF85mmよりレンズ枚数が少なく、全長も84mmに抑えられているため、横から見ると非常に短く太い独特の形状です。

このレンズはEF85mm F1.2L USMの後継としてAF制御やコーティングが改善されていますが、光学設計の基本的な方向は一眼レフ時代のものです。開放でも中心部には十分な解像感がありますが、RF85mmのように画面全域の均一性と色収差補正を徹底して追う設計とは性格が異なります。

EF85mm F1.2L II USM単体の特徴については、EF85mm F1.2L II USMの魅力で詳しく紹介しています。

F1.2の描写はRFとEFでどこが違うのか

85mm F1.2を選ぶ最大の理由は、F1.2開放で撮影できることです。F2やF2.8まで絞れば高画質になるレンズは多数ありますが、F1.2で人物を撮ったときにどのような画が得られるかが、この2本を比較する意味になります。

RF85mm F1.2 L USMは開放から高い解像とコントラストを出す

RF85mm F1.2 L USMは、開放F1.2から中心だけでなく周辺まで高い解像力を持っています。実写レビューでも、F1.2のまま細部をしっかり描写し、F2付近ではさらに整うという評価が多く見られます。

特に特徴的なのが、開放で撮ったときに「柔らかく見える原因」が少ないことです。大口径レンズでは色収差や球面収差によって輪郭が滲み、結果的に柔らかく見えることがあります。RF85mmはそれらを強く補正するため、背景は大きくぼけているのに、ピント面だけは非常に明瞭という写真を作りやすくなっています。

RF単焦点レンズ全体の描写傾向や85mmの位置付けは、Canon RF単焦点レンズ完全ガイドでも確認できます。

EF85mm F1.2L II USMは開放で収差を少し残した描写になる

EF85mm F1.2L II USMもF1.2開放から撮影できますが、RF85mmと並べるとピント面の輪郭や周辺描写に違いが見えます。特に高コントラスト部分では色付きが現れることがあり、人物の髪と明るい背景が重なる場面や、金属、白い衣服などでは差が出やすくなります。

一方、このわずかな収差やコントラストの低さが人物写真では柔らかな印象につながる場合があります。これは「古いレンズだから自動的に美しい」という意味ではなく、被写体、光、背景によってRFの強い解像感よりEFの描写を好む撮影者がいるということです。

開放F値によってボケと解像感がどのように変わるかは、F値とボケ・被写界深度の関係で詳しく解説しています。

EFは暖色でRFは寒色という単純な違いではない

旧記事ではEF85mm F1.2L II USMを「暖かみのある描写」と表現していましたが、レンズ世代だけを理由に色味を固定的に説明するのは正確ではありません。写真の色はカメラのホワイトバランス、ピクチャースタイル、RAW現像、光源などにも強く左右されます。

RFとEFの実写差として重視したいのは、色温度の印象より、色収差、コントラスト、フレア、逆光時の抜け、ピント面からボケへの移行です。RF85mmは収差を強く抑えたクリアな方向、EF85mmは開放でわずかに収差を残すことで柔らかく見える場面がある、という理解の方が実写に近くなります。

レンズによる描写の違いを写真全体から考える場合は、Canon RFレンズの解像力とボケの特徴も参考になります。

ボケ量は同じF1.2でも「質」の違いが出る

RF85mmとEF85mmはどちらも85mm F1.2です。同じ撮影距離、同じ被写体サイズ、同じF1.2で撮れば、被写界深度と背景ボケの量そのものには大きな差はありません。RFだからF1.2のボケ量が特別に増えるというものではありません。

違いが出るのは、ボケの輪郭、色付き、周辺部の形、ピント面からボケへ移る部分などです。ここは光学設計の世代差が見えやすい部分です。

RFは9枚円形絞り、EFは8枚円形絞り

RF85mm F1.2 L USMは9枚の円形絞り、EF85mm F1.2L II USMは8枚の円形絞りを採用しています。ただし開放F1.2では絞り羽根が光路から大きく退避するため、羽根枚数だけで開放時のボケ形状を判断することはできません。

F2、F2.8と絞っていくと羽根形状の影響が現れやすくなります。RFの9枚絞りは絞った状態でも円形に近い開口を維持しやすく、点光源を背景にした人物撮影では玉ボケの形が比較的整いやすくなります。

絞り羽根の枚数とボケの形については、絞り羽根の枚数でボケと光芒はどう変わる?で詳しく解説しています。

RFはボケの色にじみを抑えやすくEFは開放で色が出ることがある

大口径単焦点では、ピント位置より手前のボケに紫、後方のボケに緑といった色付きが見えることがあります。これは軸上色収差によるもので、85mm F1.2のように開口が大きいレンズほど問題になりやすい部分です。

