富士フイルム XF400mmF4.5 R LM OIS WRを徹底解説|609mm相当・F4.5・約1,245gの超望遠単焦点
富士フイルム「XF400mmF4.5 R LM OIS WR」は、Xシリーズ用XFレンズに加わった400mm F4.5の超望遠単焦点レンズです。APS-CフォーマットのXシリーズでは35mm判換算609mm相当の画角となり、野鳥、野生動物、航空機、モータースポーツなど、遠くの被写体を大きく写したい撮影を主な用途としています。
注目したいのは、609mm相当という本格的な超望遠画角とF4.5の明るさを持ちながら、質量を約1,245gに抑えていることです。さらに5.5段の光学式手ブレ補正、リニアモーターによる高速AF、フォーカスプリセット、フォーカスリミッター、1.4倍・2倍テレコンバーター対応まで備えています。
富士フイルムにはすでにXF500mmF5.6 R LM OIS WRがあり、こちらは35mm判換算762mm相当です。さらにXF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WRという超望遠ズームもあります。XF400mmF4.5は、その中で「500mmより広く、明るく、軽く、600mm相当付近を基準に使える単焦点」という立ち位置になります。
この記事では、XF400mmF4.5 R LM OIS WRのスペック、609mm相当という画角、F4.5の明るさ、約1,245gの重量、5.5段手ブレ補正、AF、テレコンバーター、XF500mmF5.6やXF150-600mmとの違い、野鳥や航空機での使い方まで詳しく解説します。
- XF400mmF4.5 R LM OIS WRの主なスペック
- 400mmがXシリーズでは609mm相当になる
- F4.5の明るさが大きな特徴
- 約1,245gで609mm相当F4.5を持ち歩ける
- 5.5段の光学式手ブレ補正を搭載
- 高速・静音AFにはリニアモーターを採用
- フォーカスプリセットを搭載
- フォーカスリミッターでAFの移動範囲を制限できる
- 14群21枚でスーパーED2枚・ED4枚を使用
- 最短撮影距離2.75m・最大撮影倍率0.16倍
- 1.4倍テレコンで560mm F6.3・853mm相当
- 2倍テレコンでは800mm F9・1,219mm相当
- XF400mmF4.5とXF500mmF5.6を比較
- XF150-600mmF5.6-8との違い
- XF200mmF2とXF500mmF5.6の間を埋める単焦点
- 野鳥撮影ではXF400mmF4.5をどう使うか
- 航空機撮影でも400mm F4.5は使いやすい
- モータースポーツではAFとF4.5を生かせる
- 防塵防滴と-10℃耐低温で屋外撮影を重視
- 95mmフィルターを使用する
- XF400mmF4.5が向いている撮影
- XF400mmF4.5の弱点も確認しておきたい
- XF400mmF4.5はXシリーズの超望遠単焦点をつなぐ中心的な400mm
XF400mmF4.5 R LM OIS WRの主なスペック
| 項目 | XF400mmF4.5 R LM OIS WR |
|---|---|
| 焦点距離 | 400mm |
| 35mm判換算 | 609mm相当 |
| 開放F値 | F4.5 |
| 最小絞り | F22 |
| レンズ構成 | 14群21枚 |
| 特殊レンズ | スーパーEDレンズ2枚、EDレンズ4枚 |
| 絞り羽根 | 9枚・円形絞り |
| 最短撮影距離 | 2.75m |
| 最大撮影倍率 | 0.16倍 |
| 手ブレ補正 | 5.5段 |
| AF | リニアモーター・インナーフォーカス |
| フィルター径 | 95mm |
| 最大径 | 104.5mm |
| 全長 | 239.5mm |
| 質量 | 約1,245g |
| 防塵防滴 | 対応 |
| 耐低温 | -10℃ |
| テレコンバーター | XF1.4X TC WR・XF2X TC WR対応 |
スペックを見ると、XF400mmF4.5は単純に焦点距離400mmの単焦点というだけではありません。APS-Cによる609mm相当の画角、F4.5、約1,245g、5.5段OISという組み合わせが、このレンズの性格を決めています。
400mmがXシリーズでは609mm相当になる
XF400mmF4.5 R LM OIS WRの実焦点距離は400mmです。富士フイルムXシリーズはAPS-Cセンサーを採用しているため、35mm判換算では609mm相当の画角になります。
