EF50mm F1.8 IIで野鳥ライブ|50mm単焦点をヤマガラ配信で使ってみる
野鳥撮影というと、400mmや600mmといった望遠レンズを思い浮かべる人が多いでしょう。ところが、窓のすぐ近くまで野鳥がやって来る固定ライブでは事情がまったく違います。
今回ヤマガラライブで使用するのは、Canonの古い標準単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」です。
一般的な野鳥撮影では50mmは短すぎます。しかし、カメラを固定し、ヤマガラが来る場所までの距離が近いライブ配信では、50mmという焦点距離が非常に面白い選択肢になります。
これまでヤマガラライブではRF16mm F2.8 STMを使ってきました。16mmは周囲の様子まで広く映せる一方、鳥そのものは画面の中で小さくなります。そこでEF50mm F1.8 IIへ変更し、画面の中でヤマガラを大きく見せることを狙いました。
この記事では、EOS R5とEF50mm F1.8 IIを使った野鳥ライブについて、RF16mmとの画角の違い、50mmが使える条件、ピント、絞り、背景の見え方、OBSを使ったライブ配信との相性を実際の運用をもとに紹介します。
EF50mm F1.8 IIを野鳥ライブで使う理由
- 16mmよりヤマガラを大きく映せる
- 近距離固定撮影なら50mmでも野鳥を狙える
- 安価な古い単焦点レンズをライブ配信に活用できる
16mmでは鳥が画面の中で小さくなる
RF16mm F2.8 STMは非常に広い範囲を映せるレンズです。カメラのすぐ前にある場所から周囲の景色まで入るため、野鳥がどこから飛んできて、どこへ移動したのかも分かりやすくなります。
野鳥ライブとして見ると、この広さには大きな利点があります。鳥が予定した位置から多少外れても画面内に残りやすく、固定カメラで長時間配信する用途には扱いやすい画角です。
一方で、16mmには明確な問題もあります。ヤマガラが実際にはかなり近くまで来ていても、画面全体が広いため、映像の中では鳥が小さく見えます。
YouTubeライブではスマートフォンの小さな画面で見る人もいます。PCの大きなモニターなら鳥の姿を確認できても、スマートフォンでは背景の中に埋もれてしまうことがあります。
そこで焦点距離を50mmまで伸ばせば、同じ場所に来たヤマガラを画面内で大きく見せられます。16mmから50mmへの変更は数字以上に画角の差が大きく、ライブ映像の印象も大きく変わります。
RF16mm F2.8 STMを使った野鳥撮影については、RF16mm F2.8 STMで野鳥撮影はできるのか?でも詳しく紹介しています。
近距離の固定撮影なら50mmでも野鳥を狙える
通常の野鳥撮影で50mmを使っても、鳥は画面の中に小さくしか写りません。公園や河川敷で野鳥を探しながら撮影するのであれば、50mmは野鳥用レンズとは考えにくい焦点距離です。
ヤマガラライブでは条件が違います。
カメラを持って鳥へ近づくのではなく、鳥がカメラの近くまでやって来ます。撮影場所と鳥が止まる位置がほぼ決まっているため、一般的な野鳥撮影で必要になる長い望遠レンズが必須ではありません。
この「鳥がこちらへ来る」という条件が、50mmを使える最大の理由です。
ライブカメラを設置する場所とヤマガラが来る位置との距離が近ければ、50mmでも十分な大きさで鳥を映せます。さらに固定撮影なので、鳥を探してレンズを振り回す必要もありません。
50mmでは画角が狭くなるため、鳥が想定位置から大きく外れると画面から消えます。その代わり、狙った場所へ来た瞬間には16mmより鳥を大きく表示できます。
つまり、50mmは野鳥全般を追いかけるためのレンズではなく、「鳥が来る場所が決まっている近距離ライブ」という条件で成立する焦点距離です。
EF50mm F1.8 IIという古いレンズを生かせる
EF50mm F1.8 IIは、現在のRFレンズとは世代が大きく異なる古いEF単焦点レンズです。外装やAF機構も新しいレンズとは違いますが、50mm F1.8という基本的な光学性能はライブ配信でも利用できます。
EOS R5で使用する場合はEFレンズ用のマウントアダプターを介して装着します。ミラーレス専用のRFレンズと比べればシステム全体は少し長くなりますが、ライブでは一度カメラを固定してしまえば大きな問題にはなりません。
ライブ配信では、レンズの携帯性やAF速度よりも「固定した場所で必要な画角が得られるか」が重要です。
EF50mm F1.8 IIは50mmという画角を低コストで得られ、F1.8まで開けられます。普段は使わなくなった古いレンズでも、固定ライブ用として考えると新しい用途が生まれます。
EF50mm F1.8 IIそのものの描写や特徴については、EF50mm F1.8 IIの魔法的な魅力でも紹介しています。