RF85mm F1.2 L USMではBR光学素子がこの収差を強く抑えているため、白い枝、金属の反射、イルミネーションなどを背景へ入れても色付きが少なく、ボケがすっきり見えます。EF85mm F1.2L II USMでは条件によって色にじみが見えやすくなりますが、人物撮影で背景が複雑でなければ、それ自体が大きな問題にならない場面もあります。

ポートレートでボケを生かす撮影距離や背景の選び方は、ポートレート撮影完全ガイドで詳しく紹介しています。

AF性能はRF85mm F1.2 L USMが扱いやすい

F1.2では被写界深度が極めて浅いため、レンズ単体の解像力だけでなく、AFが狙った位置へ正確に合うことが重要です。人物の顔を斜めから撮れば、片方の瞳へ合っていても反対側の瞳は被写界深度から外れるほど浅くなる場合があります。

RF85mmはEOS Rの瞳検出と組み合わせやすい

RF85mm F1.2 L USMはリングUSMで大きなフォーカスレンズ群を駆動します。軽量レンズのような瞬間的なAFではありませんが、EF85mm F1.2L II USMと比べると大きなピント移動でも高速化され、EOS Rシリーズの顔・瞳検出と組み合わせることでF1.2を実用しやすくなっています。

F1.2では「AFが速いか」だけでなく、「瞳へ何度も正確に戻れるか」が重要です。ミラーレスでは実際の撮像センサー上でAFを行うため、一眼レフの位相差AFのようなボディとレンズの微調整を意識する場面も減ります。

USM、STM、VCMなどAF駆動方式の違いについては、STMとUSMとVCMの違いで詳しく整理しています。

EF85mm F1.2L II USMはAF移動量が大きいと時間がかかる

EF85mm F1.2L II USMは、初代EF85mm F1.2LよりAF速度が改善されています。それでも大口径の重いフォーカス群を動かすため、最短撮影距離付近から遠景まで一気に移動させると時間がかかります。

一眼レフでは測距点を人物の瞳へ正確に重ねる必要があり、F1.2の浅い被写界深度ではわずかな前後移動でもピントが外れます。EOS Rシリーズへマウントアダプターで装着すると、瞳検出を利用できるため撮影成功率を上げやすくなりますが、レンズ自体のフォーカス機構がRF85mmへ変わるわけではありません。

EFレンズをEOS Rシリーズで使用する方法については、EOS RでEFレンズを使う方法で詳しく紹介しています。

サイズと重量は数字だけでは判断しにくい

レンズ単体ではRF85mm F1.2 L USMが約1,195g、EF85mm F1.2L II USMが約1,025gなので、EFの方が約170g軽量です。またEFは全長84mmしかなく、RFの117.3mmよりかなり短くなっています。

一方、EOS RシリーズでEF版を使う場合にはマウントアダプターが必要です。標準のEF-EOS Rは約110gなので、EF85mmと組み合わせるとレンズ側だけで約1,135g相当になります。この状態ではRF85mmとの重量差は約60gまで縮まります。

EOS Rで使うとEF85mmの小ささという利点は減る

EF85mm F1.2L II USMは単体では短いレンズですが、EOS Rへ装着する場合は約24mmのマウントアダプターが加わります。これによってRF85mmとの差は見た目ほど大きくなくなります。

さらに接続部分が一つ増えるため、バッグから取り出してすぐ使うという点ではRF85mmの方がシンプルです。EFレンズを複数所有していてアダプターを常用している場合には問題になりにくいものの、85mm一本のためにアダプターを追加する場合は全体サイズまで見た方が分かりやすくなります。

レンズの重量とボディとのバランスについては、レンズの形状・重量と使いやすさで詳しく解説しています。

RF85mmもEF85mmも軽快な85mmではない

どちらも1kgを超えるため、一般的な85mm F1.8やF2と比べると明確に重いレンズです。人物撮影を数時間続ける場合、ボディと合わせれば2kg前後になる組み合わせも珍しくありません。

F1.2による大きなボケと開放描写を得る代わりに、大径レンズを持ち運ぶ必要があります。日常の散歩、旅行、家族写真などで常時携帯したい場合は、F1.2が本当に必要かを考えることも重要です。

F1.2以外を含めたRF85mmの選択肢は、RF単焦点レンズの選び方でも比較しています。

最短撮影距離はRFが少し有利だが接写向けではない

RF85mm F1.2 L USMの最短撮影距離は0.85m、EF85mm F1.2L II USMは0.95mです。最大撮影倍率もRFが0.12倍、EFが0.11倍なのでRFの方が少し寄れます。