つまりフルサイズで600mm前後を使う感覚に近い画角を、400mmの光学系で得られることになります。
野鳥で使いやすい600mm相当の画角
野鳥撮影では400mmでは被写体が小さく、600mm前後まで欲しくなる場面が少なくありません。小鳥、猛禽類、水鳥など、撮影者が自由に近づけない被写体では特に焦点距離が必要になります。
XF400mmF4.5はXシリーズへ装着した時点で609mm相当の画角になるため、テレコンバーターを使わなくても本格的な野鳥撮影へ入れます。
400mmという焦点距離そのものの特徴については、400mmレンズの使い道|野鳥・スポーツ・航空機・風景で生かす超望遠撮影でも詳しく紹介しています。
600mm相当は長すぎない超望遠でもある
超望遠では焦点距離が長いほど遠くの被写体を大きく写せますが、画角は狭くなります。800mmや1000mm相当になると、飛んでいる鳥や高速で動く航空機を最初にファインダーへ入れる難易度も上がります。
609mm相当なら十分な超望遠効果を得ながら、さらに長い焦点距離より被写体を追いやすくなります。静止した小鳥だけでなく、飛翔する鳥、航空機、モータースポーツまで幅広く使いやすい画角です。
F4.5の明るさが大きな特徴
XF400mmF4.5 R LM OIS WRは開放F4.5です。超望遠では高速シャッターを使う機会が多いため、この明るさは重要です。
野鳥の飛翔なら1/2000秒前後、さらに高速な動きを止めるなら1/3200秒や1/4000秒を使うこともあります。シャッタースピードを速くするほどセンサーへ届く光は減るため、レンズの開放F値がISO感度へ直接影響します。
XF500mmF5.6より約2/3段明るい
XF500mmF5.6 R LM OIS WRの開放F値はF5.6です。XF400mmF4.5は約2/3段明るいため、同じシャッタースピードならISO感度を抑えやすくなります。
晴天の日中なら差が小さく見えても、早朝、夕方、曇天、林の中などでは明るさの差が効いてきます。野鳥は必ず明るい場所へ出てくるとは限らず、木陰や暗い背景で撮る機会も多いためです。
F4.5は背景ボケにも影響する
超望遠では焦点距離そのものによって背景を大きくぼかしやすくなります。400mm F4.5で被写体へピントを合わせ、背景まで十分な距離があれば、背景を大きくぼかして被写体を浮き上がらせることができます。
野鳥の後ろに枝や葉がある場合でも、撮影位置を調整して背景との距離を確保すれば、細かな背景を柔らかな色面へ変えやすくなります。
約1,245gで609mm相当F4.5を持ち歩ける
XF400mmF4.5 R LM OIS WRの質量は約1,245gです。レンズキャップ、フード、三脚座を除いた値ですが、600mm相当の画角とF4.5を持つ超望遠単焦点として機動性を重視した設計です。
XF500mmF5.6より約90g軽い
XF500mmF5.6 R LM OIS WRは約1,335gなので、XF400mmF4.5は約90g軽くなります。
差は極端に大きくありませんが、XF400mmF4.5は500mmより明るいF4.5でありながら軽量です。さらに全長も239.5mmで、XF500mmF5.6の255.5mmより16mm短くなっています。
野鳥撮影ではレンズを構えている時間だけでなく、林や河川敷を歩きながら被写体を探す時間が長くなります。超望遠レンズでは、持ち運びやすさそのものが撮影機会に影響します。
前側へ重さが集中しにくい設計
大口径超望遠は大きな前玉を必要とするため、レンズ前方が重くなりやすくなります。XF400mmF4.5ではレンズ配置を工夫し、持ったときの重量バランスにも配慮されています。
数字上の重量が同じでも、重心が前にあるレンズは手首や左腕への負担が大きくなります。長時間の手持ち撮影では、総重量だけでなく重心位置も重要です。
5.5段の光学式手ブレ補正を搭載
XF400mmF4.5 R LM OIS WRには5.5段の光学式手ブレ補正が搭載されています。
609mm相当の超望遠では、わずかなカメラの動きでもファインダー内では大きな揺れとして見えます。手ブレ補正は写真そのもののブレを抑えるだけでなく、被写体を画面内へ安定して置くためにも重要です。
飛んでいる鳥を追うときにもファインダーが安定する
飛翔する鳥を追う場合、被写体をファインダー中央付近へ保ちながらカメラを動かします。焦点距離が長いほど小さな揺れが拡大されるため、被写体を見失いやすくなります。
OISによってファインダー像が安定すると、AFエリアを被写体へ重ね続けやすくなります。超望遠では手ブレ補正を単純な低速シャッター用機能として考えるだけでなく、フレーミングを安定させる機能として考えることも重要です。
