GoProがマイクロフォーサーズに参入|レンズ交換式「MISSION 1 PRO ILS」が示す新しいMFTの可能性
GoProがマイクロフォーサーズシステム規格に正式参加しました。
アクションカメラの代表的メーカーとして知られてきたGoProが、レンズ交換式カメラの世界へ踏み込み、そのためのマウントとしてマイクロフォーサーズを選んだことは注目に値します。
その象徴となる製品が「GoPro MISSION 1 PRO ILS」です。
MISSION 1 PRO ILSは、GoProが得意としてきた小型ボディ、高フレームレート動画、電子手ブレ補正などを受け継ぎながら、マイクロフォーサーズマウントを採用したレンズ交換式シネマカメラです。
ここで最初に整理しておきたいのは、「マイクロフォーサーズマウントを採用したこと」と「マイクロフォーサーズサイズのセンサーを搭載していること」は同じ意味ではないという点です。
MISSION 1 PRO ILSが搭載するのは1インチセンサーです。
つまりGoProは、OM SYSTEMやLUMIXと同じタイプのマイクロフォーサーズミラーレスを作ったわけではありません。1インチセンサーとMFTマウントを組み合わせ、動画撮影へ大きく特化した独自のカメラを作りました。
GoProの参入は、新しいカメラが1台増えたというだけではなく、マイクロフォーサーズという規格そのものの使われ方が広がってきたことを示す出来事でもあります。
- GoProがマイクロフォーサーズ規格へ正式参加
- MISSION 1 PRO ILSとはどんなカメラなのか
- 焦点距離は通常のMFTよりさらに望遠寄りになる
- すべてのMFTレンズを普通に使えるわけではない
- オートフォーカスを中心に考えたカメラではない
- GoProのHyperSmoothと交換レンズを組み合わせる
- 8Kと高フレームレートはGoProらしい進化
- なぜGoProはマイクロフォーサーズを選んだのか
- GoPro参入でMFTの意味が変わる
- OM SYSTEMやLUMIXと直接競合するカメラではない
- 従来のGoPro HEROを置き換えるものではない
- 大型センサー競争とは違う方向へ進むGoPro
- GoPro参入はマイクロフォーサーズにとって大きな転換点になるか
- まとめ
GoProがマイクロフォーサーズ規格へ正式参加
GoProはマイクロフォーサーズシステム規格への賛同を表明し、正式にMFT陣営へ加わりました。
これまでマイクロフォーサーズといえば、OM SYSTEM、オリンパス、パナソニックのLUMIXを中心としたミラーレスカメラを思い浮かべる人が多かったでしょう。
ところが規格そのものは、特定メーカーだけが使う閉じたマウントではありません。複数のメーカーが参加し、カメラ、レンズ、映像機器などを展開できることが大きな特徴です。
そこへGoProが加わったことで、マイクロフォーサーズは写真用ミラーレスだけの規格ではないことが、より分かりやすくなりました。
GoProがレンズ交換式へ進出する意味
GoProは長年、レンズ一体型のアクションカメラを中心に発展してきました。
小型、防水、耐衝撃、超広角、高性能な電子手ブレ補正という特徴を持ち、「レンズを交換して撮るカメラ」とはかなり違う方向へ進化してきたメーカーです。
MISSION 1 PRO ILSでは、その前提が大きく変わります。
レンズ交換式になったことで、撮影者が画角や描写を自分で選択できます。超広角だけでなく、標準、中望遠、望遠、マクロ、魚眼、アナモフィックなど、レンズによって映像表現そのものを変えられるようになります。
従来のGoProが「カメラそのものを撮影場所へ持ち込む道具」だったとすれば、MISSION 1 PRO ILSは「撮影目的に合わせてシステムを組むカメラ」へ踏み込んだ存在です。
カメラ業界をミラーレス・一眼レフ・コンデジ・動画・アクションなどに分けて考えると、MISSION 1 PRO ILSは動画カメラとアクションカメラの境界をまたぐ製品といえます。
MISSION 1 PRO ILSとはどんなカメラなのか
MISSION 1 PRO ILSは、GoProが動画制作向けに展開する小型レンズ交換式カメラです。
約5000万画素クラスの1インチセンサーとGoPro独自の映像処理技術を組み合わせ、8K動画や高フレームレート撮影へ対応することが大きな特徴です。
一般的なミラーレスカメラのように、写真撮影、電子ビューファインダー、高速AF、豊富な物理操作を中心に設計されているわけではありません。
