OM SYSTEM PENは何が変わった?EVF・防塵防滴・121点位相差AF・5軸手ぶれ補正を徹底解説
OM SYSTEMから、新しいミラーレス一眼カメラ「OM SYSTEM PEN」が登場しました。製品名は「PEN E-P○」のような型番ではなく、シンプルに「PEN」です。OLYMPUSからOM SYSTEMへブランドが移行したあと、初めてOM SYSTEMの名前でPENを冠するモデルとなります。
外観はPENらしいレンジファインダースタイルを受け継いでいますが、中身は単なるPEN E-P7のデザイン変更ではありません。約236万ドットの電子ビューファインダー、121点オールクロス像面位相差AF、人物・犬・猫に対応するAI被写体認識AF、中央5.5段の5軸手ぶれ補正を搭載しています。
さらにPENシリーズとして初めて防塵・防滴に対応し、ライブND、手持ちハイレゾショット、深度合成、HDR、多重露出などのコンピュテーショナルフォトグラフィもCPボタンから呼び出せます。小型のおしゃれなPENという従来の印象を残しながら、撮影機能は大幅に本格化しました。
重量はバッテリーとメモリーカードを含めて約393gです。新しいM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 IIIとの組み合わせでも約518gに収まり、旅行や街歩きで持ち歩ける小型軽量システムというPEN本来の性格も維持されています。
この記事では、OM SYSTEM PENのセンサー、EVF、AF、手ぶれ補正、防塵・防滴、連写、プロキャプチャー、コンピュテーショナルフォトグラフィ、動画性能を詳しく確認し、PEN E-P7やOM-5 Mark IIとの違いまで解説します。
- OM SYSTEM PENの主なスペック
- OM SYSTEMとして初めてPENの名前を冠したカメラ
- 約236万ドットの電子ビューファインダーを内蔵
- バリアングルモニターで自撮りや動画にも対応
- 約2037万画素Live MOSとTruePic IXを搭載
- 121点オールクロス像面位相差AFを搭載
- ボディー内5軸手ぶれ補正は中央5.5段
- PENシリーズ初の防塵・防滴に対応
- 最高約30コマ/秒の高速連写
- シャッターを押す前を記録するプロキャプチャー
- CPボタンでコンピュテーショナルフォトグラフィを呼び出せる
- カラー/モノクロプロファイルでJPEG撮って出しを楽しめる
- 4K30p・C4K24p動画に対応
- 新しい14-42mm F3.5-5.6 IIIとの組み合わせ
- OM SYSTEM PENとPEN E-P7を比較
- OM SYSTEM PENとOM-5 Mark IIの違い
- OM-3とは似たデザインでも性格が違う
- OM SYSTEM PENが向いている撮影
- OM SYSTEM PENの注意点
- 小型単焦点との組み合わせでPENらしさが際立つ
- OM SYSTEM PENは「小さいPEN」に本格撮影機能を入れた新世代モデル
OM SYSTEM PENの主なスペック
| 項目 | OM SYSTEM PEN |
|---|---|
| レンズマウント | マイクロフォーサーズ |
| 撮像センサー | 4/3型 Live MOS |
| 有効画素数 | 約2037万画素 |
| 画像処理エンジン | TruePic IX |
| AF | 121点オールクロス像面位相差AF+コントラストAF |
| AI被写体認識AF | 人物・犬・猫 |
| EVF | 約236万ドット OLED |
| モニター | 3.0型約104万ドット・2軸可動式タッチ液晶 |
| ボディー内手ぶれ補正 | 5軸・中央5.5段/周辺4.5段 |
| メカシャッター | 最高1/4000秒 |
| 電子シャッター | 最高1/32000秒 |
| 最高連写 | 約30コマ/秒 |
| プロキャプチャー | 対応 |
| 防塵・防滴 | 対応・IPX1 |
| ハイレゾショット | 手持ち/三脚 |
| ライブND | ND2・ND4・ND8・ND16 |
| 動画 | C4K 24p/4K 30p/FHD 60p |