50mmにするとヤマガラライブの映像はどう変わるか
- ヤマガラの姿が画面内で大きくなる
- 背景の写る範囲が狭くなる
- 鳥が来る位置を正確に決める必要がある
ヤマガラの表情や動きが見やすくなる
16mmから50mmへ変更したときに最も大きく変わるのは、画面の中でのヤマガラの大きさです。
同じ距離から撮影しても50mmでは写る範囲が狭くなるため、鳥が画面の中で占める割合が大きくなります。頭の向き、目の動き、くちばしの動き、羽毛の模様なども確認しやすくなります。
野鳥ライブでは、単に「鳥が来た」と分かる映像と、鳥そのものを観察できる映像では見え方が大きく違います。
16mmは周囲を含めたライブカメラ的な映像になります。50mmでは画面の主役が明確にヤマガラになります。
特に鳥がカメラに近い位置へ来た場合、50mmなら写真用の望遠レンズほど極端に狭くならず、それでいて16mmとは明らかに違う大きさで表示できます。
ヤマガラの動きをじっくり見てもらうことを目的にするなら、50mmへ変更する意味は大きくなります。
背景が整理され野鳥が目立つ
50mmでは16mmと比べて背景に写る範囲が狭くなります。
16mmでは窓の周囲、庭、枝、建物など多くのものが画面へ入ります。鳥がいない時間にも周囲の状況が見えるためライブ映像として面白い反面、ヤマガラが来たときにも背景の情報量が多くなります。
50mmでは背景の一部分だけを切り取るため、鳥の周囲をシンプルにできます。
さらにEF50mm F1.8 IIは開放F1.8まで使えるため、絞りを開ければ背景をぼかすことも可能です。
写真なら大きな背景ボケは魅力ですが、野鳥ライブでは必ずしもF1.8を使う必要はありません。鳥が少し前後へ動いただけでピントから外れやすくなるためです。
それでも50mmという焦点距離自体によって背景の写る範囲が狭くなるので、絞りを極端に開けなくても16mmより主役を明確にできます。
画角が狭いぶん設置位置が重要になる
50mmの最大の注意点は、16mmのように広い範囲を保険として映しておけないことです。
16mmならヤマガラが予定位置から少し横へ移動しても画面内に残ります。50mmでは同じ移動量でも画面から外れる可能性が高くなります。
そのため、カメラの向きと鳥が来る位置の関係を事前に調整する必要があります。
ライブ開始前には、実際に鳥が止まる場所を中心にして構図を決めます。枝や餌場など目印になる場所がある場合は、その位置を画面の中央付近へ置くと安定します。
鳥の移動範囲が広い場合には、50mmいっぱいで構図を詰めすぎず、上下左右に少し余裕を残しておく方法もあります。
50mmへ変更すると「どこに来ても映るライブ」から「狙った場所へ来た鳥を大きく映すライブ」へ性格が変わると考えると分かりやすいでしょう。
EF50mm F1.8 IIでライブ配信するときの設定
- 開放F1.8にこだわらず被写界深度を確保する
- 固定位置なら置きピンを利用できる
- 露出は鳥と背景の明るさを見ながら調整する
F1.8より少し絞った方がライブでは使いやすい
EF50mm F1.8 IIという名前を見ると、F1.8の大きなボケを使いたくなります。
写真撮影ならそれも魅力ですが、ライブ配信では鳥が常に同じ位置に静止しているとは限りません。ヤマガラが少し手前へ動いたり、奥へ移動したりするだけでピント位置が変わります。
F1.8では被写界深度が浅くなるため、鳥の目にピントが合っていても体の一部がぼけたり、少し動いた瞬間に全体が甘くなったりします。
固定ライブでは、背景ボケとピントの許容範囲のバランスを取る方が実用的です。
明るさに余裕がある昼間なら、F4、F5.6、F8などへ絞ることで、鳥が多少前後してもピントの合う範囲を広げられます。
どこまで絞るかは、カメラと鳥の距離、鳥が動く範囲、背景までの距離、光量によって決めます。F1.8というスペックを使い切ることより、ライブ中に安定して鳥を見せられることを優先します。
鳥が来る場所が決まっていれば置きピンが使える
固定ライブでは、鳥が止まる場所がほぼ決まっている場合、あらかじめその位置へピントを合わせておく方法が使えます。
一般的な野鳥撮影では、飛び回る鳥を追いながらAFを使います。ライブではカメラを固定しているため、毎回同じ場所へ来るのであればピント位置も固定できます。
ライブ開始前に鳥が止まる場所へ目印となる物を置き、その位置へ正確にピントを合わせます。その後、ピント位置を変えずに配信すれば、AFが背景へ抜けたり、鳥が来るたびにピントを探したりする動きを防げます。
50mmでは16mmより被写界深度が浅くなるため、置きピンの位置は重要です。鳥が止まる位置の中央付近へ合わせ、絞りによって前後の許容範囲を確保します。
ヤマガラが毎回ほぼ同じ場所へ来る環境だからこそ成立する方法です。