映像撮影へ機能を集中させ、小型ボディを生かして通常のシネマカメラでは置きにくい場所へ設置することを想定したカメラです。
GoProがこれまでアクションカメラで培ってきた考え方を、そのままレンズ交換式の映像制作へ広げたと考えると分かりやすくなります。
1インチセンサーとMFTマウントの組み合わせ
MISSION 1 PRO ILSで特に興味深いのが、1インチセンサーとマイクロフォーサーズマウントを組み合わせている点です。
一般的なマイクロフォーサーズカメラでは、約17.3×13.0mmのフォーサーズサイズセンサーを使用します。
一方、1インチセンサーはそれより小さいため、MFTレンズが作るイメージサークルの中央部分を利用することになります。
このため、同じ焦点距離のレンズを装着しても、通常のMFTカメラより画角は狭くなります。
マウント規格とセンサーサイズは必ずしも一体ではありません。
レンズを取り付けるための規格としてMFTを利用し、その内側に別サイズのセンサーを配置することもできます。
イメージサークルとセンサーサイズの関係を考えると、この構造は理解しやすくなります。
焦点距離は通常のMFTよりさらに望遠寄りになる
一般的なマイクロフォーサーズでは、35mm判換算焦点距離を約2倍として考えることができます。
25mmなら約50mm相当、50mmなら約100mm相当です。
MISSION 1 PRO ILSでは1インチセンサーを使用するため、同じMFTレンズを装着してもさらに画角が狭くなります。
おおむね2.7倍前後、電子手ブレ補正を使用する条件ではさらにクロップされるため、約3倍程度の画角として考える必要があります。
たとえば17mmレンズなら約46mm相当から50mm相当前後となり、一般的なMFTでは広角寄りのレンズでも、MISSION 1 PRO ILSでは標準レンズに近い画角になります。
GoProだから当然超広角になると思って使うと、従来のHEROシリーズとはかなり違う映像になります。
広角撮影ではかなり短い焦点距離が必要
従来のGoProはカメラを購入した段階で超広角撮影ができました。
MISSION 1 PRO ILSでは、どの画角で撮影するかをレンズで決めることになります。
仮に6mmレンズを使用すると、35mm判換算では十数mmから20mm弱程度の超広角域となり、ようやく従来のGoProらしい広い画角へ近づいてきます。
10mmになると約27mmから30mm相当前後となるため、GoProとして考えるとかなり狭く感じる可能性があります。
一方、望遠側ではこのクロップが強みに変わります。
25mmレンズでも70mm前後、50mmなら135mm以上に相当する画角を得られます。
非常に小さなボディで中望遠や望遠撮影ができるため、従来のGoProにはなかった使い方が可能になります。
マイクロフォーサーズを含む主要マウントの特徴を見ても、MFTは小型レンズを組みやすいことが特徴です。
すべてのMFTレンズを普通に使えるわけではない
MISSION 1 PRO ILSについて最も注意したいのが、レンズの電子制御です。
一般的なMFTミラーレスでは、カメラ本体とレンズが電子接点を通じて通信します。
この通信によって、オートフォーカス、絞り制御、レンズ情報の伝達、レンズ内手ブレ補正などを動作させています。
MISSION 1 PRO ILSは、一般的なOM SYSTEMやLUMIXと同じ感覚ですべてのMFTレンズを使用するカメラではありません。
電子制御を前提としないマニュアルレンズとの組み合わせが中心になります。
MFと手動絞りのレンズが中心になる
MFTレンズの中には、ピントリングを回していても内部ではモーターによってピントを動かしている製品があります。
いわゆるフォーカス・バイ・ワイヤ方式です。
このようなレンズでは、レンズへ電力が供給されなければフォーカスリングを操作してもピントを動かせません。
同様に、絞りリングを持たず、ボディ側から電子制御するレンズでは絞り値を変更できません。
MISSION 1 PRO ILSとの組み合わせでは、機械式のマニュアルフォーカスと手動絞りを備えたレンズが使いやすくなります。
シネレンズ、マニュアル単焦点、魚眼、マクロ、アナモフィックなどとの相性が良いカメラです。
マイクロフォーサーズ関連記事で一般的なMFTシステムと比較すると、MISSION 1 PRO ILSの特殊性が分かります。
オートフォーカスを中心に考えたカメラではない
一般的なミラーレスでは、人物、動物、鳥、車などを認識して追従するAF性能が重要な競争分野になっています。