| S&Q | 最大120fps撮影 |
| 記録媒体 | SD/SDHC/SDXC・UHS-I |
| 外形寸法 | 約125.8×74.5×43.3mm |
| 質量 | 約393g・バッテリー、メモリーカード含む |
| 本体のみ | 約344g |
| カラー | シルバー/ブラック |
約2037万画素という数字だけを見ると大きな変化がないように見えますが、OM SYSTEM PENの重要な進化はセンサーの画素数よりも、EVF、像面位相差AF、AI被写体認識、手ぶれ補正、防塵・防滴、コンピュテーショナルフォトグラフィを小型PENへまとめた点にあります。
OM SYSTEMとして初めてPENの名前を冠したカメラ
PENの歴史は非常に長く、初代OLYMPUS PENから、デジタル時代のOLYMPUS PEN E-P1、E-Pシリーズ、E-PLシリーズ、PEN-Fへと続いてきました。
新しいPENは、その流れをOM SYSTEMブランドで引き継ぐモデルです。製品名そのものを「OM SYSTEM PEN」としたことで、従来のE-Pシリーズの単純な後継機という位置づけよりも、PENというシリーズそのものを再構築する意味合いが強くなっています。
レンジファインダースタイルを維持
デザインは、中央に大きなファインダー部が張り出す一眼レフスタイルではなく、上面が比較的平らなレンジファインダースタイルです。バッグへ収納するときにも上部が引っ掛かりにくく、日常的に持ち歩くというPENの思想に合っています。
新しいPENは約393gなので、一般的なフルサイズミラーレスと比べてもかなり軽量です。マイクロフォーサーズのレンズも小型なものが多く、ボディーだけでなくシステム全体を小さくまとめられます。
マイクロフォーサーズの仕組みやフルサイズ、APS-Cとの違いについては、マイクロフォーサーズやXマウントの魅力と選び方でも詳しく解説しています。
約236万ドットの電子ビューファインダーを内蔵
OM SYSTEM PENには約236万ドットのOLED電子ビューファインダーが搭載されています。
PEN E-P7には内蔵EVFがなかったため、背面モニターを見ながら撮影するスタイルが基本でした。新しいPENでは、背面モニターとEVFを撮影状況によって使い分けられます。
晴天の屋外ではEVFが大きな武器になる
屋外で太陽光が強いと、背面液晶へ光が反射して画像やピント位置を確認しにくくなることがあります。
EVFなら外光の影響を受けにくく、露出、構図、ピント位置を確認しながら撮影できます。旅行先の風景、昼間の街歩き、海や雪景色などで使いやすくなります。
カメラを顔で支えられる
ファインダー撮影には、視認性だけでなくカメラを安定させやすい利点もあります。
背面モニター撮影ではカメラを身体から離して構えますが、EVFなら両手に加えて顔でもカメラを支えられます。低速シャッターを使う場面では、5軸手ぶれ補正と組み合わせてカメラを安定させやすくなります。
バリアングルモニターで自撮りや動画にも対応
背面には3.0型約104万ドットの可動式タッチモニターを搭載しています。モニターを横へ開いて向きを変えられるため、ローアングル、ハイアングル、縦位置、自撮りなど幅広い撮影姿勢に対応できます。
タッチ操作にも対応
AFポイントの選択、タッチシャッター、メニュー操作、スーパーコントロールパネルなどをタッチ操作できます。
スマートフォンから本格的なカメラへ移行する場合でも、画面を直接触って操作できるため、ダイヤルとボタンだけで操作するカメラより入りやすい構成です。
約2037万画素Live MOSとTruePic IXを搭載
撮像センサーは4/3型Live MOSで、有効画素数は約2037万画素です。画像処理エンジンにはTruePic IXを搭載しています。
マイクロフォーサーズは35mmフルサイズよりセンサーが小さい一方、カメラとレンズを小型化しやすく、望遠では同じ実焦点距離でも狭い画角を得られる特徴があります。
小型のボディーと小型レンズでシステムを構成できるため、旅行、登山、街歩き、日常撮影など、カメラを長時間持ち歩く用途との相性が高くなります。