手ブレ補正があっても動く鳥には高速シャッターが必要
5.5段のOISがあっても、飛んでいる鳥そのものの動きを止めることはできません。鳥の羽ばたきや移動を止めるには、高速シャッターが必要です。
手ブレ補正は撮影者側の揺れを抑え、F4.5は高速シャッターを確保しやすくする役割があります。この二つを組み合わせることで、超望遠の手持ち撮影を行いやすくしています。
高速・静音AFにはリニアモーターを採用
AFにはリニアモーターとインナーフォーカス方式を採用しています。フォーカシングで動かすレンズ群を小型軽量化することで、高速なピント移動を狙った構造です。
野鳥や航空機ではAF速度が重要
止まっている鳥だけを撮るなら、AF速度が多少遅くても撮影できます。しかし枝から突然飛び立った鳥、こちらへ近づく航空機、高速で移動するレーシングカーなどでは、レンズがピント位置を素早く移動できることが重要になります。
X-H2Sなど被写体追従AFに強いボディーと組み合わせる場合も、レンズ側のフォーカス群が素早く動かなければカメラ側の性能を十分に生かせません。
インナーフォーカスで全長が変化しない
インナーフォーカスなので、ピント合わせによってレンズ全長が大きく伸び縮みする構造ではありません。
超望遠レンズではレンズを支えながら被写体を追うため、フォーカシングによって重量バランスが大きく変わらないことも扱いやすさにつながります。
フォーカスプリセットを搭載
XF400mmF4.5 R LM OIS WRにはSETボタンとフォーカスプリセット機能が搭載されています。あらかじめピント位置を登録し、必要なときにその位置へ素早く戻すことができます。
野鳥の止まり場所が決まっている撮影で便利
鳥が繰り返し同じ枝や場所へ戻ってくる場合、その位置をあらかじめ登録できます。
別の場所を撮影していたあとでも、プリセットを呼び出せば登録した距離付近へ素早くピントを移動できます。遠距離から近距離までAFを大きく移動させる時間を減らせるため、突然戻ってきた鳥へ対応しやすくなります。
スポーツやモータースポーツでも使える
コーナー、ゴール付近、ジャンプ地点など、被写体が必ず通過する場所が分かっている競技でもフォーカスプリセットを利用できます。
超望遠単焦点では画角が狭いため、あらかじめ撮影位置が決まっている場面との相性が高くなります。
フォーカスリミッターでAFの移動範囲を制限できる
XF400mmF4.5には撮影距離範囲切り換えスイッチがあり、5m以上の遠距離を撮影するときにフォーカスの駆動範囲を制限できます。
超望遠レンズは近距離から無限遠までのフォーカス移動量が大きいため、AFが一度大きく外れると復帰に時間がかかることがあります。
遠くの野鳥や航空機だけを撮るなら、近距離側を使わないように制限することで、不要なフォーカス移動を減らせます。
14群21枚でスーパーED2枚・ED4枚を使用
レンズ構成は14群21枚で、スーパーEDレンズ2枚とEDレンズ4枚を使用しています。
超望遠では色収差が画質へ影響しやすく、鳥の羽毛、航空機の輪郭、枝などの高コントラスト部分に色にじみが出ると、細部の鮮明さが低下します。
400mm F4.5で高い解像力を狙った設計
遠くの小さな被写体を撮影するときは、単に焦点距離が長いだけでは十分ではありません。被写体そのものがセンサー上で小さくなるため、羽毛や機体の細かな文字まで残すにはレンズの解像性能が重要です。
特に高画素のX-H2と組み合わせる場合、レンズ側にも高い解像力が求められます。トリミングを前提にする野鳥撮影では、元画像にどこまで細部が残っているかが最終的な写真へ大きく影響します。
最短撮影距離2.75m・最大撮影倍率0.16倍
最短撮影距離は2.75m、最大撮影倍率は0.16倍です。
マクロレンズのような接写性能ではありませんが、400mmという超望遠レンズとしては近距離の鳥、動物、花などにも利用できます。
近くへ来た小鳥にも対応できる
野鳥撮影では遠くの鳥だけを撮るとは限りません。撮影者が静かに待っていると、鳥が数m先まで近づいてくる場合があります。
最短撮影距離2.75mなら、そのような場面でもピントを合わせることができます。609mm相当の狭い画角なので、小さな鳥の顔や羽毛を大きく切り取る撮影にも使えます。
1.4倍テレコンで560mm F6.3・853mm相当
XF1.4X TC WRを装着すると、焦点距離は560mm、開放F値はF6.3になります。35mm判換算では853mm相当です。
| 構成 | 実焦点距離 | 35mm判換算 | 開放F値 |