MISSION 1 PRO ILSは、そこを競うカメラではありません。
撮影前にピント位置を決める固定撮影や、撮影者が意図的にフォーカスを操作する映像制作を中心に考えた設計です。
映画や映像制作では、必ずしも自動で被写体を追い続けることが最適とは限りません。
人物が決められた位置へ移動する撮影では、あらかじめフォーカス位置を決めておき、必要に応じて撮影中にピント位置を変更します。
小型カメラを車内や狭い場所へ固定し、被写界深度を確保して撮る用途でも高速AFは必須ではありません。
シネマカメラとして考えると設計意図が見える
MISSION 1 PRO ILSを普通のミラーレスカメラとして見ると、AFや電子制御レンズに対応しないことが大きな制約に見えます。
小型シネマカメラとして見ると評価軸が変わります。
必要なレンズを選び、フォーカスを決め、狭い場所や特殊な位置へカメラを設置して撮影する。
これはGoProがこれまで得意としてきた撮影方法の延長です。
従来は固定レンズだったため画角の自由度に限界がありましたが、レンズ交換式になったことで撮影者側が光学系を選べるようになりました。
動画撮影におけるカメラごとの役割を考えると、MISSION 1 PRO ILSは一般的なミラーレスとは異なる場所を狙ったカメラといえます。
GoProのHyperSmoothと交換レンズを組み合わせる
GoPro最大の武器の一つが電子手ブレ補正HyperSmoothです。
アクションカメラで長年改良されてきた映像処理を、交換レンズ式カメラでも利用できることがMISSION 1 PRO ILSの特徴です。
一般的なカメラでは、ボディ内手ブレ補正でイメージセンサーそのものを動かしたり、レンズ内の光学系を動かして手ブレを補正したりします。
GoProは映像を電子的にクロップしながら補正する方法を得意としています。
そのためHyperSmoothを使用すると画角は若干狭くなります。
MISSION 1 PRO ILSでは元々1インチセンサーによるクロップがあるため、使用するレンズの焦点距離とHyperSmoothによる追加クロップを両方考えてレンズを選ぶ必要があります。
望遠側ではわずかな揺れも大きくなる
焦点距離が長くなるほど、わずかなカメラの動きでも映像上では大きな揺れになります。
50mmレンズでもMISSION 1 PRO ILSでは135mmから150mm前後に相当する画角になります。
小型のGoProボディへ望遠レンズを装着すると、レンズ側の重量も無視できません。
カメラ本体が軽いからといって、システム全体まで必ず軽くなるわけではありません。
大型レンズではカメラではなくレンズ側を支持し、リグや三脚へ固定する方法が必要になる場合もあります。
それでも、大型シネマカメラと比較すればカメラ部分を非常に小さくできることは大きな利点です。
8Kと高フレームレートはGoProらしい進化
MISSION 1 PRO ILSは高解像度動画だけでなく、高フレームレート撮影も重視しています。
この方向性は従来のGoProと共通しています。
アクション撮影では被写体の動きが速いため、高フレームレートで撮影して後からスローモーション再生する機会が多くあります。
GoProはそこへ8Kクラスの高解像度を組み合わせました。
高解像度で撮影しておけば、完成映像が4KやフルHDの場合でも、後処理でトリミングしたり画角を調整したりできます。
レンズ交換式になったことで光学的な画角選択が可能になり、さらに高解像度記録によって編集段階でも構図を調整できます。
オープンゲートは横動画と縦動画を作り分けやすい
オープンゲート撮影も現在の動画制作では重要な機能です。
通常の16:9だけで撮影すると、後から9:16の縦動画へ切り出したときに左右の大部分を捨てることになります。
センサーの縦方向まで広く記録しておけば、YouTube用の横動画、Shorts用の縦動画、SNS用の正方形動画などを同じ素材から作りやすくなります。
GoProは元々、後処理で画角を変更することを意識した撮影機能を積極的に採用してきました。
MISSION 1 PRO ILSでも、その考え方が本格的な映像制作へ広げられています。
現在のカメラカテゴリーの違いを見ても、動画専用機とアクションカメラの境界は以前より曖昧になっています。
なぜGoProはマイクロフォーサーズを選んだのか
GoProがレンズ交換式カメラを作るなら、独自マウントを開発する方法もあります。
しかし新しいマウントを作れば、対応レンズも一からそろえなければなりません。