ただし、この差でRF85mmがマクロ的に使えるようになるわけではありません。どちらも人物撮影を中心とした85mmであり、花、小物、アクセサリーを大きく写す用途では近接性能に物足りなさがあります。

人物と小物を一本で撮るならRF85mm F2との性格差が大きい

RF85mm F2 MACRO IS STMは最短0.35m、最大撮影倍率0.5倍まで対応します。F1.2ほど背景を大きくぼかせませんが、人物を撮った直後に指輪、料理、花、小物などへ近づける点ではF1.2の2本より圧倒的に使いやすくなります。

さらにレンズ内手ブレ補正を搭載し、重量も約500gなので、F1.2の大口径を必要としない場合は性格が大きく変わります。F1.2は万能な85mmではなく、背景分離と大口径描写へ大きく振ったレンズです。

近接撮影も重視する場合は、Canon RF85mm F2 MACRO IS STMレビューで違いを確認できます。

手ブレ補正はどちらもレンズ内には搭載していない

RF85mm F1.2 L USMもEF85mm F1.2L II USMも、レンズ内手ブレ補正を搭載していません。F1.2は明るいためシャッタースピードを確保しやすいものの、人物が静止しているからといって手ブレまで自動的に防げるわけではありません。

ボディ内手振れ補正を搭載したEOS Rでは両方とも使いやすくなる

EOS R5系、EOS R6系、EOS R3などボディ内手振れ補正を備えた機種では、RF85mmだけでなく、マウントアダプターを介したEF85mmでもボディ側の補正を利用できます。

静止した人物や夜景ポートレートでは補正の恩恵がありますが、人物自身が動いている場合はシャッタースピードを確保する必要があります。F1.2で光量を稼ぎ、必要なシャッタースピードを維持することが人物撮影では重要です。

EFレンズとEOS Rの接続や機能については、マウントアダプターで画角は変わる?でも詳しく整理しています。

EF85mm F1.2L II USMをEOS Rで使う価値

EF85mm F1.2L II USMはEFマウントなので、EOS 5DシリーズやEOS-1D Xシリーズでは直接装着できます。EOS Rシリーズではマウントアダプターが必要ですが、焦点距離や開放F値は変わりません。

フルサイズEOS Rに装着すれば85mm F1.2としてそのまま使用でき、APS-CのEOS R7、R10、R50などでは約136mm相当の画角になります。APS-Cではポートレート用としてかなり長めになるため、屋外で十分な撮影距離を取れる場面に向きます。

マウントアダプター自体で画質や焦点距離は変わらない

標準タイプのEF-EOS Rは内部に焦点距離を変える光学系を持っていません。そのためフルサイズEOS RへEF85mm F1.2L II USMを付けても、85mmの画角やF1.2の明るさはそのままです。

AFや絞りも電子制御され、瞳検出を利用できるため、一眼レフ時代よりEF85mm F1.2L II USMを扱いやすいと感じる場面があります。特にF1.2で人物を撮る場合、撮像面AFで瞳へ直接合わせられることは大きな利点です。

アダプター使用時の注意点は、Canonマウントアダプターのデメリットで詳しく紹介しています。

EF85mmはマニュアルフォーカスも電子式である

EF85mm F1.2L II USMはフォーカスリングとレンズ群が機械的に直結している構造ではなく、電子制御でフォーカスを動かします。そのため電源がない状態でリングを回しても通常の機械式MFレンズのようにピント位置を変更できません。

中古品を確認するときはAFだけでなく、MF切り替え後にフォーカスリングへ正常に反応するかも確認したい部分です。F1.2ではMFによる微調整を使う場面もあるため、フォーカス系統の状態は重要です。

EF85mm F1.2L II USMの構造や撮影用途は、EF85mm F1.2L II USMの個別記事でも詳しく紹介しています。

防塵・防滴の違いも見落としやすい

旧記事では両方を防塵・防滴対応としていましたが、EF85mm F1.2L II USMはキヤノンの仕様上、防塵・防滴対応ではありません。RF85mm F1.2 L USMはLレンズとして防塵・防滴に配慮した構造を採用しています。

屋外撮影が多いならRF85mmの構造が扱いやすい

ポートレート撮影では屋外で長時間使用することもあります。小雨、砂埃、湿気など条件が変わる環境では、防塵・防滴に配慮したRF85mmの方が機材として扱いやすくなります。

もちろん防塵・防滴は完全防水を意味しませんが、プロ用途を意識したRF Lレンズとして、マウント部や操作部を含めた構造が新しい世代になっています。

キヤノンLレンズの位置付けや特徴については、Lレンズが生み出す描写と構造の特徴で詳しく紹介しています。

RF85mm F1.4 L VCMの登場で85mm選びはさらに変わった

現在のRFマウントにはRF85mm F1.2 L USMだけでなく、RF85mm F1.4 L VCMも存在します。F1.4はF1.2より約1/3段暗くなりますが、質量約636gと大幅に軽く、AFや動画対応も新しい方向へ進んでいます。