約2000万画素でも5000万画素ハイレゾ撮影が可能
通常撮影は約2037万画素ですが、ハイレゾショットではセンサーをわずかに動かしながら複数枚を撮影・合成することで、約5000万画素の高解像画像を生成できます。
建築、風景、静物など細かなディテールを残したい場面では、通常撮影とは別の選択肢になります。
121点オールクロス像面位相差AFを搭載
OM SYSTEM PENの大きな進化がAFです。121点オールクロス像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせています。
PEN E-P7も121点のAFポイントを持っていましたが、方式はコントラストAFでした。新しいPENは像面位相差AFを利用できるため、特に動いている被写体を追うC-AFで大きな違いがあります。
121点すべてがクロスタイプ
測距点は121点すべてがクロスタイプです。縦方向、横方向のパターンに対応しやすく、人物、建物、ペットなどさまざまな被写体へ高精度にピントを合わせられます。
日常スナップだけでなく、走っている子どもや動いている犬や猫など、静止してくれない被写体にも対応しやすくなりました。
PENシリーズ初のAI被写体認識AF
静止画ではAI被写体認識AFを利用できます。認識対象は人物と動物で、動物は犬と猫に対応します。
人物なら顔や瞳、犬や猫なら被写体そのものをカメラが認識して追尾するため、撮影者がAFポイントを細かく動かし続ける必要を減らせます。
OM-1シリーズのように鳥、飛行機、鉄道、車など多数の認識対象を持つ上位機とは性格が異なり、PENでは日常で撮る機会の多い人物、犬、猫へ対象を絞っています。
星空AFにも対応
星空は通常のAFではピントを合わせにくく、従来はMFで無限遠付近を細かく調整することが一般的でした。
OM SYSTEM PENは星空AFに対応しているため、旅行先で星空を撮りたい場合にもピント合わせをカメラへ任せられます。
ボディー内5軸手ぶれ補正は中央5.5段
ボディー内には撮像センサーシフト式の5軸手ぶれ補正を搭載しています。補正効果は中央で5.5段、周辺で4.5段です。
PEN E-P7の補正効果は4.5段だったため、新しいPENでは補正能力も強化されています。
小さな単焦点レンズでも手ぶれ補正を使える
ボディー側に手ぶれ補正機構を持つため、レンズ側へ光学式手ぶれ補正が搭載されていなくても補正できます。
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 IIや25mm F1.8 IIなど、小型の単焦点レンズと組み合わせても手ぶれ補正を利用できます。
この組み合わせならシステムを大きくせず、夕方の街、室内、夜のスナップなどへ対応しやすくなります。
低速シャッターではISO感度を抑えられる
静止している風景や建物なら、手ぶれ補正を利用してシャッタースピードを下げることでISO感度を抑えられます。
ただし歩いている人物やペットなど被写体そのものが動く場合は、手ぶれ補正では被写体ブレを止められません。その場合はシャッタースピードを確保する必要があります。
PENシリーズ初の防塵・防滴に対応
OM SYSTEM PENは、PENシリーズで初めて防塵・防滴性能を備えています。
防滴性能はIPX1です。防塵・防滴に対応したM.ZUIKOレンズと組み合わせることで、旅行や街歩きで突然雨が降った場合にも撮影を続けやすくなりました。
OM-5 Mark IIのIP53とは違う
ここは区別が必要です。OM SYSTEM PENの防滴性能はIPX1で、OM-5 Mark IIが対応するIP53とは同じではありません。
PENは日常や旅行中の急な雨への対応力を高めたカメラであり、より厳しいアウトドア環境や低温環境まで重視するならOM-5 Mark IIなど上位の防塵・防滴モデルとの違いを確認する必要があります。
防塵・防滴構造の基本については、防塵・防滴構造の魅力と撮影でのメリットも参考になります。
最高約30コマ/秒の高速連写
電子シャッターを使用する静音連写Hでは、最高約30コマ/秒の連続撮影が可能です。