カメラ本体を発売しても、使えるレンズが数本しかなければ、レンズ交換式としての魅力は限定されます。
マイクロフォーサーズを採用すれば、すでに市場に存在する大量のレンズやアクセサリーを利用できます。
特に動画用途では、機械式MFを採用したMFT用シネレンズが数多く存在します。
魚眼、超広角、マクロ、アナモフィックなど、通常の写真撮影では比較的特殊なレンズも選びやすいことが特徴です。
小型ボディを維持しやすいマウント
GoProにとってもう一つ重要なのがシステムサイズです。
大型フルサイズカメラ向けのマウントを採用すると、カメラ本体をどれだけ小型化してもレンズが大型化しやすくなります。
マイクロフォーサーズでは、小型の単焦点レンズやシネレンズを組み合わせやすく、GoProが重視する小型システムを維持しやすくなります。
特に1インチセンサーを使用するMISSION 1 PRO ILSでは、MFTレンズのイメージサークルを完全に使い切る必要もありません。
中央部分を使うことで、レンズ選択の自由度とカメラ本体の小型化を両立させています。
マイクロフォーサーズと他マウントの特徴を比較すると、小型映像システムを作るうえでMFTを選ぶ理由が見えてきます。
GoPro参入でMFTの意味が変わる
これまでマイクロフォーサーズは、フルサイズより小さなセンサーを採用するミラーレスシステムとして語られることが多くありました。
GoProのMISSION 1 PRO ILSは、その見方を変える可能性があります。
センサーは1インチでありながらマウントはMFTです。
つまりマイクロフォーサーズを「特定サイズのセンサーを搭載するカメラ」としてだけ見る必要はありません。
多数のレンズを利用できる共通マウントとして考えることもできます。
ここにGoPro参入の大きな意味があります。
写真用ミラーレスだけの規格ではなくなる
OM SYSTEMは小型軽量、望遠、防塵防滴などを生かした写真撮影を得意としています。
LUMIXは写真だけでなく、本格的な動画撮影機能も積極的に取り入れてきました。
GoProはさらに別の方向からMFTへ入ってきます。
小型シネマカメラ、特殊アングル撮影、アクション撮影、高フレームレート撮影などです。
同じマウントでありながら、それぞれのメーカーが全く違うカメラを作れることになります。
将来的には映像制作、ドローン、産業用カメラ、配信用カメラなど、さらに別の用途でMFTが利用される可能性もあります。
マイクロフォーサーズの記事一覧を見ると、同じ規格の中でもカメラごとの方向性がかなり異なることが分かります。
OM SYSTEMやLUMIXと直接競合するカメラではない
GoProがMFTへ参入したと聞くと、OM SYSTEMやLUMIXの新しい競合メーカーが現れたようにも見えます。
実際には製品の方向性が大きく異なります。
OM SYSTEMやLUMIXでは、AF、電子制御レンズ、ボディ内手ブレ補正、静止画撮影、EVF、連写など、一般的なミラーレスとしての機能が重視されています。
MISSION 1 PRO ILSでは、小型映像機としての性能が中心です。
手持ちで写真を撮り歩くためのカメラというより、撮影システムの一部として設置して使う性格が強くなります。
そのため、既存のMFTユーザーをそのまま奪う製品というより、これまでMFTを使っていなかった映像制作者を新たに呼び込む存在になる可能性があります。
同じマウントでも用途はまったく違う
たとえば一般的なMFTミラーレスでは、カメラを構えてファインダーや背面モニターを見ながら撮影します。
動く被写体へAFを合わせ、露出を変更しながら写真や動画を撮る使い方が中心です。
MISSION 1 PRO ILSでは、車内、機械内部、狭い場所、ジンバル、リグなどへカメラを取り付け、撮影開始後はカメラへ直接触れないような使い方も考えられます。
GoProが得意としてきた「普通のカメラでは撮りにくい位置から映像を撮る」という考え方は変わっていません。
変わったのは、そのカメラでレンズまで選択できるようになったことです。
動画制作で使われるさまざまなカメラの中でも、かなり独特な位置を占める製品です。
従来のGoPro HEROを置き換えるものではない
MISSION 1 PRO ILSはレンズ交換式だから、従来のGoProより上位の万能モデルになるという単純な関係ではありません。
HEROシリーズには、レンズ一体型だからこその強みがあります。
カメラを取り出してすぐ撮影でき、レンズ選択やピント合わせを意識する必要がありません。