露出は白飛びと黒つぶれを見ながら決める
野鳥ライブでは、時間によって明るさが大きく変化します。
朝は暗く、日が差すと急に明るくなり、雲が通れば再び暗くなります。さらに鳥が日陰へ入ったり、背景だけに光が当たったりすることもあります。
EF50mm F1.8 IIは明るいレンズなので、暗い時間帯では絞りを開けることでISO感度を抑えられます。明るくなってきたら絞りを閉じ、被写界深度を確保する方向へ調整できます。
ライブ映像では、背景の明るさだけを見て露出を決めると、ヤマガラが暗くなったり白い部分が飛んだりすることがあります。
OBSのプレビューやカメラの映像を確認しながら、鳥が来た位置を基準に露出を調整します。
ライブは写真のように1枚ずつ現像できないため、多少明るさが変わっても見続けられる安定した設定を作ることが重要です。
EOS R5とOBSでEF50mm F1.8 IIをライブ配信に使う
- レンズを替えてもOBS側の基本構成は変わらない
- カメラを固定したら画角をOBSで確認する
- 50mmはライブ映像の主役を明確にできる
16mmから50mmへ交換しても配信方法は同じ
RF16mm F2.8 STMからEF50mm F1.8 IIへ交換しても、EOS R5からPCへ映像を送り、OBSでYouTubeライブへ配信する基本構成は変わりません。
変わるのはカメラから見える範囲です。
そのためレンズ交換後は、まずOBSのプレビュー画面を見ながらカメラの向きを再調整します。
16mmのときと同じ向きへカメラを置いても、50mmでは画面に映る場所がまったく違います。鳥が来る位置を中心にしながら、その周囲にどこまで余白を残すかを決めます。
画角が決まったら、ピント、絞り、露出を調整し、その状態でライブを開始します。
EOS R5を使ったYouTubeライブの接続やOBS設定については、EOS R5でYouTubeライブ配信する方法|ヤマガラライブの機材・OBS設定・運用で詳しく紹介しています。
OBSのプレビューで鳥の大きさを確認する
レンズ交換後の調整では、カメラ本体の背面モニターだけでなく、実際に配信へ使うOBSのプレビューを見ることが重要です。
YouTubeで視聴者が見るのはOBSから出力された映像だからです。
50mmへ変更するとヤマガラは大きく映りますが、大きくしすぎると鳥が少し動いただけでフレームアウトします。
鳥が止まったときに十分大きく見え、同時に少し動ける空間も残っている程度が固定ライブでは使いやすくなります。
背景についてもOBS上で確認します。電線、窓枠、不要な枝などが目立つ場合、カメラを数センチ動かすだけでも50mmでは構図が大きく変わります。
固定カメラだからこそ、ライブ開始前の構図決定が映像全体の印象を左右します。
50mmでヤマガラをライブの主役にする
16mmを使ったライブでは、ヤマガラとその周囲の環境を同時に見せられます。
これは「野鳥が訪れる場所そのものを見るライブ」として面白い画角です。
50mmへ変更すると、映像の意味が少し変わります。
背景の範囲が狭まり、ヤマガラが画面の中で大きくなるため、「ヤマガラそのものを見るライブ」という性格が強くなります。
どちらが正解という話ではありません。
鳥が来る前の周囲の様子まで見せたいなら16mm、鳥が来たときの姿や動きを大きく見せたいなら50mmという使い分けができます。
そしてEF50mm F1.8 IIは、一般的な野鳥用レンズとして考えると短いレンズですが、ヤマガラライブのような至近距離の固定撮影では、その50mmという画角を生かせます。
EF50mm F1.8 IIは近距離の野鳥ライブだから使える
EF50mm F1.8 IIは、一般的な野鳥撮影に向いた焦点距離ではありません。遠くにいる鳥を50mmで大きく撮影することは困難です。
ヤマガラライブでは、カメラを固定した場所のすぐ近くまで鳥がやって来ます。この特殊な撮影条件によって、通常は短すぎる50mmが野鳥撮影用として成立します。
RF16mm F2.8 STMでは周囲まで広く映し、EF50mm F1.8 IIでは鳥を大きく映す。この2本は焦点距離が大きく違うため、同じライブでも映像の性格を変えられます。
さらに50mmでは背景の範囲が狭まり、ヤマガラそのものへ視線を集めやすくなります。絞りを調整すれば、ピントの安定性と背景の整理も両立できます。
古いEF50mm F1.8 IIでも、EOS R5と組み合わせればライブ配信用レンズとして活用できます。
野鳥撮影だから望遠レンズが必要と決めるのではなく、鳥までの距離、カメラを動かすか固定するか、どの程度の範囲を映したいかによって必要な焦点距離は変わります。
カメラのすぐ近くまでヤマガラが来るヤマガラライブでは、50mm単焦点という意外なレンズが、鳥を大きく見せるための実用的な選択肢になります。