高速連写というとスポーツや野鳥を想像しやすいですが、PENでは犬や猫、子どもの表情、ジャンプする瞬間など日常の一瞬を捉える用途でも使えます。
30コマ/秒ではAF・AEが1コマ目に固定される
最高約30コマ/秒の静音連写Hでは、ピントと露出は1コマ目の値に固定されます。
そのため、被写体が撮影者へ大きく近づいたり遠ざかったりする撮影では、単純に30コマ/秒だけを見て動体追従性能を判断するべきではありません。
AF追従が必要な場面では、被写体の動きに応じて連写モードを使い分けることが重要です。
シャッターを押す前を記録するプロキャプチャー
OM SYSTEM PENはプロキャプチャー撮影にも対応しています。
シャッターボタンを半押ししている間から画像を一時的に記録し、全押しした時点からさかのぼって最大12コマを保存できます。
反応してからでは遅い瞬間を撮れる
猫が突然ジャンプする瞬間、子どもがボールを投げる瞬間、鳥が飛び立つ瞬間などは、人間が動きを見てからシャッターを押すと遅れる場合があります。
プロキャプチャーならシャッターを押す前から記録しているため、「今だ」と判断する少し前の瞬間まで残せます。
最高約30コマ/秒と組み合わせることで、PENの外観から想像する以上に高速撮影機能が充実しています。
CPボタンでコンピュテーショナルフォトグラフィを呼び出せる
OM SYSTEM PENにはCPボタンが搭載されています。CPはコンピュテーショナルフォトグラフィの略で、複数画像の合成やデジタル処理を利用したOM SYSTEM独自の撮影機能を素早く呼び出せます。
CPボタンを押しながらダイヤルを回すことで、ハイレゾショット、ライブND、深度合成、HDR、多重露出などを選択できます。
手持ちハイレゾショット
複数枚の画像を合成し、約5000万画素の高解像画像を生成できます。
三脚を使うハイレゾ撮影だけでなく手持ちハイレゾにも対応しているため、旅先で三脚を持っていない場合でも利用できます。
建築物、風景、静物など、細かな質感を残したい被写体で活用できます。
ライブNDはND2からND16まで
ライブNDでは、物理的なNDフィルターを装着せずにスローシャッターのような表現を作れます。
ND2、ND4、ND8、ND16を選択でき、水の流れを滑らかにしたり、人や車の動きを流したりする撮影に利用できます。
旅行ではレンズ径ごとに複数のNDフィルターを持ち歩かなくてもカメラ側で効果を利用できるため、小型軽量というPENの性格とも相性があります。
深度合成にも対応
複数のピント位置で撮影した画像を合成し、被写体の広い範囲へピントを合わせる深度合成にも対応します。
花、小物、料理、昆虫などを近距離から撮影すると、被写界深度が浅くなり被写体全体へピントが合わない場合があります。
深度合成なら背景のボケを残しながら、被写体側のピント範囲を広げる表現ができます。
ライブコンポジットで光跡を撮れる
ライブコンポジットにも対応します。明るさが変化した部分を中心に画像を重ねていく比較明合成によって、星の軌跡、車のライト、花火などを撮影できます。
通常の長時間露光では画面全体が明るくなりすぎる場面でも、ライブコンポジットなら背景の明るさを大きく変えず光跡を追加していけます。
OM SYSTEMのコンピュテーショナルフォトグラフィについては、OM-D E-M1 Mark IIIが切り拓く新しい映像表現の世界でもライブNDやプロキャプチャーなどを紹介しています。
カラー/モノクロプロファイルでJPEG撮って出しを楽しめる
ボディー前面にはプロファイルコントロールスイッチが設けられています。
色やモノクロ表現を撮影前に設定し、カメラ内で自分好みの仕上がりへ調整できます。
カラープロファイル
カラーでは色ごとの彩度やトーンを調整し、自分の好みに合わせた色作りができます。
RAWで撮影してパソコンで現像する方法とは別に、撮影時点から完成形の色を考えながら撮る楽しさがあります。
モノクロプロファイル
モノクロではカラーフィルター効果、粒状感、調色などを組み合わせられます。
PENのクラシカルな外観とも相性があり、街歩きや人物、建築などをモノクロで撮り続ける使い方もできます。