|---|---|---|---|
| XF400mm単体 | 400mm | 609mm相当 | F4.5 |
| XF1.4X TC WR | 560mm | 853mm相当 | F6.3 |
| XF2X TC WR | 800mm | 1,219mm相当 | F9 |
普段は609mm相当、必要なときだけ853mm相当にできる
XF400mmF4.5の使いやすさは、通常時に609mm相当F4.5として使いながら、遠距離では853mm相当F6.3へ変更できることです。
飛翔する鳥を追うときには609mm相当で画角を確保し、遠くの止まっている小鳥を撮るときだけ1.4倍テレコンを使うという運用ができます。
常に800mm相当以上のレンズを使うより、被写体との距離によって焦点距離を変えられるため、400mm単焦点でも撮影範囲を広げられます。
2倍テレコンでは800mm F9・1,219mm相当
XF2X TC WRを装着すると800mm F9となり、35mm判換算では1,219mm相当という非常に長い画角になります。
遠くの猛禽類、水鳥、航空機など、609mm相当でも小さく写る被写体をさらに大きくできます。
1,219mm相当では被写体を見つける難易度も上がる
焦点距離が長くなるほど被写体を大きく写せますが、画角は急激に狭くなります。1,219mm相当では、飛んでいる鳥をファインダーへ入れるだけでも難しくなります。
さらに開放F値はF9になるため、曇天や夕方ではISO感度も上がりやすくなります。
2倍テレコンは常用するというより、十分な光量があり、遠距離の被写体をできるだけ大きく写したい場面で使う構成です。
XF400mmF4.5とXF500mmF5.6を比較
富士フイルムXシリーズで超望遠単焦点を選ぶ場合、最も直接的な比較対象になるのがXF500mmF5.6 R LM OIS WRです。
| 項目 | XF400mmF4.5 | XF500mmF5.6 |
|---|---|---|
| 焦点距離 | 400mm | 500mm |
| 35mm判換算 | 609mm相当 | 762mm相当 |
| 開放F値 | F4.5 | F5.6 |
| 手ブレ補正 | 5.5段 | 5.5段 |
| 最短撮影距離 | 2.75m | 2.75m |
| 最大撮影倍率 | 0.16倍 | 0.20倍 |
| 最大径 | 104.5mm | 104.5mm |
| 全長 | 239.5mm | 255.5mm |
| 重量 | 約1,245g | 約1,335g |
| フィルター径 | 95mm | 95mm |
XF400mmF4.5は明るさと追いやすさを重視
XF400mmF4.5は609mm相当なので、XF500mmF5.6の762mm相当より画角が広くなります。
飛翔する鳥、航空機、モータースポーツなど高速で動く被写体では、画角が広い方が被写体を見つけやすく、フレーム内へ維持しやすくなります。
さらにF4.5なので、F5.6より高速シャッターを確保しやすいことも動体撮影では大きな特徴です。
XF500mmF5.6は遠距離の小さな被写体を大きく写せる
XF500mmF5.6は762mm相当なので、同じ場所から撮影するならXF400mmF4.5より被写体を大きく写せます。
小型の野鳥、遠くの猛禽類、広い湖の水鳥など、撮影距離を縮められない場面では500mmの長さが生きます。
500mmという焦点距離については、500mmレンズの使い道|野鳥・航空機・スポーツ・風景で生かす超望遠撮影でも詳しく解説しています。
重量とサイズは意外に近い
重量は400mmが約1,245g、500mmが約1,335gで、差は約90gです。全長も400mmが239.5mm、500mmが255.5mmなので、16mmの差しかありません。
そのため「軽い400mmか、巨大な500mmか」という比較にはなりません。どちらも小型軽量を重視した超望遠単焦点で、画角と明るさのどちらを優先するかが選択の中心になります。
XF150-600mmF5.6-8との違い
単焦点にこだわらない場合、XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WRも有力な比較対象です。
| 項目 | XF400mmF4.5 | XF150-600mmF5.6-8 |
|---|---|---|
| 焦点距離 | 400mm固定 | 150-600mm |
| 35mm判換算 | 609mm相当 | 229-914mm相当 |
| 開放F値 | F4.5 | F5.6-8 |
| 重量 | 約1,245g | 約1,605g |