F1.2を必要としないならRF85mm F1.4 L VCMも比較対象になる

RF85mm F1.4 L VCMは85mm F1.4、約636g、最短撮影距離0.75mという構成で、RF85mm F1.2 L USMの約1,195gと比べると重量差が非常に大きくなります。人物を長時間撮影する場合には、この差は無視できません。

F1.2でしか得られない被写界深度や背景ボケを優先するならRF85mm F1.2 L USMですが、機動性、AF、動画、携帯性まで含めるとF1.4にも明確な役割があります。現在のキヤノン85mm選びは、RF F1.2と中古EF F1.2だけの二択ではありません。

RF85mmを含む現行RF単焦点の選択肢は、Canon RF単焦点レンズ完全ガイドで確認できます。

中古でEF85mm F1.2L II USMを選ぶときの確認点

EF85mm F1.2L II USMは中古流通量があり、RF85mm F1.2 L USMより低い予算でF1.2を導入できる場合があります。一方、古い個体では光学系だけでなく電子フォーカス機構や外装状態まで確認する必要があります。

AF・MF・前玉・内部曇りをまとめて確認する

中古では、近距離から遠距離までAFを大きく移動させ、途中で止まらないかを確認します。MFでもフォーカスリングへの反応を確認し、電子式フォーカスが正常に動作するかを見ることが重要です。

F1.2ではわずかな曇りやコントラスト低下も逆光で分かりやすくなるため、前玉や後玉だけでなく内部のカビ、曇り、強いチリも確認します。外観の小傷より、実際の光学状態とフォーカス動作を優先して見たいレンズです。

EFレンズを中古で活用する考え方については、EOS RでEFレンズを使う方法でも紹介しています。

EF版は価格だけでなくアダプター込みの総重量を見る

EF85mm F1.2L II USMをEOS Rシリーズ用として購入する場合、マウントアダプターを持っていなければその費用と重量も加わります。標準EF-EOS Rを加えるとレンズ側だけで約1,135gとなり、RF85mmの約1,195gとの差は小さくなります。

そのため「EFの方が軽いから」という理由だけで選ぶと、実際のEOS R装着時には印象が変わります。一眼レフで直接使う場合とEOS Rで使う場合を分けて考えることが重要です。

EFとRFを含めたキヤノンのレンズ体系は、キヤノン大全から確認できます。

RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USMは同じ85mm F1.2でも別の性格を持つ

RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USMは、焦点距離85mm、開放F1.2という数字だけを見ると非常によく似ています。しかし実際には、RF85mmは高い解像力、強力な色収差補正、瞳検出AFとの組み合わせ、防塵・防滴に配慮した構造など、現在のEOS Rシステムを前提に大きく進化しています。

RF85mm F1.2 L USMの最大の特徴は、F1.2を「特殊な描写を得るために多少の甘さを受け入れる設定」として扱わなくてもよいことです。開放から高い解像感とコントラストを保ち、色にじみも抑えながら背景を大きくぼかせます。瞳AFを利用すれば、極端に浅い被写界深度でも人物の瞳へピントを合わせやすくなっています。

EF85mm F1.2L II USMは、RFほど収差を徹底的に消した描写ではありません。開放では条件によって色にじみや柔らかさが現れますが、それを含めた描写を好む撮影者もいます。EOS一眼レフへ直接装着してF1.2を楽しめること、中古で導入しやすいことも大きな特徴です。

EOS Rシリーズで両者を比較する場合、EF版には約110gのアダプターが加わるため重量差は小さくなります。AF、接続のシンプルさ、防塵・防滴、開放描写を重視すればRF85mm F1.2 L USMの利点が増えます。中古価格やEF一眼レフとの共用を重視する場合は、EF85mm F1.2L II USMにも意味があります。

さらに現在はRF85mm F1.4 L VCMやRF85mm F2 MACRO IS STMもあるため、85mmを選ぶときはF1.2だけを見る必要はありません。F1.2の極端に浅い被写界深度と大きなボケを必要とするのか、軽量性、近接性能、動画、手ブレ補正などを重視するのかによって、適した85mmは変わります。

RF85mm F1.2 L USMとEF85mm F1.2L II USMの違いは、「新しいRFはシャープ、古いEFは柔らかい」という一言だけでは説明できません。光学補正、AF方式、ボディとの組み合わせ、サイズ、収差、撮影距離まで含めて見ることで、それぞれの85mm F1.2が持つ性格が明確になります。

タイトルとURLをコピーしました