4K30p・C4K24p動画に対応
OM SYSTEM PENは静止画だけでなく動画機能も強化されています。
通常の4Kでは3840×2160の30p、25p、24pに対応し、C4Kでは4096×2160の24p撮影が可能です。Full HDでは60p・50pにも対応します。
OM-Cinema1・OM-Cinema2を搭載
動画専用ピクチャーモードとしてFlat、OM-Log400に加え、OM-Cinema1、OM-Cinema2を利用できます。
本格的なカラーグレーディングを前提とする撮影だけでなく、カメラ側で映画的な色やトーンを作って撮影する方法も選べます。
縦位置動画へ正式対応
カメラを縦向きにして撮影すると、縦位置動画として保存できます。
スマートフォンで見るショート動画やSNS向け動画では縦画面が一般的になっているため、撮影後に向きを修正する手間を減らせます。
S&Qでは最大120fps
S&Qモードでは最大120fpsの撮影に対応します。
速い動きをスローモーションで見せるほか、1fpsや2fpsの低い撮影フレームレートを利用したクイックモーション、ハイパーラプス的な表現も可能です。
動画撮影ランプを搭載
録画中であることを確認できるタリーランプも備えています。
自分を撮影する場合、録画が始まっているかを確認しやすく、Vlogや一人での動画収録でも扱いやすくなっています。
新しい14-42mm F3.5-5.6 IIIとの組み合わせ
OM SYSTEM PENと同時に、M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 IIIも登場しています。
焦点距離は14-42mmで、35mm判換算28-84mm相当です。重量は125gで、PENとの組み合わせでは約518gのシステムになります。
28-84mm相当を約518gで持ち歩ける
広角28mm相当から中望遠84mm相当までカバーするため、風景、街歩き、人物、料理、旅行写真まで一本で対応できます。
レンズは沈胴式なので、使用しないときには短く収納できます。小さなバッグへ入れて日常的に持ち歩くというPENの用途に合わせた標準ズームです。
14mm側では最短13cmまで寄れる
広角端では最短撮影距離13cmまで近づけ、最大撮影倍率は0.26倍、35mm判換算では0.53倍相当です。
料理、花、小物などを大きく写しながら、広角らしく周囲の雰囲気も入れる撮影ができます。
レンズ側もIPX1の防塵・防滴
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 IIIもIPX1の防塵・防滴に対応しています。
ボディーだけが防滴でも、レンズが非対応ならシステム全体の防滴性は確保できません。PENと新しい14-42mmを組み合わせることで、小型の標準ズームキットのまま防塵・防滴を生かせます。
OM SYSTEM PENとPEN E-P7を比較
新しいPENを考えるうえで最も分かりやすい比較対象がPEN E-P7です。
| 項目 | OM SYSTEM PEN | PEN E-P7 |
|---|---|---|
| 有効画素数 | 約2037万画素 | 約2030万画素 |
| EVF | 約236万ドット | 非搭載 |
| AF | 121点像面位相差+コントラスト | 121点コントラストAF |
| AI被写体認識 | 人物・犬・猫 | 非搭載 |
| 手ぶれ補正 | 5軸・中央5.5段 | 5軸・4.5段 |
| 防塵・防滴 | IPX1 | 非対応 |
| 最高静音連写 | 約30コマ/秒 | 約15コマ/秒 |
| プロキャプチャー | 対応 | 非対応 |
| ライブND | 対応 | 非対応 |
| 手持ちハイレゾ | 対応 | 非対応 |
| 重量 | 約393g | 約337g |
| SDカード | UHS-I | UHS-I/UHS-II |
新しいPENは56g重くなった代わりに機能が大幅に増えた
PEN E-P7は約337g、新しいPENは約393gなので約56g重くなっています。