| 全長 | 239.5mm | 314.5mm |
| 最短撮影距離 | 2.75m | 2.4m |
| 最大撮影倍率 | 0.16倍 | 0.24倍 |
150-600mmは画角を瞬時に変えられる
XF150-600mmの最大の強みはズームです。飛んでいる鳥を229mm相当付近で見つけ、そのまま914mm相当までズームして大きく写すことができます。
被写体との距離が頻繁に変わるスポーツ、航空機、大型動物などでは、ズームの柔軟性が非常に大きな利点になります。
150-600mmという焦点距離の使い方については、150-600mmレンズの使い道|野鳥・飛行機・スポーツ・動物を撮る超望遠ズーム活用法でも詳しく紹介しています。
XF400mmF4.5は明るく約360g軽い
XF150-600mmは約1,605gなので、XF400mmF4.5は約360g軽くなります。
さらに400mm位置でF4.5を使えるため、ズームより明るさを確保できます。撮影の大部分を600mm相当前後で行い、ズームを頻繁に使わない場合には、400mm単焦点の軽さと明るさが生きます。
XF200mmF2とXF500mmF5.6の間を埋める単焦点
富士フイルムの超望遠単焦点にはXF200mmF2 R LM OIS WRとXF500mmF5.6 R LM OIS WRがあります。
XF200mmF2は305mm相当で非常に明るいF2、XF500mmF5.6は762mm相当で遠距離に強いレンズです。XF400mmF4.5は、その間に609mm相当という画角を加えます。
200mm F2は明るさ、400mm F4.5はバランス、500mm F5.6はリーチ
XF200mmF2は約2,265gと大型ですが、F2の明るさがあります。屋内スポーツや夕方など、光量の少ない環境で高速シャッターを使う用途では独自の存在です。
XF400mmF4.5は約1,245gまで軽くしながら609mm相当へ伸ばし、F4.5を確保しています。野鳥、航空機、屋外スポーツなどで焦点距離、明るさ、重量のバランスを取った位置です。
XF500mmF5.6はさらに762mm相当まで伸ばし、遠距離の小さな被写体を優先します。
野鳥撮影ではXF400mmF4.5をどう使うか
XF400mmF4.5 R LM OIS WRの中心的な用途の一つが野鳥撮影です。
飛翔撮影では609mm相当が扱いやすい
飛んでいる鳥を撮る場合、焦点距離が長すぎると鳥をファインダーへ入れること自体が難しくなります。
609mm相当なら小鳥や猛禽類を十分大きく写しながら、800mmや1000mm相当ほど画角を狭くしません。鳥を見つけ、追い続けるという操作とのバランスを取りやすい焦点距離です。
F4.5で高速シャッターを確保する
飛翔では1/2000秒以上を使う場面が多く、曇天や夕方にはISO感度が上がります。
F4.5ならF5.6やF8の超望遠より光量を確保しやすいため、同じシャッタースピードでISO感度を抑えられます。
遠い小鳥なら1.4倍テレコンへ切り替える
609mm相当で足りない場合は、1.4倍テレコンを使って853mm相当F6.3へ切り替えられます。
400mm単焦点だから常に609mm相当だけで撮らなければならないわけではありません。通常は画角と明るさを優先し、遠距離だけテレコンを使う運用ができます。
航空機撮影でも400mm F4.5は使いやすい
航空機撮影では機体が高速で移動し、撮影距離も大きく変化します。固定焦点の400mmにはズームの柔軟性はありませんが、609mm相当とF4.5の組み合わせには明確な特徴があります。
遠くの機体を大きく写せる
空港の展望エリア、航空祭、離着陸を遠距離から撮影する場所では、300mm相当では機体が小さくなる場合があります。609mm相当なら遠くの機体を大きく配置できます。
F4.5は夕方の航空機でも使いやすい
夕方や曇天ではシャッタースピードを維持するためISO感度が上がります。F4.5ならF8クラスの望遠ズームより明るいため、動く航空機を止める設定を作りやすくなります。
一方、機体が急速に近づいてくる場所では609mm相当では画角が狭くなるため、撮影位置との相性を考える必要があります。
モータースポーツではAFとF4.5を生かせる
サーキットでは撮影者と車両の距離が離れているため、超望遠レンズが必要になる場面があります。
XF400mmF4.5なら609mm相当で遠くの車両を大きく写し、リニアモーターAFで高速移動を追えます。
高速シャッターと流し撮りを使い分ける
車両を完全に止めるなら高速シャッターを使い、背景を流して速度感を出したい場合はシャッタースピードを落とします。