超広角レンズ、防水性、耐衝撃性、小型ボディを一体化したことで、アクションカメラとして非常に使いやすい製品になっています。
MISSION 1 PRO ILSは、撮影前にレンズを選び、焦点距離、フォーカス、絞りを決める必要があります。
手軽さより自由度を選んだカメラです。
HEROとMISSIONでは役割が分かれる
自転車、バイク、ヘルメット、サーフィン、水中、旅行などで気軽に撮影するなら、従来型GoProの方が扱いやすい場面は多くあります。
MISSION 1 PRO ILSは、広角だけに縛られないことが最大の違いです。
人物を中望遠で撮る、マクロレンズで小さな被写体を撮る、魚眼レンズで強烈な広角映像を作る、アナモフィックレンズで映画的な画面を作るといった撮影ができます。
GoProがHEROをレンズ交換式へ変更したのではなく、HEROとは別の撮影領域へ進出したと考える方が分かりやすいでしょう。
カメラを用途別に分類して考えると、この違いがはっきりします。
大型センサー競争とは違う方向へ進むGoPro
現在のカメラ市場では、フルサイズセンサーを搭載することが高性能の象徴として扱われることがあります。
しかし映像機器では、センサーが大きければすべての用途で有利になるわけではありません。
カメラが大型化すれば、狭い場所へ設置しにくくなり、レンズも大型化しやすくなります。
ジンバル、車載、ドローン、リグなどでは重量そのものが大きな問題になります。
MISSION 1 PRO ILSは、むしろ1インチセンサーを選択しています。
さらにMFTマウントを組み合わせることで、巨大なセンサーと巨大なレンズへ向かう競争とは別の方向を選びました。
小型であること自体を性能にする
カメラの性能は画質だけで決まるものではありません。
大きなカメラでは撮れない位置へ置けることも性能です。
大型レンズでは実現できない小さな撮影システムを組めることも性能です。
撮影者が持たずに、機材の一部としてカメラを組み込めることも映像制作では重要になります。
GoProは長年、この「小さいから撮れる映像」を武器にしてきました。
MISSION 1 PRO ILSでは、そこへ交換レンズという新しい自由度が加わります。
センサーサイズとレンズの関係を考えると、1インチセンサーとMFTマウントという一見不思議な組み合わせにも合理性があります。
GoPro参入はマイクロフォーサーズにとって大きな転換点になるか
マイクロフォーサーズは長い間、OM SYSTEMとパナソニックを中心とした小型ミラーレスシステムとして認識されてきました。
GoProの参加によって、その枠が広がります。
GoProが作ろうとしているのは、OM SYSTEMの代わりでもLUMIXの代わりでもありません。
GoPro自身が得意としてきた小型映像機の世界へ、MFTマウントを持ち込んだカメラです。
この方向が広がれば、マイクロフォーサーズは写真用ミラーレスの市場規模だけでは評価できない規格になります。
多数のレンズが存在し、複数メーカーが利用でき、カメラ側の用途に応じてセンサーサイズさえ変えられる。
GoProの参入によって、MFTが持つ自由度が改めて見える形になりました。
まとめ
GoProがマイクロフォーサーズ規格へ正式参加し、レンズ交換式のMISSION 1 PRO ILSを展開することは、GoProとMFTの双方にとって興味深い動きです。
MISSION 1 PRO ILSは、一般的なマイクロフォーサーズミラーレスとは大きく異なります。
搭載するのは1インチセンサーで、通常のMFTより画角が狭くなります。レンズについても、電子制御AFレンズを自由に使うタイプではなく、MFや手動絞りを中心とした映像制作用途が想定されています。
その一方で、GoProが長年培ってきた小型化、高フレームレート、電子手ブレ補正と、MFTが持つ豊富な交換レンズ資産を組み合わせられることは大きな特徴です。
これまでGoProは、固定された超広角レンズで世界を撮るカメラでした。
MISSION 1 PRO ILSでは、撮影者自身がレンズを選び、画角を決め、映像表現を作ることになります。
そしてGoProが、そのためのマウントとして選んだのがマイクロフォーサーズです。
フルサイズ化とは別の方向で、小型、軽量、交換レンズ、動画という特徴を伸ばしてきたMFTに、アクションカメラを代表するメーカーが加わりました。
MISSION 1 PRO ILSという1台のカメラ以上に、「GoProがマイクロフォーサーズを選んだ」という事実そのものが、今後のMFTを考えるうえで重要な出来事になりそうです。