その代わり、EVF、像面位相差AF、AI被写体認識、5.5段手ぶれ補正、防塵・防滴、プロキャプチャー、ライブND、手持ちハイレゾなどが追加されています。
単純な小型軽量だけならE-P7の方が軽いものの、新しいPENは小型ボディーで対応できる撮影範囲を大きく広げています。
新しいPENはUHS-IIに対応していない
注意したいのがSDカードです。PEN E-P7はUHS-II対応でしたが、新しいPENはUHS-I対応となっています。
高速連写やRAW撮影を多用する場合、カードへの書き込み速度は重要です。新型だから記録メディアのすべてが上位になっているわけではありません。
OM SYSTEM PENとOM-5 Mark IIの違い
OM SYSTEM PENが本格化したことで、OM-5 Mark IIとの距離も近くなりました。
| 項目 | OM SYSTEM PEN | OM-5 Mark II |
|---|---|---|
| 有効画素数 | 約2037万画素 | 約2037万画素 |
| AF | 121点像面位相差+コントラスト | 121点像面位相差+コントラスト |
| 手ぶれ補正 | 中央5.5段 | 中央6.5段 |
| 防塵・防滴 | IPX1 | IP53対応レンズ使用時IP53 |
| 重量 | 約393g | 約418g |
| ボディーデザイン | レンジファインダースタイル | 一眼レフスタイル |
| CPボタン | 搭載 | 搭載 |
PENは25g軽くフラットなボディー
重量差は約25gと小さいものの、外観の違いは大きくなります。
PENはファインダー部の張り出しを抑えたレンジファインダースタイルで、日常や旅行でバッグから取り出しやすい形です。
OM-5 Mark IIは防塵防滴と手ぶれ補正が強い
OM-5 Mark IIは対応レンズとの組み合わせでIP53の防塵・防滴性能を持ち、手ぶれ補正も中央6.5段です。
山、雪、雨、アウトドアでの使用を重視する場合は、PENよりOM-5 Mark IIの方が耐環境性能を重視した設計です。
PENは街、旅行、日常を中心にしながら、防滴性能や本格的なAFまで欲しい人に向く構成になっています。
OM-3とは似たデザインでも性格が違う
OM SYSTEM PENを見てOM-3を思い浮かべる人もいるでしょう。どちらも比較的フラットな上面を持ち、クラシカルな外観を採用しています。
しかし内部構成は異なります。OM-3は約2037万画素の裏面照射積層型Live MOSセンサーを搭載する上位モデルで、本体重量は約496gです。
OM SYSTEM PENは通常のLive MOSセンサーを採用し、約393gへ軽量化しています。
OM-3は高速読み出しを生かした本格的な動体撮影まで考えたカメラで、PENは日常、旅行、人物、ペット、スナップ、動画などを小型ボディーで幅広く楽しむ方向です。
OM SYSTEM PENが向いている撮影
| 用途 | 相性 | 特徴 |
|---|---|---|
| 街歩き | 非常に高い | 393g・EVF・小型レンズ |
| 旅行 | 非常に高い | 小型軽量・防塵防滴・5軸手ぶれ補正 |
| 人物 | 高い | 人物認識AF・瞳検出 |
| 犬・猫 | 高い | AI被写体認識AF |
| 風景 | 高い | EVF・ハイレゾ・ライブND |
| 夜景 | 高い | 5軸手ぶれ補正・ライブコンポジット |
| マクロ | 高い | 深度合成・小型マクロレンズ |
| 動画・Vlog | 高い | 4K30p・縦位置・S&Q・タリーランプ |
| 本格的な野鳥 | 用途次第 | 鳥専用AI認識は非搭載 |
| 過酷なアウトドア | 用途次第 | IPX1でOM-5 Mark IIのIP53とは異なる |
OM SYSTEM PENの注意点
機能が大幅に増えたPENですが、上位モデルのすべてを小型ボディーへ入れたカメラではありません。
防滴はIPX1
シリーズ初の防塵・防滴対応は大きな進化ですが、OM-5 Mark IIやOM-3などのIP53とは区別して考える必要があります。
AI認識は人物・犬・猫が中心
OM-1シリーズのように鳥、鉄道、航空機、自動車などまで幅広く認識するシステムではありません。