609mm相当では手の動きも拡大されるため、5.5段OISがフレーミングの安定に役立ちます。
防塵防滴と-10℃耐低温で屋外撮影を重視
鏡筒20か所にシーリングが施され、防塵防滴と-10℃の耐低温構造を備えています。レンズ前面にはフッ素コーティングも施されています。
野鳥や野生動物の撮影では、晴れた日にだけ撮影できるとは限りません。朝露、小雨、砂埃、冬の低温環境などで使う可能性があります。
超望遠単焦点は撮影地まで持ち出して初めて性能を生かせるため、屋外での継続的な使用を考えた構造は重要です。
95mmフィルターを使用する
フィルター径は95mmです。XF500mmF5.6と同じサイズなので、両レンズを使う場合にはフィルターを共用できます。
95mmフィルターは小径レンズ用より大きくなりますが、前面へ直接装着できる一般的なねじ込み式なので、保護フィルターなどを使えます。
XF400mmF4.5が向いている撮影
| 用途 | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 野鳥 | 非常に高い | 609mm相当・F4.5・高速AF・5.5段OIS |
| 野生動物 | 非常に高い | 遠距離撮影と携帯性を両立 |
| 航空機 | 非常に高い | 609mm相当と高速AF |
| モータースポーツ | 高い | 高速AFとF4.5 |
| 屋外スポーツ | 高い | 遠距離の選手を大きく撮影 |
| 風景 | 高い | 遠景を狭い画角で切り取れる |
| 月 | 高い | 609mm相当、テレコンでさらに拡大 |
| 旅行 | 用途次第 | 超望遠としては軽量だが用途が限定される |
| 近距離スナップ | 低い | 609mm相当で画角が狭い |
XF400mmF4.5の弱点も確認しておきたい
XF400mmF4.5 R LM OIS WRは超望遠撮影に特化したレンズなので、万能ではありません。
単焦点なので画角を変えられない
最大の違いはズームできないことです。被写体が急に近づいた場合、400mmから300mmや200mmへ戻すことはできません。
飛翔する大型の鳥や航空機が近距離へ来た場合、被写体全体がフレームへ収まらないことがあります。被写体との距離が大きく変化する撮影ではXF150-600mmの方が柔軟です。
609mm相当でも遠距離の小鳥には短い場合がある
小鳥を遠距離から画面いっぱいに写す用途では、609mm相当でも足りない場合があります。
その場合にはXF500mmF5.6の762mm相当を選ぶか、XF400mmF4.5へ1.4倍テレコンを装着して853mm相当にする方法があります。
約1,245gは一般的なレンズとしては重い
超望遠単焦点としては小型軽量ですが、一般的な標準ズームや単焦点と比べれば約1.25kgは明確に重量があります。
ボディーと組み合わせればシステム全体はさらに重くなるため、何時間も構え続ける撮影では一脚や三脚を併用する意味も残ります。
XF400mmF4.5はXシリーズの超望遠単焦点をつなぐ中心的な400mm
XF400mmF4.5 R LM OIS WRは、400mmという実焦点距離をAPS-CのXシリーズで使うことで609mm相当の画角を得られる超望遠単焦点です。
F4.5の明るさ、約1,245gの重量、5.5段の光学式手ブレ補正、リニアモーターAF、フォーカスプリセット、フォーカスリミッター、防塵防滴、-10℃耐低温という構成は、野鳥や航空機など屋外の動体撮影を強く意識しています。
XF500mmF5.6と比べると100mm短く、35mm判換算では609mm相当と762mm相当の違いになります。その代わりXF400mmF4.5は約2/3段明るく、約90g軽く、全長も短くなっています。
XF150-600mmF5.6-8と比べればズームはできませんが、約360g軽く、400mm時にF4.5を使えることが大きな違いです。遠距離の被写体へ対応しながら、明るさと機動性を優先する方向のレンズです。
さらに1.4倍テレコンを使えば560mm F6.3・853mm相当、2倍テレコンなら800mm F9・1,219mm相当まで焦点距離を拡張できます。通常は609mm相当の追いやすさとF4.5を使い、必要な場面だけさらに長くするという運用も可能です。
富士フイルムXシリーズで野鳥や航空機を撮る場合、XF400mmF4.5は単純に「400mmの新しいレンズ」という位置づけではありません。609mm相当という実用的な超望遠画角を基準に、明るさ、重量、AF、手ブレ補正、テレコン対応をまとめた超望遠単焦点です。