PENが想定する日常撮影や旅行、人物、ペットを中心にした構成です。
最高30コマ/秒ではAF・AE固定
約30コマ/秒という数字は大きいものの、静音連写HではAFとAEが1コマ目に固定されます。高速で前後に移動する被写体を追う用途では、連写速度だけで判断しないことが重要です。
SDカードはUHS-I
新しいPENはUHS-Iまでの対応です。PEN E-P7がUHS-IIに対応していたことを考えると、高速カードを使った書き込み性能を重視する場合には確認しておきたい部分です。
小型単焦点との組み合わせでPENらしさが際立つ
14-42mm F3.5-5.6 IIIは便利な標準ズームですが、PENには小型単焦点を組み合わせる楽しみもあります。
17mm F1.8なら34mm相当
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 IIなら35mm判換算34mm相当となり、街歩きや旅行、日常スナップに使いやすい画角です。
小さな単焦点なのでPENのフラットな外観を崩しにくく、F1.8の明るさと5軸手ぶれ補正を組み合わせれば夕方や室内でも使いやすくなります。
25mm F1.8なら50mm相当
25mm F1.8 IIなら50mm相当となり、人物、料理、小物、日常写真まで幅広く使える標準単焦点になります。
45mm F1.2 PROなら90mm相当の大口径中望遠
人物撮影でより大きなボケを求めるなら、45mm F1.2 PROのような大口径レンズも利用できます。35mm判換算では90mm相当です。
このレンズについては、Olympus M.Zuiko Digital ED 45mm F1.2 PROの魅力で詳しく紹介しています。
OM SYSTEM PENは「小さいPEN」に本格撮影機能を入れた新世代モデル
OM SYSTEM PENは、PEN E-P7の後継として画素数だけを増やしたカメラではありません。
約2037万画素Live MOSセンサーとTruePic IXを中心に、約236万ドットEVF、121点オールクロス像面位相差AF、人物・犬・猫のAI被写体認識AF、中央5.5段の5軸手ぶれ補正を搭載しました。
さらにPENシリーズ初の防塵・防滴対応、最高約30コマ/秒の静音連写、プロキャプチャー、星空AF、手持ちハイレゾショット、ライブND、深度合成、HDR、多重露出、ライブコンポジットまで利用できます。
動画ではC4K 24p、4K30p、Full HD 60p、最大120fpsのS&Q、縦位置動画、OM-Cinema1/OM-Cinema2、タリーランプなどを備え、写真だけを撮る小型カメラという位置づけからも広がっています。
一方で、重量はPEN E-P7より増え、SDカードはUHS-Iまで、防滴はIPX1、AI被写体認識も人物・犬・猫が中心です。OM-5 Mark IIやOM-3、OM-1シリーズの機能をそのまますべて搭載した小型上位機ではありません。
このカメラの特徴は、約393gのレンジファインダースタイルへ、日常や旅行で実際に使いやすい本格的な撮影機能をまとめたことです。
EVFを覗いて撮る。雨が降ってもすぐにはバッグへしまわない。夕暮れには5軸手ぶれ補正を使う。犬や猫にはAI被写体認識を使う。風景ではライブNDやハイレゾショットを試す。動画ではバリアングルモニターを開いて縦位置やS&Qを使う。従来のPENが持っていた「気軽に持ち歩けるカメラ」という性格を残しながら、撮影できる範囲を大きく広げています。
新しいM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 IIIとの組み合わせなら約518gで28-84mm相当をカバーできます。小型単焦点へ交換すれば、さらにPENらしい軽快なスナップカメラとして使えます。
OM SYSTEM PENは、デザインだけでPENの歴史を引き継いだモデルではありません。小さく持ち歩けることを基本にしながら、EVF、像面位相差AF、防塵・防滴、5軸手ぶれ補正、コンピュテーショナルフォトグラフィまで組み合わせた、新しいPENの基準となる一台です。



